土地に関する用語
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shiromarigon 2024年04月02日(火) 15:57:13履歴
土地に関する用語
筆界（ひつかい、ひっかい）
所有権界（しょゆうけんかい）
占有界（せんゆうかい）
陸地と公有水面の境界（りくちとこうゆうすいめんのきょうかい）
尺貫法（しゃっかんほう）
間竿（けんざお）
間縄（けんなわ）
縄延び（なわのび）
縄縮み（なわちじみ）
地租改正（ちそかいせい）
地押（ぢおし）
丈量（じょうりょう）
地券（ちけん）
沽券（こけん）
地図（ちず）
地図に準ずる図面（ちずにじゅんずるずめん）
土地台帳（とちだいちょう）
公図（こうず）
地積測量図（ちせきそくりょうず）
地番（ちばん）
地積（ちせき）
地目（ちもく）
畦畔（けいはん）
土地所在図（とちしょざいず）
里道敷（りどうじき）
水路敷（すいろじき）
国家基準点（こっかきじゅんてん）
世界測地系（せかいそくちけい）
任意座標系（にんいざひょうけい）
恒久的地物（こうきゅうてきちぶつ）
境界杭（きょうかいぐい）
筆界確認書（ひつかいかくにんしょ、ひっかいかくにんしょ）
境界標が飛ぶ（きょうかいひょうがとぶ）
市街化区域（しがいかくいき）
市街化調整区域（しがいかちょうせいくいき）
農業委員会（のうぎょういいんかい）
換地処分（かんちしょぶん）
仮換地（かりかんち）
机上分筆（きじょうぶんぴつ）
相続土地国庫帰属制度（そうぞくとちこっこきぞくせいど）
- 筆界（ひつかい、ひっかい）
- 所有権界（しょゆうけんかい）
- 占有界（せんゆうかい）
- 陸地と公有水面の境界（りくちとこうゆうすいめんのきょうかい）
- 尺貫法（しゃっかんほう）
- 間竿（けんざお）
- 間縄（けんなわ）
- 縄延び（なわのび）
- 縄縮み（なわちじみ）
- 地租改正（ちそかいせい）
- 地押（ぢおし）
- 丈量（じょうりょう）
- 地券（ちけん）
- 沽券（こけん）
- 地図（ちず）
- 地図に準ずる図面（ちずにじゅんずるずめん）
- 土地台帳（とちだいちょう）
- 公図（こうず）
- 地積測量図（ちせきそくりょうず）
- 地番（ちばん）
- 地積（ちせき）
- 地目（ちもく）
- 畦畔（けいはん）
- 土地所在図（とちしょざいず）
- 里道敷（りどうじき）
- 水路敷（すいろじき）
- 国家基準点（こっかきじゅんてん）
- 世界測地系（せかいそくちけい）
- 任意座標系（にんいざひょうけい）
- 恒久的地物（こうきゅうてきちぶつ）
- 境界杭（きょうかいぐい）
- 筆界確認書（ひつかいかくにんしょ、ひっかいかくにんしょ）
- 境界標が飛ぶ（きょうかいひょうがとぶ）
- 市街化区域（しがいかくいき）
- 市街化調整区域（しがいかちょうせいくいき）
- 農業委員会（のうぎょういいんかい）
- 換地処分（かんちしょぶん）
- 仮換地（かりかんち）
- 机上分筆（きじょうぶんぴつ）
- 相続土地国庫帰属制度（そうぞくとちこっこきぞくせいど）
筆界（ひつかい、ひっかい） 
不動産登記法では、土地の数を数えるときの単位として「筆」が用いられているため、土地と土地との境界を筆界という。筆界はその土地が発生したときに確定した土地の境界を意味し、本来はその土地の所有者の所有権の及ぶ範囲と一致しているものだが、常に両者が一致していると限らないため、所有権の及ぶ範囲は「所有権界」と呼ばれる。筆界と所有権界の相違は土地の境界をめぐるトラブルの原因のひとつである。
筆界は公共的なものであり、たとえ「土地の所有者どうしが筆界とは違う場所で境界（所有権界）の合意をしたとしても、筆界の位置を変更できるものではない」という判例があり、土地所有者の合意による境界線がすぐさま筆界線になるというものではない。
不動産登記法の改正によって、その第123条に「筆界」の定義が法律上初めてなされた。それによると
筆界 表題登記がある一筆の土地（以下単に「一筆の土地」という。）とこれに隣接する他の土地（表題登記がない土地を含む。以下同じ。）との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
と定義されている。しかし、これはあくまでも筆界特定制度における筆界の定義であって、実際には曲線で登記されている道路や宅地があるし、1点だけで接している隣接土地というものが実際にあり、そういった関係にある土地の境界に関する紛争では、この定義は微妙であると言わざるをえない。
筆界は公共的なものであり、たとえ「土地の所有者どうしが筆界とは違う場所で境界（所有権界）の合意をしたとしても、筆界の位置を変更できるものではない」という判例があり、土地所有者の合意による境界線がすぐさま筆界線になるというものではない。
不動産登記法の改正によって、その第123条に「筆界」の定義が法律上初めてなされた。それによると
