喜多日菜子wiki ~ひなこぺでぃあ~

まゆと日菜子によるユニット『ドリームアウェイ』が新曲を歌うことになった。さらにPはふたりに対し、ユニットの魅力を印象付ける方法を考えてほしいと言う。冒険に試練はつきものだと、やる気いっぱいの日菜子。一方まゆは、Pがつきっきりでないことに寂しさを覚えつつも信頼に応えたいと思うのだった。

事務所前

まゆ 大切な人からの、言葉…… それを受け止めるたびに、胸が高鳴ります。 思わず、駆け足になりそうなくらい……。

まゆ けれども、想いは胸に秘めて…… 変わらない足取りのままで、 貴方のもとへと向かいますから……。

春菜 あっ、まゆちゃん。 おはようございますっ。

まゆ おはようございます。 ふたりとも、何だかご機嫌ですね。

凪 これはまゆさん、こんにちは。 はーちゃんがお世話になって以来のこんにちはですね。

凪 お察しの通り、凪はただいまウキウキのウキです。 これから春菜さんが、いい眼鏡をゴチしてくださるとか。

まゆ なるほど、眼鏡を……え？

春菜 肌寒い季節になってきましたからね〜♪ まゆちゃんもどうですか？ 曇っていきませんか？

まゆ はあ……ええと、すみません。 これから用事があるので、また今度、お願いしますね。

凪 仕方ありませんね。 ではまたいつの日か、曇ってもらいましょう。

場面転換（カフェテラス）

日菜子 届いたメッセージはきっと、ステキな世界への招待状……♪ 力強い手で引かれて、プリンセス日菜子の旅が始まります……！

日菜子 あなたと一緒なら、どんな出来事があっても……！ むふふ……むふぅっ！ はぁ〜♪

芳乃 おやー。 なみなみならぬ気を感じれば、やはりそなたでしたかー。 日菜子さんー。

日菜子 芳乃ちゃん〜♪ むふ、わかります〜？ 実はこれから、プロデューサーさんと約束があるんです。

日菜子 日菜子に、大事なお話があるらしくて…… はぁ、妄想が止まりません……♪

日菜子 もうワクワクしすぎて、 約束の時間よりずっと前に来ちゃって…… ここで待ってたんです。

芳乃 ふむふむー。 長らく過ごしていたようですがー 約束の時間とはいつなのでしてー？

日菜子 えーと、確か……あれ、もうこんな時間っ！？ すみません芳乃ちゃん、日菜子はもう行かなきゃです〜！

芳乃 あらー。 では、良き報せがあるよう、 わたくしも祈っておりますー。ではー。

場面転換（事務所）

日菜子 失礼しますっ。 遅くなっちゃいました〜……。

まゆ あ、日菜子ちゃん。 大丈夫、時間ピッタリですよ。

日菜子 よかったぁ……。 まゆさんも、プロデューサーさんに呼ばれたんですよね？

まゆ えぇ。 いま、資料を持ってきてくれるって。 次のお仕事の話でしょうか？

日菜子 夢が膨らみますねぇ。 プロデューサーさんのことだから、もしかして……！

まゆ もしかして……？ 日菜子ちゃんは、心当たりが？

日菜子 ……むふっ、むふふっ！

まゆ 日菜子ちゃん？ いったい、何を妄想しているんですか……？

「お待たせ」

まゆ プロデューサーさん、お疲れさまです。 それで、大事なお話って……？

日菜子 どんな運命が、日菜子たちを待ち受けているんでしょうか？ 答えを……聞かせてくださいっ！

「ユニットの新曲を リリースするよ」

まゆ 新曲……まゆたちの、ですか？ うれしい……。

ふたりに、ユニット『ドリームアウェイ』の 新曲についての資料を渡した……

日菜子 日菜子とまゆさんの、『ドリームアウェイ』…… その新曲なんて……夢いっぱいの曲になりそうですねっ♪ むふっ、ドキドキします♪

まゆ ですねっ。楽しみです♪ わぁ……イベントも開いて、たくさん宣伝するんですね。

まゆ プロデューサーさんの期待に応えられるよう、 精いっぱい頑張ります♪

「それと、もうひとつ」

まゆ はい、何でしょうか？

プロデューサー 今回の新曲を通して、ユニットとしてのふたりの魅力を、 より強くファンに印象付けたいと思っているんだ。

プロデューサー そのために何ができるかを、このお仕事を通して、 考えてみてほしい。ふたりなら、それができるから。

まゆ まゆたち、ふたりの魅力…… プロデューサーさんに教わるんじゃなくて、自分たちで？

「そういうこと」

まゆ そ、そうですか。ふたりの魅力……

日菜子 むふふ、面白そうですねぇ〜。 日菜子たちの頑張りを見ていてください、 プロデューサーさんっ♪

場面転換（廊下）

まゆ ユニットとしての魅力…… 日菜子ちゃんは、なにかアイディアはありますか？

日菜子 いえ、まだなんにも。 でもきっと、なんとかなりますよ〜。 一緒に、頑張りましょう♪ まゆさん♪

まゆ ……ふふっ。わかりました。 日菜子ちゃんはやる気いっぱいですね。

日菜子 もちろんっ！ 冒険に試練はつきものですし、乗り越えた先には……むふふ♪ 宝物が、待っているものですから〜♪

まゆ ……今回は、自分たちの力で、ですか。 プロデューサーさんがつきっきりじゃないのは、 寂しいですけど……。

まゆ 信じて、任せてくれるなら、 まゆもちゃんと応えなきゃ……。

まゆと日菜子の新曲を喜ぶ春菜、芳乃、凪。課題に対して3人から、Pをお手本にしたらどうかとアドバイスを受ける。ふたりはさっそく行動に移すと、Pと作詞家の顔合わせ現場に遭遇。これをチャンスと感じたふたりは、作詞の手伝いをしたいとお願いし、今後の打ち合わせに参加することになった。

