負傷した際に行う自然回復判定（2巻第14章、回復）、医師としての総合的な能力や医学的知識を試されたりするとき、技能判定を行ってください。患者があなたと異なる種族である場合、生理学修正を適用してください。
　TL（文明レベル）4以下では、大半のゲーム世界においてこの技能は存在しません。その代わりに<伝統療法>か<薬学/薬草>あるいはその両方が存在します。
　TL5以上になると医学的な知識は<薬学/化学薬>と<医師>に分化します。医師は薬品の重要性をよく知っており、どんな症状にはどの薬品が適切かを見分けることができます（適切な研究器材なしに薬品を見分けるには-5。危険を冒して、薬品を嗅いだり舐めたりしてみれば+3）。しかし<薬学>を学んでいない限り、“なぜその薬がそのように作用するのか”を論理的に説明することはできません。

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第4版B170参照。著者の独断で「負傷した際に行う自然治癒判定〜」を「負傷した際に行う自然回復判定〜」に変更している。

　技能判定に成功すれば、出血を止めたり、毒を吸い出したり、溺れた人を人工呼吸で蘇生させたりすることができます。異常な状態については、最初に<診断>技能で識別しなければなりません。

　使用するためには5秒間かけて技能判定を行い、成功しなければなりません。相手が協力的である場合、失敗した後で再び挑戦してもかまいません。2度目の試みには5分間かかり、-5の修正がかかります。このこの試みに失敗すると、その日は目標に再度催眠術を試みてはなりません。
　<催眠術>判定に成功すると、目標は催眠状態に陥ります。これは外科手術をする際の麻酔薬とみなすことができます。GMの判断次第ですが、さらに<催眠術>判定に成功すれば目標が忘れてしまったことを思い出す手助けができるかもしれません。また<心理学>判定に成功すれば、精神的問題を克服するのを手助けすることができます。
　催眠術にかかった相手は暗示にかかりやすい状態です。1つの暗示をかけるためには<催眠術>と目標の意志力で即決勝負を行います。本人や最愛の人を危険にさらすような暗示なら意志力+5の修正をうけます。すぐに発動しない暗示をかけておくこともできます。なんらかの“きっかけ”に応じて何かを実行する後催眠暗示の場合、抵抗の判定は“きっかけ”に遭遇したときに行います。かけてから発動するまで1週間かかるごとに意志力に+1の修正をうけて判定を行います。
　非常にマンガ的なキャンペーン世界を除いては、<催眠術>を攻撃に使うことはできません。戦闘以外の場面では、それと知らない相手や望まない相手に催眠術を使うことはできます。しかし意志力に+5の修正があります。もし最初の試みに相手が“協力しない”と決めた場合、翌日までは次の判定を行うことはできません。催眠術のことをよく知らない相手であれば、あなたが何をやっているのかわからないかもしれません。しかし相手は“何か”を疑うでしょう――おそらく黒魔術ではないかと！
　どの場合も、催眠術によるトランス状態は、あなたがすぐ終わらせない限り1D時間継続します。

　これには「20-技能レベル」秒間かかります（最低1秒）。あなたはトランス状態への移行中、話すことも動くこともできません。技能判定に成功すると、あなたは次のうち1つができるようになります。

　特定の動物に対して、自発的専門化をしてもかまいません。

　1回の手術ごとに判定を行います。技能判定に成功すると手術は無事に終わります。失敗すると患者はダメージを受けます（単純な切断手術なら2D。複雑な手術なら3D）。<手術>判定は回復を促進するためにも行います。「手術」（2巻第14）参照。
　この技能は、外科医としての全般的な専門知識を表しています。この知識は現実の世界においては比較的まれです。ほとんどの外科医は、特定の部位（脳、心臓、他）か特定の種類（美容整形、マイクロ手術、移植手術など）に対して自発的専門化をしています。

　技能判定に成功すれば、患者に何がおこったのかを知ることができます――文明レベルから判断して、キャラクターが理解できる範囲内の現象に限ります。もしその問題が、キャラクターの経験や知識の範囲を超えたところに起因している（とGMが判断した）場合でも、正確にはわからないかもしれませんが、なんらかのヒントを得たり、可能性のない選択肢を切り捨てたり……といった役には立ちます。四肢の欠損や外傷など、どこが悪いのか誰の目にも明らかなときには<診断>技能判定を行う必要はありません。

