作者：かすてら 
極限環境ずんだもん2
前置き
更新しました。また長くなってしまいましたがよろしくお願いします！
第3章
よいしょと…。ふう…重かった。エレベーターがあってほんとに助かった。僕は額の汗を拭うと研究室の冷蔵庫を開ける中には同級生の培養している低温微生物やらなんやらが入っているが僕のお目当てはそれらの奥に入っている。僕は二つの虫かごを取り出す。
「へこへこ！へこへこ！」
「ずんずんのだのだきもちーのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
「ぶるぶる…ちゃむいのだ…おいくちょにんげん！よくもこんなところにとじこめてくれたななのだ！」
「ぶっころちゅのだ！ちにたくなかったらずんだもちをもってくるのだ！せいいさんをみせるのだ！」
「「へくちゅんなのだ！」」
うーんw何匹かこの場で処分してやろうか？
そういうわけにもいかないので無視してもう片方のかごにも目をやると
「ずーん…ずーん…」
「やっぱり南極と比べるとちょっと暑いのだ」
「仕方がないのだ。ちょっと我慢すればご飯さんだってちゃんともらえるし、適温の飼育室に戻れるのだ。人間さん、卒業研究頑張ってね」
大昔は同じ種だったというがどこで差がついたんだろう。やっぱり頭が良くないと過酷な環境で生き残れないからかな？
さて今日は忙しい。教授が僕の実験は教授の研究にも役立つってことで実験量を増やしてはどうかと色々提案してきたのだった。変なスイッチが入ってしまったからにはキチンとやらないと僕の評価にも関わる。今日は講義がないためこの後の時間をまるまる研究に使える。教授に与えられた課題を一気にやってしまおう。
現在時間のかかるものは低温実験を行なっている。南極に生息するずんだもんと街ずんを低温環境においてみて、(正確には街ずんが)どこまで保つかという実験だ。さっきのは経過観察というわけ。あのかごを今度は冷凍庫に入れて後で様子を見る。その間に別の実験を紹介する。
pH
実験といえば塩酸と水酸化ナトリウムだよね。というわけでまずは酸と塩基に対する耐性を調べていくよ。
ここに街ずんと
「おいはなちぇくちょにんげん！」
「ここからだすのだ！さもないととってもよくないことがおこるのだ！」
「もうおこったのだ！ぷくー！」
「へこへこきもちいいのだ！」
「ぼくのむれがいればおまえなんかいちころなのだ！わかったらはやくぼくのけらいになるのだ！」
好酸性ずんだもんと好塩基性ずんだもんを用意します。
「「のだのだ！」」
「「ずんずん！」」
あとは
それぞれビーカーに入れてピペットで塩酸と水酸化ナトリウムをかけるだけ
まずは好塩基と街ずんに水酸化ナトリウム水溶液を垂らす
好塩基「のだのだ！」
気持ちがよさそうだ。
街「のどがかわいたのだ！くちょにんげん！いいところにおみずさんがあるのだ！きにいったのだ！おまえ！ぼくのめつかいにしてやるからこうえいにおもうのだ！」
まさかそれ飲むの？気は確かか？
「おいち！おいち！」
…どうなっても知らんからな…
その後もピペットから水溶液を垂らし続けたが好塩基ずんは水浴びをしてるのと対して変わらないようでピンピンしていた。で対する街ずんだけど
「あれぇ？なんだかおなかがあったかくなってきたのだ？それになんだかぼくのからだぬるぬるさんがいっぱいなのだ。ろーしょんなのだ？」
と違和感に気がついたかと思ったが
「おほぉ〜。ろーしょんぬるぬるでずんぽきもちーのだ！」
なにトチ狂ったのかずんぽに塗りたくりはじめた。水酸化ナトリウム水溶液を。この後絶対面白くなると思って録画の準備だけしておいた。後で教授にもみせよう。
「ぬるぬる！ぬるぬるなのだ！きもちーのだ！あっ！いくのだ！」
数分後…
「あがあああああああああががががが！あちゅい！おなかやけちゃ！」
始まったか…生物ってどうやって溶けていくんだろ…などとぼんやり考えながらずんだ虫の様子を観察していく。
やっぱり飲んだせいか胃の辺りから溶け始めたようだ。おーおーもう腹が破れてら…
「にゃかみぜんぶ、ぜんぶでちゃ！もどっちぇ！ぼくのにゃかみもどっちぇ！あばああああああああばばばばばばば！」
内臓をぶちまけながら餅のように溶けていく街ずん。
次は食道…次は口内かな。
「だああああああめえええええええ！とけちゃ！なくなっちゃ！でろでろなのだああああああああ！ごぼぼぼぼぼぼ！」
上半身はもう半分ほど溶けてビーカーの底に溜まっている。
これでもまだ生きているとは、呆れるほど生命力が高いな。そろそろずんぽも溶け始めるけどたえられるのかな？
「え？え？や！や！ず、ずんぽが！？ずんぽがとけてるのだああああああああああ！とまっちぇ！あああああああああああああ！へこへこできなくなっちゃうのだ！ぼくのずんぽ！ずんぽ！ず ん ぽ」
それがコレの最後の言葉となった。合掌。
次はおチビたちの番ね。
「え？」
勝手は分かったので親ずんとの耐久性の比較のため、子ずんと赤ずんもビーカーに放り込む。
「いやああああ！とけたくない！とけたくないちゃ！」
「だちて、だちて！うわーん！おかーちゃ！」
「おちびちゃんをはなすのだ！くちょにんげん！あとずんだもちをよこすのだ！」
うるさいなあ…あ、いいこと思いついた。
僕は雌ずんに今溶けきったばかりのパパずん「だったもの」を与えてみた。
「このずんだもちあげるよ。ちょっと変な匂いするけど」
「くんくん、ずんだもちのにおいなのだ！なんかぬるぬるさんがたくさんあってへんなにおいするけど…。ままええわ。おいち！おいち！」
「おかーちゃ！？たちけて！ぼくたちとかされちゃうのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
目の前で番が溶けるのを見た後とは思えないなぁ…。子どものことも忘れてるし…。まあ静かになったし始末する手間も省けたからよしとしよう。さて子ずんの観察に戻ろう。
おお…やっぱり子ずんの方が溶けるのがはやいなぁ。もう下半身がなくりはじめてる。
「だせ！だせだせだせくちょにんげん！」
溶けながらビーカーを必死に叩く子ずん。暴れると全身にかかるぞ。
必死の抵抗も虚しく子ずんと赤ずんは白と緑のまだら模様を遺して溶けた。
「おにゃかやけちゃあああああああああああああああああああああああああああ！」
雌ずんも溶けたっぽい。合掌。
気圧変化
好酸性ずんだもんと街ずんの低pH実験は過程も結果も高pHとほぼ変わらなかったため割愛して次に行こう)次は高気圧と低気圧に耐えられるかどうか。ここには当然高所に住むずんだもんと深海に住むずんだもんがいます。
街ずんを排気鐘に入れて空気を抜いていけば気圧もさがる。早速やってみよう。街ずんは…あぁ3匹とも入れればいいか。
「なんなのだここは！せっかくきもちよくへこへこしてたのに！」
「おとーちゃ！みえないかべみたいなのがあるのだ！とじこめられちゃったのだ！」
「おぎゃーのだ！こわいのだ！」
「おちびちゃんたちだいじょうぶなのだ！こんなとこすぐにでてみんなでくちょにんげんをぶっころちゅのだ！」
「おとーちゃすごいのだ！かくごちゅるのだくちょにんげん！」
哀れなZUNDAに魂の救済を。僕は真空排気鐘の電源を入れた。
「おぎゃーのだ！なんかへんなおとがしゅるのだ！」
