メインキャラクター「諸星きらり」「双葉杏」「アナスタシア」の旅立ち編、および「新田美波」の救出編。
Chapter2にて王都カストロアが陥落する前日から物語が始まる。
操作キャラクターは「諸星きらり」および「アナスタシア」。
Chapter2にて王都カストロアが陥落する前日から物語が始まる。
操作キャラクターは「諸星きらり」および「アナスタシア」。
- ムービー。
- 恐ろしく散かっている部屋。うず高く積まれた本、用途不明の道具たち。建物の屋上らしく、ドーム状の天井は硝子張りになっている。
- 各所に置かれた蝋燭。中には溶けた蝋で合体してかなりおかしな形になっているものも。蝋燭に灯された火が夜闇を照らしている。
- 異様な空間のなぜかど真ん中に置いてあるベッドにて毛布を被り、棒付きの飴をくわえ読書している少女、双葉杏。
- その時、ひゅうと緩やかな風が吹き、蝋燭がすべて立ち消える。「あー…」ため息をつき、頭をかく杏。
- 「また来たわけ?」
- 「ええ、また来ちゃいました」
- 分厚い黒雲に遮られながらも、硝子張りの天井から降り注ぐ月光を浴び、姿を現す謎のローブの女性(高垣楓)。
- 「…毎度毎度、ご苦労なことだよね」「お褒め頂きどうも」「いや褒めてないけどさ」
- 「あなたも感じているんじゃないかしら? 杏ちゃん」このシーンで、彼女はローブのフードを初めて取る。
- 「星が、動きつつあるわ」
- さっとかざした楓の両手から零れた光が、北斗七星の軌跡を描く。その傍で輝く〈アルコル〉が、楓が両手を開くのに従い別れていく。
- 右手で北斗七星、左手で南斗六星とアルコルの輝きを描く楓。
- 「…そうなのかもね」「でも、杏には関係ないことでしょ」
- 「いいえ、そんなことはないわ」「あなたもきっと、この大きな動きをつくるひとつになる」
- 楓の言葉にがりっとキャンディを噛み砕き、やや厳しい目つきになる杏。
- 「それが〈東の賢者〉としての役目だ、って言いたいの?」
- 「〈百年戦争〉を終わらせた〈東の賢者〉サマだから…今度は、雲に覆われた世界を救いに行けって?」
- にこやかな表情を浮かべるばかりで、杏の問いかけには答えない楓。
- 「…悪いけどさ。杏もう寝たいから、出て行ってくれるかなぁ」杏が言うが早いか、楓の足元に浮かび上がる魔法陣。
- 「あら、残念。杏ちゃんったら、強引なんですから…ちなみに今からするのは、ゴーインじゃなくてゴーアウト…」「いや早く行ってよ」
- 魔法陣の光に飲み込まれ、姿を消す楓。ぱたっとベッドに横たわる杏。「はー…無駄に疲れた」
- ムービー終了。
- マップ〈フルド魔法研究院〉、〈杏の部屋〉。
- イベント開始。
- 翌朝。
- どたどたどた…という大きな足音が聞こえてくる。
- 「うげ」と小さく呟き布団の中にもそもそと隠れる杏。
- 「杏ちゃーーーーんっ!!」本の山をいくつか吹っ飛ばしつつ開かれる扉。
- 「杏ちゃん杏ちゃん杏ちゃーんっ! おっはようだにぃ〜!!」声も身体も大きな女の子、諸星きらりの登場。
- ベッドまで即座に駆け寄り、杏の入っている毛布の塊をばさぁっ!と剥ぐきらり。
- 「杏ちゃん、あっさー!あっさだよぉー! …あれ?」しかしその中に杏の姿はなく。
- 「あれ? あれれ? 杏ちゃん? どこぉー?」空っぽのベッドの上を探し始めるきらり。
- 実は毛布の方に張りついていた杏は、再び布団虫になってもそもそし始める。
- が、ばれる。「あっ、杏ちゃぁーん!みぃーっけ!」「うへぇ…」
- パーティに諸星きらりが加入。
- イベント終了。
- 自由行動開始。(杏がきらりにおぶさった状態で移動する)
- 〈フルド魔法研究院〉内を自由に歩き回ることができる。
- マップ〈フルド魔法研究院〉、〈第一研究室〉。
- 中に入るとイベント開始。
- 研究員達が杏の姿を見つけるが早いか目を輝かせ、わっと寄ってくる。
- 「杏様!?」「もしや、やっと我々の魔法研究にご協力いただけるのですか!?」
- 「うげ」慌ててきらりの背中に飛びのって、逃げるよう指示する杏。
- 「杏ちゃん、杏ちゃんてば! …みんな困った顔してたよぉ? 研究、一緒にしたげなくていいのぉ?」「杏がやんなくてもいいよ。ここの人たちみーんな優秀で勉強熱心だし」
- 「えぇ〜…杏ちゃんがいっちばん頭いいのにぃ〜…」
- イベント終了。
- マップ〈フルド魔法研究院〉、〈正面ホール〉。
- 螺旋階段前にかかっている絵を調べるとイベント。
- 東の賢者の絵。赤いローブを着た女性が、四人の若き戦士を導いて戦を止めている様子。
- 「〈東の賢者〉さま、かぁっこいいにぃ〜!」無邪気に目を輝かせるきらり。
- 「はいはい、そうだねぇ」ふいと目を逸らしている杏。
- 「杏ちゃんも、かぁっこいいよぉ?」杏を見下ろし笑いかける。「だって杏ちゃんが、今の〈東の賢者〉さまだもんね!」
- 「…かっこよくなんて、ないっつーの」
- イベント終了。
- マップ〈フルド魔法研究院〉、〈カフェテラス〉。
- 中に入るとイベント開始。
- 休憩中と思しき研究員たちの会話が聞こえてくる。
- 「杏様のサボり癖には困ったものです…」「俺、あの人がまともに働いているところなんて見たことないぞ」「まともに動いてるところすら見たことがない」「いつもあのデカいのの背中にいるからな…」
- 一際若い、新人と思しき研究院がおずおずと挙手し発言。「あの…そもそも杏様は、本当に〈東の賢者〉としての力をお持ちなのでしょうか…?」
- すかさず彼の頭をはたく研究員達。
- 「馬鹿! 何を罰当たりなことを」「杏様のお力は本物だ。あの方は間違いなく、〈東の賢者〉様そのものだよ」
- 「ええ? で、でも…」頭を押さえてやや不満そうな新人研究員。「…そうか、お前は例の戦を知らんのか」「例の戦? …百年戦争のことではなく?」
- 「その後〈クルクシア〉との間に起きた小さな争いのことだよ」「小さな争いで済んだのは…間違いなく〈東の賢者〉、杏様の働きのおかげだ」
- 「…もっともその戦に関しては、小さく収まったこともあり歴史資料からは抹消されているんだがな」
- 「末梢…? なぜですか?」「なぜってお前、そりゃ…」「おい、こんなところでする話か!」咎める研究員。話が終わる。
- 傍で聞いていたきらりと杏。杏がふと目線をきらりのほうに映す。
- 「ん? 杏ちゃん、きらりにご用事?」「…んにゃ」
- イベント終了。
- 以上三つのイベントをこなすと、ストーリーが進行。
- 研究院たちがきらりに近寄ってくる。フードを被って隠れる杏。(さながらリュックのように見える)
- 「(あ、杏ちゃん?)」「(いいからこのまま話してな)」
- 「おい、そこの下働き」「…〈東の賢者〉さまはいないな? …よし」「ちょっと研究に協力したまえよ」
- 「に、にょわ〜?」
- にやにや笑いの研究員たちに連れて行かれてしまうきらり。
- マップ〈フルド魔法研究院〉、〈裏庭〉。
- 「この魔物の詳細な戦闘データが取りたくてね」「君は身体の丈夫な種族なんだろう?」「これは大事な研究なんだ。もちろん協力してくれるよね? 下働きクン」
- ストーンゴーレム×2との強制バトル。
- 敵の動きは遅いので、ここできらりの特性〈コンボプラス〉の強力さや背中の杏との協力攻撃をたっぷり実感してみよう。
- きらりのコンボフィニッシュ技は大変強力だが出すまでにやや隙が大きいので、敵の攻撃後などを狙うとよい。
- 倒すとイベント進行。
- あっさりとゴーレムを倒してしまったきらりを見て、悲鳴を上げる研究員たち。
- 「ご、ゴーレムをこれほど簡単に…!」「化け物だ…やっぱりこいつには、化け物の血が…!」「ひぃいいいっ!」
- 逃げていく研究員たちを見送るきらり。フードからすぽっと顔を出す杏。
- 「えぇっとぉ…あの人たち、データは取れたのかなぁ?」「さーぁ」
- 杏のおかげでいっぱい力が出せたと喜ぶきらり。
- 「やっぱり杏ちゃんはすごいにぃ!」「さぁっすが、〈東の賢者〉さまだにぃ〜!」「…だから、すごくなんかないっての」
- きらりの背中にぽすんと寄りかかる杏。
- そこに駆け寄ってくる、きらりと同じ下働きの女性。「ああっ! きらり、あんたまたこんなところでサボって!」「仕事はまだ山ほどあるんだよ!」
- 「にょわぁ〜! ご、ごめんなさいぃ〜!」
- 杏を背負ったままあわてて駆けていくきらり。
- きらりの働いているところを背景に、杏モノローグ。
- 『〈星の民〉はお伽噺になった。〈東の賢者〉は絵本にはならない。けどどっちも、名前だけが勝手に世界を歩き回ってる。』
- 〈東の賢者〉について。〈百年戦争〉を終わらせた存在であること。
- 背景チェンジ。〈百年戦争〉の様子。
- 『戦争を終わらせた、なんて言い方は、なんだか平和の使者みたいで笑える』『でも実際やったことはっていうと、どっちかっていえば死神だ』
- 『確かに〈東の賢者〉は戦争を終わらせたんだろう』『そのご立派な頭で考えたってわけだ』
- 『どこを攻め落とせば、軍は力を喪うか。どこを潰せば、戦いは早く終わるか。どこを滅ぼせば、戦争は終わるのか。』
- 『誰を殺して、誰を生かすのかを、〈東の賢者〉サマがお決めになったというわけだ』『…まるで神サマみたいに。』
- 背景チェンジ。洗濯物を干しているきらり。白い研究衣がいっぱい。大声の鼻唄を咎められながら。
- 『巨人族が滅ぼされたのも、要は戦争を早く終わらせる、っていう大きな目的のためってわけだ』
- 『研究のためか、それとも下らない罪悪感を満足させるためなのか。たった一人だけ遺された巨人族は人と交わって、どんどん小さくなった』
- 『きらりは大きい。でもこれ以上は、たぶん、大きくなれない。』
- 巨人族最後の生き残りであるきらりの一家は、代々〈東の賢者〉の護衛兼下働きとして〈フルド魔法研究院〉に住んでいること。
- 『人間と変わらない見た目で巨大だと、奇異の目で見られるだろうから。…なんて、まるで守るようなことを言って』
- 『賢者サマの御大層な遺産である頭脳を守るため、便利な盾にしたがっているのは、どっちだって話だ』
- 背景チェンジ。〈東の賢者〉の絵。
- たとえ種族をいくつ滅ぼしたとしても、〈東の賢者〉は戦争を終結させ、人々から讃えられたこと。
- 彼女の選んだ四人の王が四大王都を作り、今の平和な世が作られたこと。
- そして、彼女が最後に残したホムンクルス研究によって生み出されたのが、現在の〈東の賢者〉杏であること。
- だが、〈東の賢者〉として働くつもりが、杏にはさらさらないということ。
- 『黒雲の弊害? マナの汚濁? 知ったこっちゃないね』
- 『あたしは、神サマなんかになるのは、ゴメンだ。』
- 翌朝。イベント開始。
- マップ〈フルド魔法研究院〉、〈杏の部屋〉。
- 「あーーーんずちゃーーーーーーんっ!」相変わらずの勢いで部屋に入ってくるきらり。ベッドの上で頭を抱える杏。
- 「…はぁ? 買出し? 〈カストロア〉まで?」「そっ! 杏ちゃんも一緒に行こうよ〜!」「なんで杏が…」
- 露骨に嫌そうな顔をする杏の前に屈んで、笑みを浮かべるきらり。
- 「あのね、〈カストロア〉では今日、おーっきなお祭りをやってるんだにぃ」「きっとみぃんな楽しそうで、ハピハピな気持ちになれると思うよぉ」
- 「杏ちゃん、昨日からちょっぴり、元気ないにぃ? きらりと一緒におでかけして、ハピハピしようよ!」
- ね、と首を傾ぐきらりを見て、ため息をつく杏。「…はいはい、わかったよ。行けばいいんでしょ、行けば」
- イベント終了。
- 移動開始。
- 目的地は一旦ワールドマップに出てから南西方面、〈王都ラークテア〉。
- それなりの距離を移動しなければならないので、〈フルド魔法研究院〉内でしっかり準備を整えてから出発すること。
- なお、〈王都ラークテア〉を西方面に通り過ぎた先には〈シェラターン山脈〉への入り口がある。
- 実はそこを抜けると〈白の教団・ラークテア支部〉が存在するが、現在は教団員たちが見張っていて立ち入ることができない。
- 教団員たちに話しかけると「本日、教団員の者たちはみな〈カストロア〉にて〈星祭り〉を祝うため出払っておりまして…」という話が聞ける。
- 〈王都ラークテア〉に入るとイベント。
- マップ〈王都ラークテア〉、〈城門〉。
- 白を元にした色調でまとめられた巨大な正門、奥に聳える荘厳な佇まいの城。知を司る国らしく厳格な雰囲気が立ち込めている。
- 城門警備兵たち、きらりの姿を見て槍で行く手を阻む。急いでフードを被ってきらりの背中に隠れる杏。
- 「わが国では用無き者の立ち入りを禁じている」「紹介状か、入城許可証はあるか?」
- きらり、懐から書状を取り出し警備兵に見せる。
- 「…〈フルド魔法研究員〉の者か」「よし、入れ」「知っていると思うが…〈陣の間〉は城内の地下にあるからな」
- 城門が開かれたのち、杏にこそっと話しかけるきらり。「杏ちゃん、なんで隠れちゃうんだにぃ?」「…嫌いなんだよ、この国」
- イベント終了。
- 移動開始。
