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[SSメモ] 23 2010/12

単発でおもいついたネタから。
Pと千早が同居している世界線のおなはし。

最初に書いた話と改造した話と貴音編の3つあるらしい。
  • 以下本編-


「炬燵ですか。エアコンで充分ではありませんか?」
「そうだけどさ、お正月はやっぱり炬燵でみかんが定番でしょ」
「そんな定番知りません。第一、どこに置くのですか」

リビングに置くにはソファーをどかす必要があるが、なにしろ千早お気に入りのソファーである。
寝室もダブルベッドでほぼ埋まっているから物理的に無理。
そうなると、残るのは一応仕事部屋として使っている小さな4.5畳半の洋室だけなのだが。

「まさかお仕事で使う部屋に炬燵を入れてダラけるおつもりではないですよね?」
「い、いや……そのまさかだけど、だらけるというのは偏見だろ」
「そうでしょうか。いえ、わかりました。炬燵でもなんでもお好きなように」
「ああ、そうする。買ってきても千早は入れてやらないからな」
「ええっ、コタツなんて結構です」


どうして千早がああまで炬燵に偏見をもつのか分からないのだが
俺も炬燵の魔力は捨てがたいし、頭ごなしにダラけるのなんのといわれるのは心外この上ない。
言い合いの翌日、早速炬燵と座椅子を購入して意気揚々と家路についた。


「……早速買ってきたのですね、堕落の家電といわれる炬燵を」
「何が堕落だ。この部屋は暖房がないんだ。こたつがあれば冬場の仕事も効率的になる」
「ふっ……だといいのですが」
「そうやって絡んでくるとこを見ると、実は千早も炬燵に入りたいのじゃないか?」
「なっ! そ、そんなことはありません」

プリプリ怒りながら出て行った。
まあいい。ノートパソコンにはチューナーがついてるからテレビも見られる。
仕事名目で、ゆっくりだらけるのも思いのままだ。


「あの、9時からの番組で春香たちが生出演ですけど一緒にテレビ見ませんか?」
「いいよ。ほらおいで千早。パソコンでテレビもみれるし、すごく暖かいぞ?」
「なんで炬燵なんですか。しかもあなたの膝の上でとか。リビングで見ますから結構です」
「……いいじゃん別に」


俺だって家にいる間、ずっと炬燵にもぐりこんでいるわけではない。
ただ気がついたら炬燵にはいっているが、快適なので仕方ない。
一緒に過ごす時間が減ることで千早の機嫌が日に日に悪化していくのに気付かなかったのは誤算だが。
意地を張って炬燵どころか最近は仕事部屋にも入ってこなくなったが、それが千早の機嫌の悪化の
現れとは気付かなかった。
気付けば、無理にでも千早を炬燵に引っ張り込んでいただろうし、それが問題悪化の防止策だったのだが
あとの祭りである。

千早は意地っ張りなのだ。一旦こうと決めれば性格上千早から折れることはまれである。
こちらから上手く千早の譲歩を導くのが最良なのだが、今回はすこし手抜かりであった。


とにかくたかが炬燵でここまでこじれてしまうとは。
炬燵に罪はないことくらい、分かっている。分かっているのだけれど
春香の家に遊びに行った時に見たあれが脳裏から消えない限り、私は認めることができない。
綿入り半纏を来て、炬燵にどっぷり使ったあの姿が。

どうしてプロデューサーまで、あんなに炬燵に執着するのか。
ただの暖房器具のくせに。布団がついているからといって偉そうに。
わたしからプロデューサーを奪う憎い奴。
プロデューサーが不在の今、なんなら私の手で成敗してもよくってよ?

