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キュトスの姉妹/悪魔の九姉

『白炎のビークレットの美貌は天上を照らし、その歌声は天下を砕く。』

酔狂な人ね、キュトスの魔女にわざわざ会いに来るなんて。
私?そう私はキュトスの姉妹よ。8番目。名前はビークレットって言うの。名前あるのかって?当然。紛らわしいでしょ?71人もいるのに。
死んだことないのかって?私はないわ。あの世界の中心だとほざいてる槍に突付かれでもしない限り死なないみたい。でも前の27番目のキュトスは下手なこといって突付かれちゃったみたいよ。
宝石がどうのこうの言ってたけど。あの子、光モノ好きだったし。
あれ、それは34番目だったかしら?まぁいいわ。
他の姉妹たちの場所を知ってるか?ええ、知ってる子もいるわ。時折お茶をするの。41番目の子はケーキを作るのが上手でね。
でも大体の子は知らないわ。興味ないもの、少なくとも私はね。知ってる子は向こうから会いに来た子ばっかりよ。
全員集まってキュトスに戻らないのか?
そうね、面倒だわ。キュトスのときは何でもできたけど色々つまらなかったから。完璧だったし。だからあの槍にキュトスを突付かせたのよ。自殺みたいなものよ、でもキュトスは死なないから。
何か欠けている方が人生豊かに過ごせるわ。力は弱くなってるから、自由自在というわけには行かないけれど。
畑仕事に精を出してる子もいるらしいわ。笑っちゃうわよね。でもキュトスのときはそれができなかったの。したいとも思わなかったわ。
でももしこの生活に飽きたら、そのときは集まるかもね。集まってもう一回槍に突付かれて、今度は違う分け方すればまた新しいキュトスの姉妹が生まれるわ。

概要

九番目のキュトスの姉妹

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第九、『白炎の』ビークレット。

名前

そういえばいまさらだが「ビークレット」という言葉は、元々は「幸福なゴミ」という意味合いだったんだ。
生贄の孤児を示す隠語だったのさ。

なのにいまじゃあ「打破進撃の象句」「唱えて進めば烈火もぬる湯の如し」だ。

いや、実行に勝る言理なし、とはこの事だな。

容姿

  • ビークレットは金髪碧眼、白い肌。赤いドレスを好んで召した。
  • 全身を超高温の炎に変える事ができ、そのときには髪は燃え盛り輝く白に、瞳は赤く輝き、肌は白く輝く。

能力

  • 能力を使用する際の詠唱がプログラム言語かコマンドプロンプトっぽいらしい。
  • 炎は基本的に右手から出る。
  • 姉妹で一番大食いが得意。

炎について

33番目の姉妹ニースフリルの発見した遺跡には、ビークレットが残した『永遠に燃え続ける炎』が祭壇に灯っていたという。

地獄が解放された際、ビークレットの炎はその一端を焼き払った。
この事から、地獄の対となる概念として『炎』が有効だと示された。

ビークレットの白炎は地上太陽の中心核から直接召喚したものであり、凍える者を温める癒しの力と全てを焼き尽くす破壊の力の両方を象徴する。
又、北辺帝国内では地上太陽がひどく身近で生活に直結している為に「キュトスの魔女につれていかれるよ!」という言葉はよく「ビークレットに焼かれてしまうよ!」と言い換えられる。

人となり

  • 気性が荒いらしい。姉妹で一番きれると怖い。
    • たぶん沸点は高い。
    • 直ぐイライラするけど直ぐには切れない。
    • いや沸点低い。
  • 燃え盛る炎を見てると落ち着く。
  • ツンデレ?
  • お姉さん(おばさん?)キャラ。

嗜好

魚の焼き加減は灰になるくらいがよい。

行い

シャーネスと行動を共にする事

ある時、アルセスの投げた槍が偶々『七つの風の主』シャーネスと『白炎の』ビークレットをまとめて貫いてしまった。二人はその時から常に行動を共にするようになった。

勿論、シャーネスとビークレットが未だに槍に貫かれている訳ではない。
2人は槍と同じ位固い絆で結ばれている。

シャーネスとビークレットが槍に貫かれた時、彼女らは如何にして元に戻ったのか。
まず二人は槍を抜こうとした。しかし二人が渾身の力を込めても、シャーネスが風を吹き散らし、ビークレットが炎を燃え上がらせても槍はびくともしない。二人はアルセスに会いに行くために旅に出た。

