マイソフの創作と資料とチラシの置き場です。

敵はボンノー寺にあり

その1(2020年春まで) その2(2021年春まで) その3(2021年夏イベまで) その4(2021/22年冬イベまで) その5(2022年初秋イベまで) その6(2023年夏イベまで) その7(2024年節分まで) その8 チラシの裏(改修ログ・挑戦予定等) チラシの裏2(攻略情報) チラシの裏3(レベル情報等) 




コラム:新人さん向けコンテンツ(艦これ)


 すっかり艦これも爛熟して、複垢禁止のためベテラン提督が発展途上鎮守府から見える世界を実体験することは困難になりました。このため例えば丙攻略、丁攻略の情報は少なく、見つけづらくなっています。

 ただ多くのMMOで初心者向けコンテンツや自主行事が企画され、実行され、記録されてきた記憶からすると、熱心にそれらを吸収してくれる新人であるほど、あっという間に新人ではなくなります。別の言い方をすれば、新人間格差がすぐに開いていくのです。これには特効薬がありません。

 新人向けコンテンツを提供される各位が、リソースを突っ込んだ割には反響が薄くて盛り下がらないよう、無理のないご活動をされることを祈念します。

多様な非ランカーのステップアップに向けて

(0)総説(0から6まで2020年6月加筆)

「うんと突っ込んでいる人」以外は、提督って多様だと思います。長いこと無課金で時間もつぎ込まずにやっている人は、1-5と2-5は何度も回っていて勲章だけはたくさんあるかもしれません。ネジは課金で増やせますが、改装設計図は各EOを毎月回らないと貯まらないので、重課金でスタートダッシュする気満々の人は「改二にすればいいんだよ」の一言にイラっとするかもしれません。

 初心者向けコンテンツの持つ「初心者像」は各コンテンツ作者が一生懸命想像されているのだと思いますが、いわゆる丙提督丁提督はもう少し多様なんではないかなと思うわけです。分かれそうなところを、書いていきたいと思います。

 艦これは総合格闘技であり、イベントクリアにはいろいろな戦力が必要とされます。いろいろなサイトや動画で提供される例を見ながら、それぞれの使い方を覚える必要もあります。開発でも改修でも、ある程度建造もそうですが、なにかひとつを一気に合格水準に押し上げるのはおすすめできません。いろんなことをすこしずつ。

 とはいえ、このコンテンツも何かしら、「勝手に仮定している」ものはあるのでしょう。少なくとも1年目には、「轟沈が怖いからもっぱら演習ばかり」な人はいました。まったく出撃しないわけにもいかないと思いますが、建造した艦だけで戦っていたのかもしれません。

(1)陸戦装備

 陸戦装備充実のネックになるのが、大発動艇から「大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)」を改修更新するところです。この改修のためには皐月改二、阿武隈改二、あきつ丸のどれかが必要です。あきつ丸の入手は大型艦建造か期間限定海域でのドロップに限られているので、残り二者について考えます。

 だいたい軽巡を複数使う出番は少なく、突出した1隻を使いまわすことが多い現状です。夕張改二特という新しい戦力が登場したので、阿武隈改二は要らないのではないか……というのは無視できない意見です。とすれば皐月改二を目指す方が早いと。[2023年12月加筆:今日ではさらに矢矧改二乙という突出した存在があります。まあ矢矧を拾うまでが長い長い遠足になるでしょうけれど。]

 しかし夕張改二特が真価を発揮する条件は、かなりきついものです。夕張が改二になったとして、蛟龍改を取る任務には「六水戦の」睦月型の育成が必要になり、皐月はそれに含まれません。睦月型3隻をそれなりの練度に上げないと、3-2で生き残りS勝利を取るのは大変です。

 いっぽう皐月も含めた睦月型は、大発を積めるものもありますが全部ではなく、駆逐艦としての戦力は平均以下です。[2023年12月加筆:順次、大発が積める駆逐と特二式内火艇なら積める駆逐が増えていますから、そっちに仕事が取られる現状です。]

