作者：かすてら 
極限環境ずんだもん！
前置き
極限環境微生物をご存知だろうか？簡単に言うと生物の生存に適していない環境(南極や火山付近、硫黄が充満した土地など)でのみ増殖、生存できる微生物のことである。その特異な性質から様々な分野への活用が期待されている。そして皆さんご存知ずんだもん(通称ずんだ虫)かつては森や山奥に生息する妖精だったが開発などの影響もあり全国へ生息地を広げ、ネズミも真っ青な繁殖力で爆発的に数を増やしている在来種の生物である。その体重の軽さや小ささのせいで検疫でも見つかり辛く、今や世界のどこにでもいると思って良い。更に、耐久値が異常に低い割に環境への適応力は高く、火山付近や冬雪山での目撃例まである。この物語はそんなずんだもんの適応力に目をつけた1人の若者の思いつきから始まるー
第1章
僕の名前はずんだもん。と言っても妖精の方じゃあない。初対面の人にはだいたい聞かれるけど僕は産まれた時から人型だし僕の家族で妖精だった人は知らない。要するに僕は人型家系のずんだもんというわけ。あの変な語尾もないから数日経てば皆気にしなくなるけどね。
…話はそれたけど自己紹介の続きを。僕は寧央(ねいおう)大学3年生選考は生物。今まさに卒論のテーマに悩んでいる真っ最中だ。卒業研究は役1年間継続して行う。例え目覚ましい成果が得られなくても1年間実験が継続できる様なテーマが望ましい。テーマの締め切りは2日後だからそろそろ決めて実験を始めなくてはいけないんだけど、いまいちピンとくるテーマがないんだよね…。
「ずんずんずんずん！」
「へこへこへこへこ！」
「へこへこきもちいのだ！」
聞き覚えのある鳴き声が聞こえてきた。声の方に目をやるとキャンパスの芝生の上で野生の妖精ずんだもんが交尾していた。本当にコイツら何処から湧いて出てくるんだろう。喋らない分他の害虫の方がマシだよね。
「へこへこへこへこ！おいくちょにんげん！なにみてるのだ！みせもんじゃねーのだ！」
「あっちへいくのだ！へこへことめないでね！」
「おほぉ！おちびちゃんのずんぽきもちいのだ！」
「となりのままずんすごいめーきなのだ！おかーしゃよりいいしまりなのだ！」
おお…なんたる冒涜的生命であろうか…。こうやって際限なく増えているのかコイツらは…とりあえず潰しておくか。と目の前の害獣を駆除しようと持ち上げた足を止め、僕は考える。
(コイツらを使った実験なら1年間やれそうじゃあないか？)
そういえばニュースで見たことがある。妖精は適応力が高く、今や南極や火山付近などの極限環境にも進出していると…。
僕の中で何かが繋がった音がした！これだ！卒論のテーマはこれでいこう！
僕は教授にテーマを伝えるため妖精を始末した後早速研究棟へ向かったのだった。
第2章
教授には何か言われるかと思ったがあっさりOKが出た。なんでも教授も今、妖精に関する研究を行っており、僕の研究が新たなる発見につながるかもしれないからとのことだった。そんなわけで僕の研究テーマは「妖精ずんだもんの適応力の限界」に決定した。
この研究で妖精の環境への適応力が分かれば将来品種改良で火星のテラフォーミング要因として活動させたり、原発など危険が伴う作業を人間が担う必要がなくなるかもしれない。よい研究テーマだと我ながら思う。就活でも使えそーだしな…。
そういうわけでやる事は単純。妖精ずんだもんを様々な条件の環境に置き、生存できるか、繁殖は可能かなどをチェックしていく。最終的に現在の妖精はどの程度の適応力があるかをレポートにまとめるのである。実験用ずんだもんは教授に頼んだら研究室に生息地別のがいるから全滅させなければ自由に使っていいとの事だ。外に住んでるのを使う時は研究室に入れる前に必ず滅菌する様に言われた。まあ他の人も実験してるし当然か…。環境の再現についてだが、ありがたいことにうちの大学がまあまあ金持ちだから設備は充実している。来週から早速実験を始めよう。
というわけでまずは高温環境だ。人間は-50°から50°までなら(もちろん衣類や暖房設備込み)生存できる。あのクマムシならなんと-150°から150°まで生存可能らしい。火山付近での目撃例があるくらいだし妖精も100°くらいならいけるのではないか…というのが僕の予想だ。比較のため高温地帯に生息する妖精とその辺に生息している妖精をオスメスの赤ずん、子ずん、成ずんの6匹ずつを高温環境再現ユニット(箱状、妖精ずんだもん様に小さめに作られている。覗き穴から中の様子も観察できる)にぶち込んで経過を観察する。このユニットはクマムシの実験にも用いられた器具で200°まで温度を上げられる優れものだ。餌は枝豆が良いかと思ったが、燃えてしまって危ないのではと教授に相談したら火山ずんだもん用の餌があるとのことだったのでそれを使うことにした。
