img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:流刃 森本那緒 ロータスパック 陰陽魔装少女りおたん クライ・クライメット フェアリーAYU "剣帝"カミイズミ エアレイド エンジェラン・ペット 蟹天使タラバエル 給油天使フューエル デッドヒート ヒトミ-2 ミュジコ アリア=ドネイト ナハト=クレーエ リトルリトル ノスタルジア・トト ぷっしーきゃっつ スノーグレイ? ソード・オブ・ケイシー(登場順)


流刃
「最近思うんだ」

那緒
「……何が?」

流刃
「うちは寿司屋だ、アイドルグループの育成をするのはおかしい」

那緒
「今更だよ本当!!!」


 アイドルグループ『フェアリーズ』……人気ジュニアアイドル魔法少女、『フェアリーAYU』を主軸においた異色の魔法少女アイドルグループである!!

 言い換えると、何かの偶然と運と気紛れが絡んで生まれた、よくわからないアイドルグループ、それが『フェアリーズ』である。


流刃
「まあ、そういうことで今後はうちの管轄じゃなくなる、各々頑張ってくれ」


 かくして、小学生アイドルグループ『フェアリーズ』は流刃寿司の手を離れることとなる――


ロータス
「これから、どうなるんだろう私たち」

りお
「どうもこうもないですよ、まあ関係が終わるわけでもないんだし……構いませんよ私は」

クライ
「りおはその……積んでる写真集どうするの」

りお
「どうしましょう本当……」

ロータス
「まあそれは置いといて……リーダーとしてはどう?」

AYU
「……あ、え?えーっと……」


 メンバーそれぞれの葛藤や思惑はあれど、当人たちの意見は別に反映はされなかった。

 かといって、解散というわけではなかったため、無期限の活動休止状態へ入っていった。



 しかし、ここにそれを憂う少女、もとい男が一人。


カミイズミ
「フェアリーズが終わって俺の青春も終わった」


 "剣帝"カミイズミ、魔法少女の中でも屈指の剣豪であり、特に一対一を前提とした近接戦闘において不敗である、との呼び声も高いが今はわりとどうでもいい。

 フェアリーズファンクラブ、通称FFCにおける会員ナンバー一桁台、それが彼の現在の誇りであり称号でもある。

 特に彼はフェアリーズメンバー最年少、陰陽魔装少女りおたんに特に入れ込んでいた。彼女が定期的に出していたコスプレ写真集は定期的に購読しており、週刊にも関わらず毎日三冊ずつ買うほどの熱狂的信者である。

 今、彼は絶望の底にいた。


エアレイド
「……カミ君」


 そしてそんな彼を見つめる者がいた。

 エアレイド、カミイズミの男友達である。おそらく、多分、きっと。

 彼自身は、フェアリーズに何の思い入れもない。推しウィッチもいない。そもそも、FFCの会員ですらないのだ。

 だが、彼は彼なりに考える。

 その結果――


エア
「……そうか、フェアリーズが解散したならまたアイドルグループを作ればいいんだ」


 そういう結論に至った。

 彼の実家はわりと金がある。アイドル事業を行えるだけの資金がある。

 もしここで自分が新しい魔法少女アイドルを作れば、もしかしたら褒めてもらえるかもしれない。

 そんな純な乙女回路思考があったかどうかはわからないが、とにかくエアレイドは新しいアイドルグループを作るために走った。


エンジェラン・ペット
「えっ?ボクが次世代のジュニアアイドル?ま、まぁ悪い気はしないけど」

エア
「大丈夫!悪いようにはしないから!」


蟹天使タラバエル
「私でも……こんな蟹でもアイドルになれるのカニ……?本当にいいのカニ?」

エア
「大丈夫!悪いようには(ry」

那緒
「このパターン前にも見たぞ!!」


給油天使フューエル
「…………」

エア
「大丈夫!悪(ry」

那緒
「何も言ってないだろ!!」


 そんなこんなで、三人のアンダー十二歳の魔法少女が揃った。しかも全員天使属性というおまけつきである。


エア
「よし、今日から君達はTRY-ANGEL<トライエンジェル>だ!トライアングルとエンジェルをかけた……あれ、我ながらセンスいいな……」

エンジェ
「自画自賛してるよあの人」

タラバ
「ああいうサイケデリックな感じの人が世の中を掴んでいくのカニ」

フューエル
「…………」

エンジェ
「まあ、そうなんだけど」

タラバ
「でもその心配はないと思うカニ、あまり気にしすぎるのもどうかと思うカニ」



那緒
「何で会話できてんのあいつ等……」


 そんなわけで、新生ジュニア天使アイドルグループ『トライエンジェル』が誕生した。

 また、エアレイドは彼女らのプロデューサーとして、ぐんぐんと芸能界で名を伸ばしていった。

 サブとして、森本那緒をそっと置いていたことがどう作用したか、それは不明である。


 それはそれとして――





 カミイズミは萎えきっていた。

 週刊写真集も販売自粛となり、たまにバックナンバーが裏で出回る程度に収まっていた。

 フェアリーAYUのみがソロでの活動を続けていたが、他の三人は元の生活へと戻っていった。


カミ
「あー……今週もない……ってか売ってないー……」

エア
「カミ君カミ君、今話題の新アイドルの話なんだけど……」

カミ
「んー…………あー、いーねこの衣装…………りおたんが着てたやつと似てんなー……あー、懐かしい……」

エア
「カミ君……」


 終始、このような感じでカミイズミは他の魔法少女をあしらっていた。

 彼に話しかけようとするシスターや白雪姫にも、わりと適当な応対をしていたのだった。この時、二人ともわりと気合入れてコスプレ衣装を着こんで慰めようとしていたのだが、それは割愛。


