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ノーマルSS風 「Pの日記」 

元のタイトルは「プロデューサーの日記」

プロデューサーの日記をみた千早の感想という独り語り。(非エロ)
日記の記述を通じて千早の成長と二人の愛の軌跡をたどっていくという発想
で書き始め、中盤以降でだれたのかネタ切れになったのかわからないけど
中断したまま放置してあったのを、一部修正や加筆しながらなんとか完成形
まで持っていこうとしてみた。



晩御飯の片づけを終えリビングに戻ると、炬燵で仕事をしていたプロデューサーが
座椅子にもたれ居眠りしている。
ここ数日は卒業ライブの準備で働きづめ。それに何か幸せそうな寝顔を見ていると
起すのは忍びないからもうしばらくいい夢を見ていてもらおうかしら。
冷めてしまったコーヒーカップを片付けようとして、それに気づいた。
広げたバインダーの下に隠すように置いてある見慣れないノート。
紺色の皮製カバーがかかった表紙を開いてみると、中身は普通の大学ノートで、
彼独特の癖のある筆跡で、日付とタイトル、そして文字がぎっしり書き込まれている。

これは日記!?  反射的にノートを閉じた。
でも彼にそんな几帳面な習慣があっただろうか?
今日のように私の家で仕事をすることも多いけど、このノートは初めて見る。
人の日記を勝手に見るのは気が引ける。いや、本来見ていい物ではない。
でも……とても気になる。
どうしよう。
少しだけ……。そう、ほんの少しだけ。
好奇心が勝った。
私は1ページだけだと自分に言い訳し、最初のページを開きなおした。



5月15日 いよいよプロデュース業再開
2人目のプロデュース対象である春香はなんとかBランク到達を果たせた。
しかしそこが今の俺には限界だった。密かに目標としていたAランクには
まだまだ遠く及ばなかったのが残念であるが、引き継いでもらった先輩なら
間違いなくAランクには届くはず。
社長と先輩からいただいた労いの言葉は有難いが少々悔しくもある。
そして次こそという願いは早々に叶った
今日、高木社長から直々に担当候補の指名があった。
プロフィールを見れば社長のご指名も納得できる、中々の才能の持ち主らしい。
アマチュア時代の数々のコンクール入賞歴。優勝も何回もある。
写真をみる限りでは綺麗な黒髪の持ち主でかなりの美形。
自己紹介のきちんとした筆跡からは真面目な性格がうかがえる。
この娘の歌唱力で芸能界を震撼させ、今度こそ敏腕プロデューサーに俺はなる!


やはり日記だ。名前は書かれてなくても内容を見れば私のことに間違いない。
美形だなんて少しこそばゆいけど、最後の行に書かれたプロデューサーの決意が
私には誇らしく感じた。
となると……このページだけでは物足りないからもう少しだけ。
私は先ほどの葛藤を脇に置いて、少々わくわくしながらページをめくった。



5月18日 初対面
事務所で新たな候補生と初めての対面。やたらと大人びた雰囲気をもつこの小娘は
俺を厳しい声と目つきで誰何した上、値踏みをするよう俺をじろじろと眺めてから
「悪い人ではなさそうですね」といいやがった。
当たり前だ! 何だよその上から目線。悪い人のわけがないだろう?
いや、多少悪い点もないとはいわんが、初対面の大人でしかもこれから世話になる
プロデューサー様に向かっていう台詞か!
さらに最初のミーティングを『雑談など時間の無駄です』といってのけた。
芸能界を震撼させるはずが、気が付けば俺の心が震撼していた。(悪い意味で)
心の平静を取り戻すにはそれから半日の時間と、ボトル半分の酒が必要だったが、
こうしてなんとかこれを書くことができた。本当はプロデュース方針を考えなければ
いけないが、いまの俺に必要なのは睡眠である。明日から本気出す。


……ま、まさか。こんな風に思われていたとは。
確かにあの頃の私は、自分でも如何なものかと思いますよプロデューサーさま。
こめかみを押さえながら、溜息をつく。
もう勝手に見ている後ろめたさなんて微塵もなかった。
私はキッチンでコーヒーを入れると、気持ちも入れ替え次のページに挑んだ。
大丈夫、こんなの最初のうちだけ。そのことは自分が一番よくわかっている。
それでもページをめくる手が小刻みに震えているのは何故だろう?



