飛行船通信MLの主催者(few01)が気になった事を記録するWIKI

牛乳は身体に悪い、という人がいる。本当かなと思って、2冊本を読んで見た。本当なら由々しきことだ。子供の頃からがぶがぶ牛乳を飲んできたし、子供にも牛乳を普通に飲ませている。たぶん学校でも牛乳を飲ませているだろう。

ま、でも牛乳を飲んで死んだ、という人は、聞いたことがないから、毒というほどではないのだろう。しかし気になる。

その一冊目が、真弓さんというお医者さんが書いたこの本だ。薄い小冊子で、あっという間に読める。もしかしたら立ち読みでもいいかも。

色々おもしろいことが書かれている。牛乳に関して要約すると以下のようになる。
  • 牛乳はカロリーが高いが、カルシウムの含有量は、それに比して多くない
  • 牛乳はカロリーが高いが、鉄分の含有量が極めて少ない
  • 牛乳を飲むと高カロリーになるので、カルシウムや鉄分を多く含有している他の食品を取る量が少なくなる
  • その結果、カルシウム不足や鉄分不足になる
  • 牛乳は液体なので、噛まずに身体に入れることができる
  • だから噛む習慣がつかなくなった原因の一つは牛乳である
  • 噛む習慣がなくなると、眼が悪くなる
  • 牛乳を飲むことと、肉食が合わさると、身体が大きくなる
  • 日本人の身長・体重は戦後50年で急激に伸びた
  • 肝臓や心臓など内臓が身体の伸びに追いついていないので、内臓の病気になりがちである

少なくとも上記の主張を読む限りは、根拠の薄弱な仮定も色々あるので少し眉に唾をつけながら読むとして、たくさん牛乳を飲むのは止めて、色々な食品を摂取するようにしたが良さそうだ。

と、そう考えると、まぁ普通の結論ではある。

ところで、この本ともう一冊の方でも強調されていることとして、
  • 牛乳をたくさん飲むという習慣は、人工的に作られたものだ
というのは間違いないだろう。昔は飲んでいなかった。

無理矢理、人工的に偏った食生活に移行したのだから、身体に良いわけがない。その程度の認識でよいのではないかな、と思った。


さて、少し批判的なことも書いておくか。

この本は「議論のウソ」という本で指摘されるような、典型的なウソっぽい本になってしまっている。
  • お医者さん(専門家)が書いている
  • あらかじめ結論があり、それに向って論を進めてゆく
  • 論理展開が難しいところは一般論で感情に訴える形で進める
  • 類推を多用している(類推は危険)

わかりやすく納得できやすい論なので、腑に落ちやすいが、根拠はかなり薄弱だ。ただ、例えば「牛乳は身体に良い」という主張にも根拠は薄弱だ。同じ薄弱な根拠のもとで、取捨選択をしなければならないのが、私たちのおかれている状況だ。そのためには、他人に頼るのではなくて、最後は自分で決断して、後悔しない、という態度が求められる。

専門家だからといって信用できるとは限らないのだから。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

このWIKI内で検索

編集にはIDが必要です