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[SSメモ] 27-721 2011/09/05

前作:密室のちーちゃん
  • 以下本編-


ライブ前の楽屋は、開演前の準備開始まで厳重な立ち入り制限措置が取られている。
これは千早の集中を邪魔しないためで、スタッフ連中は楽屋付近を通行するだけでも
神経を尖らせ、不用意な物音どころか足音さえ忍ばせるのが徹底している。
そのため二人きりの楽屋は静かなもので、キスの合間に千早が漏らす甘えた鼻息や、
舌を絡めあうときのピチャピチャという音まではっきり耳を擽るくらいだ。

ソファーに座る俺に覆いかぶさり夢中で唇を重ねる千早が、下腹部をしきりに
俺の下半身にこすりつけてくるため、反応しはじめた股間が窮屈で仕方ない。
恐らく無意識の動きで、欲しくなったわけでもないだろうが、
騎乗位そっくりなその動きから、滾ってくる欲望を我慢するのは大変である。
ライブ本番まであまり時間もない今、流石に本番行為は行き過ぎだろう。
己のつまらない駄洒落につい失笑してしまい、気付いた千早が顔を上げる。

「プロデューサー、何か可笑しいことでも?」
「いや、別に大したことじゃない」
「嘘。目が泳いでいます。変なこと、考えているのでは?」
「まさか。最初のステージのことを思い出していただけさ」

性を教え女に目覚めさせてなお純真無垢なこの少女と
<変なこと>が何かを議論しても意味が無いのは分かっている。
答えを誤魔化したのは話をそこから逸らすためだ。
今俺達がしている行為を、最初の時と同じ<抱擁とキス>だと言い切ったとしても、
お互いの肌を知る俺たちが交わす<抱擁とキス>は、限りなく性行為に近いもので
むしろセックスの代償行為といって差し支えない濃密さを伴っている。
俺が、あるいは千早が望めば、ただそれだけで踏み越えてしまいそうな一線を
辛うじて守っているのは、このあとのステージにどのような影響を及ぼすかが
未知数だから、ただそれだけの理由である。
何らかの理由で、交わることによるリスクが無いと知れば。
いや、それを考えるのはやめておこう、特に今は。



そもそも千早が本番前にキスをねだるようになったのは、俺の責任である。
そしてその発端が初めてのライブでステージに上がる直前の出来事にあった。
それまではオーディションでも営業でも緊張とは全く無縁だった千早だが
初めての自分のライブに対する強すぎる思いが過度の緊張を生んだのか
千早は自分の体を意思どおりに動かせないほどガチガチに強張っていた。
体だけではない。俺の呼びかけすら届いていないような顔つきを見て
俺はとっさに千早を引き寄せ、小刻みに震える体をしっかりと抱き締めた。

「プ、プロデューサー……わ、わたし」
「千早が震えているのは怖いからかな?」
「わ、わかりません……でも」
「ほら、緊張が解けるおまじないをしてやろう」
そういって、俺は千早の頭のてっぺんにそっと唇を押し当てた。
微かにただようレモンのような匂い。
程なく千早の体から力が抜けてきて、真っ青な顔にも血の気がさしてくる。
俺をまぶしそうに見上げるその頬を撫でるてやると、ようやく表情が緩み、
微かな笑みがそこに浮かぶ。

「うむ、おまじないが効いたみたいだな」
「……はい。もう大丈夫だと思います」
「よし、じゃあいって思いっきり歌って来い!」

緊張の呪縛が解けた千早は、その力を十分以上に発揮し
初めてのライブを大成功のうちに終えたのである。

楽屋に戻ってくるなり飛びついてきた細い体を俺はしっかり抱き止め、
今度は汗の匂いが混じった髪にもう一度キスをする。
「……今のもおまじない、ですか?」
「いや、これは祝福……ごめん、どさくさにまぎれてつい」
「ふふっ、プロデューサー、祝福までいただきありがとうございました」

その次のライブでは、もう強張るほどの緊張もなかったが
千早から<おまじない>を求められれば、断る理由はない。
集中のためと人払いした楽屋で、柔らかく温かい千早の体を抱き締める。
この前と同じように、髪に顔を埋めその匂いを堪能してからのキス。
前と違うのは、俺がいつまでも腕の力を緩めなかったこと。
その時俺は、既に千早の匂いに酔いしれてしまっていた。

