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[SSメモ] 26 2011/07

千早さん短編集ファイル9393から。
レスの流れをあれこれまぜこぜにしてつくったらしい。

  • 以下本編-


台所に立つ千早の後ろで束ねた髪がリズミカルに揺れている。
前にポニーテールにしたとき、そのあまりの可愛さに悶絶し、その夜は寝かさず
体力の限界まで喜ばせたら、それ以来機嫌のいい夜にはよく束ねてくれるようになった。
俺はこれを密かに千早のイエスノー枕だと解釈している。
ただし本人いわく、家事をするとき邪魔にならないよう束ねているだけです、とのことだが
たぶんこれは、ほらツンデレってやつだと思っている。

ただしお仕事中に乱入すると結構な確率で叱られるのもわかっている。
俺は冷めてしまったコーヒーを飲み干し、洗い物が終わるのをじっと待つ。
そういえば今日はいつもより丁寧にまとめているようだ。
普段はざっくりシュシュで束ねただけ、というのが多いのである。
つまりそこから導き出される答えはひとつ。ちーちゃんは今夜に期待してる筈!

「プロデューサー、お待たせしました。ふふっ、今日の、どうですか?」
エプロンをはずした千早が、俺の前でくるりとターンをしてみせる。
全く軸をぶらさずに一回転。束ねた髪が少し遅れて目の前を通過する。
「やはり千早のポニテは破壊力抜群だ。ほんと、筆舌に尽くしがたい」
「あの……それだけ、ですか? 他に何か」
「他……うむ、その素肌ワイシャツもいかしているぜ」
あれ、おかしいな。ちーちゃんから笑みが消えたぞ。なんでだ?

「もう一度だけ、聞きますね。何か気付いたことはありませんか?」
えっ? なんか変わってるのか…? うーんわかんない。
いいや、誤魔化しちゃえば。
俺は立ち上がると、抱きしめてしまおうと千早に手を伸ばし空振りした。
「誤魔化すおつもりですね。ほんとに気付きませんか?」
「なあ千早。俺がそういうのに弱いの知ってるくせに。教えてくれよ」
今度は逃げられないよう、しっかり抱きとめた。
「あっ、ちょっと……まってくださ。まだ、あの、あっ」

両手をしっかり腰に回し、無防備な首筋に唇を這わせる。
千早の弱点は首筋にもあるから、ここでもポニテのよさが実感できる。
風呂の前だから、かすかな酸味が舌を刺激する。

「教えてくれるかな、千早」
「い、いやです。ほんとに鈍感な人……そろそろ離してください、私お風呂に
入って寝ますので」
「えー、何いってるんだよぉ……今日はさぁ、ほら俺もうこんなに」
汗の臭いとほんのり甘い体臭のおかげで、すでに分身は臨戦態勢にある。
それを千早のお尻にはさみこんで、エッチのアピール。

「やっ、やめてください、いやらしい。今日はイヤです!」
「そんなこというなよ。寂しいじゃないか」
腰にまわした手を本格的に活動開始させる。
右手は上に、左手は下に。
そして千早に逃げられないよう、足を絡めておく。
だが、先ほど首筋にしたキスで、千早の体のはもう蕩けかけているらしい。
キャミソールごしに可愛い膨らみをもみながら、左手をスパッツの中に潜り込ませても、
抵抗はなかった。
そっと顔を伺うと、歯を固く噛み締め懸命に感じるものを無視しようとしている。

無駄なことを。
そう思いながらも、いつもとは違う頑な無抵抗という反抗に
俺は少しばかり苛立ちはじめている。


「あの、早くすませてください……」

その言葉が引き金となった。

「そうかそうか、するのはいいんだな。じゃ、こっちこいよ」
一旦拘束をとき、千早の首根っこを掴んでそのまま寝室に連れて行く。
パジャマがわりのワイシャツを脱がせ、その下のキャミソールも強引にひっぺがす。
「ほら、ベッドのうえで四つんばいになれ」
「へ、変態……」
「そう、千早は今からその変態に犯されるの。嬉しいだろ?」
「……くっ」
それでも千早は俺の命じたとおりの姿勢をとる。
その後姿を見ながら、俺は手早く全裸になるとベッドにあがった。
千早の下半身を覆い隠すスパッツをパンツとまとめて引きおろす。
そこは予想通りの状態になっていた。
「ほら……千早のここはすっかりお待ちかねみたいだな」
「ち、違います……いいから、早く済ませてください」
「いいのかな、早く終わっちゃうのって。ま、俺はいいけど」