- 目的地は〈ラークテア宮殿〉、〈陣の間〉。
- それまで〈王都ラークテア〉内を移動するが、この段階ではほとんどの施設に立ち入ることができない。
- ただ、街を歩いていると〈王立図書館〉に出る怪物の噂や、教育・政治の改善にも尽力しつつあるという〈白の教団〉の動きについてなどを聞くことができる。
- 〈陣の間〉につくとイベント。
- マップ〈ラークテア宮殿〉、〈陣の間〉。地下は石造りの間になっており、蝋燭の炎が中を照らしている。
- 中に入って、傍らにいる魔導師の男性に話しかけるとイベント。
- 「どちらまで?」「〈カストロア〉まで、お願いしますにぃ〜!」「わかりました。あちらです」
- 四つある小部屋の内ひとつを指し示される。中に入ると、一段高く作られた台の上に緑色の移動魔法陣が描かれている。
- きらりが上に乗ると魔法陣が発光、光に包まれ、ホワイトアウト。
- 強制マップ移動。
- マップ〈カストロア王城〉、〈陣の間〉。
- ホワイトアウトが明けると、異なる雰囲気の部屋についている。大理石の床と四つの白い柱に囲まれた部屋。
- 「ついたぁ〜! さ、さっ、早く街に出よう、杏ちゃん!」「へいへい…で、なに買うの?」「んっとねぇ、調合薬の材料だにぃ! 南通りのほうで買えると思うよ! きらりぃーん、出発進行〜!」「おー」
- イベント終了。
- 移動開始。
- 目的地は〈王都カストロア〉、〈南通り〉。
- 〈陣の間〉を出ると〈カストロア王城・1F〉だが、階段や出入り口は兵士たちによって塞がれており立ち入れない。「〈星祭り〉で王が不在のため、王城内のご見学は本日ご遠慮いただいております」
- 〈南通り〉につくとイベント。
- マップ〈王都カストロア〉、〈南通り〉。
- 中に入るとイベント開始。
- Chapter2で卯月と起こしたイベントと同様のものがここでも発生する。
- きらりが卯月を肩車して凛と出会わせたのち、別れてからも卯月の方をじっと見ている杏。
- 「杏ちゃん?」「…きらり」「にょわ?」「用事はもう終わったでしょ? とっととこの国を出て、研究院に帰るよ」
- きっぱりと言い張る杏に驚き、おろおろしだすきらり。
- 「ええ? で、でもでも杏ちゃん、まだお祭りはいーっぱい楽しいことあるよぉ!?」「杏はもう疲れたの。…いいから早く帰るよ、きらり」
- 杏モノローグ。
- 『世の中にはどうだっていいことが多すぎる』『どうだっていいことをひょいひょい理解するこんな頭がめんどくさくてたまらない』
- 『この国が恐らく今日滅びてしまうこととか、さっきの子が重い運命を背負っているみたいだとか』『そんなこと、もうどうだっていいのに。』
- 強制マップ移動。
- マップ〈ラークテア宮殿〉、〈陣の間〉。
- 「にょわー…」杏に祭りを楽しんでもらいたかったのに、としょんぼりしているきらり。
- そんなきらりの背中で、こっそりため息をつく杏。「…きらり」「…んー?」「寄り道して」「…うん?」
- 「丘のとこ、行って」「そこでのんびり昼寝でもすれば、まあ」「…杏は元気になるからさ」
- 「杏ちゃん…!」杏の言葉に目を輝かせるきらり。「りょーかいっ! きらりんダッシュで、いっくよぉー!」
- 走って〈陣の間〉を飛び出していくきらり。おわぁと悲鳴をあげつつ慌ててしがみつく杏。訝しむ街の人々。
- 杏モノローグ。
- 『きらりは、ヘンな子だ』『きらりの一族はみんな〈東の賢者〉の護衛ってことになってたから、杏は全員を見てきたけど』『きらりみたいな子は、素直に初めてだった』
- イラストカット。
- 幼いころのきらりと杏の思い出。昔は杏よりも小さかったきらり。杏が魔法でうさぎのぬいぐるみを動かしてみせ、幼いきらりは手を叩いて喜んでいる。
- 昔から杏によく懐き、そしてなぜか杏のことを尊敬しているようであったきらりのこと。
- 『杏のことをすごい、なんて言いたがるのは、自分が受けてる仕打ちとか、〈東の賢者〉がしでかしたこととかをちっともわかってないおばかちんだからなのか』『…よく、わかんない。きらりはヘンな子だ、とにかく。』
- ぐんぐん大きくなっていったきらりちゃん。杏ちゃんを軽々と持ち上げている。
- 『毎朝懲りずに杏のことを起こしに来たり』『立って歩いて部屋を出るなんてごめんだって言ったら、じゃあおんぶならいいよねなんて言い出したり』『外には、はぴはぴ? なことがいーっぱいあるよ、なんて笑ったり』
- 『きらりは、とにかくヘンな子なんだ。…ほんと。』
- イベント終了。
- 移動開始。
- 目的地は〈フルド魔法研究院〉すぐそばにある〈西の丘〉。
- マップ〈西の丘〉。
- 中に入るとイベント開始。
- 大きく手を広げた木が一本だけ生えている、小高い丘。木陰で早速横になる杏。隣で空を見上げているきらり。
- 「うっきゃー! 今日もいいお天気だにぃー!」「いや、こーいうのはいいお天気とは言わないでしょ」黒雲に覆われた空を指す杏。
- 「そうなの?」「…昔は、こんな黒雲なんてなくてさ」
- 頭を寄せ合うように丘の上の草原にて横たわり、ぽつりぽつりと空の話をしてあげる杏。
- 晴れの日の空はもっと青くて美しいこと。白く膨らむ雲が悠々と浮かぶさま。曇り、雨、雪、風と表情を変える空のこと。
- 杏が語っていくにつれ、きらりは頭上にまるでそんなかつての空が広がっているかのような心地になってくる。杏が語り、きらりの想う空が二人の頭上を覆っていく。
- 「夜になると、星が見えてさ」「あー…なんか、宝石みたいなやつ。でっかいのもちっちゃいのも、色もたくさんあって」「ぱらぱら、光ってるんだ」
- 夜空に輝く星々。手をかざし、掴もうとするきらり。しかし彼女が拳を握った瞬間想像の空は消え去り、もとの黒雲の空だけが見える。
- 手を降ろしたきらりがゆっくりと目を閉じる。
- 「きらりは星空、見たことないけど」「それも、〈東の賢者〉様がむかーしに守ったものなんだねぇ」
- 杏モノローグ。
- 〈百年戦争〉が起きた原因はマナの力を取り合う人々の留まるところを知らない欲望であったこと。
- 『確かに、〈東の賢者〉サマのおかげで、人々は精霊の加護を喪わずに済んだのかもしれないけど』
- 怪訝な顔をして寄せていた頭を少し動かし、こつんときらりにぶつける杏。「…それ『も』?」
- きらりはいつものようににこにこしながら話し始める。
- 「きらりはね、むかーしむかしのことは、ぜんぜんわかんないけど」「〈東の賢者〉様のおかげで、世界が壊れなかったんだぁってことは知ってるにぃ」
- 「世界が壊れなかったから、きらりは杏ちゃんと会えたよ」「杏ちゃんと会えたから、きらりはいーっぱい、ハピハピな気持ちもらったよ」
- 「だからね。みんながどんなふうに思ってても」「杏ちゃんが、どんなふうに思ってても」
- 「きらりは、賢者様ありがとうございまーすっ! て気持ちで、いっぱいなんだにぃ」
- 「……」
- 黙っている杏。両腕をそっと持ち上げ、両目にあてる。
- 杏モノローグ。
- 『きらりは、ほんとに、ヘンな子で』『ほんとに、…ほんとに、ヘンな子で。』
- 「…きらり」「ん〜?」「見たい? 星空」
- 「うん! キラキラ星空の下で、杏ちゃんとー、あとみーんなで一緒にハピハピしたいにぃ!」
- 間髪入れずそう答えるきらりに、少し笑う杏。
- 「そ。まあ、聞いただけだけど」「えぇ!?」
- 『〈東の賢者〉として、役目を果たすなんてごめんだ』『みんなのために働くなんて、そんな神サマみたいなこと、杏は絶対やりたくない』
- 『でも、まあ』
- 『ヘンな子ひとりが「はぴはぴ」したいって言うから、ってのは』『全然賢者らしくなくていいかもしれない』『…とかね。』
- 暗転。
- ムービー。
- 暗転明け、一週間後。〈カストロア〉が襲撃を受けたというニュースでもちきりになり、研究院内は騒がしい。
- 「王都が落ちたって本当か?」「〈星祭り〉の日に魔物が溢れかえったんだってよ」「〈白の教団〉のおかげで、被害は最小限に抑えられたらしいが」
- あちこちで集い噂話に花を咲かせている連中の前に、どたばたと現れてくる焦った顔の研究院。「た、た、大変だ! 大変だぁっ!」
- 「どうした?」「〈カストロア〉が落ちたって話なら、もう聞いたところだぞ」「ち、違う! それどころじゃぁない!」
- なんだなんだと集ってくる研究員達に、青い顔の研究員が言う。「杏様の姿が…どこにも見当たらないんだ!」
- 場面移って、杏の部屋。散かったままの室内にすっと現れる影、高垣楓。
- 「…あら?」楓、ベッドの上に残されたメモを見つける。
- 杏のだいぶ雑な筆致。『ちょっと世界救ってくる』
- 「…まあ。」ふふ、とおかしそうに笑みを浮かべる楓。
- ガラス張りの天井を見上げる。黒雲に覆われた空。「ね? だから言ったでしょう、杏ちゃん」「あなたもこの大いなる動きのひとつになる、と」
- 「動き出した星々のゆくえは、どこかしら」「それはまだ、私にもわかりませんが」「…ふふふ。」
- 場面移って、外。大あくびをする杏を背負って歩くきらり。
- 「ええっとぉ…杏ちゃん、旅に出るってほんとなのかにぃ?」「ほんとだよ。最初にそう言ったじゃん」「雲を晴らしに行くの?」「それも最初に言ったじゃん」
- 「めんどくさいことになってきそうだからさ。その前に、片付けようってだけ」「…杏ちゃん」
- ふふ、と笑うきらり。「なに」「なーんでもないにぃ♪ それじゃあ…世界を救いに! きらりんダッシュで、しゅっぱぁーつ!」「…おー」
- ムービー終了。
- ワールドマップ。
- 「それで杏ちゃん、どこに行けばいいのかなぁ?」「あー…〈メサルチム〉かな」「大魔法都市だぁ〜!」「ん。じゃ、行こ」
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- 目的地は南東方面に進み、〈風の街道〉を抜けた先、〈魔法都市メサルチム〉。
- 紹介状がないため、寄り道しても〈ラークテア〉に立ち入ることはできない。
- 〈シェラターン山脈〉も教団員がいて入れない。話しかけると内容は〈カストロア〉復興に尽力しているため不在、に変わっている。
- 〈風の街道〉はちょっとしたダンジョンになっている。
- 道が風によって塞がれている部分があり、途中の石碑に石をはめ込むことで風の方向を変えられる。
- 進行の邪魔にならないよううまく方向を変えて、ダンジョンを突破しよう。
- (なお、ここで長いこと迷っていると杏がヒントをぼやいてくれることがある。)
- 〈魔法都市メサルチム〉につくとイベント。
- マップ〈魔法都市メサルチム〉、〈南通り〉。
- 不可思議な文様の刻まれた、様々に形の違う塔(魔女の塔)があちこちにそびえ、その間を箒や魔法生物に乗った魔法使いたちが飛び交っている。取り引きされているのは魔道具ばかり。
- 「すっ…ごーーーーーーい!」歓声をあげてはしゃぐきらり。ゆさゆさと揺さぶられながらどうにか行き先を指し示す杏。
- 「あそこの塔に住んでる人に、会いに行って」結晶のような模様で彩られた、青一色の魔女の塔。
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- 〈魔法都市メサルチム〉は東西南北四つの通りに分かれている。
- 〈南通り〉は町の入口付近で、買い物や宿が完備されている。
- 〈東通り〉には上位の魔法使いたちが暮らしている。チェイン技や特技等に関する詳細な説明が聞ける。
- 〈北通り〉には魔法学校がある。話を聞くと、〈ラークテア〉内のほとんどの魔法学校が〈白の教団〉の援助を受けていることがわかる。
- 「ここはまだだからさ、見てくれよ! 校舎がすんげーボロなんだ」
- なお、パーティに鷺沢文香がいる状態でここを訪れると、魔法の訓練ができる。(MP・HP消費のない、属性別に敵が出てくるバトル)
- 〈西通り〉には闇の魔法使いたちが住んでいる。
- 今の段階だとほとんど立ち寄れない。パーティに速水奏がいる状態で訪れよう。
- 目的地は〈東通り〉にある〈氷魔女の塔〉。中に入るとイベント。
- マップ〈魔法都市メサルチム〉、〈氷魔女の塔〉。
- 「あのぉ〜」「来たわね。予想より少し遅かったかしら」慌てて自己紹介をしようとしたきらりだが、遮られ中に迎え入れられてしまう。
- きらりと杏に席を勧めつつ、自分も肘掛け椅子に腰掛ける女魔法使い、川島瑞樹。
- きらりとの自己紹介を済ませたのち、本題に入る瑞樹。
- 「それで? 何がお望みなのかしら、偉大なる〈東の賢者〉さん」「いや、お望みっていうか。…あんたが呼んだんでしょ」「…そこまでわかっているのね。さすが、というべきかしら」
- ムービー開始。
- 瑞樹、ふっと隣の部屋へ続く扉の方を向き、言う。「入ってきていいわよ」
- 彼女の言葉を合図に、扉が開く。
- 「…初めまして、〈東の賢者〉サン、きらりサン」煌めく銀髪、青く澄んだ星色の瞳、レイピアを携えた少女。
- 「アナスタシア、といいます。…どうぞ、アーニャ、と呼んでください」
- Chapter1から六年後、15歳に成長したアナスタシアとの邂逅。