「くちょ！くちょ！かべがあってすすめないのだ！」
「あれぇ？なんだかいきがくるしくなってきたのだぁ？」
なかでずんずん騒いでいるかは分からないが酸素は結構な勢いで消費されているようだ。もう呼吸に影響が出ている。ずんだ虫は真空では死なないらしいが意識はどのくらい残るのかな…。
「はぁ、はぁ、くるち！いきがくるちいのだ！」
「おぎゃーのだ！くるち！くるち！」
「おとーちゃ！おとーとがくるしがっているのだ！」
やがて排気鐘の中の空気はだいたい抜け、ほぼ真空に近い状態になった。空気がないから声は全然きこえないけど低気圧だから体のいろんなものが飛び出そうとしているのを必死にこらえているのは分かった。表情もかなり苦しそうだ。と思ったら耐久性の問題か赤ずんは突然破裂して死んでしまった。残りの2匹も生きてはいるがまともに活動は出来なさそうだ。宇宙進出は難しいかもな…などと考えながら一旦空気を戻し、別の親子を入れて加圧実験を開始しようとしたその時、どこにそんな元気があるのか生き残った親子は僕に飛びかかろうとしてきた。
「はぁ、はぁ…くうきさんいっぱいなのだ！かくごちゅるのだくちょにんげぷぎゃ！」
「おとーちゃ！？なにがおこったのぱぎゃ！」
が2匹は突如現れた。教授の持った新聞紙で叩き潰されてしまったのだった。合掌。
「教授、机汚れるんでやめて下さいよ」
「ごめんね。ずんだもん君が危険かと思ってつい」
「今日は会議じゃなかったんですか？」
「割と早く会議が終わってね。今戻ったところなんだ。それより聞いてよずんだもん君。
君、ウチの大学のスポンサー知ってる？」
「ええ、確か野田芽(のだめ)製薬ですよね。ずんだ虫の駆除剤とか作ってる…」
「そそ。そのスポンサーがね、だいしんの実験器具うちに買ってくれるんだってさ。ずんだ虫の研究のためなら投資は惜しまないってね。太っ腹だよね〜。」
「凄いですね。この間もそんなこと言ってなんか買ってくれてましたよね。よくそんなに出せるなあ」
「ウチが成果出してるのも大きいけどね。新商品の「ずんだ滅殺ねばねばしーと」もウチの学生の論文がきっかけでできたようなもんだからね。」
「ふ〜ん…そういうものなのかな…」
「じゃあ実験頑張ってね。僕も自分の研究あるから今日はも顔出せないけど。あ、戸締りは忘れずに」
そういうと教授はずんだもんの保管庫へ向かっていった。教授がどんな研究してるかそういえば聞いたことないな…。などとぼんやり考えていると排気鐘を叩く音で現実に引き戻された。中の親子が脱走を図っているらしい。
「今度は加圧だったな。」
排気鐘を今度はポンプに繋ぎ空気を入れて加圧する。
「あがあがあがあがががが！あたまいちゃい！」
「ちゅぶれる！ちゅぶれりゅ！」
「いちゃい！いちゃい！」
深海まで行くとカップ麺もかなりの小ささになるがこいつらはどうなるんだろう(あれは水圧で縮んでいるのだが)
10分後
「「「ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…」」」
結論から言うとキューブ状に圧縮されるようだ。まず身体次に頭ときて最後に手足が縮んでいった。(気圧なのに)
指でつまめるレベルに圧縮されてしまったがどう言う理屈かまだ生きている。さてどうしよう…普通に気圧戻したらもとに戻りそうだからな…あ、そうだ(唐突)。一気に戻してみよう。排気鐘を外した。(＊良い子は真似しないでね！)
「お？おお！もどる！もどるのだ！」
「これでぱわーぜんかいなのだ！かくごするのだくちょにんげん！」
予想通り気圧が戻ったことで一瞬で元の姿に戻り、おまけに威勢まで回復してしまったようだ。が、喜んでいたのも束の間…
「え？もうもどった！もどったのだ！からださんもうふくらまないで！」
「や！や！とまっちぇ！いちゃい！あたまいちゃいよ！」
「「あばばばばばばばばば、うごご…くるち…くるちいのだ…」」
急激に気圧を上昇させたため圧縮されていた体内の空気が膨張し、体もそれに合わせて風船のように膨らんでいった。結末は予想できたので排気鐘を上から被せておく。
「おごごごぉ…くるち…われちゃ…さけちゃうのだああああ」
「ちんじゃう…ちんじゃうのだ…」
街ずんはみるみる膨らんでいき、そして奴らは…弾けた。
「のだめッ！！」
「たわばッ！！」
排気鐘の中に盛大に緑色をぶち撒けて2匹は死んだ。
教授に机が汚れるとか言っておきながら、教授より盛大に汚してしまった。あとでちゃんと掃除しておこう。
農薬
ずんだ虫が農作物に与える被害は甚大だ。街の廃棄物だけでは飽き足らない連中は畑に出没しては作物を食い荒らす。最近は作物に出産する寄生型ずんだ虫や駆除剤の効かない薬剤耐性ずんだ虫の出現に農家は頭を悩ませている。と言うわけで農薬への耐久力を調べることもまあ研究としては間違っていないだろう。今回使用するのは街ずんと薬剤耐性ずんの2種。両者ともに文句なしの害獣だ。
「へこへこ！きもちーのだ！」
「すごいのだぱぱずん！ずんずんきもちーのだ！」
「おとーちゃすごいのだ！ぼくもへこへこしたいのだ！」
「おぎゃーのだ！おなかちゅいたのだ！」
「うるちぇーのだ！そのちびだまらせるのだ！へこへこ！」
「おまえこそうるちぇーのだ！ぶっころちてやるからおもてにでるのだ！」
まあなんとも賑やかなことで。初対面の同族ともこんな感じなのかこいつらは…。あと威嚇するか交尾するかどっちかにしろ。
などと頭の中で突っ込んでからそれぞれのかごにずんだもちを入れる。すると奴らは今までのケンカなど忘れ全員でずんだもちに群がり始めた。
「「ずんだもち！おいち！おいち！」」
「「もぐもぐ！もぐもぐ！」」
「そっちのもよこすのだ！」
「そっちこそよこすのだ！」
「うわーん！おなかちゅいたのだ！」
「おぎゃーのだ！」
うーん貪欲。もう一個与えたいが、まだ一個目の効果が表れていないためしばらく待っていないと。効き目は街ずんの赤ずんから表れた。
「おぎゃーのだ！おええええええええ！おえおえ！」
突如嘔吐する赤ずん。そこからは連鎖的に子ずん、親ずんが嘔吐し始めた。
「き、きもちわるいのだ…おとーちゃ、おかーちゃ、おぇええええええええ」
「くるち、くるちぃのだああああああああああああああえええええ」
「おちびちゃん！ままずんどうちたのだ！お、おええええええええ」
もう察しはついているかとは思うが、さっきのずんだもちの中には農薬が入っていた。通常のずんだ虫に対する致死量の農薬が。薬剤耐性のは流石に耐えるだろうが街ずんはまず死ぬだろう。
カゴの底はあっという間に街ずんの吐瀉物に塗れてしまった。その様子を見て薬剤耐性ずんは笑っていた。
「おもちれーのだ！ずんだもちくってはいてるのだ！」
「きたねーのだ！まちずみはよわっちいのだ！かとうなのだ！」
「くそざこなのだ！はやくちぬのだ！」
本当に胸糞悪いなコイツら…。僕は農薬を入れた注射器を持ち、薬剤耐性ずんの1匹の首根っこを掴んだ。
「うわ！なんなのだ！はなちぇ！くちょにんげん！」
手足をバタつかせ抵抗する。本人は必死なのだろうがか弱すぎて笑えてくる。僕はそのまま暴れる耐性ずんのプリケツに注射器を突っ込んだ。
「いちゃい！おちりきもちーのだ！はやくにゅけ！くちょにんげん！ぼくはおすなのだ！おちりでへこへこはしないのだ！」
