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[SSメモ] 082 2012/02/12  31-933(6)

作者注
入れ替わりをテーマとしたSSです。体と心が入れ替わるという設定上
その時点で誰の主観になっているかを章ごとに切り替わっていきます。
◆P:プロデューサー視点  ◇ 千早:千早さん視点
となりますが、入れ替わっても意識(心)はもとのままなので。

  • 以下本編-

 
◇ 千早

そういえば今日はおやすみのキス、してくれなかったな……

ベッドに入った瞬間いびきをかき始めたプロデューサー。
でも今日は仕方無いわ、トラブルの連続で本当にひどい一日だったもの。
お目覚めのキスを2倍にしてもらえばいいのだから私もそろそろ眠らないと。
ステージの余韻でまだ少し目は冴えていたけれど、彼の寝顔を眺めていると
いつのまにかふわふわとした波が私を包み、いつしか眠りに落ちていた。


ふと目が覚めたのはまだ真夜中だった。
……どうしよう。おしっこいきたい。
おトイレと歯磨きを済まさず眠ってしまったせいね。
暖かいベッドから出るのは億劫だけど我慢して眠れそうではない。
思い切って体を起こすと、ランプが照らすプロデューサーの寝顔が目に入る。
そうね…起きてしまったついでだから。
ランプを消すと、穏やかな寝息のプロデューサーに

チュッ。

その瞬間ぐらりと視界が歪み、同時に平衡感覚が失われて……


◆ P

目覚めたと思ったらベッドの傍に立っていたのが不思議だが、多分疲れのせいだろうか。
その割には体が妙に軽い気もするが……
それより小便がしたいからさっさと済ませてもう一度寝直すとするか。
千早を起こすと気の毒だから電気はつけず手探りでバスルームに向かう。
暗闇の中でパジャマを下ろして座ると、意識のバルブを緩め放水開始。
開放感に身を委ねながら、えらく勢いあるのある水音だなと……
あれ? なんだこの違和感は……
水勢の割に砲身に感覚が無いし、そもそも砲身じゃない場所から出てないか?
いやいやいや、目が覚めていても体がまだ寝ぼけているせいだろう。
そんな自分に苦笑しながら砲身の位置を確かめようと手を伸ばし……

無い……あるべきものをが、あるべき場所に。

そこには頼りない感触の毛があるだけで、何度探っても俺の相棒は見当たらない。
真っ暗なバスルームの中、ようやく覚めてきた頭で必死に考える。
さっき下ろしたパジャマだが、俺はホテル備え付けの浴衣を着て寝たはず。
手を置いている太股だって、妙に細っこくすべすべしている。

夢だ。
これは夢に違いない。
やたらリアルでところどころ奇妙なのは夢だからだ。
あーやれやれ。それより砲身がなければ雫を切れないが……
ああ、たしかウォシュレット付だったな。手探りでスイッチを探し、ポチっと……

「ひゃあああん!」

大きな声を出してしまったのは、思ったより水流が強かったせいだが
それよりも俺が驚き耳を疑ったのは
さっきの悲鳴が決して聞き間違えようのない、千早の声そのものだったからだ。
というか、本当にこれは夢なのか? 


ウォシュレットを止め、トイレットペーパーで水気を拭い去る時の感触。
明らかに女のあそこだった。夢にしてはいささかリアルすぎるが。
俺は便座から立ち上がると、手を伸ばし照明のスイッチをオンにした。

鏡の中に写っているのは千早だった。
いや千早に間違いは無いのだが、見たこともない胡散臭い表情を浮かべている。
美しい眉を顰め怪訝そうな顔でじっと俺のほうを窺っている。
俺が手を上げると、千早も手を上げた。
舌を出すと、同時に千早もべーをする。
頬をつまむと千早も同じことをして、そして痛かった。

ズボンをあげるとき気づいた可愛いパンツはとりあえず見なかったことにした。
手を洗ってからベッドルームに戻るとやはりそう……
目の前で寝ているのは俺だった。

空いている、つまり千早が寝ていたベッドにもぐりこんだのは
夢か現実か分からない奇妙な状況から逃げ出してしまいたかったからだが
シーツの中に立ち込めるシャンプーと千早の体臭に包まれてしまうと
胸の奥にまた別の感覚が生まれた。
むらむら……もとい、もやもやざわめく胸のうち。
目を閉じた俺はたまらずパジャマをずりおろすと手を伸ばした。
さっきウォシュレットで洗って綺麗に拭ったはずなのに
そこにはぬるりとした感覚があった。

