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[SSメモ] 24 2010/02

巻末におまけ短編2つあり。

◆◆◆ ここから 本編です ◆◆◆

1 

バスルームから聞こえていたシャワーの音が止まる。
それだけで、ようやく落ち着きかけた心臓の鼓動が、また少し早くなってしまう。
いよいよ、わたしの初めてをあの人に……そう考えるのは、もう何度目だろう。
バスローブだけ着て待っていて、と言われてそうしたのだけれど、だめ、これは恥ずかしすぎる。
バスルームから漏れた明かりがあの人の姿を浮かびあがらせると、思わずシーツに隠れてしまってた。

「何も見えないと困るから、少しだけ明るくするな、千早」
暗くしていた部屋が、柔らかい橙色で満たされる。
「ほら、出ておいで、ちーちゃん」
「今はその呼び方、しないでください」
大人になる夜に、子ども扱いなんて。シーツから目だけ出して抗議する。
「そうだった。もう子供じゃなくなるんだもんな」
声が出さないまま、こくりと頷いてみせる。
「まだ恥ずかしいかな。見てもいい?」
彼の手がシーツにかかる。
だ……だめです、首を振ると、彼は一瞬だけ悲しそうな顔をした。

「今日、無理にしなくてもいいんだからな?」
プロデューサーの手が私の頭を撫でてくれる。
いつも私を落ち着けてくれる、プロデューサーの魔法。おかげで少し余裕ができた。
今夜プロデューサーにあげるのだと、しっかり決心できたその気持ち、ちゃんと伝えないと。
手を伸ばし、さっとシーツをひっぱりのけた。

見てください、プロデューサー。
リボン結びにしたバスローブの帯。
私があなたにだけあげることができる、たったひとつの贈り物です
どうか、受け取ってください。

 ◇

シャワーの最中、試射を一発済ませておいたのは、いきなり失礼をしないためでもあるが
どちらかといえば、自分自身の緊張を落ち着かせるためでもあった。
ベッドで待つ千早も緊張しているだろうが、それは俺も同じことである。
上手くできるだろうか。痛がるかもしれないが、大丈夫か。
いや。俺が迷ってどうする。
頬に一発、張り手を決めて気合を入れると、千早の待つベッドに向かう。
シーツから覗く千早の目。
子供扱いするなと怒りながら、甘えるように見上げるその目。
それで気持ちがすとんと落ち着いた。
緊張も不安も恐れも、全部俺に預けて大丈夫、頭を撫でながらそう語りかける。
こわばった表情から不安が消え、恐れが消え、迷いが消えて。
その瞳がすっと澄んだそのとき、千早の手がさっとシーツを開いた。
そこにあるのは、千早が俺だけにくれた大切なプレゼント。
俺は震える手で、そのリボンをほどいた。


その肢体は、あまりにも綺麗で、可憐で、そしていとおしかった。


一糸まとわぬ千早の肢体。初めて出会った頃には、痛々しいほどに細かったその体も
ようやく女らしさの主張をはじめて、丸みと柔らかさを備えつつある。
顔を真っ赤に染めた千早のまなざしをしっかり受け止め、俺は手を差し伸べた。

千早の背中を抱え起すと、バスローブがふわりと体から離れ、上半身があらわになる。
華奢な肩に沿わせた手を滑らしてゆき、その下に浮く細い鎖骨を指先でつっとなぞってみせる。
くすぐったかったのか、小さく体を震わせた拍子に、その下の乳房がふるふると揺れる。
それが可愛くて、思わず包み込んだ掌を、豊かな弾力が押し返してくる。
小ぶりだけどぴったり手になじむ、可愛いらしい千早の膨らみ。
緩やかに揉みながら、片方の手で顔を引き寄せ唇を奪う。

「ふぁっ、んっ…」
「目はまだ閉じないで……」
「んんっ……!?」
甘えた鼻声で答える千早の目が恥ずかしさを訴えるが、それには構わない。
巧みに息を継ぎながら、執拗にキスを繰り返し、とどめに舌を差し込んでやると
ようやく観念したのか、瞳がとろんと蕩け、体から力が抜けていく。
俺が教え込んだとおり、おずおずと舌先を絡め合わせてくる千早に応えてやりながら
乳房を包む指で薄紅色の乳首を探り当て、指先で弾いてやる。
その度にあっ、あっと小さく叫ぶのを面白がって何度もそうしていると、
その快感がキスに勝ったのか、唇を外すとしっかり抱きついてきた。
緊張でガチガチだった千早も、今は程よく力が抜けてきた。
これならコトを進めても大丈夫だろう、そう判断し、千早と一緒にベッドに倒れこんだ。



いっぱいキスしてもらいながら、プロデューサーの手は進んでいく。いよいよ、なんだ……
プロデューサーのピアニストみたいに細くしなやかな指。
それが私の胸から、ゆっくりゆっくり体にそって、おへそをこちょこちょとされて、
くすぐったいのを我慢しようと力をいれたら、浮き上がった腹筋もこちょこちょされて。
ほんと悪戯ばかりして子供みたい。
そんな事を考え、一瞬気がそれたとき、ついにプロデューサーの手がそこに触れる。
もう大人の年齢になるのに、まだ薄いのが恥ずかしいそこをサワサワと撫でられる。
だめ……恥ずかしすぎる、なのに意地悪な指は動きをとめない。
プロデューサーの指が、ぴたっとわたしのそこに触れて……
「……ゃだ」
つい声をあげてしまい、手首を掴む。
「ここは、いや?」
反射的に頷いてしまった。
けど、決してその、嫌ではなくて……ただちょっと困ってしまうというか……