罵倒には応えずそのまま農薬を注射する。
耐性ずんは尻の中に薬液を注入されて悶えている(快感で)。注射器でこのまま脳天をぶち抜いたらどれほど爽快だろうかとも考えたが実験中なのでやめておいた。
「おほぉ！あにゃるきもちよすぎなのだ！いく！いくのだ！」
宙ぶらりんでイキやがった。汚ねえな。
余りにも目に余ったのでカゴに戻す前にずんぽをちぎっておいた。
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！いちゃい！な、ないのだ…ぼくのずんぽどこ…ここ…？」
淫獣のずんぽと使用済み注射器をゴミ箱にぶち込み、次の耐性ずんを取り出す。
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！ｺﾛ…ﾁﾃ」
「はなちぇ！はなちぇ！ちね！くちょにんげん！」
針を尻に突っ込む。
「おちりきもちーのだ！やめて！なかにおちびちゃんがいるのだ！」
そりゃ好都合。胎児への影響もみられるな
「おほぉ！きもちーのだ！やめて！」
続いて子ずんと赤ずんにも注射をしていく。
「いちゃい！くちょにんげん！おおきくなったらぜったいふくちゅうちてやるのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
こうして一家全員に注射が終了した。
10分後
「ぶりぶり止まらないのだ！おええええええええええ！ぶりぶりなのだ！」
「おぎゃーのだ！おなかいちゃいのだ！」
「くちょにんげん！なんとかしろなのだ！このままだとちんじゃうのだ！」
「ｺﾛﾁﾃｺﾛﾁﾃｺﾛﾁﾃ」
流石の耐性持ちも許容量はあるようで、10分後には下痢と吐き気に苦しんでいた。もう全身ずんちまみれだ。放っておいても全身から全てを出し切って死ぬだろう。
「おちびちゃあああああああああん！しっかりするのだ！おええええええええええ」
「くるち…くるち…もうだめのだ…」
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！おちびちゃんが！おちびちゃんが！げええええええええええ！」
赤ずんはちょっと前にゲロが喉に詰まって死んだ。今子ずんも全てを出し切ったようだ。両親も時間の問題だろう。
「あ…こ、こんなときに…うまれる！うまれるのだ！げろおおおおおおお！」
「「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」」
「「はう…はう…」」
おお、もうちょい奇形になるかと思ったがたりないぐらいで済むとは、流石は耐性持ちと言ったところか。
「はぁ…はぁ…な、ないのだ…てもあしも、みみもしっぽも…、でもかわいいおちびちゃんにはかわりないのだ！がんばってそだてていくのだ！」
残念ながらコイツは貴重なサンプルなんだ。お前はもう死ぬんだし僕が預かってやるよ。
僕はピンセットを使って産まれたてのたりないを回収していく。うげぇ…洗浄しなくっちゃあな…。
「や、やめろ！おちびちゃんをはなすのだ！さもないとじごくをみるのだ！いますぐやめるのだ！」
一旦虫かごに背を向け流しでたりないたちの汚れを落とす。あ、水流強すぎたかも。
「おぎゃーのだ！ごぼぼぼぼ、くるち…くるち！」
「おぎゃーのだ！はう…はう…たすけてほしーのだ！ぷgy」
「ごぼぼぼぼぼ！たちけて！おぼれる！」
「「はう…はう…」」
いかんいかん、貴重なサンプルなんだぞ、しっかりしろ。水が強すぎて1匹潰れてしまった。ままええわ。残りの4匹は無事だ。キムワイプでふいて別のカゴに移してやった。コイツらは新しい実験用に増やしておこう。
「はうう…」
「いちゃ！みえないのだ！」
「ぶるぶる！なのだ」
「おぎゃーのだ！つめたいのだ！」
安心しな。君たちには痛いことはしないさ。さあずんだ餅を食べて落ち着きな。
「「ずんだもち！はう！おいち！おいち！」」
ずんだもちを入れると彼らは苦しいことなど忘れたように群がった。産まれたてでもそういうところは共通なんだなあ。1から人間が育てるとどうなるのか楽しみだ。
そんなことをやってるうちにカゴの中のずんだ虫たちは自分の出したものに塗れて全て死んでいた。遺言くらい聞いておいた方がよかっただろうか？
その後盛大に汚れたカゴと排気鐘を洗浄した僕は、次の実験の準備を始めた。
乾燥
生物の大半は水でできている。水がなければ生物は生きられない。が、水が極めて少ない環境で生きる生物もまた存在する。え？ずんだ虫はいるのかって？干からびた死骸ならよく見つかるらしい。標本が研究室にあるから今度持ってくるよ。砂漠ずんだもんとか出てくると思った？火山にも住んでいる奴もいるのに砂漠ではまだ見つかってないらしい。見つけたら君が第一人者だ。
…さて、というわけでこいつらはどれほど水分を失うのか試してみようというわけだ。
使うのは当然街ずん。
「はぁ…はぁ…へこへこ、きもちーのだ！」
「ぱぱずんすごいのだ！へこへこせかいちゃんぴおんなのだああああああああああ！」
「くちょにんげん！おなかすいたのだ！ずんだもちなのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
水分を抜く方法は2つ。
1、水を与えずにひたすら待つ
2、ドライヤーなどで急激に乾燥させる
今回は2で行くことにした。教授に聞いたが結果は対して変わらないらしい。
ドライヤーを「強」にして赤ずんを摘み上げる。
「おぎゃーのだ！おかーちゃ！」
「おかーちゃ！いもーとがくちょにんげんに！」
「へこへこおわるまでまつのだ！」
「え？！」
「すぐおわるのだ！それまでおちびちゃんががんばるのだ！へこへこ！へこへこ！」
面白い…へこへこが先か赤ずんの命が尽きるのが先か…僕はドライヤーを赤ずんにむけ、スイッチをオンにした。
唸りながらドライヤーから熱風が吹き出す。
「あちゅ！あちゅい！たちけて、おかーちゃ！おとーちゃ！おにーちゃ！」
「まっててね！いまおにーちゃがたすけてあげるからね！」
感動的茶番を眺めながらドライヤーを左右に振る。正直飛んでしまわないようにこいつを持つのは苦労する。無駄に暴れるし。指も熱い。手袋をつけるか何かに固定しよう。えーと…ままええわ。まずはコイツだ。
「ｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ…ﾇｹﾁｬ！ﾀﾞｲｼﾞﾅﾓﾉﾇｹﾁｬ！」
赤ずんは水分量も少ないのかあっという間に黄色くなったかと思ったらカサカサになってしまった。因みにまだ生きてるっぽい。
「ﾉﾄﾞｶﾞ…ｶﾜｲﾁｬ…ｵﾐｽﾞ…ﾎﾁｰﾉﾀﾞ…」
高温ボイスが擦れていて絶妙に気持ち悪い。あ、元のグラム測ってないからやり直しじゃん…水かけたら戻るかな。萎びた赤ずんに水を数滴かける、すると…
むくむくむくむくっという擬音が聞こえてきそうなほど勢いよく赤ずんは元に戻ったのだった。萎びた肌ももちもちになり、色もたちまち緑色に戻っていた。
「おはだもちもちなのだ！」
「い、いもーと！よかったのだ！たすかったのだ！かくごちろくちょにんげん！こんどはおまえがしわしわになるばんなのだ！」