5月22日 歌声の力
表現力とダンスのレッスンを強化する予定だったが、如月本人の強い希望により
ボーカルレッスンに変更した。(正確には変更させられた) 
確かに歌唱力はすごい。思わず聞きほれてしまい、ぼんやりするなと叱られた。
本当に小娘のくせに生意気な小娘だ。
確かに彼女の歌は素晴らしい原石といえるが、何かが足らないような気がする。
それが何かがはっきりしないのがもどかしい。酒を飲めば気分もすっきりして思いつく
かもしれないと思ったが、余計わけがわからなくなったからもう寝ることにする。
本気は来週から出すことにする。


そういえば、最初のころは如月さんと呼ばれていたわね。
プロデューサーがぎこちなくて、き、きさらぎさんと毎回噛むのに、
私は少しいらつきながら返事してたっけ。
それにしても小娘小娘としつこい上に日本語までおかしい。
きっと酔って書いたせいだ。そうに違いない。
最後の文章には少々ヒヤッとした。
プロデューサーはもうこの時点で気づいていたんだ。



5月26日 ダンスレッスン
如月はなぜ歌以外のレッスンを嫌がるのか。なぜ歌以外のことも必要だということを
理解しようとしないのか。挙句の果てに『アイドルには興味がない』とはなにごとか。
我が765プロがアイドル専門ということを知ってのことか。15の小娘のくせに。
そういう生意気はせめて基本のステップをマスターしてから言えと注意したら、
思い切りがんを飛ばされ、つい目をそらしてしまった。
酒の買い置きがなくなったのでもう今日は寝るが、来月から本気出す。
ダンスはまだまだだが、やせっぽちのスレンダーな体はなかなか鍛えているようだ。
今度機会があったら自主トレの内容とかを聞いてチェックする必要がある。


私はノートをおいてもう一度溜息をついた。
いくらこのあとまともになるとわかっていても、こうして自分の過去を突きつけられると
なんともいえない気分になる。勝手に読んでいる私が悪いのだけど。
しかしもう途中でやめるわけにはいかない。
自分のことだから最後まで責任をもって見届け、受け入れなければならない。
最初の迷いなんてどこかに消えてしまい、今私にあるのは義務感だけだ。



6月1日 レッスン
歌のレッスンと騙し、如月を表現力レッスンに連れて行った。
騙されたことを知った彼女はそれはもう恐ろしい表情で俺をにらみつけたが、
とぼけて無視してやった。
正直怖かった。あの年であの迫力。目が遭う瞬間やられているぜ。
いや、それでも今のお前さんに足りないのは、何より表現力なのだ。
終始ふてくされ気味の如月が満足にレッスンの成果を出せるはずもない。
事務所に帰るまで一言も口をきいてくれなかった。
正直すまん、このやり方はまずかったから明日ちゃんと謝ろう。
しかし(かわいい表情で)の時に顔を赤らめ、照れている君はとてもキュートだった。
新たな魅力を発見できたのは嬉しいが、それを俺の力で引き出せるようにしなければ
プロデューサーとはいえない。今日は罰として酒はなし。


そういえばそんなこともあったっけ。
でも初めて誉めてもらったことが書いてあったので安心する。少し照れるけど……
その後の数日分を読んでみると「生意気な小娘」という表現が徐々に減り
代わりに「N15K」という謎の表現が出てきた。
前後の文脈からそれが“生意気な15の小娘”の略だと推測できた。
何回も書くのが面倒になったのね。プロデューサーらしい。は、ははは……
それでもこのころから褒める描写が増えてきたのは嬉しい。



6月6日 梅雨入りか?
朝から降り続く雨のおかげで気分は晴れない。レッスンは順調とはいえないまでも
一応想定レベルは維持できている。そろそろレッスンと平行してプロモーションにも
力をいれなければならず、ここからが正念場となる。
今の本気では如月千早のもつポテンシャルにとてもじゃないが吊り合わない。
それはそうと、なかなか事務所内で打ち解けようとしないのが気になる。
邪道のような気がするが目的のためには仕方ない。明日からプランAを発動しよう。

ようやく小娘という表現が出てこなくなった。
ところでプランAってなに?
記憶力には自信があるけど、このころの自分の言動まで覚えているわけでもない。
懸命に記憶をひっくり返してみたけど思い出せそうに無い。
わたしはページをめくった。



6月7日 プランA発動
この前レッスンで騙した記憶が嫌な感じでフラッシュバックする。
だがこのプランは騙すわけではなく、彼女を人間的に成長させるための作戦である。
引け目を感じたらまたばれて困ることになるので気を強くもって進めなければならない。
朝の挨拶のあと、丁度居合わせた春香たちの前でわざと如月に時事ネタをふってみた。
案の定知らなかったのでみんなの前で、世間知らずの箱入りお嬢さん扱いしてやった。
春香、やよいですら知っていることを自分が知らない事実をどう受け止めただろう?
何にせよ歌さえあればという彼女の理屈が、口実になってしまうのは駄目だ。
その崇高な目標は、あくまで守らなければならないのであって。