あ、いけない。ただの暖房器具に私は何を嫉妬なんてしているのか。
それよりも、今私に必要なのは敵であるこの炬燵とやらの、能力を知ることなのだ。
それすらわからず、こいつの魔手からプロデューサーを取り戻すことなど不可能。
だからこそ、この機会を狙っていたのだ。
スイッチは入れておいたから、そろそろ十分に温まっているはず。
プロデューサー愛用の座椅子のところから、そっと足を中に入れていく。
あっ、暖かい。
いやいや、これは暖房器具だから当然だ。
ともかく腰から下を布団に治め、座椅子に体を預けてみる。
うん、暖かいし結構快適。この座椅子って結構いいものなのね。
それにお布団に包まれているのが、また安心感をもたらしているというか。
ふむ……やはり秘密はこれか。

頭寒足熱を体現している。頭は適度に冷えたまま、腰からしたは充分に暖められる。
ただし座った体勢では上半身が寒い場合もある。これを解決するためには
暖かい部屋着を着るか、体ごとこたつに潜ってしまうか。
そう、春香のもっさりした半纏も、それが原因だったということか。

いま我が家にはああいった衣類はないし、羽織るものを取りに行くのも億劫だから
少しだらしないとは思うが、体ごと布団にもぐりこんでみることにした。
これはあくまで実験なのだから。
そうして、首から下を炬燵にいれた状態になると、何故座椅子のそばにクッションが
放り出されていたかがわかった。
これは枕だ。

あぁ……流石に温度が高くて熱い。少し調節しておくことにする。
うん、いい感じ。一旦暖まってしまえば、布団が熱を逃がさないから効率的なのかもしれない。
それにしてもこれは……確かにプロデューサーが虜になるのも分かる気がする。

こうしていると、なんだか……眠くなって…………きたような………………zzzzz


「千早、こら起きろ。炬燵はいんないっていってたくせに。起きろって」
帰宅して、いるはずの千早の姿が見えず部屋中を探し、ようやく仕事部屋の炬燵の布団から
頭の先だけを出して眠っている千早を発見した。
気持ちいいのはわかるが、とろけるような笑顔を浮かべ、枕がわりのクッションに涎までたらしやがって。
さて、どうやって起してやろうかと考えて。
うん、炬燵といえばこれしかないだろう。
布団をそっとめくってみれば、ヒーターの赤い光に照らされた千早の無防備な下半身。
うむ、都合のいいことにスカートか。ふふふふふふふふふふふ。




■■以下、短編用の改造版

寒さに耐えかねて、仕事部屋を兼ねている自室に炬燵を導入した。
仕事の持ち帰りが多い時、せめて一緒の部屋でと思い千早を誘っても炬燵に入ろうとしない。
事務所の休憩室にある炬燵が原因とは分かっているのだが。

「いくら寒いからとはいえ、みんな、だらしなさ過ぎます」

今をときめくアイドルたちが、首までつかってごろごろしている様や
炬燵内部でお互い足で責め合い?をしている様子は見られたものではないが。

「いいじゃないか、事務所にいるときくらい。それより千早も入れば? あったかいぞ」
「……いいえ。洗い物したあと少し譜読みしますので」

こんな調子だ。
どうせ寂しくなって、用事をつくって覗きにくるくせに素直じゃない。

そんなある日。
仕事を終えて帰宅すると、一日オフだったはずの千早の姿が見えない。
着替えるために自室に入ると、胸元まで炬燵にはいった千早が寝ていた。
起こそうかと近づいてみると、温かくて気持ちいいのか、熟睡のご様子である。
しかも珍しいことに仰向けで随分と開けっぴろげである。
起きているときは大人っぽい顔も、寝ている時はやたらとあどけない。
おまけに、くーくーと可愛らしい寝息までたてている。
あまりの可愛さにキスでもしてやろうかと思ったのだが、ふと思いついて
さっさとスーツを脱ぎ捨てると、下着姿で炬燵の中にスニーキングをかけることにした。

ゆったりしたスェットに包まれた千早の体が、ヒーターの赤い光に照らされている。
ふくらはぎを軽くさすってみても、軽くみじろぎするだけで起きる様子はない。
迅速かつ大胆にコトを運べば、熟睡中の千早が目を覚ましたとしても、
すぐに事態を把握できないはずだ。
ズボンに手をかけ、思い切って足首までずりおろす。

「……んっ……んんー」

むにゃむにゃとつぶやき、体を少しもぞもぞさせてすぐ動かなくなる。
起きない。OK……これなら作戦は成功したも同然だ。
脱がせたズボンを布団の外に放り出し、パンツを確認する。
赤い光の中ではわかりにくいが、たぶん白だろう。
体をずりあげ、足全体にのしかかる格好で目的地へ急ぐ。
そういえば、冷え性気味の千早も、炬燵であっためられていると至極抱き心地がよい。
普段の愛撫はもう少し慎重かつ繊細なのだが、今は千早が起きるまでが勝負である。
足首を操作し、開かせた間に体を潜り込ませ、第一目的地に到達する。