「ここも欲しいんだけど……俺にはくれないのかな?」
あ、あげます。けれど、その……いえません、こんな恥ずかしいこと
お願いですから、わかってください、プロデューサー……
「じゃ、しょうがない……やめようか」
ちがうちがう、そうじゃなくて。
ぶんぶんと首を振って否定すると、プロデューサーがぷっと吹出した。
「か、からかってましたね?」
「ばれたか」そういいながら、まだプロデューサーの手はそこにあって。
「恥ずかしいんだろ」わかっているくせに。小さく頷く。
「もうこんなに濡れているのが恥ずかしい。そうだろ?」
「……プロデューサー、意地悪です。ひゃうん、やぁっ!」
「俺は嬉しいよ、千早がこんな風になっているのが。だって」
「あっ、ああっ、やぁ、だ、だめです、そこ……」
「これは千早が俺を受け入れてくれる準備が出来たってことなんだから」
「ああっ、はぁん、はぁ……じゅんび……ですか?」
「そう。だから恥ずかしがらなくていいんだよ千早は」手から。体から力が抜けていく。
プロデューサーの手がさらに進んで、何本もの指であそこをなでられて。
くちゅくちゅという音だけが耳に響いている。



初めて触れた、千早の一番大切なところ。
指を進めたときにはもう、温かい千早のジュースが溢れ出していた。
千早はあまり濡れなさそうなどと根拠も無しに考えていたから、これは嬉しい誤算だった。
指先で濡れた花弁をなぞっていくと、千早もそれを受け入れ、押さえていた手の力が緩んでくる。
花びら全体は小ぶりでも、まだ閉じ合わさったままの花弁はふっくらとした肉付きがある。
さあ千早。そろそろ開花の時だ。
俺の指先に促され、少しづつ花弁が開いてゆく。その隙間に指先を潜り込ませると、
ついにその真ん中、まだほとんど閉じたままの膣口を探り当てた。
神経を集中さえ、ゆっくりゆっくり、人差し指を侵入させていく。
感触はかなり狭いが、十分すぎるほどの潤いのおかげで、第一関節までは抵抗なく入っていく。
「千早、痛くない? 大丈夫?」
両手でしっかりとしがみついた千早が懸命に頷く。
性器そのものへの刺激は初めてだから、あまり深くはせず入口周辺の愛撫を心がける。
俺のそう豊富でない経験でも、この狭さではよく慣らさないかなり痛がるだろうことがわかる。
指先によるゆるやかな愛撫が功を奏し、少しづつ快感をもたらしはじめたのだろうか。
千早の体から力が抜け、しっかり掴んでいた俺の手もいつのまにか解けている。

「んっ……んっ……はぅっ、ふぁぁ……」
先ほどまで俺を見つめていた目を今はしっかりと閉じ、代わりに半開きの口からは
悩ましい喘ぎを漏らし始めている。
「なあ千早、ここ触られるってどんな感じ?」
「あっ……んんっ、感じって……わからない、あんっ、そんなこと……」
「そう。まだ続けても大丈夫かな」
「んっ、はぁ、んはぁ、んくっ……くはぁ、はい、まだ……」
自分が味わっている快感の正体が理解できていなくても、千早が十分感じていることは、
声と表情ではっきり分かった。
まだクリ○リスにすら触れていないのに、これだけの反応を見せてくれている。
その上、シーツに大きな染みになるほど大量に溢れている千早のジュース。

力の抜けた両膝を折って曲げ、広げた間に腰を据えた。
そのまま覆いかぶさって唇を重ねる。
限界以上に堅さを増した愚息の先端をあてがい、指で何度か滑らせる見ると、
その時を悟ったのか、千早が薄っすらと瞼を開いた。
腰の位置を整えながら、千早に頷いてみせる。

「いくよ、千早。力は抜いて……」
先端がぬるりと暖かい花弁に包まれたのを確認して、千早の肩を抱く。
もう一度唇を重ね、意識をそこに向けさせた瞬間、腰に力を入れて―
入れ始めてすぐ抵抗に突き当たるのは予想通りだが、俺の腕を掴み食い込む爪が痛い。
だが、痛みというなら、今千早が感じている方がはるかに大きいだろう。
すまんがあと少しの辛抱だから。

「ああっ、いやっ いやだぁ、痛い、だめぇぇ」
「千早、もうちょっとだから我慢して」
感覚的にはまだ半分にも満たないが、そうでも言ってやらないと
体に力が入り過ぎている今、余計に痛みも増してしまうはずだ。
「ひぃっ、やぁ……、いやだ、痛い、プロデューサー痛い、助けて、痛いです」
「だめ、千早。もっと力抜かなきゃ。ほら、息大きく吸って」
だが極度の痛みのせいで、俺の声は届いていないのか。
「いやぁぁ、抜いて、痛い痛い、裂ける……からだ裂けちゃう」
確かに千早の中はかなりきついが、潤っているし、これくらいなら大丈夫なはずだが?
「千早、聞こえる? ちゃんと俺のいうこと聞いて、ほら」
「いやっ、もういや……、痛いからやぁ、許して、プロデューサー痛いぃ……」

千早が涙を零すのを見るに及んで、それ以上の侵攻はあきらめざるを得なかった。
ゆっくり千早から愚息を抜き出した。
そこに破瓜のしるしは当然のことながら、確認できなかった。



「プロデューサー……ごめんなさい」
「馬鹿だな、千早が謝ることなんてないぞ」
「でも……」
「最初は誰でもこんなものだから気にすることない! むしろ俺がゴメンナサイだよ」
「そ…そうなのですか?」
「うん。痛い思いさせてごめん。ほら、ナデナデしてあげる」
「ふふっ……そうすればなんでも誤魔化せると思ってますね……」
「ぎくっ。それより、いきなり上手くいく方が吃驚だよ。そのうち慣れるから大丈夫」
「……は、はい。でも折角こんなホテルまでとってもらったのに……ヒクッ」
「ちーちゃん、泣かない。ホテルなんてただのおまけだから」
「でも。グスッ……プロデューサーに、ヒクッ…わたし……ふぇっ、ふぇぇん」
「ほらほら、もっとこっちおいでって。今日はもう寝よう?」
「グスッ、グスッ……は、はい……グスッ」
「辛かったよな、ごめんなちーちゃん。次は痛くないようするから、ほら、よしよし」
しくしく泣き続ける千早を懸命に慰め、眠りについたのは夜もだいぶ更けたあとだった。
ま、次はきっと大丈夫だから。