研究室には街ずん森ずんも用意があったので一般妖精枠として街ずんを使用することにした。別に森ずんでもよかったんだけど、街ずんの方が補充が簡単だし、大人しい森ずんが苦しんだりするのはなんだか心が痛むからね。
というわけで準備ができたので火山ずんと街ずんを実験ユニットに入れて蓋を閉め、温度を100°に設定する。
一応火山ずんの方には実験の趣旨を伝え生命の危機を感じたら合図を送る様に伝えてある。彼らはかなり人類に対して好意的で実験趣旨をよく理解し快く協力してくれた(どうやら知能もかなり発達している様子、何処でこんなに賢くなったんだ？)。一方街ずんにはなにも伝えていない。説明しても理解できないだろうし、口を開けばヘコヘコかずんだもちかもしくは罵倒しか出てこない様な連中だ。会話が成立しないのに時間をかけて説明してやる義理もないだろう。実験室のキムワイプの様な消耗品と思ってもらって良い。というわけであとは30分毎に様子を観察し1日2回餌を入れるだけだ。以下に経過観察を記しておくので見て欲しい。
0分 ユニットの温度24.4°
火山ずん
温度が低いためかあまり動かないが健康上の問題は見られない。
街ずん
外に出られないことに不満をもらし、親ずんは交尾を始める。下の世代は餌を食べはじめる。
音声記録
火山
子「ここはちょっと寒いのだ」
親「人間さんによるとここは30分毎に10°ずつ温度が上がっていくらしいのだ。すぐに暮らしやすい温度になるからね。」
赤「あったかくなるまでお昼寝して待つのだ！」
街
「もうずんだもちのじかんはとっくにすぎてるのだ！くちょにんげん！ちゃっちゃとずんだもちをだすのだ！」
「ちょんなことよりへこるのだ！」
「あれぇ？ここはどこなのだ？ままええわ」
「おいち！おいち！」
「ヘコヘコぉぉぉぉぉ！！」
マイクで音声記録も取っておいてよかった。内部の様子がよりよく分かるし、街ずんが苦しみながら死んでいく様子も見られて一石二鳥というわけだ。それにしても住環境の変化よりも三代欲求を優先するとは…。そういえば教授も「皆知ってる？最近の研究で人里に住むずんだ虫と森とかに住んでるずんだもんって別種と認められたらしいんだよね。長い年月で少しずつ分岐していったってとこかな…。ところで…猿はマスターベーションを覚えると死ぬまでずーっと続けるんだ。街に住むずんだ虫もそうなんだって…滑稽だよねェ〜〜。ずんだ虫ってのはさァ〜〜。なんつーかこう…他の生物の残念な所をかけあわせたような生物だよねェーーーッ」とか講義で言ってたような気がする。別種なら納得だ。
30分 ユニットの温度35.7°
火山
30分前よりもよく動くようになった。会話のペースも上がっている。
街
新しい子ずんが産まれていた。餌はもうなくなっており子ずん同士で取り合いが発生していた。親ずんは交尾を続けている
音声記録
火山
子「暖かくなってきたのだ！」
赤「ぽかぽか気持ちいのだ」
親「ご飯さんは1日2回って言ってたのだ。お腹が空いたらみんなでご飯さんにしようね！」
「「はーいのだ」」
街
赤「「「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」」」
親「おちびちゃんがうまれたのだ！とってもかわいいのだ！でもヘコヘコやめらんねーのだ！きもちーのだ！」
親「なんだかあったかくなってきたのだ？ままええわ。ヘコヘコ！ヘコヘコ！」
子「おとーとがふえたのだ！おなかちゅいたのだ！ごはんさんよこちゅのだ！くちょにんげん！」
子「いたいめみたくなきゃはやくするのだ！
」
火山ずんはやはり温度が高い方が動きやすいようだ。現在各ユニットの温度は真夏の気温ぐらいなのでまだ顕著な差は見られない。
が、街ずんはどうも周囲の変化に対する関心が希薄な様だ。こんな種が今日まで生き延びてきたのは
まさに大自然の奇跡と言えるだろう。まだ30分しか経っていないのにだいぶ数が増えているし…余りにも増えるようなら間引きを考えなくてはな…
そんなことを考えながら教授に火山ずんだもんの繁殖方法を質問しに僕は研究室を後にした
「火山ずんだもんの繁殖？オスメス同士の相性が良かったらそのうち始めるよ」
火山ずんの繁殖方法について尋ねた僕に対する教授の答えはこうだった。
「なんか繁殖を促す物質とかもないですか」
「あるにはあるけど…結構作るのに時間かかるよ？」
「観察の合間に結構時間はあるし、大丈夫です適度にやることはあった方がいい。」
