タグ検索で四路智美11件見つかりました。

あのひと

 「はぁ……はぁ……」 体が熱っぽい。けど行かなきゃいけない……。 冷たい風が吹き荒れ、雪の舞う街を一人、智美は歩いていた。 『あのひと』  傘を持ってくるのを忘れていた。まさか雪が降るなんて思っていなかったからだ。 日の沈みかけた冬の街は冷たい。智美はそれを首や頬に直に感じた。服のあちこちに雪が付いている。 でもそんなことを気にしている余裕は今の智美には無かった。何故なら―――――。 (最後に彼と会ったのはあの島が自爆する直前だったっけ……あれから何年たったかな……どうにか 組織…

https://seesaawiki.jp/pawapokeeroparo114/d/%a4%a2%... - 2023年11月20日更新

1主三股伝説

、誰かと思ったら由紀ちゃんじゃない」 四路智美である。 「四路先輩…」 由紀はちらっと横目で小波たちを見る。 「ん、どうしたの?」 智美は由紀の視線の先を見る。 そこには楽しそうに会話する二人がいた。 「あら、小波君と明日香ちゃんじゃない…」 智美は小波たちの様子を少し眺めると由紀の方に視線を戻した。 由紀は不安そうな顔をしている。 「ははーん、あの二人が幸せそうだったから話に入ってこれないって訳ね」 智美は少し呆れたような声を出した。 「はい・・・」 由紀は力なく答えた。 そ…

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もしも1智美ベストが正史だったら

まず初めに私が言っておきたいのは、冬休みは体を休める為にあるという事。 確かに冬休み中にはクリスマスやお正月っていった楽しいイベントが目白押しなんだろうけど、 私から言わせればキリスト教を信仰してない人がキリストの誕生日を祝うだなんておかしいし、年賀状だって郵便局の考えた金儲けの政策にしか思えない。 家族や友達と旅行するだなんて以っての外。何で二週間程度の休みをクリスマスがあって、お正月を迎えて、更に遠出するというハードスケジュールにしなければいけないんだろう。 もう一度言う。 冬休みは…

https://seesaawiki.jp/pawapokeeroparo114/d/%a4%e2%... - 2023年07月16日更新

続楽園

嵐の後の静けさ。 そんな言葉があるわけではないが、今の状況を一言で表すならその言葉がふさわしいだろう。 サトミはそんなことを思いながら、妙な沈黙に包まれる酒場を見渡した。 斬り傷がある薄汚れた壁、カウンターに置かれている割れた瓶。 体重をかけるとひどく傾くテーブル、天井の汚れた電球。 目にはいるものすべてのものが、この酒場にふさわしいのなのだろう。  ――もっとも、いる人間がふさわしいかというと微妙だった。 タケミも、ミソラも、おそらく自分も、 酒場にいる人種に見えないことは明白なの…

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楽園(下)

「おつかれ〜……水でも持ってこようか?」  パワポケに明るく声をかける。 夕食を取る気はないかもしれないが。水ぐらいなら飲めるだろう。 そう思ったのだ。 「……まだ終わってないだろ」 「へ?! まだ薬抜けてないの? そんなに強い効果なんだ」 「そうじゃなくて、いやそれもあるかもしれないけど」  パワポケが近づいてきて、顔を覗き込んできた。 思わず後ずさりして、うつむくタケミ。 「まだタケミを抱いてないからな」  この言葉を望んでいた、それは間違いないけれど。 「……駄目だよ、あたしは」  口から出るのは拒…

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楽園(中)

「……やった!」  勝ったのはサトミだった、すぐに嬉しそうにパワポケに飛びかかる。 「…………わあああああん」  タケミはうなだれて泣き始めたミソラにゆっくりと近づいて、 優しく抱きかかえた。 何となく、頭を撫でる、少しだけ湿った柔らかい髪。 「はいはい、負けちゃったからもう少し我慢だね。 大丈夫、後二回ぐらいはなんとかなるって……たぶん」 「うぅ〜……ぐすん」  そのまましくしくと泣き始めるミソラを、隣のベッドに運ぶ。 サトミはというと、パワポケの縄をほどき終わったはいいが、 いざとなるとどうしていいか…

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楽園(上)

「きゅらきゅら進むよバトルディッガー〜ああ日がな一日やたらガタガタ〜♪」  ハッチを開けた瞬間、強い日差しが目に入って、サトミは思わず手をかざした。 季節は夏、荒野には日を遮るものが無く、炎天下の外は灼熱地獄と言っても大げさではない。 「あ〜たしは陽気な整備士だ〜♪」  目の前にはツナギ姿の女性の背中。 なにか歌のようなものを歌いながら、体をゆらゆらと揺らしている。 それがリズムに合わせてのものなのか、 バトルディッガーに揺られてのものだか判別はできなかったが。 ……どうやらハッチが開いたことに気づいてい…

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極悪の華(枯れ気味)

。 あたし、元プロペラ団日本支部長こと四路智美が、死んだと思われていた(実際死んでたけど)小波君と再会したところから見ると6年。 高校時代に彼と最後の別れを迎えてから考えると・・・大体10年。 初めての出会いの頃から換算すると・・・13年!? うわぁ・・・そりゃあたしも年取るわ。 とにかく時間が開きすぎた。 まぁ世界のプロスポーツを掌握してた組織の後始末をしてたのだから 3年で済んだのはむしろ早いくらいだけれど、気が付いたらもう三十路目前。 別に婚期を逃したとかが気になるわけでは無いけど、…

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第一話、小波という名の甘い毒(1主三股伝説)

「はい、小波君。お弁当。」 「先輩、お弁当をどうぞ。」 「小波君、お弁当よ。」  小波の目の前に三者三様のお弁当が並んでいる。 「うーん、困っちゃうな。どれから食べれ良いんだろう」 小波は腕を組みながら考えている。 明日香のお弁当はタコを中心にしたお弁当。 由紀のお弁当は女の子らしいピンクや黄色のお弁当 智美のお弁当は安い食材などで作り上げたボリュームたっぷりのお弁当 まさによりどりみどりである。 そしてこれらは全て小波のために作った弁当なのだ。 「だったら少しずつ食べた…

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7:952-955

へ吐き捨て革靴で踏み潰すと、 女――四路智美(よみち さとみ)に対してそう、話しかけた。  男はやはり真っ黒のスーツを着ており、 その胸ポケットから何かを取り出した。――それは、注射器であった。 「じ、自白剤なんか使うつもり!?」  智美が男に対してそう叫んだが男の返事は、やはり微笑であった。 「ははは。馬鹿だなあ。拷問っていったろ。そんな生易しいものじゃあないさ」 「じゃあ一体何なのよ!」 「まぁ、そう急ぐなよ、九十六号」  というやいなや、男は注射器を仕舞うと、 …

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噛み合わない歯車

「ボス!先ほどから選手会からの…」 「ボス、この事の裁可を決めていただきたい…」 自分が前の支部長を殺してその座を奪い取ってから数年の時が流れた。 今はプロペラ団の日本支部長としてその役割を果たしている。 スポーツのすべてを支配するために…。 しかし…。 しかし何故まだ彼への想いを無くし切れないのだろう……。 『噛み合わない歯車』 「ふう…」 「支部長、お疲れですか?もう何日も徹夜で作業しておられるのでは?」 紫髪の自分と同じ年くらいの女性が心配そうに尋ねる。 「…

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