目が覚めた瞬間、プロデューサーの腕の中にいたことは嬉しかったけれど、
昨夜のこと ー本当ならプロデューサーに初めてをあげて、大人になっているはず―
それを思うと、まだ処女のままだという現実が、少しだけ悲しかった。
あの痛み。
処女を失うときは痛いのだと話には聞いていたけれど
まさかあんなひどい、身を裂かれるような痛みだなんて思いもしなかった。
けど。
ふと寝顔を見る。こんなだらしない、いえ、無防備な寝顔をしてはいるけど
この人は、私が痛がっていたらちゃんとストップしてくれた。
最後まで、無理矢理続けるというとこではなくて。
それが私にとってよかったのだと思わないと。
慣れればちゃんとできるから、そう言ってくれたことを信じないと。
だって、大切なプロデューサーが私にいってくれたことなのだから。


2 

「私の家で、ですか?」
「そう。リラックスできる環境というのは大事なものだからね」
「そうなのですね。あ、でも……この前はあんないいホテル取ってもらいながら…」
「それ、気にしなくていいから。千早の記憶に残るのが、記念すべき最初の場所っていうより
 最初の相手であるこの俺って方がいいからね。だから家でするのが一番だよ」
まあ、言っていることはともかく……プロデューサーの前向きさというのは
私も見習ったほうがいいの……かしら?

「でも、少し照れてしまいますね」
「そうだね……」
ここは、私とプロデューサーが一緒の時間を過ごす場所で。
いっしょに台所に立ち、お料理をして、一緒にご飯をたべ、テレビを見て。お仕事の話をして。
それから。はじめてキス、したのもこの部屋で。
ああ、ならやっぱりこの部屋で初めてというのは、よかったのかも知れません。
ホテルの時に感じなかった、気恥ずかしささえ除けば、なのですが。

それでも映画をみながら急に抱き寄せられて、キスをしてもらうと。
この前みたいに体が熱くなってきて
プロデューサーのえっちな手も、かえって待ち遠しくなってしまい
でも触ってほしいなんてお願いは恥ずかしすぎていえるわけがなくて
もどかしい思いを抱きながら、悶々とじらされて、
お姫様だっこしてもらってベッドに運ばれて、ああ、いよいよ今夜……





場所をかえた効果もなく、2回目も私が痛みを我慢しきれず失敗に終わってしまった。
最初の時にくらべると、奥まではいるようになってきたとプロデューサーは言うけれど
私にはあまりその違いはわからない。
その翌日も同じようにチャレンジし、同じように失敗。
それでもプロデューサーは、もうそろそろ大丈夫だろう、なんて呑気に言っているけれど。
疑うわけではないけれど、本当にこんなことで大丈夫なのだろうか。
そんなことを考えているうちに体を洗い終わり、ゆっくり湯船につかって温まる。
リラックスするため、それとアルコールの効果がほどよく現れるように。
行為の流れが分かってきたおかげで、緊張をして力んでしまうことはなくなってきたけど
心と体をより一層解きほぐすため、お酒の力を借りる。
抵抗は無くもなかったけれど、鎮痛効果もあるといわれれば反対の余地はない。
いつまでもモヤモヤと抱え込んでいるものを、少しのワインで解決できるのなら安いものだ。



自分の適量なんてまだわからないから、最初は一杯だけ口にする。
ほんのり甘くて、ほんのり酸っぱくて。味なんてよくわからないけど
最初の一口を飲み込むと、胃の中がほっと熱くなった。その感触がおもしろくて
続けてもう一口、二口ワインを飲んでみる。
ふふっ……こういうのも結構いいかもしれませんね……


「始める前に千早がどの程度酔うか確かめておかないとな」
「確かめる……ですか? あっ、んんっ……」
いきなりキスされて、頭が少しクラクラとする。これはワインのせいじゃない。
そんな私にお構いなく、プロデューサーの舌がぐいぐいと入ってこようとする。
唇のキスは好きだけど、舌を絡めあうのは、エッチな感じがすると思う。嫌いではないけれど。
ぐいぐい押し込んでくる舌に攻め込まれながら、押し返したり吸い付いたり
そんなことをしている間に、気がつけばえっちな手がもうおっぱいを揉み始めている。
「んあぁ、やだぁ、だめです、勝手におっぱいさわっちゃ」
「どうしてだよ、嫌いだってっけ?」
「もっとキスしてくれないと駄目です!」
覚えているのは、このあとプロデューサーがワインをラッパ飲みして、そのままキスしてきたこと。
どれだけ口移しで飲まされたかは全く覚えていない。


酔っているという意識はないまま、気がついたらベッドにいた。
プロデューサーも裸になっていて、私の上にまたがっておっぱいを吸っているのが見える。
「プロリューサー……おっぱい、おいしいれすか?」
「うわっ……まだ酔ってるな」
「ちーちゃん、よっぱらってなんかいません。へんなこというとおっぱいあげませんよ?」
そんなことを口走りながら、自分の乳首から離れないプロデューサーの頭を一生懸命なでていた。

既に彼の手はわたしのアソコに伸びている。
おっぱいを吸われながら、彼の指先があそこをクチュクチュさわるいやらしい音。
キスして、おっぱいを触るだけでわたしのアソコは濡れるって彼がいってたけど
いっぱい濡れてるからこんなに気持ちがいいのだろうか

「こっちも味わっていいだろう、千早?」
指先の動きが強くなるにつれ、くちゅくちゅという音も大きくなる。
時折、クリ○リスを包むところまで指先が滑ってきて、そのたび背中がゾクリと震える。
こっちって? 味わうって?
「千早のここにキス。いい?」
彼の囁きが、アルコールで少し靄のかかった頭の中に響いていく。
わたしのどこにキス、するのですか……キスは好きだから一杯してほしいけど……
「こっちにキス、だよ?」
彼の指で、クリをつんっ、と突付かれる。
「んんっ!? そこはらめれすっ」

まさか、そんなところにキスするだなんて。
懸命に首を振って否定しても、彼はちっとも気にせずに何度も耳元で囁き続ける。
「なぁ、いいだろ。ちーちゃんの女の子にキスしたい」
「だ、だめ! そんなとこ、キスしちゃだめぇ!」
「気持ちいいよ、ここ。どうして駄目なのかな」
「そ、それは…その、きたないから」
「違うな、ここは女の子の体の中で一番きれいで神聖な場所だよ。汚いわけがない」
「やぁ、いやぁ。……それでもダメなのぉ、そんなところにキスなんてへんです!」