そうなるともう止められなかった。
男のそれとはまるで異なる女の体の感覚。
俺は夢中でそれを追い求め、気がつけば女への愛撫を思い起こしながら
自分の指で自分のあそこ、いやこの体は千早のものか?
それがどっちなのかわからないまま、ただひたすら指を動かし続けた。
男の自慰とはまるで違う、次々と波にさらわれるような女の快感。
数度の小さい波をなんとか乗り越えた俺だったが
最後の大波には耐え切れなかった。
声を懸命に殺しながら、俺はその大波にさらわれて意識を失った……


◇ 千早

気がつけばベッドの中だった。
確かトイレに行く前プロデューサーにキスして……そうだ、あの時。
体がぐらりと揺れ、そこから先の記憶がまるでない。
こうしてベッドで寝ているのだから戻ってきたのは間違いないけど。
それより体がふわふわと宙に浮いたみたいな感じがするのは
キスした直後のあの奇妙な感覚と関係あるのだろか……

ともかくまだ夜中だし、ちゃんと寝なきゃ。
乱れたシーツを直そうとしてそれに気がついた。
なんで私、パジャマのズボンが脱げかけているのかしら?
ちょっとパンツも脱げてるじゃな……あ、これ、えっ? 
なんで私……こんなになってるの?
し、しかも…シーツに大きな染み……
いやだ、なにこれ。信じられない……

あまりに訳の分からない事態に、私は半泣きになりながら
とりあえずパジャマだけ直すと頭まで毛布を被って目をつぶった。


◆ P

目を覚ました俺は真っ先に股間に手を伸ばし、そこに信頼の膨張感を確かめ安堵した。
やはり昨夜のあれは夢だったということだ。
なんで俺が千早になったのか分らないし、何から何までやたらとリアルだったが。
それより昨日は疲れて寝てしまったせいで千早に構ってやれなかった。
今日はその分フォローしてやらないと……あれ、いない。ああ、バスルームか。
千早が朝からシャワーとは珍しいな。

バスルームから出てきた千早に早速朝のキスをプレゼントしようと思ったら
浮かない顔でなぜか俺を避けるような素振りをしたのが気になった。

「なあ、ゆうべのことで怒ってる?」
「ええっ、プロデューサーどうしてそれを?」
「どうしてって千早、何のことだよそれ」

微妙にかみ合わない会話。なぜか挙動不審の千早。
訳がわからないまま、とりあえず千早を抱き寄せたのは
精神的に不安定になったのかと心配したからである。

「落ち着け千早。昨日はおやすみのキス、してなかっただろ?」
「あっ、そ、そそ、そうでしたね」
そこで千早がようやく笑顔になったので俺も安心してそのまま唇を重ねた。

「んっ……んんんっ」

キスを交わす仲といっても、まだ挨拶の延長みたいなものなのだが
今朝のキス、いや今朝の千早が妙に色っぽく見えるのは何故だろう?
しかも俺の腕の中で体までぐんにゃりと力が抜けているみたいだし。
いや、これはこれで可愛いわけだが急にこうなるものなのか……?


◇ 千早

とりあえず眠れたのはいいとして、下半身は精神衛生上とてもよくない状態だったから
起きてすぐバスルームに駆け込んで熱いシャワーを浴びることにした。
プロデューサーがまだ眠っていたのが不幸中の幸い。
本当に信じられないけど……どうして私、あんなことになってたんだろう?
もしかして夢遊病みたいなものだったら困ったことだ。
シャワーで体はさっぱりしたけれど、気持ちはどうにもすっきりしない。
バスローブを羽織りながらバスルームを出るとちょうどプロデューサーが起きたところだった。

ぎりぎりセーフだったと思いかけたら、自分のベッドが目に入る。
起きたときにめくれたままの毛布の下にはやばいシーツがそのままだ……
さりげなく隠そうと焦る私を彼は抱きしめ昨日のこととか言い出したから
てっきりばれていたか、どうごまかそうかと考えているといきなりキスされた。

どうやら昨夜おやすみのキスをしなかったお詫びらしい。
ばれていなかったのはよかったけれど、私の中には釈然としないものが残っている。
私、どうしてあんなことになったのだろう。

その日の仕事は集中を欠いたせいで随分皆さんに迷惑だったと思う。
何とか予定をクリアできたのはいいけれど、気力と体力を使い果たした私は
夕食を終えホテルにもどると、ミーティングの途中に居眠りしかけてしまい
プロデューサーにベッド行きを命じられてしまった。


◆ P

残った仕事と業務連絡を済ませると、冷蔵庫から出したビールを開ける。
つまみの代わりに千早の寝顔を眺めることにする。
起きてるときは大人ぶって結構生意気な顔も見せたりするが
こうしてみれば千早の寝顔は子供みたいに無邪気で可愛いよな。
なんだかんだいっても根は素直でいい子だし。
キスだってあんな中学生レベルで満足で……いやいやまて。
今朝キスしたときの反応は明らかにいつもと違っていた。
大人とまではいかないにせよ、少女ではない女の反応というべきか?

