輪廻の蛇��
最終更新：
kuroe_trpg 2021年12月18日(土) 18:42:47履歴
SW2.5キャンペーンリプレイ 漠砂に眠る蛇
最終話 輪廻の蛇 ��
冒険者紹介
最終話手前にして少し育ってきたので、セッション開始前にリビルド（成長しなおし）の機会を設けた。
PL1：おぉかみさん
名前：ルーカス
種族：人間／性別：男／年齢：18
技能：ファイター Lv.4→6／エンハンサー Lv.2／スカウト Lv.1／セージLv.1／アルケミストLv.1
コネクション：石窯のウェンドリン（友人）／超絶無双天才忍者エリス（友人）／探究者アズダハッグ（顔見知り）／斬首人カペラ（顔見知り→友人）
貴族出身の冒険者。調子乗りが災いして大失敗をし、家から追い出される。
その事件でとあるエルフと因縁を持ち、屈折した思いを抱くことになった。
前線で身体を張るオフェンシブタンク。〈不沈の新星（アンスィンカブル・ノヴァ〉を称するようになった。
リビルドによって戦闘特技〈薙ぎ払い〉を〈防具習熟A（金属鎧）〉に換え、また一段と硬くなった。
アルケミスト技能で取得した賦術ヒールスプレーは、補助動作で回復ができる優れもの。
さらに名誉点を消費してカペラと友人のコネクションを獲得。ふつうの友人とはもちろん違うだろうが、なんらかの敬意が生じる間柄となった。
PL2：シュープリスさん
名前：ウィズ・サジェッツァ
種族：エルフ／性別：女／年齢：107
技能：ソーサラー Lv.4→6／セージ Lv.3／レンジャー Lv.1／スカウト Lv.1
コネクション：石窯のウェンドリン（友人）／超絶無双天才忍者エリス（友人）／探究者アズダハッグ（顔見知り）／斬首人カペラ（顔見知り）
以前魔物に襲われたさい冒険者に命を救われた経験を持つ。
砂漠を舞台にした物語に憧れを抱き、その後用心深く知識を蓄えて冒険に出発。
パーティーの知恵袋たる後衛ソーサラー。
新しく習得したファイアーボールは陽の目を見るのか。
戦闘特技〈バイオレントキャスト〉によって達成値が高められた攻撃魔法には、もはや誰も抵抗できない。
PL3：煮本さん
名前：エディル
種族：人間／性別：男／年齢：17
技能：マギテック Lv.2／シューター Lv.4→5／スカウト Lv.3→4／セージ Lv.1／アルケミストLv.1
コネクション：石窯のウェンドリン（友人）／超絶無双天才忍者エリス（友人）／木苺のサーラ（友人）／凶星のゾハル（顔見知り）
チキチキ素人魔動機バイクレース大会優勝者。
そのとき発見した遺跡に心を動かされ、また同輩から刺激を受けて冒険者を志す。
強力なダメージディーラーとなり得るマギシュー。
アルケミストで取得した賦術、は相手の回避力を低下させる効果を持つパラライズミスト。
リビルドではセージの習得言語を変更し、魔法文明語の会話ができるようになった。
また名誉点50を消費して冒険者ランク〈レイピア〉に。ちなみにほかのふたりは〈馬の骨〉
アストロ・ソフィアを知っている人の半分以上は、エディルのことをリーダーだと思ってる。
☆ ☆ ☆
黒江＠GM : さて、ではみんな揃いましたので
黒江＠GM : やっていきましょう
黒江＠GM : キャンペーン最終話、輪廻の蛇
黒江＠GM : さて、例によって前回までのあらすじ
黒江＠GM : ではなく
黒江＠GM : 今回の意気込みをそれぞれひとことずつどうぞ
エディル : 10発中5発は当てたい
ウィズ・サジェッツァ : 魔法ダメージもそろそろクリティカルしてほしい
ルーカス : 死なない
黒江＠GM : OK
黒江＠GM : 地下遺跡にてアイアンゴーレムを退けた矢先
黒江＠GM : 「地上にザハリヤルが出現した」との報を受け
黒江＠GM : 急ぎ野営地まで戻ってきたところだった
時系列的には5話終了直後だが、シナリオを挟んだ＆演出上の都合で全回復。
そして明らかになるザハリヤルの姿。
ザハリヤル見取り図。
カペラ : 「これは……いったい……？」
ルーカス : 「街が……これが、ザハリヤル…！？」
エディル : 「まぁ……」
エディル : 「遺跡が浮き上がったってこと……」
エディル : 「なんだろうな……」唖然
カペラ : 「そんなことはない。私たちが通ってきた地下は変動などしていなかった」
カペラ : 「しかし、では、ここにあるのはなんだ？」
ルーカス : 「これほど巨大なものが移動したのであれば、大なり小なり地が揺れてもおかしくないと思うのだが……お？」
エリス : 「おあーっ！ 帰ってきよった！」
エリス : 「おいウェンドリン！ アホどもが帰ってきよったで！」
ルーカス : 「どうした、エリス！」
ウェンドリン : 「あわわわ、みなさんご無事で！」
エディル : 「ルーカスはなんで無事なのかわからないレベルだったが無事だな」
ウェンドリン : 「見ましたかアレ！」
ルーカス : 「ウェンドリンもか。ああ、見たぞ。何があったんだ？」
ウェンドリン : 「わかりません！」
ウィズ・サジェッツァ : 「見たまんまとしか形容できないだろうな…う〜む、探索中に何かやっただろうか」
ウェンドリン : 「なんか30分ぐらい前に急に出てきたんです！」
エディル : 「おう、ここでお前さんがわかっててもこええわ」
ウェンドリン : 「なんでしょうね……幻術？」
エディル : 「あー」
エディル : 「それが一番ありえる線か、確かに」
ルーカス : 「なるほど、幻術」
ラージャハ兵 : 「隊長！ カペラ隊長！」
ラージャハ兵 : 「南より正体不明の兵士たちが接近してきてます！」
ラージャハ兵 : 「ザハリヤルの内側から出てきた模様です！」
ルーカス : 何か次々と事が起きている！
エディル : 「幻術じゃなかったかぁ」
カペラ : 「…………」
カペラ : 「手勢をまとめて、民間人の避難を誘導しろ！」
カペラ : 「いったんここから離れて態勢を立て直す！」
カペラ : 「地下のジャスミンにもこの事態を伝えろ！」
ラージャハ兵 : 「了解しました！」
エディル : 「ちょいまった」
エディル : 「兵士たちっていったが、どんなだ？」
エディル : 「アンデットか？それとも人間か？」
ラージャハ兵 : 「おそらく人間かと思われますが……」
エディル : 「……ますます意味がわからねぇなおい」
エディル : 「まるで街そのものが蘇ったみてぇな……」
ウィズ・サジェッツァ : 「案外中は快適なのかもしれんぞ」
エディル : 「いっそ引っ越してみるか？」＞ウィズ
黒江＠GM : でも政治家はあんまりよくないらしいよ
ウィズ・サジェッツァ : 「砂っぽそうだし、遠慮しておこう。ともあれ退却だな」
ウェンドリン : 「ルーカスさんたちはどうするつもりです？」
ルーカス : 「ああ、まずは退却だ。」
エディル : 「仮に魔法文明の都市そのものが蘇ったんだとしたら」
エディル : 「あの中、宝の山だぜ」
黒江＠GM : では、いったん都市から距離をとる、ということでよいかな
ルーカス : そうですね、南から軍が来るというなら、攻められることも想定して、殿を務めますか
黒江＠GM : OK
黒江＠GM : では、あなたたちは野営地を放棄し、街から離れるように、西へと撤退する
黒江＠GM : 遠目に、ザハリヤル兵とおぼしき小集団が見えるが
黒江＠GM : 彼らは襲撃してきているというよりも
黒江＠GM : 突如として現れたあなたたちの野営地に驚き、様子を見に来た、という風にも思える
黒江＠GM : そして、都市から数百メートルの距離を離れると
黒江＠GM : 兵士たちの姿は、蜃気楼のように消えた
エリス : 「ん？ おらんようになったで」
エディル : 「やっぱ幻術か？」
エディル : といってちょっと戻ってみる
黒江＠GM : 兵士たちがいたあたりに戻ってみると
黒江＠GM : しっかりと足跡が残っている
エリス : 「うむ。質量のある幻術やな」
エディル : 「それもう幻術でいいのか？」
エディル : 「一旦消えたってことでいいのか？」
ウィズ・サジェッツァ : 「あるいは実体があるが、普通に魔法なんかで退却した可能性もあるだろう」
エディル : 野営地ではまたどたばたしてます？
エリス : どたばたまではしていないが
エリス : そのあたりにたむろする兵士たちは見える
黒江＠GM : さらに言えば、市街の中でかなり騒ぎが起こっているようで
黒江＠GM : 巻きあがる戦塵や、なにか大きな破壊音も聞こえる
カペラ : 「……まったく、理解を超える事態だ」
カペラ : 「ジャスミンは無事だろうか……」
ルーカス : 「過去に存在した都市がよみがえった……否」
ルーカス : 「時間を超えて過去から現代に表れた」
ルーカス : 「そんなところではないか？」
エディル : 「埒あかねぇな、ちょっとあの兵士達あたってみようぜ」野営地にいるの指差し
ルーカス : 「そうだな、行ってみよう」
黒江＠GM : アストロ・ソフィアはふたたび野営地へ戻るのだね
黒江＠GM : カペラたちはというと、ひとまず民間人を安全な場所まで避難させ
黒江＠GM : そこで部隊の最編成をはかるようだ
黒江＠GM : ウェンドリンたちもそれについていく
ウェンドリン : 「あのあのあの、無理しないでくださいね」
ウェンドリン : 「もしみなさんがいなくなったら私……」
エディル : 「あいよ、お前らは軍隊のそば離れるなよ」
ルーカス : 「お前は自分の身を第一に考えろ。我らに心配は無用だ」
ウィズ・サジェッツァ : 「うむ。これでも実力のある冒険者だからな」
エリス : 「多少無理してでもでっかいお宝とってくるんやで！」
エリス : 「早い者勝ちやで！」
ウェンドリン : 「ああああ煽ってるぅ」
エディル : 「はっはっは」
エディル : 「任せとけ、ちょっと血が滾ってる」
ルーカス : 「もちろんだとも！またとない名声を得る機会！逃すものか！！」
ウィズ・サジェッツァ : 「ルーカスはタフになったし、エディも強くなったし、私は更に賢くなった。万事問題ない」
ルーカス : 「ふむ……だが」
ルーカス : 向かう前に、首飾りを外してウェンドリンに預けましょう
ルーカス : （キャラメイクの時から持ってた天然石の首飾り)