体全体の肉付きは薄くとも、そこだけは女であることを主張するかのように
かすかに布地を盛り上げている、ふっくらとした千早のあそこ。
取るものも取りあえず、俺はそこに顔を押し付けた。
綺麗好きの千早だが、流石に一日過ごしたあとでは十分に匂いが染み付いている。
決して不快な匂いではない。
千早自身の体臭。素肌はほんのり甘い香り、あるいは最近つけるようになった柑橘系の香料。
ほんの微かな、おしっこの臭い。
それから、軽いチーズを思わせる千早の女の匂い。
炬燵で温められていることもあり、かなり濃密なそれが俺の鼻腔を満たしていく。

普段のセックスは、千早がシャワーを浴びてからが決まりみたいになっていて
この匂いを味わう為には、無理やり押し倒して犯すか、今みたいに寝込みを襲うしかない。
前に押し倒したとき、激しい抵抗を押して犯すのがレイプっぽくて非常に興奮もしたし
結果として千早も異常な状態でのセックスでいつもと違った反応をしたわけだが
果たして今回はどうなるか。
そう考えるといてもたってもいられない。さっさとショーツも脱がしておく。

さすがにこれは刺激があったのだろう、寝返りをうつそぶりをみせるのを体を抑えて押しとどめる。

「ん?………もう朝……」

そろそろ眠りが浅くなってきたのか、寝言も少し明瞭になっている。
あせった俺はショーツを一気に脱がせ、太ももをしっかりホールドして千早のクレバスに顔を埋めた。
千早が発する雌の匂いを十分に吸い込むと、いまはしっかり閉じたままのつぼみに舌を這わせる。

「あっ……んんっ、あっ? あの……なに!?」
起きたかな。まあ、さすがにこれは起きるだろう。
それでも構わず舌を動かし、千早の秘部に丹念に唾液をすりこんでいく。

「やぁ、な、なに…誰? やめぇ…いやぁぁ、やだ」

どうもかなり動転しているようだが、さすがに誰?はないだろうに。
そう思いながら、舌を尖らせ、千早の花びらの細い隙間をなぞりあげては敏感なつぼみをノックする。
ほら、君の大好きな舐め方だろ?

「あうっ……いやだぁ、ダメ…も、もっと」

うむ、それでいい。ちゃんとわかってくれたご褒美に、さらに強く舌を動かす。
いい子だ千早。もうこれだけで準備できたみたいだな。

指で確かめるまでもなく、膣奥からはたっぷりと愛液がわきだしてくる。
それをしばらく味わってから、手を胸へと伸ばし小さいふくらみを軽く包む。
その手に千早の手が重ねられる。
体をずりあげて、炬燵から頭をだし千早にキス。

「や、やっぱりプロデューサーなのですね。ず、ずるいです、こんなの」
「炬燵はだらしなくて嫌いじゃなかっけ?」
「あっ……ううぅっ……」
「それに寝ているくせにこんなになっちゃって」

俺自身でそこを軽くなぞってやる。

「やっ…いやです、そんなことありません」
「そうかな? じゃあやめちゃおうかなぁ?」
いいながら、くにくにと先端でこね回す。
「いっ、意地悪……」

涙目で見上げる千早もまたかわいい。というかもっといじめたくなる。

「欲しいんだろ?」
頬を膨らませながらうなずく。
しょうがない。もっと焦らしに焦らし、たっぷり言葉で責めてもよかったが
すでに先端がはいりかけていたところに、千早がくいっと腰を動かしたらそのまま
半分ほど飲み込まれたので仕方ない。
体重をかけ、全部千早の中に突き入れた。
その中がいつもより熱く感じたのは、炬燵のおかげなのだろうか?
俺はそんなことを考えながら、ゆっくりと腰の動きを早めていった。

