コラム
最近は、インターネットやその他の媒介で債務整理に関する様々な情報が流れており、
債務整理や過払いのことについて多くの人が知るようになりました。
ある依頼者からの相談で、「絶対、過払いになってるんだ。間違いない! 整理をお願いしたい」と確信をもって言う人がいました。取引期間はA社18年間で残高50万円、B社10年間で残高50万円、
確かに私の経験からもA社の場合、(取引期間だけから推察すると)平均して100万円から250万円ほどの過払いが算定されたことがあります。また、同じくB社の場合50万円から150万円ほど算定されたことがあります。現在残高を差し引いても過払い金がでる可能性はかなり高いと考えました。
しかし、期間だけは長くても実質ほとんど取引していない。(→過払いの可能性は低くなる)もしくは、頻繁に取引をしているのだが、ほとんど過払いにならないケース(取引の仕方による、後述)があるのも事実です。
しかもその依頼者は「他にも取引はあるが、利息が制限法以下なので、過払いはでない。よって依頼しない。また、(それらの会社と)今後も取引を続けたいのでブラックリにはなりたくない」という話でした。
私は「現在、残高が残っている取引に関して(司法書士が)介入して整理した場合、債務がゼロか過払いが出れば「契約見直し」という表示が情報として登録され、ブラックリではないがグレーです。(現在では4月19日を以って上記の事例が「契約見直し」という表記はされないことになり、グレーにもならないことになりました)ただ、私の経験ではその情報によって与信審査で却下されたお客さんはいませんが、保証はできません。また、計算しても残高が残った場合は、「債務整理」をした事実が情報として登録され、完全なブラックではないが、与信審査には良い情報にはならないでしょう」
「そうすると私の場合、絶対過払いになるからその2社だけ頼む」
「絶対、過払いになるかどうかは、引き直し計算してみないとわかりませんよ」
「なんでだ。この期間の取引して過払いにならないわけないだろう。ネットなんかでいろいろ調べているんだ。」
「確かに過払いがでる可能性は高いですが、取引での貸し借りの頻度、また返済までの期間によって
異なりますので、絶対過払いが出るかどうかはわかりませんし、保証もできません。」
「とにかく、過払いは絶対でるんだから、頼む」
私はこの依頼者の「絶対」という確信に満ちた言葉が気になりましたが(こういう先入観で確信を持っている依頼者は「意に沿わぬ結果」になったときにトラブルになりやすい。)
過払いが出るかどうかは保証できないということを承諾させて受任しました。
「A社は普通に取引してたらまず過払いはでるだろうが、Bは怪しいな」と思いました。
次回はその結果と原因についてお話します。
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