ブログ「日々是千早」もよろしくね!

[SSメモ] 077 2011/12/03 29-755(4)

某JP氏のネタ原作。

-

「ついに千早ちゃん女にしたんだって? 歌姫の喘ぎ声、今度俺にも聞かせろよ」
「あほか。いきなり最初から声なんてだすわけないだろ」
「じゃあさ、あのくびれた腰。騎乗位で振らせると見ごたえあるだろ」
「だから、いきなり跨って自分から腰なんか振るかっちゅうの」
「まだ調教始めてなかったのか。でもまあ将来性は楽しみだよな」
「調教なんかしねーよ。それよりその将来性がちょっと心配なんだ」
「なんだよ心配って。千早ちゃん不感症の気でもあるのか?」
「ちげーよ、なんかマグロっぽいんだ」
「千早ちゃんがマグロ? それはある意味あの子らしいな」
「冗談じゃねーって。最中ずっと我慢してるような顔して体もガチガチ。
感じてるのを堪えてるのか、エッチ自体を堪えてるのかがさっぱり分からん」
「大変だな。で疑惑のチハヤマグロは誘いを拒んだりしないのか」
「ああ、始めるときは普通に楽しそうなんだ」
「それは調教で克服するしかないな」
「笑い事じゃねーよ」

「マグロがどうかしましたか?」
「うぉっ、千早いつからそこに?」
「たった今です。そろそろ出発する時間ですが、打ち合わせはまだ?」
「あ、いやちょうど終わったところだ」
「そうですか。ところでチハヤマグロというのは私のことですか?」
「いやいやいや、ただの冗談話だから気にするな。それより仕事いくぞ」

見え見えの誤魔化しに、千早は疑惑を感じているようだが追及はなかった。
会話を聞かれたのは失敗だったが、際どい部分でないのはラッキーだった。
もし千早が本当にマグロでしかもエッチを嫌がっていたとしたら
あんな会話でも致命傷になりかねない。



何を誤魔化すつもりか分からないけれど、マグロという言葉から推察するに
お寿司か私の水泳フォームか、だいたいそんな程度の話なんだろう。
「拒む」とか「調教」とか「楽しい」とか水族館のイルカショーじゃあるまいに。
口調のニュアンスから、私の陰口とか愚痴という可能性も……
まあ……どうでもいいですけれど。

仕事が始まれば些細なことなど忘れてしまっていたけれど
事務所に戻ればちょうど上がったばかりの春香とであったから
世間話ついでに「マグロ」の話題をふってみたのだけれど。
…………あんな話、するのではなかった。
けれど冷静に考え直せば、彼は私とエッ…エッチするのが楽しくないわけで
春香に言われるまでもなく、早くなんとかしなきゃいけない事態なのだ。
それに欠点に気付いた以上、それを是正するいい機会でもある。

「お願い、春香」
「うぇっ、絶対無理無理! 無理だって」
「まだ何もいっていないわ」
「言わなくてもわかるわよ……教えて、でしょ」
「ええ。このDAP、録音機能があるから」
「その発想はなかったよー!ってまじめな顔して何いってるのよ!!」

春香は録音だけは絶対無理と言い張り、思い余った私が土下座をするに及んで
ようやく折衷案といいながら、絶妙のアイデアを提示してくれた。


「あ、あのね。言っとくけど絶対これが正解っていうのじゃないから。
私が彼とするとき、こんな感じってだけなんだから」
「分かってる。参考にするだけだからリラックスしてやって頂戴」
「……ね、電気消してくれないかなぁ」
「駄目よ、表情が見えないと参考にできないもの」
「うぇえええん、こんな指導引き受けるんじゃなかったよぉ……」

それでも春香はベッドに仰臥すると、恥ずかしそうに目をつぶる。
「お、お手柔らかにね、恥ずかしいから……」
「分かってるわ、これは演技指導みたいなものだから」
そういって、彼が私にそうするように春香の体に覆いかぶさる。
いつもならキスする場面だけれど、まさか春香にするわけにもいかず
顔をずらして首筋に顔を埋めてみた。
「やっ……ちょっと千早ちゃん、リアルすぎ……」
春香の声はいつもと違って、なんだか潤んでいるよう。
なんだかんだいっても春香の演技力は侮れないわね。
「……んっ、やぁ……、あっ、ああ……」

なるほど、こういう感じか。
キスから胸への愛撫のときには小さい声で、短く可愛くさりげなく。
相手役としてただ春香に覆いかぶさっているだけというのもなんだから
私も少し協力することにして、そっと掌を春香の胸においてみる。

