某大型掲示板などで公開されたSSのまとめ、たまに2ちゃんスレもなWiki


勇者「さて、仲間が揃っていよいよ本筋に行こうとしているが、その前に少し整理しよう」

勇者「あの爺さんは密書を破いたり、汚したり……つまり、外部から何かしらの損傷、損壊を加えたら命は無いと言っていた」

勇者「書には何か封印魔法が掛かっていたんだろう。それは、あの魔物が出て来たこと。そして、その後の様子から察することができる」

勇者「転移か召喚なら、攫われたなんて言葉は出てくる筈が無いからな」

勇者「命が無いという言葉だが、これは封印されていた魔物のに殺されるぞ、と考えられる。現にあの強さだ」

勇者「元はもう少し凶暴だった可能性も有る。程度の良い生け贄が居たとはいえ、言いくるめられる程単純かつ穏やかだったし」

勇者「もし、そうならば天に感謝だ」

勇者「一番引っ掛かるのは、この書を届ける相手が魔王の息子だという点」

勇者「当然ながら、この魔物と魔王の息子は何かしら関係が有る」

勇者「閉じ込めての移送を考えると、厄介な関係だとの線が濃い」

勇者「勿論、誰かに悟られぬようにするのが目的だと言うのなら、この状況はマズいにはマズいが、大仰にする程ではない」

勇者「例えば、ペットにする。例えば、糧にする。例えば、駒にする」

勇者「向こうがそんな要望ならば、封印の解かれたこのままで運んで良いのか凄く迷う」

勇者「苦労の末辿り着いた先に待っていたのはデッドエンド。そんなこともあり得るからな」

勇者「しかし、そんなことを憂いても仕方ないのも事実。逃げたのが知られたら終わりだ」

勇者「忍び、魔族、魔物、竜が気付かなかったんだ。監視はついていないだろう」

勇者「でも、遠くからでも追い詰める方法はいくらでも有るからな」

勇者「簡単なのは、俺の勇者称号剥奪。ついでに手配書。こうすると、何も知らぬまま勇者の名を出したら即逮捕になる」

勇者「これは避けたい。死ぬ危険に飛び込んででも避けたい。俺の夢が潰えるワケだからな」

勇者「……ま、道中神にでも祈っておきますか」






217 :1[sage]:2011/04/06(水) 20:48:59.70 ID:bU+2B9JSO
正直な話、俺もスライムで始めれば良かったと後悔している


さぁ、本日もだらだらいくぜー
218 :1[saga]:2011/04/06(水) 20:55:40.68 ID:bU+2B9JSO
と思ったが、何時までも隣国表記だと分かりづらいし何か適当に隣国さんの名前付けてくれよ>>220




220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]:2011/04/06(水) 21:07:46.44 ID:/JzvagBio
新人類帝国