 夕張改二が実装されるまでの提督は阿武隈改二、下手をするとサブ隈改二も持っていました。阿賀野型軽巡は普通に強く、意識的に育てるのが比較的楽です。「3-5はまだ無理」という時期が私にも長いことありましたが、1-5と2-5だけでも2か月あれば改装設計図1枚分の勲章がそろいます。蛟龍改が夕張改二特に高いフィットを持っていることを考えると、「夕張改二特と第六水雷戦隊3隻を育成し、別途皐月改二を育成する」よりも「阿武隈改二のために1枚使う」コストが低い提督も多いと思います。

 まとめると、「夕張改二特と第六水雷戦隊3隻を育成し、別途皐月改二を育成する」のは、長い時間を艦これにつぎ込んでいてレベリングが比較的苦ではない提督にお勧めです。育つ艦が多い提督には、改装設計図の足りなさはより深刻です。なんといっても皐月改二は図面が要らないのが魅力です。

「阿武隈改二を育成する」のは、時間があまりとれない人や、レベリングの順番待ちがひどいことになっている人にお勧めです。

 また大発動艇を積める駆逐艦なら、ヴェールヌイが図面も要らず睦月型より育てやすいと思います。1隻では足らないので、いずれ改装設計図を使うか、睦月型を我慢して育てるかになりますが。
(2)ネジがあったら何をする

 ちょっと逆に考えてみましょう。ヨソのソシャゲでガチャ地獄を経験して、面構えが違う提督が着任したとします(仮定)。天下を取る気はないけど無料のゲームとも思ってないとします。何から手を付けるべきでしょうか。

 基地航空隊は、必要になるパーツがあまりに多すぎます。艦隊全体がある程度そろって来ないと生かせませんし、大規模イベント以外に秋の秋刀魚イベント、節分・菱餅・GWなど毎年やるとは限らないミニイベントで、それらのパーツのいくつかが定期的に少しずつ放出されています。私は嫁10隻くらいで休止して復帰したら基地航空隊があったので、すぐにぐるぐると陸攻開発レシピを回しましたが、主力部隊がLv80くらいになるまでは全体的なレベリングや、いくつかの改修、開発などをを優先するのがおすすめです。

 私が次に手を付けたのは水上戦闘機の確保です。二式水戦改は大量のネジが必要ですが、課金で力押しできる要素です。ただ改修工廠のルールを頭に入れ、☆7以降は改修確実化もご検討ください。イベントの攻略編成例では水上戦闘機を6スロット使っているるものなどもありますが、あればあっただけ役に立つので少しずつ買いそろえていけます。数がそろってきたら、軽巡で水上戦闘機を3スロット積める由良改二や、重巡で4スロット積めるZara Dueの値打ちが増します。

 三式水中探信儀、四式水中探信儀は人権装備です。ある程度の数がそろわないとゲームになりません。ですから改修が重要になります。付け替える面倒さを我慢するなら少な目で済みますが、改修元になる九四式水中探信儀は開発で得て、そこから三式や四式を改修していきます。ああ三式は開発でたまに引くのが頼りですか。
(3)育成時間が限られている場合

 キラつけは隻数が多いと時間のかかる作業ですが、道中大破の確率は体感でやはり下がります。しかしログインできる総時間が限られている人にとっては、それ自身の時間だけでなく、入渠していると今日の攻略はここまで……になってつらいものです。逆に、キラ付けと遠征を繰り返していると、将棋で言う「と金のおそはや」みたいな話で、軽巡や駆逐艦がじわじわ育っていくのも確かです。

 MVPというシステムも手伝って、駆逐艦や軽巡洋艦は正規空母や戦艦よりも育てにくい傾向があります。ところが艦これの海域には、(1)「軽巡1、駆逐(+海防)5」だと有利なルートを通れる海域があちこちにあり、(2)対潜能力が決定的な場合と対艦(とくに夜戦)能力が求められる場合があります。

