※18歳未満の方、二次創作小説の苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

アンリエット・ミステールは体調を悪くしたミルキィホームズの面々を看病したことで風邪が伝染ってしまった。
紗がかった視界の向こう側では、
パジャマ姿で介抱してくるシャロ・ネロ・エリー・コーデリアがきびきびと動いている。
途中で変な薬を飲まされたことに気がついたが、
はっきりとしない意識ではどうこうすることも出来なかったし、またそうしようとも思っていなかった。
数々の人に見守られる中で、アンリエットは静かに意識を時に委ねていた。
そして眠気が身体を光の届かないような沼沢地へと引きずり込むと、
アンリエットの視界は真っ暗闇に彩られて何も見えなくなった。

アンリエットが目を覚ますと、そこは見ず知らずの場所だった。
目の前では嵌め殺しの窓が身の丈以上の大きさで広がっていて、まばゆい陽光がろ過されて注がれている。
そこにぼんやりと映る姿にアンリエットは目を瞠って、自分の身体をよくよく確認した。
頭にはハートマークの入ったキャップ、身体を覆っているのはワンピース型の白衣、
右手には注射器が握られており、首からは聴診器がぶら下がっている。
どこからどうみても、まごうことなきナース服だった。
「どうして……わたくしがこのような服を…………?」
決してナースという職業を卑下しているわけではなく、
単純になぜナースでもない自分が看護服を身に着けているのかということだ。
ナース服の丈は短く身体のラインもはっきりと浮き出ていて、
アンリエットは裾を少しでも長くしようと引っ張りながら、現状についての至極妥当な結論に至った。
「そうか……これは夢だわ」
少し考えればすぐに分かることなのに、やっぱり熱のせいで頭が働かないのだろうか。
アンリエットは目頭を揉んでから、溜息を吐いた。
「お疲れですか?」
背中にいきなり掛けられた声にはっとして振り向くと、
ベッドに横たわっている患者と思しき人間が笑顔を向けてきた。
シーツから顔を覗かせているのは穏やかな顔つきの青年だった。
掛け布団の上には包帯を巻かれた両腕が痛々しそうに載せられている。
右手は比較的軽症そうだったが、左手は仰々しく包帯が巻かれていて地肌がほとんど見えない。
「え……ええ」
アンリエットは戸惑いながらも機転を利かせて話を合わせようとする。
辺りを見回すと、どうやらここが個室だということが分かる。
広さは十畳といったほどか、割と快適な空間に思えた。
何か素性の知れるものは――と、視線があるものに釘づけになる。
「あ、あの……制服が何か?」
ベッドを挟んで向こう側にあるハンガーには見覚えのある制服が掛けられていた。
何を隠そう、ホームズ探偵学院の制服に他ならない。
「あなたは、ホームズ探偵学院の……?」
「はい、まあミルキィホームズたちに比べれば、ボクなんてまだまだひよっこでして」
学院の生徒会長であるアンリエットは在校生のほとんどの顔と名前を記憶しているが、
いくら思い返してみてもこのような生徒はいなかったはずだ。
「いつも会長のオーギュストさんに怒られてばっかりですよ……」
彼は照れ隠しなのか、苦笑いを浮かべて頬を掻いていた。
アンリエットはこの青年が言ったことを反芻し、僅かに目を瞠った。
――どういうこと……? 生徒会長は、わたくしですのに。
すぐに表情を元に戻すと、何てことはない、これは夢なのだから現実に全てが即しているとは限らないことに気が付く。
つまり、この夢の世界ではアンリエットは看護師に徹しており、探偵学院とは関係がないということだ。
「あの……」
「は、はい。何でしょう?」
看護師ではなかったが、夢ならばと軽い気持ちでナースを演じてみるのも乙かもしれないと、
なるだけ平静を装った声を出す。
「……身体を、拭きに来たんですよね?」