僕は電子天秤に赤ずんをのせて重さを記録すると存在を忘れていた塗装ブースのような箱を取り出す。これは教授特製、ずんだ虫ケース。実験するときに便利なように作ったらしい。こーゆーのあるなら最初から貸してほしいなあ…。などとぼやきながら赤ずんを箱の中にセット。
「な、なにするのだあ？」
ドライヤー、ON。
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！！あちゅい！あﾁｭｲﾉﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ…」
「あああああああああ！いもーとがまたしわしわなのだああ！」
固定すると指も熱くならないし狙いをつけやすい。苦もなく赤ずんの水分を抜くことができた。先ほどと同じくらい乾いたところで一度重さを記録し、再びドライヤー。
「ﾓｳﾔﾒﾁｬ！ﾁﾝｼﾞｬｳ！ｺﾚｲｼﾞｮｳﾊﾁﾝｼﾞｬｳﾉﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ⤴︎⁉︎」
「もうひどいことしないで！おねがいなのだ！」
おお…ここまで軽くなると流石に飛ぶか…。
「ﾃﾞﾁｬｳ！ﾃﾞﾁｬｲｹﾅｲﾓﾉﾃﾞﾁｬｳ！ｱｯ」
ドライヤーのスイッチを切るとその場にぽとりと落ちる赤ずん。もう息絶えていた。
僕は重さを測ると記録用の写真だけ撮ってからそれをぐしゃぐしゃに握りつぶしてから捨てた。
「あ？あ？アアアアアアアアアア！あくま！くちょにんげん！かえちぇ！いもーとをかえちゅのだ！」
枯葉みたいな感触だったな。握ったとき、さて次は子ずんだな。
「おまえなんかにつかまらないのだ！のだのだのだのだ！どーだ！まいったかなのだ！はやくいもーとをもとにもどすのだ！」
一度バラバラになっちまったらもう戻んないよ…漫画やアニメじゃあないんだぜ。
「いみわかんないのだ！はやくちゅるのだ！うわっ」
ドライヤーのスイッチを入れる。
「あばばばばばばばばばば！とばちゃれる！うわー！」
子ずんはドライヤーの強風(笑)に負け壁に叩きつけられてしまった。都合がいいのでそのままの状態で風を当てることにした。風で壁に押し付けられている様がなかなか滑稽だな。
「うぐぐぐ、うごけないのだ！くちょ、ぜって、ころちてやる！」
しばらくは威勢よく喚いていたが水分が抜けると声掠れてしまいまともに聞き取ることは難しかった。たぶん親ずんに助けを求めていたと思っているが、両親は相変わらず交尾に勤しんでいるし気がつくことはなかっただろう。
哀れ。
干からびきって絶命した子ずんを握り潰すと親ずんの番だまあ別にどちらでも良いかと思ったが、片付けも一回で済むので両方とも乾かすことにした。ちょうどまだ交尾中だ。まとめて測ってから始めよう。
「なんなのだくちょにんげん！へこへこのじゃまなのだ！お？おほぉ〜、くうちゅうへこへこきもちーのだ！」
「ぱぱずんすごいのだ！へこへこのぶるーいんぱるすなのだ！そういえばおちびちゃんたちいないのだ？ままええわ。へこへこ！」
どこでそんな言葉覚えたんだろうか？ままええわ。よし、この中でへこれ。
「ぼくにさしずするななのだ！」
「うるちぇーのだくちょにんげん！もういちどもちあげてあくろばてぃっくへこへこさせるのだ！」
こんな時は実験ボックスの誘引機能を使おう。なんとこれボタンひとつでずんだもちの匂いを出すことができる。早速押下してみよう。
「へこへこ！くんくん…ずんだもち！ずんだもちのにおいなのだ！」
「ほんとなのだ！あそこからにおいがするのだ！へこりながらはいるのだ！ずんずん！」
こうかはばつぐんだ！ここでドライヤーのスイッチを入れる。
「のだああああああああ！とばちゃれるのだ！」
「ぱぱずん！ずんぽぬかないでね！のだああああああああああ！」
成体になろうがずんだ虫はやはり貧弱ゥ！壁に押し付けられて乾燥するのを待つだけとなった。
「あ！？ずんぽがあちゅい！やけるのだ！せなかもこんがりさんなのだ！やめて！」
その発言に面白そうな気配を感じた僕はずんぽを集中的に乾かしてみた。
「アアアアアアアアアア！！ずんぽがずんたまみたいにしわしわさんなのだ！やめろやめろやめろ！」
「おいきいてるのだ！？やめ、やめて！あちゅいいいいいいいいい！」
さらに集中…。
「アアアアアアアアアアもえちゃ！ずんぽがアアアアアアアアアア！」
そして本体よりはるかに乾いたずんぽとずんたまはサラサラと砂のようになって飛んでいってしまった(笑)
「ぼ、ぼくのずんぽ…ずんたま…ない、ないのだ…もう、もうへこへこできないのだ…？」
そうだよ(宣告)
「アアアアアアアアアア！！もうむりちゃ！たえられないちゃ！ずんぽもへこへこもないせかいなんて！いきてるいみがないのだ！かえちて！ずんぽかえちて！」
その隅に落ちてるチリを全部集めたら元に戻るかもよ。
「あつめるのだ…あつめるのだぼくのずんぽ…」
おっとっとォ〜。手が滑っちまったよォ〜。
などとわざとらしい口調でずんぽのチリをドライヤーで吹き飛ばす。
「まっちぇ！ずんぽまっちぇ！ぼくのぉ！！ずんぽがぁ！！アアアアアアアアアアｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ…」
ずんぽを失った絶望からか雄ずんは急速に干からびて死んでしまった。まじでずんぽが本体なんじゃないか？
雄のデータは取れなかったので雌が干からびたデータをとり、この実験は後日やり直す事にした。吹き飛ばした粉の片付けもしなくちゃ…はぁ…。
続く
作者コメント
続きです。ネタの枯渇を感じる文の雑さになってしまいました。テンポよくと言ったのにこの長さ。纏める力が無さすぎる。
いつも駄文を読んでコメントくださる皆様には感謝しかありません。もうちょいリクエスト実験等やっていきます。並行で教授が実験する実験編(裏)みたいなのも書いています。こっちは善良ずんも餌食にしていきますのでお楽しみに。
前置き
更新しました。また長くなってしまいましたがよろしくお願いします！
第3章
よいしょと…。ふう…重かった。エレベーターがあってほんとに助かった。僕は額の汗を拭うと研究室の冷蔵庫を開ける中には同級生の培養している低温微生物やらなんやらが入っているが僕のお目当てはそれらの奥に入っている。僕は二つの虫かごを取り出す。
「へこへこ！へこへこ！」
「ずんずんのだのだきもちーのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
「ぶるぶる…ちゃむいのだ…おいくちょにんげん！よくもこんなところにとじこめてくれたななのだ！」
「ぶっころちゅのだ！ちにたくなかったらずんだもちをもってくるのだ！せいいさんをみせるのだ！」
「「へくちゅんなのだ！」」
うーんw何匹かこの場で処分してやろうか？
そういうわけにもいかないので無視してもう片方のかごにも目をやると
「ずーん…ずーん…」
「やっぱり南極と比べるとちょっと暑いのだ」
「仕方がないのだ。ちょっと我慢すればご飯さんだってちゃんともらえるし、適温の飼育室に戻れるのだ。人間さん、卒業研究頑張ってね」
大昔は同じ種だったというがどこで差がついたんだろう。やっぱり頭が良くないと過酷な環境で生き残れないからかな？