 だから「ログインできる総時間が限られている人」は、とくに駆逐艦・海防艦と少数の軽巡洋艦のレベルが戦艦や空母に遅れないよう、意識して育成することをお勧めします。連続出撃と疲労を考えると、多いほどいいのは確かなのですが、「軽巡1、駆逐5」の一軍、二軍(+〇〇枠)といった考え方で順次育てていくといいでしょう。

 例えば対潜先制爆雷攻撃のルールがあるため、「対潜」の高い(比較的低いレベルで一定値に達する)駆逐艦をいくらか育成する必要があります。いろいろな「物差し」で持っていた方がいい駆逐艦の種類がいろいろあるので、ぜかましネット様の記事をおすすめします。

 イベントでなくても手に入る駆逐艦の中では、基本的に強い雪風と島風、大発が積めて対潜も高い響(ヴェールヌイ)などは手に入ったら最低1隻育てるといいでしょう。[2023年12月付記:改三の優良装備が圧倒的な時雨は対潜が高めで、改三に育つまでにも活躍しやすい駆逐艦です。]

 軽巡では改二で開幕雷撃を覚える阿武隈、対潜・対空どちらかに偏った装備にすると強い五十鈴、改二特まで進んで蛟龍改が載ると鬼強い夕張などが定番です。[2023年12月付記:残念ながら川内型3隻は、陣容がそろってくると相対的に馬群に沈んでしまうのが現実です。先制雷撃、水戦空母と使い方が多様な由良は艦隊が育っても無駄にならない軽巡です。改二丁で先制雷撃ができる球磨、先制雷撃はないが由良同様の水戦空母役ができる多摩、遠征旗艦で有利なボーナスがあり対空も高い鬼怒もおすすめです。]。

 イベントではたいてい陸上型ボスがいるので、WG42などの対地装備、大発動艇、特二式内火艇が積める軽巡洋艦・駆逐艦がいずれ必要になってきます。
(4)開発資材って買うと高いですよね

 開発資材はイベントで使うものじゃないから、課金で買わない人は一生買わないですよね。私も買ったことはないですが、買おうかと思ったことはありました。休止中に時々たまった資源で大型艦建造だけ回してて、開発資材だけ足りなくなったのです。

 開発資材は小さな任務を毎日毎週こなしていると相当な速度でたまっていきますが、始めたばかりだとみんな自転車操業だと思います。大きく分けて(1)開発(2)改修(3)建造に使います。

 大鳳を3隻建造した私が言っても迫力ありませんが、建造は沼になります。今はイベントの際にレア艦が落ちたり配られたりするので、欲しいものがはっきりするまで建造は回さなくていいでしょうね。まあゲームなので、魂が呼ぶときは仕方がありません。ゲームで合理的に生きたってご褒美はないので。

 改修も、更新改修までやるとなったら課金ネジを買うしかないでしょうから、特定のものが欲しくなってから手を付けるくらいの順番でいいでしょう。

 さて開発ですが、「安いものから手を付ける」のをお勧めします。安価なソナー・爆雷レシピに始まって、航空機レシピで試製烈風や流星改、彗星一二型、それに地味ですが彩雲もある程度数を揃えます。電探も最初はすごく欲しいと思いますが、なかなか出ないし資源もかかるレシピなので、ボーキサイトの残量に十分注意です。一般原則として、いろんなことを少しずつ。例えば三式弾はイベントの連合艦隊に6個くらい使うこともありますが、いきなり「6個出るまで回す」のはおすすめできません。

 全体的には課金している人でも、開発資材の数を回復させる任務については調べておくことをお勧めします。1日に1〜2回しかログインできない人は、短時間で終わる任務を何度も回すことができません。「ドラム缶を載せ替えたりキラ付けを徹底したりすれば効率の良い」任務も、提督の事情によっては管理時間がかかりすぎるでしょう。 
(5)イベントと時間資源

 プレイ時間が足りない提督にとって、イベントは重大な機会損失になりえます。その時間を通常の育成、通常の遠征、EOの勲章獲得、報酬のいい未達成任務にあてられるはずが、支援艦隊まで艦隊枠を食ってしまうことで、できなくなるからです。