そういえば千早は昨日夢でみたようなこと、する日が来るのだろうか。
純情さと潔癖さでは芸能界一番ともいえるあの千早が
アソコをぬるぬるに濡らし指でいじりながら快感に喘いでいる姿は想像もできな……
そこで昨夜のリアルな感触が頭に浮かぶ。
まだ指に残っている熱いぬめりの感覚のせいでつい股間まで反応してしまう。

いかんいかん。
これ以上変なことを考えないうち、俺も寝るとするか。
そういや今日もお休みのキス、してなかったよな千早ちゃん。
ビールでちょっと苦いかもしれんが、いいだろ?
今夜はちょっとばかし大人っぽいキスを教えてあげるからさ。
俺はベッドに屈みこむと、軽く開いたままの唇をそっと奪うと
軽く舌を侵入させかけ……
なんだ、この感触…………

視界がぐらりと揺れ暗転した。


◇ 千早

夢だと分ったのはピンスポが照らす私がパジャマ姿だったから。
アイドルになってからこんな夢はよく見るけれど、マイクを持ってないのは珍しいかな。
そう思った瞬間、体がぐらりと揺れてスポットが消える。

ベッドのそばに立っているのは夢のシーンが切り替わったからだろうけど
随分唐突だと思いながらそっと周囲を見回してみる。
体が微かに揺れる感覚、それが微かな違和感の理由かと思ってみたが違った。
視点がハイヒールを履いたとき以上に高い位置にある。
そして目の前のベッドに寝ているプロデ……私!?。

わ、私が寝ているって……ああ、夢だったわね。
両手を挙げると思ったとおり浴衣の袖に包まれたプロデューサーの腕だ。
つまりこれはプロデューサーと私の体が入れ替わったという斬新な夢ということだ。
視点が高いとなかなか爽快だし、腕を動かすだけで筋肉の力強さが窺える。
ふむ…あそこにビールの缶がある。
つまりこの揺れている感覚がお酒に酔っているってことか。
ではこの浴衣の前が妙に突っ張っているようなのは……
身頃の乱れのせいかと思い、直そうとした手がそれに触れた。

私の心はそれを拒絶しようとしてできなかった。
ズキズキと痛みに近い感覚を伴って、それは固く大きく……勃起していた。
いくら夢でも……入れ替わった夢でもここまでするの?
昨日の混乱そのままに私の意識はあっけなく混濁の渦に巻き込まれていた。
その間にも、触れたまま手の中にあるプロデューサーのペニスは
さらに固さと大きさを増すようにビクビクと生々しい脈動を伝えている。


遠く微かな記憶に残るのは小指のように小さく可愛いものだったはず。
それがこんなにも大きく、そして固くなるものなんて……
好奇心が葛藤とか拒絶に打ち勝ったのは、これが夢だからという言い訳。

開いた浴衣の下は黒いパンツで、生地を目一杯伸ばしておちんちん、いや……
ペニスの形状がほぼそのまま浮き出している。
見るだけ……にするから。
自分もいつか結婚するようなことになったとしたら
そういうことを経験するのだから、ち、知識を持つのは悪いことじゃないし。

そのときにはもう、それが夢とか現実とかどうでもよくなっていて
私は夢中で黒いパンツをずりおろそうとしていた。
当然引っかかって上手く降りず、無理に力をいれてもそれが痛みを訴えるものだから
そっと右手を中に差し入れて。
初めて触れたそれは驚くほど熱く、そして硬かった。

「な、何よこれ……こんなのおかしいじゃない。だってそうでしょ?
こんなに大きくて硬いのが……は、入るわけないわよ」

声に出していることにも気付かず、私は擂粉木のようなペニスを持て余していた。
昨夜自分の指で確かめた部分は指先を沈めるのが精一杯。
あんな風にヌルヌルしていても、それ以上は指一本でも入るとは思えない。
だからこんな大きなモノを入れるなんて絶対に無理だわ。

ヌルヌル……えっ?
握り締めた指が伝えた感触をたどって見れば
明るいピンク色をした先端から透明な液体が滲み出しているようで
それが指と先端部分をぬるぬる光らせているのが分った。
手が動いたのは無意識の成せるわざで、刺激したのが亀頭部分なのは偶然だった。

走り抜けた鋭い快感は女の自分が微かに知るそれとは異なるもので
直線的な鋭い快感はペニスを基点として、まっすぐ脊椎を駆け上ってきた。

(やだ……男のひとも触ると気持ちいいのね。こんな風に? それともこうかしら?)