彼の顔が離れていくのを見て、諦めてくれたと思ったのだけど、違った。
私の足元に腰をすえると、いきなり両足を大きく開かされた。
「いやだぁ、だめぇ、やめてください」
必死で足を閉じようとしたけど、体に力が入らなくて、全然抵抗できなかった。
頭と背中はベッドについたまま、腰だけ高く持ち上げられ、大きく開かされた足の間に
彼の顔が近づいてくる。
すごく真剣な顔。目があう。
ふるふると首をふって、ダメってお願いしたけど。
やぁ、いやっ…それ以上…ちかづけちゃだめ
目が離せなかった。
プロデューサーの口が……わたしのあそこに…チュッってしたぁ…
あっ、んんっ…
ダメだっていったのに…プロデューサーのいじわる
や、また…やぁ、舐めないで、いやだぁ、やめぇ、やっ
ああああっ、あああ、あっ。ああああ…

キスだけっていったのに、プロデューサーは何回もちゅーしてから
舌をだしてぺろぺろと舐め始めて
恥ずかしくてやめてほしいのにプロデューサーの舌がちろちろとするから
変な感じがとまらなくて。
そのうち指でひろげられて、舌がだんだんと入ってくるのがわかって
もうそれがおかしくなるほど変な気持ちで、声がとまらなくなって
頭の中が真っ白になって


気がついたら、朝だった。





お酒を飲んだといっても、ほんの僅かな量のはず。
自分でも酔ったという感覚はほとんどないのだけど、なぜか昨日の記憶がほとんどない。
何があったか、何をしたか、何をされたか。
ベッドのシーツは綺麗なままだし、洗濯機に汚れ物はなく、お風呂で体を確かめたけど
それらしい痕跡は見当たらない。
つまり4回目の失敗、それだけは間違いなさそうだった。



唯一はっきりしたのは、翌日から急にプロデューサーの態度が変ったこと。
それと彼が顔に大きな痣をこしらえていたこと。
まさか、私のせい?
もしかして、酔って大暴れでもしてしまったの?

「おはようございます、プロデューサー」
「ああ、千早か。おはよう」
「あ、あの…プロデューサー、その顔の痣は一体…」
「これか、これは何でもないから気にするな」
「何でもないって、そんなひどい痣が…」
「悪いけど、いまちょっと手が離せない。後にしてくれないか」
「あの、それってもしかして私のせいなのですか?」
「俺がいったこと、聞いてなかったのか? 忙しいんだ、あとにしろ」
「あっ、す、済みません…」

仕方なく休憩室にでも行こうかとしたら、こちらの様子を伺っている音無さんに気づいた。
ひょっとして何か知っている? いや、知らなくても話は聞いてくれるだろう。
プロデューサーとの事は内緒だから、そのあたりは上手く誤魔化さないといけないけれど。
とにかく誰かと話をして気を落ち着きたかった私はレッスンルームに音無さんを誘った。



「収録が遅くなったから事務所に戻らず、家まで送ってもらった。そのまま千早ちゃんちで打ち合わせ
して、そのあとプロデューサーさんが何故かワインを飲もうと誘ってきた」
「は、はい…大体そんなところです」
「で、何故かどれだけ飲んだか覚えてないまま、気がついたら朝だったと」
「はい。プロデューサーは夜のうちに帰られたようでした」

(酔ったあげくの夫婦喧嘩で、あなたがぶん殴ったに決まってるでしょうが……)
そう突っ込みたいけど、相談に乗った手前、そうもいかない。
それより相談にのるフリをしながら、千早ちゃんを冷やかしたほうが面白い。
あんなあからさまな態度を取っていながら、まだばれてないと思っているのだろうしね。
普段当てられっぱなしの腹いせだ。少しくらいは構わないだろう。

「痣の様子から見て、誰かに殴られたっていうのは間違いなさそうね」
「な…殴られた?」
「千早ちゃんもワイン飲まされたんでしょ」
「はい。でもほんの少しだけです」
「少しだけでも、朝まで記憶がないほど酔うんだから。プロデューサーさんが悪いわね」
「え、プロデューサーが?」
「千早ちゃんを酔わせて変なことをしようとしたんじゃないかな…?」
「プロデューサーはそんな人ではありません!」
「あら、そんなのわかんないわよ? 酔うと結構人が変るタイプかもしれないし」
「そ…、それは…昨日はそんなことありませんでしたから」
「記憶、無いんじゃなかったっけ?」
「かなり思い出してきました。えっと、普通に話していただけで、変なことなんてしてません」
「……う、うん、じゃあどうして痣が出来たのかってことになるんだけど」
「た、多分…私がふざけてて、手が当たってしまった、というのはどうでしょう?」
「言ってて無理があるって自分でも思うでしょ? もう言っちゃえば? 楽になるわよ。
 それに本当に困っているのだったら、真剣に相談のるわよ?」
 
「お、音無さん…あの、実は私……」

「そうだったの。で、昨日はプロデューサーさんに押し倒されて、思わず殴っちゃった、とか?」
「そうではなくて…その」




気がつけば、全て音無さんに話してしまっていた。
そして、その代償がこれ。
もらった薬を手のひらで転がしてみる。
本当に大丈夫なんだろうか、こんな薬使って。



「話を聞く限りでは、プロデューサーさんの優しさも原因のひとつみたいね。だから、これ。
この錠剤をプロデューサーさんに飲ませるの。よく溶けるから、砕いて飲み物に混ぜればいいわ。
服用後約30分で効果が始まり、2〜3時間は持続。個人差はあってないような程度だから、
気にしなくてもいいと思う。それと飲ませるのは1錠だけでOK。
どんな草食系男子でも、間違いなく肉食系、ううん、それどころか肉食獣間違いなしよ!」

そいって渡された錠剤のシート。印刷してある文字、一体これは何語なのだろう?