思い出した、新聞記事や世間の話題をよく知らないことで散々冷やかされたこと。
“そんなことも知らないのか、全く箱入り娘だな” と憎らしい表情と言い方で……
これを機に事務所にある新聞や雑誌にもできるだけ目を通すようになったし
あの頃、唯一話をしやすかった音無さんに話しかけて、意見を求めたこともあった。
彼女からは、同年代の春香たちともっと話しなさいといわれて。
あぁ、そういうことだったのか。気づかなかった……つまり乗せられていたと。



6月10日 ファーストシングル
念願の1stシングル曲があがってきた。あの子はこの曲を気にいってくれるだろうか。
少し難しい曲だが、彼女の歌唱力なら十分に歌いこなせるはずだ。
あとは俺のプロモーション次第。CD店まわりや街頭ライブなどは嫌がるかもしれないが、
これはやりとげなければいけない。一人でも多くの人にあの歌声をきいてもらいたい。
聞いてもらえれば必ずその心を掴める、それだけのものが如月さんの歌にはある。
そして焦らずコツコツ活動を重ねていくことの重要さをあの子に教えなければ。
当面はプロモ計画推進のため酒は断とう。のんびりしている場合でもないしな。


思い出の歌。夢中で覚え、レッスンに励んだっけ。
そして最初に比べ、私の扱いがましになってきた。つまりそれが私の成長なのですか?
いつのまにか如月という呼び捨てが如月さん、になっているわね。
そういえば春香たちと普通に世間話もするようになり、最近は丸くなったなどと
からかわれたりしていたことを思い出した。


6月20日 レコーディング
どこに連れてっても平然と余裕をぶっこいている如月千早ちゃんだが
さすがに初めてのレコーディングとなれば緊張するもんらしい。
うろたえ気味の彼女をからかってもよかったが、テンパり加減が気の毒になり、
リラックスさせようと冗談を連発したが、全てスルーされた。
スタッフには大うけだったが、この子のユーモア感覚は全く理解できない。
ヤクルトを飲み損ね、むせて鼻から噴出したのを見てようやく千早ちゃんも
笑顔をみせた。というかあれはきっと俺の醜態を馬鹿にしていたのに違いない。
仕返しにレコーディング中に変顔を見せて笑かしたが全く効果なし。
それでも無事に終えた帰り道、千早ちゃんが照れながら『ありがとうございました』と
いっていたがあれはあてつけか? ああ、ヤクルトのあてつけだな。
ようやく生意気さが取れてきたと思ったが、彼女のユーモア感覚は全く意味不明だ。
だが理解できない、ではなくしなければいけないのが担当Pの宿命か。


内容はともかく、ここにきてようやく名前が“千早ちゃん”とでてきた。
あのときはテンパっていたんじゃないやい……
緊張してたけど、それ以上に集中しようとしてたんだい。プロデューサーのばかあ。
鼻からヤクルトはうけた。そうだ、こんどヤクルト冷蔵庫にいれておこうっと。
それとあのときお礼をいったのは、心からであってあてつけなんかじゃありませんから。
担当アイドルの女心もわからないなんて、鈍感! あ、それはいまもそうですね。


6月24日 プランA成功なり
事務所で千早ちゃんが春香と雑談していた。
こっそり内容を聞いてみたけど、一応プランAは成功といってもいいだろう。
音無さんのアシストにも感謝しなければならないが、またフレンチだイタリアンだ
チャイニーズだといちいちフォローが大変なんだが。
でも千早ちゃんのためだからそろそろ、プランBに移行すべきかな。

彼の作戦に乗せられたといっても、まあ結果よければ……だから文句はいうまい。
それより彼が音無さんに頭があがらない理由がこれで少し解明できたと。



6月25日 プランB開始
千早ちゃんは私服のアイテムが限られていることからこのプランBを発動した。
お気に入りだろうし、よく似合っているのをあえて貶すのは気が引けることだが
これが成功すれば、千早ちゃんのスカート姿……いや、流行を追えとは俺も言わぬ。
でもせっかくいいスタイル、端正な美人系と可愛さを秘めた彼女がもったいない。
ここはなんとかお洒落になってほしいものである。
が、千早を発奮させるための台詞を春香に聞かれ最低野郎扱いされてしまった。
またしても音無商会のフォローが必要になった。しかもダブルでだ。
とほほほ……可愛い千早のためだけど給料日前に泣けてきた。
涙が止まらないよぉ。


プランBときた。 ああ、やっぱりあれだ。
私のお気に入りのあの服を「あの制服は何着持っているんだ?」といわれたこと。
別にファッションに気を配ろうとは思わなかったので無視しようかと思ったけど、
悔しいのでいろいろと勉強したものだった。
スタイリストさんと懇意になれたのは良かったのだけど、それよりプロデューサーだって
似たようなもんですねって、言い返せばよかったかも。ふふふ。