エア
「クソッ!!折角新しい魔法少女アイドルグループを作ったのに意味がないじゃないか!!こうなったら……



 僕自身が、新しいアイドルの波を作る――」



那緒
「うん……いや何でだよ!?」


 増えるアイドル。


デッドヒート
「俺はいい、そういうのは俺のやることじゃない」

ヒトミ-2
「俺もいいや……そもそも動きにくいし……」

エア
「駄目だ、君ら二人合わせてヒートミーだ、見なさいあそこで目をきらきら輝かせてる音楽娘の姿を、期待に応えてあげようとは思わないのかな」

ヒトミ
「いやー……えー……?」

ヒート
「随分人気者だな、やはりその胸か」

ヒトミ
「違う……とも言い切れない……」


 節操なく増えていく魔法少女アイドル。


流刃
「見たまえ、ナハ子君とアリア君、那緒君、あと同業他社だけどリトル君」

那緒
「もうさ、嫌な予感しかしないんだけどウチ」

流刃
「思えばフェアリーズを元祖寿司アイドルとして売り出すこと自体なんかちょっと違ってたと思うんだ、そう……君達こそ真のJK寿司アイドルだ」

那緒
「よくわからない造語を作るな!」

アリア
「便利屋をやっていると色んな仕事が舞い込んでくる……これもその一環かしらね」

ナハト
「店長、私このバイトやめたいんだけど」

リトル
「大将、ワタシもやめたいんですけど」

エア
「駄目だ、どうあっても高校生四人組寿司アイドルはやってもらう」

流刃
「まあ、先方がそう言ってることだし頑張ってくれ皆」

リトル
「見てください、あれが汚い流刃寿司の実態です、大人はなんてダーティなんでしょう……ねぇ玉子、じゃない那緒さん」

那緒
「やめろ触手を首に巻きつけるな、さてはウチを食う気だなこのイカ娘!!」

流刃
「楽しそうで何よりだ、自分は高校生じゃないので参加はしないで裏方から応援してるから」


 増殖していく魔法少女アイドルグループ。


トト
「なんかヒトミとか楽しそうなことしてたからきたよ!!ボクもアイドルとかやってみたい!!!」

ぷっ氏
「おやぁン❤その声はトトにゃんではないかにゃ?穴イドルをヤりたい?わたにゃんこは一向に構わんッ❤さァ、今夜もレッツパーリナィにゃん❤❤❤もいちどこどもにもどってみたいにゃん❤そう……あの胸に抱く憧憬を静かに眺めながら……野には兎が踊り、空は青く高く、子供の頃に抱いていた夢と希望に溢れていたあの頃に……そしてわたにゃんこは思うんですにゃ、見た目は子供!頭脳は大人!ムラムラしっぱなしにゃん❤肉体的にはロリショタファックいいにゃん……全人類の夢ですにゃん!!オラッ!ママになっちゃえにゃん!!!」

スノーグレイ
「不思議の国のアリスモチーフを象る彼、まさに魔法少女然とした魔法少女です。このような理想の魔法少女になりたいものですね。む!そこに一匹の猫が一匹、ドブネズミみたいにぬるぬるねとねとに体を濡らして可哀想に……ここにいい感じの火炎放射器がある、これで温めてあげましょう。プシャーあっ!これは消火器ですね。仕方ないいつだって物理が万能なんです。高く振りかざした消火器はこうです、こう。キシャァ!死ねェ!」

トト
「やっぱいい、かえる」

ケイシー
「不思議の国のアリスと聞いて」

トト
「よんでない!」


 かくして、無数のアイドルグループが誕生した。

 世はまさに大アイドル時代、それぞれのグループが歌にダンスにグラビアに、と大忙しだった。



 しかし、それでもカミイズミは興味を示さなかった。


カミ
「ハァ〜〜〜〜〜〜…………」

エア
「駄目だ……何が足りてないんだ……何が……」

那緒
「……何なんだ寿司アイドルって、酢飯の海泳がされるし……え?まだ悩んでるの……」

エア
「ああ……そこにいるのは寿司アイドル那緒ちゃん」

那緒
「誰が寿司アイドルだ誰が」

エア
「元気そうで何よりだよ……」

那緒
「……あのさ、ウチ思ったんだけど最初からフェアリーズ買い取るなり何なりして継続させりゃ済む話だったんじゃ」

エア
「…………」

那緒
「何その今気づいたみたいな顔、え!?本当に今気づいたの!?」



 こうして、流刃寿司からフェアリーズの活動権を移譲してもらったエアレイド。フェアリーズ再稼働となった。


カミ
「久々の写真集だ……久々だから十冊くらい買っちゃおうかなー!」

エア
「カミ君が元気になってよかった……そう、これで良かったんだ……」


 春風が吹く空の下、一人の魔法少女が静かに憂いていた――。








那緒
「なんだこの失恋した乙女の憂い、みたいな空気!!!」


 余談だが、この流れで作ったトライエンジェルやJK寿司アイドルはまだ解散していないのである。

 森本那緒は永遠に寿司飯の海に沈むことになるのであった。


那緒
「もう寿司はいいよ!!」


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