だが最初に変化を求めたのは俺ではなく千早だった。
そのきっかけは、いつものキスを終え、上目遣いで俺を見た千早の一言。
「おまじないの効果が切れてきたのかもしれません」
「そ、それは一体どういう意味だ?」
意味が分かっていながら惚けて見せたのは、それは俺が千早に望んだことであり、
一度表に出してしまえば、エスカレートするその思いは、行き着くところまで
止められない自覚があった。

そして俺は千早に責任を転嫁し、求められるまま彼女にキスを与えていく。
最初はおでこ。初めて唇で触れた千早の素肌。
信じられないくらい柔らかい頬。唇を寄せるだけでくすぐったがる耳。
あるいは戯れに齧った鼻の頭、思わせぶりにさまよったあとの顎。
時には首筋に、そして喉元に。
だが俺は、決して彼女が望む場所に唇を与えなかった。
千早が不満を募らせていくのははっきり分かっていた。
何故なら俺も同じ気持ちでいたからである。
それでもなお唇と唇をを重ねようとしなかった理由。
簡単なことだ。
それをするのは楽屋ではない。
ベッドこそがその場所だと、千早に知らしめたかったのである。
そんな勝負は始める前に既に付いていた。
経験ある社会人と、世間知らずで未通女い小娘。
千早のデビューから1年が経つ少し前、俺は自らの手で千早を女にした。



「初めてのステージですか。つまりプロデューサーは私に初心を忘れるなと?」
「そういう意味じゃなかったが、千早がそう考えてくれたのは素直に嬉しいな」
「いつも言われておりますから。慢心するなと」
「そうだった」
「では、そろそろ……あっ、プロデューサー?」

まだ俺に跨ったままでも、その顔を見れば心はステージに向かっているのがわかる。
もう一線を踏み越えるような危険はないだろうが、最後に駄目押しのつもりで
俺は千早の手首を捕まえていた。
「あと1回、いや2回分の時間はあると思うんだけど……?」
「……はぁっ。しょうがないですね。では2回だけですから」
「うん、ちーちゃんだいしゅき!」
怒ったふりをした千早にホッペを抓られながら、唇が重ねられる。
あえて舌は伸ばさず大人しくされるがままで。
「んっ……んんっ。はい、これで1回目終わり」
唇が離れても、唾液の筋が俺と千早の唇をつないでいる。
「これが切れるまで続けるっていうのはどうだい?」
今度は思い切り抓られた。

「ふざけていると、2回目は無しにしますよ?」
答える代わりに、こっそり伸ばしていた両手で千早の腰を両側から捕まえる。
それと同時にソファーのスプリングを利用して小刻みに千早の体を突き上げてやる。

「あっ、ちょっと……やぁ、待って、そ、そんな駄目です」
「早く二回目してくれないと、止まらないぞー」
「あぁっ、プロデューサー…だめです、あの、やん、そこだめだから…ふぁっ」
「はやくーはやくー」
「だ、だから駄目、あ、それ、だ、だめ、あの、も、漏れちゃうから」
「……へ?」
「……あの、お、お手洗い……その」
「ああ、そ、そうか、なんかごめん」
「いえ……すぐ戻ってきますから」

漏れそうなほど我慢していたならさっさと行けばいいものを、
千早は俺の上からするりと降り、律儀に2回目のキスを丁寧にしてくれてから
楽屋を出て行った。
だがそれから10秒もたたないうちに戻ってきた千早の顔が心なしか青い。

「プロデューサー、あの……」
「どうした、本当にすぐ戻ってきたな」
「じ、実は…そこの女子トイレが故障したみたいで、その……」
「故障? 来たときはそんなことなかったはずなのに」
「はい。その時は使えました」
「参ったなライブ当日に……別の場所探してみるが、しばらく我慢はできそうか?」
「あっ、はい。ただ……あまり長くはその……」
「分かった、急いで探すから待っててくれ」

大きい会場だからと高を括っていたが、いざ探してみると使用可能な女子トイレは
会場側にしか無いことが分かった。
楽屋裏から行けないことも無いが、タイミング悪く入場がはじまったとこらしい。
既にそっち側のトイレ周辺は客でいっぱいなのは間違いない。
収穫無しで楽屋に戻った俺を見た千早の落胆した顔。
見た瞬間、危険が近いのがわかった。