6月27日 CDショップにて
不機嫌そうな表情は1軒目に行くまで。それも始まるとすぐに表情が明るくなった。
その後はどういうわけか嬉々としてショップ回りをこなしていく。
CDを買ってくれたお客さんに握手やサインをこなしながら。
おかげでたくさんの人が集まり、ショップ側も千早のポスターを目立つところに
貼らせてくれたので俺としては大助かりだが。
自分の歌を聞いてくれる人を直接確認できたのがよかったのだと思うことにする。
だけど曲のチャートは思ったよりも伸びない。
しょげる俺を千早が励ましてくれたがそれって逆じゃないか? 
まあいい。ああ見えて千早は、根はいいやつなのかもしれない。


プロデューサーの推察どおりです。最初不貞腐れていてごめんなさい。
直接お客さんから応援をいただくことのありがたさがこのとき実感できました。
それのチャートのことも、新人のデビュー曲があの順位までいったのは
順調だと思いましたよ。
でも根はいいやつって! 表面は悪い子だって思ってらしたのですか……?



6月30日 久々
Bランクに導いたあと先輩Pにバトンタッチした春香がAランク昇格を果たした。
ドジで平凡さが取り得だった彼女も今や押しも押されぬ人気アイドルである。
それでも春香はいつも笑顔で挨拶に来てくれるし、手作りのクッキーもくれる。
そっちの実力も上がったようでめっぽう美味しかった。
千早にも食べさせてあげたかったがオフなのが残念。
春香のクッキーを千早に与えると、優しさ成分で千早も少しは丸くなるかもしれない。
そう思いながら食べる最後の一枚はちょっぴりしょっぱいな。
しまった、春香の最新アルバムにサインもらいそこねた。


日記の最初に書いてあったけど、プロデューサーは以前春香の担当で、
全く無名の候補生を1年でBランクにまで到達させたのは偉業と言われている。
つまり腕は確かだという証明。
だからこの二人が事務所で顔を合わせると仲のよさがよく目立つ。
一番の親友といえる春香だけど、彼女の私に対する好意もプロデューサーとの
そういう関係があってのことなのかもしれない。
そんな風に仲のよい二人を見るとちょっとやきもきしてしまう。
いまだって。
これって焼きもちってやつなのですか?


7月 4日 初オーディション
今日初めてオーディションにチャレンジさせた。
レベルが高めの難しいところに当てたのは、受かればラッキー、落ちれば芸能界の
厳しさを叩き込み、彼女に反省を促そうという計画であった。
それで自分に足りないものを自覚さそうと思っていたらダントツ1位で合格しちゃった。
大喜びしてくれれば可愛げがあるのだが、千早さんたらちょっとそこのコンビニに
いってました、みたいな澄ました顔で戻ってきた。
競った相手(一応格上なのだが)数名を戦意喪失に追い込むとは千早、恐ろしい子。
テレビ出演も果たしたし、社長も喜んでくれたからまあいいか。
初合格おめでとう、千早。
でもだからって浮かれてはだめだぞ。いや俺もそうだけど。


私にとっても思い出に残る初オーディション。
プロデューサーの表情から何か企んでいるとは思っていたけれど
こういう真相が隠されていたとは……
新人アイドルには自信をつけるため、ちゃんと歌えればまず合格するという
デビューが普通らしいけど、いきなり試練だなんてプロデューサー恐ろしい人……
でもあれ、自分でも合格した実感がなくて、本当はとても嬉しかったのですけど
そういう表現ができなかったのです……



7月7日 取材
テレビ出演の効果は絶大で、早速取材が数件舞い込んできて今日はその内1件。
千早も愛読している音楽誌で、担当がクラッシック通らしく意気投合して取材も
スムースだった。はぶられて悔しいので俺ももっと勉強しなければならない。
ちなみに『期待の新人アイドル特集』的な記事になるらしく、発売日が楽しみである。
七夕ということで事務所恒例の行事を行う。俺の短冊を見られるのは恥ずかしいから
脚立を使って一番上に取り付けておいた。
「千早ともっと仲良くなれるように」なんて読まれたくないからなあ。
今日の取材中に千早が見せた嬉しそうな笑顔、それを俺の手で実現したい。


ふふっ……あの短冊、ちゃんとチェックしたんですよ。“目指せトップアイドル”的な
内容かと思いきや、まさかこういう願い事だったなんて。
でもよかったですね、その願いはちゃんと叶ったのですから。にやにや。



7月12日 撮影
テレビ出演の余波は収まるところを知らず、ついに恐れていたオファーが来てしまった。
週刊誌のグラビア撮影with水着。
千早の魅力は鍛えられたスレンダーなスタイルとくびれたウエストラインである。
ステージ衣装によっては、歩くたび腰からキュッと音がするくらい締まっている。
それが担当Pの贔屓目でないことは、スタッフ関係者一同目を奪われたことでも
証明されているが、だからといってそこだけのグラビアというのも無理な相談だ。
本人に言えば却下するのは明らかなので独断でこの仕事を請けた。
ただしひとつの条件をつけて。
せっかくのチャンスを見逃す気もないし、ようやく信頼関係を築けそうな千早さんとの
仲を台無しにする気もない。ここがプロデューサーとして腕の見せ所だ。



