最終更新: saimuseiri_wiki 2011年12月01日(木) 15:05:45履歴
ニュース記事
会社更生手続き中の消費者金融・武富士の管財人は5日、創業家株主らに対し、計約151億9000万円の株主配当の返還などを求める計3件の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。武富士の管財人は、返還金を債権者への弁済原資に充てる方針。
訴訟対象は、創業家株主3人とその関連法人に、07年3月期〜10年3月期に支払った配当金の返還請求約129億4千万円。そのほか損害賠償請求として、破綻前の10年3月期に配当金を支払った元代表取締役2人に約20億2千万円と、ジャーナリストの電話を盗聴したことで訴訟費用などを発生させた故武井保雄元会長の相続人7人に約2億3千万円。
同社は、利息制限法の上限金利を超える「グレーゾーン金利」を事実上認めないと判断した06年の最高裁判決後も、グレーゾーン金利によって得た利益で創業家など株主への配当を続けた。しかし、管財人が過去の貸付金を利息制限法に基づいて再計算したところ、当時、配当できる利益はなかったという。
解説
武富士の会社更生手続きに対しては、各地弁護士会などに疑問の声が広がっています。
DIP型会社更生手続きであることから、武富士の更生管財人には、もともと武富士から会社更生手続の申立ての依頼を受け、武富士の代理人となった人物が選ばれているためです。
公正中立性に疑義があり、更生管財人が、債権者に過大な負担を負わせる更生計画案の提示や、武富士創業者一族の責任追及を徹底して行わない、など武富士の味方となるおそれを指摘されてきました。
そのような中、今回の創業者への弁済請求は驚きですが、透明度の高い「会社更生手続き」であることや、各地弁護士会やその他大口の債権者の目を避けることはできなかったから、やむを得ず提訴したとも考えられます。
そろそろ武富士の更生計画案について、債権者による賛否の投票が行われると思いますが、武富士に対する過払金債権者は、更生管財人が提示している更生計画案に対して、慎重にその賛否を決する必要があるでしょう。
■DIP型会社更生
DIP型会社更生とは、破綻企業の経営陣が退陣せず、更生計画などに関与する会社更生手続き。通常の会社更生手続きが旧経営陣の総退陣を前提にしているのに対して、一部経営陣が留任するのが特徴。業務に精通している経営者に引き続き経営に当たらせることで円滑に再建を進める狙いがある。
経営陣が留任する民事再生手続きと似ているが、債権者の抵当権行使を完全に停止できる更生法のメリットはそのまま享受できるため、会社再建を目指す企業にとって、DIP型会社更生は、民事再生法と会社更生法の良い所取りと言える。
会社更生手続き中の消費者金融・武富士の管財人は5日、創業家株主らに対し、計約151億9000万円の株主配当の返還などを求める計3件の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。武富士の管財人は、返還金を債権者への弁済原資に充てる方針。
訴訟対象は、創業家株主3人とその関連法人に、07年3月期〜10年3月期に支払った配当金の返還請求約129億4千万円。そのほか損害賠償請求として、破綻前の10年3月期に配当金を支払った元代表取締役2人に約20億2千万円と、ジャーナリストの電話を盗聴したことで訴訟費用などを発生させた故武井保雄元会長の相続人7人に約2億3千万円。
同社は、利息制限法の上限金利を超える「グレーゾーン金利」を事実上認めないと判断した06年の最高裁判決後も、グレーゾーン金利によって得た利益で創業家など株主への配当を続けた。しかし、管財人が過去の貸付金を利息制限法に基づいて再計算したところ、当時、配当できる利益はなかったという。
解説
武富士の会社更生手続きに対しては、各地弁護士会などに疑問の声が広がっています。
DIP型会社更生手続きであることから、武富士の更生管財人には、もともと武富士から会社更生手続の申立ての依頼を受け、武富士の代理人となった人物が選ばれているためです。
公正中立性に疑義があり、更生管財人が、債権者に過大な負担を負わせる更生計画案の提示や、武富士創業者一族の責任追及を徹底して行わない、など武富士の味方となるおそれを指摘されてきました。
そのような中、今回の創業者への弁済請求は驚きですが、透明度の高い「会社更生手続き」であることや、各地弁護士会やその他大口の債権者の目を避けることはできなかったから、やむを得ず提訴したとも考えられます。
そろそろ武富士の更生計画案について、債権者による賛否の投票が行われると思いますが、武富士に対する過払金債権者は、更生管財人が提示している更生計画案に対して、慎重にその賛否を決する必要があるでしょう。
■DIP型会社更生
DIP型会社更生とは、破綻企業の経営陣が退陣せず、更生計画などに関与する会社更生手続き。通常の会社更生手続きが旧経営陣の総退陣を前提にしているのに対して、一部経営陣が留任するのが特徴。業務に精通している経営者に引き続き経営に当たらせることで円滑に再建を進める狙いがある。
経営陣が留任する民事再生手続きと似ているが、債権者の抵当権行使を完全に停止できる更生法のメリットはそのまま享受できるため、会社再建を目指す企業にとって、DIP型会社更生は、民事再生法と会社更生法の良い所取りと言える。
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