筆界 表題登記がある一筆の土地（以下単に「一筆の土地」という。）とこれに隣接する他の土地（表題登記がない土地を含む。以下同じ。）との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
と定義されている。しかし、これはあくまでも筆界特定制度における筆界の定義であって、実際には曲線で登記されている道路や宅地があるし、1点だけで接している隣接土地というものが実際にあり、そういった関係にある土地の境界に関する紛争では、この定義は微妙であると言わざるをえない。
所有権界（しょゆうけんかい）
ある土地の所有者とその隣接地所有者の所有権の範囲がぶつかる境を指す言葉。所有権の及ぶ範囲と理解して良い。民法上、所有権は絶対的な権利とされ、処分も自由にできるとされている。また、土地の一部についての所有権移転は意思表示のみで可能であるとされており、隣接地所有者との間の合意によって、所有権界は自由に設定できると考えれらている。ただし、所有権界が変更されても筆界は影響を受けない。
一物一権主義の原則により、一筆の土地の一部だけに独立した所有権を登記する方法はなく、第三者対抗要件である登記を備えるためには、その前提として分筆登記をしなければならない。なので、所有権界と筆界が相違する場合には、所有権界で分筆登記をして所有権移転登記をしないと、相違する部分についての（第三者対抗要件である登記を備えた）完全な所有権を取得することはできないと考えられている。
一物一権主義の原則により、一筆の土地の一部だけに独立した所有権を登記する方法はなく、第三者対抗要件である登記を備えるためには、その前提として分筆登記をしなければならない。なので、所有権界と筆界が相違する場合には、所有権界で分筆登記をして所有権移転登記をしないと、相違する部分についての（第三者対抗要件である登記を備えた）完全な所有権を取得することはできないと考えられている。
占有界（せんゆうかい）
占有するとは「支配する」ということであると考えてよい。権原の有無にかかわらず占有するということはあり得る。典型的な例は賃借したような場合で、賃借人に所有権はないが、占有権がある。土地の場合には、排他的に利用することで占有を取得するとされる。具体的にはブロック塀などの障壁を設けることによって、自分以外は使えないような状態にしてしまうことで、その土地の占有権を取得する。この占有権の及ぶ範囲の境が占有界と言われる。占有界あるところに所有権界あり（推定）、所有権界あるところに筆界あり（推定）、と言われているので、実務では筆界を確認する際には占有の有無というのが非常に重要な判断基準となり得る。また、占有の継続は時効による所有権取得の基礎ともなる。
陸地と公有水面の境界（りくちとこうゆうすいめんのきょうかい）
陸地と公有水面の境界線は、春分・秋分の日における満潮時の陸と海の境とされている。公有水面下の土地は登記することができず、登記されていたとしても滅失の登記をしなければならない。ただし、地殻変動等によって、一時的に水没しているような土地（再度隆起する可能性のある土地）は公有水面下の土地とはならないので、滅失登記の対象にはならない。
尺貫法（しゃっかんほう）
計量法が施行されるまで（1958年12月31日まで（土地と建物の計量については1966年3月31日まで））、日本国内で採用されていた長さと重さの単位のこと。1尺は10/33メートル、1貫は3.75キログラムと規定されていた。計量法の施行によりメートル法が採用され、尺貫法は使えなくなった。それまでは、登記でも尺貫法が採用されており、面積や長さはすべて尺貫法で記載されていた。
面積の単位としては「坪」がいまだに使われているが、1坪とは1間✕1間の正方形の広さを指している。
6尺＝1間（20/11メートル）というように、尺貫法は単純な10進法ではないので、メートルに換算する際には注意が必要。
面積の単位としては「坪」がいまだに使われているが、1坪とは1間✕1間の正方形の広さを指している。
6尺＝1間（20/11メートル）というように、尺貫法は単純な10進法ではないので、メートルに換算する際には注意が必要。
間竿（けんざお）
地租改正作業の際に、土地の大きさを図るために用いられた竹製の竿のこと。1間（約1メートル80センチ）の長さがあったとされるが、地方によってその長さには差があったとされる。実測面積と登記記録上の面積が異なる「縄延び」や「縄縮み」の原因ともなっている。
間縄（けんなわ）
土地の大きさを測るときに用いられた麻縄のこと。間竿よりも長い距離を測るのに用いられたが、引っ張る強さによって距離にかなりの差が生じ、縄延びという言葉のもととなっている。
縄延び（なわのび）
