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[SSメモ] 070 2011.7.14 BLOG限定公開のSSもどき。

2011年2月に書いた「千早OVERDOSE」という薬物絡みの話を書いた後思いついたネタで、
千早とPが恋愛関係になく、さらにプロデューサーは担当アイドルを女として見ないと
いう今までのラブラブSSの正反対を行く設定。

一応は才能と実績あるプロデューサーということで、このPについた千早も順調に
ランクをあげていくが、ある日担当交代の噂を聞き、それは困ると焦り始める。
またその頃、担当Pにまつわる黒い噂(アイドルに手をだす?)を聞いた千早は、
それを逆手に取り自分の体を投げ出すことで担当変更を阻止しようと考える。
そしてある夜、無謀にも深夜のプロデューサー宅に突撃するのであったが……
会話文がメインで状況描写などは適当。

という話なんだけど、途中まで書いたところで完結しそうに無くなって
捨てるのも勿体無いから、ブログ限定として強制完結したおはなし。
中盤一部の描写がプロットのままっぽいところがあるのはこのため。
まじめにかけば、多分PがもっとSで、結局最後は千早をごちそうさん
しちゃう話になったのかもしれない。


■SS本編ここから■

「誰かと思えば君か」
「あまり驚かないのですね。お邪魔しても?」
「こんな時間に来るってことは重要な話でもあるんだろ?」
「はい。単刀直入に申し上げます。担当変更の噂、もしあれが本当なら次もまた私を選んでください」
「噂を信じてそんなことを頼みに来たのか。ひょっとして君は馬鹿なのか?」
「噂はどうあれ、私にとっては切実な問題ですから」
「大袈裟だな。君の実力なら担当が誰であれアイドルを続けるのは簡単だと思うが」
「アイドルで終わる気はないと前にもいいました」
「ともかくここで即答できる話じゃないのは分かるだろ? いくら君が無謀な礼儀知らずでも」
「馬鹿の次は無謀、その上礼儀知らずですか」
「深夜アポ無しで来るのが礼儀知らず。女の子が男の部屋にのこのこくるのが無謀」
「遅い時間の訪問はお詫びします。ですが無謀では……だってプロデューサーは」
「いくら君が無謀な馬鹿でも、俺の噂を知らないとは言わせないぞ」
「もちろん、聞いてはいます。ですが噂は噂です。真実かどうかは分かりません」
「真偽より噂が出る時点で怪しいと思え。あと小娘が聞いたような口たたくんじゃねえ」
「では、噂は真実なのですか?」
「あのな如月、お前は痛い目に遭わないと物事を覚えられないタイプか?」
「そうかもしれません。私、馬鹿だそうですから」
「ふん。ならせっかくの機会だ。痛い目にあっていくか?」
「べ、別にかまいません。もとより覚悟の上ですから」
「本当かぁ? 勇ましい覚悟のわりには声が震えているけど」
「そ、そんなことありません。相手がプロデューサーなら、問題ありません」
「ふ、ははは、問題ありませんと来たか」
「おかしいですか?」
「ああ、おかしいよ。如月、お前処女だろ?」
「なっ…………そ、それは、その……そ、そうですが」
「もういいから帰れ、タクシー呼んでやるから」
「帰りません」
「いいから帰れ」
「いやです。今日は覚悟を決めてきました」
「一体どんな覚悟だよ。なんでお前が処女を押し売りするみたいな話になってるんだよ」
「何があっても私の担当続けていただけるようお願いするためです」
「それはさっき聞いた」
「違います。こ、こういうことです」

ジャケットを脱ぎ、セーターも脱ぐとシャツのボタンを外し始める。顔はもう真っ赤。
男、テーブルに頬杖をついたまま、面白くもない顔で千早の脱衣を見守っている。
ボタンを外し終わると、躊躇いながらシャツを脱ぎ、スカートのホックもはずす。
ちら、ちらっと男を見る。