食堂

春菜 新曲リリース決定、いいじゃないですか！ ふたりとも、おめでとうございます！

芳乃 よきかなよきかな、でしてー。

日菜子 どんな曲になるか、楽しみです〜♪ 妄想がはかどって……むふふぅっ！

凪 パーティーでも開きますか？ お望みなら、凪もパーリーピーポゥと化しますが。 凪のウキウキを、いまこそ解き放つとき。

まゆ ふふ、ありがとうございます。 でもさすがに、気が早いかも？

まゆ まだお話をいただいただけですし…… 大事な課題もありますし。

日菜子 はいっ。 日菜子たちふたりの、むふふな魅力♪ 見つけなきゃですねぇ。

芳乃 大事の前こそ、己を見つめ心を整える、 いい機会かもしれませんねー。

凪 わかりみです。凪も常々考えています。 自分の存在意義とか、思春期らしい何かなど。 大きなお友だちが好きなやつですね。

春菜 凪ちゃんも、ユニットでデビューしましたよね。 アドバイスとか、できるんじゃないですか？

凪 そうですね。まさに久川旋風、いろいろありました。 とはいえ参考になるかと言うと、なんとも。

凪 あくまで凪は凪、です。 凪のメソッドは、はーちゃんとPにより 徹底的にナギナイズされています。

日菜子 よくわからないけど、わかるような？ むぅ〜、難しいですねぇ。

芳乃 それがあいどるの道でしてー。 時間をかけ、向き合うのがよいかとー。

まゆ はい……ユニットの魅力、じっくり探してみます。

春菜 魅力を探す、かぁ。 考えてみたら、いつもは探してもらう立場ですよね、私たち。

まゆ ……それは、どういう？

春菜 私たちの魅力をファンに伝えるって、 私たちをプロデュースするってことですよね。 プロデューサーさんがやっているみたいに。

春菜 もしかしたらその課題も、 自分と同じ視点を持ってほしいって意味なのかもしれません。

凪 なるほど。 アイドル引退後も、プロデューサー業で生きていく。 生涯年収に差が出る選択ですね。

まゆ ……そうですね。 これが、プロデューサーさんの……。

まゆ なら……まゆが頑張れば、プロデューサーさんにもっと近付ける？ 同じものを見て、感じて……同じ気持ちになれるのかな……？

日菜子 ああっ、まゆさんの目が…… すごく真剣に……！

凪 行き詰ったときにはP任せもアリですね。 Pはプロのデューサーですから。 餅は餅屋。やはり、資格持ちに任せるのがよいのでは。

日菜子 ですね、プロデューサーさんに聞けば…… って、それじゃダメですよぉ〜。

まゆ プロデューサーさんには頼らず、 自分たちで見つけなきゃ……。

凪 ふむ。ですが、「目で盗め」とも言います。 あるいは、Pの目を盗むのもいい。 Pの死角を取れれば、合格です。

芳乃 一理ありましてー。 直接教わる他にも、学ぶ術はありましょー。

まゆ そっか……。 プロデューサーさんを観察して、お手本にするんですね。 そういうことなら、まゆ、得意です♪

日菜子 いいですね！ さっそく行ってみましょう、まゆさんっ♪