間縄（けんなわ）を使って土地の大きさを測る際に、縄を強く引っ張って伸びた状態で距離を測った結果、実際の長さよりも短いように図面が描かれ、その結果として土地の面積が実測面積よりも小さく登記されている状態を言う。間竿を使った場合にも、間竿そのものに誤差があり、長めの間竿を用いた場合には縄延び現象が見られる。なお、間竿での縄延びについては、地域で一定の割合で面積が増加する傾向があり、土地の境界を特定する際の参考にされる場合もある。
縄縮み（なわちじみ）
縄延びの逆で、間縄（けんなわ）をたるませた状態で距離を測ったために、実際の土地の面積よりも登記上の面積のほうが大きい場合を指す。より多くの地租を取るために、意図的に実際の面積よりも大きくなるように測量した場合もあったといわれる。また、傾斜地の場合には、水平距離を正確に測ることができなかったために、縄縮みが起こる傾向にあったとされる。
地租改正（ちそかいせい）
明治6年（1873年）から明治13年（1880年）までの7年間にわたる租税大改革事業。
それまでは物納（農産物、主として年貢米を納めさせる方法）であった地租（土地に対する税金）を金納（土地の広さや条件に応じて一定の割合で金銭を収めさる方法）に変更するのが目的で行われた。
明治政府としては、農産物では物価の変動リスクが大きく、しかも換金に要する経費も少なくなかったので、財源を安定させるためにも物納を金納にすることによって、そのリスクや経費負担を農民たちに転嫁したかったのである。
その上、当時政府は財政難であったために、国費をなるべく使わずにこの大事業を行うために、外形的には自己申告という形を取って、農民たちに測量や作図を行わせるなど、事業の経費負担すらも国民に押し付けた。
このときに作製された字限図（あざぎりず、あざかぎりず）が、現在の地図に準ずる図面（不動産登記法第14条第4項の図面）の元になっている。
それまでは物納（農産物、主として年貢米を納めさせる方法）であった地租（土地に対する税金）を金納（土地の広さや条件に応じて一定の割合で金銭を収めさる方法）に変更するのが目的で行われた。
明治政府としては、農産物では物価の変動リスクが大きく、しかも換金に要する経費も少なくなかったので、財源を安定させるためにも物納を金納にすることによって、そのリスクや経費負担を農民たちに転嫁したかったのである。
その上、当時政府は財政難であったために、国費をなるべく使わずにこの大事業を行うために、外形的には自己申告という形を取って、農民たちに測量や作図を行わせるなど、事業の経費負担すらも国民に押し付けた。
このときに作製された字限図（あざぎりず、あざかぎりず）が、現在の地図に準ずる図面（不動産登記法第14条第4項の図面）の元になっている。
地押（ぢおし）
地租改正事業等において、脱落地が出ないように順番に土地の境界等の状況を確認していく作業のこと。現地実況見分作業。
丈量（じょうりょう）
土地の面積を測って計算すること。面積を計算するために作られた図面は、今でも「丈量図」と呼ばれることがある。
地券（ちけん）
明治初期に土地の所有権を示すために明治政府が発行した証券で、所有権者であることを称するために発行された。取引の際にも、この地券をやりとりすることで所有権の移転を公示した。複数の種類の地券が発行された。壬申地券、改正地券などが有名であり、年代によってその名称が異なるが機能的にはほぼ同じと考えて良い。地券の現物は現在も多く残っており、歴史的な資料としてオークションなどで取引されることもある。
沽券（こけん）
「估券」とも書き、売券、沽却状ともいい、文書の形式から、避文 （さりぶみ＝平安〜室町時代に用いられた古文書の一つで、自己の権利を放棄することを証明する文書のこと。本文中に、「避渡す（さりわたす）」とか「去申す（さりもうす）」などの言葉を記して、権利の放棄を表示することが多い。） 、去状（さりじょう）ともいう。土地、家屋、そのほか諸権利を売却するとき、売主の発行する証文。令制では、土地売買のとき、売主が沽券を出すのではなく、その地の下級支配者である郷長などが、上級の官司 （国郡司） に解文 （げぶみ） を提出して許可をとった。
（ブリタニカ国際大百科事典より）
江戸時代ころから「売値」を示す言葉となり、そこから「人の値打ち」や「人の品格」を示す言葉になり、「沽券に関わる」とは「メンツに関わる」という意味で使われるようになっていった。
（ブリタニカ国際大百科事典より）
江戸時代ころから「売値」を示す言葉となり、そこから「人の値打ち」や「人の品格」を示す言葉になり、「沽券に関わる」とは「メンツに関わる」という意味で使われるようになっていった。
地図（ちず）
不動産登記法第14条第1項に規定されている、土地の境界線（筆界）を描いた図面のこと。土地家屋調査士の講義では「地図」という言葉が頻繁に用いられるが、それらはことごとく「法第14条地図」のことである。道路地図などではないので、その点だけは誤解のないようにしていただきたい。蛇足ながら、平成17年に不動産登記法が大改正される以前は第17条に規定されていたので「法第17条地図」と呼ばれていた。
