飛行船通信MLの主催者(few01)が気になった事を記録するWIKI

さて「牛乳は身体に悪いのか」を調べるために読んだ二冊目だ。こっちは読み応えがあり、少し専門的に書かれている。それでも学術書ではなく、一般書籍なので記述は平易で、読みやすい。

この本の主張は明快だ。
  • 日本人の食生活は戦後、大した根拠もなく急激に変化した
  • それが原因でたくさんの問題がおきている
  • 日本の伝統食に戻ろう

これに反対する人は多くないのではないかな。

人間の基本は、デンプンを分解し身体に取り込むのが得意な生物、ということらしい。乳製品や肉類は穀物生産が難しいヨーロッパで仕方なしに発達した食品、というのが著者の主張である。

さて、まぁこの本の主張はおいといて、牛乳ですよ、牛乳。自然にかえる子育ての論からすると、専門的な書き方がされている。こちらも要約する。
  1. 乳には「乳糖」が含まれている
  2. 乳糖はラクターゼという酵素によって、グルコースとガラクトースに分解される
  3. ラクターゼは、アジア人、アフリカ人は乳児期のみ身体に分泌される
  4. ヨーロッパ人は、離乳期を過ぎてもラクターゼを分泌しつづける
  5. ラクターゼの無い人が、乳を摂取すると、乳に含まれているカルシウムが吸収できないだけでなく、他の食物から摂取したカルシウムも含めて、カルシウムの排出が促進される。
  6. つまり多くの日本人にとって、牛乳を飲むとカルシウム不足になる

5は牛乳反対派の人が必ず引用する報告です。

さてヨーグルトやチーズはどうなのか、についても書かれています。
  • ヨーグルトやチーズは乳糖がすでにグルコースとガラクトースに分解済みの食品だ
  • グルコースはエネルギー源として重要な役割を果たす
  • ガラクトースはガラクトキナーゼなどの酵素が働いてグルコースに分解されて初めて利用可能となる
  • ガラクトキナーゼの分泌も、ラクターゼと同じく、アジア人は離乳期を過ぎると無くなる
  • ガラクトキナーゼを摂取しつづけると、白内障になる危険がある
  • 若いときからヨーグルトを与えられたラットでは2〜3ヶ月で白内障になり、大人になってから与えられたラットでは4〜6ヶ月で白内障になることが確認されている

こっちも、あんまり多量に取らないほうが良さそうだな。

さて、上記の論が典型的な牛乳反対派の意見なのだが、これを新潮45が記事にした時に、農水省から抗議文があったそうだ。以下にまとめられている。
http://milk.asm.ne.jp/keijiban/130523gyu.htm

まともに反論しているので読み応えがある。ちなみに上記のヨーグルト摂取実験は、
体重60kgの人間に換算して一日当たり21.6kg〜24kg
という極端な状況での実験らしい。ちゃんと原論文を読まないとだめだな。ま、だからといってヨーグルトが白というわけではないが。

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