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[SSメモ] 097 2012/11/05

BLGで短期連載した千早のナースコスプレエッチのお話。

  • 以下本編-


「そんなにナース服が見たいなら入院でもすればいいのでは!」


少々苛立っていた私は能天気な彼にそんな捨て台詞をぶつけ、
その勢いのまま事務所を飛び出していた。
当てもなく街を彷徨い、夕暮れの肌寒さでようやく頭を冷やした私は
それまで無視していた携帯を開いてみて自分の短慮を思い知らされた。
彼の趣味であるコスプレエッチではなく、純粋なテレビ出演という仕事だったこと。
それもバラエティではなくシリアスなドラマの看護師役。
すぐに謝ろうと電話をしても彼は応えずメールにも返事がこない。
直接会おうと事務所に戻った私を待っていたのは血相を変えた音無さんだった。

「千早ちゃん、今までどこにいたのよ! プロデューサーさんが大変なの。
倒れて病院に担ぎ込まれたって連絡があって……」
その後の出来事はよく覚えていない。気がつけば私は音無さんに連れられて
プロデューサーが入院したという病院に来ていた。



個室の中は薄暗く、そして静かだった。
プロデューサーは眠っているのか、横たわったまま身動きひとつしない。


「先生の話だと、栄養を取ってよく休めば大丈夫だろうって」
「そうなのですか……よかった、大事にならなくて」
「さてと、後のことは千早ちゃんにお任せしていいみたいね」
「あの音無さん、もう帰ってしまうのですか?」
「ごめんね、仕事を残してきたから。これ着替えの下着とかが入っているから」
「あっ、はい……」
「何かあったらすぐ連絡してね。じゃあ後はよろしく」

紙袋を受け取ると、椅子をベッドのそばに移動させて腰をおろした。
少し青ざめた頬と、伸びた不精髭がずいぶんとやつれた感じに見える。
こんなになるまで自分を省みず倒れるまで働いて。
馬鹿で自分勝手な私なんかのために。
自分の愚かさ、情けなさ、申し訳なさを思うと涙が溢れてとまらない。
ごめんなさい、プロデューサー……本当にごめんなさい、うっ、ううっ……


「……千早、なのか」
「ぷ、プロデューサー?」
「悪かったな……また千早に迷惑かけてしまって」
「そんな! 悪いのは私です。プロデューサーの気も知らず……」
「千早は悪くないから泣くなよ。な、ほらちーちゃん笑ってみ?」
「で、でも……わたし、が、うぐっ、……あんな酷いことをいったせいで」
「あんなの気にしてないって。ナースはまだ見てないけど……
それより喉が渇いたな……水でいいから飲ませてくれないかな」

そう、泣いていても仕方がない。
それに今こそプロデューサーのために私がしなくちゃいけないことがあるはず。
バッグに入れて持ち歩いているミネラルウォーターは半分ほど残っていた。
けれど水差しやコップが見つからない……それならばこうすれば。

プロデューサーの頭をそっと抱え起すと、水を含んだまま唇をそっと重ね合わせた。


「ふーっ、今までで一番うまい水だった」
「そんな、大袈裟です……あの、お替りはいいですか?」
「あとでまた貰うよ。それより音無さん着替えを用意してくれてたか?」
「あっ、はい。お着替えされるのなら手伝いましょう」

さっきの口移しのときに思ったのだけど、私が彼の役に立てるというのは
思ったよりも充実を感じるものらしい。
だったら私がすべきことは、彼が元気を取り戻して退院できるまで
身の回りのお世話をすることだ。
下着の着替えなんて恥ずかしいなんて思っていられない。
そして開いた紙袋の中に……何故あのナース服があるのですか?



「プ、プロデューサー……お着替えの前に体をお拭きします」
「ああっ……って千早、なんでその格好?」
「い、いいから大人しくパジャマ脱いでください」
「……はい。だけどそれは」
「荷物に紛れ込んでいただけで……べ、別に変な意味はありませんから」

そう。ドラマの役作りなどという殊勝な気持ちなんかじゃない。
彼が見たいといっていた、ただそれだけのことだけれど、
いざ袖を通してみれば機能的な制服姿は身が引き締まるようだ。


「思ったとおり似合ってるよ千早。結んだ髪もグッドだ」
「病人は静かにしてください。あまり調子に乗ると回復が遅れます」
「千早がいてくれたらすぐに直るさ。もうすでに元気になってきた」
「もう……すぐそういうことを。ほら、シャツも脱がないと拭けませんよ」
「千早に脱がされるのって初めてかな」
「そんなに元気なら自分でやりますか?」
「……うっ、ちーちゃんって冷たい」