土地の境界の重要性を理解していても予算との関係で、法第14条地図の整備は進んでいない。特に大都市（DID地区と呼ばれている）では整備が遅れており、都市再開発など土地の高度利用の足かせとなるなど、経済的な問題も大きく早急な整備が望まれている。
不動産登記法第14条（地図等）
参考までに、法第14条第1項に規定されている建物所在図はほとんど存在しないが、無いわけではない。
土地の境界の重要性を理解していても予算との関係で、法第14条地図の整備は進んでいない。特に大都市（DID地区と呼ばれている）では整備が遅れており、都市再開発など土地の高度利用の足かせとなるなど、経済的な問題も大きく早急な整備が望まれている。
不動産登記法第14条（地図等）
- 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。
- 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。
- 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。
- 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。
- 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。
- 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。
参考までに、法第14条第1項に規定されている建物所在図はほとんど存在しないが、無いわけではない。
地図に準ずる図面（ちずにじゅんずるずめん）
不動産登記法第14条4項に規定される図面。ほとんどが明治時代の地租改正時に作成された図面（改租図・更正図と呼ばれるもの）が元になっており、正直なところ精度があまり良くない。法14条1項地図に比べると辺長や面積という点では全面的に信用することはできないとされるが、土地と土地の位置関係や土地の大まかな形状についてはある程度は信用ができるとされている。公図とも呼ばれることがある
土地台帳（とちだいちょう）
地租徴収のために作成された台帳。土地の面積や種別、納税義務者が記録された。後に一元化作業で登記簿の表題部となった。
公図（こうず）
地図に準ずる図面と同義。
地積測量図（ちせきそくりょうず）
土地の境界を明らかにし、面積の計算方法が記載されている図面。地積測量図の作成方法については、細かな規定が定められているが、その規定は時代に応じて随時見直されているので、地積測量図も規定の改正に応じてその内容にはかなりの差がある。
地積測量図は、主に土地の表題登記申請、地積更正登記申請、分筆登記申請の際に提出が求められる。地積測量図の提出が義務化されたのは、一元化作業完了後からであり、法務局によってもその年代は異なるが、おおよそ昭和40年前後であるために、地積測量図が備え付けられていない土地というものも現実にはたくさん存在する。
地積測量図は、主に土地の表題登記申請、地積更正登記申請、分筆登記申請の際に提出が求められる。地積測量図の提出が義務化されたのは、一元化作業完了後からであり、法務局によってもその年代は異なるが、おおよそ昭和40年前後であるために、地積測量図が備え付けられていない土地というものも現実にはたくさん存在する。
地番（ちばん）
土地ごとに付けられる番号。明治時代の地租改正時に地押調査（ぢおしちょうさ）が行われた順番に付けられた番号、またはその土地が誕生したときに付けられた土地固有の番号。一度も分筆登記がされていない土地は「本番地」と呼ばれ、例えば「234番」のような番号が付けられている。新たに地番をつける行為は登記官の専権事項であるため、たとえ希望する地番があっても、原則としてそれをリクエストすることはできない。
分筆登記が行われると、新たな本番地が作られるのではなく「枝番号」が分筆の順番に付けられる。その結果例えば「234番5」のような地番となる。ちなみに「234番」の土地が初めて分筆されると、［234番」と「234番1」になるのではなく、「234番1」と「234番2」になる。
合筆登記が行われる際には、原則として、一番若い（少ない）地番が生き残る。例えば「22番234」と「23番」の土地を合筆した場合には、合筆登記後の地番は原則として「22番234」となる。もちろん、何らかの理由があれば、合筆登記後の地番を「23番」とすることも可能であるが、それなりの「理由」を登記官に示す必要がある。