「こっちのチューブは千早ちゃん用。性交時、濡れにくい人が使う潤滑ゼリーに、麻酔剤と同じ成分を
配合した優れものよ。挿入時の痛みを緩和してくれるから、千早ちゃんの悩みにはピッタリね。
即効性だからする直前に塗ればいいわ。効果は約1時間ってとこだから、タイミングは気をつけてね
あと、薬はあくまで補助的なものであって、大事なのは二人の気持ちと思いやりだからね」



ゼリーはともかく、肉食獣の意味が今ひとつ理解できないのだけれど、そこは音無さんを信じるしかない。
それより今夜は、まずプロデューサーとお話しすることが大事な目的なのである。
その結果次第では、こんな薬は不要になる可能性もあるわけだから
余計なことは考えず、話に集中しなければいけない。

「……で、話って? 仕事のことなら事務所でよかったのに」
「わかっているくせに。 私が聞きたいこと」
「やっぱり、これか……」
プロデューサーの手が頬の痣をなでる。
「あれ以来、プロデューサーの態度、変です」
「…………」
「それが私のせいでしたら謝ります。でも何故そうなったか、理由を教えてください」
「大したことじゃない」
「なら、どうして教えてくれないのですか?」
「千早は悪くない。それで勘弁してもらえないかな」
「それならあんな冷たい態度取られること、納得できません」
「そうじゃないんだ、千早。謝らなきゃいけないのは俺のほうなんだ」
「プロデューサーが、ですか?」

酔った勢いで無茶をしかけ、それを私が止めようとしてこうなった、ということらしいが
では、その無茶なことが何かは頑として話そうとしなかった。
「その時がきたらちゃんと話す、そういうことじゃダメかな?」
そういってそんなに深々と頭を下げられたら、無理なんていえないじゃないですか。
「わかりました。今は聞きません。その代わり……今夜、そのぉ…」

ほんの二、三日だけの仲違い。それがこんなに堪えるものだなんて。
交換条件みたいで少し気が引けたけど、仲直りのためなら少々のことは平気だ。
三度目ならぬ、5度目の正直。私は音無さんにもらった薬に全てをかけることにした。
プロデューサーには薬を仕込んだ飲み物をお出しして、効果が現れるまでの30分は
部屋の準備とお風呂。私の準備はお風呂でできるわけだし。 



あんな真剣な顔して相談事だっていうから何かと思えば。
“痛くて全然入らないんです!”
小鳥は、顔を真っ赤に染めた千早を思い出す。
うふふっ、千早ちゃん今頃うまくいってる頃かしら? あぁ、羨ましいなぁ……
あの薬、私の初めて用に取っておいたんだけど、千早ちゃんの役に立つならまあいいかな。
私だってあれさえあれば、最初からクライマックス!だもんね、きっと。
なんて考えてたらテンション上がりすぎちゃった。
よし、今夜は私も薬を使って楽しんじゃおうかな。
薬といっても媚薬なんだけどね、ふふふふふふふ。ぬりぬりぬりっと。
さて、じゃあ…今夜はどんな妄想で。

ん? アレ…
なんか全然来ないんだけど……おかしいな
賞味期限切れ…てことないか。でも変だなぁ…来るどころか、感覚なくなってきたんだけど
どういうことかしら、これ。
んっ、やっ、ほっ、よいさぁっ、………あれぇ、全然こないわねぇえ…





恥ずかしがりやのちーちゃんが、自分から“今夜も”なんてな、はっはっは。
うまく話がついたからいいようなものの、流石にアレは言いにくいわ。
にしても、暑いなこの部屋。暖房効きすぎじゃないか?
千早は本当に覚えていないのか? そこまで酔ってたとも思えんが。
まあ、今日も痛い痛いって泣くんだろうな。 俺も泣きたいけどな、この生殺し。
思い切ってやっちゃったほうがいいのかもしれないけど。てかそろそろやっちゃうか。キリないし。
この前は結構クンニで感じてたみたいだから、その辺り絡めていけばいいかもな。
いやいや、思い出しただけでこんなにギンギンって、どうなのよ俺って。
フゥー、いやこれ漲りすぎだろ ハァ、ハァ、暑いな。俺も脱いどこう。
ハァ、ハァ、やりてえな、早く。
風呂からさっさと出てこい、ハァッ、ハァッ、ハァッ…


「えっと…塗るのは中に…んっ、ちょっと恥ずかしいなぁこれ…んしょっと…こんなもの?」
小鳥にもらったチューブの薬を指で丁寧に塗りこんでいく千早だが、
それが本来渡されるべきものではない事に気づくべくもない。
正しい薬剤であったなら、塗った直後からその部分の触覚が失われていくはずだったが
今、千早の膣内に現れているのは、メントールに似た微かな刺激感だった。
無論、比較的感覚が鈍い部分のため千早がそれを感じることはない。
「よし、これで準備は完了ね。プロデューサーの方はどうなのかしら」

「プロデューサー、お待たせしました。お風呂どうぞ。えっ、プロ…きゃっ」
「遅いじゃないか千早。待ちかねたぞ?」
「あ、あの…お風呂」
「いいから、ほら。やるぞ」
「や、やるって、ちょっと痛いです、プロデューサー? んんっ…んむ!?」

一旦立ち上がった性欲は、あっという間に俺の意識を真っ赤に塗りつぶしていった。
やりたいやりたいやりたい、ただそれだけを念じながら先ほどから感じる妙な暑さと焦燥感にかられ
おれは着ているものを全て脱ぎ捨てていた。
丁度そのとき、風呂を済ませた千早が寝室にもどってきたので
俺はすぐさま抱き寄せる。何か言っているようだが、恐らく取るに足らないことだろうから
聞き流しておき、とにかくすぐにやらないとやらないとやらないとやらないとやらないと、とにかく
唇を重ね、すぐさま舌をまさぐりはじめた。
最初戸惑っていた千早も、すぐ俺の意図を察して舌で応えてくれたので、それに満足し体に手を伸ばす。