 いっぽう、イベントを丁で完走することは、甲>乙>丙>丁とレア艦のドロップ率が相当に落ちるらしいことで、絶対のおすすめ……とも言えません。

 絶対にとは言えませんが大体のパターンとして、最初の海域はいつも難易度低め、最後の1〜2海域は激辛、最後の海域の丁作戦報酬(つまり、みんなもらえる報酬)はみんな欲しがる艦です。[2023年12月付記:ここ2年ほど、E-1やE-2が最高難度のイベントがいくつかあり、「最初の海域はいつも難易度低め」は過去の認識となりました。]

 だから時間の足りない提督は、イベント海域にかける時間を長引かせるコストを意識して、スイカを白いところまで食べるようなプレイを避けることをお勧めします。具体的には、次の通りです。
  • イベントが始まっても、いわゆる攻略勢のおかげで情報がそろうまで数日〜1週間待つ。
  • 無理だと思ったら作戦レベルを下げる。
  • 最後の1〜2海域は丁でもきつかったらあきらめることも考慮する。
  • 海域を突破してもレア艦相手に周回する、いわゆる「掘り」は短く切り上げる。丁で掘りをやっても成果は甲の人たちほどではない。
  • バケツや資源に課金する提督は特に、出撃ごとの勝率(道中大破しない率に強く相関)を上げるために、間宮・伊良湖の同時投入で全キラにすることも選択肢とする。このことによって道中大破・ボス敗北による膨大な資源浪費を減らせて、提督本人のストレスを大きく減らせるなら、トータルで得かもしれない。
(6)はじめてのイベント

 任務などでもいろんな艦種を要求されるので、20隻を超える数の「主力部隊」ができてくると思います。それらがLv80に近づいているのにイベントに参加していない人がいるとしたら、それはもったいないと思います。最後までやり抜けないとしても、ちょっとかじってみる値打ちがあります。

 例えば2019年秋イベントは6つの海域がある「かなり大規模」なイベントで、3海域ずつ「前段作戦」「後段作戦」と呼ばれていました。各海域を突破するだけでも何かもらえて、とくにE-2の対潜ソナーはめったに配られない、非常に性能のいいものでした。丁作戦だとソナー系の報酬はなく、丙作戦だと開発で出てくる三式ソナーより上、改修で手に入る四式ソナーより下という相対的にショボいソナーになりました。私自身、上級者が「甲作戦のソナーすごい! 見逃すな! 取れ! 無理してでも取る値打ちがある!」と興奮した発信をしているのをガン無視して丙作戦で収めました。大型艦建造でたくさん「まるゆ」を建造して、「運」を引き上げた艦があれば突破しやすいマップでしたが、私の鎮守府にはそれはいないからです。(参考:ぜかましネット様「まるゆ運改修」)

 このときE-1とE-2は、E3以降より易しいマップでした。だから始めたばかりの提督には、「E-2までなら丙作戦で行けた」レンジの人がいたんじゃないかと思います。

 イベントでは貴重装備やレア艦がドロップしたり、報酬として配られたりします。それはいつか再配布されたり、開発落ち(開発で出るようになる)したりするものです。例えばこのイベントでE-3突破の全員報酬だった軽巡Perthは、2020年5月に期間限定ドロップとして登場しました。

 イベントが邪魔になって鎮守府の成長が停滞することもあるし、逆に無視していると戦力向上が遅れることもあるのです。

 イベント海域では、過去のイベントに登場したレア艦がドロップします。後から始めた人にとっては、それは結構大きな報酬になります。ただ甲作戦から丁作戦まで、難易度を下げるとレア艦のドロップ率は下がっていくことが知られています。
(7)丁の選択と甲乙への道(2020年7月加筆)

 マイソフは基本的に丙提督ですが、E-1はたいてい甲です。今回は甲乙甲丁と、じつは初めて長いシナリオのE-4を丁でやってみました。「丙なら通過できる戦力」を前提にお読みください。