分筆登記が行われると、新たな本番地が作られるのではなく「枝番号」が分筆の順番に付けられる。その結果例えば「234番5」のような地番となる。ちなみに「234番」の土地が初めて分筆されると、［234番」と「234番1」になるのではなく、「234番1」と「234番2」になる。
合筆登記が行われる際には、原則として、一番若い（少ない）地番が生き残る。例えば「22番234」と「23番」の土地を合筆した場合には、合筆登記後の地番は原則として「22番234」となる。もちろん、何らかの理由があれば、合筆登記後の地番を「23番」とすることも可能であるが、それなりの「理由」を登記官に示す必要がある。
地積（ちせき）
土地の面積のこと。「地籍」という言葉もあるが、それとは全く意味が異なる。
地目（ちもく）
土地の利用状況を表現するためのもの。住宅用の土地であれば「宅地」、田んぼであれば「田」というように、利用状況を明らかにするために登記される。地目は現況が優先され、現況が変更されていないと変更の登記ができない。例えば、宅地に地目変更をするためには、現に住宅の敷地として利用されていることが必要で、単に住宅を建てる前提として更地になっているという状態では、地目変更が認められないこともある。なお、登記記録上の地目が田や畑といった農地である場合には、強行法である農地法の制限を受けるために、たとえ実際に現地が宅地に変更されていても地目変更登記ができない場合もある。
不動産の表示に関する登記手続においては、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼（ちしょう）、山林、牧場、原野、墓地、境内地（けいだいち）、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤（つつみ）、井溝（せいこう）、保安林、公衆用道路、公園、鉄道用地、学校用地、雑種地に分類される。このうち雑種地はその他のいずれの分類にも該当しない土地の地目とされる。
不動産の表示に関する登記手続においては、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼（ちしょう）、山林、牧場、原野、墓地、境内地（けいだいち）、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤（つつみ）、井溝（せいこう）、保安林、公衆用道路、公園、鉄道用地、学校用地、雑種地に分類される。このうち雑種地はその他のいずれの分類にも該当しない土地の地目とされる。
畦畔（けいはん）
土地の利用上の区分の一つ。一般的には、田畑の境にある田畑より一段高くなった土地を意味し、あぜ・くろ等と呼ばれることもある。畦畔には公有地と民有地があり、公図上地番の記載のないものは公有地であり、財務省所管の普通財産または地方自治体の所有財産に該当する。
土地所在図（とちしょざいず）
土地の位置関係と形状を明確にするために作成される図面。土地の表題登記の際に添付が義務付けられている
里道敷（りどうじき）
地図上の表記に関する俗称の一つ。昔の道路や畦で、地租改正時に地番が付されず国有地となった部分を指す。図面上、赤く着色されていたので「赤道（あかみち）」と呼ばれる場合もある。必ずしも道路のような形状が現地にあるとは限らない。かつては国有地とされていたが、平成14年以降は法改正によって国から地方公共団体に所有権が移転された。しかしながら、地方自治体によっては財産管理をするための予算がなく、不法に占有されていても放置されているケースが散見される。
水路敷（すいろじき）
公共の用に供されている普通河川、小河川や水路、ため池などであって、河川法、下水道法などの法令で管理が規定されている一級河川、二級河川、準用河川および雨水管渠以外のものを言う。主として用悪水路のようなものと理解すれば良い。昔は図面（字限図）上で青色に着色されていたので、「青線（あおせん）、青道（あおみち、あおどう）、青地（あおち）」などと呼ばれることもある。
国家基準点（こっかきじゅんてん）
国土の測量をするために設置された測量の基準となる点。通常は測量士によって設置される。不動産登記法第14条1項地図作製などのために設置されることがある登記基準点は、土地家屋調査士が設置するもので、国家基準点に準ずる基準点とされる。
世界測地系（せかいそくちけい）
世界測地系とは日本国内の法令上名称と通用名であり、測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の施行により2002年4月1日から、日本測地系2000と呼ぶ測地系を用いているたが、東北大震災の影響によって原点座標を変更せざる得なくなり2011年に変更した。そのため、現在は日本測地系2011となっている。
参考：アメリカにはアメリカの「世界測地系」がある。
定義は以下のとおり