- 「杏、でいいよ」「きらりも、きらりでいいにぃ!」「では、杏、きらり。二人は、雲を晴らしに行くのですか」「そうだね」「そだよ!」
- アナスタシア、頭を下げる。
- 「私も行きます。私も、同行させてください」
- 顔を上げるアナスタシア。青い瞳がきらりと光る。
- 「取り戻したいんです…星空を。大切な約束が、あるから」
- ムービー終了。
- ムービー。
- 暗転。
- 幼い少女の泣き声。吹雪の音。徐々に画面が明るくなり、暗転明け、九歳のアナスタシアが雪原の中泣きじゃくっている。「ミナミ…っ、ミナミ、ミナミ」
- 影が落ち、恐る恐る顔を上げるアナスタシア。ローブを着て、フードを目深に被った女性が立っている。(高垣楓)
- 「青い星の子よ、泣かないで」楓、跪きアナスタシアの頭を優しく撫でる。なぜか動けずにいるアナスタシア。
- 「いつか、貴方のもとを〈東の賢者〉が訪れるでしょう」「それが、貴方の旅立ちの時」「重なり合う星のさだめは、貴方を必ず、大切な人のもとへと導いてくれます」
- 「泣かないで。強く、生きなさい。…星空は、きっと綺麗だから」
- 美波と同じ言葉を口にした楓に、はっとするアナスタシア。涙に濡れた瞳が、ひときわ澄んだ光を放つ。
- 楓、立ち上がり後方を振り向く。楓とはまた別の、真っ白なフードをかぶった女性が一人。「後のことは、お任せしますね」
- フードを脱いだ女性、川島瑞樹が、アナスタシアに向かって歩み寄り手を差し伸べる。
- 「おいで」「失くしたくないものがあるのなら、まずは、それを手放さずにいられる強い力を、身に着けるべきよ」
- 一瞬ためらうも、瑞樹の手を取るアナスタシア。
- 暗転。
- 暗転明け。
- 現在、十五歳のアナスタシア。朝日の射しこむ、物の少ない簡素な部屋。
- 部屋の扉が軽くノックされ、振り向くと瑞樹が立っている。「準備は?」「できました」「そう」
- 「ミズキ。今まで、ありがとうございました」「行ってきます。」深く一礼したのち、武器を携え部屋を出て行こうとするアナスタシア。
- 「…無茶ばっかり、したらダメよ」
- 扉のところに寄りかかっていた瑞樹の前を通りすがる瞬間、目を合わさずそう囁かれる。答えず、少し目じりを下げるアーニャ。
- 外に出て行く。杏ときらりが手を振っている。
- ムービー終了。
- マップ〈魔法都市メサルチム〉、〈氷魔女の塔〉。
- イベント開始。
- 「これからよろしくにぃ、アーニャちゃん!」「ん。まー適当に、杏の代わりにがんばってよ」「はい、よろしくお願いします」
- 薄く微笑むアナスタシアとあいさつを交わすきらりたち。
- 「それでそれで、杏ちゃん。今度はどこに向かえばいいんだにぃ?」「あたしに聞くんだ…」めんどうそうにしつつ、答えてくれる杏。
- 「…街を出て北側に湿地がある。とりあえず、そこ行って」
- パーティにアナスタシアが参加。
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- 〈魔法都市メサルチム〉の中でしっかり準備を整えてから向かおう。
- きらりの武器は新調しようとするとややお高め。しかし爆発力も特筆すべきものがあるので、是非検討を。
- 戦闘要員も二人に増えたところで、一度資金を稼いでおくのもアリ。
- この時のアナスタシアは立ち回りも非常に素早く、クリティカルをバンバン出してくれるのでとても心強い。
- ただし、同じ前線タイプではあるが、きらりと比べると防御力・HPは劣るので、こまめな回復を忘れずに。
- 目的地は〈魔法都市メサルチム〉より北にまっすぐ、〈オキュラ湿地〉。
- 辿りつくと、杏から「そのまま奥に行って〜」と言われるので、奥まで進もう。
- 湿地内には水属性の攻撃を放ってくる敵が多数出現する。きらりと相性が悪いので注意。
- とはいえ、この時までに杏の補助魔法〈チャージ〉を習得しておくと、きらりの大火力で弱点属性すらも押し切れたり。
- 目的地は〈オキュラ湿地〉の北西側奥。北東側奥には宝箱があるので、忘れず拾っておくこと。
- 北西側奥には、一見すると何の変哲もない岩が三つ並んだ場所がある。そこを調べるとイベント。
- マップ〈オキュラ湿地〉、北西側奥の広場。
- イベント開始。
- 「ちょっと降ろして」と言った杏がきらりの背中から降りて岩に向かう。
- 杏が右、左、真ん中の順で岩に手を当て、何事か呟く。真ん中の岩に手を当て最後に何か言うと、魔法陣が出現。
- 岩が動きだし、地下へと続く道が開かれる。きらりたちが入っていくと、道は再び閉ざされる。
- 「杏ちゃん、すっごいにぃ〜!!」「杏はなんでも知っているんですね…さすが、〈東の賢者〉です」
- 「いや、そんないいもんじゃないってば」「実際雲を晴らす方法なんて杏にはぜーんぜんわかんないし」「そもそもあれがなんなのかも、ぶっちゃけよくわかってないしさ」
- 「まあ、だから、これからそれを調べに行くんだけどね」
- 「調べに行く…どこに、ですか?」「〈クレーテ〉だよ」「〈クレーテ〉…?聞いたことのない街、ですね」
- 「まあ、そーだろうね」「〈クレーテ〉は、地図に載らない街だから」「あー…要するに…秘密裏の研究が行われてる街なの。…後は行けばわかるよ。説明疲れたし、進んで」
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- 〈クレーテ地下道〉を攻略。
- 中は暗い上に入り組んでいる。セーブポイントを目印にしながら進むとよい。道具の調達は、入り口にいるかめにんを頼ろう。
- 暗闇に閉ざされた道は進むことができない。松明を調べると杏が明かりをつけてくれる。暗闇部分をうまくなくしながら進もう。
- 出口付近まで来るとボス戦闘。
- 「にょわああああー!?き、きらりちゃん、ゴーレムだにぃ!?」「あー…そういやいたっけ、番人」「そういや、じゃないよぉ!?」「来ます、杏、きらり!」
- 番人ゴーレムとの戦闘。
- 敵は地属性なので、アナスタシアの氷魔法剣が非常によく効く。
- ただし相手の一撃も抜群の威力なので、間違ってもアナスタシアで攻撃を受けてしまわないように。立ち回りの素早さを生かして避けよう。
- 勝利するとイベント。
- アナスタシアが最後の突きを一閃、ゴーレムの胸を貫く。剣先から放たれた冷気に全身を凍りつかせられ、粉々に砕け散るゴーレム。
- 「アーニャちゃん、すっごいにぃ〜!」「へえ…氷の魔女のとこにいただけはあるね」
- 剣を収めつつ、感心する二人に薄く微笑み返すアナスタシア。「そうですね。ミズキに、たくさん教わりました。魔法も、戦い方も」
- 「アーニャちゃん、いっぱいいーっぱい頑張ったんだにぃ」「強くなりたかったので」
- 「へえ。…なんで?」「目的のため、です」「それって、雲を晴らすってこと?」「…そうですね」
- 「行きましょう」と言ってひとり先へ進むアナスタシア。慌てて追うきらり。「ふぅん。話せないんだ」きらりの背中でひとりごちる杏。
- 地下道を出る三人。鬱蒼と茂る木々に隠れた街が見えている。
- 「あれが、〈クレーテ〉。地図にない街だよ」
- イベント終了。
- 移動開始。
- 一本道ながらちょっとだけ行動できる。
- 地下道出口にセーブポイントがあるので、ここで必ずセーブをしておくこと。
- 〈クレーテ〉入口まで辿りつくとイベント。
- 「うっきゃー!なんかおもしろーい街だにぃ!」
- 「っ、きらり!伏せて!」早速街へ駆け寄ろうとしたきらりに杏が鋭く声を掛ける。
- 下に向かって魔法の衝撃波を放ち、無理やりきらりを後方に下がらせる杏。尻もちをついてしまったきらりの前に、突き刺さる炎の刃。
- 「誰ですか!?」即座に剣を抜き周囲を警戒するアナスタシア。
- 「ひゃはっ」その背後にぬっと現れる、長身の男性。「〈ポリス〉の言った通りだ…!」
- 「っ!?」アナスタシア、振り向きざまに剣を振るも、既に男の姿はない。
- 「こっちだよぉ、こっち」岩の上に立ち、こちらを見下ろしている男。
- 長身、蛇のようにしなやかな体躯。灰色の短髪に緑の目、身軽な服装。両手に苦無にも似た武器をくるくると回している。刃は炎を纏っている。
- 「ひゃは、ははっ」「ちっこいのぉ」「でっかいのぉ」「それと、青い目のぉ」「…ポリスの言った通り、全員いるなぁ」「ひゃはは、ははははっ」
- 狂気じみた笑みを浮かべながら、男は徐々に炎を強くしていく。「ずっと、ずぅっと待ってたんだからさぁ」「たくさん、たぁくさん…叫んでくれよぉ!!」
- 〈謎の男〉との強制戦闘。
- 攻撃はほとんど通らない。特にアナスタシアの氷撃はこの時点だとほぼ無効。敵は強力な炎で連撃をしかけてくる。
- ひたすら逃げ回ろう。イベント戦闘なので、少しの間戦うだけで戦闘が自動的に終了する。
- イベント続行。
- 「くっ…!」「効かない、効かない。お前は氷で、俺は炎だからさぁ」
- 「殺さねぇよ?ポリスのヤツが殺すなって言ったからさぁ」「でもさぁ。ちょぉっと傷作って、ちょぉっと叫ぶくらいさぁ」「いいよなぁ…なぁ…!?」「ひゃはっ」「ひゃははははは!!」
- アナスタシアに燃え盛る刃を向ける男。「アーニャちゃんっ!!」きらりが駆け寄ろうとするが、間に合わない。
- 刃がアナスタシアに届く一歩手前で、どこからともなく放たれた水魔法が刃を打ち返す。
- 「大丈夫ですか!」「平気!?」「へへっ、助っ人とーうじょうっ!」
- 卯月、凛、未央の登場。
- 「あ、貴方たちは」「今は喋ってる場合じゃない!」「来るよっ、みんな!!」
- パーティに卯月、凛、未央が参加。
- 一旦パーティ編成画面が挟まる。同時に戦闘参加できるのは四人までだが、戦闘中の入れ替えも可能。
- 特に凛は敵の弱点属性である水属性での攻撃が可能なので、編成に加えておこう。
- 編成画面を閉じると強制戦闘。
- 〈謎の男〉との強制戦闘。
- 攻撃力が高く、何より動きが素早い。また、のけぞり耐性があるのできらりの火力で押し切ることも難しい。
- 炎を纏って複数回の突進をしてくる〈ブレイズレイド〉の後にやや隙ができるので、そこを確実に叩いていこう。
- 敵の攻撃がだいぶ痛いので、未央の特性〈サポートライト〉を常に発動しておくと戦いやすい。
- パーティ全体のHPが危うく(四分の一以下)なったら、きらりを戦闘に参加させよう。杏が補助魔法で全体回復を掛けてくれる。
- 勝利するとイベント。
- 凛の一撃を受けふらつくも、まったく効いていないかのように笑う男。
- 「ひゃはっ、増えた、増えた」「いいねぇ。楽しくなってきたなぁ」「どいつだ?どいつが叫ぶ?」「聞かせてくれよぉ」「イイ声、聞かせてくれよぉ」「塗り潰してくれよぉ…!!」
- 「こいつ…っ!!」「凛ちゃん!!」再び切りかかろうとしてくる男。
- と、凛の間に素早く入ってくる影。「…ひゃははっ、なぁんだ。見つかっちまったぁ」
- 〈ヴァルキリー〉の衣装に身を包んだ美波が、槍で凛と男、両方の剣を払いのける。「〈ヘカテボルス〉様。お戯れも、程々になさってください」
- 「…ミ、」「ミナ、ミ」震えた声で名前を呼ぶアナスタシア。
- 「…?」そちらを一瞥するも、特に何も言わず目を逸らす美波。アナスタシア、食い入るように美波を見つめたまま、ぐっと歯噛みする。
- 「あんたは…美波!」凛が切りかかろうとするも、槍ですぐに弾き返されてしまう。倒れこむ凛、駆け寄る卯月と未央。
- 「参りましょう、ヘカテボルス様。任務を果たさなければ」「へぇい」騒然とする一同の前を立ち去ろうとする美波とヘカテボルス。
- 「待ちなよ」立ち去る手前で、杏の声に美波が振り向く。「…〈白の教団〉のヴァルキリー様が、こんな街に何の用?」
- 「…貴方がたには、関係のないことです。」「それでは」
- その場を立ち去っていく美波とヘカテボルス。
- マップ〈クレーテ〉、入口付近。
- 卯月、凛、未央、きらり+杏、アナスタシアで会話。自己紹介。
- 「卯月ちゃんにぃ、凛ちゃんにぃ、未央ちゃん!さっきは助けてくれて、ありがとぉ〜!」「いいっていいって!」「いや、助けてくれたのはあんたじゃなくてそっちの水遣いだけど」「私もそのあと一緒に戦ったんだけどなぁ!?」
- 「と、いうか…あの、もしかして…〈星祭り〉の時に、私を助けてくれた方たちですか?」「んん?…ああっ!肩車の!」「え、きらり気づいてなかったの」「にょわぁ!?あ、杏ちゃん、気づいてたなら教えてよぉー!!いじわるはメッだよぉ!?」
- ひとしきり盛り上がった後、互いの目的の話に。
- 「で、三人はここに何しに来たわけ」「ていうか、どうやって入ったのさ。ここ、一応秘密都市だから、特殊な手順踏まなきゃ入れないはずなんだけど」
- 「どうやって、って…えっと」「…なんとなく?」「だねぇ」「いや、なんとなくって…」脱力する杏。
- 「…さすが〈星の民〉、ってとこなのかなぁ」卯月のほうをちらっと見てそう呟く杏。緊張を走らせる凛。「なんで、それを」