ウェンドリン : 「形見……！」
ルーカス : 「違うわ！！」
ルーカス : 「……中で何が起きるかわからんからな。そいつを預かってろ。無くすなよ」
ウェンドリン : 「…………」
ウェンドリン : では彼女は首飾りを受け取って、重々しく頷き
ウェンドリン : あなたたちを見送るでしょう
ルーカス : 「よし、行こう」
※GM注： ごくたまにキザな感じのことしますね、ルーカス。
黒江＠GM : さて、ではひとまず野営地。
黒江＠GM : ラージャハの人々が避難した跡を、十数人の兵士たちが乱暴に荒らしまわっているね
黒江＠GM : 彼らは一見して人間のようであるが、その輪郭や実体はどこか虚ろな気もする
ルーカス : 「人間……か？」
ザハリヤル兵 : 『おい、そこの者！』もちろん魔法文明語
エディル : 「お。あっちから話しかけてきてくれたぜ」
ザハリヤル兵 : 『ハルラムの手の者か？』
ルーカス : 「（ハルラムって確か、神官王が収めていた国の名だったか）」
エディル : 「いや冒険者だ……っていって通じるのか？」
ウィズ・サジェッツァ : 「まぁとりあえず否定しておけばいいんじゃないか。違うんだし…それっぽいこと言っておこう」
※GM注： 魔法文明時代末期（3000年くらい前）、（傍迷惑な魔法王たちのせいで）アルフレイム北方に奈落（アビス）と呼ばれる異界が出現した。
その際、奈落から湧き出る魔神たちから人々を守るために巨大な壁が作られ、壁の守り人と呼ばれる職業が生まれた。
この壁の守り人こそが、冒険者という職業のルーツだと言われている。
なのでエディルが冒険者と名乗っても、相手はきっとピンとこないだろう。
エディル : 「あんたらはザハリヤルの兵隊……か？」
エディル : 「俺たちはまあ、探検家みたいなもんだ」
ザハリヤル兵 : 『探検家？ なにをわけのわからんことを言っている』
ザハリヤル兵 : 『怪しい奴め。こっちへこい』
ザハリヤル兵 : 『ほう……エルフの女か』
黒江＠GM : 装備を見る限り、彼らは正規の軍隊らしいが
黒江＠GM : どうも規律は乱れており、士気も低そうに見える
黒江＠GM : 彼らは冒険者たちを拘束しようとするが……どうするかな？
黒江＠GM : どうするかな？
相手の実力を推し量る（魔物知識判定）に、大したことはなさそうだ。
黒江＠GM : 彼らは精強とは程遠く、いまの冒険者たちであれば、
黒江＠GM : たとえこの場の全員が束になってかかってきても、一蹴してしまえるだろう
エディル : 「ここはどうだ、ウィズがちょっとサービスしてやって穏便にすませるってのは」
ルーカス : 「いいアイデアだ」
ザハリヤル兵 : ぐへへへへ話が分かる
ウィズ・サジェッツァ : 「君らはそういう目で見られないから、そういうことが言えるんだよ…」
ウィズ・サジェッツァ : どこか誇らしげに言おう
エディル : 「ノリノリじゃねぇか」
エディル : 「まぁ、いいや。これはやるしかねぇだろ」
黒江＠GM : では、兵士のひとりがルーカスの腕をぐいとつかむ
ザハリヤル兵 : 『おらっ、なにをこそこそ話してる！』
ルーカス : 「いや、なに、この場を切り抜ける相談を、な！」
ルーカス : と言って、掴まれた腕をつかみ返して、その体を近くの兵士に投げつけましょう
ザハリヤル兵 : 『うおっ？！』
黒江＠GM : ルーカスが抵抗すると、兵士たちは一気に殺気だち
黒江＠GM : みなさんを力づくで抑え込もうと襲い掛かってきます
黒江＠GM : まあ戦闘してもいいんですが、相手にならないので……
黒江＠GM : 一掃してしまった、ということで構いません
黒江＠GM : 全員丁寧に殺してもいいし、ひとりだけ生かしておいてもいいし、マンガ的に気絶させて積みあげといてもいいです
黒江＠GM : アイアンゴーレムに殴られても耐える男に、並みの兵士が太刀打ちできるわけないのである
エディル : 「ルーカスがんばれー」
ルーカス : 「お前らも手伝え！」
エディル : 「弾がもったいない」
わりと殺人に抵抗のない男ルーカスの手により、十数人の兵士はほぼ全員ぶっ殺された。ふたりだけとどめを刺さずにおき、ぐるぐる巻きに。
黒江＠GM : 虐殺される兵士たち。一応、血は流れ、肉を裂く手応えはあるものの
黒江＠GM : やはり、どこか違和感が残る
エディル : 「なぁ。この野営地、あんたらからは突然現れたように見えたか？」
ルーカス : あ、ではふたりを残してひとりはエディさんの質問が来る前に目の前で殺したことにします
※GM注： やり方が冷酷なマフィアのそれ。
ザハリヤル兵 : 『ひぃ！』
ザハリヤル兵 : 『あわ、あわわわわわ』
ルーカス : 「ほら、さっさと喋れ」
ウィズ・サジェッツァ : 「野蛮だなぁ、人間」
ザハリヤル兵 : 『あ、ああ、そうだ。急に現れたように見えたよ。あんたら、シェメシュ王の部下だな？ 魔術師なんだろ？』
ザハリヤル兵 : 『でなければ、こんなでっけぇ野営地がいきなり現れるわけがねえ』
エディル : 「俺らの素性はどうでもいいんだよ」
ザハリヤル兵 : 『許してくれぇ、俺たちはもう、ホル＝シャホル王に忠誠なんざ誓っちゃいねえんだ』
ザハリヤル兵 : 『降参する。降参するからよう』
エディル : 「なんで誓わなくなったんだ？」
ザハリヤル兵 : 『知らねえのかい？ 王はもう政治なんてそっちのけよ』
ザハリヤル兵 : 『きっと頭がおかしくなっちまったのさ。戦争にも負けたしよう』
ルーカス : 神官王文書にザハリヤルと停戦したって書いてあったから、そのことかな
黒江＠GM : 彼の発言を鑑みるに、対等和平ではなかったみたいですね
黒江＠GM : 民としては負けた、という認識なんでしょう
ウィズ・サジェッツァ : 「まぁ王が王足らねば、人民が忠を尽くすはずも無いか」
エディル : 「末端だと知ってるのはそんなとこか」
エディル : 「OK、聴きたいのはそんなとこだ」
エディル : ではずんばらり
ザハリヤル兵 : 『ｸﾞﾜｰッ！』
ルーカス : サヨナラッ！
ルーカス : 因みに死体や血はそのまま？
黒江＠GM : 一応、残るね
ウィズ・サジェッツァ : 「君らも残酷だなぁ。普通に兵がやるべきことをやってたように思うけど」
エディル : 「兵隊が挑んで負けて泣き言言うなら兵隊になるなって話だろ」
ルーカス : 「王に忠誠を誓ってないと言いながら、権力を傘に略奪を行う兵というのは、その兵自身に問題があろう」
エディル : 「ってわけで、中行ってみようぜ」
黒江＠GM : OKOK
黒江＠GM : 市街はぐるっと高い防壁に囲まれているので
黒江＠GM : みなさんは門から中に入ろうとするわけだが
黒江＠GM : 街の中からはぞろぞろと
黒江＠GM : とるものもとりあえず、といった様子で人々が出てくる
黒江＠GM : 彼らは商人や兵士などではなく、また決まった目的があるようにも見えない
黒江＠GM : 強いて言うならば、なにかの危険から逃れて、というところだろうか
黒江＠GM : ふつうなら兵士たちが門を守っているのだろうが
黒江＠GM : いまはそれも機能していないようで（ルーカスが殺したので）
黒江＠GM : あなたたちは易々と市街に入り込むことができる
ルーカス : 結果オーライ？
エディル : オーライ
---ザハリヤル---
それは不気味な街並みだった。
ザハリヤルはラージャハ首都を超えるほどの規模であり、文化や芸術は爛熟の域にある。
大通りは馬車が6台並んで通ることができ、建物は3階、4階建て以上のものも珍しくない。
しかし細かく見てみれば、それらの素晴らしさはすでに色褪せ、朽ちていく過程にあることが分かる。
戦による消耗と貧窮、そして暴政による絶望と荒廃。もはや民に過去と同じものを産み出す力は残されていない。
加えて、人間を含めた街中にあるものの輪郭は、ときおり蜃気楼のように揺らぎ、それが完全な現実ではないことを示している。
それでも、あなたたちは足下の石畳の固さを感じることができるし、通りがかる人の衣服が巻き起こす風を感じることができる。
さきほどの兵士たちと同じように、人々はあなたたちを認識し、好奇や恐怖や、敵意といった目線を向けるが、
彼らの瞳に魂は宿っておらず、かといって亡者のように濁っているというわけでもない。
とにかく、ここではすべてが曇天下でできる薄い陰のごとく、虚ろで不確かに感じられた。
黒江＠GM : そしていま、人々は都市を棄てはじめている
黒江＠GM : どうやら北の方で、なにか起こっているようであるが……
ルーカス : 「気味が悪いな……まるで白昼夢の様だ」
エディル : 「これはあれじゃね」
エディル : 「ザハリヤルが滅びる瞬間なんじゃねーの」
エディル : 「あっちで魔法王ｖｓ神官王の怪獣決戦してるとか」
ウィズ・サジェッツァ : 「ふむ、記録の無い年の滅びるその時の再現か。悪くないな。実害が無ければだが」
ルーカス : 「過去の再現、とでもいうものか？一先ずその辺の人間に、北の方で何が起きているのか聞いてみよう。幸いこちらを認識はしているようだしな」
ルーカス : とりあえず逃げる人、もしくは諦めて動かない人に北で何が起きているか尋ねます
ザハリヤル市民 : 『この街はもう終わりだぁ』
ザハリヤル市民 : 『神の裁きがくだるんだぁ』
ルーカス : 「おい、待て、どうした？北で何が起きている？」
ザハリヤル市民 : 『なにって、おめぇ』
ザハリヤル市民 : 『シェメシュ王がやってきたのよ。この街を滅ぼしにやってきたのよ』
ルーカス : 「……どれくらい前だ？」
ザハリヤル市民 : 『ついさっきのことだぁ』
ザハリヤル市民 : 『野次馬はやめとけ、街ごと滅んじまうぞ』
ルーカス : 「そうか、わかった。礼を言う」
黒江＠GM : 解放されると、市民はよたよたと逃げていきますね
エディル : 「やっぱやってんのな怪獣決戦」
黒江＠GM : さて、どうしましょうか
エディル : 怪獣決戦現場に向かってみます
黒江＠GM : OKOK
黒江＠GM : では、北市街
黒江＠GM : 振るわれた力の割に、それは惨憺たる光景というわけではなかった
黒江＠GM : ただ異様なのは、広場に佇むひとりの男と