　これは通常魔法的、あるいは精神的な伝統に関係しています。詳細はその伝統によって異なりますが、はり治療、マッサージ、錬金術、薬草の調合を含んでいたり、呼吸法や瞑想の訓練などを含んでいることがあります。
　<医師>技能（B170ページ）と比較した場合の<伝統療法>の違いはGMの判断次第です。より効果的であるかもしれませんし（特に超自然的な存在が実在し、同調することができる場合）、効果は同じだが方法が異なるだけかもしれませんし、あまり効果がないかもしれません。しかし、どれほど役に立たない世界だったとしても、最低でも<応急処置>と同等以上です。どのような種類であっても、訓練された癒し手の治療をうければ、出血してそのまま死に至るよりはましです。TL5以上の世界設定では、しばしば<伝統療法>は実際の有効性に限らず“いんちき”医学として受け取られます。
　この技能はアーユルヴェーダ医療、“気”療法、錬金術医療、陰陽治療、あるいは歴史上や架空の治療法を表すことができます。複数の療法がある場合、癒し手は1つの伝統に専門化しなければなりません。

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第3版ルナルでこれに相当する技能は以下のものである。（ただし、いずれも精神/難であり、関連能力値が異なる）。

• エルファ（レスティリ?氏族）の<高級処置>
• ドワーフ（ファウン?信者）の<上級処置>

　使用するには20-技能レベル（最低1）ターンの集中が必要です。その後<瞑想>技能判定に成功すると、自己催眠に似た状態を数時間保つことができます。
　準備の際に<瞑想>が必要な儀式もあります。神に祈るときには、ふつうこの準備が必要です。さらにモラル的なジレンマに陥ったとき、<瞑想>して熟考することができます。技能判定に成功すれば、どのような行動を正しいと“感じる”のか、GMがあなたを“啓蒙する”かもしれません。

　薬草がある場所を見つけるためには<自然知識>判定が必要です。TL5より前の世界では、これが唯一の<薬学>技能です。やがて<医師>技能がとって変わります。<伝統療法>（B203ページ）と組み合わせて使用されることもよくあります。TLが5以降になってもこの専門は残っていますが、<薬学/化学薬>のほうが一般的になります。

　薬を処方するためには<医師>技能が必要です。この専門はTL5以上なければ選ぶことができません。

　技能判定に成功すれば、あなたの選んだ主題についての鮮明な夢を見ることができます。夢を判断するためには<占い師/夢占い>技能を使ってください。ゲーム世界によっては、これは占いとして有効な技術かもしれません（GM判断）。<夢見>技能は、以前に忘れてしまった情報の断片や、意識して覚えてはいないが目撃したなにかを思い出す役に立ちます。しかしこの技能は「記憶力」（B44ページ）ほど信頼はできません。GMが夢の内容を告げ、その話の中で手がかりを挿入します。そこからヒントを得るのはあなた――プレイヤー――です！
　また、この技能を使えば、夢によって超常的な悪い影響を与える能力と戦うことができます。これを解決するには、あなたの<夢見>技能と相手の夢を制御する技能で即決勝負を行います。勝てば、あなたは夢に対する外部からの影響を遮断できます。

　元素の鑑定や、簡単なものなら分子構造を解析することができます（ただし薬品や魔法の物質などは必ずしもわかりません）。適切な器具があれば、複雑な分析や合成を行うことができます。

　<空手>などの適切な技能を使い、攻撃を成功させなければなりません。通常の部位狙いの修正に、さらに-2の修正をかけます（「命中部位」2巻第13章参照）。そして、少なくとも1点は服、鎧などの防護点を通してダメージを与えなければなりません。それから、あなたの<経穴>技能対目標の生命力で即決勝負を行ないます。
　あなたが勝てば、その部位は一時的に麻痺します。四肢は麻痺して5D秒間事実上使えなくなったものとして扱います。胴体であれば、相手は息ができなくなって窒息が始まります（「窒息」2巻第14章参照）。毎ターン生命力判定を行ない、成功すると回復します。顔に命中すると、目標は朦朧状態になります。毎ターン知力判定を行ない、成功すると回復します。頭骨なら目標は2D秒間目が見えなくなります（「視覚障害」参照）。
　<経穴>技能は<柔道>と組み合わせて使うこともできます。<経穴>技能は関節技を極めたあとに適用します。関節技のすべての効果に“加えて”この効果を適用します。
　GMは、叩き武器用に改良されたこの技能の改変版を使用することを認めてかまいません。例えば鏃が尖っていない矢を使用する<経穴/弓>、バトンを使用する<経穴/ショートソード>、杖を使用する<経穴/杖>などです。

