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「Insert」シリーズ#1 「きつさ」 千早編   7/16 34-801(1)



きつい。

一言で表せばそういうことになる。
それまでの経験で「狭い」だの「締まる」だのは知っていたつもりだったが
このきつさを知ってしまえば、もはやそんな形容はできそうにない。
それが十代半ばという彼女の年齢によるものなのか
あるいは鍛えられたスレンダーな肢体によるものなのか
はたまたそういう体つきで生まれてきただけのことかは分らない。
もっとも、そんなことは俺にはどうでもいいことだが。

きつさのせいで、一気に奥まで入っていくというわけにはいかない。
前戯と体質のおかげでそこが充分以上に潤っていても
そんな無茶をすればこちらとて痛いだけですみそうにない。
それに入れられる方だって、そんな性急なことは望んじゃいない。

入れる直前、そこに先端を宛がってやると閉じられる瞼は
挿入が始まると、眉間に深い皺が刻まれるほど固く閉じられて
まるで苦行に耐えるかのような表情を形づくるのだが
本人曰く、俺が入ってきて一つに繋がる瞬間が一番好きらしい。

それが証拠とばかり、最奥まで侵入を果たした直後に表情を緩ませて
満足げなため息をついてみせる彼女。
俺もすぐに動かしたりはせず、じっと彼女の顔を見つめてそれを待つ。
羞恥で頬を染めた彼女が、薄っすら瞼を開いて俺を見上げたときを見計らい
お返しの口付けを落としてやるのが常となっている。

きつい、といっても別に初めてというわけではない。
それなりに交わってきて、彼女の体が俺に馴染み始めてきつさの質も変化している。

思えば初めての時。
何者の侵入をも許さない決然としたきつさを、文字通り肉を裂いて切り開いた。
一つになってから長い間じっとして動きもせず、ただ抱き合ったままだったのは
破瓜の苦痛に大粒の涙を流し続ける彼女を慮ったからなのだが
痛みを感じるほどの締め付けが、俺に動くことを躊躇わせたからでもある。

今ではきついなりに、俺の物を柔らかく包み込み受け止めてくれる彼女の肉襞。
そのことを彼女の耳に吹き込んでやれば、桜色の頬をさらに紅く染めながら
“あなたの形に馴染んでしまったからです”と応えてくれる彼女。
そしてそろそろ動くのを催促するよう、きゅんと中が締め付けられる。


「何を考えているのですか?」
「あ、いや別に大したことじゃなくて……痛くないのかな、とか」
「ふふっ……初めての時じゃあるまいし」
「でも入れるとき、いつも顔をしかめているんだけどな」
「ああ、あれ……ふふっ、大丈夫です。痛くなんてありませんから」
「そうか……じゃあなんで?」
「そ、それは秘密、あっ、あん……ゆ、ゆっくり……あっ、あぁ……固いっ」

動き始めてしばらくすると、恐らくそれは無意識の動作だと思うのだが
彼女のしなやかな下肢が俺の腰をしっかり挟んで締め付けてくる。
心地よいきつさに加え、中全体が意思をもった生き物のように俺の物を包み込み
離そうとしない体に俺の理性は完全に溶かされ、あとに残るのは千早の子宮に
たっぷり精液を注ぎ込んで俺だけのものにしてしまいたいという雄の本能だけである。

おしまい。


#2 「からみつく」 貴音へ

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