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[SSメモ] 111 2014/01/21

40スレへの投下のみ。当初は無題だったがまとめ収録に際して
このタイトルをつけた(2014.9.15)

  • 以下本編-

ベッドに誘うきっかけがつかめない。

貴音と男女の関係になったのはこの正月の話で、そろそろ3週間もたつのに
どういうわけか未だ二回目が果たせずにいる。
仕事が忙しかったりタイミングが悪かったりが理由だと思いたいが
もしかして避けられているのだろうか?
確かにあの夜、酔った勢いで少々強引に迫った覚えはあるが、貴音は抵抗する
わけでもなく、こっちが拍子抜けするくらい簡単に体を開いてくれた。

もしかして行為に幻滅したのか?
突入の直前、貴音は俺の耳に初めて故にお手柔らかにと囁いたのだが
豊満な裸体を前にして理性のリミッターが振り切れていた俺は、いざ挿入にかかると
彼女の最奥まで無我夢中で突き進んでしまったものである。
それでも貴音はそんな俺を慈愛に溢れた眼差しで見上げた後、しっかり下から抱きしめて
初めてが貴方様でよかったです、そういってくれた。

だとしたら……やっぱり痛かったのに懲りたとか?
そう思いあの夜、貴音と繋がってからのことをなんとか掘り起こそうとしたが
どういうわけか記憶はぼんやり霞んではっきりせず、押し殺した呻き声が痛みの
せいだったのか、それとも別の理由によるものかすらわからない。
思い出そうとすればするほど行為の記憶は曖昧になり、ついにはどうやって果てたのか、
終わった後どうしたのか、それすらも分らなくなってきた。
貴音自身が初めてだとしたら、俺のベッドに破瓜のしるしが残っているはずだが
翌朝それを見た記憶もまるで残っていない。

俺は本当に貴音を抱いたのか?
唇を重ねたときの、艶かしい薫りは幻だったのか?
どれほど揉んでも飽き足らない乳房の柔らかさはまやかしだったのか?


「貴方様、もし……貴方様?」
「ん? なんだ、貴音か」
「まあ、なんだとは随分とご挨拶ではありませんか。難しい顔で考え事ですか?」
「いやその、なんだ……ちょっと仕事のことでな」
「ふふっ……真、貴方様は仕方のないお方ですね」

勘の鋭い彼女のこと、俺の欲望に塗れた回想を見抜かれたのかと思ったが
貴音はそれ以上追及することもなく、すっと俺に体を寄せると耳元に唇を寄せた。

「仕事よりも大切なことをお忘れではありませんか?」
「大切なこと?」
「はい。今日、どうしても貴方様に差し上げたいものがあるゆえ……
そろそろ参りませんか?」
「いくってどこに?」

貴音は俺を引っ張って経たせると、俺に腕を絡めてもう一度囁いた。

「貴方様のお部屋に……さ、早く、でないと日付が変わってしまいます」

292 :貴音さん誕生日 2/2:2014/01/21(火) 23:59:35.89 ID:AlWEb8bN
部屋に入ると明りをつける前に貴音を抱き寄せて唇を重ねあう。
わきあがる既視感に包まれながら、貴音に舌を侵入させると
素直に受け入れ、しばしぴちゃくちゃという水音が暗い玄関に響く。

「……あなた様、そろそろ」

少しばかり鼻にかかったような声には覚えがあった。
確かあの夜もこんな風に、貴音は甘えるようなむずかるような声を出していたはず。
たまらなくなった俺は力の抜けかけた体を抱き上げると寝室のドアを
蹴り開いてベッドの上に豊満な体を横たえた。
カーテンの隙間から差し込む外の光が貴音の顔を微かに照らす。
恥じらいではなく、なぜか晴れやかで満足げな表情が見て取れる。

「貴方様、今宵……わたくしは貴方様のものになります」
「今夜? ではこの前のことは幻だったのか?」
「さて……どうなのでしょうね」

だが今となってはそんなことはどちらでも良かった。
俺はスーツも下着も脱ぎ捨てて全裸になると貴音の上にのしかかる。

「貴方様が脱がせてください……」

できるだけ丁寧に、時間をかけて貴音を裸に剥いたのは、
強引で性急な愛撫は貴音の初めてには似つかわしくないと思ったからだ。
改めてキスから始めた俺は、時間をかけ貴音の全身をあますところなく舐めあげ、
日付が変わる直前、もう一度貴音に覆いかぶさると今はすっかりとろとろに
蕩けた熱い秘部に男根を添えて貴音の顔をのぞきこむ。

「いくよ、貴音」
「はい、貴方様……ようやくひとつになれるのですね」

俺は貴音と見つめあったまま、ゆっくり腰を勧めていく。
柔肉を押し広げる瞬間だけは小さく呻いて顔をしかめた貴音だったが
そこを過ぎてしまうと、艶かしい女の表情を浮かべ、女の声で悦びの喘ぎをたて始めた。
その声を聞きながら、俺はゆっくりと抽送をはじめていく……

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