「やっ、そこ…」
キスで始まり、それが唇から首、胸と順番が決まっている、千早はそう思い込んでいた。
そのため、彼の手が唐突に性器に伸びてきたことで飛び上がりそうになった。
風呂上りの湿り気が残る瑞々しい花びらが無遠慮に掻き分けられ、
いきなり内部に侵入してきた指が、塗ったばかりの薬剤に触れてにちゃりと音を立てる。
「もうこんなにヌルヌルに濡らして、千早はいやらしい子になったな」
「ち、違います…それ…は、あっ、やぁ…」
言いかけた言葉はすぐ、男の指に封じられる。
「何が違う。ほら、自分でも触ってみろよ」
男の手が強引に千早の手をそこに引っ張る。
自分の指が膣の中に滑り込んだ刺激ですら、ぴくりと腰が反応してしまう。

千早が麻酔剤入り潤滑ゼリーと信じ、自ら中に塗りこんだ媚薬。
それが体温の上昇と分泌を始めた愛液に反応し、体内に浸透して効果を現し始めた。
その効果、即ちその部分への触覚が何倍にも増幅されながら、性感へと変換され神経網に伝達される。
それは、いまだ処女である千早の未熟な性器、及び性感に対しても一切容赦がなかった。
本来なら男から何度も愛撫を受け、何度も交わりながら芽生えさせていくべき性感、
それが男と彼女自身の指による愛撫だけで、ほぼ強制的に開発されようとしていた。

「いやぁ、だめ、やだ、やだ、やめてぇ、だめ、とめてぇ……」
うわ言のような喘ぎ声による否定の言葉、それが行為に対するものでないのは、
千早の表情だけみれば十分理解できたであろう。
ほぼ未開発の処女に与えられた過剰なまでの感覚が、無意識に与える警告。
このままでは気が触れてしまうのではないか、という危機すら感じさせる膨大な快感の波。
だが、もうぐしょぐしょに濡れきった秘裂をかき回す男の指も、一緒にまさぐる自分の指も
その動きを止める気配は全くなかった。
十分こね回され、溢れ出た愛液とともに流れ出した媚薬が、今度は性器表面への侵食を始める。
今は大きく開き始めた千早の可愛らしい花弁、そして一番敏感な肉芽を隠す包皮にも浸透しはじめる。
下半身の小刻みな震えは、今はもう全身に及び、男の支えがなければ崩れ落ちるほど大きくなっていた。

「俺がいいと言うまで自分の指で触っていろ」
男はそういって、千早を支えていた腕の力を抜き、膝をつかせる。
「左手はこっちだ」
無抵抗に等しい千早の手に股間にそびえたものを握らせる。
「あっ、い、いやぁ」
反射的に引っ込めかけた手を男が押さえる。
「しっかり握れ。おら、よく見てみろ。これはなんていうんだ?」
「あ……あぁ、プロデューサーの、お、お…」
「言えないのか? 千早は自分の処女を捧げる相手の名前もいえないのか?」
「お……おちんちん…です」
「よし。ちゃんといえたな。ご褒美をやるから口を大きく開けろ」

性器への、口による愛撫。
男の意図に恐怖と嫌悪を感じた千早の理性は、当然のように拒否を命じようとした。
だが、いまだ動きつづける自らの指が、数日前そこに与えられた男の口による洗礼を
記憶の奥底から無理矢理掘り起こし、理性に突きつける。

そうだ、あの夜。わたしはプロデューサーにここにキスされ、いっぱい舐められて。
きたないから、よごれている場所だからすごくいやだったのに
いつのまにか、気持ちよさのあまり大きな声をだしてしまっていた……
それだけではなく、もっといっぱいなめてくださいって、自分からお願いもした……
その時男の舌が示した動きを、無意識に自分の指でトレースしながら
千早は無意識のうちに、自らの思考を書き換えていく。
拒否と嫌悪はほぼ完全に消去され、変わって義務と奉仕がそれに取って代わる。
千早は魅入られたように、その太い男根を受け入れるため唇を開き始めた。


男の顔に浮かんだのは、邪悪なまでの愉悦の表情だった。
汚れを知らないあどけない唇、それが開ききるのも待ちきれなかった。
男は千早の頭を掴むと、強引に己の股間を押し付けた。
「千早、口を大きく開け。歯はたてるなよ」
命じられた千早がその通りにした瞬間、その口内を男の剛直が貫く。
「んぐっ! むぐぁ、んぐむ…んっ、むぐぅ!?」
圧迫と苦痛で上げようとした声も、その太さにふさがれてくぐもった声にしかならない。
なんとか逃れようとしたが、千早の力では男の欲望に太刀打ちできない。
前後に動いたときにできるわずかな隙間から、懸命に呼吸を続けようとあがく。

膣ほどの圧迫はないものの、熱い千早の口内は男に擬似的な性感をもたらす。
千早が苦しさを我慢できず、涙をうかべながら懸命にもがくのにもかまわず
男は頭を動かすだけでは飽きたらず、自ら腰を振り始めた。
千早にとって幸いだったのは、絶頂までごく短時間だったこと、それだけだった。
男が「行くぞ」と短く叫んだ言葉の意味が千早には理解できない。
懸命に呼吸しながら、喉のえづきを我慢し、命じられたとおり、男根に歯を立てないようしながら。
その瞬間が来た。
咥えている太い先端部が一瞬大きく膨らんだと思うと、その直後、喉の奥に温かい液体が叩きつけられる。
「飲み込まず、口にためろ」
そういわれなければ、思わず吐き出そうとしていたかもしれない。
学校の性教育で学び、言葉だけはしっている男の精液。無数の精子を含んだ白い液体が
女の子宮に発射されると、そこで卵子と結合してこどもができる。
その精液が、自分の口内にたっぷり放たれているという信じがたい現実。
呆然とした千早にはかまわず、男根は何度も脈打ちながら、口内を粘りつく液体で満たしていく。
わずか数秒間の出来事だったが、千早にとって永遠に続くかと思われた男の射精。
それがようやく終わり、口を満たしていた男根が引き出され、あとに精液だけがたっぷり残された。