ふむ……あれ、か。
確かにあのときは、なんで私がこんな目にあうとか思ったものだ。
プロデューサーが自信満々でいる以上、何らか成算があってのことだと思って
仕事は受け入れたけど、到底楽しい気分にはなれなかったから撮影の間ずっと
私は憂鬱丸出しだったはず。そしてプロデューサーはそんな私に何も言わず。


7月20日 撮影当日
結果がよければ全てよし、ではあるが今回は事前の準備の勝利と俺はいいたい。
事前に編集部と打ち合わせを重ね、担当カメラマンともよく相談し、機転の利く
スタイリストさんを手配しておいたこと、すべてが噛み合って成功した。
それでも千早は納得いかない顔だったが、発売日にその成果がはっきしするだろう。
露出度少な目のパレオ付き水着。
研究し尽くしたカメラアングルとポーズ。
そして憂鬱げな千早の表情を逆手にとった演出。
当日立ち会った関係者の男子は千早に対する認識を改めたはずである。
前かがみを強いられながら。
そう、これは巨乳でなければグラビアにあらずという世の誤った風潮をただす
正義の戦いである。量より質の正統さ、美しさが勝つべきジハードである。
そしてその勝者は千早でなければならない。
千早、君の持つ魅力は歌だけではない。


なんとまあ大袈裟な……
ともかく、この件に関してはあまりコメントしたくない気分。
けれど、私のためにここまで考えてくれたことには感謝。感謝。



7月28日 雑誌発売日
さすがに爆発的売れ行きとまでは行かないにしろ、この頃街で噂の美少女アイドルの
水着姿は概ね好評のようである。
出版社からの“次回もまたよろしく”という挨拶も決して社交辞令ではなさそうだ。
コンビニを見るたび雑誌を買い集めていく俺に千早は呆れて口を聞いてくれないが、
これは布教用として必要だから我慢してくれ。
ちなみに、ラストを飾った水着+シャツのカットをみた社長から『君は確信犯だな』と
ずばり指摘された。やはりこの人だけは侮れないな。
カメラマンに頼んでプリントしてもらったのは家宝ボックスにしまっておいた。
さて、どうすれば千早さんと仲直りできるだろうか。
さすがにあのカットを見ながらニヤニヤしていたのはまずかった。
「変態!」はきついな……


いやいや……変態はともかく、やっぱり変態!
だってあのラストカット、どうみたってシャツの下が水着に見えないじゃないですか!
今思い出しても恥ずかしい、ほんとうにもう……



8月4日 芸能人水泳大会
はずみというのは恐ろしいものである。
例のグラビア効果のおかげか、芸能人水泳大会に出演の声がかかった。
千早が泳げるかどうかが心配だったが、それは全くの杞憂で、肺活量を生かした
恐るべき潜水泳法で見事1位を勝ち取った。
その結果歌を披露する機会もでき、水着で堂々と歌いきった千早を俺は誇らしく思う。
最初は無愛想さに困ったものだが、いまの千早は必要に応じて可愛い笑顔も
なんとか作れるようになってきたし。
あの困った性格というのは、実は本来の千早には無かったものではないか?
最近はそんな風に思うようになってきた。
収録を終え車に乗せるとすぐに千早は居睡りをはじめた。
長丁場だったし、心身ともに疲れきったのだろう、お疲れさん、千早。
寝顔が可愛かったのでつい頭を撫でてやると、びっくりしたように目を開けた。
寝たふりとは卑怯なり。慌てて手をひっこめて謝ったら、もっと撫でろと逆に怒られた。
一応仲直りはできたと思いたい。いや、ほんとに。


グラビアの件ではそこまで怒り続けていたつもりもなかったけれど
プロデューサーはずっと気にしていたというわけね。
頭を撫でられたのは少し驚いたけど、とても心地がよかったし嬉しかったのです。
まああれからすっかり癖になってしまったのはご存知の通りですけど。



8月10日 オフ
千早は高校生だから当然夏休みである。普段は学校との兼ね合いで活動の
制約も多いが、長期休暇の間は仕事も増える。
プライベートにそのしわ寄せがいくのは当然であるが、まさか宿題を抱えて
事務所にやってくるとは思わなかった。
文系の俺は、国語・社会はなんとか対応できたが、数学・物理などは正直辛かった。
律子のおかげで助かった。昼飯+夕食おごりは痛いが、千早も律子と話せるように
なってきたのでよしとするか。
しかし休暇中の千早がなぜ制服姿だったのか? あれはあれで可愛いかったから
いいのだけど、大人っぽい千早が制服を着ると年齢相応に見える。不思議……