まゆ はいっ。 みなさん、アドバイスありがとうございます。

場面転換（廊下）

日菜子 プロデューサーさん、いまはこちらの部屋でしょうか。 え〜っと……。

場面転換（事務所）

？？？ 本日はありがとうございました。 今後とも、よろしくお願いします。

日菜子 あれ、誰かとお話し中？ しばらく様子を見ましょうか、まゆさん。

まゆ あの、プロデューサーさん…… その方は……？

日菜子 あぁっ、まゆさん！？

「新曲の作詞を していただく方だよ」

作詞家 佐久間まゆさんと、喜多日菜子さんですね。 よろしくお願いします。

作詞家 私も楽曲政策を通して、おふたりの魅力を引き出せるよう、 最大限サポートいたしますね。

まゆ 楽曲を通して、まゆたちの魅力を……。

日菜子 ……まゆさん。 これってもしかして……チャンスじゃないですか？

まゆ 日菜子ちゃんも、そう思います？

作詞家 ……？ どうしましたか？

日菜子 あのっ！ 新曲の作詞…… 私たちにもなにかお手伝いさせてもらえませんか？

まゆ まゆも、詞を書けるかはわかりませんけど、 ふたりの想いを伝えたり、 アイディアを出したりはできると思うので……

「いかがですか」

作詞家 確かに、試みとしては面白そうです。 では次回の打ち合わせから参加していただきましょうか。 おふたりとも、よろしくね。

日菜子 ありがとうございます〜！ これはもう、妄想全開でいくしか！

まゆ ご迷惑をかけるかもしれませんけど…… 精一杯、頑張ります。 よろしくお願いします……！

打ち合わせに同席したまゆと日菜子は、曲の方向性で躓いてしまう。Pに正解を求めるふたり。しかしPは方向性についても自分で答えを見つけてほしい様子。改めてユニットのイメージについて考えてみるも、ふたりは自分たちの考えに自信が持てずにいた。そこに作詞の話を聞いた凪が芳乃と共に現れると…。

事務所

まゆと日菜子も同席して、 作詞家との打ち合わせが行われた……

作詞家 それではまず、曲のコンセプトですが……。

日菜子 待ってください！ まず最初に、伝えたいことがっ！

まゆ えっ、日菜子ちゃん？

作詞家 わ、わかりました。 おふたりの意見は大事ですからね。

日菜子 曲の雰囲気とか考えていたら、 いっぱいアイディアが出てきて♪ せっかくなので、絵にしてきました！

まゆ えっ……この絵、全部日菜子ちゃんが！？

日菜子 日菜子がっていうより、日菜子の中のプリンセスが、ですけど。 とにかく妄想が始まると、手が止まらなくなっちゃって♪

日菜子 まず曲の世界観ですけど、やっぱり正統派のファンタジーが いいかなって。メルヘンな物語をぎゅっと詰め込んで、 絵本を読むみたいに曲を聴くイメージなんです！

日菜子 主人公は可愛くて凛々しいお姫様で、国の未来を背負いつつ ロマンチックな恋に憧れたりもして、揺れる心をメロディで 表現してみたり、あと吟遊詩人みたいな役で語りを入れたり……。