- 「そ・れ・はぁ…杏ちゃんが、〈東の賢者〉様だからだにぃ〜!」ぺかっと笑うきらり、頭を抱える杏。
- 何か思いついたような顔で、未央が杏ときらりに向かって笑いかける。「ねえ!じゃあもしかしてこれって、運命ってやつなのかな!?」
- 「私たちさ、変なローブ着た女の人に〈賢者〉が待ってる、って言われてきたんだ!」「道ならしまむーがわかってるはずだ、ってさ」
- 「わ、私、あの、なんとなくなんですが…こっちかな、っていう感覚が、あって」「地下道への入り口の開き方も、ほんとになんとなくなんですけど、わかっちゃって」
- 「…私たちってもしかして、目的は同じなんじゃないのかな。違う?」静かに言い放った凛が、真っ直ぐ空を指す。
- 「この街は、あの雲を晴らすための研究を秘密裏に進めている街だって聞いたよ」「逆に聞きたいな。きらりたちは、どうしてここを訪れたの?」
- 「きらりたちは…お星さまを取り戻すために、来たんだにぃ」「じゃあ…私たちと、同じですね!」
- 卯月、凛、未央、きらりたちの方に改めて向きなおる。
- 「〈東の賢者〉さん、きらりちゃん、アーニャちゃん。…きっとこの出会いは運命だって、私、思うんです」
- 「もしよかったら…一緒に、星を取り戻しに行きませんか?」
- きらり、杏を見て満面の笑み。「うっきゃぁー!!もっちろんだにぃ!!みぃんな一緒なら、もーっとハッピハピだにぃ〜!!」「ん、まあ、よろしく。…杏のことは、杏でいーよ」
- 「よーしっ、仲間ゲットー!!いいねえいいねえ、盛り上がってきたねえ!」「未央は気楽でいいよね…」「なんだとぅ!?」沸くみんな。
- 「アーニャちゃん!仲間がいーっぱい増えて、よかったねぇ!」「…え?」
- アナスタシア、はっとしたように全員の方を見て、曖昧な笑みを浮かべる。「あ、ええ…はい、よろしくお願いします、みなさん」
- イベント終了。
- マップ〈クレーテ〉。
- 自由行動開始。
- 街の人々に話を聞いて回ろう。
- 〈クレーテ〉内の人々はほぼ全員が研究者。空を覆ってしまった黒雲について、情報を得ることができる。
- 黒雲が星の光を遮ってしまっているせいで降り注ぐマナが濁り、各地で疫病や災害、魔族・亜人の凶暴化などの被害が出ているという話
- 黒雲にはどうやら精霊たちの与える聖なる力であるところのマナを変質させる力があるらしい、という話
- 黒雲は自然発生したものではなく、故意に生み出されたものであるようだ、という話
- などなど。
- ひとしきり街の人々に話を聞くと、「精密実験中だから」と立ち入れなかった奥の研究施設内に立ち入ることができる。
- 中に入るとイベント。
- マップ〈クレーテ〉、〈秘匿研究施設〉。
- 中に入るとテンションの高い小柄な少女研究者、アキハが迎え入れてくれる。「そうだ!私たちは秘密裏に黒雲除去に関する研究を進めている!」
- 施設の中には、アキハの作った巨大なロボ型の装置が置いてある。「これこそ天才の作りし物…黒雲除去ロボだっ!」『おお〜…!!』
- 「まだまだ改良は必要だが…天才は決してあきらめない!かならずやこの装置で、あの黒雲を取り除いてみせるさ!」
- 「きらりよりおっきいよぉ…!」「それ杏も思ってた。アキハは杏くらいちっこいのにね」「わぁぁ、これがキカイですか!?」「卯月、下手に触らないようにね」「そうそう!しまむーはレバーとかポロッと折っちゃいそうだし」「な、なんですかぁ!」「……」
- わいわい騒ぐ一行と、何か考え込んでいる様子のアナスタシア。
- それを余所に演説を続けるアキハ。
- 「ただひたすら祈りを捧げてさえいれば、いつか女神が現れて黒雲を晴らしてくれる…それが〈白の教団〉の教えだ」
- 「だけど、私はじっと待っているのなんて嫌いだ!この溢れんばかりの才能を発揮せずして、なにが天才か!」
- 「私は絶対に、このロボを完成させてみせるさ!楽しみにしているんだな!」
- 研究施設を出たところで、卯月たちの会話。
- 「〈白の教団〉に頼りきりにならないで、自分たちの力で未来を切り開こうとしてる人たちも、いるんですね…!」「きらり、なんだかわくわくしちゃったにぃ!」
- 「〈白の教団〉…まさか…」「うん?杏ちゃん、どうかしたのぉ?」「…んにゃ、なんでも」
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- マップ〈クレーテ〉内を自由に動き回れる。
- 経験値orガルド稼ぎがしたい場合は〈クレーテ地下道〉まで戻らなければならない。
- 〈オキュラ湿地〉まで戻ることはできないので注意。
- 宿屋に一泊するとイベント開始。
- 夜。卯月・凛・未央の三人部屋。卯月、ふっと目を醒まし「喉渇いちゃった…」宿屋の廊下に出る。
- 「…あれ?」そこで外に出て行くアナスタシアを見かける。「アーニャちゃん…?」
- 移動開始。操作キャラクターは卯月。アナスタシアを探しに行こう。
- 宿屋の外に出ると、ベランダでひとり空を見上げているアナスタシアがいる。話しかけるとイベント。
- 「アーニャちゃん」「卯月」「空、見てたんですか?」「…はい。」
- 卯月もアナスタシアの隣に並び、空を見る。雲に覆われ、鈍い月明かりのみが見える空。
- 「アーニャちゃんも、星空を取り戻したくて旅をしているんですよね?」「はい。約束のために…必ず、取り戻します」
- 「必ず…ぜんぶ、取り戻します」「そのために、強くなりました」「そのために、旅立ちました」
- 真摯な瞳のアナスタシアの横で、微笑む卯月。
- 「あー…卯月は、どうして?」「ん?」「卯月はどうして、星空を取り戻したい、と?」「私は…夢があるから、です」「夢?」
- 「夢だったんです、覚えてないくらい昔からずっと。誰かに、笑顔を与えられるようなひとになるのが」
- 「ただ、それはいつまでも夢のままで…ひょっとしたら、そのまま終わっちゃうのかな、なんて思ってたんですけど」
- 「でも、こんな私にもできることがあるかもしれないって、思えるようになりました。凛ちゃんや未央ちゃん…それに今は、きらりちゃんや杏ちゃん、アーニャちゃんも一緒です」
- 「みんなと一緒なら…夢は夢じゃなくなるかもしれない。あの星まで手が届くかもしれないって…そう、思うんです」
- 「アーニャちゃん。改めて…仲間になってくれて、ありがとうございます」
- 「一緒に、頑張りましょうね!!」
- 「……」小さく口を開けて、閉じる。それから唇をゆがめ、どうにか笑うアナスタシア。「…はい」
- 二人の間に目を擦りながら歩み寄ってくるきらり。
- 「ふあぁ〜…あれぇ、アーニャちゃんに卯月ちゃん!二人も起きてたのぉ?」「…も?」
- 「…あれれ?杏ちゃん、ここにいると思ったんだけど」きょとんとしてあたりを見回すきらり。「杏ちゃん、ベッドにいないんですか…?」
- 「んん〜、いつもは引っ張り出そうとしてもなっかなかお布団から出てくれないのに…杏ちゃん、どこいっちゃったんだにぃ…?」
- 刹那、轟音と地響きが夜の街じゅうに響き渡る。
- 「ちょちょちょ、今の凄い音なにっ!?」「卯月!無事!?」慌てて宿から飛び出してきた未央と凛。
- 「研究施設の方からです…!」アナスタシアが指さした先で、炎が上がっているのを見る一同。
- パーティは卯月、凛、未央、きらり、アナスタシア。
- 移動開始。
- 夜の〈クレーテ〉内。あちこちで炎が上がっており、街を隠すように鬱蒼と茂っていた木々が燃え盛っている。
- あるいは呆然と立ち尽くし、またあるいは逃げ惑っている人々。
- 〈秘匿研究施設〉につくとイベント。
- マップ〈クレーテ〉、〈秘匿研究施設〉。
- 燃え盛る研究施設の前で、研究員達から必死に引っ張られているアキハ。「アキハさん!」「ここは危険です!」
- 「うるさい、放せ!放せ放せっ!あの中にはまだ、私のロボが…!」「私の…!」「っ、やだ…やだよぉ、なんで…!」
- 抱え上げられ、泣きじゃくるアキハ。卯月たちの目の前で赤い炎を上げる研究施設。
- 「ど、…どうして、こんな」「ひどい…!」愕然とする卯月たち。
- 研究室の裏手で轟音、再び炎が上がる。「炎…これってまさか、あいつが…!?」言いながらそちらに駆けていく凛、後を追う卯月たち。
- 研究室裏手。
- 火柱の魔法を好き勝手あちこちに投げつけているヘカテボルス。「ひゃはっ」「ははは!」「燃える!よく燃える!!」「聞こえる、聞こえるぞぉ」「叫びだぁ…!!」
- 興奮気味に笑い、さらに暴れるヘカテボルス。黙ってそれを見ている、手に妙な宝玉を持った美波。その傍らで、地に伏せり苦しそうにしている杏。
- 「杏ちゃんっ!!」「ばか、来んなきらり!!…ッ…!!」きらりに鋭く叫び返し体を起こそうとするも、美波の宝玉が光りを放ち、再び伏せる杏。
- 「あの石…!杏の魔力を、封じてる…!?まさか、あの〈東の賢者〉にそんなことができるなんて…!」
- 間合いを取る凛、同じく構える美波。
- 「…やはり、あなたたちですか」-「ミナミ!!」凛の横に駆け寄るアナスタシア。
- 「アーニャ、危ないよ!!」剣を抜いていない、丸腰のアナスタシアにぎょっとして、慌てて腕でかばうようにする凛。
- 「ミナミ、もうやめてください!」「もう…やめて、ください…!!どうして、こんな…」悲痛な声で訴えるアナスタシアを、静かに見つめ返す美波。
- 「…黒雲を晴らすのは、我らが星の女神〈ポリコス・アステラス〉様の背負いし役目」「あの黒雲に触れることが許されているのは…我らが女神のみなのです」
- 「人の子が、神の所業を真似ようなど…そのような傲慢は、許されません」
- 「そんな…っ、ばかげた、理由で…!!」「そんな理由で、アキハの研究を滅茶苦茶にしたの!?」「美波さんっ…あなたは、そんな…そんな人じゃ、ないはずです!!」叫ぶ凛と未央、卯月に冷たい視線を注ぎ続ける美波。「神の領域に触れることは、立派な罪です」
- 「私はヴァルキリー、女神の刃です。神に逆らう者を粛正するのが、私の使命」
- 「…いい。もう、あんたとの対話は無駄だ」剣を構える凛。同じく戦闘態勢に入る未央、卯月。
- 「…ぇ、して」きらりが呟く。「杏ちゃんを、……返してぇぇぇっ!!」
- 強制戦闘。
- 美波との戦闘。
- 負け確。美波には攻撃が通らない。全て光の盾のようなもので弾かれてしまう。
- 数回殴ると戦闘が強制終了してイベント続行になる。
- 攻撃が弾かれ、地面に倒れこむ凛たち。「くそっ、なんで攻撃が通らない…!」「こ、これじゃ前のときと同じじゃん…!」
- 「はは…それ、ヴァルキリーに与えられる〈女神の加護〉ってやつ?」「…さすがは〈東の賢者〉様ですね」掠れた声で言う杏に、冷静に返す美波。
- 「おぉぉい、みぃなぁみぃ。こっち終わったぞぉ、ひゃはっ」そこにふらりと帰ってくるヘカテボルス。
- 「もうこの街はみぃんな、おしまいだぁ。…地図にない街じゃなくて、存在しない街になっちまったなぁ、ひゃはははっ」「…任務ご苦労様です、ヘカテボルス様」
- 倒れこむ凛たちの方へと近づき、見下ろす美波。
- 「ポリス様の命により、あなたたちを捕縛します」
- 手をかざし、魔法を放つ。地面に倒れこんでいる凛たちの周囲に浮かび上がる魔法陣。催眠魔法により、次々と意識を手放していく凛たち。
- 「…みな、み」
- 最後まで瞳に美波のことを映していたアナスタシアが気絶。
- マップ〈白の教団・ラークテア支部〉、〈地下牢〉。
- 催眠魔法により意識を失っている卯月一行。ヘカテボルスによって鼻唄交じりに次々と牢に詰め込まれる。
- 最後にアナスタシアをつまみ上げたとき、「…んあ?」ふと思い当たったようにじろじろと顔を見る。アナスタシア、薄く意識を取り戻す。
- 「あー…お前、もしかしてぇ」「っ!!」それから指でアナスタシアの瞼をこじ開け、青い瞳を覗き込む。瞳の中の星に気づくヘカテボルス。「ひゃはっ!」「はは、やぁっぱり!」
- 「お前、例の忌み子かぁ!」「そうだろぉ?なぁ?な?」焦点の合わない瞳で、弱々しく睨み返そうとするアナスタシア。哄笑するヘカテボルス。
- 「なぁるほどなぁ。ポリスが生きて捕まえろって言うわけだぁ、ひゃははっ」アナスタシアの髪を掴み、顔を上げさせる。
- 「で?せぇっかく助けてもらったのに、なぁんで出てきたぁ?」「隠れてりゃいいのにさぁ!ひゃはっ」「もしかしてぇ…」
- 「美波のことを、助けに来たってかぁ?」「ゥ、…っ!!」ぎっと目を輝かせようとするが、まだうまく力が入らないアナスタシア。
- ヘカテボルス、アナスタシアを牢の中へと放り投げる。中の卯月たちは、未だ眠ったまま。
- 「…無駄だよぉ。ひゃはっ」「〈アイナルラミ〉の干渉魔法は完璧だ」「あいつはもう、〈白の教団〉のお人形だ。元になんか、ぜぇぇぇったい、戻らないぜぇ」「ひゃはっ」「ひゃはははははは!」
- 高笑いを残し、立ち去っていくヘカテボルス。牢の床を力ない拳で叩くアナスタシア。
- 視点映って、任務を終えた美波。支部内の廊下を歩いている途中、とても小柄な白いローブの少年と出会う。