黒江＠GM : その足元で崩れ去った、2体のアイアンゴーレムである
エディル : 「あれが王様のどっちかか……？」
ルーカス : その人物の姿はどんなでしょう？具体的には、ハルーラ神官に似た様相ですか？
黒江＠GM : 男の服装はさして派手でない
黒江＠GM : しかしじっくりと観察するならば、その特異さに気づくだろう
黒江＠GM : あなたたちがこの存在から感じ取る霊気は、およそ人間が纏いうるものとは思えない。
黒江＠GM : それは人間を超越し、永劫を生きる上位の存在となった者だけが持ちうるものだ……。
ウィズ・サジェッツァ : 「むぅ、すさまじいオーラを感じるな」
黒江＠GM : 男は朗々と、しかしどこか肉体に似合わぬ声でこのような演説をはじめる
？？？ : 『民よ。かつてこの肉体に宿っていた魂の持ち主は』
？？？ : 『己が力のみではホル＝シャホル王の蛮行を止めること叶わぬと悟り、魂を投げうってまで私に助力を請うた』
？？？ : 『私はその願いを聞き入れ、いまこうしてやってきた。反抗はやめよ。それはすべて虚しきものである』
？？？ : 『民よ。堕落した王と都市を棄て、逃げるがよい。それぞれの門より出で、不義と悪徳の届かぬ場所まで走るがよい』
？？？ : 『さすればお前たちは星に導かれ、やがては安息を得るであろう』
？？？ : 『もし王とともに、都市とともに残りたい者がいれば、そうするがよい。闇に染まった肉体をもって生きるのが苦痛だというのならば、残るがよい』
ルーカス : 「……おい、おいおい、まさかあれは」つぅと冷や汗一筋
※GM注 ：レベル15神聖魔法、コール・ゴッド。神格を自らの肉体に降ろし、その力を行使するものだ。
いま演説をしているのはシェメシュ王に降臨した星神ハルーラ。25レベル以下の存在ならば抵抗の余地なく一掃できる。
コール・ゴッドの代償は降ろす神格によるが、ハルーラ（大神）の場合は術者の死亡。
ルーカス : 「ズバイダーが言ってた光とやら、なるほど神の御業であればさもありなん」
エディル : 「おーい……？ハルーラ神……で、いいのか？」
果敢にも会話を試みるエディル。
黒江＠GM : ちなみに何語で？
エディル : 魔法文明語
黒江＠GM : では同じ言葉で返そう
黒江＠GM : エディルが話しかけると、その存在は鋭く、しかしどこか慈悲に満ちた目で冒険者たちを見るだろう
？？？ : 『去るがよい』
？？？ : 『ここは過去の影である』
黒江＠GM : そして彼は、王宮に向かってゆっくりと歩きはじめる
ルーカス : 「……現状を認識しているのか」とつぶやきます。交易共通語で
エディル : 「おい、待った！あんた何が起きてるかわかってんだな！？」
黒江＠GM : 男は答えないね
エディル : 「こりゃいったいなんだ！何が起こってんだ！？」
ウィズ・サジェッツァ : 「不敬な物言いだな…エディ。うむ、まぁ…今のお言葉が事実なら、我らにできることも無いだろう」
エディル : 「ちくしょう、たまには教会いっときゃよかったか」
エディル : 「まぁ……引き際かね」
ルーカス : 「そうだな。此処が過去の影であるというなら、持ち帰れるものも無かろう」
ウィズ・サジェッツァ : 「ふむ…そうなると、我らにできるのは現れる可能性のある輪廻の蛇への対処か」
エディル : 「わからねぇのは……」
エディル : 「いったいこれはなんのために起きてんだ……？」
アストロ・ソフィアはひとまず撤退し、安全な場所で状況を整理することに。
黒江＠GM : では、あなたたちが街の外へ避難し、しばらく様子を見ていると、
黒江＠GM : やがて全天を引き裂かんばかりの光が、ザハリヤルを包み込むように降り注いだ
ルーカス : 「うおおっ！？」眩しい
黒江＠GM : 目を庇いながらも、あなたたちは足下に激しい揺れを感じ
黒江＠GM : 地底に墜ちていく都市の、断末魔の叫びを聞いたような気がした
黒江＠GM : ……しかし、目を明けてみると、都市はふたたびそこにあった
黒江＠GM : あなたたちが地下から這い出てきて
黒江＠GM : はじめて蘇った都市を見たときと同じように
黒江＠GM : 虚無を湛えながらも、間違いなくそこにあった
ルーカス : 「…………消えてないな？」
ウィズ・サジェッツァ : 「あと300年あれば私も或いは…」
※GM： ひとりだけ感想の方向性が違う気がするウィズ。人間の街を滅ぼしたい欲があるのかもしれない。
ソーサラーはレベル15になると隕石を落とせるようになる（メテオ・ストライク）ので、あながち不可能でもない。
エディル : 「……つまり、これは、あれだな？」
エディル : 「ルーカスが喜んで拾ってたエロマギスフィアの映像みたいなもんなんだな？」
黒江＠GM : かしこい
ルーカス : 「まて、アレは中身を知らなかったんだぞ」弁解
エディル : 「……仮に、これがマジであれの同類だとしたら別にほったらかしといても問題はないと思うが……」
ウィズ・サジェッツァ : 「さて、どうだろうな？」
ウィズ・サジェッツァ : 「都市はともかくホル=シャホル側はそう都合よくいくと思えんが…」
エディル : 「なんのためにこんな魔法残したのかって意図もわからんしな」
ルーカス : 「……これがマギスフィアに残す映像の様なモノなら、また同じことが起きるのか？」と野営地の方を見ながら
エディル : 野営地から避難した人たちって野営地に戻ってたりしません？
黒江＠GM : しないですね
黒江＠GM : あ、でも遺跡の入口からジャスミンが出てきた
ジャスミン : 「はーつかれたつかれた」
エディル : 「無事だったみたいだな」
ウィズ・サジェッツァ : 「流石は副隊長」
ジャスミン : 「おわぁ、本当に出とる！！」
ジャスミン : 「えー……なぁにコレぇ」
ジャスミン : 「おっす諸君。コレなに？」
ルーカス : 「ザハリヤルの幻……と思しきものだ」
ジャスミン : 「幻にしちゃあリアルだねぇ」
エディル : 「遺跡発掘でルーカスが喜んで見てたエルフエロマギスフィアの超リアル版、らしい」
ルーカス : 「まて、それ前半言う必要あったか！？」
ジャスミン : 「ってことはアレかい？」
ジャスミン : 「中に入って人をバチボコ殴っても無罪？」
エディル : 「わからん。なんつーか、まだ何が起こってるか把握しきれてねぇ」
エディル : 「バチボコ殴ってもノーカンな気はするが、それで反撃されたらどうなるかってのも検証できてねぇ」」
ルーカス : 「それより、地下の方は大丈夫か？何か起きなかったか？」
ジャスミン : 「地下はまあ静かなもんだよ」
ジャスミン : 「……ふーむ。私はこういうことまったく分からんけど」
ジャスミン : 「魔術師ギルドに詳しそうなヤツいたじゃん。ほら、ドレイクの人」
ルーカス : 「ううむ、そうだな、餅は餅屋だ」
短めの作戦会議を挟んでから、アズダハッグに助言を求めに行くアストロ・ソフィア。
ルーカス : ちょっぴりカッコよくウェンドリンと別れたのにすぐ戻ったら恰好がつかないけど、いいか
黒江＠GM : あなたたちは市街から1ｋｍほど離れた位置で待機していたラージャハ軍と合流した
エリス : 「お？ 案外早かったやんけ」
エリス : 「楽勝やったか？」
エディル : 「楽勝だったのか辛勝だったのか勝ったのか負けたのかもよくわからん」
ルーカス : 「だな……それで詳しそうなやつに聞きに戻ってきたという所だ」
エリス : 「アレやわ、なんかブッワーなる光に巻き込まれて死んだかと思て心配しとったわ」
エディル : 「さすがに逃げたわあれは」
エディル : 「じゃ、ちっとまだ終わってねぇからいってくるわ」
エリス : 「がんばりや〜」
ルーカス : 「お前もウェンドリンの事、頼んだぞ」
エリス : 「この超絶無双天才忍者にまかせとき」
ウィズ・サジェッツァ : 「うむ、任せたぞ」
黒江＠GM : さて、避難民たちは、一部街道を通ってマカジャハットまで戻っていったようだが
黒江＠GM : ラージャハ軍とともに残って様子見をしている者たちもいる
黒江＠GM : その中には、魔術師ギルドの面々やアズダハッグもいたね
ルーカス : 「よかった、ここに残っていたか」
アズダハッグ : 「おっ、おつかれさまであります」
アズダハッグ : 「あの都市に向かっていったのを見て、心配していたであります」
アズダハッグ : 「なにか成果は得られたでありますか？」
ウィズ・サジェッツァ : 「神と話すのは滅多にできる経験では無かったのではないだろうか」
エディル : 「よくわからん」
エディル : 「から、聞きに来たって感じだな」
ルーカス : 「そういうことだ。またお前の知恵を借りたい」
エディル : といってルーカスのエルフエロマギスフィアの話も添えつつ見解を説明します
ルーカス : 「だからその前置きいるのか！？」
アズダハッグ : 「エディルどののたとえ話はとても分かりやすいであります」
ルーカス : 「くっそ、存外効果的で腹立つ！」
エディル : 「はっはっは」
アズダハッグ : 「ただ、自分はこれはただの幻術や記録映像ではないと考えるであります」
エディル : 「まぁ……こんな大規模マギスフィア映像展開しても一文の得にもならんだろうからな、なんかあるとはおもうが……」
アズダハッグ : 「みなさんも目にされたかとは思いますが」
アズダハッグ : 「天から降り注ぐ光によって、ザハリヤルは滅び」
アズダハッグ : 「しかしその後、何事もなかったかのように再生した」
黒江＠GM : と、アズダハッグは片手の指で円環を作ってみせます
アズダハッグ : 「死と再生、あるいは輪廻」
アズダハッグ : 「以前、墓に刻まれていた意匠を見せてもらったでありますが」
アズダハッグ : 「尾を噛む蛇が示す象徴のひとつが、まさにそれなのであります」
アズダハッグ : 「まあ、ちょっとこれは盗み聞きしたことなのでありますが」
アズダハッグ : 「ホル＝シャホル王が研究していた呪物というのが、まさに輪廻の蛇と言うそうでありますな……？」
ルーカス : 「ああ。……ではこれは輪廻の蛇とやらによるものということか？」
アズダハッグ : 「その可能性は充分にあるであります」