なぜこのような「座標系」の定義が重要になるかというと、何を原点とするかによって座標は相対的に定義されるものだからである。例えば、太陽の中心を3次元空間の原点と定義した場合、地球上の一点を示す座標値はどのように定義されるだろうか？太陽を周回する地球の公転に地球自身の自転が加わって想像もできないような複雑な座標値になるはずである。しかも、刻々とその値は変化し続ける。だが、それでは地球上で生活する我々にとって不都合きわまりない。そこで、地球上で生活する今の我々にとって（グローバル社会を前提とする時代背景も考慮すれば）何が一番都合良いのか？を検討した結果として導き出された結論が、地球重力を中心とした擬似モデル形状と、地球の自転軸とある特定の地点（赤道及びグリニッジ通過線）を0とした経緯度のモデルだったのである。
測量法の改正以前は日本だけに通用する日本測地系（旧日本測地系という）が用いられており、地積測量図の中には旧日本測地系で測量された成果が記載されているものもある。旧日本測地系と現在の世界測地系では座標値にかなりのズレが有る。
日本測地系2000の基礎となった成果は測地成果2000であるが、東北地方の大地震による地盤移動の結果、大幅な改定が行われ、現在では測地成果2011が用いられている。
測量基準点は世界測地系に基づく測量成果が公開されており、地積測量図も原則としてこれら世界測地系の成果を持つ測量基準点を使用して作成することが求められている。
世界測地系移行に関するＱ＆Ａ
参考：アメリカにはアメリカの「世界測地系」がある。
定義は以下のとおり
- 全地球的測地系の範疇に属する測地系（各国の測地系と互換性がある）
- 準拠楕円体はGRS80楕円体（人工衛星軌道からの逆算により求めた、地球の重力を中心とした地球の形状モデル）
- 測地座標系はITRF 94座標系（イギリスのグリニッジを子午線とする座標系）
- 基準ジオイド面「日本のジオイド2000」は東京湾平均海面に一致
なぜこのような「座標系」の定義が重要になるかというと、何を原点とするかによって座標は相対的に定義されるものだからである。例えば、太陽の中心を3次元空間の原点と定義した場合、地球上の一点を示す座標値はどのように定義されるだろうか？太陽を周回する地球の公転に地球自身の自転が加わって想像もできないような複雑な座標値になるはずである。しかも、刻々とその値は変化し続ける。だが、それでは地球上で生活する我々にとって不都合きわまりない。そこで、地球上で生活する今の我々にとって（グローバル社会を前提とする時代背景も考慮すれば）何が一番都合良いのか？を検討した結果として導き出された結論が、地球重力を中心とした擬似モデル形状と、地球の自転軸とある特定の地点（赤道及びグリニッジ通過線）を0とした経緯度のモデルだったのである。
測量法の改正以前は日本だけに通用する日本測地系（旧日本測地系という）が用いられており、地積測量図の中には旧日本測地系で測量された成果が記載されているものもある。旧日本測地系と現在の世界測地系では座標値にかなりのズレが有る。
日本測地系2000の基礎となった成果は測地成果2000であるが、東北地方の大地震による地盤移動の結果、大幅な改定が行われ、現在では測地成果2011が用いられている。
測量基準点は世界測地系に基づく測量成果が公開されており、地積測量図も原則としてこれら世界測地系の成果を持つ測量基準点を使用して作成することが求められている。
世界測地系移行に関するＱ＆Ａ
任意座標系（にんいざひょうけい）
世界測地系以外の座標系を任意座標系と呼ぶ。
世界測地系での図面作成が原則となっていなかった時代には、測量基準点を測量せずに、現地に任意の座標系を作り出し、地積測量図等を作成していた。図面に「世界測地系」である旨の記載がないものの多くは任意座標系で作成された図面である。
任意座標系による地積測量図は、現地復元性に問題があると言われることがあるが、多くの地積測量図には復元を想定して「引照点（いんしょうてん）」というものも描かれており、決して現地復元性の劣るものではない。
世界測地系での図面作成が原則となっている今でも、場所によっては測量成果が公開されている基準点が近傍になく、世界測地系を用いた測量ができない場合もあり、その場合には任意の座標系を使って測量を行い、その成果を使って地積測量図を作成することもある。
世界測地系での図面作成が原則となっていなかった時代には、測量基準点を測量せずに、現地に任意の座標系を作り出し、地積測量図等を作成していた。図面に「世界測地系」である旨の記載がないものの多くは任意座標系で作成された図面である。
任意座標系による地積測量図は、現地復元性に問題があると言われることがあるが、多くの地積測量図には復元を想定して「引照点（いんしょうてん）」というものも描かれており、決して現地復元性の劣るものではない。