―――新人類帝国 とある村





勇者「案外普通の村だな」

幼女「そうですね」

ベヒモス娘「ねー、このフード取っちゃダメなの?いい加減暑いよー」

勇者「せめて、目的地に着いてからだ。人間に見つかったら言い訳出来ない」

ベヒモス娘「うぅー……」

幼女「一体どんな人何でしょうね」

勇者「どうって……やべっ。聞いてないわ」

幼女「じゃぁ、人に……あ、これ無理ですね」

勇者「名前も判らないしな」

幼女「唯一知っている彼の息子という情報も意味を持たない」

勇者「素性は間違いなく偽っている」

幼女「うーん」

勇者「此処にきて詰むとはな……」

ベヒモス娘「勇者さーん、尻尾だけなら出して良い?」

勇者「……そう言えば」

ベヒモス娘「えっ、なに?」

勇者「お前、確か強い魔力なら探知出来たよな?」

ベヒモス娘「うん。出来るよ」

幼女「そんな便利な力が」

勇者「この近くにさ、強い魔力を発してる場所ないか?」

ベヒモス娘「んんー、特に感じないかな」

勇者「普通に考えたら隠しているよな、そりゃ」

幼女「お爺様も変なところで抜けているんだから……」

勇者「それだ」

幼女「へ?」

勇者「一軒一軒、地道に爺さんの名前を出しながら回ろう」

幼女「しらばっくれる可能性が有りますけど」

勇者「じゃぁ、ダメだー」

ベヒモス娘「尻尾は――

勇者「ダメだー」

幼女「最近村に越して来た人の噂でも集めますか?」

勇者「やっぱ、それになるか。最近かどうか怪しいから、博打になるんだよなぁ」

幼女「まぁ、違うくじを引いた時は眠ってもらいましょう」

勇者「騒ぎになるっての」


―――
――



勇者「収穫無し、と」

幼女「まさか、旅人というだけで口も聞いてくれないなんて……」

勇者「排他的なんて珍しくもないがな。外から来るのは大抵厄介事。旅人は呪いや病を持ち込むとも言われてるし」

幼女「こんな場所に本当に居るんですかね?」

勇者「居ると信じる他に無い」

ベヒモス娘「結局、誰を捜してるの?」

勇者「ごめんな。お前にはまだ言えないんだ」

ベヒモス娘「ボクだけ仲間外れにしないで教えてよ」

勇者「教えたらサプライズじゃ無くなるだろうが!」

ベヒモス娘「サ、サプライズ!?」

勇者「特別なゲストを待たせて居るんだよ!」

ベヒモス娘「誰?もしかしてお父さん?」

勇者「ふっ、秘密さ……」

ベヒモス娘「そっか、サプライズかぁ。えへへ、楽しみだな」

勇者「任務完了」

幼女「手慣れていますね」

勇者「そうか?」

幼女「まぁ、良いです。それより、もう日も暮れますし早く宿を決めないと」

勇者「もう決めてる」

幼女「なら、早く火の準備をしないと」

勇者「外じゃない」

幼女「えっ!?でも、宿屋も無いこの村に瘤付きで泊まれる場所なんて有りますか?」

勇者「修道院だ」

幼女「無理です」

勇者「切るの早いぞ」

幼女「領主館、教会に次いで彼女が魔物だと知られたらマズい場所じゃないですか!勇者の称号も使えないようですし、誤魔化せませんよ!」

勇者「大丈夫。嘘の一つで押し通せるさ」



―――とある村 修道院



勇者「水や食料は自分達で用意致します。必要と言うなら宿泊代だって払います」

勇者「俺達が望むのは野獣の目に怯えずに済む部屋と、長旅の疲れを癒せるお風呂だけです」

勇者「ただ、こちらのフードを被っている彼女は、まぁ、人に教えるには少々憚られる理由で顔を曝すことが出来ません」

勇者「それ故でもあるんですが、もし頂けるのなら部屋は三人だけの個室で、お風呂は最後に入らせて欲しいんです」

修道士「我儘なんてとんでもない。旅人さん、貴方はとても謙虚な方ですよ」

勇者「有難うございます。それで、どうですかね?」

修道士「えぇ、大丈夫です。寧ろ、その条件なら幾つか付け足したいくらいです。ただ……」

勇者「ただ、何ですか?」

修道士「そちらのお方は、ハンセンでは無いんですね?」

勇者「何なら確認してみますか?勿論、貴方が彼女の顔を見て驚かないと約束出来るならですが」

修道士「分かりました、結構です。では、お部屋の確認をさせていただきますので、少々お待ち下さい」

勇者「どうも」

ベヒモス娘「勇者さん、ボク、ハンセンなの?」

勇者「今回はそういう設定じゃないから安心しろ」

幼女「しかし、何故ハンセンなんですかね?他に確認すべきことは沢山有るはずなんですが」