言いながら膝をつき、狙いを定める。
いきなり入れるような無作法なまねはせず、しばらくは分身のさきっちょで
熱く潤んだ千早の秘部を丁寧に掻き混ぜてやる。
「んっ……、くっ、ヤッ……」
感じる声だけは出すまいと懸命に歯を食いしばる千早だが、体が覚えている快感に
抗うのは難しいらしい。
「いいんだよ、声だしちゃって。素直になれば今まで態度は許してやるから」
「……フンッ、こ、これはくすぐったいだけです」
「へー、そうかいそうかい。じゃ」
一旦腰を引いてから慎重に狙いを定め、そして一気に奥まで。
「ぅああああっ、やぁぁぁぁぁぁあああああ!」
「いい声だね、ちーちゃんは。気持ちよかったろ?」
「いやぁ、違う……気持ちよくない、ううっ……」
「ほらほら、素直になろうぜ、その方が気持ちいいぞ」
「い、いやです……し、しらない」
そういって千早は枕に顔を伏せ、カバーに歯をたてたらしい。
それからはどんなに突いても引いても、くぐもったうめき声がかすかに
もれるだけだった。

やることはやるくせに、さすが千早。最後の一線だけは守る気か。
降参するまで、激しく嬲ってやろうかとも思ったわけだが。
その時になってふと気がついた。
俺が腰を突き出すたびに、千早の背中で揺れる艶やかな髪の束。
その根っこのあたり、キラキラと光って翻っているもの。

これを見て欲しかったのか、千早は。この青く光るバタフライの髪留めを。
俺はペースをゆるめながら、千早の耳元に顔を寄せた。

「千早が見せたかったのって、このきれいなチョウチョのことだった?」
「…………」
「これなんだろ?」
「……プレゼント」
「誰の?」
「xx先生……あの男には内緒に、って言われて」

やられた。
まさか千早がこんな手段で復讐に出るとは。
ともかく俺はその一言で完全に切れていた。


その後はもう容赦しなかった。
これまでになく激しく突き上げながら枕を取り上げ、千早の口から
悲鳴のような声を上げ続けさせる。
最初から最後まで、ただひたすら獣のように後ろから。

千早に横恋慕をかけた男の贈り物は、少しづつばらけていく髪にしがみついたまま
最後まで、そこに留まっていた。
いっそ引きむしって投げ捨ててやろうかとも思ったが、考えを変えた。
長い時間、千早を責めぬいてようやくこみあげてきたものを。
本当は千早の中にぶちまけるつもりだったが、俺は発射の直前引き抜いて
その青い蝶めがけておもいきりぶっ放した。
一週間溜め込んだ俺のザーメンは、狙い通りその蝶に着弾しながら
半ばほどけかけた、艶のある黒い尻尾にからまりながら、だらだらと流れ落ちていく。
  • - -


「あの、ごめんなさい」
「髪につくと大変なの、わかっているくせに」
「すいません……」
俺はぬるくしたシャワーで、丁寧に千早の髪を梳きながら洗ってやっている。
我がことながら情けないが、この白い汚れは他でもない俺なのである。

ベッドの上での壮絶な争いが終わったあと、意外なことに千早はけろっとした声で
いったのである。「気が済みましたか?」と。
行為の最後、ぶっかけた直後から後悔にさいなまれていた俺はあっけにとられていた。
「一応いっておきますが、あれは自分で気に入った買ったものですから」
そういって、千早は髪から外したそれを俺に突きつける。
もちろん、真心をこめ綺麗に掃除したのはいうまでもない。

汚れを落とすと、シャンプーにリンス。
それが済むと千早のご機嫌はすっかり元通りになった。
気に入って買ったアクセサリーに気づかない俺に腹が立ち、すこしばかり懲らしめて
やるための嫉妬作戦だったらしい。
ポニテ(厳密にはうなじ)にばかり見蕩れ、アクセを見落とした俺の大チョンボである。

風呂からあがり、膝枕で髪を乾かしてやり、最後によくブラシで梳いて。
「じゃ、そろそろ寝る?」
そういった俺に千早は、綺麗にあらって返した青いチョウチョを俺に突き出す。

「何をいっているのです、夜はまだ長いのですよ。これをつけて、最初からやり直しです」



おしまい

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