世界測地系での図面作成が原則となっている今でも、場所によっては測量成果が公開されている基準点が近傍になく、世界測地系を用いた測量ができない場合もあり、その場合には任意の座標系を使って測量を行い、その成果を使って地積測量図を作成することもある。
恒久的地物（こうきゅうてきちぶつ）
境界標が亡失した時に備えて境界位置を復元するためにあらかじめ測量しておく強固な構築物等のこと。
登記事務等取扱基準によると以下のように定義されている。
恒久的地物 おおむね100メートル以内に存在し、土地の筆界を現地において特定する場合の基礎となることができると認められるものであって、次に掲げるものをいう
実務上は、これらの恒久的地物を境界復元のための資料とするために、その座標値を測量図等に記載することが求められている。境界復元資料とされた恒久的地物のことを引照点（いんしょうてん）ともいう。
登記事務等取扱基準によると以下のように定義されている。
恒久的地物 おおむね100メートル以内に存在し、土地の筆界を現地において特定する場合の基礎となることができると認められるものであって、次に掲げるものをいう
- 申請に係る土地以外の土地に存在する境界標
- 次のような構造物のうち、その材質が鉄、石又はコンクリートのように賢固にして設置状態に永続性があり、かつ、基準とする点の位置を確認することができるもの
鉄塔、鉄道用鉄塔、橋梁、トンネル又は地下道の出入口、マンホール、防波堤、水門、ビルディング、石段、記念碑、給水塔、石油タンク及びガスタンク
実務上は、これらの恒久的地物を境界復元のための資料とするために、その座標値を測量図等に記載することが求められている。境界復元資料とされた恒久的地物のことを引照点（いんしょうてん）ともいう。
境界杭（きょうかいぐい）
土地の境界点に設置されている目印（境界標識）の総称。実際には金属板などである場合も「杭（くい）」と表現する土地家屋調査士が多い。一般の人が「杭」と聞けば、牧場などの柵に使われているような丸太の杭を想像するかもしれないが、土地家屋調査士が「杭」といえば、100%境界標識のことである。授業の中で度々使われる用語であるので、誤解のないように。
筆界確認書（ひつかいかくにんしょ、ひっかいかくにんしょ）
隣接する土地の所有者同士が、主として、�―衢�する土地の境界について両当事者の認識が一致していること、��土地の境界については当事者間に争いがないこと、の2点について確認するために作成する書類。
通常は全く同じものを2通作成し、両土地の所有者が両方に署名・捺印をして、お互いが1通づつを保有する。
慣習として近畿地方では筆界確認書に実印（じついん＝市区町村役場に届け出ている印鑑）で押印をお願いし、印鑑証明書を添付することが多い。これは、印鑑証明書が本人以外には取得できない性質ものであることから、本人の意思確認という意味合いが強い。なお、印鑑登録をしていない人もいることから、認印（みとめいん）での捺印や印鑑証明書の添付がなくても、筆界確認書の効力にさして差はないと考えられる。
また、筆界確認書に実印での押印や印鑑証明書の添付を求めるのは、近畿地方独特の慣習であって、全国的にこのような筆界確認書の作成が慣習化されているわけではない。また、登記申請の側面でも、筆界確認書が添付されているからといって、それが登記官によって直ちに筆界と認定されるわけではなく、あくまでも「筆界に関する重要な参考資料」という位置づけにとどまる。
筆界は公法上のものであって、当事者（私人）間の合意でその位置を変更することはできない。であるから、本来の筆界とは明らかに違う別の場所で境界を確認した結果として作成された「筆界確認書」は、あくまでも所有権界に関する両当事者の認識を証するもの、と登記官に判断され、当該土地に関する登記申請は却下されることとなる。
さらに、筆界確認書は第三者に対する効力（対世効）が一般的にはないとされ、署名・捺印をした当事者間に限りに有効であるとされるが、所有者が変わった場合には、筆界確認書の記載内容を新所有者に引き継ぐなどすることによって、無用な境界争いを避ける事ができると考えられる。
通常は全く同じものを2通作成し、両土地の所有者が両方に署名・捺印をして、お互いが1通づつを保有する。
慣習として近畿地方では筆界確認書に実印（じついん＝市区町村役場に届け出ている印鑑）で押印をお願いし、印鑑証明書を添付することが多い。これは、印鑑証明書が本人以外には取得できない性質ものであることから、本人の意思確認という意味合いが強い。なお、印鑑登録をしていない人もいることから、認印（みとめいん）での捺印や印鑑証明書の添付がなくても、筆界確認書の効力にさして差はないと考えられる。
また、筆界確認書に実印での押印や印鑑証明書の添付を求めるのは、近畿地方独特の慣習であって、全国的にこのような筆界確認書の作成が慣習化されているわけではない。また、登記申請の側面でも、筆界確認書が添付されているからといって、それが登記官によって直ちに筆界と認定されるわけではなく、あくまでも「筆界に関する重要な参考資料」という位置づけにとどまる。