勇者「そりゃ、手足、顔を隠してたら疑われるさ」

幼女「もしかして、この辺りで流行っていたりするんじゃないでしょうか」

勇者「流行するような病でもないがな」

幼女「それ、どういうことですか?」

勇者「さぁね……っと、戻って来たみたいだ」

カツカツカツ

男「やぁ、どうも」

ベヒモス娘「……?」ピクッ

勇者「あれ?さっきの人じゃありませんね」

男「あぁ、彼には他の仕事を用意させています。代わりに、私があなた方にご挨拶致します」

勇者「失礼ですが、貴方は?」

男「これは、名乗るのが遅れましたね。私は、この修道院の長を任されている者です」

勇者「申し出は有難いのですが、長ともなればお仕事が忙しいのでは?」

院長「心配なさらず。簡単に済む用事ですし、これも仕事の内です」

勇者「……もしかして」

院長「お察しの通りです。当修道院では、あなた方を泊まらせることが出来なくなりました」

幼女「えぇっ!でも、先程の方は泊まって良いと!」

院長「……そちらのフードの方、ハンセンの疑いが有るそうで」

ベヒモス娘「失礼な!今回はそういうせっ…もがっ!?」

勇者「はい、お口チャック。ちょっと、静かかにしててくれ」

ベヒモス娘「うー、分かった」

勇者「えーと、彼女はハンセンに罹っているワケではなく、顔がとても人に見せられるようなものでは無くてですね」

院長「彼女の心を抉るのは私とて本意ではありません。神も望んではいないでしょう」

院長「しかし、私は此処を皆を預かる者として感染源を入れるワケにはいかないのです。その点は、ご理解頂きたい」

勇者「理解していますとも。しかし、言葉だけでは納得なさらないようですね」

院長「えぇ」

勇者「では、どうぞご確認を」

院長「宜しいのですね」

勇者「ただ、彼女の顔を見て驚かないと誓約出来るなら。もし破ったのなら、泊まる条件に三食の飯と水や食料の補給も加えさせて貰います」

院長「構いません」

勇者「……もっと酷く、幾らかの路銀を恵む旨を加えてもですか?」

院長「構いません」

勇者「……」

院長「……」

勇者「……はぁ、判りました。他を当たります」

院長「お力になれずに申し訳ない」

勇者「彼女の名誉の為に言っておきます。ハンセンに等罹っていません。ただ、並々ならぬ理由に付き、どうしても人に素顔を晒すワケにはいかない」

勇者「この事だけは誤解なさらないで下さい」

院長「判りました」

勇者「では、お邪魔しました」

院長「貴方達の旅に神の御加護が有りますように……」

勇者「てなワケで、今夜も野宿だコレ」

幼女「はぁ、久しぶりにゆったり出来ると思ったのに……」

勇者「何か腑に落ちないんだけどなぁ」

ベヒモス娘「勇者さん、一つ質問して良いかな?」

勇者「答えるかは別として、どうぞ」

ベヒモス娘「魔族でも、ニンゲンの宗教の偉い人になれるの?」

勇者「……なに?」

ベヒモス娘「だって、ニンゲンの宗教では魔物や魔族って嫌われてるじゃないか」

勇者「嫌われてるってか、拒絶と否定だが……なんでそんな疑問を今するんだ?」

幼女「修道女さんになりたいの?」

ベヒモス娘「ううん。さっき見たから気になっただけ」

勇者「さっき見た、だと?」

ベヒモス娘「かなり上手く隠していたけど、院長さんから魔族の気配がしたよ」

勇者「おい、それって……」

幼女「い、一応確認しておくけど、他の人からは感じなかった?」

ベヒモス娘「全員と会ってないから確かなことは言えないけど、少なくとも最初に会った修道士さんはニンゲンだったね」

幼女「勇者さん…これ……」

勇者「盲点だったな。まさか、一番居づらい場所選んでたなんて……。いや、考え用によっちゃ賢い選択か……」

ベヒモス娘「何のこと?」

勇者「あの院長さんが、俺達の訪ね人だ」



勇者「という夢だったのさ!!」

ΩΩ〈 ナ、ナンダッテー!




勇者「まぁ、冗談はさておき、そうと判った以上無理を押してでも再接近しないとならない」

勇者「一番は人気の無い場所に呼び出すことだが、乗ってくることはまず無いだろう」

勇者「やけにハンセンを勘ぐって追い出しに来たのも、俺が勇者だってこと、或いはこいつが魔物だと悟ったからと判断出来る。もしくは、その両方か」

勇者「つまり、それは彼にとっての脅威足りえるワケだ」

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