img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:イーリス イノセント・ブライド バーニィ ふめい ブリッジング・メモリ

鳥とアリスとバニーと正義の味方とサイバーな記憶

「今日は皆さんと親睦を深めたいと思いまして!
 あっ! 親睦っていうのは仲良くするって意味で、食べ物じゃないんですよ!」
「そんな勘違いをするのはお前だけだ!…皆さん申し訳ない、思いつきで行動する子でして…」
「もー! アムニスはちょっと黙ってて!」
 なんやかんやあって結成されたチーム11(名称未定)は、リーダー?のイノセント・ブライドから、
緊急作戦会議(仮)という名目で夕方、公園に呼び出されていた。
「わ、わたしは…いい、と思います… 皆さんと、仲良く…なりたいです…」
「あたしも構わないぜ」
「でしょう!? そこで! 皆さんには、どうやったら親睦が深まるかのアイディアを出して貰います!!」
「そこからかよ!」
「あっ!! そうですね、ごめんなさい! その前に自己紹介しましょう!!」
「そういう事じゃねえ! …まあいいや。あたしは"ふめい"! 正義の味方、やらせてもらってるぜ!」
 ライトブルーの髪を活発に弾ませてサムズアップするその少女は、ふめい。
「バーニィ、って言います…あの、よろしく、お願いします…」
 そう深々と頭を下げ、バニースーツの耳と銀髪を垂らす内気そうな褐色少女は、バーニィ。
「あたしはね、イーリスだよっ! みんなふぉろーしてねっ!」
 ばさりと、その白い羽─鳥と同じだが、とても大きな─を広げ、元気にアピールしたのは、イーリス。
「ブリッジング・メモリですー。よろしくー。」
 素っ気無いようで愛想よく、簡潔に告げた、
体に橋を渡したような機械的・近未来的意匠のグレーの少女は、ブリッジング・メモリ。

「いいですね〜皆さん!! キてますキてます! どんどん親睦キてますよ〜!!」
 ブライドは、何か彼女にしか捉える事の出来ない電波を受信していた。
「ノリで生きてんなぁオイ」
 ふめいは苦笑半分、楽しみが半分、という様子。
「本当に、申し訳ない…」
 ブライドの持つ杖…アムニスが平謝りする横で、そんな言葉は聞こえないという風でブライドが切り出す。
「キ始めた所で! そろそろお聞きしましょうか! 皆さんの、渾身のアイディ〜アを!!
 どうしたら、親睦が深まるか!? バーベキューなんかいいですね!!
 いいですか! せーので、一斉にですよ! 行きますよ!? せー…のっ!」

「バーベキュー!!」「遊ぶ!」「一緒に過ごすとか…」「ついったー!」「ゲーム」

 見事にバラバラだった。
「わかりました! バーべキューしましょう!!」
 聞いてなかった。
「何の為に聞いたんだよ!!」
「一応意見は聞いたという事実は残さないと…」
「変な所で小ざかしいな!?」
 ふめいは、正しくない事を見逃せぬ人物だった。
「あのぉ…どうして、バーベキューなんですか…?」
 おずおずと、バーニィが手を上げて質問する。
「い〜ぃ所に気付きましたねえ! バーニィさん!!」
 多分聞かない方がいいやつだった。
「まずは、みんなで同じ事をするのが大事なんです!」
「そ、そうですね…」
「バーニィさん!! どんな人でも、生きて行く上で必ずする事って、なんだかわかりますか!?」
「え、えぇ…? な、なんだろう…」
「せーりげんしょー? はダメですよ! 息! とかそういうのです! 怒られますからね!」
「怒られたのか…」
「あ、あの…助け合う、とか…」
 バーニィは、基本的にいい子であった。
「おしい!! 正解は、食事です!!」
 ブライドは、色々といい子ではなかった。
「おしくねえし食事は生理現象だ!!」
「えっ!! そうなんですか!? …じゃあバーベキューしましょう!!」
「同じだろ!!」
「ダメかー!」
「ダメだよ!! 何もしかしたらみたいな顔してんの!?」
「タハー」
「そんなしてやられてもねえよ!?」
「バーベキューしたい!!」
「出ちゃった! 本音出ちゃったよ!!」
「やだやだしたいしたいバーベキューしたいぃ! 絶対楽しいからぁ〜!!」
 ブライドは地面でバタバタし始めた。
「子供か!」
「ふめいさんはお肉食べたくないんですか!!」
「お前そんな、小学生みたいななぁ…」
「わ、私もお肉好きです!」
 バーニィが決死の覚悟?で間に割り込む。
「フォローが微妙すぎる!」
「ひいぃ…」
 バーニィの気力は1しかなかった。
「あたしもすき!」
「便乗してんな!」
「ふえぇ…」
 イーリスの気力も1しかなかった。
「もしあれだったら、リーダーである私の分のお肉を、半分…いえ、ひとかけらあげますから…」
「いらねえよ!ケチか!! すげえ苦しそうな表情だけどいらねえよ!?」
 ふめいはなんというか、面倒見のいい性格だった。