- 即座に道を開け、跪く美波。「捕まえたの?全員?へえ、優秀なんだね、あんた。さすが、ヴァルキリーのリーダーだ」「勿体無いお言葉です」
- 「例の〈賢者〉のヤツもいたから、もう少し手こずるかと思ったけど」「ポリス様に頂いた宝玉がございましたので」
- 「そう?あれ、やっぱり効いたんだ?」「はは」「あはは!やっぱりだね!思った通りだ」「ぼくの、思った通りだ」
- 無邪気で残酷な笑みをくすくすと零す少年、ポリス。
- 「別に泳がせておいても良かったんだけどさ。蠅みたいに近くを飛び回って邪魔されるのも、癪だったし」「ま、あとは殺さない程度、好きにしていいよ」
- 「ぼくとヘカテボルスは、本部の方に戻るよ。あの狂った焔をあまり連れ回すと、〈アルコル〉がいい顔をしないだろうし」「じゃ、あとはよろしく」
- ひらりと手を振って去っていくポリス。跪き目を伏せ、見えなくなるまでじっとそうしている美波。ポリスがいなくなってから立ち上がる。
- 瞬間、強い耳鳴りが美波を襲う。
- 「ッ、…?」徐々に強くなる耳鳴りに顔をしかめ、思わずこめかみを抑える。それでも止まず、酷くなる一方。
- 「ぅ…」美波、ふらついて壁に手をつき強く目を瞑る。どんどん意識を支配していく耳鳴り、赤黒く脈打つ視界。
- 不気味に歪む景色の中、激しいノイズ混じりに一瞬だけ映る誰かの姿。唇が動いている。「み」「ナ」…
- しかしそこまででかき消え、あっという間に耳鳴りも止んでしまう。「…今のは…?」浅い呼吸を繰り返すも、思い出せない美波。
- やや不審そうにしながらも、廊下の向こうから神官兵に呼ばれ、すぐそちらへと歩き出す美波。颯爽と揺れる髪の間から光る、白い石のピアス。
- きらりと光る片方にだけ入っている、見えないくらい小さな罅。
- 視点移って、地下牢。
- 憔悴している一同。武器の類は取り上げられている。
- 「また、街が…私、なにも、できなかった」「卯月のせいじゃないよ」ひどく落ち込む卯月のそばに寄り添う凛。
- 「きらり、苦しいってば」「……」「きーらーり」「……」杏を覆い被さるように抱きしめたまま何も言わないきらり。
- 「…ごめんってば。教団の奴らが動きそうだと思ったんだけど、面倒くさいから杏だけでちゃちゃっと片付けたかったの」「……やだよ」
- 「置いてっちゃ、やだよ、杏ちゃん」「きらりのこと…おいて、いかないで」「…だから、ごめんってば。」
- やり辛そうにしながらも頑張って手を伸ばし、きらりの頭をわしわしと撫でる杏。
- 膝を抱えていた未央がふと目を上げて、一言も発していないアナスタシアの方を見る。
- 「ねえ」「アーニャんは…あの美波って人のこと、知ってたの?」「向こうは、アーニャんのこと知らないみたいな反応してたけど…」
- 「ミナミ、は…」ぐっと黙り込むアナスタシア。
- アナスタシアが口を開こうとしたところで、地下牢全体が重々しく揺れる。
- 「な、なに…!?」焦り立ち上がる未央たちの頭上で、またズン…という地響き。パラパラと落ちてくる砂埃に一同騒然となる。
- 地上の方から聞こえてくる叫び声。「うわぁああああああ!」「で、出た!!バケモノっ…」「ど、ドラゴンだぁあああ!」
- 「なんだなんだ!?なにかあっ…ぐわぁ!!」地上様子を見に行こうとした牢番が、なぜか階段を転げ落ちてくる。
- 「あれ?にゃはは、ちょうど出てきたから蹴っちゃった」階段の方からひょこっと出てくる黄色い光。
- 「もう、〈ケットシー〉!あなたはいつもいつも…!」「まあまあ、どっちにしろ教団の人間みたいだったしちょうどいいにゃあ?」
- 「し、しぶりん?あれ、なにに見える…?」顔の引きつっている未央。「わ、私に聞くの!?ええっと…猫?と…妖精…?」
- 青と黄色、二つの光がなぜか会話しながら飛び回っている様子を呆然と見つめている一同。
- その向こうから姿を現す二人組、文香と奏。
- 「ここは…」「地下牢みたいね。…さすがにここに手掛かりはないと思うわよ」「です、ね…」
- そんなやりとりをして地上へ立ち去ろうとする二人に、「あ、あのっ…」「待ってください!!」慌てて声をかけようとした卯月、よりもさらに大きな声で叫びかけるアナスタシア。
- 文香と奏、思わず足を止める。文香の前に一歩出て、厳しい瞳でこちらを見返す奏。「…何?悪いけど私たち、先を急いでいるの」
- 「お願いです」「ここから出してください!」「行かなければいけないんです」「どうしても…行かなければ、いけないんです!!」檻に縋りつき、必死に懇願するアナスタシア。
- 「アーニャ、ちゃん…?」「アーニャん…」あまりに必死な様子に圧倒されている一同。「お願い、ですから…っ!」
- 奏、一度文香の方を見る。文香が黙って頷くと、奏は素早く階段を下り、牢の前へとやってくる。
- 「下がりなさい」呪符を取り出して牢に貼り、印を切る奏。呪符が小爆発を起こし、牢の鍵を破壊する。
- 「さっきも言ったけど、私たち急いでるの。貴方達にかかずらってる時間はないから」「ただ、どこへ行きたいのか知らないけど、この支部からは即刻立ち去ることをお勧めするわ」
- 「寧ろ、このまま地下にいた方が安全だと思うわよ」「どういう意味、ですか…?」
- アナスタシアの問いには文香が答える。「あの…これから、ここを…私たちが、荒らすので」「危険になる前に…どうか、逃げて、ください」
- 「それじゃ、失礼するわね」「あ!ありがとうございますっ、あの…!」卯月の言葉を背に、去っていってしまう文香と奏。
- 牢を出て、装備を取り戻した一同。すっかり騒ぎになっている地上への階段を一人食い入るように見つめているアナスタシア。
- 「…私は、ミナミのところへ行きます」「卯月たちは、先に外へ…」「わ、私たちも行きますよ!」一人で行こうとするアナスタシアに慌てて言う卯月。
- 「美波さんの様子、何か変です」「私…私っ、あの人があんなことするような人には、どうしても思えないんです!」「卯月…」瞳を一度だけ大きく揺らすアナスタシア。
- 「卯月が行くなら、私も行く」「それに…私たちの目的は、もともと教団を調べることだからね」「悪いけど、来るなって言っても行くよ」
- 「仲間でしょ!さすがに放っておけないよ、アーニャん!」剣を携える凛、ぱんと拳を合わせる未央。
- 「…きらり?」いつも通りのような、でもどこか心配そうな声で話しかける杏。
- するときらりは素早く杏を背負い、「うっっ…きゃーーーーー!きらり、ふっかぁーーーーーつ!」そして両手を天高く掲げ立ち上がる。
- ものすごい大声に飛び上がりかける一同。「き、きらり」「アーニャちゃん!…一緒に、行こうっ!」
- アナスタシア、何か言いかけたようだが、唇を結び、振り向かずに答える。「…はい」
- 装備品を取り戻し、自由行動開始。
- マップ〈白の教団・ラークテア支部〉、〈地下牢〉。
- 教団内をくまなく探索し、美波を探そう。
- 教団兵が次から次へと湧いてくるので注意。
- 特にここから出現してくる白い鎧に赤いラインの入った〈上級兵〉は一般兵よりもパラメータが高く、現段階では倒しづらい。
- 回復手段も手持ちのアイテムしかないので、無理は禁物。
- 〈教会〉〈教団兵詰所〉などマップを調べ尽くす。「ミナミ、どこですか…!」
- すべて回った後で〈中庭〉につくとイベント開始。
- マップ〈白の教団・ラークテア支部〉、〈中庭〉。
- 「待って!」凛の指示で一旦中庭へと続く出口付近に身を隠す一同。「あの二人…さっきの!」
- 教団兵たちに囲まれている奏と、本を奪われ人質に取られている文香。「動くな!」「散々暴れてくれたな…!」
- 「武器を捨てろ!」「妙な真似をするなよ…!」文香を締め上げる手に力を込める教団兵。「ぁ、…っ」たまらず苦しそうに喘ぐ文香。
- 「やめなさい!」叫び返し、呪符を地面に置き両手を挙げる奏。「武器は、捨てたわ。…その子に乱暴しないで」
- 勝ち誇った笑みを浮かべ奏ににじり寄る教団兵たち。「…ん?」「な、なんだ…?」だが、奏の身体をゆっくり纏い始めた黒く不気味な瘴気にたじろぐ。
- 「っ…!」はっと表情を変える文香。「奏さん!」「あ、こら、動くな!」「奏さん、いけません!その力を、使っては…!」「くそっ、動くなって…!」
- 文香を大人しくさせようと拳を振り上げる教団兵。
- そこに割って入り、腕をひねり上げて教団兵を地面に組み伏せる凛。
- 「ぐぁ…!?」「おぉっと!」文香が巻き込まれないよう、絶妙なタイミングで救いだす未央。「おじょーさんっ、大丈夫ですかい!」「あ…は、はい…」
- 本を奪い返し、文香に返してあげるアナスタシア。「私たちも、加勢します」
- 「あなたたち、さっきの…」呪符を拾い上げつつも、驚いている奏。瘴気は消え失せている。
- 「ま、さっきのお礼もあるし…なによりあたしたちも、この先に用があるんだよねぇ」「いっくよぉ〜!!」
- パーティに速水奏と鷺沢文香が参加。
- 編成画面が挟まった後、教団兵(上級兵×3、強化兵×1)とのバトル。
- 上級兵×3もなかなか厄介だが、強化兵の固さは相当。きらりで殴ってもなかなかいいダメージは与えられない。
- さっそく奏にデバフを担当してもらいながら、戦闘を有利に進めよう。
- なかなか突破できない場合は、文香の召喚獣で範囲攻撃をかまし、まずは敵の数を減らすところから始めると良い。
- ただし奏にせよ文香にせよこれまで参加したメンバーの中でも屈指に防御力が低いので、HPには要注意。
- 勝利するとイベント続行。
- 応援を呼びに一旦撤退していく教団兵たち。
- 「…とりあえず、礼を言っておくわ。この子のこと、助けてくれてありがとう」「ありがとう、ございました…」頭を下げる奏と文香。
- 「いえ!わたしたちも、お二人に助けてもらいましたから」「うーんっ、いろいろ聞きたいこととか話したいこととかはあるけど…具体的にはその子さっきなんで猫耳生えてたのとか超聞きたいけど…でも今はそんな暇ないよね!」
- 先陣切って駆け出そうとする未央を呼び止める奏。「待って。…この先に行くつもり?」「そっちは祭壇。この教団支部の核」「…危険よ」
- 「…でも、そっちだってこの先に行こうとしてたんじゃないの?」冷静に問い返す凛に、文香が口を開く。「…私たち、は…目的が、あるので」
- 「こっちにもあるんだよ、その目的ってやつが」めんどうそうに言う杏。「そっちの邪魔をするつもりはないよ。…ねえ、ここで突っ立ってるとすぐ応援が来ちゃうよ?」
- 奏、息をついて首を振る。駆け出す一行、やや遅れてついてくる文香と奏。
- マップ〈白の教団・ラークテア支部〉、〈祭壇〉。
- 巨大な女神像の前に、武器を携え佇む美波。
- 「…来ましたね」「そこ、通してもらえる?」「首肯するとでも?」「そうよねぇ。平和的にはいきそうになくて残念だわ」呪符を構える奏、本を開く文香。
- 「待ってください!!」美波と奏たちの間に躍り出るアナスタシア。
- やや驚いたような表情を浮かべるも、すぐ厳しい顔になる美波。「…牢を抜け出したのですね」「しかし、再び姿を現してくれたのなら好都合」
- 「再度、捕縛させていただきます…!」アナスタシアに向け攻撃を仕掛ける美波。アナスタシア、咄嗟に剣を抜き槍を受ける。
- 刃のぶつかり合う甲高い音。「っ、ミナミ」ぎぎ、と競り合う美波とアナスタシアの二人。絞り出すようなアナスタシアの声。「やめて、ください」
- 「私は、…あなたとは、戦いたく、ない」「お願いですから、目を醒ましてください!ミナミ!」
- 「っ…!?」アナスタシアに名前を呼ばれ、再び美波を耳鳴りと激しい頭痛が襲う。赤黒く脈打つ視界。ノイズ交じりの記憶と声。『み』『ナ』「だ、れ…?」
- よろける美波に思わず駆け寄ろうとするアナスタシアだが、近付いて触れる前に美波の槍が一閃。頬のところを切られるアナスタシア。「ミナ、ミ」
- 「私に、っ…触らないで、下さい」浅い呼吸ながら立ち上がり、槍を構える美波。
- 「アーニャ!下がって!」「でもっ、凛!」「わからないの!?話し合いなんて、できる状態じゃない!」「一旦…大人しくしてもらうしか、ない!!」
- アナスタシアに叫びかける凛の隙をついて、槍を突きだす美波。「くっ…!」即座に剣の柄で美波を弾き飛ばすアナスタシア。
- 「な、」よろめき、体勢を整えつつもかすかに驚いたような表情を浮かべる美波。「どう、して…?」
- 「シールドが…」「〈女神の加護〉が、無効化されてる…!?」「今なら…!!」武器を構える一同。
- その先頭で、剣を構えられないまま悲痛な顔で首を振るアナスタシア。「ミナミ、っ…いやです、私、は」
- 美波、アナスタシアに向け槍を突きつける。暗い瞳、無表情に戻った顔つき。
- 「…あなたたちを、拘束します」「私はヴァルキリー、我らが尊き女神の刃」「私には使命があります。…他には何も、ありません」
- 「教団に仇名す者に、星の女神の慈悲を。」
- 美波とのバトル。
- 今回シールドは無効化されているため、やっと攻撃が通るように。
- パワーは低いが長いリーチでの素早い攻撃が特長。特に空中戦に持ち込まれると非常に厄介。
