mustは通常、「〜しなければならない」(義務・強要)、「〜に違いない」(当然・必然)をあらわす助動詞として習います。
これが否定形だと、なぜか
日本人の発想からすれば、「〜しなければならない」の否定ならば「〜しなくてもよい」、「〜に違いない」の否定形ならば「〜のはずがない」となるはずです。
mustには、次のような用法もあります。
旺文社『ロイヤル英文法』には、mustの用法を「義務・強要、禁止、勧誘、主張、推測、当然・必然、過去の遺憾の気持ち」の7種に分類しています。このなかで言えば、上記の例文のmustは「勧誘」にあたるのでしょうか。なお、東京書籍『フェイバリット英和辞典』では、「必要」「希望」「固執」の意味が加わっていますし、研究者『ライトハウス英和辞典』では、「推測」のところを「確信のある推量」としています。
ただし、忘れてならないのは、原則的に1つの語には1つのイメージしかないということです。つまり、
このように考えれば、mustは内的、主観的な義務感を表すのに対し、have toはより穏やかで、外的な要因による客観的な必要性を表すというニュアンスの違いもわかりますし、canやwillやmayに過去形があってmustには過去形がないことも納得できます。mustはつまり、話者である自分にとって、現在から未来に向かってのみ有効な差し迫った必要性、必然性だけを表しているのであり、いま現在の内的な感情や思いこみと密着した言葉なのです。
日本人からすれば、「話者のみにとっての必要性・必然性」というのは、きわめて個人主義的で、ある意味では自己中心的な発想のように感じます。実際、mustという発想それ自体が日本語にはないのです。しかし、英語にはこのような発想があるということです。ある意味、未知の世界です。難しいと感じるよりは、おもしろいと感じた方がよいでしょう。
ただし、英語話者にあっても、Youを主語にする場合のmustはさすがに「きつい」「おしつけがましい」と相手に感じられることも多いので、会話文のなかではより穏やかなhave toを用いることも多いようです。
- I must go now.(もう行かなければなりません)
- He must be a doctor.(彼は医者に違いない)
これが否定形だと、なぜか
- You must not tell a lie.(嘘をついてはいけません)
日本人の発想からすれば、「〜しなければならない」の否定ならば「〜しなくてもよい」、「〜に違いない」の否定形ならば「〜のはずがない」となるはずです。
mustには、次のような用法もあります。
- You must go drinking with me sometime.(今度一緒に飲みに行こうよ)
旺文社『ロイヤル英文法』には、mustの用法を「義務・強要、禁止、勧誘、主張、推測、当然・必然、過去の遺憾の気持ち」の7種に分類しています。このなかで言えば、上記の例文のmustは「勧誘」にあたるのでしょうか。なお、東京書籍『フェイバリット英和辞典』では、「必要」「希望」「固執」の意味が加わっていますし、研究者『ライトハウス英和辞典』では、「推測」のところを「確信のある推量」としています。
ただし、忘れてならないのは、原則的に1つの語には1つのイメージしかないということです。つまり、
mustの中心的なイメージ=話者にとっての差し迫った必要性や必然性のようなものということです。これにしたがえば、上記の例文の用法は以下のように解釈することが可能です。
- I must go now.
- 「私には今行くべき必要性、必然性がある」→「もう行かなければならない」
- He must be a doctor.
- 「彼が医者であるべき必然が、話者である私の中にはある」→「私の考えでは、彼は医者でなくてはならない。そうであって当然だ」
- You must not tell a lie.
- 「あなたが嘘をつくことは、話者である私にとって必要性・必然性のないこと(あるべきでないこと、あってはならないこと)である」→「あなたは嘘をつかない状態でいなければならない」
- You must go drinking with me sometime.
- 「あなたが私と飲みに行くのは、私にとって必要なこと、または、ことの流れとして必然的なことである」→「私の内的な必要性、必然性にしたがえば、あなたは当然、私と飲みに行くべきなのです」
このように考えれば、mustは内的、主観的な義務感を表すのに対し、have toはより穏やかで、外的な要因による客観的な必要性を表すというニュアンスの違いもわかりますし、canやwillやmayに過去形があってmustには過去形がないことも納得できます。mustはつまり、話者である自分にとって、現在から未来に向かってのみ有効な差し迫った必要性、必然性だけを表しているのであり、いま現在の内的な感情や思いこみと密着した言葉なのです。
日本人からすれば、「話者のみにとっての必要性・必然性」というのは、きわめて個人主義的で、ある意味では自己中心的な発想のように感じます。実際、mustという発想それ自体が日本語にはないのです。しかし、英語にはこのような発想があるということです。ある意味、未知の世界です。難しいと感じるよりは、おもしろいと感じた方がよいでしょう。
ただし、英語話者にあっても、Youを主語にする場合のmustはさすがに「きつい」「おしつけがましい」と相手に感じられることも多いので、会話文のなかではより穏やかなhave toを用いることも多いようです。
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