「まま、いーじゃないですかー、ふめいさん」
 一歩離れて傍観していた、ブリッジング・メモリ…メモリがふめいに歩み寄り、ぽん、と肩に触れてなだめる。
「ま、まあ…あたしも別に、嫌って訳じゃねえけどよ…」
「バーニィさんもイーリスさんもー、さんせーみたいですしー?」
 ぽん、ぽん、と、繋ぐように軽く、バーニィとイーリスにも触れる。
「は、はい…」
「まほうしょうじょばーべきゅーかい、ふぉろわーぞうかまちがいなし!」
「くじ引きでてきとーに決まったリーダーさんも、結構ゆーのーみたいですしねー?」
「えっ!? で、でぇへへぇ〜! そんな事、あっちゃったりしますぅ!?」
 その言葉に、スライムといい勝負なまでぐにゃぐにゃと顔を崩し、
とてもお上品に笑うブライドの元へも近寄り、手を─
「ダメッ!!」
 触れる直前、ブライドが大きく下がって拒絶する。
「…な、なんかそのー、ごめんなさい」
「い…いえ! こちらこそごめんなさい! なんか急に凄く恥ずかしくなりました!!」
 一瞬、両者驚いていたものの、すぐ、困惑した様子で謝罪しあう。

 …唐突に生まれた空白、その微妙な空気を破ったのは…
「しょ…しょうがねえな! ほら、行くぞ!」
 ふめいであった。
 ブライドの手を引き、どこかへ走り出そうとする。
「ふ、ふめいさん?」
 不意を突かれたブライドは、引かれるまま流されて走り出す。
「やるんだろ、バーベキュー! 必要なもん色々あんだろうが!」
「…あ、ありますよー! そりゃあもう、モリモリと!!」
「だったらグズグズしてんなよ、リーダー!」
「…っ! そーですね!! ここは、栄えあるこのチームのリーダーである私が!!
 率先して! ガンッガン皆さんを導いちゃいますよー!!」
「はっ、早速調子乗りやがって!」
「ふめ子ちゃんって呼んでもいいですか! ふめいさん!!」
「やめろ!!」
 夕暮れの町に、二人の少女が消えていく…

「わ、私達も…準備しましょうか…」
「いいよ、よろしくねっ! バニーのひとは、おなまえなんていうの?」
「えぇっ…!?」
「…まー、今は楽しみますかー。行きましょー、バニーのひとー」
「バーニィですぅ…」

「楽しいか、ブライド」
 アムニスは、他の誰にも聞こえないような、小さな声で…
優しく、かがんで子供に目線を合わせるように、問いかける。
「うん!」
 ただ、嬉しい。それだけが満ちたブライドは、大きな笑顔を咲かせる。
「そうか…よかったな。みんな、いい子で…本当に…」
 よかった。
 本当に、夢のようだ。

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