「千早、とにかく来い。非常事態だ」

入場が始まったということはスタッフも配置に着き始めるということで、楽屋周辺の
人間は持ち場に出払うはずである。
今このあたりををうろつくのは、出演者か関係者に限られるから、
出入りの瞬間さえタイミングを掴めば、男子トイレで用を足してもなんとかなる。
それが俺の咄嗟の計算だった。

幸いまだ千早は私服のままで、あまり目立たない出で立ちである。。
俺が先にたって廊下をクリアリングしながら、千早を手招きで誘導する。
楽屋を出てトイレまでの約30mは誰ともすれ違わずに来れた。
第一関門はここからである。俺は千早を物陰に待機させてトイレに潜入し
内部に誰もいないことを確認してから千早を呼び入れた。

段取りとしては、千早が個室で用を足す間、俺は入り口に近い洗面所で待機。
水洗の音を合図に、外の人通りを確認し、問題がなければ千早に合図を返して
そのまま速やかに脱出する。
万一誰かが入ってきても、その間静かに待機させていればいいだけの話である。
個室が無人なのを確認して千早の背中を押した瞬間、誤算が発生した。
トイレの外で俺の名前を呼ぶ現場スタッフの声が近づいてきたのである。
俺への用事が現場に引っ張られる類だとすれば、中の千早がまずいことになる。
声の主がトイレのドアを開けた瞬間、俺は咄嗟に個室に飛び込み千早の口を塞いでいた。

目を丸くした千早に俺は指を唇の前に立て、合図を送る。
震えながら何とか事態を察して頷いたのを見て、塞いでいた手をどける。
声の主は個室から返答がないのを察して、そのまま出て行くかと思いきや
用を足し始める。振り返ると、そろそろ我慢の限界なのか、
千早が泣き出しそうな顔で俺を見つめる。
(千早、もうちょっとだけ頑張れ)
(プロデューサー……だ、だめぇ……も、漏れちゃうぅ)
(あと少しだから)

だが俺と千早の儚い希望はそこで断ち切られた。
先客が終わるのと入れ違いに新たなスタッフが入ってくる。
静かだったトイレがざわつき始めたのを聞きながら
腕を掴む千早の手に力が入り、足をぎゅっと閉じ合わせ懸命に我慢する
千早の姿が痛々しい。

(だ、だめぇ……もう、漏れ…ちゃう…)
(千早、俺は見ないから我慢せず済ませるんだ)
(は、恥ずかしいです、プロデューサーの前でできません!)
(今そんな場合じゃないだろ。失敗したらもっと大変なことになるんだぞ)
(で、でもぉ……やっぱりいやです、恥かしい……)
(千早、俺を信じろ)

薄暗いトイレの中でもわかるくらい、千早の顔は真っ赤に染まっている。
その顔をいやいやするように振りながら、それでも逡巡はすぐに終わる。
涙ぐんだ千早の手がズボンに掛かったのを見て俺は背中を向けた。
小さくしゃくりあげた千早が、便座に腰を下ろした音。
せめてもの配慮だと思い、指を耳に突っ込んで塞ごうとした直前。
勢いよい放尿の水音と同時に、千早の小さく震える泣き声が聞こえた。
やばい、外に聞こえると思った瞬間、俺は振り返ると
千早の顔を両手ではさみ、唇を塞いでいた。

「んっ!? んんっ……んぁぁっ」

その瞬間こそ驚いて目を見開いた千早だったが、すぐキスを受け入れて目を閉じる。
その間も千早の放尿は続いていたが、その間中抱きかかえた千早の頭を撫でながら、
唇を丁寧になぞるようなキスに終始し、多分出し終えた安堵感らしい小さな溜息を
感じてから、俺はゆっくりと顔を離した。
俺を見つめる、泣いて腫れた瞼。
そしてまだ朱に染まったままの頬。
その視界の端に紛れ込む、むき出しになっている千早の白い下半身。
大切な部分こそ、閉じ合わせた足の上に手を置いて隠しているものの
足元に下ろしたズボンの間に見える白いショーツ、そこに蛍光灯の光があたって
どういう状態にあったかを暴露している。
そこを見た途端、楽屋で鎮火したはずの欲情が一気に燃え上がっていた。
もう一度、こんどはしっかりと千早の唇を捉え、まっすぐ舌を差し入れる。
一瞬だけ逃げかけた千早の舌が、おずおずと俺の舌に絡みついてくる。