- 近距離戦ではコンボ→空中戦に持ち込んでくるパターン。一定距離をあけると魔法攻撃をしかけてくる。
- 近距離戦に持ち込む場合は奏が空中戦に長けているが、操作慣れしていないなら素早さ重視で凛orアナスタシアがおすすめ。リーチの短い未央、モーションの大きいきらりはやや相性が悪い相手。
- 遠距離戦に持ち込む場合は光or雷属性の魔法攻撃を仕掛けてくる。体力に気をつけつつ、文香の召喚獣や杏のサポート魔法をうまく使って攻めよう。サポートに卯月がいると安定する。
- 勝利するとイベント続行。
- 一行と美波、互いに満身創痍。
- 膝をついていたが、槍を支えに再び立ち上がり、ゆっくりと構え直す美波。傷だらけだが、気にした様子がない。
- ぞっとした表情を浮かべる凛たち。「そん、な」「まだ、立ち上がってくるの…!?」
- 「…〈白の教団〉お得意の、精神干渉魔法ね」魔力切れで座り込みそうな文香を支え、自分も浅い呼吸の奏が教えてくれる。
- 「感情と、意思と…時には痛覚さえも凍らせて、星の女神の傀儡を作り上げる」「そこにいる子は、憐れなお人形さんってわけ」「きっと…壊れるまで、戦い続けるわ」
- 「はは…とんだ〈女神の加護〉だねぇ」杏が呟く。「でも、あの厄介な盾は消えた。…もしかしたら、その子にかかってる魔法は…」「解けかけてる、の…?」
- 杏ときらりの言葉にはっとする卯月。「な、なら、魔法を完全に解くことができれば…!」
- その卯月に攻撃をしかけてきた美波を、何とか弾き返す凛。「っ、そんな悠長なこと…もう、言ってられないよ…!」
- にらみ合う凛と美波。「向こうは本気だよ。こっちも、殺す気でいかなきゃ…」
- 「凛」「すみません。…どいて、ください」凛を押し退け、美波と対峙するアナスタシア。
- 「アーニャ!」「手を出さないでください!」
- 「…ひとりでも、やります」「ミナミは、私が助けます」「必ず…助けます…!!」
- ムービー。
- 互いに駆け寄り、激しい戦闘を開始するアナスタシアと美波の二人、動けずにいる一同。
- 防戦一方のアナスタシア。美波が槍で連撃をかまし、それをなんとかレイピアで受け流す。壁際まで追い詰められたところで再び競り合いに。
- 「ミナミ」名前を呼ばれ、また鳴り響く耳鳴りと頭痛に顔を顰める美波。「ッ…どう、して」徐々に美波を押し返していくアナスタシア。「ミナミ。もう、やめましょう」
- 「私は、あなたと戦いたくない」「黙って!!」競り合いを振りほどき、槍を振り下ろす美波。すんでのところで避けるが、肩を切られるアナスタシア。
- 「つ、ッ…」「アーニャ!もうだめだ!…やらなきゃ、やられる!」「嫌です!」血の滲む肩に顔を顰めるも、凛にはきっぱりと叫び返す。
- が、再び劣勢に追い込まれていく。氷魔法で張った壁を打ち砕き、欠片に肉を裂かれるのも構わず突進してくる美波。火花を散らして刃を受けるアナスタシア。
- 強く手を握り合わせ、泣きそうな顔で二人のことを見ている卯月。「どう、したら…っ」「どうしたら、美波さんを解放できるの…!?」
- 「…あの美波って子の身体も、もう限界が近いみたいよ」「このままでは…二人とも…!!」わかってはいても、手を出せずにいる奏と文香。
- 「あんだけ強い精神干渉魔法をかけるには、なにか憑代が必要なんだ」杏、厳しい瞳で二人を見つめながら口にする。「なにか…それがなにか、わかれば…!」
- 「憑代…?」その時、卯月の脳裏に星の民についての〈悪意ある魔法を弾く力がある〉という一節と、〈星祭り〉の時の記憶とがよみがえる。「っ、アーニャちゃん!!」
- 「アーニャちゃん、ピアスです!美波さんのピアス!」「それがきっとっ、美波さんに魔法をかけているんです!!」
- 卯月の叫びにはっとして、美波のピアスを見るアナスタシア。片方に罅が入っている。もう片方は無事。
- しかしアナスタシアがピアスを見た隙をついて、攻撃を仕掛けてくる美波。突きの連続に追い詰められるアナスタシア。
- どうにかいなして、睨みあいに。双方息が上がっている。「ッごほ、」美波の身体が悲鳴を上げ、吐血。
- 「ミナ…」「戦いなさい」思わず叫ぶアナスタシアを遮り、ぐっと血を拭う美波。
- 美波のふらりと突きだされた一撃が、アナスタシアを壁際に追い詰める。限界の身体を引きずり、壁に突き立てた槍を支えにどうにか立っている美波。
- 「…おねがい、だから、戦って」「ミナ、ミ…?」先ほどまでと違う、掠れきった、どこか優しい声にはっとするアナスタシア。
- 闇に堕ちていた美波の瞳が、うっすらと光を取り戻している。「っ、わたし、が」「あなたを、傷つけてしまう、前に」
- 「あなたが、私を、殺して」
- 「…アー…ニャ、ちゃん」
- 絞り出すように呼ばれた名前に、アナスタシアの表情が変わる。「……!!」
- 「ぐ、」壁から槍を抜き、ひどい頭痛に頭を抱える美波。「ぅ……あ、」光るピアス。再び闇に閉ざされる瞳。「あぁあああああああああああっ!!」
- 美波の叫びと共に突き出される槍。アナスタシア、手に持っていたレイピアを地面に落とす。床とぶつかり、かちんと微かな音を立てる刃。
- それから両手を広げて、ふ、と柔らかな笑みを浮かべるアナスタシア。
- 鈍い音と共に、ホワイトアウト。
- 「…え?」まるで抱きしめあっているかのような二人。しかしアナスタシアの身体を刺し貫いている、美波の槍。
- 美波を抱き留めたアナスタシアの手がふらりと持ち上がり、震えた手でピアスに触れると、ピアスが砕け散る。
- 「やっと」「つかまえ、ました」「…ミナミ。」
- 「…あ、」魔法の解けた美波の頭の中に、一気に記憶がなだれ込んでくる。「あ、…あ、ぁ、」
- ノイズ交じりの早回し。青空教室。二人だけの戦闘訓練。約束の指切り。並んでご飯。傷つけられた日のこと。光の渦に巻き込まれる小さな手。
- 青い瞳の、銀の髪の少女が、振り向く。屈託のない笑顔。唇が動く。『み』『ナ』『ミ』『―ミナミ!』
- 「アーニャちゃん」「アーニャちゃん…!!」煌めきを取り戻した美波の瞳から、雫が零れ落ちる。
- 名前を呼ばれ、とても嬉しそうに微笑むが、そのまま美波の方に倒れこんでしまうアナスタシア。
- アナスタシアの身体から抜け、落下した槍の音にぎくりとする美波。「っ、わた、し」「私、なんて、こと…ッ!!」
- 「いたぞ!!」その時、とうとう追手の教団兵たちが駆けつけ、一斉に〈祭壇〉内へとなだれ込んでくる。
- 「あーあーもう、最ッ悪のタイミングだよねぇ、ほんとにさぁ…!!」歯噛みするように言う杏、きらりの背中から飛び降りる。「きらり!アーニャの方任せた!」
- 「ほか全員、こっち集まって!…急げ!」指示され、杏の周囲に集まる一行。教団兵たちが武器を構えこちらへと切りかかって来ようとする。
- 「あ…美波ちゃんが!!」「貴様、〈ヴァルキリー〉様に手は出させんぞ!」「美波様、こちらへ!」アナスタシアから剥がされ、教団兵たちの奥へと追いやられてしまう美波。
- 「アーニャちゃ、」「アーニャちゃん…っ!!」いつかとは逆に美波が手を伸ばすけれど、今度はアナスタシアの弛緩した手が、するりと美波の手から零れてしまう。
- 「きらり、アーニャ担いだらこっち来て!」杏が杖で床を叩くと、魔法陣が展開する。「ま、待ってください!まだ、美波さんが…!」「…無理。もう時間ない」きっぱりと言い返す杏。
- 「貴様ら…逃がすかぁっ!!」「やってしまえ!」「教団に刃向う者には、罰を!!」杏たちを中心にして一斉に襲いかかってくる教団兵たち。
- 「文香、手貸して!」杏、文香の手を取り、再び杖で床を叩く。移動魔法の発動。光の渦に飲まれ、消え去る一同。
- ムービー終了。
- セピア色の画面。遠い記憶。
- 荒れた小屋の隅に座り込み、ぼろぼろのシーツにくるまっている、幼いころのアナスタシア。
- アナスタシアモノローグ。
- 『幼いころのことで、覚えていることは、とても少ない』『ここからとても遠い、寒い国にいたこと』『暖炉で薪が爆ぜる音』『顔の思い出せないパパとママ、おばあちゃんと、暮らしていたこと』
- 『白い服の人たちが、やってきたこと』『気づいたら、つめたい小屋に、放り出されていたこと』『毎日、怖くて、寂しくて、痛くて、いやだったこと』
- こんこん、と小屋の扉がノックされる。びくっと身体を震わせるアナスタシア。青い瞳を隠すように、頭までシーツを被って小さくなる。
- 扉がゆっくりと開かれ、光が射す。ぎゅっと目を瞑っているアナスタシアの元に、近付いてくる影。
- 『だから、そのときも、同じだった』『こわい。いやだ。来ないで。』
- 「こんにちは」震えていたアナスタシアは、優しい声にふっと顔を上げる。少女だったころの美波が、扉から射す光を背負って微笑んでいる。「アナスタシア、ちゃん?」
- かつての美波とアナスタシアの日々。
- 美波のことを怯えた顔で突き飛ばしているアナスタシア。転ばされ、腕に傷を負っている美波。
- 『最初は全部、怖いものにしか見えなかった』『差し伸べられる手も、話しかけてくる声も、そばに来られることも、全部』
- けれど腕の傷を隠しながら、もう一度笑顔で手を伸べている美波。
- 『たくさん、傷つけたのに』『たくさん、突き放したのに』『そばに、来てくれた』
- 初めて、おそるおそる美波の手をとるアナスタシア。それを嬉しそうにきゅっと握って、目を細める美波。
- 『そうして、私は』「そうだ!…ね、アナスタシアちゃん」「アーニャちゃん、って、呼んでもいいかな?」『名前を、もらった』
- 「私のことも、美波って呼んでくれたら、うれしいな」ぱちくりと目をしばたいたあと、そうっと口を開いてみるアナスタシア。「…み?」
- 「美波。読んでみて?」「み、ぁー…み?」「み、な、み」「み、にゃ、み」「みなみ」「みなみ」「美波」「…ミナミ?」「うん!」
- 『ミナミ。』
- いくつもフラッシュバックする、昔の記憶。美波と過ごした大切な日々のこと。
- 『ミナミ』命を救ってもらった運命の日。突き飛ばされた最後に一瞬見えた美波の笑顔。
- 『ミナミ』成長した美波が、冷たい瞳でアナスタシアに向かって槍を振り下ろす。「あなたが、私を、殺して」「…アー…ニャ、ちゃん」『ミナミ、』
- 「ミナミっ!!」
- 叫びながら跳ね起きる、汗だくのアナスタシア。「ぐ、ゥっ…!?」きつく包帯の巻かれた胸のあたりを抑え呻くアナスタシア。
- 「アーニャちゃん!気が付いたんですね…!」水の入った盥を持って、ちょうど部屋に入ってきた卯月が駆け寄ってくる。
- 「ま、まだ動いてはダメです!ひどい傷だったんですから…!」慌ててアナスタシアを寝かせようとする卯月。
- 「杏ちゃんと文香さんが、一生懸命回復魔法をかけてくれて…」「そうだ、杏ちゃん、文香さん!みんなも!」「アーニャちゃんが、目を醒ましましたよ!!」
- マップ〈王立図書館・地下〉、〈客間〉。
- 騒ぎを聞きつけやってくるパーティの仲間たち。苦しそうに呻きながら面々を見渡し、はっとするアナスタシア。
- 「っ、ミナミ、は…?」息も絶え絶えに絞り出された問いに、卯月がぐっと唇を噛む。「…ごめん、なさい」
- 「ひどい、混乱状態で」「移動魔法だって、ゆかりの深い人がいた場所に、杏ちゃんが無理やり飛ばしてくれるので精一杯で」「…ごめんなさい。美波さん、は…!」
- アナスタシア、絶望的な顔で目を見開く。
- 「…ミナミを助けに、行きます」立ち上がろうとするアナスタシア。慌てて止める卯月。「だ、ダメですアーニャちゃん!」
- 「そうだよ!ぶっちゃけ生きてるのが不思議なくらいの傷だったんだよ!?」「下手に動いたら傷が開いて、今度こそ死んじゃうよ」未央と凛も忠告するが、耳に届いていない様子。
- 「あ、アーニャちゃん!無理しちゃメッだよ、」「放してください!!」アナスタシア、きらりの手を振り払って鋭い声を上げる。
- 「私のことはっ、放っておいてください…!」「ミナミを、助けに行きます」「ひとりで、行きますから…!」
- ぱん、と乾いた音が、客間内に響く。
- 水を打ったように静まり返った室内。驚いている凛、未央、文香、奏、きらり、杏。
- 左頬を赤く染め、呆然としているアナスタシア。それを打った右手を持ち上げたまま、は、は、と肩で息をしている卯月。
- 「ひとりで、なんて」「どうして、そんなこと、言うんですか」震えた声で言う卯月。
- 「出会ったばかりかも、しれません」「私たち、まだアーニャちゃんのことも、美波さんのことも、何も知りません」「それでも私たち、仲間じゃ、ないんですか?」
- 「…卯月」「少なくとも!…私は、アーニャちゃんのことを、仲間だって思ってます」「一緒に頑張りたいって、思ってます」
- 「アーニャちゃん」「ひとりで、戦おうとしないでください」「ひとりで、泣かないでください」「私たちじゃ…力に、なれませんか…?」
- 俯いて肩を震わせ始めた卯月の頭にぽんと手をのせ、隣に立つ凛。「あのさ、アーニャ」「…はい」「聞かせてよ。アーニャと、美波のこと」