「わかった。じゃあ後で生成法が載ってる論文を渡すから研究室で待っててよ。今日は何時までいる予定？」
「この後講義があるんで戻ってきてからだと…18:00ごろまではいるつもりです。」
「講義の間のユニットの記録はどうするの？」
「心配入りませんよ。研究室の記録用カメラを設置してます。論文書くときにも使えますから。では、また後ほど」
僕は実験棟を後にして講義棟へ向かった。
ーずんだもんが講義中の研究室ー
研究室には教授の姿があった。その視線はずんだもんの実験ユニットへ注がれている。
「実験開始から90分でもうユニットを埋め尽くさんばかりですねェ〜。流石は街ずんと言った所でしょうか。…それにしてもずんだもん君も面白い実験を考えるね…私もインスピレーションが刺激されてきましたねェーッ！どれ、私も新たなるアプローチで実験してみましょうか…」そう言うと教授は実験用ずんだもんの保管庫に向かうのだった。
講義を終えた僕は農学部の友達に枝豆を分けてもらい、研究室へと戻ってくると机の上に論文が置いてあった。これが教授の言っていた火山ずんの催淫剤の作り方が載っているやつだろう。自分の席に着き中身をぱらぱらとめくる。海外の論文なので当然英語で書いてあったが単語の意味を調べながらそれっぽい部分を探すことにした。ええと…ああ、あった。なるほど、これなら研究室にあるもので大体作れそうだな。…妖精も必要なのか。外からとってくるか。と思っていると教授が貼っていったのであろう付箋に気がつく。(論文にはずんだもんと書いてありますが、ずんだ虫でも代用可能ですよ！ユニット内のずんだ虫を間引きついでに使ってもいいと思います)…と言うことらしい。そういえば戻ってきてから観察忘れてたな、どれどれ様子はと、火山ずんは昼寝をしているみたいだ。体色もいい。特に問題なしと。街ずんは…う、うぉぉぉああああああああ！！！
ユニット内で繰り広げられていたのは目を覆わんばかりの惨劇だった。暑さに耐えきれなくなったのかは知らないが(現在ユニット内温度は65.0°)連中はヒーターのある床からできるだけ離れようと組体操のようなフォーメーションを組んでいた。仲間を生かすため自ら犠牲になる姿は「ダー○ィンがきた！」あたりで流せば感動を呼ぶ場面だろう。…親が我が子の上に乗っていなければ…。
「ヘコヘコ！ヘコヘコ！」
「おちりが！やけるのだ！おとーちゃ！おりて！おりちぇ！」
「うるちぇーのだ！こどもはおやのやくにたつのがつとめなのだ！ヘコヘコ！きもちーのだ！」
「おぎゃーのだ！おg」
「ああああああああ！あたらしいおとーとたちがやけてるのだああああああ！」
「あちゅいよおおおおおお！からだくっついてはなれないのだ！ちんじゃうのだ！あちゅ！あちゅ…」
「ヘコヘコ！なんだこいつもうちんだのだ！ままええわ。かわりはいくらでもいるのだ！
ヘコヘコ！ヘコヘコ！」
「おにーちゃこわいのだ…」
「だ.だいじょうぶなのだ！きっとだれかたすけにきてくれるのだ！」
「だちて！ここからだちゅのだ！くちょにんげん！」
子ずん4匹を踏み台のようにして親ずんはヘコヘコしている。周りには既に「使い終わった」子ずんも多く転がっている。かなり早い段階で限界が来ていたようだ。あれだけ増やしていた子ずんも生きているのはもう台含めて6匹しかいない。
毎度思うがこいつらは生物として破綻していると思う。言葉を話す頭脳を持っていながらどうしてこんなに自分勝手になれるんだろう…。そう思っているといつの間にか後ろに立っていた教授に声をかけられた。
「あれまー。あんなに増えていたのにあっという間にへっちゃったねェ〜ずんだ虫」
「教授。びっくりさせないでくださいよ、心臓に悪い」
「すまないね。ちょっと面白いことになっていたのでつい。ずんだ虫はね…植物の性質と動物の性質を両方持っているって話は前に講義でしたよね。覚えてる？」
「ええ、なんとなくですが」
「ずんだ虫の植物っぽいところって「光合成」だとか「水を養分にできる」だとか…数えてみると結構あるんだけど、ぼくはコイツらの最も植物の性質を強く受け継いでいる部分は「繁殖だけを考える」であると考えている。」
「どういうことです？」
「例えばなんの植物でもいい。増え方を思い浮かべてご覧。その植物は種子を蒔いた後その種を外敵から守ったり、自分で育てたりするかい？」
「食べられにくいように種を蒔くときに何かするものもありますが…大抵はそのままですね」
「そう、そしてずんだ虫はところ構わずヘコヘコして子を増やすくせに育児はまともに行わない。別にヤツらはヘコヘコが好きなんじゃあない。ヘコヘコはヤツらにとっての最終到着点であり、それより後のことはヤツらの中にそもそも存在しないんだよ」