さて今日は忙しい。教授が僕の実験は教授の研究にも役立つってことで実験量を増やしてはどうかと色々提案してきたのだった。変なスイッチが入ってしまったからにはキチンとやらないと僕の評価にも関わる。今日は講義がないためこの後の時間をまるまる研究に使える。教授に与えられた課題を一気にやってしまおう。
現在時間のかかるものは低温実験を行なっている。南極に生息するずんだもんと街ずんを低温環境においてみて、(正確には街ずんが)どこまで保つかという実験だ。さっきのは経過観察というわけ。あのかごを今度は冷凍庫に入れて後で様子を見る。その間に別の実験を紹介する。
pH
実験といえば塩酸と水酸化ナトリウムだよね。というわけでまずは酸と塩基に対する耐性を調べていくよ。
ここに街ずんと
「おいはなちぇくちょにんげん！」
「ここからだすのだ！さもないととってもよくないことがおこるのだ！」
「もうおこったのだ！ぷくー！」
「へこへこきもちいいのだ！」
「ぼくのむれがいればおまえなんかいちころなのだ！わかったらはやくぼくのけらいになるのだ！」
好酸性ずんだもんと好塩基性ずんだもんを用意します。
「「のだのだ！」」
「「ずんずん！」」
あとは
それぞれビーカーに入れてピペットで塩酸と水酸化ナトリウムをかけるだけ
まずは好塩基と街ずんに水酸化ナトリウム水溶液を垂らす
好塩基「のだのだ！」
気持ちがよさそうだ。
街「のどがかわいたのだ！くちょにんげん！いいところにおみずさんがあるのだ！きにいったのだ！おまえ！ぼくのめつかいにしてやるからこうえいにおもうのだ！」
まさかそれ飲むの？気は確かか？
「おいち！おいち！」
…どうなっても知らんからな…
その後もピペットから水溶液を垂らし続けたが好塩基ずんは水浴びをしてるのと対して変わらないようでピンピンしていた。で対する街ずんだけど
「あれぇ？なんだかおなかがあったかくなってきたのだ？それになんだかぼくのからだぬるぬるさんがいっぱいなのだ。ろーしょんなのだ？」
と違和感に気がついたかと思ったが
「おほぉ〜。ろーしょんぬるぬるでずんぽきもちーのだ！」
なにトチ狂ったのかずんぽに塗りたくりはじめた。水酸化ナトリウム水溶液を。この後絶対面白くなると思って録画の準備だけしておいた。後で教授にもみせよう。
「ぬるぬる！ぬるぬるなのだ！きもちーのだ！あっ！いくのだ！」
数分後…
「あがあああああああああががががが！あちゅい！おなかやけちゃ！」
始まったか…生物ってどうやって溶けていくんだろ…などとぼんやり考えながらずんだ虫の様子を観察していく。
やっぱり飲んだせいか胃の辺りから溶け始めたようだ。おーおーもう腹が破れてら…
「にゃかみぜんぶ、ぜんぶでちゃ！もどっちぇ！ぼくのにゃかみもどっちぇ！あばああああああああばばばばばばば！」
内臓をぶちまけながら餅のように溶けていく街ずん。
次は食道…次は口内かな。
「だああああああめえええええええ！とけちゃ！なくなっちゃ！でろでろなのだああああああああ！ごぼぼぼぼぼぼ！」
上半身はもう半分ほど溶けてビーカーの底に溜まっている。
これでもまだ生きているとは、呆れるほど生命力が高いな。そろそろずんぽも溶け始めるけどたえられるのかな？
「え？え？や！や！ず、ずんぽが！？ずんぽがとけてるのだああああああああああ！とまっちぇ！あああああああああああああ！へこへこできなくなっちゃうのだ！ぼくのずんぽ！ずんぽ！ず ん ぽ」
それがコレの最後の言葉となった。合掌。
次はおチビたちの番ね。
「え？」
勝手は分かったので親ずんとの耐久性の比較のため、子ずんと赤ずんもビーカーに放り込む。
「いやああああ！とけたくない！とけたくないちゃ！」
「だちて、だちて！うわーん！おかーちゃ！」
「おちびちゃんをはなすのだ！くちょにんげん！あとずんだもちをよこすのだ！」
うるさいなあ…あ、いいこと思いついた。
僕は雌ずんに今溶けきったばかりのパパずん「だったもの」を与えてみた。
「このずんだもちあげるよ。ちょっと変な匂いするけど」
「くんくん、ずんだもちのにおいなのだ！なんかぬるぬるさんがたくさんあってへんなにおいするけど…。ままええわ。おいち！おいち！」
「おかーちゃ！？たちけて！ぼくたちとかされちゃうのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
目の前で番が溶けるのを見た後とは思えないなぁ…。子どものことも忘れてるし…。まあ静かになったし始末する手間も省けたからよしとしよう。さて子ずんの観察に戻ろう。
おお…やっぱり子ずんの方が溶けるのがはやいなぁ。もう下半身がなくりはじめてる。
「だせ！だせだせだせくちょにんげん！」
溶けながらビーカーを必死に叩く子ずん。暴れると全身にかかるぞ。
必死の抵抗も虚しく子ずんと赤ずんは白と緑のまだら模様を遺して溶けた。
「おにゃかやけちゃあああああああああああああああああああああああああああ！」
雌ずんも溶けたっぽい。合掌。
気圧変化
好酸性ずんだもんと街ずんの低pH実験は過程も結果も高pHとほぼ変わらなかったため割愛して次に行こう)次は高気圧と低気圧に耐えられるかどうか。ここには当然高所に住むずんだもんと深海に住むずんだもんがいます。
街ずんを排気鐘に入れて空気を抜いていけば気圧もさがる。早速やってみよう。街ずんは…あぁ3匹とも入れればいいか。
「なんなのだここは！せっかくきもちよくへこへこしてたのに！」
「おとーちゃ！みえないかべみたいなのがあるのだ！とじこめられちゃったのだ！」
「おぎゃーのだ！こわいのだ！」
「おちびちゃんたちだいじょうぶなのだ！こんなとこすぐにでてみんなでくちょにんげんをぶっころちゅのだ！」
「おとーちゃすごいのだ！かくごちゅるのだくちょにんげん！」
哀れなZUNDAに魂の救済を。僕は真空排気鐘の電源を入れた。
「おぎゃーのだ！なんかへんなおとがしゅるのだ！」
「くちょ！くちょ！かべがあってすすめないのだ！」
「あれぇ？なんだかいきがくるしくなってきたのだぁ？」
なかでずんずん騒いでいるかは分からないが酸素は結構な勢いで消費されているようだ。もう呼吸に影響が出ている。ずんだ虫は真空では死なないらしいが意識はどのくらい残るのかな…。
「はぁ、はぁ、くるち！いきがくるちいのだ！」
「おぎゃーのだ！くるち！くるち！」
「おとーちゃ！おとーとがくるしがっているのだ！」
やがて排気鐘の中の空気はだいたい抜け、ほぼ真空に近い状態になった。空気がないから声は全然きこえないけど低気圧だから体のいろんなものが飛び出そうとしているのを必死にこらえているのは分かった。表情もかなり苦しそうだ。と思ったら耐久性の問題か赤ずんは突然破裂して死んでしまった。残りの2匹も生きてはいるがまともに活動は出来なさそうだ。宇宙進出は難しいかもな…などと考えながら一旦空気を戻し、別の親子を入れて加圧実験を開始しようとしたその時、どこにそんな元気があるのか生き残った親子は僕に飛びかかろうとしてきた。
「はぁ、はぁ…くうきさんいっぱいなのだ！かくごちゅるのだくちょにんげぷぎゃ！」
「おとーちゃ！？なにがおこったのぱぎゃ！」
が2匹は突如現れた。教授の持った新聞紙で叩き潰されてしまったのだった。合掌。
「教授、机汚れるんでやめて下さいよ」