「千早、千早の口の中、すごく気持ちがよかったよ……」
屈んだ男が千早の頭を優しく撫でる。
口に含んだままの粘っこく青臭い男の体液、それをどうしていいかわからない千早は男を見あげる。
「よくがんばったね、えらいよ、千早」
欲望を果たして満足したらしい男が、見せ掛けだけは穏やかなまなざしを返して答える。
それでも、さっきまでの怖い雰囲気がなくなったことで、安堵した千早は思わず涙ぐむ。
「さっ、口あけて見せてごらん?」
「……んんっ、んっ……」
「俺の精液、こぼさずに全部受け止めてくれたんだ。それ、どうしたらいいかわかる?」
「……んっ、んくっ?」
吐き出すか、飲み込むかの単純な二択。
深いキスを交わした時に、お互い交換した唾液を何度も味わって飲んだ。
この前、男に性器を口で愛撫されたとき、わたしのあそこから出る液を彼が舐めて飲みこんだ。
だから答えは簡単だった。

飲み干すしぐさをしてから首を小さく傾げたみせた千早に、男は満足そうな微笑を見せる。
「うん、そう。千早に俺の精液、全部飲んでほしい」
男の命令ではなく願い。
叶えることが喜びなら、命令されるより、お願いをされることが、はるかに嬉しかった。
千早は口を閉じ笑顔を浮かべると、口内に溜まった精液を飲み下していった。
千早の美しい喉が上下し、己の精液が飲み干されていく様子を見つめながら、
男はその髪をいとおしそうに撫で続けていた。
大量の射精をしたばかりなのに、全く萎える様子のない男根。
男は唾液にまみれた先端に滲んだ精液を指でなすり取ると、千早の前に突き出す。
それを千早は、当然のように唇で包むと舌で丁寧に舐め取った。



千早を抱え上げ、ベッドに運ぶ男の手つきは丁寧でやさしかった。
その獣欲に塗りつぶされた意識とは全く関係なしに。
すでに男の意識が、尽きることなく沸き続ける性欲を満足させることのみで占められていた
ことを千早は知る由もない。
仮に知ったところで、男を受け入れることに喜びを感じ始めた千早にとって
関係のないことなのかもしれない。


仰向けに寝かされた千早の両足に男の手がかかる。
千早は下半身の力を抜き、男の手に自らの体を委ねきる。
太ももが大きく割り拡げられると、先ほどまでの愛撫で十分すぎるほど潤いつくした
千早の花びらも、恥ずかしそうに花弁を開いて、小さな膣口をのぞかせた。
男が足の間に膝をつき、先端をその膣口にゆっくり押し当てる。
そのまま腰を進めると、先端は簡単に入り口を潜り抜けて膣の中に潜り込んでいき、
すぐその先にある抵抗に押し当たる。
これまで何度か、その痛みで男根を押し返していた千早の処女膜。
媚薬の効果はこの時ほぼピークに達しており、男根の接触だけですら、千早に快感をもたらす一方、
膣壁を押し広げ、処女膜を圧迫する痛みも同じように増幅させていた。
その相反する感覚がどのように知覚されていたか、それは千早本人にもわからない。

「ほら、力抜かないと痛いだけだぞ?」
そう囁く男の言葉は、もう半ばも耳には入っていなかった。
男根が侵入してくるたびに鋭さを増す痛みと快感。拒絶と渇望。
その二律背反について、千早は言葉で拒絶し、体でそれを受け入れることを選んだ。

「い、いたい、いだいいだい、いたいよぉ、さ、裂けちゃう……」
「まだまだこれからだぞ、千早?」
「やぁ、だめぇいたいよ、プロデューサー、いたいいたいやめて、しんじゃう」
「今日は最後まで止めないからな、ほら、もう少しだぞ」
「ぎゃあああ、やめでぇ、いだぁぁぁぁい、いだいぃぃ、やぁぁぁ、だめぇぇ」
「ほらほら、もう少しだぞ、千早。ああ、きつくて気持ちいいぞ、千早、ちはやぁぁ」
「い゛だぁいい゛だい、もうや゛だあ゛、あがぁ、ぎゃぁぁ、やぁ、いだいぃ」
悲痛な叫びが間断なく発せられる中、男は侵入の力をまったく緩めない。
薬効により増幅された痛覚及び快感。
身を引き裂くような痛みの奥底から湧き上がり押し寄せる快感。
ついに男根がその根元まで千早の膣内にまで埋め込まれ、ようやく行為の目的が果たされたその時、
男が千早の唇を求めたのは、ほんの気まぐれにしか過ぎなかった。
だが千早にとっては。
胎内に迎え入れた男による破瓜の苦痛と快感。そして彼女が強い愛情と錯覚したくちづけ。
その三つが、千早の体と心に一つの深いしるしを刻み込んだ。
千早にとってのセックスが、愛と苦痛と快感であると強く認識された瞬間でもあった。

男の容赦ない動きは、完全に侵入を果たしたあとも止まらない。
だけではない。邪魔になっていた処女膜を完全に切り裂いて無力化したことで
動きの自由を得た男根は、最初とは比べ物にならない大きい動きで千早の処女膣を
押し広げながら蹂躙し続けた。
仮にそれが媚薬以外のものであったなら、千早が得たのは破瓜の苦痛のみであり
とっくに意識を放棄していたかもしれない。
だが媚薬は、苦痛を増幅させる以上に、快感のほうをより大きく増幅させていた。
だから千早は男の激しい動きに最後までついていくとこができたのであり、
男が果てる最後の一瞬まで克明に記憶できたことは、彼女にとって幸せ以外の何ものでもなかった。


最初、叩きつけるように乱暴だった男の腰使い。
それが徐々にペースを保ったリズミカルな動きになってきたころ
引き裂かれたような痛みは変らぬまま、膣内部からわきあがるもどかしい快感と、
時折男根がこすれるクリトリスから突きあがる快感、それらが混ぜ合わさって
千早の中を満たしていく。
先ほどまで耳に吹き込まれていたいやらしい暴言も、今はもう荒い呼吸で精一杯なのだろうか。
もっといじめてくれてもいいのに。
もっといっぱい、もっとはげしく、もっと痛めつけて。
そうされることでもっときもちよくなれるのなら。
そんな風に考えていた余裕も、高まっていく男とシンクロするように頭の中を光がちらつきはじめると
もう千早は男にしがみつき、足を絡み付けて最後の時を待つだけだった。