「…なんでそんな生物が生まれてしまったんでしょうか。動物としては明らかに破綻してませんか。それ」
「そうでもないよ。自分で産んだ卵を食べちゃう魚だっているくらいだ。こーゆー生態の生物が生まれてもおかしくはない。コイツらがヒトの言葉を話したりするからそう思ってしまうのさ。」
「でもこういうのが実験動物として最適なんですよね。実験の感想が本人から聞けたりするし…それに今は食品文化にもなんなら技術なんかにもずんだ虫が関わっている。なんの躊躇いもなく使い潰せる資源が豊富にあるって良いことなんだと思うことにします。」
「良い考え方だね。君は良い研究者になれると思います。卒研、頑張ってね。」
そう言うと教授は教員部屋に戻っていった。
植物と一緒かあ…。流石ずんだ虫専門家、ためになる話が多いな…。よし、催淫剤の制作に取り掛かろう。
3時間 ユニット温度85℃
火山ずん
かなり快適なのか飛び回ったりするようになった。餌に手をつけ始めていた。
街ずん
全ての子ずんを使い切り腹が減ったのか死骸を摂食していた。共食いにより知能の低下が見られ、踏み台まで食べたため床に体が付き熱で引っ付いた。その後身体を剥がそうともがいているうちに四肢が取れ、仰向けにくっ付く。そのまま15分は生存していたが2匹とも死亡した。
結果と考察
ずんだ虫は高温環境では3時間程度しか生存できないことが確認された。餌だけ定期的に与えられるのであれば50℃程度の環境での活動は可能だと考えられる。(映像記録を確認したところ60を超えたあたりから死亡する個体が確認されるようになった。)
ずんだ虫の限界は確認できたため、高温実験は終了とした。
音声記録
火山
赤「丁度いい温度なのだ！元気なのだ！」
子「お腹すいたのだ。ご飯さんにするのだ。」
親「おチビちゃん達！皆んなで仲良く分けて食べようね！」
「「はーいのだ」」
街
「「ああああああああちゅいあちゅいあゆい！！」」
「どうちて…ぼくなんにもわるいことしてないのだ…なんでこんなめにあわないといけないのだ」
「くちょにんげんのせいなのだ…くちょ、くちょ…ああああああああああ！！な、ないのだ…ぼくのてあしないのだあああああああ！あちゅい！ちんじゃうのだ！」
「やける！せなかやけちゃうのだああああああああああ！」
この後、2匹は生存はしていたが喋ることもなかったため記録を終了した。
あとがき
高温実験が一区切りついたのでいったん投稿します。思いつきで書き進めてはいけない(戒め)もうちょっとしっかり構想練って書かないと実験系はうまくいきませんね。次回は液体窒素を使って低音実験をおこなっていきます。他にも実験のアイデアがあればコメントで教えていただけると嬉しいです。それではまた。
前置き
極限環境微生物をご存知だろうか？簡単に言うと生物の生存に適していない環境(南極や火山付近、硫黄が充満した土地など)でのみ増殖、生存できる微生物のことである。その特異な性質から様々な分野への活用が期待されている。そして皆さんご存知ずんだもん(通称ずんだ虫)かつては森や山奥に生息する妖精だったが開発などの影響もあり全国へ生息地を広げ、ネズミも真っ青な繁殖力で爆発的に数を増やしている在来種の生物である。その体重の軽さや小ささのせいで検疫でも見つかり辛く、今や世界のどこにでもいると思って良い。更に、耐久値が異常に低い割に環境への適応力は高く、火山付近や冬雪山での目撃例まである。この物語はそんなずんだもんの適応力に目をつけた1人の若者の思いつきから始まるー
第1章
僕の名前はずんだもん。と言っても妖精の方じゃあない。初対面の人にはだいたい聞かれるけど僕は産まれた時から人型だし僕の家族で妖精だった人は知らない。要するに僕は人型家系のずんだもんというわけ。あの変な語尾もないから数日経てば皆気にしなくなるけどね。
…話はそれたけど自己紹介の続きを。僕は寧央(ねいおう)大学3年生選考は生物。今まさに卒論のテーマに悩んでいる真っ最中だ。卒業研究は役1年間継続して行う。例え目覚ましい成果が得られなくても1年間実験が継続できる様なテーマが望ましい。テーマの締め切りは2日後だからそろそろ決めて実験を始めなくてはいけないんだけど、いまいちピンとくるテーマがないんだよね…。
「ずんずんずんずん！」
「へこへこへこへこ！」
「へこへこきもちいのだ！」
聞き覚えのある鳴き声が聞こえてきた。声の方に目をやるとキャンパスの芝生の上で野生の妖精ずんだもんが交尾していた。本当にコイツら何処から湧いて出てくるんだろう。喋らない分他の害虫の方がマシだよね。