一方、誤って二人に槍を投げてしまったアルセスも二人を探していた。
しばらく道を行くと、アルセスはキュトスの姉妹の一人、フィラルディアと出会う。アルセスは二人の居場所を訊ねた。姉妹ならば、居場所がわかるのではないかと期待したのだ。
しかし、アルセスは訊く向きを間違えていた。彼はフィラルディアの右側に話し掛けてしまったのだ。
右側のフィラルディアは彼に嘘の居場所を教えたのである。

しばらく経って、シャーネスとビークレットがやって来た。
彼女らは心得たもので、左側のフィラルディアにアルセスの居場所を尋ねた。
左側のフィラルディアは快くアルセスの向かった先を教えた。
二人はアルセスの後を追っていった。

アルセスが向かった先で出会ったのは、こともあろうにレストロオセであった。彼女はアルセスを唆し、二人の姉妹が彼の槍を奪い、アルセスを亡き者にしようとしていると思い込ませた。
義憤に身を振るわせ、二人を成敗せんと姉妹と対峙するアルセス。
二人の言い分も聞く耳持たずと襲い掛かるアルセスに、シャーネスは言う。
「貴方が何にお怒りなのかは解りません。けれど私たちに何か咎があるのであればその責は私が負いましょう。私は七番目、ビークレットの姉です。妹までも害するというならば、どうか二人分の制裁を私に与えてください」

するとビークレットが言う。
「いいえ、姉に責があろう筈がありません。至らぬ点があったとすれば、妹であるこの私に違い有りません。姉を傷つけるのであれば、どうか私を」
お互いに庇いあう二人を見て、我に帰ったアルセスはようやく理性を取り戻し、話を聞いて深く謝罪した。
アルセスは槍を抜き、今後何かがあれば必ず二人の力になることを約束した。
それ以来、シャーネスとビークレットの絆はキュトスの姉妹の中でも屈指と言っていいほどに深い。

クレンデルヒと

クレンデルヒは自信作である「単身眼の群」が「悪魔の九姉」により全滅させられたことを知ったとき、思わずニヤニヤと笑ってしまった。

単眼神の群」―――軍に買い取られた試作機五号「タケダケしい神オルクパレルの発展型。
のちに軍に移籍したクレンデルヒが育て上げた兵器たち…クレンデルヒはまた笑う。
「よろしい…よろしい…じつに…よろしい!」

錬金術師クレンデルヒ「ちょうどモデルチェンジの頃合ではないか。さて、魔女を狩れる機械をどうやって創ろうか?」

そして一ヵ月後、クレンデルヒはビークレットに挑戦状を叩きつけた。
それはそれは凄絶な火力戦になったという。

関わり

  • カルリアとは仲が良くない様だ。
  • グレンデルヒとはライバルで、戦えはいつごろのグレンデルヒか分かるらしい。

ネクロゾーンとの約束

ネクロゾーン地獄の門が暴走した時、ビークレットはその身体を焼き尽くすことを約束している。ネクロゾーンもまた姉に全てを委ねる事を覚悟している。
二人の間には姉妹愛という言葉では片付けられない奇妙な繋がりがある。

ネクロゾーンの暴走時にはカルル・アルル・アが抑え、ビークレットに連絡する事になっている。

領地

硝化せし荒野?クルエクローキチルマフを吹き飛ばしたブレスは、セラフィノ草原?を焼き尽くして硝化せし荒野へと変貌させた。そこは生き物が棲めない焦土であったが、クレアノーズの生き残りを封印した為に魔境と化している。

「白焔の陽光」ビークレット

キュトスの激情と滾る血潮の象徴にして「炎」の属性の姉妹。
火力最大。太陽の炎を「焼還」する爆炎の魔女。
邪視は特に無し。搦め手苦手そうだし。
軍団は「オーディックプロミネンス?」炎を軍勢として操る能力。
浄界は「大炎浄?」炎で周囲を包み込んで蒸し焼きというか黒こげな浄界。
単純明快、シンプルな強さの尺度を持つ姉妹。火力・攻撃力だけならば九姉トップ。
炎は破壊と再生の象徴です。

関連

  • グレンデルヒ度?ハイダル地方の一部で使われている。グレンデルヒの機械がビークレットによって破壊されたときのビークレットの焔の温度を200度の基準にしている。単位 °G
  • 『槍神の襲来』?ケルネーの著書。事実を元にした物語。ルスクォミーズがシャーネスと同化して亜大陸に追放され、守りの中心を失い無防備になっていた「禁ずる結界」の隙を突き、アルセスはキュトスの姉妹を狩り始めた。アルセスと姉妹達は十一回に渡る激戦を繰り広げ、最後の戦いでニースフリルに肩入れしたナプラサフラスの協力によってアルセスは退けられた。この戦いの記録、ヘリステラクレアノーズ、ビークレット、ニースフリルの四人を中心とした戦記物。

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