- 「できることがあるかは、わからない」「でも、もしかしたら、あるかもしれない」「知りたいんだ。二人のこと、聞かせて?」
- 一旦口を開き、俯くアナスタシア。けれど今度こそ、ちゃんと語り始める。「…はい。」
- アナスタシアが語る、自分と美波のこと。
- 「ミズキが、教えてくれました。…私は、〈青の使徒〉なのだと」「〈青の使徒〉…って、あの?」
- 「〈星の民〉の中でも、特殊な存在だね。〈精霊〉に最も近く…その身に〈守護精霊〉としてかれらを宿すこともできる」杏の説明に頷くアナスタシア。
- 〈青の使徒〉としての力を狙われ、〈白の教団〉に囲われていたこと。
- その時美波と出会ったこと。たくさんの時間を美波と過ごしたこと。大切な思い出がいくつもあること。
- そして、美波と別れた日のこと。
- 「あの日、私は〈お祈り〉をする、と言って教会に連れていかれました」「ミナミは、一緒に来ませんでした。後で行くから、と言っていました」
- 「教会の中、私は魔法陣の中心に放り出されました」「痛いことを、されました。たくさん。…とても、たくさん」「私には、精神干渉魔法が効きませんでした、から」「…弱らせてから、と」
- 結局その日はうまくいかなかったけれど、毎日続ければ心も体もいずれ弱り果てるだろうと言われたこと。
- そんな状況から、美波が命懸けで助け出してくれたこと。
- 「だけど、そのせいで」「私のせいで」「…ミナミ、は」
- 唇を噛みしめ、涙をこらえているアナスタシア。
- 「全部、なんです」「全部、ミナミがくれたんです」「たのしいこと」「うれしいこと」「くすぐったいこと」「あったかいこと」
- 「アーニャ、という名前」「星空を観に行こう、という、大切な約束」「全部です。いいこと全部、ミナミが、くれました」
- 「私の、この命も。ミナミが、くれたものです」
- 「なのに、私のせいで、ミナミがひどいことになりました」「助けたいんです」「助けなくちゃ、いけないんです」
- 「私の全部、ミナミがくれました。…だから、今度は、私の全部で、ミナミを、助けなくちゃいけないんです」
- 「…ミナミは今、ヴァルキリーとして、ひどいことをしています。たくさん、しています」「それは、わかっています」
- 「だから、みんなが巻き込まれることは、ありません」
- 「ひとりでも、」
- ぎゅっとシーツを握りしめていた手を取られ、はっとするアナスタシア。
- ベッドの傍らに跪いて手を取り、ぎこちなく微笑みかけてくる文香。「…それなら、私と同じ、ですね」「え?」
- 「私にも、たくさんのものを…今の私の全部を下さった方が、います」「必ず助けたいと、思っている人が、います」
- 「あなたが、あなたの大切な人を、教団の手から救い出したい、というのなら」「私とあなたの目的は、同じです」
- 「それなら、…私があなたを手伝うこと、なにも、不思議ではありません、よね」
- 「私たちは、同じ方向を向いて、同じように、歩こうとしているのですから。手を取り合っても、構わないはずです」
- 「そうね」文香の手の上に自分の手を重ね、同じようにアナスタシアの傍に跪く奏。「文香の言う通りよ。反論の余地は、ないと思うけれど?」「…奏」
- そんな三人の肩を一気にばしん!と叩く未央。
- 「そうそう、ふーみんはやみんの言う通り!」「…ふーみん?」「は、はやみん?」やや戸惑う奏と文香に構わずにっと笑う未央。「私たち、みーんな同じとこ目指してるんだよ!」
- 「私たちも一緒に、あなたと歩きます、アーニャちゃん」「卯月とみんなの歩く道は、私が必ず守るから」並び立ったまま微笑みかける卯月と凛。
- 杏がきらりの頭の上からひょこっと顔を出す。
- 「あのさぁ。アーニャは、無駄死にしに行きたいの?それとも、美波のことを助けたいの?」「…杏」
- 「本当に助けたいのなら、可能性の高いやり方を選ぶべきだよ」「好き好んで協力って連中がこんなにいるんだよ?賢く利用しときなよ」「そのほうが、お互い楽だしさ〜。」
- きらりが手を伸ばし、アナスタシアの頭をくしゃくしゃ撫でる。「アーニャちゃん、ひとりでいーっぱい、がんばったにぃ」
- 「だから今度はぁ、きらりたちと一緒に!がんばろうにぃ〜!」
- 髪をくしゃくしゃにされるアナスタシア。囲む仲間の笑顔。
- 「……っ」「…はい。」「はい…!」
- 泣きながら、ようやく何度も頷くアナスタシア。
- 翌朝。
- マップ〈王立図書館・地下〉、〈食堂〉。
- 集まっている面々、これからの行き先についての会話。
- アナスタシアが眠っていた間に支部を調べてきてくれた未央と奏の報告によると、美波は〈白の教団〉の本部にいるらしい。
- 「本部…って、どこにあるんでしょうか?」「そういえば…これだけ世界中に広がってる宗教なのに、聞いたことないよね、本部の場所」顔を見わせる卯月と凛。
- 「私と奏さんは、もともと、本部のある場所を探りに、あの支部へと来ていたのですが…」「それどころじゃなくなっちゃったからね」
- 「何かあるかと思った最奥の〈祭壇〉にも…教団の教えを古代文字で記した石版が、飾られていただけでしたし…」
- 「…教え?」ぽつりと言った文香に反応する杏。「それ、覚えてる?」「え?…はい、全文記憶していますが…」
- 「全文ですか!?」「す、すごいね、文香」驚く卯月と凛にちょっと照れる文香。「い、いえ…読書だけが、趣味でしたので…その、文字の類は…記憶するのが、得意で…」
- 「書いてみて」杏に言われたとおり、羊皮紙に古代文字を書き記していく文香。「うぇ、よ、読めない…未央ちゃんにはさっぱりだよ…」「うーん、きらりもわかんないにぃ」「杏はわかるの?」
- 「…むかーしむかし、それこそ〈百年戦争〉があった時代くらいに使われてた暗号ってのがあんのさ。古代文字に混ぜるやつ」
- 杏が羊皮紙に指をかざし、文香の書いた文をなぞっていくと、単語が一つずつ光り、浮き上がる。杏が指を振ると、文字の形が変わり文を形成する。
- 「『蒼穹に白き光を穿て。我らが女神の名を謳いし時、汝が前に扉は開く。大地ならざる地、神に最も近き場所にて待つ』…なにこれ、どういう意味?」
- 読み上げてきょとんとする未央に、ちょっとめんどうそうに唸る杏。「んぁー…すっごい簡単に言うとこういうことだよ」
- 「〈白の教団〉本部は空にあるから、魔法でもなんでもいいから白い光打って合図しろーって。合言葉は女神の名前だよーってこと」
- 「空ぁ!?」
- 一同驚愕。「空になんて、どうやって行けば…」
- そこで元気よく挙手する未央。「あ、そーだっ!」ぐるんと文香のほうを振り向く。「ねえ!支部で暴れてたドラゴンって、ふーみんの召喚獣なんだよね!?」
- 「…ちょっと。おい。まさか…」顔を引きつらせる杏に、ばっちりウインクの未央。「いい考えじゃん!?いやー私、西の賢者になれちゃうかもねっ!」
- 文香のドラゴンに乗って飛ぼう、という話に。
- 「で、できます、か…?」〈ドラゴン〉の源魂に恐る恐る訊ねる文香。みんなの視線を浴びてやや縮こまっている〈ドラゴン〉だが、同じく恐る恐る頷く。
- 「で、できる、と、思う」「ただ…お、おれ、あまり長く、飛べない」「ひとも、たくさんは、乗せたことがない」「だから…高い、ところ。なるべく、高いところに…行って、ほしい」
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- マップ〈王立図書館〉、〈食堂〉からスタート。
- ワールドマップに出て〈シェラターン山脈〉を目指そう。
- 途中の〈ハマルの村〉には自由に出入りできる。サブイベント・スキット回収を目指すなら立ち寄っておこう。
- ワールドマップに出る敵は前回奏・文香で旅をしたときよりも強くなっているので注意。
- 〈シェラターン山脈・山道〉の東側に立ち入れるようになっている。(西側に行くと〈虹の滝〉に着く。)
- 東側から看板を目印に〈山頂〉方面を目指そう。
- ここから一気に敵が強くなる。地属性の固い敵が多いので、凛やアナスタシアを中心にパーティを組むのがおすすめ。
- 〈山頂〉につくとイベント。
- マップ〈シェラターン山脈・山頂〉。
- 一同、山頂にて立つ。「一度、ここで一晩明かしましょう」文香の魔力を回復させないと、という奏の提案に賛同し野営を組む。
- 夜、見張りに立っている未央のところを訪れるアナスタシア。「見張り、代わります」「え!?や、いいよ!アーニャんはまだ傷痛むでしょ。休んでなよ」「でも…」
- おろおろする未央とアナスタシアで、なんとなく焚火を囲むことに。温かいスープを飲みつつ並んで座る二人。
- 「…アーニャんさ。もしかしてまだ、私たちのこと巻き込んじゃった、って思ってる?」未央の問いに少し目を見開き、ゆっくりと頷くアナスタシア。
- 「アーニャんは優しい子だねぇ」にへ、と笑ってアナスタシアの頭をぽんぽんと叩く未央。「でもさ、違うんだよ。そうじゃ、ないんだよ」
- 「言ったでしょ。私たちみんな、それぞれの理由で戦ってるだけなんだ」「だけどみんな、同じところを目指してる」「同じところに向かって走ってる」
- 「だからさ、どこまでも行けるかもって思うんだ。しまむーとしぶりん、杏ときらりん、はやみんとふーみん。それから、アーニャんも一緒に」
- 「みんなとなら、空だって飛べると思う」「私たちみんな一緒なら、できないことも、行けない場所も全部!ないよ!」
- 「美波さんを、助けようね」「必ず、助けようね。」
- 未央に笑い返すアナスタシア。「…はい。必ず」
- 暗い視界。
- 低い脈動の音が響いている。薄く、ゆっくりと開かれてゆく視界。白い床、白い壁。白一色で塗りつぶされたような広い部屋。
- 目を開ける美波。「……、」ぼうっと顔を上げるが、すぐにはっとして動こうとする。「つ、ッ…!?」
- そこでようやく、自分が高く掲げられた十字架に縛り付けられ、磔にされていることに気づく。
- 「動かないほうがいい」ひたり、と床に触れる裸足の足音。「身体を酷使しすぎた。まだ碌に回復もしていないと思うよ」
- 美波、声の方を見て驚く。「あなた…は…?」
- 輝く銀髪、碧眼、透けるように白い肌。どこかアナスタシアを髣髴とさせる見た目。少女のようにも、少年のようにも見える不思議な雰囲気の人物が立ち、美波のことを見上げている。
- 問いには答えず、彼あるいは彼女は裸足のまま、ゆっくりとした足取りで美波のほうへと寄ってくる。「…泣いているの?」
- 美波、頬に涙が伝っていることに気づく。「どうして、泣いているの?」青く澄んだ、星色の瞳に見つめられ、口を開いてしまう美波。
- 「…酷い、ことを」「とても…酷いことを、してしまいました」「たくさんの人々を、この手にかけて」「いちばん…っ、いちばん、大切な子のことも…私は…!!」
- 「…そうか」
- その時、謎の人物の瞳が強い光を放つ。頭に牡牛の角が、背に黒い翼が生えた人物はふわりと飛び、美波の向かいまで来る。
- 「君は、とても悲しい運命を背負ってしまったんだね」「それで傷ついて、泣いているのか」「…ひどいことだ」「本当に、ひどいことだ」
- まるで自らがひどく傷つけられたかのような顔をする人物。美波の傍まで飛び、顎に伝う涙を拭ってやる。
- 「君の大切なあの子だって、そうだ」「星の力など、持たずに生まれていれば」「〈忌み子〉などと呼ばれることもなく、ただ無邪気に、穏やかに、君と暮らせていけたかもしれないのに」
- 謎の人物が優しく語りかけてくるのに、なぜか涙が止まらない美波。
- 謎の人物は真摯に、美波の涙を拭い続けてくれる。
- 「…〈星の民〉たちは、確かに光であったのかもしれない」「けれど光がある限り、影もまた消えないんだ」「光が強くなればなるほど、影もまた色濃く落ちる」
- 「光あるところには希望が生まれるけれど…影の中には必ず、絶望が渦巻いている」
- 「そんなの…悲しすぎるとは思わないかい?」
- 「だから、美波。」「っ、え…?」青く光る瞳が、美波を見つめる。「僕たちの手で、すべて終わらせよう」
- 「光もなく、闇もない。すべてが等しく混沌に堕ちた世界を」「悲しみも絶望もない、新しい世界を、僕たちの手で作るんだ」
- 「な、…なにを、言って、」白く美しい手が、美波の顎をくっと持ち上げる。青い双眸から逃げられない美波。
- 「美波。女神の愛し子、僕の清らかなる乙女よ」耳元に囁きかけられびくりと肩を震わせるが、逃げられない。
- 「僕は〈アルコル〉」「〈白の教団〉最高司祭にして、かつての〈青の使徒〉…光から生まれた、ひとつの闇だ」
- 「さあ、美波」「僕と君で、終わりを始めよう。」
- 視点が引き、部屋の全貌が明らかになる。
- 祭壇の上部で磔にされている美波、黒い翼を広げ寄り添うアルコル。その背後で大きく脈打ち続けている、なにかの塊。
- どくん、どくん、という低く重い鼓動の音。
- 「でも、もうしばらくだけ、眠っておいで」「僕たちの始まりを、見届けてもらいたい客人が…きっともうすぐ、ここへ来るからね」
- 暗転。
- アナスタシア一行に視点が戻る。〈シェラターン山脈〉山頂、ドラゴンにどうにかこうにか跨っている一行。