おちまい





■■ここから貴音編

「お邪魔します、如月千早…」
貴音がやってきたのは年の瀬も押し詰まった12月の末。仕事の合間の空き時間だという。
「寒かったろ? 炬燵であったまっていけばいいよ」
俺が進めると、案の定千早は俺にだけ分かるように顔をしかめる。
貴音を自室に通したあと、千早を抱き寄せてしばしご機嫌取り。
大晦日まで綱渡りとは。胸に抱いた千早の黒髪を撫でながら、こっそりため息をもらす。

「炬燵で蜜柑というのが、年末年始の定番とお聞きしました故に」
「ほらほら、正座なんてかしこまらなくても。足伸ばせばいいんだから」
「ですが…それではあなた様の足にぶつかってしまいます」
「いいから、ちょっとくらい当たるのは構わないのが炬燵のマナーだぞ」
「そうなのでしょうか…」
「そうそう、少し足を開いて、お互いの足が互い違いになるように」
「こ、こうでしょうか」

遠慮がちに伸びてきた貴音の足先が俺の内股をかすっていく。
同時に俺のも貴音の同じ部分をかすめるようにくすぐっている。
少し体を震わせつつ、視線を上げた貴音が俺の目を見る。
視線を合わせて悪戯っぽい笑みを送り返すと、それで貴音は心得たらしい。
くすりと笑い、足の指でそっと俺の内股をなで上げてくる。
ストッキングのすべすべした感触がたまらない。

 ◇

貴音がうちの事務所に移籍してきて真っ先に望んだのが、俺のプロデュースだった。
そのときには高ランクにあがった千早の専属という話もでていたのだが
社長たっての願いとあれば断りづらい。
それに俺自身、彼女のポテンシャルには興味があった。
いや、正直いえば貴音ののびやかな肢体に心を奪われていたのかもしれない。
数日後、二人きりのレッスンスタジオで俺は貴音を抱きしめ、唇を奪っていた。
自分でも何故そうなったのかわからないまま、その夜俺と貴音は男と女の関係になった。


「あなた様にも、それから如月千早にも迷惑はかけかせぬ故…」
「それならどうして離さなかった?」

避妊具を拒み、達する直前に体を離そうとした俺にしがみついたため
中にたっぷり放つ羽目になった。
満足そうに微笑みながら、貴音がいったのが先の台詞である。

「それはご心配に及びませぬ」

それは、体を交えるときの常となった。
年齢的に生理がきていないというのは考えられない。ピルでも服用しているのか。
もっとも、その類の質問はいくら聞いても貴音が答えることはない。
そして、一向に命中した様子も見られなかった。
千早と体を交えるのと同じほど。すなわち月に2、3度。
不思議なことに、体を重ねる日がかぶったことは一回もなかった。


「あなた様と千早が交わっている姿、見せてはもらえませぬか?」

いつものように貴音を抱き、終わった後その銀色の髪を撫でながら時折唇を重ねたり。
貴音が何気ない口調で言い出したのはそんなゆるやかで怠惰な名残の時間だった。

「俺と千早の?」
「はい」
「さすがに冗談だろ?」
「本気ですわ」

理由を聞いても、やはり答えない。
千早がそんなことを認めるわけがない、いくらいい聞かせても貴音は首を振るばかり。

「お任せいただければ、大丈夫です」

その一点張りだった。
「あなた様のご自宅にお招きください。それだけで大丈夫ですので」

思えば初めて抱いたときからしてそんな調子だった。
−あなた様のお情け、いただけませんか。
−あなた様の陰茎、まことわたくしに馴染むようです。
−あなた様の精液がわたくしの中に満ちているのですね。

結局貴音の言うとおりにするしかなかった。
千早がオフで家にいる日に合わせると、適当な言い訳を考えて貴音を呼んだのである。



いままでのことを考えれば、貴音が望むのは3Pだとか、千早に自分の存在を認めさせるとか
そういう低俗なことではないように思えた。
だからといって、では何が理由だとはいくら考えてもわからない。

頼むから修羅場だけは勘弁してくれよ、と自ら欲望に任せてこの事態をつくっておきながら
俺はどこか暢気に事態の推移を眺めようとしている。
今、貴音と差し向かいになって、お互いの足で隠微なまさぐりあいをしながら
このあとどうやって千早を納得させるのだろうかと俺は興味津々だった。
もともと炬燵を好んでいないところに、この前炬燵で寝込んでいるところを俺に
襲われ犯されたのに懲りている。

