【成功事例・施設編】認知症のパトロール隊

(出典:月刊総合ケア2007年3月号)

『一人で歩けば徘徊、みんなで歩けば地域防犯隊』

三重県桑名市にあるグループホーム「ひかりの里」では、
認知症高齢者が散歩のついでに防犯活動を行う
「認知症のパトロール隊」が結成され、犯罪件数の減少に
効果を挙げている。

桑名市の大山田団地では、近年空き巣や車上荒らしなどの
犯罪が急増してきた。

自治会では、こうした治安の悪化に対処するため、
有志による防犯パトロールボランティアが募集されたが、
一般住民からの応募は無かった。

そうした事態を鑑み、自立共生会のグループホーム
「ひかりの里」の入居者が、散歩のついでに
自治会の腕章をつけ、地域の防犯パトロールを
することを申し出た。


【防犯パトロールの成果】

●1.犯罪件数の激減

桑名警察署及び地元の大山田交番によると、
防犯パトロール開始以後、空き巣や車上荒らしの
犯罪件数が激減したという。

●2.認知症高齢者に対する、地元の理解が得られる

グループホーム建設時には、地域住民から
「排除すべき存在」としていわれることもあった
認知症高齢者だが、パトロールを実施するようになってからは、
地域住民から「ごくろうさん」と声をかけられるようになった。

この防犯パトロールは、認知症高齢者の尊厳を守るだけでなく、
自らの生存権を守る権利擁護活動である、とも言える。

●3.参加者の健康、生きがい作りになる

地域の治安を守りながら、かつ認知症高齢者に「社会的役割」を
与えることができる防犯パトロールは、まさに一石二鳥の効果がある。


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2007年03月12日(月) 15:45:02 Modified by e0874




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