もちろん初耳だった。視界の隅には水の入ったボールに清潔そうなタオルが置かれていて、
なるほどこれを使えばいいのかと得心する。
「え、ええ――少し、待っててください」
アンリエットはベッドの足側にあるワゴンに近寄ると、水にタオルを浸して絞り、元の位置に戻る。
――ええと、何をすればいいのかしら。……服を、脱がせればいいの?
逡巡したのち、アンリエットは「失礼します」とひと言入れ、
彼の患者服のボタンを一つずつ外していく。
徐々に露わになってくる薄い胸には、特に何も感じなかった。
温水でちょうどよい温かさのタオルで、彼の身体の汗を拭っていく。
背中はもちろん、腕、お腹に至る隅々まで丁寧に拭いていった。
諸々の行為を終えアンリエットが彼にふたたび服を着せると、
「あの……?」と怪訝そうな瞳で自分を見つめてきた。何か手違いでもあっただろうか。
「はい……?」
「その、下は……」
下、と言われてはっとなった。
「え……し、下もですか」
青年は片眉を上げて、何を当然のことをと言わんばかりに、悪意のない瞳を向けてくる。
少しの沈黙が二人の間で沈殿していたが、アンリエットは息を吸い込んで口火を切った。
「すぐにお拭きいたします」
布団をそっと畳み、足の先にあるスペースにまとめた。
ズボンに手をかけ、不審がられないように一息に下ろした。
黒いボクサーパンツが視界に入るが、気にしないように努める。
タオルで足の指先から太ももの付け根まで、そつなく拭いていく。
「看下着の中も」
「え……?」顔を左に向け、彼の目をまじまじと見る。「ですが…………」
「そのために呼んだんだけど……」
青年は困り顔でか細く呟いた。どこか自信がなさそうな顔つきは、そのまま性格が表れている証拠だろうか。
私情を挟んでいる場合ではないのかも知れないと、夢の中なのに真剣に考えている自分がいた。
とはいえ、アンリエットとて躊躇しなかったわけではない。
ためらいがちにパンツに手をかけると、極力見ないように、そろそろと下ろしていく。
目を瞑りながら手さぐりにタオルで拭っていると「いっ」という小さな悲鳴が聞こた。
「す、すみま――」
咄嗟に謝ろうとして開いた目に、大きくそそり立ったものがくっきりと映った。
黒々とした形容しがたい形をしていて、天を衝くように仰のいている。
「え、あ、あの……これ…………」
さしものアンリエットも、目を泳がせて顔を仄かに赤らめる。
ちらっと横目で青年を窺うのだが、彼はタオルを凝視するばかりで言葉は発しなかった。
――これも、拭くっていうの……?
タオルを胸に抱き、アンリエットは狐疑逡巡して動きあぐねる。重たい空気が個室の中に溜まってきて息が詰まる。
決意を固めると、きっと目を開いてきちんと青年のものを見る。見るだけでも十分恥ずかしかったが、私情は禁物だ。
右手にタオルを載せ、左手で一物を支える。
アンリエットの細い指が触れると、ぴくん、と彼のものが大きく跳ねた。
びくっと驚いて息を呑んだが、深呼吸をしてタオルで拭いていく。
支えている程度の触れあいなのに、左手の指には硬さと熱さが感じられた。
タオルで下から上へと拭っていくたびに、青年が呻くような声を上げるのが不思議だった。
股の下には袋のようなものがぶら下がっていて、それも仕方なくタオルで清めていく。
気づいたことだが、むわっとする臭気をこれでもかというくらいに放っていて、鼻が曲がりそうだった。
彼の股間の下でテキパキと手を動かしていると、棒の先から何かがぷっくりと吹き出ているのに目を落とした。
「あの……これ、は……」
「これはって……先走り、だけど…………」
ぶっきら棒な青年の言い草にむっとしたが、
次に彼の口から飛び出した言葉を聞いて、アンリエットは今度こそぎょっとなった。
「ねえ、そろそろ抜いてくれないかな」
何を言っているのかがさっぱり分からなかったので、
「ぬ……抜く、って?」
首を傾げて訊ねた。
「はあ? あんた慰安婦だろ?」
慰安婦……?
慰安婦って、あの?
「えっと……え?」