ペニスの感覚を確かめるよう握り方や角度をあれこれと試しているうち
その方法にたどりついた。
偶然というより、プロデューサーの体がそう導いたのかもしれないけれど

(あっ、やっ……これが、き、気持ちいいみたい)

その前後運動は手を動かすたびにスムースになり、リズミカルに速度を増していく。

(んっ、すご……い、はぁっ……くちゅくちゅいって…やん、なんか来そう)

しばらくの間、薄暗い部屋の中にクチュクチュという隠微な水音と
ハァハァという悩ましい喘ぎが満たしていく。
そして男の発射メカニズムを知らない千早が感覚を無視して動かし続けた結果、
当然のように頂点まで上昇した快感はついに臨界点を突破した。
神経を駆け上った快感が頭の中で白い閃光となって弾けたのと同時に
握り締めたペニスから迸った一条の白濁が眼下の自分に降り注いでいく。

(やっ……こんなに出るんだ精液って……ぁれぇぇっ)

帳が下りるように意識が暗く沈んで落ちていった。


◆ P

あ、ありのまま今起こったことを話してみると……
千早の寝顔にキスした直後、なぜか俺はチンポを握り締めていた。
指に感じるどろどろしたのはいうまでもなくこぼれた精液の感触であり
じゃあぶっ放したのはどうなったかというと……

千早のシーツに着弾した俺の白濁は溜まっていた分飛距離を伸ばし、
あろうことかその先端は千早の顎先から唇を横断し鼻のあたりにまで及んでいた。
この状況から考えると、俺は千早の寝顔をおかずに自家発電に及び
そのままフィニッシュまで至り顔射を決めたと。

全く記憶が残っていないのが不思議でたまらんのだが
今はそんなことを考えている場合ではない。
千早が目を覚ます前に、いや千早を絶対に起こさないようにして
この惨状をリカバリーしなければ大変なことになる。
俺はティッシュとタオルを用意して、外科医のような手つきで処置を開始した……


◇ 千早

夢ではなかった。

プロデューサーと体が入れ替わるなんて夢よりも非現実なことだけど
いま自分が感じている感触は、それが現実を裏付ける証拠のはず。
さっき私はプロデューサーとなって、射精を経験した直後気を失った。
その直前私はペニスから迸った精液が自分の顔にかかったのを確かにみた。

そして今。
意識を取り戻した私は、自分の頬から鼻にかけて温かさを感じている。
もちろんそれはさっきかかったばかりの精液なのだろう。
目を開かず寝たふりを続けていたのは、一連の出来事と今の状況を結びつけ考えた結果。
そばにいるプロデューサー(の気配)はとても慌てているようだったのもある。
今目をあけると、ペニスを握り締めた彼と対面する訳で
それだけでも大問題なのに、それ以上のことが起こってしまったわけだから。

幸い寝たフリを気付かれることなく、プロデューサーの後始末は完了した。
丁寧な手つきで精液を拭いながら彼は小さな声で何度も謝っているようで
それが妙におかしくて噴出しそうなのは困ったけれど。
なにせこんな風にしたのはそもそも私なのだし……。


確かに入れ替わりという現象は今もって理解できそうにないけれど
そのせいでとんでもない経験ができたわけだし、
まあ夢と思えばいいのではないだろうか。

そういえば入れ替わったとき、体がぐらっとして目の前が暗くなったけど
あれは意識を失ったのではなく、あの瞬間入れ替わったためか。
つまり起きている私が寝ているプロデューサーと入れ替わったから
私の心はプロデューサーの体の中で眠るから暗くなり……ねむって……あれ?
それって今夜じゃなく昨日の夜よ、私が寝ている彼にキスしたのは。

だ、だとしたらプロデューサーの中で私が眠って、プロデューサーの意識が私の体で
目覚めて……私の記憶がなかった間、つまりベッドのなかで目を覚ますまで
プロデューサーが私の体でしていたことがつまりオナ……

「プロデューサー! 人の体でなんてことを、この変態!!!! 大嫌い!!」


おしまい。

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