ましてや、貴音という不意の来客である。
嫌っているわけではないが、人見知りか、それとも苦手意識からかこっちには来ずに
片付ける課題があるといって、自分の部屋にこもっている。
貴音は別にそれは気にせず、俺にも呼んでこいともいわない。
しょうがない、なるようになるか。そう思い直し、足をさらに前へとのばす。
指先が足の付け根、やわらかいその部分に触れると貴音の口から小さく声が漏れる。

ぬちゃり。
そんな音が聞こえたのは錯覚だろうが、足指が触れたのは本来あるべきものではなかった。
いつのまに脱いだのか。あるいは履いていなかった?
そんな疑問もともかく、不自由な体勢から懸命に足指を動かし、貴音の秘裂をなぞりあげる。

「あぁ…もう少し強く……」

目を伏せ、快楽を追い始めた貴音の表情を見ていると、俺の股間も勢いが増してくる。
まさか、ここでは無理だろうから貴音が帰った後、千早を呼んで。
上気した貴音の顔を見つめながらそんなことを考えていると、不意に瞼が開いた。
うっすら微笑みを浮かべると、するりと立ち上がった。

「千早のことはこのあとに。今はわたくしが…」

その拍子にまくれた炬燵布団の隙間から、立ち上る薫り。
そう、確か何とかという名前のお香といっていた。
なまめかしくもどこか懐かしい、貴音の薫り。
それに気を取られていた。
貴音は俺の股間を隠す布団をさっと開くと、有無をいわさず怒張を露出させた。
そのまま屈み込んで、つぷ、と唇に包み込まれる。
目の下でゆるやかに上下する、豊かに波打つ銀色の波。
声を殺すだけでもひと苦労だった。
壁一枚隔てた隣にいる千早。決して厚い壁ではなく、千早の耳は聡い。


なのに頭の中から千早の存在が消えそうになる。いや、もう貴音に入れたくて仕方が無かった。
そんな想いを読み取ったとでもいうように、貴音は顔をあげ、軽く俺をにらむ。

「よろしいのですか、ここで頂いても?」
「だ、駄目だ」

しかし俺の手は貴音の体を引き寄せていた。
もちろん貴音も抵抗なぞしない。
優雅とすらいえる身のこなしで俺をまたぎ、ゆっくりと腰を沈めかけて動きをとどめる。

「今は少しだけに。それと、約束してくださいませ」
「な、何を?」
「この度は決してわたくしの中に漏らさぬように。くれぐれも」
「どうして」
「途中で千早と代わりますゆえ。理由は後ほどお教えいたしますゆえ」

その時だけ、妙に視線が真剣だったように思う。
ともかくどうにもならなくなっていた俺はがくがくとうなずき、貴音の腰を引き寄せる。

ぬぷ。
今度は確かにそう聞こえた。
十分に潤みきった貴音の蜜の壷に俺のはしたない怒張がずぶずぶと飲み込まれていく。
一旦奥まで収めきると、貴音は俺の首に腕を回し、耳元で囁き始める。

「千早のことは心配ありません。あなた様のお情けをいただきました、ささやかなお礼にて」
「い、一体何をいっているんだ」

貴音は答えず、腰を上下させはじめた。
スリルが後押しするのか、高まるのが早かった。
それを察した貴音はすっと腰をあげ、体を離した。

「ま、まってくれ。もう少し」
「あなた様、先ほどの約定、お忘れなきよう。いま千早を呼んでまいりますゆえ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」

なんとか貴音を引きとめようとしたが、体が動かなかった。
どういうことだ? 待て、貴音。待ってくれ。


立ち上がるとスカートが自然に降り、先ほどまでの痴態は面影すらうかがえない。
ただ、あの薫りだけを除いては。
貴音はすぐに戻ってきた。
どうやって誘ったのか、まるで仲の良い子供のように手をつないでいる。

「あ、あの…私はどうすれば?」

猛った股間が丸出しのままという俺の醜態を見ても、千早の表情は変わらない。
いや、何かが違う。なんだ? この違和感は?