「へこへこへこへこ！おいくちょにんげん！なにみてるのだ！みせもんじゃねーのだ！」
「あっちへいくのだ！へこへことめないでね！」
「おほぉ！おちびちゃんのずんぽきもちいのだ！」
「となりのままずんすごいめーきなのだ！おかーしゃよりいいしまりなのだ！」
おお…なんたる冒涜的生命であろうか…。こうやって際限なく増えているのかコイツらは…とりあえず潰しておくか。と目の前の害獣を駆除しようと持ち上げた足を止め、僕は考える。
(コイツらを使った実験なら1年間やれそうじゃあないか？)
そういえばニュースで見たことがある。妖精は適応力が高く、今や南極や火山付近などの極限環境にも進出していると…。
僕の中で何かが繋がった音がした！これだ！卒論のテーマはこれでいこう！
僕は教授にテーマを伝えるため妖精を始末した後早速研究棟へ向かったのだった。
第2章
教授には何か言われるかと思ったがあっさりOKが出た。なんでも教授も今、妖精に関する研究を行っており、僕の研究が新たなる発見につながるかもしれないからとのことだった。そんなわけで僕の研究テーマは「妖精ずんだもんの適応力の限界」に決定した。
この研究で妖精の環境への適応力が分かれば将来品種改良で火星のテラフォーミング要因として活動させたり、原発など危険が伴う作業を人間が担う必要がなくなるかもしれない。よい研究テーマだと我ながら思う。就活でも使えそーだしな…。
そういうわけでやる事は単純。妖精ずんだもんを様々な条件の環境に置き、生存できるか、繁殖は可能かなどをチェックしていく。最終的に現在の妖精はどの程度の適応力があるかをレポートにまとめるのである。実験用ずんだもんは教授に頼んだら研究室に生息地別のがいるから全滅させなければ自由に使っていいとの事だ。外に住んでるのを使う時は研究室に入れる前に必ず滅菌する様に言われた。まあ他の人も実験してるし当然か…。環境の再現についてだが、ありがたいことにうちの大学がまあまあ金持ちだから設備は充実している。来週から早速実験を始めよう。
というわけでまずは高温環境だ。人間は-50°から50°までなら(もちろん衣類や暖房設備込み)生存できる。あのクマムシならなんと-150°から150°まで生存可能らしい。火山付近での目撃例があるくらいだし妖精も100°くらいならいけるのではないか…というのが僕の予想だ。比較のため高温地帯に生息する妖精とその辺に生息している妖精をオスメスの赤ずん、子ずん、成ずんの6匹ずつを高温環境再現ユニット(箱状、妖精ずんだもん様に小さめに作られている。覗き穴から中の様子も観察できる)にぶち込んで経過を観察する。このユニットはクマムシの実験にも用いられた器具で200°まで温度を上げられる優れものだ。餌は枝豆が良いかと思ったが、燃えてしまって危ないのではと教授に相談したら火山ずんだもん用の餌があるとのことだったのでそれを使うことにした。
研究室には街ずん森ずんも用意があったので一般妖精枠として街ずんを使用することにした。別に森ずんでもよかったんだけど、街ずんの方が補充が簡単だし、大人しい森ずんが苦しんだりするのはなんだか心が痛むからね。
というわけで準備ができたので火山ずんと街ずんを実験ユニットに入れて蓋を閉め、温度を100°に設定する。
一応火山ずんの方には実験の趣旨を伝え生命の危機を感じたら合図を送る様に伝えてある。彼らはかなり人類に対して好意的で実験趣旨をよく理解し快く協力してくれた(どうやら知能もかなり発達している様子、何処でこんなに賢くなったんだ？)。一方街ずんにはなにも伝えていない。説明しても理解できないだろうし、口を開けばヘコヘコかずんだもちかもしくは罵倒しか出てこない様な連中だ。会話が成立しないのに時間をかけて説明してやる義理もないだろう。実験室のキムワイプの様な消耗品と思ってもらって良い。というわけであとは30分毎に様子を観察し1日2回餌を入れるだけだ。以下に経過観察を記しておくので見て欲しい。
0分 ユニットの温度24.4°
火山ずん
温度が低いためかあまり動かないが健康上の問題は見られない。
街ずん
外に出られないことに不満をもらし、親ずんは交尾を始める。下の世代は餌を食べはじめる。
音声記録
火山
子「ここはちょっと寒いのだ」
親「人間さんによるとここは30分毎に10°ずつ温度が上がっていくらしいのだ。すぐに暮らしやすい温度になるからね。」
赤「あったかくなるまでお昼寝して待つのだ！」
街
「もうずんだもちのじかんはとっくにすぎてるのだ！くちょにんげん！ちゃっちゃとずんだもちをだすのだ！」
「ちょんなことよりへこるのだ！」