そうしている間も、個室の外では何人もの出入りが続いている。
隣の個室に誰かが入ったこともあった。
そんな男たちの立てる物音や話し声を聞きながら、俺と千早は声と気配を
潜ませながらしつこくねちゃねちゃとしたキスを続けている。
もう分かっていた。
俺が欲情しているのと同様、千早もこの異様な状況下で興奮していることを。
それが証拠に、便座に座った千早の足をいっぱいまで開かせたそこが
明らかに小水ではない液体でびしょびしょに溢れていたこと。
そしてそれを確かめたときに千早がたてた、唇をふさいでいなかったら、
確実に外に漏れたに違いない喘ぎ。もう俺も千早も止まらなかった。

耳を澄ませ、トイレ内が無人になった間に千早のズボンを脱がせ終わる。
向こうを向かせて立たせた千早の後ろに立ち、既に限界まで硬直しきった
男根をあてがい、粘つく愛液に馴染ませてやる。
十分に潤みきった千早の膣は、腰を動かす前から俺の怒張を引き込もうと
する動きを見せる。俺は焦らすのではなく、千早が声を立ててしまわないよう
ゆっくりと奥を目指していく。

(いいか千早……声を出すなよ。いま喘いだら絶対ばれるぞ?)
(んっ…ぁあッ……でも、あんっ、ゆ、ゆっくり…)

一旦根元まで千早の中に収めたあとは、ゆっくり腰を前後させて
きつく絡み付いてくる熱い肉襞の感触を丹念に味わう。
腰を支える手を交互に秘部に浸し、愛液にまみれた手を腹から上に滑らせ
そのままブラをずりあげ乳房を包みこむ。
そうやって手の届く限りの千早の肌に、千早自身の粘っこい愛液をなすりつけながら
その間も腰のペースを少しづつあげていく。
いつもよりきつい締め付けのせいで、先に参ったのは俺のほうだった。
立ちバックで千早の子宮口を突き上げながら、そのままたっぷり
注ごうかとも思ったが、流石にこのあとのステージを考えるとそれはまずい。
思い直した俺は、結合を解いて、引き寄せた千早に口で受けるよう指示すると
便座に座らせ、開かせた口に愛液にまみれた男根を咥えさせる。
すぐに舌が絡みつき、直後、俺は千早の口内に精液を放出していた。

唇から溢れるほど大量に放出した精液を、吐き出すよう命じる寸前
千早はぎゅっと唇を結ぶと、二度、三度と喉を上下させる。
口内の精液を全部飲み干すと、真っ赤な舌が唇に残った白濁の残滓をペロりと舐めとり、
全部が終わると、俺を見上げて満足そうな微笑を浮かべてみせる。



ことを始める前のように、人気のなくなった間に千早の身支度を追えさせると
打ち合わせた通り、先に出た俺が様子を窺い、人通りのスキを見つけて千早を
引っ張りトイレを脱出させた。
最中はあれだけ何人も人が出入りしていたトイレだったが、
行為が終わったあとは不思議なくらい閑散としており、楽屋に戻るまでの通路でも
誰とも顔をあわせずに済んだのは幸いだった。

鍵をかけた楽屋で、まだ行為の余韻を留めたままの千早を裸に剥き
絞ったタオルで丁寧に体を拭き終わる頃、携帯に着信が入る。

「千早、そろそろ衣装とメイクの時間だが、いけそうか?」
振り返った俺に、千早は抱きついて無言のまま唇を重ねる。
俺が何度も鼻で息継ぎをする間、千早は一度も息をつがない。
そうして1分近いキスをが終わると、千早はぱっちりと目を開けて
嬉しそうな笑顔を俺に向ける。

「ふぅっ…これで充電もばっちりです。プロデューサー、今日のライブ見ててください。
いつも以上の凄いのをお見せできそうです」


おしまい。

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