「さ、千早。あなたの大切なひとがお待ちですよ」

貴音の声は、千早を慈しむかのように柔らかで優しい。
言われた千早は、俺の股間と貴音を交互にみながら、顔を赤らめる。
それでも意を決したようにひとつうなずくと、その場でスェットをおろし、ショーツも脱ぎ捨てた。
まだ身動きのままならない俺ににじりより、ゆっくりとまたがる。

駄目だ、千早。まだ早い、濡れてないと痛いだろ?
だが、千早の秘裂に突き当たった俺の先端、つい先ほどまで貴音の中に包まれ濡れたままのそこが
感知したのは、やはりぬるぬると潤んでいる女性器の温かさだった。

「…プロデューサー、いいですか?」

これ以上ないくらい、千早の顔は真っ赤になっている。
俺の膝にまたがって膝立ちになっていて、もう力さえ抜けば一気に奥までいってしまうだろう。
千早は俺の肩に手を置き、顔を近寄せる。

「あ、あの…い、入れますね」

そういって唇を重ねてきて。
次の瞬間、俺の怒張は狭く熱い千早の膣に包み込まれていた。
先ほどまで交わっていた貴音とは違い、動きはまだ拙いが
あどけない表情で、懸命に腰を上下させる千早を見ていると、愛しさが突き上げてくる。
両手で彼女の体を支えるだけにし、動きは千早に任せる。
動きが大きく、激しくなる。
千早の口から遠慮がちな声が漏れ始め、それはすぐに悲鳴のような喘ぎにとって変わる。

「あっ、ああ、だめぇ、すごい…すごく、きもちいい…こんなの…いや、おかしくなるぅ」
「さあ、大丈夫ですよ、千早。あなたの中に、たっぷりと頂くのです」
「な、中に? わたしの中に? プロデューサーの…を、たくさん」
「ええ、そうです。プロデューサー殿の精、全て千早の中に、受け止めるのです」
「ふぁっ、ああ、あん、やぁ、だめ、いく、いっちゃう…」

貴音の手が、激しく動く千早の肩をそっと支えている。
その目が俺を見る。
(さあ、あなた様。千早の中に、約定の通り)
(わ、わかっている…千早の中に出すぞ)

その瞬間。
俺は千早の腰を力の限り引き寄せ、その膣奥、子宮の入り口にたたきつけんばかりの勢いで発射した。
脈動は何度も続き、ぐったりと力の抜けた千早を抱き寄せながら、まだ俺のものは動きをとめなかった。

(貴音、これで…これでよかったんだな?)
(はい、あなた様。これで、千早は大丈夫です)
(そうか、それは良かった)
(では、あなた様も千早も、お元気で)

貴音が何度か口にした、台詞。
千早の何が大丈夫なのか。
それを改めて確認する機会は、その後ついぞ来ることはなかった。


どれくらい時間がたったのだろう、気がつけば炬燵の部屋で、俺は千早を抱きかかえていた。
すでに勃起が収まっていたので結合は解けてはいたが、おそらく交わったままの体勢で
まどろんでしまったのだろう。
千早の肩にはこの部屋には無かったはずのひざ掛け用毛布が掛けられていた。

 ◇

結局、あのあと特に変わったこともないわけだが、自分の記憶にかすかにひっかかる
細かい違和感だけは、長い間なくなることがなかった。
たとえば、俺にまたがり躍動する千早の黒髪の向こうにちらちと見える、銀色の波。
千早を抱き寄せ、唇を交わすその瞬間に脳裏をよぎる、微かな薫り。
何かはわからないが、思い出すたび懐かしい感じが頭を掠めていく。

変わったといえば、千早の方が大きいのだろうか。
生理前に体調の変化が激しかったのが、年明早々、最初のお客さんの時から綺麗になくなったらしい。
痛みも少なく、体も随分と軽くなったらしい。
また恥ずかしがりやは相変わらずだが、あの時の反応も格段に良くなった。
俺にまたがり、一生懸命な顔つきで腰を振りながら、時折俺の顔を見て、小さく首をかしげている。

やがて専属となった俺は千早をトップアイドルに仕立て上げ、その後
彼女の人生の専属となるのだが、それはまた別のお話。



おしまい

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