アズダハッグ : 「とはいえ、これだけの規模の魔術……ただの幻術であっても相当でありますが」
アズダハッグ : 「とんでもないものでありますなあ」
ウィズ・サジェッツァ : 「魔法王の名は伊達では無いな」
ルーカス : 「……ハルーラの神官、ヴォードレルが命に背くほど恐れ、神官王シュメシュがその身を賭してまで滅ぼそうとしたもの」
ルーカス : 「それがただ幻術を生み出すだけとは考えにくいな…」
アズダハッグ : 「それともうひとつ、墓碑に刻まれていた言葉でありますが」
アズダハッグ : 『大河を流れる水も 天球に浮かぶ星も か弱い肉に宿る魂も 世に輪廻せぬものはなし ただひとつ 時の歩みを除いては』
アズダハッグ : 「これ、実は逆説的に、輪廻の蛇の秘密を暴露しているのではないかと思うのであります」
ルーカス : 「どういうことだ？」
アズダハッグ : 「時の歩みは通常、繰り返したり、さかのぼったりすることはない」
アズダハッグ : 「しかしもしそれができたなら……？」
ルーカス : 「……本来輪廻する者が、しなくなる？」
アズダハッグ : 「もっと大きい話であります。それはすなわち、時間を操るということになるであります」
アズダハッグ : 「それこそが、輪廻の蛇、ひいては、ホル＝シャホル王の狙いだったのでは……と」
アズダハッグ : 「これ、魔術師ギルドの人に言ったらめっちゃ笑われたであります」
ルーカス : 「時間を操る……」
エディル : 「つまり、あれか」
エディル : 「シャホル王は時間を操作する魔法を手に入れようとしていた」
エディル : 「あの街はその一端だと？」
アズダハッグ : 「まあ失敗作か、副産物的なアレかもしれないであります」
エディル : 「ふーん……」
アズダハッグ : 「まあ、自分の推論としてはこんなところであります」
エディル : 「てことは、やっぱあれを出してる魔法装置……みたいなもんがどっかにあるのか……？」
ルーカス : 「……誰しも生きていれば後悔することが少なからずある。その度に想う、”もし時間を撒き戻せたら”と」
ルーカス : 「ホル＝シャホルはそれを実現しようとしたのか？」
アズダハッグ : 「うーん」
ルーカス : 「その果てに乱心したのか、乱心したが故にその術を追い求めたのかわからんが…」
アズダハッグ : 「その辺は彼の器がどれぐらいかによるのであります」
ルーカス : 「とにかく、放置してよいものではなさそうだな」
ウィズ・サジェッツァ : 「ふむ。まぁ…規模を考えると、我々だけでどうにかなるものでもあるまい」
ルーカス : 「確かにな……だが」
ルーカス : 「故に身を引く、という解があるか、ウィズ？」
ルーカス : 「かつての魔術王が求め、歴史の闇に消えた輪廻の蛇とやらの正体を暴くチャンス、逃すにはあまりに惜しいと思うのだが」
作戦会議したり、地下遺跡に手がかりがないか探ってみたり。
廃都の方も丹念に探せば手がかりは見つかるのだろうが、シナリオとしてはなにも配置していないので、結果としては空振り。
黒江＠GM : その間にもザハリヤルが二、三回滅びてます
エリス : 「ああああああ！ いちいち眩しいねん！ 眠れんやろがぁ！」
エディル : なんか見た感じ最初の方と変化はあります？
黒江＠GM : いいえ、完全に同じループを繰り返しているように思えますね
ひとまず、報告と情報収集を兼ねてカペラのところへ。
カペラ : 「ああ、お前たちか」
カペラ : 「どうした？」
エディル : 「あの滅びまくってる街についてまぁ仮説ができたんで一応話にな」
カペラ : 「聞こう」
エディル : ではこれまで聞いてきた話を
エディル : ルーカスのエルフエロマギスフィアの話を添えて話そうとしたらさすがに殴られたので、断念して省いて説明します
ルーカス : ｗ
カペラ : 「なるほどな……極めて強力な魔術であるということは理解できた」
カペラ : 「そういえばお前たち、砂鷲団のラルヴァンとホルミスを覚えているか？」
エディル : 「誰だっけ」
カペラ : 「アイツら、さきほど意気揚々と都市に乗り込んでいってな」
カペラ : 「ホル＝シャホル王の至宝を手にするのだと息巻いていた」
ルーカス : 「…で、戻ってきたか？」
カペラ : 「いいや」
ルーカス : 「南無…」
カペラ : 「ヤツらも決して口だけではない、充分な実力を備えている」
カペラ : 「死んだかどうかは分からんが、ザハリヤル攻略が一筋縄でいかないのは確かだろう。もし行くのならば、気をつけろ」
いまさらラルヴァンとホルミスを探したところで埒が明かない。王宮へ向かうべきだろうと提案するエディル。
正面から押し入るのはさすがに困難だろうが、都市北東にある貯水池からのアプローチが可能かもしれない、と気づくルーカス。
黒江＠GM : では貯水池に向かってみるかな
ルーカス : はい、向かってみます
黒江＠GM : OK
黒江＠GM : あなたたちを城壁をぐるりと回り
黒江＠GM : 北東の貯水池までやってきた
黒江＠GM : 高度な建築技術によって造られた上水道は、北東の貯水池から市街に水を供給している。
黒江＠GM : 煉瓦と瀝青を主な材料とした水路は、人間が通れるほどに大きい。
ズバイダー : 「うふふふふふ」
ズバイダー : 「どぅーにゃん、ラクシアで一番かわいいよ……」
ルーカス : 「お？」
ズバイダー : 「うわぁ！ いきなり何ニョロ！」
エディル : 「これは過去のこいつか、それとも今のこいつか」
ズバイダー : 「なんか珍妙な格好のヤツが来たニョロねえ。迷子ニョロか？」
エディル : 「過去っぽいな」
ルーカス : 「こちらを覚えてないようだ。妖精の記憶力が当てになるかは怪しいが…」
ズバイダー : 「え？ どぅーにゃん、前に見たことがある？ まさかあ。こんなヤツら知らないニョロ」
ルーカス : 「ズバ子とどぅーにゃん、ちょっといいか？」
ズバイダー : 「な、なぜ私の名前を知ってるニョロ」
ズバイダー : 「もしかしてファンニョロ？」
エディル : 「ちょうどいいや、ここの水路から王宮いきてぇんだが、手伝ってくれねぇ？」
ズバイダー : 「行きたいなら勝手に行けばいいニョロ？」
エディル : 「キャーズバ子ちゃんかわいいー」
ズバイダー : 「うっうっ、最近は妖精に対する敬意がなくなって久しいニョロ」
ズバイダー : 「たとえわざとらしくても、それを表してくれるのは嬉しいニョロ」
エディル : 「（あれでいいのか……）」
エディル : 「まぁともあれ、勝手に行っていいならいこうぜ」
エディル : とりあえず上水道を進めるかどうか確認してみる
黒江＠GM : 上水道は侵入者対策なのか、構造物の上に人がのぼれないよう、三角形の屋根になっている
黒江＠GM : 内部はもちろん水で満たされているが、ウィズなら大丈夫だね！
ウィズ・サジェッツァ : 「では先に行って様子を見てくる」
ズバイダー : 「女の子だけ先に行かせるニョロ？」
ズバイダー : 「もしかして男ふたり、水中で息ができなかったりするニョロか？」
エディル : 「しゃあねぇなぁ。キャーズバ様素敵ー！ 愚かな人間を助けてー！」
エディル : 「水中で呼吸ができるようになりたーい！」
ルーカス : 「た、ﾀｽｹﾃｰ」棒読み
ズバイダー : 「演技が下手なのはいいとして、目的のためにプライドを捨てられるのはいいことニョロ」
ウィズ・サジェッツァ : 「安いプライドだからな」
エディル : 「こちとら日々そこのエルフに貶されてんだよ」
ルーカス : 「ああ、今更どうという事は無い」
ウィズ・サジェッツァ : 「つまり私のお陰と言うことだな。うむ」
ルーカス : 「（皮肉が通じてない）」
ズバイダー : 「でも私はそれほど魔法が得意じゃないので、どぅーにゃんにやってもらうニョロ」
ズバイダー : 「え？ なに？ そうニョロね、伝えるニョロ」
ズバイダー : 「どぅーにゃんからお願いがあるニョロ。こちらが施す親切のお代がわりに」
ズバイダー : 「どこかで困っている妖精を見つけたら、親切にしてやってほしいニョロ」
ズバイダー : 「どぅーにゃんマジ天使ニョロ？」
ウィズ・サジェッツァ : 「心当たりがありまくるな。心がけよう」
ルーカス : 「あいわかった」
エディル : 「あいよ」
エディル : 「これ先払いっていうんかね……？」
黒江＠GM : では、ドゥニャザッドによるランク4妖精魔法
黒江＠GM : ボトムウォーキングをエディルとルーカスにほどこします
黒江＠GM : まあ水中で自由に活動できるようになったと思ってください
黒江＠GM : 一応、効果時間は1時間
エディル : 「ありがとさん」
ルーカス : 「恩に切る」
ズバイダー : 「人々の飲み水になるわけだから、中でおしっことかしちゃダメニョロ？」
ルーカス : 「せんわ！」
エディル : 「あいよ、気をつけるわ」
エディル : 「じゃまた2000年後ぐらい」
エディル : ざばーん
ズバイダー : 「……どういう冗談ニョロ？」
ルーカス : 「そのままの意味さ。ではな」ざばーん
黒江＠GM : みなさんは貯水池から水路を通って、王宮を目指すわけだね
ルーカス : 目指しましょう、ざぶざぶ
エディル : ざーぶざーぶ
黒江＠GM : ディガットより流れる冷たい水は、太い上水道を通り
黒江＠GM : やがて小さな水路に分配されて、それぞれの建物で使われる
黒江＠GM : あなたたちは王宮へ続く主要な上水道を通り
黒江＠GM : ざぶざぶと距離を稼いでいく
黒江＠GM : しかし、そろそろ宮殿に差し掛かると思われるころ、水路の前方から、不気味な赤い影が姿を現した。
黒江＠GM : ……それは紛れ込む異物を排除するために放たれた、狂暴な魔法生物だ！
※GM注： アストロ・ソフィアが3話で苦汁をなめさせられたスカーレット・スタンプが再登場。
前回が2体だったところこちらは1体だが、弱体化していない真正（レベル7）の個体だ。
ウィズ・サジェッツァ : 「水路にあんなもの放つとは、さすがは魔法王のお膝元というところか」
というわけで次回は魔法生物リターンズ。復讐のアストロ・ソフィア。