- 「準備いい?んじゃ、いくよー」杏、きらりの背中から杖を出し、魔力を込める。「…我らが星の女神、〈ポリコス・アステラス〉の御許へ」白い光を発射。
- 光は雲を抜け、散る。「おっけー」「…行って、下さい」文香にそっと首を撫でられ、ドラゴン、翼を大きく羽ばたいて飛び立つ。
- 揺れ、ふらつき、非常に不安定な飛行。きゃあきゃあ言う羽目になる面々。
- 「ひゃぁ、あわわわ!!落ち、落ちちゃいますっ…!」「卯月!捕まえとくから、あんまり暴れないで!」「あっこらしぶりん、どさくさにまぎれてしまむーのお尻さわさわするんじゃなィタアっ!?」「今それどころじゃないでしょバカ未央!」「上手にスネ狙って蹴り入れたね!?すごいよこの状況で!」
- 「奏!危ない、です。もう少ししっかり、捕まったほうが」「え?あ、いえ、私は…」「奏さん、あの…捕まって、ください」「いえだから、私は…」「奏さん…?危ないです、から…」「…わ、わかったわ」「…奏? あの…どうして、もう少しぎゅっと捕まらない、ですか?」「……。」
- 「ぐぇ…き、きらり潰れる、潰れるから…杏の大事な中身出ちゃいそうだから」「そ、そしたら戻してあげるにぃ!」「怖っ!?…あちょっと待って、見えてきた、見え…ぐぇっ」
- と、なんのかんのやりつつも、空に浮かぶ島を発見する。
- 空に浮かぶ島の上に建設された巨大な大聖堂。
- 「あれが…〈白の教団〉の、本部…!!」不気味なほど美しい建築に息を飲む一行。
- 「…ふ、文香。文香」そこで〈ドラゴン〉から話しかけられる文香。「ごめん。お、おれ、もう、限界」「…え」
- 「ふーみん?どうしたの?」「源魂の状態じゃないから、私たちには聞き取れないのよね…〈ドラゴン〉はなんて?」未央と奏に訊ねられ、おろおろする文香。「え、ええと」「どう、言ったものか…」
- 「その、つまり…端的に申し上げますと…」「…落ちます。」『えっ?』
- 仲良くきょとんとした瞬間、高度を落とし始める〈ドラゴン〉。ふらつきながらも島に向かって堕ちていく。
- 『う、うわぁあああああああっ!!』
- あわや衝突というところでドラゴンが消滅。空に放り出されるところだったが、凛が卯月と未央を、アナスタシアが文香と奏をそれぞれ捕まえてくれる。
- その凛とアナスタシアの背中をひっつかみ、「きらりぃーん…大・救・出〜!!」大聖堂入り口へと放り投げるきらり。
- そして自分も大聖堂の柱につかまり、背中の杏共々なんとか着陸する。
- 「な、なんとか着きましたね…」「卯月、お尻大丈夫?だいぶ強く打ってたけど…」「しぶりんはやっぱりしまむーのお尻が気になるんアイタァっ!!」「…懲りないのね、未央って」「は、はやみんの冷静さが辛い…」
- 「皆様、すみません…」「いえ!文香さんは頑張ってくれました!!ありがとうございます…!!あのっ、〈ドラゴン〉くんにもありがとうって伝えてください!!」「あ、はい…喜びます…」
- 微笑みあう卯月と文香。
- これからの目的地について話す一行。
- 「さて…美波さんを探すって言っても、手掛かりがないよねぇ」
- その時、アナスタシアの瞳がふっと淡い光を放つ。「…こっち、です」「え?」
- 「こっち…呼ばれている、気が、します」
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- マップ〈白の教団・本部〉、〈大聖堂〉からスタート。
- ガイドポイントに従い、アナスタシアの感じている気配の方に向かおう。
- 現時点だと入れないところばかり。ほぼ一直線に向かうほかない。
- 戦闘は発生しないが、セーブはきちんと取っておくこと。
- マップ〈白の教団・本部〉、〈テラス〉につくとイベント。
- 美波を探して本部内を走る一行だが、奏が怪訝な顔をして足を止める。「…変ね。いくらなんでも、静かすぎるわ」「確かに…教団本部なのに、誰もいない…おかしいです」剣を抜いてあたりを警戒しているが、敵の姿がまったく見えず戸惑うアナスタシア。
- 「本部というくらいなのだから、てっきり〈六星〉の連中が守護しているものと思っていたのに…」
- 奏の言葉を聞き返す杏。「〈六星〉?…なにそれ?」
- 「最高司祭〈アルコル〉の最も忠実な部下にして、〈白の教団〉の創設者たちね」「正式には〈南斗六星〉…〈アセラ〉〈ヘカテボルス〉〈ヌンキ〉〈アイナルラミ〉〈ボレアリス〉〈ポリス〉の六人よ」
- 〈ヘカテボルス〉の名に反応する卯月たち。「あの焔使いの男…〈白の教団〉の幹部だったんだ」凛が呟く。
- 「やたら詳しいね、奏」杏の探るような一言には肩を竦めるだけで返す奏。「確かに、各々任務に出ていると考えられるかもしれないけれど…さすがに一人も見かけないのは変よね」
- 「…罠かもしれません、が」アナスタシアが口を開く。「足を止めるつもりは、ありません」
- 一行、アナスタシアの言葉に頷き、再び進軍。
- イベント終了。
- 自由行動開始。
- マップ〈白の教団・本部〉、〈神床〉につくとイベント。
- 扉を開くと、眩いほど白一色の広い部屋。前方中央に祭壇。不気味に脈打つ巨大な塊。その前で十字架に磔にされた、「ミナミっ!!」
- 「待っていたよ」その下で微笑んでいるアルコル。「呼び声に応えてくれて嬉しいな…〈青の使徒〉同士、僕らの間にはある種家族よりも深い絆があるのかもしれないね」「…呪われた、光の宿命という名の絆が。」
- 「ミナミを、返してもらいます…!」レイピアを構え、既に冷気を纏いつつある戦闘態勢のアナスタシア。しかしアルコルは穏やかに微笑んでいる。
- 「美波を返せ、か…そうだね、アナスタシア、確かに君からすれば僕たちは大切な人を奪い去った悪なのかもしれない」
- 「けれど、裏返してみるとどうだろうか?彼女に滅ぼされた街の人々は?彼女に踏みにじられた命は?かれらは、ヴァルキリーの新田美波が救われることを果たして許すだろうか?」
- アルコルの言葉にややたじろぐアナスタシア。
- 「もう一つ裏返してみよう。アナスタシア、君が彼女を教団から奪えばどうなる?彼女に希望を見た民たちの心は?今この瞬間ですら敬虔に祈りを捧げ続ける信者たちにとって、君たちはどう映るだろうか?」
- 「…何が、言いたいの」同じく剣を構えながら鋭く問う凛に、緩やかに笑むアルコル。
- 「この世に絶対的な正義や悪などというものは存在しない。この世の真実はただ一つ…混沌のみ」
- 「愚かなる光の勇者たちよ。僕らは…世界を、あるべき姿に戻そうとしているだけなんだよ」
- アルコルの双眸が目映いほどに青く光る。吹きだす魔力の波動に怯む一行。
- 「…おいで、精霊〈アルコル〉。僕に力を貸して」守護精霊をその身に憑依させるアルコル。牡牛の角と黒い翼が再び顕現する。
- 「ま、待てっ!!」そうして飛び立ち、美波の傍まで行くアルコル。磔にされたまま眠っていた美波の頭に手をのせる。
- 「さあ…目覚めの時だよ、〈イリオス・ソラーレ〉。僕らの希望にして絶望…星喰いの神よ」
- 「―降誕の時だ」
- 背後の塊が一際大きく脈打ち、吹きだした無数の黒い光が美波を覆う。
- 「あ、」「ぅあ」「あ、グっ…!!」悲鳴も上げられずに苦しみ、磔にされたままのたうつ美波。牙と長い爪、身体に走る不気味な文様。悪魔と化していく。
- 「やめろっ!!」アナスタシアが飛び出し氷撃を打ち出すが、アルコルは悠々と避け、地面に降り立つ。
- 「さすがに、神聖なる降誕の儀を邪魔させるわけにはいかないからね」「本当は、君たちを傷つけたくはないのだけれど」「いいよ。僕が、相手をしてあげよう」
- アルコルとのバトル。
- 全属性の魔法を操ってくる、非常に厄介な相手。さらに空を飛んでいるので、こちらの攻撃も届きづらい。
- 頭の角に黒い雷を溜め放たれる攻撃は、バトルフィールド全体に及ぶ上にたいへん痛い。うまく体勢を立て直せるよう策を練っておくこと。
- 非常に固く攻撃も通りづらいが、ここでは体力を半分以下にすると戦闘終了になるので、めげずに頑張ろう。
- アルコルのHPを半分以下まで削るとバトル終了、イベント再会。
- 「きらり、今!」
- 「りょうっ、かぁぁぁぁいっ!!」杏の合図で思いっきりメイスを振り回すきらり。
- アルコル、高く飛んで避ける。「未央!」「ほいさ!」が、凛の組んだ腕をジャンプ台にして飛び上がった未央が背後に。背中に一撃を喰らう。「くっ…!?」
- 「文香!」「はいっ…!」杏と文香、二人の手で二重の魔法陣が展開。アルコルに宿っていた精霊の力(翼と角)に光の鎖が巻き付き、押さえつける。
- 「守護精霊を…なるほど、さすがだね。でも僕の身体は…」「まだ自由…でいてもらっては、困るのよね」奏の呪符が四角形の結界を張り、閉じ込められる。
- 「動かないで、下さい…!」そして卯月に剣を突きつけられ、とうとう両手を挙げるアルコル。「はは…これは、してやられたね」
- 「アーニャちゃんっ、行って!」「美波さんのところへ!」「こっちは…私たちに任せてよっ!」「…はい!!」
- 十字架の方へと駆け寄るアナスタシア。
- 「ぅ、ぁ、…ァァアああアアァあッ!!」耳を劈く美波の悲鳴。赤黒い翼が服を破って背中から生えてくる。
- 「ふふ…どうするのかな?」「星喰いの降誕は止まらないよ」穏やかに微笑みながら言い放つアルコル。
- 「…助けると、決めました」
- アナスタシア、美波を真っ直ぐ見上げる。「必ず助けると…決めました!!」
- アナスタシアの双眸が、ひときわ眩い光を放つ。爆発的な青白い光が、アナスタシアの身体を纏う。
- 「…はは、これはこれは」アルコル、口元を歪めて笑う。「こんなときに、〈青の使徒〉の覚醒か…なるほど」「…さすがはさだめを背負いし者、といったところかな?」
- 光に包まれたアナスタシアの背から、美しい氷の翼が広がる。
- 光る瞳で見据えた美波の元まで、真っ直ぐ飛んでいくアナスタシア。
- 半分悪魔と化している美波、黒い涙の零れる瞳に映るアナスタシアの姿。「あ、…ニャ、ちゃん」「来なイ、で」「キちゃ、ダめ」「ワタしは、あなタ、に」「ひドい、コト」
- アナスタシアは氷の両翼を広げて、ゆっくりと首を振る。
- 「ミナミ」優しく名前を呼んで、美波の両頬に手を当てる。「いっぱい待たせて、ごめんなさい」
- 「あなたを、助けに来ました」美波の額にそっと口付けるアナスタシア。
- 瞬間、光が弾ける。
- 美波の背に生えていた赤黒い翼が消え、アナスタシアの氷の片翼に変わる。
- 邪気はすべて消え去り、美波を磔にしていた十字架が粉々に崩れ去る。
- 翼を分け合ったままゆっくりと降下し、地に降り立つ二人。美波を抱きかかえたまま、ふっと微笑むアナスタシア。
- 「…あーにゃ、ちゃん」「はい!」「…おかえりなさい、ミナミ」
- 頭を摺り寄せて、泣き笑いの二人。
- アナスタシアと美波、二人に生えていた片方ずつの氷の翼が砕け、消え去る。
- 見守っていた一同、歓びの声を上げる。
- 「やっ…たん、ですか?」「…やった」「やったよ!」「やぁったにぃ〜!!」
- その隙をついて拘束から抜け出すアルコル。
- 「…そうか。…そうだね、まだ理解はしてもらえないみたいだ」「でも、いいよ。今は、それで」
- アルコルが手をかざすと、全員の足元に移動魔法陣が展開する。「げ」「もしかして…追い出されようとしてる?」「そうだよ、よくわかったね。賢い人たちだ」
- 「…さて、美波」
- アナスタシアと、抱きかかえられたている美波のほうに向きなおるアルコル。
- 「僕の清らかなる乙女よ。まだもうしばらくは、光の中の時を愉しむといい」
- 「だけど、覚えていて」「…必ず、君を迎えに行くよ。」
- 「ミナミは、渡しません」ぎゅっと美波のことを抱き寄せるアナスタシア。艶然と微笑むだけのアルコル。
- 「それでは…また会おう、光の一族たちよ」
- アルコルの移動魔法が発動、追い出される一行。
- マップ〈シェラターン山脈・山頂〉。
- 「いっ、たたたたた…」「しまむー!!しまむー大丈夫!?主にお尻は大丈夫!?」「…未央、もういい加減殴るじゃなくて切るよ?」「文香、無事?…まったく、散々な空中散歩だったわ…」「まあ、あそこから自力で戻れって言われんのもめんどくさいけどさ」「その時はぁ、きらりがぴょーんってしたげるよ!」「いやいや、よせよせ」
- 地面に放り出され、散々な一行。
- 「で、問題の二人は…っと!!うわ、大丈夫!?」気を失っている美波とアナスタシアの元に駆け寄る未央。
- 「あ、よかった…眠ってるだけみたい」「すごく頑張りましたもんね、二人とも…」「とにかく、ちゃんと休めるような場所に運ばないと」
- 「あなたたち!!」
- アナスタシアと美波を囲んでいた仲間たちの元にかかる声。
- 川島瑞樹が山頂へと姿を現す。状況を見て、悟ったように頷く瑞樹。
- 「…全員、くたくたよね?」「私の家に来なさい。…みんな、少し休んだ方がいいわ」
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