「あぁっ! そ、ソコ……だめぇ、もっとゆっくり」
「え? こ、こんな感じでいいのかしら」
「んぁああっ、いいよぉ、プロデューサーさん、もっといっぱいしてぇ」
分かったわ、春香の熱演にも答えないと。



「……ごめん、春香」
「ぐすっ……ひくっ…………ひどいよ千早ちゃん」
「謝るから許して春香。このことは誰にも言わないから」

確かにあれはやりすぎだったと思うのだけれど、それをさせたのは春香の演技力だ。
本当に彼とセックスしているかのように演じてみせる春香につられて
他人のそこはどうなるのか、好奇心からあそこに手を伸ばしてみただけだ。
けれど下着までびしょびしょに濡らしていた春香は、私が偶然一番敏感だという
場所に触れたとたん、達してしまったらしい。

「でも春香のお蔭で、自分がどうすべきか分かったわ」
「…………ほんとに?」
「ええ。だから今のは決して無駄にならないわ」
「あ、あのね千早ちゃん。もうひとつ大事なことがあるの」
「大事なこと?」
「うん。とにかく声を出すこと。これが一番だよ」
「分かったわ」
「いい、ちょっと大げさかな?っていうくらいがちょうどいいから」
「で、でも恥ずかしい気がするけれど……」
「さっきの私に比べたら全然ましだと思うよ」
「ひっ、ごめんなさい!」
「いい、このこと他人にしゃべったら、千早ちゃんも同じ目に遭わすから」
「……は、はひぃ」
「それと、したあとちゃんと私に報告すること。分かった?」



セックスの際、全てを男性任せにしてベッドに寝転がってされるがまま、
自分からは何もせず、愛撫に対して反応もみせないような女のことを、
魚市場に並べられて動かない様子にみたて<マグロ>というらしい。
自分がそうであることが正直ショックだった。
女の子が声をだすとか反応するとか、さらには男性に何かするなど
到底考えられたものではないし、何よりあまりにも恥ずかしすぎる。
けれど、そういうのが男性の不興をかうのであれば話は別だ。
学んだことは、実践しなければ意味が無い。

そして今日。
チハヤマグロ脱却の日だと決意して望んでみたのはいいのだけれど
いざベッドで裸の体を重ね合うと、やはり恥ずかしくて体も頭も動かなくなる。
そんな私にお構いなく、彼は私を抱きしめ唇が重ねられる。
何度か軽いキスをしたあと、彼の舌が私の唇をなぞり始めるのはある合図。
そうだ、あれを試すのなら、いまだ。
いつもは唇を離して息継ぎをするのだけれど、今日はぴったり唇を重ねたまま
そっと鼻から空気を吸い込み、それから練習したとおり、ハミングの要領で。

「…………んっ」

小さい声を漏らしてみたのだけれど、何か変だった?
彼の舌が動きを止めたのは一瞬だけ、すぐさっきよりも大きく動きだし
絡め取られた私の舌を彼の唇がちゅうちゅうと吸い上げる。

「……んっ! ん……んんっ」

などと、さっきよりも大きい声が鼻から漏れてしまう。
彼は唇を離すと、じっと私の顔を見下ろしている。
あ、あれ……やっぱり変だったのかしら。どうしよう……
と思っていたら、彼が嬉しそうな顔をして私を力いっぱい抱きしめる。
では、作戦は成功ということに。
やはり声を出すというのは男性に喜ばれることだった!
早速成果が出たことで私も嬉しくなり、彼の耳元で「好きです」などと囁いてみたら
首筋をペロリと舐められて、くすぐったいのを我慢して少しアレンジしてみる。

「ふぁっ、んあぁ……!」
ペロリ。ペロペロペロン!!

「あぁ! んぁああ、ああ、あっ!」
ぺロペロペロペロペロペロペロ

「あぁ んぁ、あっ、ああ、ああ、あ、ああ」
ぺロペロペ……ロ?

「あ……あ?」
「千早さん?」
「あぁっ……ん? あ!」

「なんか不自然だと思ったけど……そういうのだったんだ」
「えっ、あ、あの……これはその」
「いいよ、そんな無理して演技とか。ごめん、ほんとはいやだったんだろ」

そういって彼は起き上がると、私に背中を向けてベッドに腰掛けた。
俯いた背中に哀愁が漂っているようだった。
声を出したら成功と思ったら、なぜか彼がたそがれてしまった。
さっぱりわけが分からない。一体私はどうすれば……?