「ごめんね。ずんだもん君が危険かと思ってつい」
「今日は会議じゃなかったんですか？」
「割と早く会議が終わってね。今戻ったところなんだ。それより聞いてよずんだもん君。
君、ウチの大学のスポンサー知ってる？」
「ええ、確か野田芽(のだめ)製薬ですよね。ずんだ虫の駆除剤とか作ってる…」
「そそ。そのスポンサーがね、だいしんの実験器具うちに買ってくれるんだってさ。ずんだ虫の研究のためなら投資は惜しまないってね。太っ腹だよね〜。」
「凄いですね。この間もそんなこと言ってなんか買ってくれてましたよね。よくそんなに出せるなあ」
「ウチが成果出してるのも大きいけどね。新商品の「ずんだ滅殺ねばねばしーと」もウチの学生の論文がきっかけでできたようなもんだからね。」
「ふ〜ん…そういうものなのかな…」
「じゃあ実験頑張ってね。僕も自分の研究あるから今日はも顔出せないけど。あ、戸締りは忘れずに」
そういうと教授はずんだもんの保管庫へ向かっていった。教授がどんな研究してるかそういえば聞いたことないな…。などとぼんやり考えていると排気鐘を叩く音で現実に引き戻された。中の親子が脱走を図っているらしい。
「今度は加圧だったな。」
排気鐘を今度はポンプに繋ぎ空気を入れて加圧する。
「あがあがあがあがががが！あたまいちゃい！」
「ちゅぶれる！ちゅぶれりゅ！」
「いちゃい！いちゃい！」
深海まで行くとカップ麺もかなりの小ささになるがこいつらはどうなるんだろう(あれは水圧で縮んでいるのだが)
10分後
「「「ｺﾛﾁﾃ…ｺﾛﾁﾃ…」」」
結論から言うとキューブ状に圧縮されるようだ。まず身体次に頭ときて最後に手足が縮んでいった。(気圧なのに)
指でつまめるレベルに圧縮されてしまったがどう言う理屈かまだ生きている。さてどうしよう…普通に気圧戻したらもとに戻りそうだからな…あ、そうだ(唐突)。一気に戻してみよう。排気鐘を外した。(＊良い子は真似しないでね！)
「お？おお！もどる！もどるのだ！」
「これでぱわーぜんかいなのだ！かくごするのだくちょにんげん！」
予想通り気圧が戻ったことで一瞬で元の姿に戻り、おまけに威勢まで回復してしまったようだ。が、喜んでいたのも束の間…
「え？もうもどった！もどったのだ！からださんもうふくらまないで！」
「や！や！とまっちぇ！いちゃい！あたまいちゃいよ！」
「「あばばばばばばばばば、うごご…くるち…くるちいのだ…」」
急激に気圧を上昇させたため圧縮されていた体内の空気が膨張し、体もそれに合わせて風船のように膨らんでいった。結末は予想できたので排気鐘を上から被せておく。
「おごごごぉ…くるち…われちゃ…さけちゃうのだああああ」
「ちんじゃう…ちんじゃうのだ…」
街ずんはみるみる膨らんでいき、そして奴らは…弾けた。
「のだめッ！！」
「たわばッ！！」
排気鐘の中に盛大に緑色をぶち撒けて2匹は死んだ。
教授に机が汚れるとか言っておきながら、教授より盛大に汚してしまった。あとでちゃんと掃除しておこう。
農薬
ずんだ虫が農作物に与える被害は甚大だ。街の廃棄物だけでは飽き足らない連中は畑に出没しては作物を食い荒らす。最近は作物に出産する寄生型ずんだ虫や駆除剤の効かない薬剤耐性ずんだ虫の出現に農家は頭を悩ませている。と言うわけで農薬への耐久力を調べることもまあ研究としては間違っていないだろう。今回使用するのは街ずんと薬剤耐性ずんの2種。両者ともに文句なしの害獣だ。
「へこへこ！きもちーのだ！」
「すごいのだぱぱずん！ずんずんきもちーのだ！」
「おとーちゃすごいのだ！ぼくもへこへこしたいのだ！」
「おぎゃーのだ！おなかちゅいたのだ！」
「うるちぇーのだ！そのちびだまらせるのだ！へこへこ！」
「おまえこそうるちぇーのだ！ぶっころちてやるからおもてにでるのだ！」
まあなんとも賑やかなことで。初対面の同族ともこんな感じなのかこいつらは…。あと威嚇するか交尾するかどっちかにしろ。
などと頭の中で突っ込んでからそれぞれのかごにずんだもちを入れる。すると奴らは今までのケンカなど忘れ全員でずんだもちに群がり始めた。
「「ずんだもち！おいち！おいち！」」
「「もぐもぐ！もぐもぐ！」」
「そっちのもよこすのだ！」
「そっちこそよこすのだ！」
「うわーん！おなかちゅいたのだ！」
「おぎゃーのだ！」
うーん貪欲。もう一個与えたいが、まだ一個目の効果が表れていないためしばらく待っていないと。効き目は街ずんの赤ずんから表れた。
「おぎゃーのだ！おええええええええ！おえおえ！」
突如嘔吐する赤ずん。そこからは連鎖的に子ずん、親ずんが嘔吐し始めた。
「き、きもちわるいのだ…おとーちゃ、おかーちゃ、おぇええええええええ」
「くるち、くるちぃのだああああああああああああああえええええ」
「おちびちゃん！ままずんどうちたのだ！お、おええええええええ」
もう察しはついているかとは思うが、さっきのずんだもちの中には農薬が入っていた。通常のずんだ虫に対する致死量の農薬が。薬剤耐性のは流石に耐えるだろうが街ずんはまず死ぬだろう。
カゴの底はあっという間に街ずんの吐瀉物に塗れてしまった。その様子を見て薬剤耐性ずんは笑っていた。
「おもちれーのだ！ずんだもちくってはいてるのだ！」
「きたねーのだ！まちずみはよわっちいのだ！かとうなのだ！」
「くそざこなのだ！はやくちぬのだ！」
本当に胸糞悪いなコイツら…。僕は農薬を入れた注射器を持ち、薬剤耐性ずんの1匹の首根っこを掴んだ。
「うわ！なんなのだ！はなちぇ！くちょにんげん！」
手足をバタつかせ抵抗する。本人は必死なのだろうがか弱すぎて笑えてくる。僕はそのまま暴れる耐性ずんのプリケツに注射器を突っ込んだ。
「いちゃい！おちりきもちーのだ！はやくにゅけ！くちょにんげん！ぼくはおすなのだ！おちりでへこへこはしないのだ！」
罵倒には応えずそのまま農薬を注射する。
耐性ずんは尻の中に薬液を注入されて悶えている(快感で)。注射器でこのまま脳天をぶち抜いたらどれほど爽快だろうかとも考えたが実験中なのでやめておいた。
「おほぉ！あにゃるきもちよすぎなのだ！いく！いくのだ！」
宙ぶらりんでイキやがった。汚ねえな。
余りにも目に余ったのでカゴに戻す前にずんぽをちぎっておいた。
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！いちゃい！な、ないのだ…ぼくのずんぽどこ…ここ…？」
淫獣のずんぽと使用済み注射器をゴミ箱にぶち込み、次の耐性ずんを取り出す。
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！ｺﾛ…ﾁﾃ」
「はなちぇ！はなちぇ！ちね！くちょにんげん！」
針を尻に突っ込む。
「おちりきもちーのだ！やめて！なかにおちびちゃんがいるのだ！」
そりゃ好都合。胎児への影響もみられるな
「おほぉ！きもちーのだ！やめて！」
続いて子ずんと赤ずんにも注射をしていく。
「いちゃい！くちょにんげん！おおきくなったらぜったいふくちゅうちてやるのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
こうして一家全員に注射が終了した。
10分後