これはちょっと……そろそろ別の意味で読むのが辛くなりそうな展開。
そう、なんとなくプロデューサーのことが気になりだしたのがこの時期だったから。
わざわざ口実を作って事務所にいったのも、制服に着替えたのもそのため。
でも可愛いといわれるのは今ならとても嬉しいです。



8月15日 お盆休み
この業界に盆休みというものは存在しない。とはいえ仕事はいつもより少ない。
千早はオフにしようと思っていたが、仕事を入れても大丈夫だといわれた。
たいした仕事を取ってこなかった駄目駄目なプロデューサーを許してね。
穴は掘らない。
せっかくなので事務所で千早とミーティング。
秋の番組改編期に向けた方針を説明しておく。終わったあと鞄からまた宿題を
出してきた。今日は律子が休みなので理数系ピンチと思ったら俺の得意な文系
だけだった。最近の千早は、空気を読めるようになってきたかな?
夕食の時間になってもぐずぐずして帰ろうとしないので、思い切って晩飯に誘ったら
嬉しそうな顔をみせてくれた。
笑顔の代償はいたかった。給料日までの10日どうしよう……


そういえばお給料に関する話がちょこちょこでてきたけど
プロデューサーがそんなことでお困りだったとは全く気付いていなかった。
ホントモウシワケナイデス……
それより、このとき別に空気よんだわけじゃないですよ。
宿題は事務所に顔をだすための口実でしたから。ふふ、ふふふ。
そして夕食のお誘いがとても嬉しかったから。



8月19日 エステ
給料の前借を音無さんにそれとなく打診してみたが、どうも無理みたいで、
代わりにエステ無料体験の券をもらった。これを売れってか?
もっていても仕方ないし、千早を連れて行くことにした。
特に日焼けもしていないし、最近は肌の調子も随分よくなっているようだけど、
千早をもっと輝かせたい一心で渋る千早を強引にひっぱっていった。
待つこと2時間、つやつやてかてかになって千早がもどってきた。
となると今度はいい美容院だな。千早のトレードマークとも言えるロングヘアを
もっと輝かせるために。
まだご機嫌斜めでぐずっていたので、晩飯に誘ったらあっさり機嫌がよくなった。
千早に謀られた? いや、これくらいは甘えてくれたほうが俺も嬉しい。
クレジットカードでかっこよく払う演出がつらすぎる。
社長、ランクアップしたら給料もランクアップしてください。いや、ほんとに。


はい、謀りました。
色々味を占めてしまって、悪いとは思いながらも一緒にいたいと思ったから。
だから……プロデューサー許してくれますよね?
エステは気持ちよかったですけど……どうせなら美容院の方がいいです。



8月25日 ランクアップ
この前のオーディション合格とTV出演を契機に、いよいよCランク到達。
構想よりも少し早くここまでこれた。いよいよ人気アイドルとしての活躍が始まる。
忙しい毎日を千早は文句も言わず一生懸命がんばってくれている。
それに最近の千早は非常に安定しており、外部からの受けも上々だ。
だが頑張りすぎるのも千早の欠点かもしれない。
俺が気を配ってオーバーワークにならないようにしなければ。


……まあ、それはプロデューサーのおかげですから。
はっ、いけない! 独り言でのろけている場合でもなかったわ……



8月28日 千早の料理
ようやく千早の宿題が片付いたと思ったら、課題の家庭科実習とやらが
残っていたらしく泣きそうな顔をしていた。
家ではやりたくないなんて駄々をこねているが事務所のしょぼい給湯室で
どないせいちゅうねん。
音無さんが来たので助け舟をだしてくれるのかと思ったら、俺の家で調理すれば
いいんじゃないかと無責任なことを言い出した。
嬉しそうな千早の顔をみたらいまさら断れないじゃないか、覚えてろピヨ助。
死ぬ気で部屋を片付けて千早を招いた。
料理のほうは……まあ一応合格点。一人暮らしの侘しい部屋に千早がいるだけで
まるで別世界のようだった。調理の成果をデジカメで撮るついでにエプロン姿の
千早を撮影したら顔を真っ赤にして怒りながら照れていた。器用な子だ。

これは図ってない、謀ってないですよ。
単純に忘れていたというか……迂闊でした。
でもまさかプロデューサーの家ですることになるなんて。

結構ドキドキしたなぁ、あのとき。
部屋はすごく散らかっていてちょっと……
なんとかしないとなんて思ったものだ。
なんか懐かしいな。



8月30日 病気
突然熱が39度もでて起きられず、千早に迷惑をかけてしまった。
仕事は事務所スタッフのカバーでなんとかなったが、体調管理はきちんとしなければ
ならない、と千早に怒られた。
その千早は夕方になってスポーツドリンクを差し入れにきて、ついでにおかゆを
作ってくれた。千早さん、あなたは命の恩人です。
夜中に喉が渇いて目が覚め、飲み物を探したらソファーで千早が寝ていた。
時計をみたら真夜中。高熱による幻覚だろうと思い込みたかったが、
シャワーを浴びて頭をすっきりさせてもやっぱり千早そのものだった。
よく眠っているので起こすのもしのびなく、タオルケットをかけてもう一度眠った。
それにしてもパジャマ持参とは、思い切ったことをやるもんだ。明日必ず叱ること。