「わ、悪いのは私です! 私がマグロだからです!」
「……え?」
「ですから、マグロだとあなたも楽しくないと思って、そ、その……
声とかだせば男の人が喜んでくれると思って」
「そうか。千早の気持ちはありがたいけど、やはりそういうのじゃな」
「ええ、そう、ですよね……すみません」
「謝ることはないさ。気乗りしないことを無理強いして悪かった」

あ、あれ? これって関係終了のお知らせですか?
だとしたら、それは困ります。だって……そんなのって。

「違います。気乗りしないとかイヤだとか、そんなことありません!」
「千早?」
「ですからもう一度してください。もう二度と変な演技はしませんから」
「い、いや、落ち着けって」
「それでまだマグロの私がイヤだったら、その時は……そ、その時は」
「こらこら、泣くんじゃない。マグロが悪いとかいってないから」
「でもプロデューサー……わたし、わたし……」
「ほら、いいからおいで」

ほっぺにキスされ、こぼした涙を彼の舌が拭い取ってくれる。
温かくて、心がとても落ち着く彼の抱擁。
彼は私の耳にチュッとキスしてから、小さい声で囁いてきた。
「千早はセックスするのって恥ずかしい? 恥ずかしくない?」
「恥ずかしいです」
「じゃあ俺とセックスするのは好き? それとも嫌い?」
「…………嫌いでは……ありません」
「ちゃんと二択で答えようね?」
「……す、好きです」
「じゃあ次、キスされるのは好き? 嫌い?」
「だいす……すき」
「胸を触られるのは気持ちいい?気持ち悪い?」
「き、気持ち……いい」
「セックスしてるとき、気持ちいい? 気持ちよくない?」
「……気持ちいい」
「OK。千早はマグロじゃないよ。ただやり方を知らないだけ」
「そ、そうなのですか? でも、やはり私みたいなのはつまらないのでは」
「じゃあお互い満足するにはどうしたらいいか、考えるの協力してくれる?」



彼は柔らかいタオルで私に目隠しすると、そのままベッドに横たえられる。
布地越しにも部屋の明かりが全部つけられたのがわかるけれど
私にはどうしようもない。
なぜなら彼から
「声は出さないこと。我慢できずに声だしちゃうと、大変なことになっちゃうよ?」
そんなことを指示されているから。
「ああ、それと自分の手で口をおさえるのと鼻声は構わないから」

セックスのとき、声を出さなきゃいけないはずなのに
どうしてそんな風にするのかわからない。
それにこの目隠しの効果。
本来ならとても恥ずかしいはずなのに、自分の目が封じられているだけで
なぜか恥ずかしさがいつもより緩和されているような気がする。
いまだって、私の体は隅々まで彼の目にさらされているというのに……

いつもどおり、優しいキスから始まった。
明かりと目隠し以外は特に変わったことも無いはずなのに
なぜかもう心臓がドクドクと早鐘のようにリズムを刻み始めている。
姿の見えない彼は、体に触れられるか体温や吐息で感じるしかなく
そのため、私は半ば無意識に集中力を研ぎ澄ましていく。
果たして、彼の唇はいきなり私の首筋に襲い掛かった。

「んっ、ふぁっ……」
油断して、つい口からため息のような声をこぼしてしまい
口を手のひらで押さえる。
どうやら彼はそれを聞き漏らしたのか、それとも見逃してくれたのか。
けれどそれは罠だった。
手を上げたことで無防備にさらされる場所、彼の唇は私のわきの下をペロリと
舐め上げ、なんとか口を押さえて声を我慢するしかない私をいいことに
何度も何度も脇を、それから鎖骨やわき腹に唇を滑らしていく。

「……んっ、ンフゥ……フゥン、ンンッ」
しっかりと口を閉ざしているので、吸った息を吐き出すのは全部鼻。
そしてその全てが、そんな風にはしたなく甘い鼻声になってしまう。

「千早、まだ始まったばかりだからな。ちゃんと堪えるんだぞ」
がくがくと頷く私に、彼はさらに追い討ちをかける。
「千早の恥ずかしい姿、撮影しておくからね。もし我慢できずに声を
だしちゃったら、一番見られたくない人にそれを見せることにする」
そ、そんな無茶な! いくらなんでもひどい! 
ブンブンと首を横に振って抗議しても彼には全く通じない。