〈目次〉〈�△悄�
最終話 輪廻の蛇 ��
冒険者紹介
最終話手前にして少し育ってきたので、セッション開始前にリビルド（成長しなおし）の機会を設けた。
PL1：おぉかみさん
名前：ルーカス
種族：人間／性別：男／年齢：18
技能：ファイター Lv.4→6／エンハンサー Lv.2／スカウト Lv.1／セージLv.1／アルケミストLv.1
コネクション：石窯のウェンドリン（友人）／超絶無双天才忍者エリス（友人）／探究者アズダハッグ（顔見知り）／斬首人カペラ（顔見知り→友人）
貴族出身の冒険者。調子乗りが災いして大失敗をし、家から追い出される。
その事件でとあるエルフと因縁を持ち、屈折した思いを抱くことになった。
前線で身体を張るオフェンシブタンク。〈不沈の新星（アンスィンカブル・ノヴァ〉を称するようになった。
リビルドによって戦闘特技〈薙ぎ払い〉を〈防具習熟A（金属鎧）〉に換え、また一段と硬くなった。
アルケミスト技能で取得した賦術ヒールスプレーは、補助動作で回復ができる優れもの。
さらに名誉点を消費してカペラと友人のコネクションを獲得。ふつうの友人とはもちろん違うだろうが、なんらかの敬意が生じる間柄となった。
PL2：シュープリスさん
名前：ウィズ・サジェッツァ
種族：エルフ／性別：女／年齢：107
技能：ソーサラー Lv.4→6／セージ Lv.3／レンジャー Lv.1／スカウト Lv.1
コネクション：石窯のウェンドリン（友人）／超絶無双天才忍者エリス（友人）／探究者アズダハッグ（顔見知り）／斬首人カペラ（顔見知り）
以前魔物に襲われたさい冒険者に命を救われた経験を持つ。
砂漠を舞台にした物語に憧れを抱き、その後用心深く知識を蓄えて冒険に出発。
パーティーの知恵袋たる後衛ソーサラー。
新しく習得したファイアーボールは陽の目を見るのか。
戦闘特技〈バイオレントキャスト〉によって達成値が高められた攻撃魔法には、もはや誰も抵抗できない。
PL3：煮本さん
名前：エディル
種族：人間／性別：男／年齢：17
技能：マギテック Lv.2／シューター Lv.4→5／スカウト Lv.3→4／セージ Lv.1／アルケミストLv.1
コネクション：石窯のウェンドリン（友人）／超絶無双天才忍者エリス（友人）／木苺のサーラ（友人）／凶星のゾハル（顔見知り）
チキチキ素人魔動機バイクレース大会優勝者。
そのとき発見した遺跡に心を動かされ、また同輩から刺激を受けて冒険者を志す。
強力なダメージディーラーとなり得るマギシュー。
アルケミストで取得した賦術、は相手の回避力を低下させる効果を持つパラライズミスト。
リビルドではセージの習得言語を変更し、魔法文明語の会話ができるようになった。
また名誉点50を消費して冒険者ランク〈レイピア〉に。ちなみにほかのふたりは〈馬の骨〉
アストロ・ソフィアを知っている人の半分以上は、エディルのことをリーダーだと思ってる。
☆ ☆ ☆
黒江＠GM : さて、ではみんな揃いましたので
黒江＠GM : やっていきましょう
黒江＠GM : キャンペーン最終話、輪廻の蛇
黒江＠GM : さて、例によって前回までのあらすじ
黒江＠GM : ではなく
黒江＠GM : 今回の意気込みをそれぞれひとことずつどうぞ
エディル : 10発中5発は当てたい
ウィズ・サジェッツァ : 魔法ダメージもそろそろクリティカルしてほしい
ルーカス : 死なない
黒江＠GM : OK
黒江＠GM : 地下遺跡にてアイアンゴーレムを退けた矢先
黒江＠GM : 「地上にザハリヤルが出現した」との報を受け
黒江＠GM : 急ぎ野営地まで戻ってきたところだった
時系列的には5話終了直後だが、シナリオを挟んだ＆演出上の都合で全回復。
そして明らかになるザハリヤルの姿。
ザハリヤル見取り図。
カペラ : 「これは……いったい……？」
ルーカス : 「街が……これが、ザハリヤル…！？」
エディル : 「まぁ……」
エディル : 「遺跡が浮き上がったってこと……」
エディル : 「なんだろうな……」唖然
カペラ : 「そんなことはない。私たちが通ってきた地下は変動などしていなかった」
カペラ : 「しかし、では、ここにあるのはなんだ？」
ルーカス : 「これほど巨大なものが移動したのであれば、大なり小なり地が揺れてもおかしくないと思うのだが……お？」
エリス : 「おあーっ！ 帰ってきよった！」
エリス : 「おいウェンドリン！ アホどもが帰ってきよったで！」
ルーカス : 「どうした、エリス！」
ウェンドリン : 「あわわわ、みなさんご無事で！」
エディル : 「ルーカスはなんで無事なのかわからないレベルだったが無事だな」
ウェンドリン : 「見ましたかアレ！」
ルーカス : 「ウェンドリンもか。ああ、見たぞ。何があったんだ？」
ウェンドリン : 「わかりません！」
ウィズ・サジェッツァ : 「見たまんまとしか形容できないだろうな…う〜む、探索中に何かやっただろうか」
ウェンドリン : 「なんか30分ぐらい前に急に出てきたんです！」
エディル : 「おう、ここでお前さんがわかっててもこええわ」
ウェンドリン : 「なんでしょうね……幻術？」
エディル : 「あー」
エディル : 「それが一番ありえる線か、確かに」
ルーカス : 「なるほど、幻術」
ラージャハ兵 : 「隊長！ カペラ隊長！」
ラージャハ兵 : 「南より正体不明の兵士たちが接近してきてます！」
ラージャハ兵 : 「ザハリヤルの内側から出てきた模様です！」
ルーカス : 何か次々と事が起きている！
エディル : 「幻術じゃなかったかぁ」
カペラ : 「…………」
カペラ : 「手勢をまとめて、民間人の避難を誘導しろ！」
カペラ : 「いったんここから離れて態勢を立て直す！」
カペラ : 「地下のジャスミンにもこの事態を伝えろ！」
ラージャハ兵 : 「了解しました！」
エディル : 「ちょいまった」
エディル : 「兵士たちっていったが、どんなだ？」
エディル : 「アンデットか？それとも人間か？」
ラージャハ兵 : 「おそらく人間かと思われますが……」
エディル : 「……ますます意味がわからねぇなおい」
エディル : 「まるで街そのものが蘇ったみてぇな……」
ウィズ・サジェッツァ : 「案外中は快適なのかもしれんぞ」
エディル : 「いっそ引っ越してみるか？」＞ウィズ
黒江＠GM : でも政治家はあんまりよくないらしいよ
ウィズ・サジェッツァ : 「砂っぽそうだし、遠慮しておこう。ともあれ退却だな」
ウェンドリン : 「ルーカスさんたちはどうするつもりです？」
ルーカス : 「ああ、まずは退却だ。」
エディル : 「仮に魔法文明の都市そのものが蘇ったんだとしたら」
エディル : 「あの中、宝の山だぜ」
黒江＠GM : では、いったん都市から距離をとる、ということでよいかな
ルーカス : そうですね、南から軍が来るというなら、攻められることも想定して、殿を務めますか
黒江＠GM : OK
黒江＠GM : では、あなたたちは野営地を放棄し、街から離れるように、西へと撤退する
黒江＠GM : 遠目に、ザハリヤル兵とおぼしき小集団が見えるが
黒江＠GM : 彼らは襲撃してきているというよりも
黒江＠GM : 突如として現れたあなたたちの野営地に驚き、様子を見に来た、という風にも思える
黒江＠GM : そして、都市から数百メートルの距離を離れると
黒江＠GM : 兵士たちの姿は、蜃気楼のように消えた
エリス : 「ん？ おらんようになったで」
エディル : 「やっぱ幻術か？」
エディル : といってちょっと戻ってみる
黒江＠GM : 兵士たちがいたあたりに戻ってみると
黒江＠GM : しっかりと足跡が残っている
エリス : 「うむ。質量のある幻術やな」
エディル : 「それもう幻術でいいのか？」
エディル : 「一旦消えたってことでいいのか？」
ウィズ・サジェッツァ : 「あるいは実体があるが、普通に魔法なんかで退却した可能性もあるだろう」
エディル : 野営地ではまたどたばたしてます？
エリス : どたばたまではしていないが
エリス : そのあたりにたむろする兵士たちは見える
黒江＠GM : さらに言えば、市街の中でかなり騒ぎが起こっているようで
黒江＠GM : 巻きあがる戦塵や、なにか大きな破壊音も聞こえる
カペラ : 「……まったく、理解を超える事態だ」
カペラ : 「ジャスミンは無事だろうか……」
ルーカス : 「過去に存在した都市がよみがえった……否」
ルーカス : 「時間を超えて過去から現代に表れた」
ルーカス : 「そんなところではないか？」
エディル : 「埒あかねぇな、ちょっとあの兵士達あたってみようぜ」野営地にいるの指差し
ルーカス : 「そうだな、行ってみよう」
黒江＠GM : アストロ・ソフィアはふたたび野営地へ戻るのだね
黒江＠GM : カペラたちはというと、ひとまず民間人を安全な場所まで避難させ
黒江＠GM : そこで部隊の最編成をはかるようだ
黒江＠GM : ウェンドリンたちもそれについていく
ウェンドリン : 「あのあのあの、無理しないでくださいね」
ウェンドリン : 「もしみなさんがいなくなったら私……」
エディル : 「あいよ、お前らは軍隊のそば離れるなよ」
ルーカス : 「お前は自分の身を第一に考えろ。我らに心配は無用だ」
ウィズ・サジェッツァ : 「うむ。これでも実力のある冒険者だからな」
エリス : 「多少無理してでもでっかいお宝とってくるんやで！」
エリス : 「早い者勝ちやで！」
ウェンドリン : 「ああああ煽ってるぅ」
エディル : 「はっはっは」
エディル : 「任せとけ、ちょっと血が滾ってる」
ルーカス : 「もちろんだとも！またとない名声を得る機会！逃すものか！！」
ウィズ・サジェッツァ : 「ルーカスはタフになったし、エディも強くなったし、私は更に賢くなった。万事問題ない」
ルーカス : 「ふむ……だが」
ルーカス : 向かう前に、首飾りを外してウェンドリンに預けましょう
ルーカス : （キャラメイクの時から持ってた天然石の首飾り)
ウェンドリン : 「形見……！」
ルーカス : 「違うわ！！」
ルーカス : 「……中で何が起きるかわからんからな。そいつを預かってろ。無くすなよ」