日菜子 ……はぁ、はぁ、はぁ。 以上です〜！

作詞家 えーと……申し上げにくいのですが……。

プロデューサー 率直に言ってしまって構いません。

日菜子 えっ。 そ、率直に何を？

作詞家 プロデューサーさんの考えるアイドルソングのほうこうせいとは、 離れてしまっているかと……。

日菜子 えぇぇっ！？ 日菜子のファンタジックプリンセスストーリー、 ダメですかぁ！？

まゆ あの……プロデューサーさんたちの方向性、とは？ それを教えてもらえれば……。

「口で説明するのは 簡単だけど……」

まゆ 簡単だけど……？

プロデューサー できればその答えは、自分たちで見つけてほしいんだ。 与えられて、その通りに振る舞うんじゃなくて…… ふたりが考えて、見つけたものを教えてほしい。

プロデューサー ふたりが、お互いを輝かせるために、 ふたりの形を見つけてほしいんだ。

プロデューサー 大事なのは、ふたりの魅力が詰まった アイドルユニットの曲だということ。 それを忘れないで。

まゆ わ、わかりました。 もう少し、考えてみます…

場面転換（廊下）

日菜子 あうぅ……ごめんなさい、まゆさん。 日菜子、自分だけで盛り上がっちゃって……。

まゆ いいえ、大丈夫ですよ。 まゆも、日菜子ちゃんに助けられましたから。

日菜子 え？ いつですか？

まゆ 作詞のお手伝いって何をすればいいか、イメージできてなくて。 でも日菜子ちゃんのおかげで、やることが見えてきたって 思うんです。

まゆ 次は、一緒に…… 曲のイメージとかコンセプトとか、 ふたりで考えてみましょうっ。

日菜子 は、はいっ…

カフェ

日菜子 第1回、ドリームアウェイ新曲会議を始めますっ！

まゆ 資料もそろえましたし、きっとヒントが見つかるはず。 頑張りましょうっ。

日菜子 むふぅ……日菜子的にはやっぱり、夢は欠かせません。 『ドリームアウェイ』ですし。

まゆ じゃあ、夢というキーワードから、 いろいろ膨らませてみるのがいいのかな？

日菜子 なるほど〜。なら、任せてください！ 膨らませるのは得意ですからね！

日菜子 む〜……。 日菜子的には、こっちのほうが 雰囲気に合っていると思うんですよぉ。

まゆ そうですねぇ。 ユニットらしさを感じられますし。

まゆ プロデューサーさんが考える方向性とも、 合っている……とは思うんですけど……。

日菜子 ここではっきり、自信を持って言えないとダメなんですよねぇ。 これが私たちふたり、ユニットの魅力です、って！

日菜子 ふぅ……。 こうして考えてみると、作詞って奥が深いですねぇ。 これは大変なお仕事ですよぉ。

まゆ でも、プロデューサーさんが任せてくれたんですし。 成果はしっかり出さないと……。

日菜子 う〜ん……結構時間も経ってますし。 そろそろ休憩にしませんかぁー……。

まゆ ふふ、ありがとうございます。 でもまゆは、もう少しだけ……。

芳乃 ふたりとも、お仕事は順調でしてー？ おせんべいを持ってきましたー。

凪 それはもう、バリバリですよ。

日菜子 あっ、芳乃ちゃん……それに凪ちゃんも。 差し入れですか、ありがとうございます〜。

芳乃 わたくしはそのつもりでしたがー。 こちらは別の用事があるとかー。

まゆ はい？ 凪ちゃん、どうかしました？

凪 まゆさんたちが作詞にチャレンジすると聞きました。 すでに大きな話題になっています。主に凪界隈で。

凪 しかし凪にも、ポエマーのプライドがあります。 いま、そういうキャラ付けでいくことにした。

日菜子 ど、どういうことでしょうか？ 日菜子も妄想できない急展開？

凪 ポエムの道に進むのなら、凪を倒してゆくがよい。 いざ、ポエムバトルです。

日菜子・まゆ ……えぇぇっ！！？

春菜を審査員に迎え、始まったポエムバトル。壮絶なマンションポエム対決を経て、曲作りのため、次なるテーマはまゆと日菜子になる。ふたりといえば恋だと口を揃える面々だが、恋物語は却下されたばかり。そもそもプロに意見するのが間違いだったのではと思うまゆ。少女の心に、焦燥感が募っていた。

まゆを心配した日菜子は、彼女をお出かけに誘う。気分転換の時間を楽しむと、CDショップに入るふたり。偶然、とある曲から元気をもらったという少女たちの会話が聞こえてきた。その言葉に、ふたりは自分たちに足りなかったものに気がつく。最終的に辿り着いた、ふたりの答えとは…？

私たちが届けたいのは、恋をしているときの幸せな気持ち。ふたりが出した答えはPの期待通りだった。課題を達成して自信を得たまゆと日菜子は、積極的に自分たちの案を語る。熱の入った打ち合わせを終えたふたり。その表情はずっと見守っていた春菜、芳乃、凪の目から見ても、とても晴れやかなものだった。

『ドリームアウェイ』の新曲は、ファンのトキメキと共感を呼んだ。春菜、芳乃、凪からも感想をもらい、喜ぶふたり。日菜子はお仕事が成功したご褒美を求めて、まゆもおねだりをしようと、Pのもとへ向かう。ふたりの一途な想いは、この先も変わることなく、ずっと続いていくことだろう。