「覚悟あるんだろ? 止めやしないから気がすむまで続けていいぞ」

適当な場所で止められると思っていたから焦る千早だが、後にひけない。
スカートも下ろし、下着姿で立ち尽くし戸惑った顔で男を見る。
「もうおしまいか。それは脱がないのか? 大袈裟な覚悟のわりにはしょぼい結末だ」
千早、真っ赤な顔で男を睨む。
「睨むなよ。自分から勝手に脱いだくせに」
千早、怒りにまかせて男に目の前に歩み寄る。
「す、好きなようにしてください。そ、そのかわり……」
「担当は外れないでください、か」

男は指でブラにつつまれた千早の胸を軽く突付いた。
「好きなようにということは、こんなこともしていいんだ?」
俯いた千早、小さく震えながら頷く。
「で、ですが、あの……優しくしてください。初めてなので……」
「お前が処女なのはさっき聞いた」
男、うんざりした顔で立ち上がり千早の肩に手を置く。
「そうだな、じゃ、千早ちゃんが風邪ひいちゃう前に」
「は、はひぃっ!?」
「服きてくれるかな?」
「は?」
「いいから服着ろ、この馬鹿娘」
念のため、拳骨を一発くらわせておく。

千早、着衣中。内心ほっとするもまともに相手にされなかったのが釈然とせず不満顔。
着替えが終わった千早をテーブルに座らせてよい香りのする紅茶を出す。
「候補生のときから、君の歌には関心があった。もちろん今もそうだが」
「…………?」
「だが、女としての君に関心を持つつもりはない」
「……それは私に魅力がないから?」
「魅力のあるなし、好き嫌い、そういうのは一切関係なしに、だ」
「でも……」
「他の子には絶対言うなよ。担当変更の話は本当だが、俺は君を手放すつもりはない」
「……!」
「だから君を好きにしちゃったらズルいだろ? こうみえて俺はフェアな男なんだ」
千早、その言葉に安堵して笑顔をみせるが、あることに気づく。

「それならどうして私が脱ぐのを止めなかったのですか、変態!」
「勝手に脱いだのは君だしこれは教訓だ。これに懲りたら体でどうこうなんて考えるな」
「ほんとに……」
「でも覚悟決めた割に下着姿が精一杯。君らしいよな、はっはっは」
「あっ、触られた! 関心ないとかいいながら、触った、私の胸触った!」
「あ、あれはちょっとしたスキンシップだ、乳触ったくらいで騒ぐな処女」
「嘘です。魅力感じたからですよね? 正直にいわないと社長にいいつけます」
「ずるいぞ如月」
「前科あるみたいだから困ったことになるんじゃないですか?」
「あるかぼけ! それより担当の件教えてやったのに俺を脅すなら考え直しちゃうぞ」
「ふふっ、いったはずです。覚悟はしてあるって。それに……」
「覚悟はもういいから。それよりなんだ、その続き」
「プロデューサーなら、まあいいかなって」
「まあ、とはなんだ。お前の処女なんて要らないよ。つかそれは大事にしろ」
「そうはいってもいつか私だって初めての日がくるのですから」
「だから、それはお前の彼氏にプレゼントしろ。俺はいらん」
「プロデューサーは本当に要らないとお思いですか」
「あほ、泣くな。そもそもプロデューサーが担当アイドルとだな」
「でも……前科があるとか」
「気になるか」
「そうでなければ、あんな恥ずかしい作戦に出たりしません」
「ふっ。そうだな、したらお前さんがトップアイドルになれた暁に白状してやるよ」
「本当ですね? 約束ですよ?」
「ああ。うそはつかねえ」

以上。


とまあ、それだけの話。
結局このタイプのプロデューサーは、後にあちこちのSSで登場する
ちょっとSっぽい、口は悪いけど実は優しい千早思いのプロデューサー
というキャラクターに引き継がれていくというわけです。

とオチをつけたつもりでおしまい。

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