ウェンドリン : 「…………」
ウェンドリン : では彼女は首飾りを受け取って、重々しく頷き
ウェンドリン : あなたたちを見送るでしょう
ルーカス : 「よし、行こう」
※GM注： ごくたまにキザな感じのことしますね、ルーカス。
黒江＠GM : さて、ではひとまず野営地。
黒江＠GM : ラージャハの人々が避難した跡を、十数人の兵士たちが乱暴に荒らしまわっているね
黒江＠GM : 彼らは一見して人間のようであるが、その輪郭や実体はどこか虚ろな気もする
ルーカス : 「人間……か？」
ザハリヤル兵 : 『おい、そこの者！』もちろん魔法文明語
エディル : 「お。あっちから話しかけてきてくれたぜ」
ザハリヤル兵 : 『ハルラムの手の者か？』
ルーカス : 「（ハルラムって確か、神官王が収めていた国の名だったか）」
エディル : 「いや冒険者だ……っていって通じるのか？」
ウィズ・サジェッツァ : 「まぁとりあえず否定しておけばいいんじゃないか。違うんだし…それっぽいこと言っておこう」
※GM注： 魔法文明時代末期（3000年くらい前）、（傍迷惑な魔法王たちのせいで）アルフレイム北方に奈落（アビス）と呼ばれる異界が出現した。
その際、奈落から湧き出る魔神たちから人々を守るために巨大な壁が作られ、壁の守り人と呼ばれる職業が生まれた。
この壁の守り人こそが、冒険者という職業のルーツだと言われている。
なのでエディルが冒険者と名乗っても、相手はきっとピンとこないだろう。
エディル : 「あんたらはザハリヤルの兵隊……か？」
エディル : 「俺たちはまあ、探検家みたいなもんだ」
ザハリヤル兵 : 『探検家？ なにをわけのわからんことを言っている』
ザハリヤル兵 : 『怪しい奴め。こっちへこい』
ザハリヤル兵 : 『ほう……エルフの女か』
黒江＠GM : 装備を見る限り、彼らは正規の軍隊らしいが
黒江＠GM : どうも規律は乱れており、士気も低そうに見える
黒江＠GM : 彼らは冒険者たちを拘束しようとするが……どうするかな？
黒江＠GM : どうするかな？
相手の実力を推し量る（魔物知識判定）に、大したことはなさそうだ。
黒江＠GM : 彼らは精強とは程遠く、いまの冒険者たちであれば、
黒江＠GM : たとえこの場の全員が束になってかかってきても、一蹴してしまえるだろう
エディル : 「ここはどうだ、ウィズがちょっとサービスしてやって穏便にすませるってのは」
ルーカス : 「いいアイデアだ」
ザハリヤル兵 : ぐへへへへ話が分かる
ウィズ・サジェッツァ : 「君らはそういう目で見られないから、そういうことが言えるんだよ…」
ウィズ・サジェッツァ : どこか誇らしげに言おう
エディル : 「ノリノリじゃねぇか」
エディル : 「まぁ、いいや。これはやるしかねぇだろ」
黒江＠GM : では、兵士のひとりがルーカスの腕をぐいとつかむ
ザハリヤル兵 : 『おらっ、なにをこそこそ話してる！』
ルーカス : 「いや、なに、この場を切り抜ける相談を、な！」
ルーカス : と言って、掴まれた腕をつかみ返して、その体を近くの兵士に投げつけましょう
ザハリヤル兵 : 『うおっ？！』
黒江＠GM : ルーカスが抵抗すると、兵士たちは一気に殺気だち
黒江＠GM : みなさんを力づくで抑え込もうと襲い掛かってきます
黒江＠GM : まあ戦闘してもいいんですが、相手にならないので……
黒江＠GM : 一掃してしまった、ということで構いません
黒江＠GM : 全員丁寧に殺してもいいし、ひとりだけ生かしておいてもいいし、マンガ的に気絶させて積みあげといてもいいです
黒江＠GM : アイアンゴーレムに殴られても耐える男に、並みの兵士が太刀打ちできるわけないのである
エディル : 「ルーカスがんばれー」
ルーカス : 「お前らも手伝え！」
エディル : 「弾がもったいない」
わりと殺人に抵抗のない男ルーカスの手により、十数人の兵士はほぼ全員ぶっ殺された。ふたりだけとどめを刺さずにおき、ぐるぐる巻きに。
黒江＠GM : 虐殺される兵士たち。一応、血は流れ、肉を裂く手応えはあるものの
黒江＠GM : やはり、どこか違和感が残る
エディル : 「なぁ。この野営地、あんたらからは突然現れたように見えたか？」
ルーカス : あ、ではふたりを残してひとりはエディさんの質問が来る前に目の前で殺したことにします
※GM注： やり方が冷酷なマフィアのそれ。
ザハリヤル兵 : 『ひぃ！』
ザハリヤル兵 : 『あわ、あわわわわわ』
ルーカス : 「ほら、さっさと喋れ」
ウィズ・サジェッツァ : 「野蛮だなぁ、人間」
ザハリヤル兵 : 『あ、ああ、そうだ。急に現れたように見えたよ。あんたら、シェメシュ王の部下だな？ 魔術師なんだろ？』
ザハリヤル兵 : 『でなければ、こんなでっけぇ野営地がいきなり現れるわけがねえ』
エディル : 「俺らの素性はどうでもいいんだよ」
ザハリヤル兵 : 『許してくれぇ、俺たちはもう、ホル＝シャホル王に忠誠なんざ誓っちゃいねえんだ』
ザハリヤル兵 : 『降参する。降参するからよう』
エディル : 「なんで誓わなくなったんだ？」
ザハリヤル兵 : 『知らねえのかい？ 王はもう政治なんてそっちのけよ』
ザハリヤル兵 : 『きっと頭がおかしくなっちまったのさ。戦争にも負けたしよう』
ルーカス : 神官王文書にザハリヤルと停戦したって書いてあったから、そのことかな
黒江＠GM : 彼の発言を鑑みるに、対等和平ではなかったみたいですね
黒江＠GM : 民としては負けた、という認識なんでしょう
ウィズ・サジェッツァ : 「まぁ王が王足らねば、人民が忠を尽くすはずも無いか」
エディル : 「末端だと知ってるのはそんなとこか」
エディル : 「OK、聴きたいのはそんなとこだ」
エディル : ではずんばらり
ザハリヤル兵 : 『ｸﾞﾜｰッ！』
ルーカス : サヨナラッ！
ルーカス : 因みに死体や血はそのまま？
黒江＠GM : 一応、残るね
ウィズ・サジェッツァ : 「君らも残酷だなぁ。普通に兵がやるべきことをやってたように思うけど」
エディル : 「兵隊が挑んで負けて泣き言言うなら兵隊になるなって話だろ」
ルーカス : 「王に忠誠を誓ってないと言いながら、権力を傘に略奪を行う兵というのは、その兵自身に問題があろう」
エディル : 「ってわけで、中行ってみようぜ」
黒江＠GM : OKOK
黒江＠GM : 市街はぐるっと高い防壁に囲まれているので
黒江＠GM : みなさんは門から中に入ろうとするわけだが
黒江＠GM : 街の中からはぞろぞろと
黒江＠GM : とるものもとりあえず、といった様子で人々が出てくる
黒江＠GM : 彼らは商人や兵士などではなく、また決まった目的があるようにも見えない
黒江＠GM : 強いて言うならば、なにかの危険から逃れて、というところだろうか
黒江＠GM : ふつうなら兵士たちが門を守っているのだろうが
黒江＠GM : いまはそれも機能していないようで（ルーカスが殺したので）
黒江＠GM : あなたたちは易々と市街に入り込むことができる
ルーカス : 結果オーライ？
エディル : オーライ
---ザハリヤル---
それは不気味な街並みだった。
ザハリヤルはラージャハ首都を超えるほどの規模であり、文化や芸術は爛熟の域にある。
大通りは馬車が6台並んで通ることができ、建物は3階、4階建て以上のものも珍しくない。
しかし細かく見てみれば、それらの素晴らしさはすでに色褪せ、朽ちていく過程にあることが分かる。
戦による消耗と貧窮、そして暴政による絶望と荒廃。もはや民に過去と同じものを産み出す力は残されていない。
加えて、人間を含めた街中にあるものの輪郭は、ときおり蜃気楼のように揺らぎ、それが完全な現実ではないことを示している。
それでも、あなたたちは足下の石畳の固さを感じることができるし、通りがかる人の衣服が巻き起こす風を感じることができる。
さきほどの兵士たちと同じように、人々はあなたたちを認識し、好奇や恐怖や、敵意といった目線を向けるが、
彼らの瞳に魂は宿っておらず、かといって亡者のように濁っているというわけでもない。
とにかく、ここではすべてが曇天下でできる薄い陰のごとく、虚ろで不確かに感じられた。
黒江＠GM : そしていま、人々は都市を棄てはじめている
黒江＠GM : どうやら北の方で、なにか起こっているようであるが……
ルーカス : 「気味が悪いな……まるで白昼夢の様だ」
エディル : 「これはあれじゃね」
エディル : 「ザハリヤルが滅びる瞬間なんじゃねーの」
エディル : 「あっちで魔法王ｖｓ神官王の怪獣決戦してるとか」
ウィズ・サジェッツァ : 「ふむ、記録の無い年の滅びるその時の再現か。悪くないな。実害が無ければだが」
ルーカス : 「過去の再現、とでもいうものか？一先ずその辺の人間に、北の方で何が起きているのか聞いてみよう。幸いこちらを認識はしているようだしな」
ルーカス : とりあえず逃げる人、もしくは諦めて動かない人に北で何が起きているか尋ねます
ザハリヤル市民 : 『この街はもう終わりだぁ』
ザハリヤル市民 : 『神の裁きがくだるんだぁ』
ルーカス : 「おい、待て、どうした？北で何が起きている？」
ザハリヤル市民 : 『なにって、おめぇ』
ザハリヤル市民 : 『シェメシュ王がやってきたのよ。この街を滅ぼしにやってきたのよ』
ルーカス : 「……どれくらい前だ？」
ザハリヤル市民 : 『ついさっきのことだぁ』
ザハリヤル市民 : 『野次馬はやめとけ、街ごと滅んじまうぞ』
ルーカス : 「そうか、わかった。礼を言う」
黒江＠GM : 解放されると、市民はよたよたと逃げていきますね
エディル : 「やっぱやってんのな怪獣決戦」
黒江＠GM : さて、どうしましょうか
エディル : 怪獣決戦現場に向かってみます
黒江＠GM : OKOK
黒江＠GM : では、北市街
黒江＠GM : 振るわれた力の割に、それは惨憺たる光景というわけではなかった
黒江＠GM : ただ異様なのは、広場に佇むひとりの男と
黒江＠GM : その足元で崩れ去った、2体のアイアンゴーレムである
エディル : 「あれが王様のどっちかか……？」