 丁で違うのは、大破しにくくなることです。ただ丙提督が丁に行ったくらいだと、大破率をさらに下げるために支援艦隊はやはり必要です。1隻大破したら、そこでおしまいになっていろいろ無駄になるからです。だから燃料弾薬、ある程度ボーキサイトもガシガシ減ります。緩い分だけ、基地航空隊はボーキをあまり食わなくなります。食いますけどね。

 ドロップは悪くなります。ただしゲージが3つあるような海域では、3つ目でぐんと強くなることがよくあり、2020年梅雨イベのE-4もそうでした。そうなると難易度が丙並みになるのに合わせ、ドロップも丙並みになったように感じました。最終ボスのマスでは、始めたばかりの人は持っていない艦がぞろぞろ出ました。持ってないことすら意識から去ったころに、ひょっこりやってきて「誰」となるのが丙提督の暮らしです。

 甲乙を5回以上続けていくためには、いろいろな艦の層が厚くなければいけませんが、自分の今の鎮守府で4回目の甲乙作戦をやるとすれば、輸送護衛部隊に必須の護衛空母、機動部隊の核となる装甲空母が一番きついボトルネックになりそうです。護衛空母は瑞鳳改二乙を除くと、イベントなど期間限定でしか手に入らないものが多いので気を付けておくといいですね。

 追記:実際にE-5乙で「残りありません」になったのは、大発動艇が積める駆逐艦(主に改二)でした。
(8)イベント出撃準備(2020年7月加筆)
  • キラ駆逐艦をたくさん用意する 支援艦隊に関係する計算式はほとんど検証されていませんが、キラをつけていないと到着率が下がると言われています。
  • キラ戦艦(など)をたくさん用意する 必要資源と威力のバランスで、空母、軽空母、重巡、航巡を混ぜるならそちらも。1-1でキラ付けするとカスダメでもバケツになる皆さんなので、レヘル1の供奉艦をつけるか、計画的に演習を利用。

 これらの準備が尽きてきたら、遠征を回しながら第1艦隊でキラを回復する期間を置きましょう。

(9)チューンナップしよう(2020年7月加筆)

 戦闘を見ていて、ダメージが少ないフネとか、当たらないフネとかに気づいてしまったら、いよいよ地獄の釜がふたを開けます。例えば命中率を上げるには、砲の改修、フィット砲の搭載、いい電探の搭載などなどなど、いろいろな方法があります。高価な高価なカタログショッピングの始まりです。「自分へのご褒美」「課金は愛のひとつのかたち」などと脳内妖精がささやき始めます。電探2個乗せると、とりあえず当たるようにはなりますね。

 例えば高レベル駆逐艦が全体的に足りないときに、対潜先制できる駆逐艦「だけ」充実していても甲乙作戦には耐えられません。足りないものがはっきりするまでは、むしろ何でも少しずつ時間(と課金)を振っていくのが無難です。
(10)レベリングラダーをつくろう(2023年12月加筆)

 係長、課長、課長補佐、課長……といった、経験年数を重ねて順調に昇進するときの職の移り変わりや資格取得のモデルを「仕事の梯子」、ジョブラダーと言います。例えば機関学校を出た士官は兵科士官とは区別されて戦闘を指揮する部署には就かないとか、ジョブラダーの種類が違うと一生経験しないことも出てきます。艦娘も艦種によって戦闘力や羅針盤への効果が違うので、レベリングの場所を変えていかなければなりません。

 鎮守府の事情も影を落とします。例えば7-1は軽巡と駆逐艦で攻略するのが普通であり、高い対潜能力とそこそこの対艦能力が必要になります。ここにしかいない艦娘(嵐、荻風、狭霧……実装当時は通常海域初)がいたので掘りに行きましたが、当時の当鎮守府の対潜能力では大変苦心したのを覚えています。効率がいいからと言って、誰にでも手を出せる狩場とは限らないのです。

 鎮守府の事情として、「足りないもの、余裕があるもの」は時期によっても、また短期的な事情でも変化します。バケツを大量消費してしまう海域は、イベント前なら誰でも避けるでしょう。しかしバケツが2900を越えていると、あふれるくらいならレベリングに使ってしまえ……と思うこともあります。開発資材のために2-4に通っているなら、そこで育成できる艦は育成したいですよね。