自分の夢ながら、当惑を隠しきれなかった。
アンリエットがおろおろしていると、青年が腰を浮かせて主張する。
タオルと手の間を硬いものが行き来して、彼は息を荒げていく。
青年の行動に呆気にとられながらも、その狂気じみた動作に少しばかり怯んでしまう。
「ほら、こうやって扱いてよ」
彼の右手が伸びて来ると、アンリエットの手を自らの股間に導いた。
「握って」と言われて、反射的にその通りにしてしまった。そのまま手ごと、上下に揺すられた。
手のひらの中で擦れる感覚に、アンリエットは眉根を寄せた。
柔らかいような硬いような、何とも言えない気色悪さを右手のひらに感じる。
「う……」
先ほどの液体が垂れてくると、それが潤滑油となって手の動きがスムーズなものになる。
にちゃにちゃと淫靡な音を立てながら、しゅっしゅっと扱く音が個室に響く。
彼の手が、出し抜けにアンリエットの白衣の裾を持ち上げる。
「何をするのですか!」
「うるさいなあ、いいから手を動かしてろよ」
高圧的な態度に怯むことはなかったが、太ももを撫でさすってくるのはいただけない。
と思うのに、なぜだか身体が彼の手を振り払おうとしてくれない。
どころか、手の動きは巧みなものに変わっていき、自分が自分でないようだ。
――どういうこと? 夢だから?
左手で彼の一物を扱い、右手はその下にある袋を揉んでいる。
青年は満足げな笑みを浮かべながら、白衣を捲り上げてアンリエットの下着を堪能している。
「な、なにを……」
「下着見てた方が興奮するし」
彼の言葉を受けると、身体が勝手に動きだす。
右手が陰茎を扱きを続けている間に、左手が白衣のボタンを二つほど外していく。
屈んだら下着が見えてしまうほど襟が緩んだ。
アンリエットは身を屈めたまま、まるで見せつけるように胸を青年の方に向けていた。
身体の支配権だけではなく、口までもが意思に反した言葉を口走る。
「あら、ちょっとイきかけたんじゃないかしら?」
嘲笑うような声が口を衝いて出るが、アンリエットの意思ではない。
「サービスいいね、でかい胸だな」
「ふふ、挟んでほしい?」
――どうして、こんな卑しい言葉が口から出るの?
青年は物欲しそうな目でアンリエットの豊満な胸を見、ごくりと唾を呑み込んだ。
「うふ、だぁめ」
しかしアンリエットは虐げるように笑むと、
人差指でペニスを根元から先端までつーっとなぞり、指の腹で先走りを掬い取った。
それを口元に持っていき、舐めるフリをする。青年が見るからに興奮しているのが分かる。
アンリエットはそれを可笑しそうに眺めると、手のひらでペニスを包み込むようにさする。
「あらあら、もう限界なのかしら?」
手のひらの中で、一物は微細に震えている。
下から上へ動かすと、先端から先走りが溢れるように出て来てペニスとアンリエットの手を汚していく。
漏れる液体を全て手のひらに塗りつけ、その手で勢いよくペニスを扱く。
「ほら、もうイっていいのよ」
――な、何を言ってるの、わたくしは……!
青年が歯を食いしばって、自由のきく右手はいつしかシーツをぎゅっと握りしめていた。
その手はふるふると振動している。
「あっ――イ、く…………ッ!」
青年が言うや否や、握ったものの先端から勢いよく白い液体が飛び出てきた。
ぱたぱたと手に降りかかってくる液体がまた潤滑油となって、扱く速度も衰えるところを知らない。
手のひらの中でペニスが三、四度と脈動すると、アンリエットの右手はすっかり精液まみれだった。
タオルでペニスをひと拭きし、自分の手も拭う。
精液を拭い取ったとはいえ、手に残るまざまざとした感触にアンリエットの意識だけが嫌な顔をした。
今や支配権を離れたアンリエットが妖艶に微笑むと、「それでは」と彼の服装を元に戻した。
最初の通りになると、次第に意識が薄れていって、ふっと切り離された。

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