最終更新: hiragi_kaname 2015年06月01日(月) 01:12:15履歴
「うぅーん…」
「ん…どうしたの、卯月? なにか悩みごと?」
「凛ちゃん…いえ、私…その、戦闘でみんなの足、引っ張ってないかなぁって…」
「えー? そんなことないと思うけどなぁ。しまむーよく頑張ってくれてるよ?」
「でも…二人よりずっとスピードも遅いですし、攻撃だってあんまり効いてない気がするんです」
「おかしいなあ…凛ちゃんのお父さんに護身術を習い始めたばかりのころは、こんなじゃなかったのに…」
「昔はもっとうまく魔力を扱えてた、ってこと?」
「うーん…はい。いつからか、魔力を使おうとすると、なんだか力が入らなくなっちゃって…」
「…まあ、そういうのは得意不得意とか、慣れもあると思うし。あまり気にしなくていいと思うよ、卯月」
「はい…ごめんなさい凛ちゃん、薬草を取りに行きたいって言ったのは私なのに」
「だから、気にしなくていいって。卯月のお人よしになら、もっと昔から付き合わされてたよ?」
「あーそうそう! しまむーってなんかこう、なんかっていうとトラブルの近くにいるよね! しかもいい位置に!」
「え!? そ、そうでしょうか…!?」
「そうだよー。そのおかげで私たち、三人でハチ退治も倉庫の片づけも体験したし…あと幽霊屋敷の探検なんてのもやったよね!」
「ああ、ほんとに小さい頃だけどね…あれ大変だったなぁ、卯月が尻もちついちゃったら床が抜けて」
「わわわわ、そ、その時のことはなるべく忘れてください凛ちゃん…!?」
「いやごめん、だいぶ一生懸命引っ張り出す羽目になったからそんなに忘れられないかな」
「…ま、でもなんだかんだこうやって全部いい思い出になっちゃってるからさ。しまむーは気にしないで、しまむーのままでいればいいよ!」
「未央ちゃん…」
「…二人とも、ありがとうございます。そうですね…しょんぼりしてちゃ、だめですよね!」
「うんっ、一緒に薬草、探しに行きましょう!」
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