筆界は公法上のものであって、当事者（私人）間の合意でその位置を変更することはできない。であるから、本来の筆界とは明らかに違う別の場所で境界を確認した結果として作成された「筆界確認書」は、あくまでも所有権界に関する両当事者の認識を証するもの、と登記官に判断され、当該土地に関する登記申請は却下されることとなる。
さらに、筆界確認書は第三者に対する効力（対世効）が一般的にはないとされ、署名・捺印をした当事者間に限りに有効であるとされるが、所有者が変わった場合には、筆界確認書の記載内容を新所有者に引き継ぐなどすることによって、無用な境界争いを避ける事ができると考えられる。
境界標が飛ぶ（きょうかいひょうがとぶ）
境界標識が工事等によって物理的に撤去されてしまうことを意味する土地家屋調査士業界用語。実際に境界標識に羽が生えて飛んで行くわけではない。例）昨日、外構工事で境界杭が飛ばされた。（＝昨日の外構工事の際に境界を示す杭が撤去されてしまった）
市街化区域（しがいかくいき）
都市計画法上、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定義されている。（都市計画法第7条第2項）
市街化区域には、少なくとも用途地域が定められ、土地利用の内容が規制（利用目的に応じて建築可能な建物が制限）される。また、補助的地域地区を定めて地域の特色に合わせた制限をかけるのである。これらの規制によって、良好な都市環境の市街地の形成を目指すのである。
市街化区域には、少なくとも用途地域が定められ、土地利用の内容が規制（利用目的に応じて建築可能な建物が制限）される。また、補助的地域地区を定めて地域の特色に合わせた制限をかけるのである。これらの規制によって、良好な都市環境の市街地の形成を目指すのである。
市街化調整区域（しがいかちょうせいくいき）
都市計画区域に定める区域の一つ。「調整」とは名ばかりで、市街化区域とは真逆で実際には市街化を「抑制」すべきとされる区域。市街化調整区域では、宅地造成などの開発行為は一定のものを除いて許可されず、原則として用途地域は定められない。このような区域では住宅を新築することすらも制限されることがある。
農業委員会（のうぎょういいんかい）
農業に関する法定機関の一つ。地方自治法では、執行機関として市町村におかなければならない委員会の一つとして規定されており、農業委員会等に関する法律の規定に基づき組織される。農業委員会が執行する事務としては、自作農の創設・維持、農地等の利用関係の調整、農地の交換分合（ぶんごう）等がある。表示に関する登記に関係する部分では、農地法第3条から第5条に規定する農地転用許可申請の窓口となるところ。
換地処分（かんちしょぶん）
都市再開発事業や土地区画整理事業の最終段階で行われる処分。換地処分によって従前の土地の権利義務が全て換地上に付け替えられる。換地処分によって、従前の筆界は破棄され、整理された筆界が新たに創設されることになる。換地処分によって創設された筆界は、その土地が最初にできたときに発生した筆界（原始筆界）と区別するために、「後発的原始筆界」と呼ばれることがある。
仮換地（かりかんち）
土地区画整理事業で定める土地の種類の一つ。土地区画整理事業の施行者が、換地（かんち）処分の前に必要がある場合に、施行地区内の従前の宅地について指定する仮に換地となるべき宅地。仮換地の状態では、既に現地は換地寸前の整理された状況にあり、従前の土地の形状が現地にはない場合がほとんどである。しかし、例えば換地後の土地を分筆する必要がある場合などには、現地には既にない従前の土地を机上計算で分筆したことにして登記の申請を行い、それを仮換地上に反映させるという、綱渡り的なテクニックが用いられる。
机上分筆（きじょうぶんぴつ）
現地を測量せずに、既存の図面などを使って、机上の計算だけで地積測量図を作成し、分筆登記申請を行うことを指す。高度経済成長期のころには、机上分筆が繰り返し行われたために、地図が混乱するなどの負の遺産を残した。現在は、禁止されており、机上分筆は仮換地の分筆など、事実上そうするしか仕方がないという場合以外には認められない。机上分筆であるにもかかわらず、あたかも現地を調査・測量したかのような調査報告情報を作成・添付して登記の申請をした場合には、「虚偽の調査報告」として重い懲戒処分がくだされることになる。
相続土地国庫帰属制度（そうぞくとちこっこきぞくせいど）
土地を相続した自然人に限り、相続した土地の所有権を国庫に帰属させることができるという制度。いくつかの要件があり、その要件を満たさない土地については対象外。令和５年４月２７日から施行された。
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