怒ったわけじゃなくて……すごく驚いただけです。
でももしものことがあったら、なんて思ったらすごく悲しくもなって。
でもパジャマ持参は変なつもりじゃなくて、ちゃんと責任をもって看病するため
の用意ですから勘違いしないで……って日記に向かって何をいってるのだか。



8月31日
翌朝、すっきりした気持ちで目が覚め、熱も下がっていた。
体の節々がまだ少々痛むが、気持ちのほうはかなり充実している。
まだソファーでお休み中のお姫様をどうするか迷ったが、寝顔が可愛いく起きるまで
みつめていたら、目を覚ました千早が悲鳴をあげ、それから真っ赤になった千早に
怒られた。デジカメで寝顔を撮影していたことは一生の秘密だ。
外泊の件を叱ると、親に許可をとったと開き直ったが、適当な口実をつかったに
違いない。親御さんが真実を知ったら悲しむだろうと思うと心が痛んだ。
間違いでもあったらどうするんだといおうと思ったが、千早には恐らく通じないだろう。
そのあたりのこともそれとなく教えておかなければならないようだ。


まさかそういう写真を取られていたとは。
とりあえずあとで確認して必要があれば消してもらわないと。
まあ外泊のことはその後きちんと話がつくのだからいいんだけど。
噓はつきました、ごめんなさい。
ところで間違いって何のことでしょうか?


9月7日 オフ
珍しく週末にオフが取れた。特に予定もなかったしこの前の看病のお礼も兼ねて
どこか遊びに連れて行ってやろうと誘うと、いきたいところがあると連れて行かれた
先がお墓だった。千早の弟が眠っている、と聞いた。
俺は千早の悲しい過去に直面することになった。
8年前の痛ましい事故、そしてそのあと崩壊していった家庭、両親の離婚。
それでも亡くなった弟のためにも歌を続けていきたい。
淡々と語る千早が涙をこぼしたのをみた俺は千早を抱きしめていた。
千早の夢は俺が必ずかなえる。そして、千早のことは俺が守る。そう決心した。



※原作ではここから12月まで一気にとんでいます。(多分ネタ切れ)



12月24日 クリスマスイブ
午前中にテレビ番組の収録、午後に打ち合わせと取材が2件。
いずれもクリスマス絡み。
そういえばイブを恋人と過ごしていた学生時代がもう遠い過去のようだ。
音無さんがのべつ放射している物欲しそうに絡みつく粘っこい視線を避け、
仕事に没頭するふりをしていたのだが、仕事の終わった千早がやはり物欲しそうな
視線を飛ばしてきたので、空気の読める俺はそっちはがっちり受け止めてやった。
コネを駆使して予約していたわけだが、店に入ったときの千早の驚きながら
感激していたあの顔は忘れられない。芸能人御用達の隠れ家的なレストランで、
ささやかながらクリスマスのお祝い。もちろんプレゼントも用意済みで、
いつでも身に着けておけるようなシルバーのアクセサリーだ。
お返しができずにしょげる千早に、君の笑顔こそ俺への最高のプレゼントさ
(と実際にいったらきざ過ぎますとテレながら怒られた)
両親とも不在だからという千早を家につれて帰った。



12月25日 クリスマス
前に俺が寝込んで、勝手に千早が泊まったときはソファーで寝ていたが、
昨夜は仕方なくベッドで一緒に寝た。流石に冬だし予備の布団もない。
コツは賢者モードになることである。


2月25日 千早の誕生日
どうせそうなるだろうと思ったので、家の布団を増やす変わりに
ホテルのスイーツを予約しておいた。
ベッドが二つあるが結局使ったのは一つだけだったが。
結論。千早はまだお子様である。
コツは賢者モードの重ねがけである。
効果2倍で疲労感も2倍というのが難点であって。
まだまだ無自覚な千早に感謝せねばなるまい。



一応それなりの覚悟は……きちんとできてはなくて
でももしそうなってもいいとは思っていた。
クリスマスのときはともかく、私の誕生日のときはより切実に。
プロデューサーは私のことをどう思っているの?
賢者モードって一体なんだろう?
そろそろ私を大人扱いしてくれてもいいと思いますけど。