「ぶりぶり止まらないのだ！おええええええええええ！ぶりぶりなのだ！」
「おぎゃーのだ！おなかいちゃいのだ！」
「くちょにんげん！なんとかしろなのだ！このままだとちんじゃうのだ！」
「ｺﾛﾁﾃｺﾛﾁﾃｺﾛﾁﾃ」
流石の耐性持ちも許容量はあるようで、10分後には下痢と吐き気に苦しんでいた。もう全身ずんちまみれだ。放っておいても全身から全てを出し切って死ぬだろう。
「おちびちゃあああああああああん！しっかりするのだ！おええええええええええ」
「くるち…くるち…もうだめのだ…」
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！おちびちゃんが！おちびちゃんが！げええええええええええ！」
赤ずんはちょっと前にゲロが喉に詰まって死んだ。今子ずんも全てを出し切ったようだ。両親も時間の問題だろう。
「あ…こ、こんなときに…うまれる！うまれるのだ！げろおおおおおおお！」
「「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」」
「「はう…はう…」」
おお、もうちょい奇形になるかと思ったがたりないぐらいで済むとは、流石は耐性持ちと言ったところか。
「はぁ…はぁ…な、ないのだ…てもあしも、みみもしっぽも…、でもかわいいおちびちゃんにはかわりないのだ！がんばってそだてていくのだ！」
残念ながらコイツは貴重なサンプルなんだ。お前はもう死ぬんだし僕が預かってやるよ。
僕はピンセットを使って産まれたてのたりないを回収していく。うげぇ…洗浄しなくっちゃあな…。
「や、やめろ！おちびちゃんをはなすのだ！さもないとじごくをみるのだ！いますぐやめるのだ！」
一旦虫かごに背を向け流しでたりないたちの汚れを落とす。あ、水流強すぎたかも。
「おぎゃーのだ！ごぼぼぼぼ、くるち…くるち！」
「おぎゃーのだ！はう…はう…たすけてほしーのだ！ぷgy」
「ごぼぼぼぼぼ！たちけて！おぼれる！」
「「はう…はう…」」
いかんいかん、貴重なサンプルなんだぞ、しっかりしろ。水が強すぎて1匹潰れてしまった。ままええわ。残りの4匹は無事だ。キムワイプでふいて別のカゴに移してやった。コイツらは新しい実験用に増やしておこう。
「はうう…」
「いちゃ！みえないのだ！」
「ぶるぶる！なのだ」
「おぎゃーのだ！つめたいのだ！」
安心しな。君たちには痛いことはしないさ。さあずんだ餅を食べて落ち着きな。
「「ずんだもち！はう！おいち！おいち！」」
ずんだもちを入れると彼らは苦しいことなど忘れたように群がった。産まれたてでもそういうところは共通なんだなあ。1から人間が育てるとどうなるのか楽しみだ。
そんなことをやってるうちにカゴの中のずんだ虫たちは自分の出したものに塗れて全て死んでいた。遺言くらい聞いておいた方がよかっただろうか？
その後盛大に汚れたカゴと排気鐘を洗浄した僕は、次の実験の準備を始めた。
乾燥
生物の大半は水でできている。水がなければ生物は生きられない。が、水が極めて少ない環境で生きる生物もまた存在する。え？ずんだ虫はいるのかって？干からびた死骸ならよく見つかるらしい。標本が研究室にあるから今度持ってくるよ。砂漠ずんだもんとか出てくると思った？火山にも住んでいる奴もいるのに砂漠ではまだ見つかってないらしい。見つけたら君が第一人者だ。
…さて、というわけでこいつらはどれほど水分を失うのか試してみようというわけだ。
使うのは当然街ずん。
「はぁ…はぁ…へこへこ、きもちーのだ！」
「ぱぱずんすごいのだ！へこへこせかいちゃんぴおんなのだああああああああああ！」
「くちょにんげん！おなかすいたのだ！ずんだもちなのだ！」
「おぎゃーのだ！おぎゃーのだ！」
水分を抜く方法は2つ。
1、水を与えずにひたすら待つ
2、ドライヤーなどで急激に乾燥させる
今回は2で行くことにした。教授に聞いたが結果は対して変わらないらしい。
ドライヤーを「強」にして赤ずんを摘み上げる。
「おぎゃーのだ！おかーちゃ！」
「おかーちゃ！いもーとがくちょにんげんに！」
「へこへこおわるまでまつのだ！」
「え？！」
「すぐおわるのだ！それまでおちびちゃんががんばるのだ！へこへこ！へこへこ！」
面白い…へこへこが先か赤ずんの命が尽きるのが先か…僕はドライヤーを赤ずんにむけ、スイッチをオンにした。
唸りながらドライヤーから熱風が吹き出す。
「あちゅ！あちゅい！たちけて、おかーちゃ！おとーちゃ！おにーちゃ！」
「まっててね！いまおにーちゃがたすけてあげるからね！」
感動的茶番を眺めながらドライヤーを左右に振る。正直飛んでしまわないようにこいつを持つのは苦労する。無駄に暴れるし。指も熱い。手袋をつけるか何かに固定しよう。えーと…ままええわ。まずはコイツだ。
「ｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ…ﾇｹﾁｬ！ﾀﾞｲｼﾞﾅﾓﾉﾇｹﾁｬ！」
赤ずんは水分量も少ないのかあっという間に黄色くなったかと思ったらカサカサになってしまった。因みにまだ生きてるっぽい。
「ﾉﾄﾞｶﾞ…ｶﾜｲﾁｬ…ｵﾐｽﾞ…ﾎﾁｰﾉﾀﾞ…」
高温ボイスが擦れていて絶妙に気持ち悪い。あ、元のグラム測ってないからやり直しじゃん…水かけたら戻るかな。萎びた赤ずんに水を数滴かける、すると…
むくむくむくむくっという擬音が聞こえてきそうなほど勢いよく赤ずんは元に戻ったのだった。萎びた肌ももちもちになり、色もたちまち緑色に戻っていた。
「おはだもちもちなのだ！」
「い、いもーと！よかったのだ！たすかったのだ！かくごちろくちょにんげん！こんどはおまえがしわしわになるばんなのだ！」
僕は電子天秤に赤ずんをのせて重さを記録すると存在を忘れていた塗装ブースのような箱を取り出す。これは教授特製、ずんだ虫ケース。実験するときに便利なように作ったらしい。こーゆーのあるなら最初から貸してほしいなあ…。などとぼやきながら赤ずんを箱の中にセット。
「な、なにするのだあ？」
ドライヤー、ON。
「ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ！！あちゅい！あﾁｭｲﾉﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ…」
「あああああああああ！いもーとがまたしわしわなのだああ！」
固定すると指も熱くならないし狙いをつけやすい。苦もなく赤ずんの水分を抜くことができた。先ほどと同じくらい乾いたところで一度重さを記録し、再びドライヤー。
「ﾓｳﾔﾒﾁｬ！ﾁﾝｼﾞｬｳ！ｺﾚｲｼﾞｮｳﾊﾁﾝｼﾞｬｳﾉﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ⤴︎⁉︎」
「もうひどいことしないで！おねがいなのだ！」
おお…ここまで軽くなると流石に飛ぶか…。
「ﾃﾞﾁｬｳ！ﾃﾞﾁｬｲｹﾅｲﾓﾉﾃﾞﾁｬｳ！ｱｯ」
ドライヤーのスイッチを切るとその場にぽとりと落ちる赤ずん。もう息絶えていた。
僕は重さを測ると記録用の写真だけ撮ってからそれをぐしゃぐしゃに握りつぶしてから捨てた。
「あ？あ？アアアアアアアアアア！あくま！くちょにんげん！かえちぇ！いもーとをかえちゅのだ！」