ルーカス : その人物の姿はどんなでしょう？具体的には、ハルーラ神官に似た様相ですか？
黒江＠GM : 男の服装はさして派手でない
黒江＠GM : しかしじっくりと観察するならば、その特異さに気づくだろう
黒江＠GM : あなたたちがこの存在から感じ取る霊気は、およそ人間が纏いうるものとは思えない。
黒江＠GM : それは人間を超越し、永劫を生きる上位の存在となった者だけが持ちうるものだ……。
ウィズ・サジェッツァ : 「むぅ、すさまじいオーラを感じるな」
黒江＠GM : 男は朗々と、しかしどこか肉体に似合わぬ声でこのような演説をはじめる
？？？ : 『民よ。かつてこの肉体に宿っていた魂の持ち主は』
？？？ : 『己が力のみではホル＝シャホル王の蛮行を止めること叶わぬと悟り、魂を投げうってまで私に助力を請うた』
？？？ : 『私はその願いを聞き入れ、いまこうしてやってきた。反抗はやめよ。それはすべて虚しきものである』
？？？ : 『民よ。堕落した王と都市を棄て、逃げるがよい。それぞれの門より出で、不義と悪徳の届かぬ場所まで走るがよい』
？？？ : 『さすればお前たちは星に導かれ、やがては安息を得るであろう』
？？？ : 『もし王とともに、都市とともに残りたい者がいれば、そうするがよい。闇に染まった肉体をもって生きるのが苦痛だというのならば、残るがよい』
ルーカス : 「……おい、おいおい、まさかあれは」つぅと冷や汗一筋
※GM注 ：レベル15神聖魔法、コール・ゴッド。神格を自らの肉体に降ろし、その力を行使するものだ。
いま演説をしているのはシェメシュ王に降臨した星神ハルーラ。25レベル以下の存在ならば抵抗の余地なく一掃できる。
コール・ゴッドの代償は降ろす神格によるが、ハルーラ（大神）の場合は術者の死亡。
ルーカス : 「ズバイダーが言ってた光とやら、なるほど神の御業であればさもありなん」
エディル : 「おーい……？ハルーラ神……で、いいのか？」
果敢にも会話を試みるエディル。
黒江＠GM : ちなみに何語で？
エディル : 魔法文明語
黒江＠GM : では同じ言葉で返そう
黒江＠GM : エディルが話しかけると、その存在は鋭く、しかしどこか慈悲に満ちた目で冒険者たちを見るだろう
？？？ : 『去るがよい』
？？？ : 『ここは過去の影である』
黒江＠GM : そして彼は、王宮に向かってゆっくりと歩きはじめる
ルーカス : 「……現状を認識しているのか」とつぶやきます。交易共通語で
エディル : 「おい、待った！あんた何が起きてるかわかってんだな！？」
黒江＠GM : 男は答えないね
エディル : 「こりゃいったいなんだ！何が起こってんだ！？」
ウィズ・サジェッツァ : 「不敬な物言いだな…エディ。うむ、まぁ…今のお言葉が事実なら、我らにできることも無いだろう」
エディル : 「ちくしょう、たまには教会いっときゃよかったか」
エディル : 「まぁ……引き際かね」
ルーカス : 「そうだな。此処が過去の影であるというなら、持ち帰れるものも無かろう」
ウィズ・サジェッツァ : 「ふむ…そうなると、我らにできるのは現れる可能性のある輪廻の蛇への対処か」
エディル : 「わからねぇのは……」
エディル : 「いったいこれはなんのために起きてんだ……？」
アストロ・ソフィアはひとまず撤退し、安全な場所で状況を整理することに。
黒江＠GM : では、あなたたちが街の外へ避難し、しばらく様子を見ていると、
黒江＠GM : やがて全天を引き裂かんばかりの光が、ザハリヤルを包み込むように降り注いだ
ルーカス : 「うおおっ！？」眩しい
黒江＠GM : 目を庇いながらも、あなたたちは足下に激しい揺れを感じ
黒江＠GM : 地底に墜ちていく都市の、断末魔の叫びを聞いたような気がした
黒江＠GM : ……しかし、目を明けてみると、都市はふたたびそこにあった
黒江＠GM : あなたたちが地下から這い出てきて
黒江＠GM : はじめて蘇った都市を見たときと同じように
黒江＠GM : 虚無を湛えながらも、間違いなくそこにあった
ルーカス : 「…………消えてないな？」
ウィズ・サジェッツァ : 「あと300年あれば私も或いは…」
※GM： ひとりだけ感想の方向性が違う気がするウィズ。人間の街を滅ぼしたい欲があるのかもしれない。
ソーサラーはレベル15になると隕石を落とせるようになる（メテオ・ストライク）ので、あながち不可能でもない。
エディル : 「……つまり、これは、あれだな？」
エディル : 「ルーカスが喜んで拾ってたエロマギスフィアの映像みたいなもんなんだな？」
黒江＠GM : かしこい
ルーカス : 「まて、アレは中身を知らなかったんだぞ」弁解
エディル : 「……仮に、これがマジであれの同類だとしたら別にほったらかしといても問題はないと思うが……」
ウィズ・サジェッツァ : 「さて、どうだろうな？」
ウィズ・サジェッツァ : 「都市はともかくホル=シャホル側はそう都合よくいくと思えんが…」
エディル : 「なんのためにこんな魔法残したのかって意図もわからんしな」
ルーカス : 「……これがマギスフィアに残す映像の様なモノなら、また同じことが起きるのか？」と野営地の方を見ながら
エディル : 野営地から避難した人たちって野営地に戻ってたりしません？
黒江＠GM : しないですね
黒江＠GM : あ、でも遺跡の入口からジャスミンが出てきた
ジャスミン : 「はーつかれたつかれた」
エディル : 「無事だったみたいだな」
ウィズ・サジェッツァ : 「流石は副隊長」
ジャスミン : 「おわぁ、本当に出とる！！」
ジャスミン : 「えー……なぁにコレぇ」
ジャスミン : 「おっす諸君。コレなに？」
ルーカス : 「ザハリヤルの幻……と思しきものだ」
ジャスミン : 「幻にしちゃあリアルだねぇ」
エディル : 「遺跡発掘でルーカスが喜んで見てたエルフエロマギスフィアの超リアル版、らしい」
ルーカス : 「まて、それ前半言う必要あったか！？」
ジャスミン : 「ってことはアレかい？」
ジャスミン : 「中に入って人をバチボコ殴っても無罪？」
エディル : 「わからん。なんつーか、まだ何が起こってるか把握しきれてねぇ」
エディル : 「バチボコ殴ってもノーカンな気はするが、それで反撃されたらどうなるかってのも検証できてねぇ」」
ルーカス : 「それより、地下の方は大丈夫か？何か起きなかったか？」
ジャスミン : 「地下はまあ静かなもんだよ」
ジャスミン : 「……ふーむ。私はこういうことまったく分からんけど」
ジャスミン : 「魔術師ギルドに詳しそうなヤツいたじゃん。ほら、ドレイクの人」
ルーカス : 「ううむ、そうだな、餅は餅屋だ」
短めの作戦会議を挟んでから、アズダハッグに助言を求めに行くアストロ・ソフィア。
ルーカス : ちょっぴりカッコよくウェンドリンと別れたのにすぐ戻ったら恰好がつかないけど、いいか
黒江＠GM : あなたたちは市街から1ｋｍほど離れた位置で待機していたラージャハ軍と合流した
エリス : 「お？ 案外早かったやんけ」
エリス : 「楽勝やったか？」
エディル : 「楽勝だったのか辛勝だったのか勝ったのか負けたのかもよくわからん」
ルーカス : 「だな……それで詳しそうなやつに聞きに戻ってきたという所だ」
エリス : 「アレやわ、なんかブッワーなる光に巻き込まれて死んだかと思て心配しとったわ」
エディル : 「さすがに逃げたわあれは」
エディル : 「じゃ、ちっとまだ終わってねぇからいってくるわ」
エリス : 「がんばりや〜」
ルーカス : 「お前もウェンドリンの事、頼んだぞ」
エリス : 「この超絶無双天才忍者にまかせとき」
ウィズ・サジェッツァ : 「うむ、任せたぞ」
黒江＠GM : さて、避難民たちは、一部街道を通ってマカジャハットまで戻っていったようだが
黒江＠GM : ラージャハ軍とともに残って様子見をしている者たちもいる
黒江＠GM : その中には、魔術師ギルドの面々やアズダハッグもいたね
ルーカス : 「よかった、ここに残っていたか」
アズダハッグ : 「おっ、おつかれさまであります」
アズダハッグ : 「あの都市に向かっていったのを見て、心配していたであります」
アズダハッグ : 「なにか成果は得られたでありますか？」
ウィズ・サジェッツァ : 「神と話すのは滅多にできる経験では無かったのではないだろうか」
エディル : 「よくわからん」
エディル : 「から、聞きに来たって感じだな」
ルーカス : 「そういうことだ。またお前の知恵を借りたい」
エディル : といってルーカスのエルフエロマギスフィアの話も添えつつ見解を説明します
ルーカス : 「だからその前置きいるのか！？」
アズダハッグ : 「エディルどののたとえ話はとても分かりやすいであります」
ルーカス : 「くっそ、存外効果的で腹立つ！」
エディル : 「はっはっは」
アズダハッグ : 「ただ、自分はこれはただの幻術や記録映像ではないと考えるであります」
エディル : 「まぁ……こんな大規模マギスフィア映像展開しても一文の得にもならんだろうからな、なんかあるとはおもうが……」
アズダハッグ : 「みなさんも目にされたかとは思いますが」
アズダハッグ : 「天から降り注ぐ光によって、ザハリヤルは滅び」
アズダハッグ : 「しかしその後、何事もなかったかのように再生した」
黒江＠GM : と、アズダハッグは片手の指で円環を作ってみせます
アズダハッグ : 「死と再生、あるいは輪廻」
アズダハッグ : 「以前、墓に刻まれていた意匠を見せてもらったでありますが」
アズダハッグ : 「尾を噛む蛇が示す象徴のひとつが、まさにそれなのであります」
アズダハッグ : 「まあ、ちょっとこれは盗み聞きしたことなのでありますが」
アズダハッグ : 「ホル＝シャホル王が研究していた呪物というのが、まさに輪廻の蛇と言うそうでありますな……？」
ルーカス : 「ああ。……ではこれは輪廻の蛇とやらによるものということか？」
アズダハッグ : 「その可能性は充分にあるであります」
アズダハッグ : 「とはいえ、これだけの規模の魔術……ただの幻術であっても相当でありますが」