上半身を脱がせると、温めたタオルを使って体を拭っていく。
何度も触れ合っているはずなのに、いつも目を閉じているばかりだからなのか
案外逞しい胸板や背中を眩しく思いながら、ごしごし拭って綺麗にすると
着替えのシャツを着せてあげて、彼の体をベッドに横たえる。

「少しだけ腰を浮かせられますか?」
「もしかして……下もしてくれるの?」
「と、当然です」
「ごめん……先に謝っておくよ」
「……えっ?」

その理由は布団をはぐっただけでわかった。
確かに彼(のご子息)は元気な様子でズボン持ち上げている。

「いや……あまりにその姿が可愛いのと……下着のラインが透け透けで」
「えっ? 透けるってやだ、もう! 変な目で見ないでください」

裸を見られるよりも恥ずかしいのはどうしてだろう。
いや……それより今は病人の彼を刺激しないほうがいいはず。
とはいえ浮き出る下着のラインを隠せる用意は何もない……
仕方がない、最後の手段か……
それがばれたらもっと大変だから、彼には悟られないようしなければ。


「いざとなると、なんか恥ずかしいよ」
「何を今さら。じゃあズボンから脱がせますから……」

これもナース服を着ている効果なのだろうか、彼を脱がせることも案外平気だ。
それに身の回りのお世話が目的で、せ…エッチなことをするわけじゃないし。
それでも私にとってここが大切なのに変わりは無い。
ともかく温めたタオルで太ももから足の先まで一通り拭い清めると、
今度はもう片方の足先に移り、さっきとは逆に上に戻ってくる。
彼は“元気になった”とさっきいったけど、今はもう硬さはなく終わった後のように
すこしづつ元の大きさに戻ろうとしているらしい。
まあ……これはこれで可愛い、なんていうと語弊があるのかな。

大人しくなった“その子”に指を絡めて支えると、ことさら丁寧にタオルで拭う。
元気なときは乱暴に私を苛めたりするけれど、やっぱり今は可愛いものね。
勃起したペニスを口にするのも嫌いじゃないけれど、小さいときの方が口にそっくり
含んでしまって舌でくすぐったりできるから……

やだ、私ったらこんな時に何考えてるのかしら。
拭き終わったらパンツを履き替えさせてあげないと風邪ひいちゃう。

「あの、ちは…いや、看護師さん?」
「ひゃい! どど、どうかしましたか?」
「そ、そこ……実はさっきからなんか痛くて……その」
「えっ、あの、私のせいで痛くしちゃったのでしょうか?」
「そうじゃなくて……ちょっとマッサージとかしてもらえないかなって」
「……プロデューサー?」
「ご、ごめん千早……ちょっとした冗談です」


「す、少しだけですよ?」

本当は口でしている時の姿は恥ずかしいからあまり見られたくはない。
だけど今の体勢では隠してするわけにもいかないし、暗い部屋といっても
モニターの光は私の横顔を照らすのには充分明るい。
ううん、これはエッチなことじゃない。
プロデューサー、いや患者さんの痛みを癒してあげるためにすること。

「あの……あまり見ないでくださいね?」
「……ん、ぅあ……」

顔を寄せると、一思いにまだ小さいままの“彼”をぱくりと咥えた。
温かくて柔らかい彼のペニスが大人しかったのは最初だけだった。
舌でそっとなぞってみると、途端にむくりとその本性を表し始める。
既に口に収まりきらなくなったそれを、舌と唇で丁寧に舐めしゃぶりながら
そっと横目で彼の反応を窺って見る。

私のお願いを聞いてくれたのか、彼は天井を向いたまま切なそうな表情を浮かべ
時折身体をピクピクと反応させる。
良かった、ここがこんなに元気なら体調もそう悪いことでもないだろう。
いつものようにこのまま口で受け止めて……と考えた後ここが病院なのを思い出し
これで最後と根元まで咥えてから、ゆっくりと顔を上げた。

「もうちょっとだったのに……もうおしまい?」
「病人なのですから自重してください」

もちろん彼がそんなことで諦めるような人じゃないのを私は忘れていた。
ずらしたパンツとズボンを履かせようとして全く無警戒の私。
死角から伸びてきた彼の手が、決してばれてはいけない秘密を探り当てた。

「きゃっ、だめぇ……」
「千早……そういうことだったのか」
「これは、その……下着のラインが見えないようにと」
「だからって脱ぐこともなかったのに。あっ、もしかして」
「ち、違います、違いますからそんな触らないで、あっ、やぁ!」
「嘘だ、ここは触って欲しいっていってるみたいだけど?」