「そんな心配しなくても、いつもどおりマグロのままで大丈夫だ」

そうして今度はいきなり鎖骨を舐められ、今度はそのまま胸がターゲットになり
膨らみにそって彼の舌が円を描きながら、だんだんと先端に向かっていく。
いつものセックスの時だって、胸は気持ちよかった。
それが今、それより何倍もの快感が彼の舌でもたらされ
もれそうな声を、もう奥歯をかみ締め両方の掌で口を押さえることで我慢して
おそらく最後にされるであろう、乳首への攻撃に備える。

「ふぁぁあっ!」

彼の唇は、胸でも乳首でもなく、ツンとおへそをつつき
無防備だったその場所がくすぐったさと気持ちよさを同時に伝えた結果
ついに声を出してしまった。

だ、だめぇ! 今のは反則、ゆるして!
でも彼はお構いなし、ヘソから乳首に唇を許し、わき腹、首、それから太もも
といった調子で、どんどん責める場所を移しながら私に休む暇も
構える暇も与えてくれない。
さっき声を漏らしてしまってから、もう箍が外れてしまったのか
体に彼の唇と舌を受けるたび、喘いでしまう声が止まらなくなっている。

体から力は抜け落ち、というか手足は萎えてしまったように力が入らず
ただ背中だけ、気持ちよさを感じるたびにビクンと沿って浮き上がる。
そうして最後に一箇所だけ残されていた場所。
そこにキスされるだけで、自分がどうなってしまうか分かっている
むしろそれを待ち焦がれていたといったほうがいいと思う。


「さて、最後のお楽しみにうつるまえに、約束どおり……」
カチャッという軽い金属音。
彼がわざと私の耳元で携帯を開いた音だと知れた。
「ほら、足がそんなだとちゃんと撮れないから」
そう、楽しげな声で私に自分から足を開くよう仕向ける彼。
でもその声に私の体は抗えない。

「じゃあ、千早ちゃんの一番可愛いエッチな姿、撮るよ」
パシャッ。パシャッ。
シャッター音が響くたび体がカッと熱くなる。

「せっかくだから、一人といわず事務所のみんなに見てもらおうか。
それともこのいやらしく濡れた性器をネットで世界中に公開する?」
もう私は首を振ることもできず、彼の言葉に感じ、はずかしい部分を
撮影されながら、くちゅくちゅとかき回す指にも感じていた。

「いいんだな千早? ほんとうに画像を公開して」

い、いやです……恥ずかしいから。
あなたにだけは見られてもいいけれど、それ以外の人には絶対、いやだ。

「その顔はイヤってことみたいだな。じゃあ、最後にひとつチャンスをあげる。
俺は何もせずここに寝転がるから、千早は頑張って俺を楽しませてくれ。
もしそれが良かったら、公開はなしにしてあげる」
そうして彼は部屋の明かりを消して真っ暗にすると
私の目隠しを外し、一度だけぎゅっと抱きしめてくれた。
「ほら千早、自分が思うとおりやってごらん。多分それが正解だから」

もちろんです、プロデューサー。
だいたいあなただけが楽しむなんて、ずるいと思いませんか?
セックスは二人で楽しくするもの、ですよね?

仰向けになった彼の上に覆いかぶさると、彼の手順を真似てキスからはじめる。
そしてさっきに仕返しとばかり、時には歯を立て、つねってみせて
彼の体全部に私のキスを、キスの証拠をつけていき。
最後に残った場所も勿論。だってこれは私だけの大切なもの。
どうしていいかは分からないけど、これがせめてもの気持ちですから。
私はそこにキスして、口に含み、舌で柔らかそうな先端を
くすぐってみて、最後に全部を口にいれたら喉の奥にあたってしまい
オェッとなりかけてあわてて我慢して。
これが本来あるべき場所にご案内しますね。
そっと腰をあげて、手でささえたあなたのペニスを……んっ、ここに
あっ、固い……でも、これで……ゆっくり、あっ……

そのとき、彼の腕がしっかり私の腰を抱えて引き寄せ。
すとんと腰を落としてしまい、そうして
ズルンと彼のものを一気に奥まで突きたてられた瞬間。

「ああああああああああああっ!」


声というよりむしろ絶叫をあげたまま私は意識を失い
この日初めてセックスによる絶頂というものを味わったのである。
とりあえずマグロから脱却はできたが、あまりに積極的になりすぎるのも
良くないということはまた別のお話ということで。

おしまい。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます