某大型掲示板などで公開されたSSのまとめ、たまに2ちゃんスレもなWiki

クロ高

林田「またかよ、前田も懲りねえなあ」

神山「懲りないのはバース高のやつらだよ林田君」

林田「まあいい……とにかく前田が連れ去られた場所まで案内してくれ」

神山「そ、それが……わからないんだ」

林田「はあ? さっき何とかって言ってただろ? 何かバースから連絡あったんじゃないのか?」

神山「実は今朝、前田君の机にこんな物が置いてあって……」スッ

『とある科学の超電磁砲』


林田「……」

林田「なあ神山」

林田「とあるのって何だ、暗号か何かか?」

神山「林田君、漢字が読めてないよ」

林田「……で、これと前田が一体なんの関係が?」

神山「実はね、数日前に僕が目撃した出来事があるんだけれど……」


数日前、通学路


神山「ふ〜ふふふふ〜ふふ、ふふふふふ〜(夏休み)」

前田「……からよ、何度も言わせんなよ。科学サイドの圧勝に決まってるだろ」

バース高「ああん!? 魔術なめんなよこの野郎!」

前田「……へっ、電気一発でこっちが余裕だってのによ」

バース高「てめえ……覚えてろよ……!」

神山「……」




神山「……というわけさ」

林田「う〜ん、俺にはさっぱりな単語ばかりだな」

神山「正直僕にも詳しくはわかりません」

林田「おいおい、だったらどうして前田が連れ去られたなんてわかるんだよ?」

神山「それはですね……」

神山「バース高のやつらはこうも言ってました」

『お前に魔術の恐ろしさを教え込んでやる』

神山「……と」

林田「……それがさっき言った何とかって場所と関係あるのか」

神山「いえ、わかりません」

林田「わかりませんてお前な……」

神山「わからないけど、手がかりはさっきのやり取りとこの本くらいしか無いんだよ」

神山「キーワードを推理して前田君を探すしか……」

林田「でもよ神山……」

竹之内「神山」

神山「た、竹之内君?」

竹之内「話は聞いたぜ、前田がまた拉致されたってなー」

竹之内「手がかりはあるんだろ、ならすぐ助けに行こうぜ」

林田「た、竹之内お前」

林田「で、でもよもしかしたら無駄足になっちまうかもしれないんだぜ? これっぽっちのキーワードでよ」

竹之内「林田……友を助けるのに理由はいらねえよ」

竹之内「わずかなヒントでも俺は前田を探すつもりだ……」

林田「うっ!」ガーン

神山「竹之内君……いいのかい?」

竹之内「言ったはずだぜ、神山」

竹之内「……前田が待っている。行こうぜ」

神山「よしじゃあ早速……」

林田「ま、待てよ! 俺も行くに決まってるだろ!」

竹之内「林田……」

神山「当たり前じゃないか、頼りにしてるよ林田君」

林田「神山、へへっ。よし、行こうぜ! 前田のいる何とかって場所へよ!」

竹之内「……まずは散策か。神山、道案内を頼むぞ」

神山「はい、任せてください」

……。

神山「へいタクシー」

神山「あ、学園都市までお願いします、ええ、高速道路は無しで。はい」

竹之内「……」


竹之内(タクシーってお前……)

高速道路で行けるんだ、学園都市


車内


竹之内(……タクシー)

神山「いやあ何とか拾えてよかったね」ギュウギュウ

林田「本当これなら目的地楽までチンだぜ」ギュウギュウ

竹之内(いやいやいや、待てよ苦痛しかねえじゃねえか)ギュウギュウ

竹之内(しかも後ろに三人乗りって明らかにおかしいだろ、一人前行けよ)

神山「ああ風が気持ちいいなあ」サワサワ

林田「本当だぜ」サワサワ

竹之内(しかも俺がセンターってどういう事だ!)

竹之内(ぐっ、苦しい……が耐えるしかない。ここは早く目的地に着くのをひたすら祈るだけだ……)

竹之内「……神山よ。その、学園都市とやらはあとどれくらいだ?」

竹之内(あくまで冷静に……)

神山「さあ? どこにあるかがわからないので……」

竹之内「なっ!」プルプル

神山「あ、ご安心を。ちゃんと行き先言ったら走ってくれたんで場所はわかります」

神山「そうですよね、運転手さん?」

運転手「や〜、ちょっと聞いた事ない場所でね〜……とりあえず学園調布に向かって走ってるけどいいかね〜」

神山「ええっ」

竹之内(なんだよ学園調布って! 逆に聞いた事ねえよ!)

竹之内(ぐっ……ヤバい目的地が不安定な事により精神的にも酔いそうだぜ……ううっ)

竹之内「か、神山、何とかならないのか?」

神山「……そうだ運転手さん。もしかしたらこの本に行き先が書いてあるかもしれないんですけど」ペラッ

『とある科学の超電磁砲』

運転手「あ、すいませんね私運転中なんで本は読めないんですよ」

神山「あ、そっか」

竹之内(当たり前だろ!)

林田「だったらよ、それっぽい部分を読み上げてやればいいんじゃねえか?」

神山「なるほど」

運転手「ああ、それはいいですねえ」

竹之内(……何でもいい。早く俺に精神の安定をくれ)

林田「よーし俺に任せろ」

林田「えー……」

林田「……」

神山「どうしたんだい林田君?」

林田「いや、ちょっと初っぱなからわからない漢字がよ」

林田「なあ竹之内、この字なんだがよ……」スッ


竹之内「!!」



オロロロロロロ


林田「うわあ竹之内が吐いた〜」

運転手「お、お客さ〜ん!」


オロロロロロロ


酔いやすい人に、本はダメ







竹之内「ぜぇぜぇ……」

神山「大丈夫かい竹之内君?」

竹之内「ぐっ……何でもいいからよ。早く目的地まで行ってくれ……」

林田「なあ神山、もしかしてここの部分じゃないのか?」

神山「何々……ふむふむ」

神山「なるほどわかりました。どうやら学園都市は都内の西側に展開しているようです」

竹之内「な、なに。本当か?」

神山「はい確かです。ほらここに……」ペラッ

竹之内「わ、わかったから。見せないでいい!」

林田「よ〜し運ちゃん。場所がわかったぜ、とりあえず都内から西に向かってくれ」

運転手「わかりました〜」ブロロロロ

神山「……ふう。これでやっと着く」

竹之内(お前が安心するんじゃねえよ、一番安堵を感じているのは俺だ……)

林田「いやあ一時はどうなる事かと思ったぜ!」

竹之内(お前のせいで俺は一回どうかなったんだよ!)

竹之内(ま、まあいい。目的地に着いたらバースのやつらを皆殺しにしてやるぜ……)

ブロロロロ

運転手「……はい、着きましたよ」ガチャッ

竹之内「よ〜し……いくぞてめえら、殴り込みだ!」

林田「おう!」

神山「助けに来たよ、前田君!」


『学園調布』

生徒「わいわい」

生徒「きゃっきゃ」

竹之内「って間違ったまんまじゃねえか!」ガシャーン ガシャーン

神山「ああっ、校舎のガラス割っちゃダメだよ竹之内君」

ワー

キャー


ちなみに共学でした。










学園都市内


上条「……はぁ」

上条「不幸だ……」フラフラ

ドンッ

上条「いてっ! ご、ごめんなさい……!」

「……」

上条(ヤバいぶっかっちゃった! ごめんなさいごめんなさい)

上条(ごめんなさい! 怖い人じゃあありませんように……)

「……」

上条(……)

上条(な、何も言ってこない?)

チラッ

ゴリラ「……」

上条「……」

ゴリラ「……」スッ

上条「え、ジ、ジュース? いいのか?」

ゴリラ「……」コクッ

上条「で、でもぶつかったのにそんな、悪くて……」

ゴリラ「……」フルフル

ゴリラ「……」スッ

上条「あ」

ゴリラ「……」スタスタ

上条「……」

上条「行っちゃったよ」

上条「……」プシュッ

上条「……」ゴクゴク

上条「ぷはぁ」

上条「……うま」

上条「ってゴリラじゃねーか!」

上条「なんで学園都市にあんな丸々ゴリラいるんだよ!」

上条「レベルいくつだよあのゴリラ! 言ってみろよ!」

御坂「な〜に一人でごちゃごちゃやってるのよ」

上条「はっ……ゴリゴリ……」

御坂「っ! 誰がビリッ……え?」

上条「じ、じゃない! ビリビリ!」

御坂「……あんたねぇ、なんなのよ。ビリとかゴリとか言いたい放題!」バチバチ

上条「わ、わ、わ! ストップ! これには深い理由があって……」

御坂「りゆう〜? 聞かせてみなさいよ」

上条「じ、実は……」

御坂「学園都市にゴリラねえ?」

上条「そうなんだ、そりゃあもう立派なゴリラが……」

御坂「はあ……聞いて損したお話ね」スタスタ

上条「な、し、信じないのかよ!?」

御坂「あのね、私はあんたと違って忙しいの。今日だってこれから新しく誕生したレベル5に顔合わせに行くんだから」

上条「あ、新しく誕生したレベル5!?」

御坂「ええ、噂じゃあかなりの使い手らしいわよ……能力は不明。パワー、スタミナあり……」

御坂「おまけに使い魔みたいのまで従えてるって話よ」

上条「能力不明ってのが、また怖いなぁ」

御坂「だからこの眼で直接見たいのよ、その噂のレベル5とやらを、ね」

上条「……俺はゴリラの方が気になるけど」

御坂「勝手に気にしてなさいな……って、あれ?」


黒子「おっねえさま〜」タッタッタッ

御坂「黒子じゃない、どうしたの?」

黒子「くふふ……お姉さま、見つけましたわよ例のレベル5」

御坂「本当なの!?」

黒子「ええ、ええ、もうすぐそこまで来ていますわよ!」

御坂「ふ、ふふっ……楽しみね」

上条「そ、そいつってもしかしてゴリラ!?」

黒子「は?」

御坂「……気にしないで、寝言みたいなもんだから」

黒子「ゴリラだなんて。普通に人間の方でしたわ」

上条「そっ……か」

カツ

上条「はっ!」

黒子「き、来ましたわ!」

御坂「あの曲がり角の先に……」ゴクリ

上条(な、なんか緊張)

上条(でもゴリラじゃないだけ気は楽……)

パカラ パカラ

上条(パカラ?)

パカラ パカラ

フレディ「……」スッ

馬「……」パカラパカラ

御坂「……」


ベンチ

上条「馬ってお前……」

富士動物園都市





御坂「……」ボーゼン

黒子「……お姉さま」ツンツン

御坂「はっ! あ、あ、あなたが新しいレベル5ねっ!?」

フレディ「……」

御坂「い、いきなりすごい登場してくれるじゃない。ちょっとだけ誉めてあげるわ」

馬「……」

上条(ビリビリ完全にビビっちゃってんじゃん。そりゃあまあ……こんなおっさんとデカイ馬がいれば無理ないか)

御坂「ここにいるなら知ってると思うけど、私もレベル5なの。同じレベル同士……今から勝負しなさい!」

上条「な、お、おい!」

御坂「うるさいわね! 最初からこうするって決めてたんだから、邪魔しないで!」

フレディ「……」

御坂「な、なんとか言いなさいよ!」

黒子「お、お姉さま。あまり挑発するのもアレかと思いますけど……」

フレディ「……」

上条「そ、そうだぞ。さっきからなんか難しい顔してるし……」

フレディ「……」

御坂「ぐっっ! な、なによ!」

御坂「言いたい事があるならはっきり言いなさい!」

フレディ「……!」

御坂「な、なによ怒ったの?」

フレディ「……」ガザゴソ

黒子「お、お姉さま! きっと武器を取り出すつもりですわ」

御坂「いいわ、かかって来なさいよ! 私の電気で真っ黒焦げにして……」

フレディ「……!」

スッ

御坂「あげるっ! くっらええぇぇ……!」

『美味しいラーメン50選〜学園都市編〜』

フレディ「……」スッ

御坂「……」バチッ


ベンチ

御坂「道聞きたかっただけってあんた……」

黒子「……ですの」

フレディ、ラーメン食べ歩き!(馬で)






次の日

神山「いやあ昨日はとんだタクシーに乗っちゃったね」

林田「全くだぜ〜、目的地には着けねえ、竹之内は吐くわで最悪だったな」

竹之内(吐いたのはてめえのせいだろうが!)

神山「……しかしこうなると前田君の救出がますます遅れてしまう」

林田「ちくしょう、前田……心配だぜ」

神山「ううむ……」

ガラガラッ

前田「う〜っす」

神山「あ、おはよう前田君」

林田「うぅむ……」

前田「どうしたんだよ、朝から難しい顔してよ」

林田「前田のやつがまた拐われちまってよ、どう助けたらいいか悩んでんだよ」

前田「……え?」

神山「あれ? よく見たら前田君じゃないか」

林田「お、お前? どうしてここにいるんだ!」

前田「いや、俺別に拐われてなんかないけど……ていうか「また」ってお前」

前田「……ってお前、それ俺の本じゃねえか!」

神山「あ、これかい? 前田君を助けるヒントになるかと思って借りてたんだけど」

前田「か、返せよ! ってうわあ! なんか超びちゃびちゃってなってる!」

林田「竹之内が吐いちまってなあ……まあお前を助けるためだ。許してやってくれや」

前田「だから拐われてねえっての! ああ、どうすんだよこれ……」

前田「くそっ、貴重な初版刷りなのによ……」ブツブツ

神山「ところで前田君、その学園都市とやらはどこにあるんだい?」

前田「はぁ? もしかしてそこに行きたいのかよお前ら」

林田「ああ、ちょっと興味が沸いてな」

神山「教えてくれないかな、前田君」

前田「……」

前田「学園都市の場所は、俺も詳しくはわからねえ」

前田「ただ、あそこは脳の研究を行っているでっかい施設みたいなもんだ……」

神山「脳というと?」

前田「噛み砕いて言えば、超能力か。不思議な能力を持ったやつらばかりがそこにいる」

前田「だからこそ、俺たち一般人にはあまり関係ない場所だ。入り込むのも難しいかもな」

神山「……」

ガラガラッ

フレディ「……」

林田「おうフレディ」

神山「あ、フレディおはようって、また頬っぺにナルトがついてるよ」

フレディ@「……」

林田「ん? しかもお前今度はドンブリまで持ってるじゃねえか!」

フレディ「……」コクッ

林田「記念に持ってきちゃったって? 全く仕方ねえなあ……」

前田「店に電話して取りに来てもうか?」

神山「それがいいね」

林田「よ〜し任せろ。えっと、03の……」

プルルルル

ピッ

林田「あ、えっとこんにちわ。ラーメン山本、学園都市店舗さんでしょうか?」

前田「……」

林田「あ、いえね。ちょっと知り合いがお店のドンブリを持ってきちゃいまして」

神山「……」

林田「ああ、はい。取りに来て貰えるなら、ええ」

ピッ

林田「……来てくれるってさ」

神山「よかったねフレディ」

フレディ「……」コクッ

神山「しかし学園都市かぁ」

林田「……俺たち一般人が近づけない場所だなんて、なあフレディ」

フレディ「……」コクッ

神山「それだけ研究を知られたくないんだよ、きっと」

神山「多分蟻の子一匹通さないような場所なんだろうね」

林田「ああ、恐ろしいところだぜ」

フレディ「……」コクッ

前田「……」

前田「お前らわざと言ってるだろ」

神山「えっ?」

林田「えっ?」







学園都市

上条「……はぁ、昨日は変な一日だったな」ゴクゴク

上条「今日もまた、俺の不幸な一日が始まるのか……」

ポイッ

上条「はぁ」

ウィーン

カシャンカシャン

メカ沢「……おい、ゴミのポイ捨てなんてするんじゃねえ」

上条「は、はひ!?」

上条「お、お掃除……ロボ? なんかずいぶん形が変わったような」

メカ沢「誰がロボだって? ったく……ポイ捨てだけに終わらず失礼なやつ、よっと」カシャッ

上条「あ、頭が開いた!」

メカ沢「誰かさんの散らかしたゴミの後片付けだよ」シュッ

メカ沢「ったく……最近の若いやつはよ、もうちょっとモラルがあってもいいんじゃねえか?」

上条「す、すいません……」シュン

上条(朝から訳のわからない機械からお説教なんて、やっぱ不幸だ……俺)

メカ沢「……」

メカ沢「すまねえ、ちょいと言い過ぎたか」

上条「いえ、別に……」

メカ沢「……なあお前。もしかして悩みでもあるのか? そんな暗い顔なんかしてよお」

上条「……」

メカ沢「俺でよかったら話聞くぜ? 何でも話してみな?」

上条(どうせ俺の事なんてわかりっこないよ……)

メカ沢「今お前、どうせこんなやつに話してもわかりゃしないって思っただろ?」

上条「へ、えっ! いえっ!」

メカ沢「ふっ、隠さないでもいいんだぜ。確かに初対面の人間をすぐに信用しろって方が無理だろうしな」

上条(せめて人間と話したい……)

メカ沢「でもよ、行きずりのこういう間だからこそ話せる事もあるんじゃねえの?」

上条「うっ……確かにそれはちょっと」

メカ沢「話してみな、もしかしたらその不幸……ちょっとは軽くなるかもしれねえぜ」キラン

上条(う、うおっ、ちょっとだけカッコいいかも)

上条(なんだかアニキみたいな感じだな……)

メカ沢「さ、話してみな。どんな愚痴や悩みも聞くぜ?」

上条「は、はいっ!」

上条(人間じゃないけど、なんだか頼りになるこの人になら!)

上条(俺の生まれの不幸やらを聞いてもらえたりするのかも……!)

ウィーン

上条(機械みたいな音はしてても俺は、この人を信じる!)

上条「あ、あのっ! 実は俺……」バッ


お掃除ロボ「不燃物発見、貴金属類発見、タダチニ処分イタシマス」カシャンカシャン

メカ沢「お、おい止めろ。俺は不燃物でも金属でもねーって!」

お掃除ロボ「処分、処分、処分」ガシャン

メカ沢「やめろよこのバカロボットが! 故障してんじゃねえのかコイツ!」

ウィィィィーン ガシャン

上条「……」


ベンチ

上条「わかってた事なのになぁ……ははっ」

お掃除ロボに人情は通じませんでした。









マニエル高校

「いやあやっぱり超電磁砲は面白いよな〜」

生徒「なあなあ、お前誰派だよ? 俺は当然佐天さんだぜ!」

「え〜、お前変わってるな〜」

生徒「そんな事ねえよ、佐天さん可愛いじゃねえか」

「ん〜だったらやっぱり黒子かなあ」

「御坂だよな」

「初春だな」

生徒「な、なんだよ佐天さん派は俺だけかよ……」

藤本「……」

生徒「あ、ふ、藤本はどうだよ! 誰か好きなキャラいるんだろ!」

藤本「……くだらねえ」ガタッ

藤本「てめえらの話を聞いてりゃなんだ、誰が好きだぁ? そんな事はどうでもいいんだよ」

藤本「所詮はキャラクターだろ、そんな会話してて虚しいと思わねえのか? あ?」

「……」

藤本「ち……よく考えやがれ」ガラガラッ


「やっぱ藤本はこえぇな、今日は特に尖ってたぜ」

「ライトノベルとか興味なさそうだもん、仕方ねえよ」

「でもあんなに怒らなくても、なあ」

「明日詫びいれとくか……」

……。





藤本宅

藤本「ふぅ、思わず教室を飛び出して来てしまった」

藤本「しかし意外だったな、まさか」

藤本「クラス中で佐天さん派が……俺とあいつだけとは」

藤本「あの可愛さがなぜわからんのだ……くそっ!」

付き人「……」

藤本「そうだ、こういう時こそインターネットだ。この気持ちを分かち合いたい」バッ

藤本「ふむ……佐天涙子に萌える掲示板、と」カタカタ

藤本「ふふっ、早速語り場が出来たぞ」

藤本「佐天さんの可愛さについて存分に語るがいい」

付き人「……」


三十分後


藤本「……なぜだ。いまだに書き込みは0だと!」

藤本「くっ、この可愛さがなぜ理解されない……!」

ピロリン

藤本「むっ! やっと初カキコか。どれどれ」カチッ

いちごおでん『スカートめくりが趣味なんですってね……ププププ』

藤本「……ちっ、荒らしか」

藤本「最初の書き込みだからな、ここでしっかりと注意をする事が大事だな」カタカタ

イレブンPM『いちごおでんさん初めまして、この掲示板を立ち上げたイレブンPMという者です』

イレブンPM『主題にもあるように、ここは佐天さんの可愛さについて語る場所となっております』

イレブンPM『あまりにかけ離れた内容の書き込みは削除させて頂く場合がございますので、ご注意下さいませf^_^;』

イレブンPM『以上、ネチケットを守って楽しく語り合いましょう!』

藤本「……ふう、こんなもんでいいだろう。送信と」カチッ

いちごおでん『だからあのスカートめくり魔の事話してあげてるじゃないですかぁ〜笑』

いちごおでん『ちゃんと話してるのに注意とかマジアンチスキルも真っ青ジャッジメントですの、なんですけどぉ〜笑笑笑』

いちごおでん『それとも、ただ初春ちゃんのパンツが見たいからこんなトピック立てちゃったんですかぁ〜?』

いちごおでん『もしかして本人さんですかぁ〜、なんちゃってキャッwwwww』


藤本「うぜぇぇ! なんだこのクソ餓鬼みたいな書き込みは! 荒らしってレベルじゃねえぞ!」

付き人「……」

藤本「……なぜこんなにも佐天さんを目の敵にしてるんだ、こいつは」

藤本「……落ち着け。冷静に対処すればきっと」カタカタ


イレブンPM『えっと、何があなたをそうさせているかはわかりませんが、少なくとも私は佐天さんを素晴らしいキャラだと思っていま

す』

イレブンPM『いえ、キャラというのはもはや失礼でしょう。私は一人の女性として佐天さんの事を考えています』

イレブンPM『もちろん、人によって好きなタイプが違うのは当然です。私の趣味をいちごおでんさんに押し付ける気は毛頭ありません



イレブンPM『しかし、知っておいてほしい事もあります。私はけっしてこの掲示板を遊び半分で立てたわけではない。と言う事です』

イレブンPM『もちろんこの気持ちが本人に届くとは思っていません』

イレブンPM『それでも……私は佐天さんが好きだという想いを残したいのです』

イレブンPM『掲示板の山に埋もれたとしても、私のこの書き込みがあったという事実だけでも残したい……』

イレブンPM『このような気持ちで今ここに立っています』

イレブンPM『いちごおでんさんにも、佐天さんの魅力がちょっとでも伝われば、と思います。長文すいません』

イレブンPM『できれば一緒に楽しく語りたいですね、お返事待っています』

いちごおでん『……ごめんなさい』

藤本「む?」カチッ

いちごおでん『実は今日、学校で嫌な事があって……あ、いつもの事なんですけどね』

いちごおでん『私、スカートをよくめくられるんです。それが最近ちょっと嫌で……』

いちごおでん『いじめとかじゃないんですけど、毎回めくられるのも正直ちょっと憂鬱だなって感じるようになって』

いちごおでん『……いらいらしていて、ついこんな書き込みを』

いちごおでん『本当にごめんなさい、反省してます』

いちごおでん『佐天さんがこんなに好かれているんだって、ちょっとびっくりしながらも……嫉妬しています』

いちごおでん『でも気持ちのどこかで嬉しさがある分、私はやっぱりスカートめくりの彼女の事を好きなんでしょう』

いちごおでん『なんて、つい語ってしまいましたね。ごめんなさい』

いちごおでん『スカートめくりをする人の気持ちもあれば、めくられる方の考えもある……』

いちごおでん『あなたにはそれを知ってほしくて、つい長文になってしまいました。本当に迷惑かけてしまい、ごめんなさい』

いちごおでん『一緒に語れて幸せでした……またどこかでお会いしましょう』

藤本「……」




次の日

藤本「昨日は色々あったな」

藤本「荒らしが一転、あんな風に心のうちをさらけ出してくれるとは……これがネット、そして佐天さんの力ってもんだ」

付き人「……」

藤本「……お互いの気持ちを考えて、か」

藤本「……」

生徒「お〜い藤本〜」

藤本「む?」

藤本「……なんだ?」ギロッ

生徒「いやあ、昨日の事ちょっと謝りたくてよ」

「ああ、俺たちちょっと餓鬼すぎたかもしれねえ。あんな話を大声で堂々としてさ」

藤本「……」

生徒「すまねえ、藤本の言う通りだったぜ……この通りだ」バッ

藤本「……なあお前、佐天さんが好きなんだろ。だったら」

藤本「だったら死ぬまでそれを語らんかい」

生徒「藤本……!」

藤本「……相手の事もちっとは理解しねえとな。仲間ならなおさらだ」

「藤本!」

生徒「お……おぉ!」

藤本「さあ、ちょっと俺に語ってみてくれねえかな。クラスの中でお前(と俺だけ)が好きだった、佐天さんの魅力をよ」

生徒「ま、任せてくれよ!」

藤本「ふっ、お前は一体彼女のどこに惚れたんだ……聞かせてみな」

生徒「おう! まず俺が一番最初に惹かれた部分は、そうだなぁ……」

生徒「あ、やっぱり初春のスカートめくってパンツ見てたとこかな」

藤本「ジャッジメント!」バキッ

「語る暇がねえ……」

付き人「……」

藤本、怒りの鉄拳レベル5










一方その頃

北斗の子分「……」

QB「僕と契約して魔法少年になってよ」

QB「契約してくれればどんな願いも一つだけ叶う……君が欲しがっていた『名前』を手に入れる事だって夢じゃないよ」

QB「さあ、僕と契約して……」

北斗の子分「あ、あの。ちょっといいかな?」

北斗の子分「俺、別に名前が無いから欲しいってわけじゃないんだけど……自己紹介出来ないだけって言うか」

QB「えっ?」

北斗の子分「いい機会だ、このさい変な動物でもいい! いいか、俺の名前は……!」


こっちは続かない

このページへのコメント

VXucxh Major thankies for the post.Really thank you! Will read on...

0
Posted by stunning seo guys 2014年01月21日(火) 02:47:56 返信

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