枯葉みたいな感触だったな。握ったとき、さて次は子ずんだな。
「おまえなんかにつかまらないのだ！のだのだのだのだ！どーだ！まいったかなのだ！はやくいもーとをもとにもどすのだ！」
一度バラバラになっちまったらもう戻んないよ…漫画やアニメじゃあないんだぜ。
「いみわかんないのだ！はやくちゅるのだ！うわっ」
ドライヤーのスイッチを入れる。
「あばばばばばばばばばば！とばちゃれる！うわー！」
子ずんはドライヤーの強風(笑)に負け壁に叩きつけられてしまった。都合がいいのでそのままの状態で風を当てることにした。風で壁に押し付けられている様がなかなか滑稽だな。
「うぐぐぐ、うごけないのだ！くちょ、ぜって、ころちてやる！」
しばらくは威勢よく喚いていたが水分が抜けると声掠れてしまいまともに聞き取ることは難しかった。たぶん親ずんに助けを求めていたと思っているが、両親は相変わらず交尾に勤しんでいるし気がつくことはなかっただろう。
哀れ。
干からびきって絶命した子ずんを握り潰すと親ずんの番だまあ別にどちらでも良いかと思ったが、片付けも一回で済むので両方とも乾かすことにした。ちょうどまだ交尾中だ。まとめて測ってから始めよう。
「なんなのだくちょにんげん！へこへこのじゃまなのだ！お？おほぉ〜、くうちゅうへこへこきもちーのだ！」
「ぱぱずんすごいのだ！へこへこのぶるーいんぱるすなのだ！そういえばおちびちゃんたちいないのだ？ままええわ。へこへこ！」
どこでそんな言葉覚えたんだろうか？ままええわ。よし、この中でへこれ。
「ぼくにさしずするななのだ！」
「うるちぇーのだくちょにんげん！もういちどもちあげてあくろばてぃっくへこへこさせるのだ！」
こんな時は実験ボックスの誘引機能を使おう。なんとこれボタンひとつでずんだもちの匂いを出すことができる。早速押下してみよう。
「へこへこ！くんくん…ずんだもち！ずんだもちのにおいなのだ！」
「ほんとなのだ！あそこからにおいがするのだ！へこりながらはいるのだ！ずんずん！」
こうかはばつぐんだ！ここでドライヤーのスイッチを入れる。
「のだああああああああ！とばちゃれるのだ！」
「ぱぱずん！ずんぽぬかないでね！のだああああああああああ！」
成体になろうがずんだ虫はやはり貧弱ゥ！壁に押し付けられて乾燥するのを待つだけとなった。
「あ！？ずんぽがあちゅい！やけるのだ！せなかもこんがりさんなのだ！やめて！」
その発言に面白そうな気配を感じた僕はずんぽを集中的に乾かしてみた。
「アアアアアアアアアア！！ずんぽがずんたまみたいにしわしわさんなのだ！やめろやめろやめろ！」
「おいきいてるのだ！？やめ、やめて！あちゅいいいいいいいいい！」
さらに集中…。
「アアアアアアアアアアもえちゃ！ずんぽがアアアアアアアアアア！」
そして本体よりはるかに乾いたずんぽとずんたまはサラサラと砂のようになって飛んでいってしまった(笑)
「ぼ、ぼくのずんぽ…ずんたま…ない、ないのだ…もう、もうへこへこできないのだ…？」
そうだよ(宣告)
「アアアアアアアアアア！！もうむりちゃ！たえられないちゃ！ずんぽもへこへこもないせかいなんて！いきてるいみがないのだ！かえちて！ずんぽかえちて！」
その隅に落ちてるチリを全部集めたら元に戻るかもよ。
「あつめるのだ…あつめるのだぼくのずんぽ…」
おっとっとォ〜。手が滑っちまったよォ〜。
などとわざとらしい口調でずんぽのチリをドライヤーで吹き飛ばす。
「まっちぇ！ずんぽまっちぇ！ぼくのぉ！！ずんぽがぁ！！アアアアアアアアアアｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ…」
ずんぽを失った絶望からか雄ずんは急速に干からびて死んでしまった。まじでずんぽが本体なんじゃないか？
雄のデータは取れなかったので雌が干からびたデータをとり、この実験は後日やり直す事にした。吹き飛ばした粉の片付けもしなくちゃ…はぁ…。
続く
作者コメント
続きです。ネタの枯渇を感じる文の雑さになってしまいました。テンポよくと言ったのにこの長さ。纏める力が無さすぎる。
いつも駄文を読んでコメントくださる皆様には感謝しかありません。もうちょいリクエスト実験等やっていきます。並行で教授が実験する実験編(裏)みたいなのも書いています。こっちは善良ずんも餌食にしていきますのでお楽しみに。
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このページへのコメント
鏡開きという言葉があるように、鏡餅を乾燥させたのを割って食べるのだが、身体が餅であるずんだもんの場合、乾燥だとカラカラに乾いてしまったが、鏡餅のように餅の身体だけ適度に乾燥させることはできないのか。
好塩基性ずんだもんvsアミドイオン
好塩基性ずんだもんvsアセチリドアニオン
も気になる
あとはずんだもん体内の酵素を阻害して、薬害を出させてみたり、無菌室でずんだもんの免疫を抑制させて生活させたあと、外界に放ってみるのも面白そう
高温実験で分かってはいるが、耐火性や耐電性の実験もしてほしい。
あと残酷だけど、どこまで解剖しても生きいけるかと再生能力の検査。生命力の高さの謎が解けるかも。
>どこまで解剖しても生きいけるかと再生能力の検査。生命力の高さの謎が解けるかも。
これいいね
ずん虐する時の限界がわかる。ずんだ虫に限らず生かさず殺さずが拷問や虐待では一番難しい。
かといってSFだとカートリッジや脳神経細胞+目玉だけとかになる場合が多いけど……
過去の情報で分かっていること。
１．手足、尻尾、耳を切り落としても生存可。注・ただし、雄に関してはずんぽを失うと高確率で死ぬ。
２．涎には傷口を塞ぐ・癒着効果がある。
３．ずんだ餅を食べさせると傷が治るだけでなく再生する。
４．頭部は打撃に弱くテーブル程度の高さからでも生まれたては死ぬ。その代わり、釘などを刺しても簡単には死なない。
５．胴体は餅である為か打撃には強いが、切り傷には弱い。最近では、麺生地のように伸びることも確認されておりラーメン、パスタに転用可能。縄跳びの縄にもなる。
ただし、その場合、踏みつけられただけで吐血する。
だいたい、ここまでが耐久性で分かっていること。
追記
再生能力に関しては、他のずんだもんであっても足りない部位のパーツとして扱うことも可。動画『すべてたりている』、『ずんぽ』より。
他にも枝豆の根を胴体代わりに頭部に移植することも可。『ＺＥＬＥＺ』の研究より。
ずんぽを切除されてもすぐに止血したり、目の前で廃棄して精神をへし折らなければ死なないかと……(あるいは"性成熟前の子ずん"なら去勢しても死なないけど、成体(ヘコずん)になったら死に直結するんかな?)
ついでに私の実験ではヘコヘコに熱中してる時に首をはねられても(死や苦痛を認識させなかったからか)頭や胴体はしばらく生き続けてました。
少し違うが、皮を剥いで塩漬けにしても生きてるらしい。
悲鳴のレパートリーなくなってきたら、あとは北斗の拳みたいな断末魔しかなさそうw
極限環境というと、あとは磁場、衝撃波、毒物、放射能とかかな？
個人的には、菌糸とか枯葉剤とか、侵蝕/腐食するような環境下での実験もみてみたいですね。
ローションは知ってるのかｗ