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エラッタ修正：
【誤】※マンガ的なキャンペーンであれば、<伝統治療>-4を技能なし値として使用しても構いません。
【正】※マンガ的なキャンペーンであれば、<伝統療法>-4を技能なし値として使用しても構いません。

　危険な植物や動物を安全なものと見分けるための<生物学>、安全な洞窟の場所を見つけるための<地質学>、いつ非難するべきかを判断するための<気象学>などを含みます。こうしたことを試みるごとに技能判定を行ってください。
　他世界を訪れることができる場合、惑星ごとに専門化が必要です。同じタイプの惑星であれば（惑星タイプ参照）互いに-4で技能なし値になります。より違いが大きければ技能なし値にはなりません。

　特定の惑星タイプに住む生物に専門化しなければなりません。惑星タイプを特定しなかった場合、あなたが住んでいる惑星タイプということにされます。知力からの技能なし値は、自分が生まれ育った惑星タイプにのみ当てはまります。異なる惑星タイプは互いに-4で技能なし値になります。
　TL6以上では、ほとんどの生物学者は自発的専門化をしています。最も一般的な分野は下記のものです。しかしより地味な分野を選択することもできます。

• 生化学（生命維持に関する化学反応についての研究）
• 植物学（植物に関する研究）
• エコロジー（環境に関する研究）
• 遺伝学（遺伝とゲノムに関する研究）
• 海洋生物学（海の生き物に関する研究）
• 微生物学（小さな生物に関する研究）
• 動物学（動物に関する研究）

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第4版B194参照。
第3版の<動物学><植物学><生化学><遺伝学>などが第4版ではこの<生物学>に統合された。

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ルールブックの技能グループの書式(第4版163ページ参照)をそのまま適用すると単に「クローン」という名称になり、わかりづらいため、ここでは「クローン技術」と表記している。

　筋肉や骨、生理学者は器官がどこにあり、どんな機能を持っているか熟知しています。複数の知的種族が実在する世界であれば、種族ごとに専門化しなければなりません。種族（もしあれば）ごとの技能なし値はGM次第です。

　これは魔法が実在するゲーム世界にしか存在しません。そして<錬金術>と同様に機能します。<錬金術>と異なり、<草木秘伝>は“霊薬（エリクサ）”を分析する能力を含んでいません。一方この技能のエキスパートは、野外で<自然知識>判定に数回成功すれば、魔法の薬草が生えている場所を無料で発見することができます。同じことをするのに錬金術師であれば、基調で高価な材料――例えば万能溶剤（アルカヘスト）、龍の血、宝石、金など――が必要です。

　技能判定に成功すると、毒草を見分けたり、毒素を実際に使用できる形で抽出したり、食べ物や飲み物に混じった毒を味で識別したり、効果を見て毒を特定したり（本人が毒を盛られた場合、+3の修正をうけます）、適切な解毒剤を知っていたり、解毒剤を調合したりできます。それぞれの試みに技能判定が必要です。

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エラッタ修正：
【誤】<毒物>
【正】<毒物/TL>

　この技能をもったキャラクターは、相手を簡単に殺したり、不具にできます。恐るべき正確さで重要器官を破壊し、神経系を引き裂くのです。
　この技能を使用するためには、まず素手での攻撃を命中させなければなりません。通常の部位狙いの修正に、さらに-2の修正をかけます（「命中部位」2巻第13章参照）。命中したら<秘孔>判定を行ないます。
　技能判定に成功すると、素手での攻撃によるダメージは、防護点を突き抜けた分が倍になります――重要器官を狙っていれば3倍です。事実上、手や足が「刺し」武器になるのです！
　これは関節技などの組み技にも適用します。これは、どこに力を加えれば関節や靭帯を破壊したり、外したりできるかを正確に知っていることを表しています。関節技が決まった後に<秘孔>判定を行ないます。成功すれば、そのターンは決められていることによるダメージや敏捷力への修正、その他痛みの効果などが倍になります。
　これは完全にマンガ的な技能で、キャンペーンのバランスを崩してしまいかねません。GMは習得の許可の前によく考えて、この技能が非常に難しいことにしてもかまいません。あるいは、ヒーローを恐れさせる敵を作るために、これをNPCのみが習得可能と制限してもよいでしょう。

　魔法が実在するゲーム世界では、錬金術師は適切な材料から魔法の効果をもつ調合薬“霊薬（エリクサ）”を識別したり、適当な材料から準備することができます。例えば媚薬や治療の軟膏のようなものです。これは特定の物質に含まれるマナを利用する機械的な工程です。ですから<錬金術>は「魔法の素質」なしで行うことができますし、「魔法の素質」は何の利点もありません。