 これらも考えつつ、いま育てたい艦種と、そのレベル別の育成場所(手段)をだいたい考えておくと、後で後悔……しますけど、少しマシになります。当鎮守府の例を示します。当鎮守府は単婚教などほとんどの宗教と無縁ですが、「赤疲労育成しない教」と「遠征管理に追いまくられたくない教」の信者です。原則として4時間未満の遠征は出しません。それにより以下の記述は強い影響を受けています。

 まず遠征。「鼠輸送作戦」「ボーキサイト輸送任務」「艦隊決戦援護作戦」が通常の3遠征で、資源事情により「タンカー護衛任務」「東京急行」と交代します。つまり「遠征には軽巡と駆逐艦しか使わない」のです。これでキラ管理が多少把握しやすくなります。第2艦隊の「鼠輸送作戦」には原則としてLv50未満の軽巡と駆逐艦を充て、「艦隊決戦援護作戦」の旗艦は大発満載の鬼怒改二と龍田改二か交代で務めます。2隻しかいないので最優先でキラを付け直します。各任務の旗艦条件、合計レベル条件に注意します。

 駆逐艦がLv51になったらいったん遠征任務を解き、Lv52〜76の駆逐艦の増減に合わせて遠征に復帰させます。Lv77になったら、そのときの駆逐艦事情に合わせて必要なものだけ育成対象としますが、優良装備を与えるので遠征からは外します。例えば大発が積める駆逐艦は育てるとか。改二実装などで急速育成するものは例外で、あまりに例外が多い軽巡は、いまだに普通に遠征だけでLv77に達した艦がいません。

 レベリングの頂上にいる海域は、7-1(軽巡と駆逐)、5-3P(主に重巡航巡、軽巡駆逐は各枠1)です。おおむねLv80〜110が対象です。Lv110を越えれば演習や出撃の引率枠で働く立場になります。

 2023年夏、高いレベルの特務艦艇でも育成できる海域として、4-1が話題になりました。4-1育成の良いところは、必要とされる引率艦の構成が独特で、他の海域と疲労がかぶらないことです。しかし雷巡など装甲が低い艦に頼るため、ポカっと雷撃で道中大破があるので慢心注意です。攻撃力が頼りになる軽空母2隻と雷巡が引率する形になるので、初心者提督向けとは言えないところですね。

 中くらいのレベルの戦艦・空母や、Lv70〜90の駆逐艦の育成場所として、マイソフは4-2を使っています。戦艦・空母・重巡・軽巡がバランスよく参加できるのがいいところです。3-2もよく使われる場所ですが、高速+の装備積み下ろしがうっとうしいのでマイソフは使いません。多分使っている提督は、編成記録枠をひとつここに固定して、しばらく同一の編成で出撃しているのでしょう。

 最近はLv70〜90の駆逐艦育成海域として、2-4も使うようになりました。最上改二特・矢矧改二乙・駆逐4という編成は固定で、強力な2隻の引率艦に頼っていますが、わずか2戦ながら道中の敵が侮れず慢心注意。短期的な事情として、開発資材が欲しいこともあります。少し前まではこのクラスの駆逐艦は「戦艦1、空母1、駆逐4」という雑な構成で3-1または3-3に出ていました。3-5はもう少し高レベル駆逐艦の狩場かと思います。

 Lv60未満の空母・軽空母・各種巡洋艦は、2-2左でゆっくり、ただし毎週何度も反復出撃して育てます。ここは1度しか戦闘がないので、構成を間違って右に行かない限り、絶対に轟沈がないのが利点です。

 演習は育成戦艦2、育成空母1、育成駆逐艦1、育成巡洋艦1、育成特務艦艇1を基本とし、ますこの基本構成で勝てそうな編成とだけ戦います。ついで、潜水艦を含む編成には対潜装備の駆逐艦に交代させ、戦艦や空母が多数・高レベルである編成には、それらを上回る艦に交代させます。育成戦艦はLv60〜90を1隻、Lv60未満1隻を基本とします。戦艦と空母しかいない演習相手なら、潜水艦6隻で当たることもあります。そのときの必要度によって、育成特務艦艇を育成駆逐艦に代えたり、空母枠を2隻にして低レベル空母を加えたりします。
(11)改二の恵みと丙の罠(2023年12月加筆)