最初はとんでもない内容のオンパレードだったけど
日記の内容は順調にハッピーエンドに向かって進んでいる。
後ろめたさを忘れ、多分ニヤニヤしているだろう自分の顔の緩みを思いながら
ページをめくると、それが最後のページらしい。
日付は今日。


X月 Z日
俺はプロデューサー失格だ。
あろうことか担当アイドルを一人の女性として愛してしまっている。
それどころか千早を奪ってしまいたい衝動をもう抑えきれそうにない。
そろそろあの子も独り立ちできるほどに成長してきたようだから
道を誤らないうちに具体的な対策を打たなければいけない。
早速明日にでも高木社長に相談して


これが最後のページに書かれていた、というか書きかけの内容だった。
彼の気持ちは分かっていたつもりだったけれど、まさかこういう方向に向かっている
とは思いもしなかった。
もしこの日記を見ることがなければ、こんな事実を知らないまま違う道を歩くことに
なったかもしれないと考えれば…………。
打開策を考えなければ、しかも早急に。
というか今夜中に。

「プロデューサー、寝るのならベッドに。それとも起きてお風呂に入りますか?」
「……んぁ、ああ、もうそんな時間か。うん、風呂は明日にする」
「ではベッドに。立てますか?ほら、もう……世話が焼けますね」
「すまんな。千早も一緒に寝るのか」
「何をいっているのですか。お風呂に入ってから寝ますので先にやすんでください」
「そうか……じゃあお休み」
「はいはい、いい夢みてくださいね」

半分以上は寝ぼけていたらしく、大人しくベッドで眠ってくれて助かった。
寝室の扉を閉ざすと、プロデューサーの代わりに炬燵に入ると
例の日記を前に考える。
どうすればプロデューサーと離れ離れにならなくて済むか。
いっそのこと既成事実を作ってしまおうか……
そのチャンスがあったクリスマスと誕生日、2回とも逃してしまったことが
今さらながら悔やまれる。
……なら、今?
だめよそんなの。どうしていいか分らないのだし。
誰かに相談しようにも、こんなこと誰に相談すればいいのか分らない。
やはり自分で考えなければ。

プロデューサーの気持ちを変える方法。
気持ち……!
私の気持ちを伝えればどうだろう?
そうだ、そんな単純なことに気がつかなかったなんて。
文案を少し考えてみたけど、やはりインパクトがあるほうがいいはず。
ペンをとりあげると、日記の最後のページに一文を書き足した。
それからお風呂に入って彼の眠るベッドに潜り込んだ。
とりあえず既成事実を作るのは明日の朝でいいから……



珈琲の香りで目が覚める。
広くなったベッドを確かめるまでもなく、先に起きた彼が朝食の準備をしているのだろう。
もうあれは読んでもらっただろうか?
少しドキドキしながらベッドから起き上がる。

「おはようございます」
「ああ、おはよう千早」
普段どおりの会話。いつもの表情。いや違う、彼が目をそらしている。
日記のあれを読んだはずだ、絶対に。
ここが勝負どころだ。
精一杯神妙な表情を作って食卓につく。

「千早は悪い子だな」
「……だからお別れ、なのですか? だから私を見捨てるのですか?」
「おいおい、何もそんなこと言ってないだろ? 悪い子というのはこれ」
彼はテーブルに日記を置いた。
「落書きはよくない」
「落書きなんてしていません」
「千早が読んでしまったことはどうこういわない。でもな、俺はプロデュースを
最後までやり遂げないといけないんだよ。だからあれは忘れてくれないか」
「忘れろ……ですか」
「ああ。千早の夢を叶えるまでは。千早が望む高みに連れて行くまでは。
それがお互いのためなんだよ」
「プロデューサー、あなたは私の夢を勘違いしていませんか」
「……勘違い?」
「私の夢はあなたと一緒に歌の高みを目指すことです。その大切な人に一人の女性
として見られるのは幸せなことこの上ありません。ただの担当アイドルとして扱われる
くらいならさっさと別の人生を探します。最後まで責任を持ってください。
私はもっと前からプロデューサーを一人の男性としてみています」
それだけ一気に言い放つと、私は椅子を蹴って立ち上がり
呆然としているプロデューサーの頭を抱き寄せ勢いのままキスをした。
勢いよすぎて少し痛かったけど、既成事実ができたのだからよしとせねば。

「……千早は悪い子だな」
彼は痛そうに唇をさすりながら私にしかめっつらを向ける。
「キスの仕方から教えてやらないとダメとはな」



俺はプロデューサー失格だ。
あろうことか担当アイドルを一人の女性として愛してしまっている。
それどころか千早を奪ってしまいたい衝動をもう抑えきれそうにない。
そろそろあの子も独り立ちできるほどに成長してきたようだから
道を誤らないうちに具体的な対策を打たなければいけない。
早速明日にでも高木社長に相談して千早との結婚を許してもらわないと。

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