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[SSメモ] 081 2012/02/05  31-657 (2)

  • 以下本編-


このところエッチに対して消極的になっている自分がいる。
すること自体イヤじゃない、むしろ最近やっといけるようになってきたのが
嬉しかったりするくらい。
だけど……やはりアレをすることを考えると途端に気が重くなる。
彼にはいろんなことをしてもらって気持ちよくしてもらっているのに
自分がそうすることを避けたがっているのは随分自分勝手だと思うけど
やっぱり……だめ。
苦しくて辛かったあの時の記憶をいつまでも引きずってしまう。

何も知らずただ好奇心だけで突っ走った頃はよかったと思う。
目の前にある大きくてごつい彼のペニスだって
そうすることが大人なんだと思い躊躇いもなく頬張ったものだし
雑誌から仕入れた知識を試してみたら彼が気持ちよさそうな声を出して
くれたときはとても嬉しかったし。
口ですることに夢中になって、彼を喜ばせることに必死になって
その結果として起こったことのおかげで私は……

それまではいつもしている通りだった。
唇で緩急をつけながら締め付け、敏感らしい先っぽの部分を舌先でくすぐり
それから私がみつけた感じるポイントに集中攻撃。
私の唾液と彼の先走りが混じりあってぬるぬるの口の中で
思いつく限り、考えられる限り色々なしゃぶり方、舐め方を試して
彼の声や体の反応を見ながらまた動かし方を変えたりして。
いつもならそのあたりで彼が私を押し倒して入ってきちゃうんだけど
その時は違っていた。
彼は仰向けから上半身を起こすと、股間に顔を埋めている私の頭を掴み
喉の奥までペニスをぶつけるような勢いで腰を持ち上げて。

それが一瞬ぶわっと膨らんだと思うと
その直後、私の口の中に苦くてぬるぬるする液体が溢れた。
驚いた拍子にそれが気管にも入ってしまったものだから
私は彼を突き飛ばすよう体を引くとげほげほと咳き込みながら
発射された液体をシーツの上にだらだらと吐きこぼしていた。

白い、というよりアイボリーのような液体が彼の精液だってことは
そのときには気付いていたけど、喉の痛みと舌先がぴりぴりする苦味、
それに口中が粘つくような嫌な感触だけが私の中にあった。
あやまる彼の声を背中に残して私は洗面所に駆け込んだ。
何回口をゆすいうがいをしても
粘つく感触はいつまでたっても消えてくれなかった。


彼がくどいくらい謝ってくれるものだから、私も驚いただけだからと
そのことは軽く流すフリをしたけど、それ以来彼のを口ですることが
できなくなっていた。
フェラ自体は嫌いじゃない。いっぱいしてあげて彼を喜ばせてあげたい。
でもいざ目の前にするとできなくて、彼も無理に求めてこなかったけど
そんなぎこちない行為が続くうち、徐々にエッチすること自体が減り始めた。



「あのさ……ちょっと聞いてもいいかな?」
「どうしたのよ春香、真剣な顔して。何か悩み事でも?」
「まあそういうことになるのかな……千早ちゃんは、飲んだことある?」
「飲むって何? お酒ならダメよ」
「違うよぉ。あのね……」

真昼間の楽屋ということに配慮してこっそり耳元で囁いたのに
千早ちゃんてば、驚いて大声で言い返すんだもん。
美希にまできこえちゃったじゃないよ……

「さすが春香、真昼間からエロイこと考えすぎなの!」
「茶化さないでよ、真剣に悩んでいるんだから」
「コホン……真剣な悩みだとしても、なんでああいう質問になるのかしら」
「だからさ……かくかくしかじかで」

「ま、まあ……苦いとか不味いという点には同意するわね」
「そうかなぁ? ミキはハニーのとってもおいしいと思うけどな」
「別に無理して飲む必要もないのでは? それとも彼に無理強いされるの?」
「ううん、そんなことはないよ。ただ私も彼に気持ちよくなってもらいたいし」
「気持ちよくするのと飲むのは別問題だと思うけどな」
「気持ちよくしてあげた結果がそれだったのでしょ? 私なんて口だけで彼を
射精に導くなんてできたことないのだけど」
「あ! ミキはあるよ!! 胸に挟んで、その先っぽをペロペロしたら
どばっ!って出たもん」
「………………そう、良かったわね」

「どうしても口に出されるのが苦手なら無理にする必要ないと思う」
「ミキも千早さんの意見に賛成なの」
「じゃあどうしたらいいと思う?」
「まずはきちんと自分の思ってることを彼に話すべきね」
「そうそう。飲むことだけが愛じゃないもんね」
「うん、わかった……」



まあそんなわけで、私の抱える問題自体が解決したわけじゃないけど
人に話して意見をきいたりすることで心は少し楽になったみたい。
うん、やっぱり千早ちゃんの行ったとおりちゃんと話そう。
それから私にできること、してあげればいいんだから。

というわけで10日ぶりくらいの彼とのエッチ。
いつものようにキスから始まり、首…胸……という感じで彼の舌が
遠慮がちに私のあそこを割って侵入してきて……
それがやっぱり気持ちよすぎて気がついたら彼が入ってこようとしたから
「私もしてあげます!」なんて反射的にいっちゃって。
その時彼の表情があまりにも嬉しそうで、そこではたと思いついたの。
いつも目をつぶってフェラしていたけど今日は舐めながら彼の顔を見ていようって。
だから仰向けになった彼のうえに腹ばいになって、上目遣いで彼を見ながら
しゃぶり始めたら彼ったらそれだけで泣きそうな切なそうな顔になっちゃって。

「だめだ春香、出る!」

今度は間に合ったし、防御もすることができた。
とっさに口を離して目をぎゅっと閉じた直後、私の顔面を熱く迸った液体が
何度も叩き、それからゆっくり瞼から鼻筋をへて顎先から滴り落ちていった。
我に返った彼が慌ててタオルで拭ってくれている間
私は刺激的すぎた行為の余韻にずっとひたっているのであった、まる。



おしまい。

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