「あれぇ？ここはどこなのだ？ままええわ」
「おいち！おいち！」
「ヘコヘコぉぉぉぉぉ！！」
マイクで音声記録も取っておいてよかった。内部の様子がよりよく分かるし、街ずんが苦しみながら死んでいく様子も見られて一石二鳥というわけだ。それにしても住環境の変化よりも三代欲求を優先するとは…。そういえば教授も「皆知ってる？最近の研究で人里に住むずんだ虫と森とかに住んでるずんだもんって別種と認められたらしいんだよね。長い年月で少しずつ分岐していったってとこかな…。ところで…猿はマスターベーションを覚えると死ぬまでずーっと続けるんだ。街に住むずんだ虫もそうなんだって…滑稽だよねェ〜〜。ずんだ虫ってのはさァ〜〜。なんつーかこう…他の生物の残念な所をかけあわせたような生物だよねェーーーッ」とか講義で言ってたような気がする。別種なら納得だ。
30分 ユニットの温度35.7°
火山
30分前よりもよく動くようになった。会話のペースも上がっている。
街
新しい子ずんが産まれていた。餌はもうなくなっており子ずん同士で取り合いが発生していた。親ずんは交尾を続けている
音声記録
火山
子「暖かくなってきたのだ！」
赤「ぽかぽか気持ちいのだ」
親「ご飯さんは1日2回って言ってたのだ。お腹が空いたらみんなでご飯さんにしようね！」
「「はーいのだ」」
街
赤「「「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」」」
親「おちびちゃんがうまれたのだ！とってもかわいいのだ！でもヘコヘコやめらんねーのだ！きもちーのだ！」
親「なんだかあったかくなってきたのだ？ままええわ。ヘコヘコ！ヘコヘコ！」
子「おとーとがふえたのだ！おなかちゅいたのだ！ごはんさんよこちゅのだ！くちょにんげん！」
子「いたいめみたくなきゃはやくするのだ！
」
火山ずんはやはり温度が高い方が動きやすいようだ。現在各ユニットの温度は真夏の気温ぐらいなのでまだ顕著な差は見られない。
が、街ずんはどうも周囲の変化に対する関心が希薄な様だ。こんな種が今日まで生き延びてきたのは
まさに大自然の奇跡と言えるだろう。まだ30分しか経っていないのにだいぶ数が増えているし…余りにも増えるようなら間引きを考えなくてはな…
そんなことを考えながら教授に火山ずんだもんの繁殖方法を質問しに僕は研究室を後にした
「火山ずんだもんの繁殖？オスメス同士の相性が良かったらそのうち始めるよ」
火山ずんの繁殖方法について尋ねた僕に対する教授の答えはこうだった。
「なんか繁殖を促す物質とかもないですか」
「あるにはあるけど…結構作るのに時間かかるよ？」
「観察の合間に結構時間はあるし、大丈夫です適度にやることはあった方がいい。」
「わかった。じゃあ後で生成法が載ってる論文を渡すから研究室で待っててよ。今日は何時までいる予定？」
「この後講義があるんで戻ってきてからだと…18:00ごろまではいるつもりです。」
「講義の間のユニットの記録はどうするの？」
「心配入りませんよ。研究室の記録用カメラを設置してます。論文書くときにも使えますから。では、また後ほど」
僕は実験棟を後にして講義棟へ向かった。
ーずんだもんが講義中の研究室ー
研究室には教授の姿があった。その視線はずんだもんの実験ユニットへ注がれている。
「実験開始から90分でもうユニットを埋め尽くさんばかりですねェ〜。流石は街ずんと言った所でしょうか。…それにしてもずんだもん君も面白い実験を考えるね…私もインスピレーションが刺激されてきましたねェーッ！どれ、私も新たなるアプローチで実験してみましょうか…」そう言うと教授は実験用ずんだもんの保管庫に向かうのだった。
講義を終えた僕は農学部の友達に枝豆を分けてもらい、研究室へと戻ってくると机の上に論文が置いてあった。これが教授の言っていた火山ずんの催淫剤の作り方が載っているやつだろう。自分の席に着き中身をぱらぱらとめくる。海外の論文なので当然英語で書いてあったが単語の意味を調べながらそれっぽい部分を探すことにした。ええと…ああ、あった。なるほど、これなら研究室にあるもので大体作れそうだな。…妖精も必要なのか。外からとってくるか。と思っていると教授が貼っていったのであろう付箋に気がつく。(論文にはずんだもんと書いてありますが、ずんだ虫でも代用可能ですよ！ユニット内のずんだ虫を間引きついでに使ってもいいと思います)…と言うことらしい。そういえば戻ってきてから観察忘れてたな、どれどれ様子はと、火山ずんは昼寝をしているみたいだ。体色もいい。特に問題なしと。街ずんは…う、うぉぉぉああああああああ！！！