「い、いくぞ、千早、ちはやの中に、だ、だすからな」
「はい、いっぱい出してください」
男が荒い呼吸とともに搾り出す、最後の宣言。
千早が待ちわびた、約束の言葉に彼女も応えることができた。
ああ、これでわたしはプロデューサーのものになれる。
だいすきなプロデューサーとひとつに。

やがて、男の動きは激しさを一気に増す。
腰を深く、より深く千早に叩き付けると、その最奥に達したところで動きをとめ
子宮に向けて夥しい量の精液をあびせかけ、果てた。
体の奥深くに広がっていく男の温かい精液を感じながら、千早の意識もゆるやかに薄れていく。


どれくらい時間がたっていたのだろう。
千早が意識を取り戻したとき、プロデューサーの腕にしっかりと抱きしめられていた。
かすかに身じろぎしただけで、下半身のその部分に鋭い痛みが走る。
ちゃんと最後までできた……のですよね?
まだ中に圧迫感を感じ、そっとそこに手を伸ばしてみる。
もう、プロデューサーのものは入っていなかった。
なのに、ずっしりとした圧迫感とズキズキとした痛みが残っている。
秘部を確かめた手を胸元までもどすと、それに気づいた。

破瓜のしるしが、指先を赤く染めていた。

その手を掴んだプロデューサーが、指先についた血をペロリと舐めてしまう。
「卒業おめでとう。これで千早も立派な女になったんだな」
「おんなになるより、プロデューサーのものになれたほうが嬉しいです……」
実際、それは千早の本音だった。
セックスという行為そのものが千早本来の望みではない。
あくまで、プロデューサーとひとつに結ばれること。この先もずっと、できれば永遠に。
予想を超えるとてつもない痛み、それを耐えることができたのは
いうまでもなく相手がプロデューサーだったから。
それが薬の効果だったのか、少し乱暴で怖かったけれど、ときには強引なのもいいのかもしれない。
優しい時には遠慮して、ずっと失敗続きだったのだし。
でも、この先プロデューサーとエッチなこと……セックスするときって。
強引で乱暴で怖いプロデューサーに痛くされるのと、それまでのプロデューサーみたいに
優しく穏やかにされるのではどっちがいいのだろうか。
音無さんがあの薬を私にくれたのは、いったい何を考えて、なのだろうか?

「それより、痛いのはどう?」
「……んぐっ、ぐすっ……いたい、まだすごく痛いですよぉ、プロデューサー……」
「そんな泣き真似しなくても、ナデナデしてあげるから」
「キスもしてくれないと、その、我慢できそうにありません……」
そういって、千早は男の背中にまわして手に、力をこめる。

実際のところ、体の内部はまだズキズキとひどく痛んでいる。
油断したら泣きたくなるくらいに。
でもセックスって、痛いけどとても気持ちがいい。
ううん、痛いから気持ちがいいのかしら。
ようやく果たせたことの満足感を抱え、千早は男の胸でそっと目を閉じる。



◆エピローグ

渡す薬を間違えていた。
その事実に気付いた瞬間から、小鳥の心には1秒たりとも安息がなかった。
こともあろうに、まったく逆の効果をもたらす薬を渡してしまった。
それが、どういう結果をもたらすか、考えるだけでも恐ろしかった。
出勤したくない。
いや、千早ちゃんの顔を見るのが怖い。
もしあの薬を使って行為に及んだ場合、どれだけのトラウマをもたらすことになるか。
場合によっては、この先千早ちゃんは一生セックスにトラウマを抱えていくことになりかねない。
だが、逃げるわけにも行かない。全ては自分の責任なのだから。
たとえ許されなくても、千早ちゃんに謝らなければいけない。


「おはようございます!」

(来た! 千早ちゃ……ん? あれ……なんか元気一杯?)

「音無さん、おはようございます!」


満面の笑顔を浮かべた千早が近寄ってくる。
いつも颯爽と歩く千早ちゃんだけど、今日はなんかガニマタぎみ……?
てことは……性交、いや成功しちゃったってこと?

デスクまで来た千早は、周囲をうかがって、人気の無いことを確認してからいった。

「あの、音無さん。あ、ありがとうございました」
「あ、ああ、いえ、いいのよ、上手くいった……のかしら?」
「はい。すごく素敵な夜でした。って、やだ、私ったら……」
「ううん、い、い、いいの、いいの。よかったわね」
「あの、ところで音無さん、ひとつお願いがあるのですが」
「な、何かしら」
「あの薬、まだお持ちでしたら、わけていただけないかな、なんて、てへッ……」


おしまい。


おまけというなの番外編

その後のちはやさん   いやいや、この話に太巻きは合体無理ですから。

【はるかさんと太巻き】
「ねえねえ、千早ちゃん。ほら見てこれ」
「ちょっと春香、何て食べ方してるの。はしたないからやめなさい!」
「あれぇ、なんで千早ちゃんははしたないって思ったのだろー?」
「あ、え、そ、それのその……知らないわよ」
「んふふー? そういいながら、実はしってるんじゃないのー?」
「知らないっていってるでしょ。からかわないで」
「ふーん、知らないんだ。でも実際大変だよね、こんなに太いと」
「大丈夫よ、その半分くらいしかないから」
「え? 何が半分?」
「え、あ、その……」
「私はお昼食べたばかりでこんな太いの食べるのが大変だっていったんだけどね〜」
「そ、そう、そうよ。私もそう思ったの」
「で、何が半分くらいなのかな。私にも教えてくれるかな、その何かっていうの」



【ぼうそうちーちゃん】
「おいしそうに食べるな、千早は」
「え? あの、恥ずかしいからじろじろ見ないでください」
「な、デジカメあるから写してもいいだろ?」
「なっ、だ、駄目です、そんなの」
「太巻きはフォトショップでちょちょっとレタッチしておくからさ」
「そ、そんなこともっと駄目です! 絶対駄目です!」
「いいから、ほら両手でしっかり握って、大きくお口あけて、ちょっと潤んだ目線こっちで」
「そういうのは夜にちゃんとしてあげますから、今はカメラしまってください!」
「千早おねえちゃん、夜に兄(C)に何してあげるの? 夜も太巻き食べるの?(2828)」
「なっ、ちょっと亜美、真美!」

END

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