【基本理論】「家族」よりも、「相性の良い他人」

認知症の高齢者を抱えている家族は、
「うまく本人とコミュニケーションができないのは、
自分達が悪いからではないか」と悩むことが多いです。

しかし、一般に認知症の高齢者は、一番接する時間の多い
家族に対して、問題行動を起こしやすいといえます。

関係が親密であったからこそ、それが逆に仇となって、
様々なコミュニケーション上の問題が起こる引き金になる。

ここで重要なことは、人間関係が
(悪い意味で)近すぎる「家族」だけで
全てのコミュニケーション問題を解決しようとせず、
人間関係が(いい意味で)遠い、
「他人」を上手く活用することです。

介護の世界では、「受容より相性」という原則があります。

自分と性格の合わない相手を無理に受け入れようと
四苦八苦するのは、自分にとっても相手にとっても
不幸なことです。

相性が合わないな、と感じたら、自分以外で
相性の合う他の誰かと変わってもらえばいいだけのことです。

認知症高齢者の介護を、家族以外の会社やNPOに
依頼するのと同様、
認知症高齢者とのコミュニケーションにも
「外注」という概念を持ち込めば、
本人及び家族の精神的負担は、グッと軽くなるはずです。


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2007年03月21日(水) 16:14:17 Modified by ID:xNTPHfa01Q




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