ユニット内で繰り広げられていたのは目を覆わんばかりの惨劇だった。暑さに耐えきれなくなったのかは知らないが(現在ユニット内温度は65.0°)連中はヒーターのある床からできるだけ離れようと組体操のようなフォーメーションを組んでいた。仲間を生かすため自ら犠牲になる姿は「ダー○ィンがきた！」あたりで流せば感動を呼ぶ場面だろう。…親が我が子の上に乗っていなければ…。
「ヘコヘコ！ヘコヘコ！」
「おちりが！やけるのだ！おとーちゃ！おりて！おりちぇ！」
「うるちぇーのだ！こどもはおやのやくにたつのがつとめなのだ！ヘコヘコ！きもちーのだ！」
「おぎゃーのだ！おg」
「ああああああああ！あたらしいおとーとたちがやけてるのだああああああ！」
「あちゅいよおおおおおお！からだくっついてはなれないのだ！ちんじゃうのだ！あちゅ！あちゅ…」
「ヘコヘコ！なんだこいつもうちんだのだ！ままええわ。かわりはいくらでもいるのだ！
ヘコヘコ！ヘコヘコ！」
「おにーちゃこわいのだ…」
「だ.だいじょうぶなのだ！きっとだれかたすけにきてくれるのだ！」
「だちて！ここからだちゅのだ！くちょにんげん！」
子ずん4匹を踏み台のようにして親ずんはヘコヘコしている。周りには既に「使い終わった」子ずんも多く転がっている。かなり早い段階で限界が来ていたようだ。あれだけ増やしていた子ずんも生きているのはもう台含めて6匹しかいない。
毎度思うがこいつらは生物として破綻していると思う。言葉を話す頭脳を持っていながらどうしてこんなに自分勝手になれるんだろう…。そう思っているといつの間にか後ろに立っていた教授に声をかけられた。
「あれまー。あんなに増えていたのにあっという間にへっちゃったねェ〜ずんだ虫」
「教授。びっくりさせないでくださいよ、心臓に悪い」
「すまないね。ちょっと面白いことになっていたのでつい。ずんだ虫はね…植物の性質と動物の性質を両方持っているって話は前に講義でしたよね。覚えてる？」
「ええ、なんとなくですが」
「ずんだ虫の植物っぽいところって「光合成」だとか「水を養分にできる」だとか…数えてみると結構あるんだけど、ぼくはコイツらの最も植物の性質を強く受け継いでいる部分は「繁殖だけを考える」であると考えている。」
「どういうことです？」
「例えばなんの植物でもいい。増え方を思い浮かべてご覧。その植物は種子を蒔いた後その種を外敵から守ったり、自分で育てたりするかい？」
「食べられにくいように種を蒔くときに何かするものもありますが…大抵はそのままですね」
「そう、そしてずんだ虫はところ構わずヘコヘコして子を増やすくせに育児はまともに行わない。別にヤツらはヘコヘコが好きなんじゃあない。ヘコヘコはヤツらにとっての最終到着点であり、それより後のことはヤツらの中にそもそも存在しないんだよ」
「…なんでそんな生物が生まれてしまったんでしょうか。動物としては明らかに破綻してませんか。それ」
「そうでもないよ。自分で産んだ卵を食べちゃう魚だっているくらいだ。こーゆー生態の生物が生まれてもおかしくはない。コイツらがヒトの言葉を話したりするからそう思ってしまうのさ。」
「でもこういうのが実験動物として最適なんですよね。実験の感想が本人から聞けたりするし…それに今は食品文化にもなんなら技術なんかにもずんだ虫が関わっている。なんの躊躇いもなく使い潰せる資源が豊富にあるって良いことなんだと思うことにします。」
「良い考え方だね。君は良い研究者になれると思います。卒研、頑張ってね。」
そう言うと教授は教員部屋に戻っていった。
植物と一緒かあ…。流石ずんだ虫専門家、ためになる話が多いな…。よし、催淫剤の制作に取り掛かろう。
3時間 ユニット温度85℃
火山ずん
かなり快適なのか飛び回ったりするようになった。餌に手をつけ始めていた。
街ずん
全ての子ずんを使い切り腹が減ったのか死骸を摂食していた。共食いにより知能の低下が見られ、踏み台まで食べたため床に体が付き熱で引っ付いた。その後身体を剥がそうともがいているうちに四肢が取れ、仰向けにくっ付く。そのまま15分は生存していたが2匹とも死亡した。
結果と考察
ずんだ虫は高温環境では3時間程度しか生存できないことが確認された。餌だけ定期的に与えられるのであれば50℃程度の環境での活動は可能だと考えられる。(映像記録を確認したところ60を超えたあたりから死亡する個体が確認されるようになった。)
ずんだ虫の限界は確認できたため、高温実験は終了とした。
音声記録
火山
赤「丁度いい温度なのだ！元気なのだ！」
子「お腹すいたのだ。ご飯さんにするのだ。」