 前項「レベリングラダーをつくろう」とも関係しますが、鎮守府がある発展段階に差し掛かると、たまった改二艦の育成(とくに駆逐艦)に追われ、Lv70代後半〜Lv80代前半の艦ばかり増えて、イベントは少数の嫁艦で回していくのでそれらのレベルばかり上がる、「丙の罠」があらわれます。当鎮守府では2022年初めごろからこれが顕著になり、2023年4月の第3回復帰から最上位の駆逐艦育成に意識的に資源を割いて、いくらか状況を改善し90代駆逐艦を増やしました。

 改二育成は必要です。多くの貴重装備をもたらし、次の任務や期間限定任務への道を開きます。しかしすべての改二艦を追っていると、個々のレベリングが伸び悩みます。ガチャ中心のソシャゲに次々にレアが追加され、全部育成していたらプレイヤーの生活が脅かされてしまうのと同根の問題です。それは課金収入最大化のための、ソシャゲ運営企業の定番戦略なのでしょう。

 ですから初心者提督も、ゆっくり変化していく鎮守府の事情に合わせてバランス調整をしていくことが、いずれ必要になります。例えば全駆逐艦を改二に備えてLv80まで育てることは現実的でないとしても、Lv51まで全駆逐艦1隻は育てて、改二が実装されたら必要レベルまで上げるというのがここ数年の当鎮守府の方針でした。一部の遠征用の中レベル駆逐艦が足りなくなったら、「改二が来そうな気がする駆逐艦」をLv52以上に進めるようにしています。
(12)専業艦と兼業艦(2024年1月加筆)

 艦これには「6隻でデッキを組む」というカードゲームの骨格が残っています。いくら強力な艦隊があっても、一度に6隻しか出せないし、出撃海域によって構成に制約が課されるのです。ですからカードゲームでよくあるように、「デッキに入るカード」とそうでないカードが分かれる宿命があります。

「デッキに入るカード」は「その役目を一番よく果たせる最強カード」と、「敵構成や偶然の出来事に応じて、複数の役目のどれかを果たせるカード」です。前者の典型は大和改二重・武蔵改二のペアであり、夜戦カットイン駆逐艦としての雪風改二です。後者の典型は、先制雷撃と高火力に加え、必要なら対地・対潜装備、あるいは水上戦闘機すら積める矢矧改二乙です。矢矧改二乙が登場したことで、高速化のために1スロットを食われ、水上機も積めない夕張改二特は「最強カード」ではなくなりました。

 札制限のある限定海域イベントを勝ち抜くためには、二番手三番手のチームを用意する必要があります。阿武隈改二最強時代にはみんなサブ隈を持っていましたし、いまなら最上や矢矧です。「デッキに入るカード」が2枚ある方が、普通のカードが10種類1枚ずつあるより強いのです。いっぽう、通常海域を使う(札制限のない)イベントでは、特定の艦をデッキに含めることがよく要求されるので、結局1種類1隻は育てないと報酬を取れずに損をすることになります。とはいえ、指定されていない部分は「デッキに入るカード」で埋めることに変わりはありません。

「デッキに入るカード」を優先して育てることにはメリットがあります。しかしそれは常に、次の最強カードに追い抜かれる可能性をはらんでいます。また、「全部1隻は育てる」ことに配慮しないと、何かが手に入らず悔しい思いをする可能性が増します。いずれにしても大切なのは、10年間サービスを終了させなかった老練な運営が相手であることを意識して、ゲームとしての艦これにつぎ込みすぎないことです。雷ママがお小遣いをくれたり、フレッチャーママが代わりに就職面接を受けてくれたりすることはないのです。いやゴトランドママならひょっとすると、わっなにをするやめr

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