静かな部屋に喘ぐような息遣いとくちゅくちゅという水音が響く。
直接触れられる刺激と耳から入ってくる間接的な刺激、ただそれだけで
もう砕けそうな腰を支えるため、ベッドに上体をあずけるしかない。
別にしたくなったから、濡れてしまったわけじゃない。
彼のを口でしているときに……いつものセックスを思い出したらそうなっただけで。
だけど彼の手にぴたりと押さえられ、既に指の侵入を許してしまった今
どんな言い訳をしても手遅れでしかない。
だって私の心も彼を求めてしまっているから。
そして目の前には天井を向いて私を待ち構えている彼のもの。

「俺は身動きできないんだ、だから千早……」

ベッドにあがると膝丈のスカートをたくしあげて彼にまたがった。
そのまま腰をおろすと、彼の先端が後ろの穴をノックするので
腰をずらして本来の場所に誘導する。
既にぐしょぐしょに濡れて開いた私のあそこがそれを咥え込むように
捕まえると、足の力を抜いて一気に奥まで。

ずるんという感触はソレが私の中を押し広げるときのもの。
喘ぎが声にならないよう、大きく口を開いていたけれど……だめ。
ソレが奥の行き止まりに突き当たった瞬間、あぁと大きな溜息を漏らしてしまう。
こすれあう陰毛同士がきっちり根元までくわえ込んだことを教えてくれる。
もぞもぞと身動きするだけで敏感な小さなボタンが彼の体にこすられる。

「す、少しだけですよ……ほんとに」
「ああ。すぐにいきそうだから」

腰を上下させず、わずかに身じろぎするだけでこれ以上ないくらい
硬く膨らんだ彼のペニスが私の中を熱くかき回す。
くちゅくちゅという淫靡な水音、はぁはぁとせわしない私と彼の喘ぎ声。

終局はあっけなく訪れる。

「千早、出る……」
「このまま、中に」

その声を合図に体重をかけた体を押し付けると、彼の唇を塞いでその時に備える。
一瞬で膨張した先端から、私の子宮めがけて溢れ出した彼の精液がじんわりと広がる
温かい感触に私は陶然とする。
脈動は何度も続き、しばらくぶりの交わりのせいか子宮の中が全て彼の精液で
満たされたような錯覚すら感じている。

このまま彼に抱きついていたいけれど、ここが病院だという現実は変わらない。
誰かが来る前にきちんとしておかなければ。
我に返った私は先ほど脱いだパンツをポケットから取り出し、結合部分に宛がうと
ゆっくりと腰をあげた。
それから彼に背中を向けて、受け止めたものが零れ落ちないようにそこにティッシュを
何枚か畳んで挟み込むと慎重にパンツを履いてまくっていたスカートを下ろした。

ぐしょぐしょのままのソコに顔を寄せると、丁寧に唇と舌で拭い清めた。
独特の苦く粘っこい液体も苦にはならない。
そうして私の液体でマーキングしおえると、今度こそ衣類を元通りに直した。
それから汗の浮いた彼の顔を絞ったタオルで拭って上げた。

「具合、悪くなっていませんか?」
「大丈夫。いっぱい元気のもとを貰ったからな」
「ふふっ……私も沢山いただきましたから、おあいこですね」
「いいけど……少し垂れてるぞ?」
「えっ… やぁ、どこですか?」
「冗談だ。けどパンツのラインが透けるからその格好で出ちゃだめだぞ」
「いいえ、せっかくプロデューサーが取ってきてくれたドラマのお仕事。
これで精一杯がんばりますので、ふふっ。ふふふふ……」


おしまい。



★おまけエピローグ

時間も遅かったせいか、一通りのコトを済ませて後片付けが終わるまで
誰も病室に入ってこなかったのは幸いだった。
個室にはソファーのほかにも簡易ベッドが用意されていたため
今夜はこのまま泊まろうと決めた私は、喉の渇きと空腹を覚え
近くのコンビニに買出しに行こうとドアを開けて
そこに立っていた女性とぶつかりそうになった。

スーツ姿の長身の女性。
事務所で何度か顔を合わせたことのあるその女性は、
確か水瀬さんの送迎にきていたSPの方で。
あれ、でもなんでその人がここに?

立ち尽くす私に、彼女は小さな封筒を手渡すと向こうのベンチに歩き去った。
なんだろう、宛名のない封筒は?
開いてみると中から小さなメッセージカードが出てきた。
そこには見覚えのある筆跡でこう書かれていた。


「千早へ
せっかくだから邪魔が入らないようにしておいてあげたわ。
だけど一応ここは病院だから程ほどにね、ニヒヒ。
あと今夜一晩はガードをつけてあげるから
何か用事があったら遠慮なく頼むといいから。じゃなね!」


名前はなくても可愛いウサギのイラストとその文面を見れば。
いや、迂闊なことに病院の名前にまで気が回っていなかったけれど
私が落ち着いてさえいればここが水瀬さんの系列であることは……
え、じゃあもしかして
さっきのことはみなあの女性のSPの人に!?


こんどこそおしまい。。

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