親「おチビちゃん達！皆んなで仲良く分けて食べようね！」
「「はーいのだ」」
街
「「ああああああああちゅいあちゅいあゆい！！」」
「どうちて…ぼくなんにもわるいことしてないのだ…なんでこんなめにあわないといけないのだ」
「くちょにんげんのせいなのだ…くちょ、くちょ…ああああああああああ！！な、ないのだ…ぼくのてあしないのだあああああああ！あちゅい！ちんじゃうのだ！」
「やける！せなかやけちゃうのだああああああああああ！」
この後、2匹は生存はしていたが喋ることもなかったため記録を終了した。
あとがき
高温実験が一区切りついたのでいったん投稿します。思いつきで書き進めてはいけない(戒め)もうちょっとしっかり構想練って書かないと実験系はうまくいきませんね。次回は液体窒素を使って低音実験をおこなっていきます。他にも実験のアイデアがあればコメントで教えていただけると嬉しいです。それではまた。
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唯一の懸念材料は『ずんだ宇宙旅行』の想定されたように食と性欲にずぼらなクズんだもんが一匹でも発生すれは無制限に増殖し、目的の惑星の到着前に滅んでしまうという点。
環境に適応させる以前の問題でクズんだもんの発生を無くすか処分するかの手段を講じないと計画は破綻してしまう。
そんな時は1匹残らず冷凍睡眠させて個別に収容してから送り込めばいいでしょ。冷凍睡眠から目覚めさせるのは大気圏降下時かその後で自然解凍させるか遠隔操作ロボットにやらせればいいと思う。
↑その場合も『冷たい方程式』で想定されている途中覚醒のクズんだもんの注意。
それと、目的地到着後、目的を達成できるようにしないといけない。
一番想定されている事態として、
「ここはどこなのだ？ままええわ。へこへこ」
繁殖行為を制限する方法も必要になるからそれらわ制御する実験も必要。
高温環境実験お疲れさまでした
街ずんは生物として破綻してますね・・・
それを補うかのような異常な繁殖力も環境によっては勝てず、全滅する、と
次の実験も楽しみです
高温低温、大気成分、土壌成分、気圧の高低、重力の高低etcetc
複数の条件を複合させるのもアリかもですね
・真空無重力や月面、木星などの環境を再現して、とか
色々と実験を繰り返すが、なんだかんだ言って火星などに送り込んで環境をよくするだけ良くしたら人間に駆逐されるのがオチですけどね。
直接、駆逐しなくても火星が居住可能となる頃には、ずんだもん達の間から人間に関わる情報が消えているだろうから火星に降り立った人間を神だと偽って、酷使して自滅させるのも手の一つ。
神を名乗ったところで崇めてくるような事は全く無く
「おい、くちょ神！はやくごはんさんをもってくるのだ！」とか言われるだけだと思うぞ？
ならば目の前で何匹か握り潰して望み通りの｢ごはんさん(ずんだ)｣にしてしまえばいい。
あの超絶自己中なアイツらのことだ。後先考えずに今の空腹を満たすためだけに進んで同胞や我が子を｢生贄｣にしまくるだろう……そんでずんだ虫共を駆逐して周ればいいだけだwww
今後どんな実験が行われるのか楽しみです。
次回は液体窒素を使うそうですが、いきなりは強すぎるので冷蔵庫→冷凍庫と段階を踏んでいった方がいあと思います。
他の実験としは、暗所、低酸素（高地・真空）、乾燥、音なし、閉鎖空間、地球環境を再現した特定の空間内（餌や水の補給なし）での様子などやることは多いです。
You Tubeの動画などで実際に人間で行った実験をまとめた動画もありましたので参考になれば。
極限環境だと……温度のほか減圧や加圧、濃い放射能環境などがありますが、
特に植物としての耐性を見るので有れば、農薬散布雰囲気や濃い塩分環境、PHを上げ下げしてみてはいかがでしょうか
とりわけ高塩分環境での耐性を調べることで塩性湿地や塩湖の水で経済動物であるずんだ虫を育てて経済に貢献できるかもしれません。
まあ実験過程でずんだ虫が何匹か干からびるかもしれませんが
自分の専攻が南極の微生物だったため低温といえば液体窒素でしたが言われてみれば最初は冷蔵庫とかですよね…。リサーチ不足を痛感しました。ありがとうございます。pH調整は溶ける描写とか楽しそうなのでやってみたいと思います。
ZELEZの研究機関ではずんだもんの身体を植物の根に変えてしまうという方法を取り入れ、発電に利用していたので身体の一部を他の植物やもちもんに移植される実験もありです。
まあ、アンコを食べると体調を悪くしたり、特定の花粉や納豆菌に弱いという報告例もあるのであまり期待できませんが。