アズダハッグ : 「とんでもないものでありますなあ」
ウィズ・サジェッツァ : 「魔法王の名は伊達では無いな」
ルーカス : 「……ハルーラの神官、ヴォードレルが命に背くほど恐れ、神官王シュメシュがその身を賭してまで滅ぼそうとしたもの」
ルーカス : 「それがただ幻術を生み出すだけとは考えにくいな…」
アズダハッグ : 「それともうひとつ、墓碑に刻まれていた言葉でありますが」
アズダハッグ : 『大河を流れる水も 天球に浮かぶ星も か弱い肉に宿る魂も 世に輪廻せぬものはなし ただひとつ 時の歩みを除いては』
アズダハッグ : 「これ、実は逆説的に、輪廻の蛇の秘密を暴露しているのではないかと思うのであります」
ルーカス : 「どういうことだ？」
アズダハッグ : 「時の歩みは通常、繰り返したり、さかのぼったりすることはない」
アズダハッグ : 「しかしもしそれができたなら……？」
ルーカス : 「……本来輪廻する者が、しなくなる？」
アズダハッグ : 「もっと大きい話であります。それはすなわち、時間を操るということになるであります」
アズダハッグ : 「それこそが、輪廻の蛇、ひいては、ホル＝シャホル王の狙いだったのでは……と」
アズダハッグ : 「これ、魔術師ギルドの人に言ったらめっちゃ笑われたであります」
ルーカス : 「時間を操る……」
エディル : 「つまり、あれか」
エディル : 「シャホル王は時間を操作する魔法を手に入れようとしていた」
エディル : 「あの街はその一端だと？」
アズダハッグ : 「まあ失敗作か、副産物的なアレかもしれないであります」
エディル : 「ふーん……」
アズダハッグ : 「まあ、自分の推論としてはこんなところであります」
エディル : 「てことは、やっぱあれを出してる魔法装置……みたいなもんがどっかにあるのか……？」
ルーカス : 「……誰しも生きていれば後悔することが少なからずある。その度に想う、”もし時間を撒き戻せたら”と」
ルーカス : 「ホル＝シャホルはそれを実現しようとしたのか？」
アズダハッグ : 「うーん」
ルーカス : 「その果てに乱心したのか、乱心したが故にその術を追い求めたのかわからんが…」
アズダハッグ : 「その辺は彼の器がどれぐらいかによるのであります」
ルーカス : 「とにかく、放置してよいものではなさそうだな」
ウィズ・サジェッツァ : 「ふむ。まぁ…規模を考えると、我々だけでどうにかなるものでもあるまい」
ルーカス : 「確かにな……だが」
ルーカス : 「故に身を引く、という解があるか、ウィズ？」
ルーカス : 「かつての魔術王が求め、歴史の闇に消えた輪廻の蛇とやらの正体を暴くチャンス、逃すにはあまりに惜しいと思うのだが」
作戦会議したり、地下遺跡に手がかりがないか探ってみたり。
廃都の方も丹念に探せば手がかりは見つかるのだろうが、シナリオとしてはなにも配置していないので、結果としては空振り。
黒江＠GM : その間にもザハリヤルが二、三回滅びてます
エリス : 「ああああああ！ いちいち眩しいねん！ 眠れんやろがぁ！」
エディル : なんか見た感じ最初の方と変化はあります？
黒江＠GM : いいえ、完全に同じループを繰り返しているように思えますね
ひとまず、報告と情報収集を兼ねてカペラのところへ。
カペラ : 「ああ、お前たちか」
カペラ : 「どうした？」
エディル : 「あの滅びまくってる街についてまぁ仮説ができたんで一応話にな」
カペラ : 「聞こう」
エディル : ではこれまで聞いてきた話を
エディル : ルーカスのエルフエロマギスフィアの話を添えて話そうとしたらさすがに殴られたので、断念して省いて説明します
ルーカス : ｗ
カペラ : 「なるほどな……極めて強力な魔術であるということは理解できた」
カペラ : 「そういえばお前たち、砂鷲団のラルヴァンとホルミスを覚えているか？」
エディル : 「誰だっけ」
カペラ : 「アイツら、さきほど意気揚々と都市に乗り込んでいってな」
カペラ : 「ホル＝シャホル王の至宝を手にするのだと息巻いていた」
ルーカス : 「…で、戻ってきたか？」
カペラ : 「いいや」
ルーカス : 「南無…」
カペラ : 「ヤツらも決して口だけではない、充分な実力を備えている」
カペラ : 「死んだかどうかは分からんが、ザハリヤル攻略が一筋縄でいかないのは確かだろう。もし行くのならば、気をつけろ」
いまさらラルヴァンとホルミスを探したところで埒が明かない。王宮へ向かうべきだろうと提案するエディル。
正面から押し入るのはさすがに困難だろうが、都市北東にある貯水池からのアプローチが可能かもしれない、と気づくルーカス。
黒江＠GM : では貯水池に向かってみるかな
ルーカス : はい、向かってみます
黒江＠GM : OK
黒江＠GM : あなたたちを城壁をぐるりと回り
黒江＠GM : 北東の貯水池までやってきた
黒江＠GM : 高度な建築技術によって造られた上水道は、北東の貯水池から市街に水を供給している。
黒江＠GM : 煉瓦と瀝青を主な材料とした水路は、人間が通れるほどに大きい。
ズバイダー : 「うふふふふふ」
ズバイダー : 「どぅーにゃん、ラクシアで一番かわいいよ……」
ルーカス : 「お？」
ズバイダー : 「うわぁ！ いきなり何ニョロ！」
エディル : 「これは過去のこいつか、それとも今のこいつか」
ズバイダー : 「なんか珍妙な格好のヤツが来たニョロねえ。迷子ニョロか？」
エディル : 「過去っぽいな」
ルーカス : 「こちらを覚えてないようだ。妖精の記憶力が当てになるかは怪しいが…」
ズバイダー : 「え？ どぅーにゃん、前に見たことがある？ まさかあ。こんなヤツら知らないニョロ」
ルーカス : 「ズバ子とどぅーにゃん、ちょっといいか？」
ズバイダー : 「な、なぜ私の名前を知ってるニョロ」
ズバイダー : 「もしかしてファンニョロ？」
エディル : 「ちょうどいいや、ここの水路から王宮いきてぇんだが、手伝ってくれねぇ？」
ズバイダー : 「行きたいなら勝手に行けばいいニョロ？」
エディル : 「キャーズバ子ちゃんかわいいー」
ズバイダー : 「うっうっ、最近は妖精に対する敬意がなくなって久しいニョロ」
ズバイダー : 「たとえわざとらしくても、それを表してくれるのは嬉しいニョロ」
エディル : 「（あれでいいのか……）」
エディル : 「まぁともあれ、勝手に行っていいならいこうぜ」
エディル : とりあえず上水道を進めるかどうか確認してみる
黒江＠GM : 上水道は侵入者対策なのか、構造物の上に人がのぼれないよう、三角形の屋根になっている
黒江＠GM : 内部はもちろん水で満たされているが、ウィズなら大丈夫だね！
ウィズ・サジェッツァ : 「では先に行って様子を見てくる」
ズバイダー : 「女の子だけ先に行かせるニョロ？」
ズバイダー : 「もしかして男ふたり、水中で息ができなかったりするニョロか？」
エディル : 「しゃあねぇなぁ。キャーズバ様素敵ー！ 愚かな人間を助けてー！」
エディル : 「水中で呼吸ができるようになりたーい！」
ルーカス : 「た、ﾀｽｹﾃｰ」棒読み
ズバイダー : 「演技が下手なのはいいとして、目的のためにプライドを捨てられるのはいいことニョロ」
ウィズ・サジェッツァ : 「安いプライドだからな」
エディル : 「こちとら日々そこのエルフに貶されてんだよ」
ルーカス : 「ああ、今更どうという事は無い」
ウィズ・サジェッツァ : 「つまり私のお陰と言うことだな。うむ」
ルーカス : 「（皮肉が通じてない）」
ズバイダー : 「でも私はそれほど魔法が得意じゃないので、どぅーにゃんにやってもらうニョロ」
ズバイダー : 「え？ なに？ そうニョロね、伝えるニョロ」
ズバイダー : 「どぅーにゃんからお願いがあるニョロ。こちらが施す親切のお代がわりに」
ズバイダー : 「どこかで困っている妖精を見つけたら、親切にしてやってほしいニョロ」
ズバイダー : 「どぅーにゃんマジ天使ニョロ？」
ウィズ・サジェッツァ : 「心当たりがありまくるな。心がけよう」
ルーカス : 「あいわかった」
エディル : 「あいよ」
エディル : 「これ先払いっていうんかね……？」
黒江＠GM : では、ドゥニャザッドによるランク4妖精魔法
黒江＠GM : ボトムウォーキングをエディルとルーカスにほどこします
黒江＠GM : まあ水中で自由に活動できるようになったと思ってください
黒江＠GM : 一応、効果時間は1時間
エディル : 「ありがとさん」
ルーカス : 「恩に切る」
ズバイダー : 「人々の飲み水になるわけだから、中でおしっことかしちゃダメニョロ？」
ルーカス : 「せんわ！」
エディル : 「あいよ、気をつけるわ」
エディル : 「じゃまた2000年後ぐらい」
エディル : ざばーん
ズバイダー : 「……どういう冗談ニョロ？」
ルーカス : 「そのままの意味さ。ではな」ざばーん
黒江＠GM : みなさんは貯水池から水路を通って、王宮を目指すわけだね
ルーカス : 目指しましょう、ざぶざぶ
エディル : ざーぶざーぶ
黒江＠GM : ディガットより流れる冷たい水は、太い上水道を通り
黒江＠GM : やがて小さな水路に分配されて、それぞれの建物で使われる
黒江＠GM : あなたたちは王宮へ続く主要な上水道を通り
黒江＠GM : ざぶざぶと距離を稼いでいく
黒江＠GM : しかし、そろそろ宮殿に差し掛かると思われるころ、水路の前方から、不気味な赤い影が姿を現した。
黒江＠GM : ……それは紛れ込む異物を排除するために放たれた、狂暴な魔法生物だ！
※GM注： アストロ・ソフィアが3話で苦汁をなめさせられたスカーレット・スタンプが再登場。
前回が2体だったところこちらは1体だが、弱体化していない真正（レベル7）の個体だ。
ウィズ・サジェッツァ : 「水路にあんなもの放つとは、さすがは魔法王のお膝元というところか」
というわけで次回は魔法生物リターンズ。復讐のアストロ・ソフィア。
〈目次〉〈�△悄�
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