著作権法の歴史とその性質 10/31分

知財テレコム班　分班「ポップカルチャーと著作権」　　　　　10/31

著作権法の歴史とその性質
文責：今井翔大　堀田光海

１　ベルヌ条約（1886年）以前
−どのようにして「著作権」という概念が形成されていったか

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書籍＝写本による限定的な複製
  • 閲覧や複写の制限　⇒　後の「著作財産権」
  • 真の著者の確定　⇒　後の「著作者人格権」（当時は軽視されていた）
　　Ex.ローマ時代のマルティアヌス
著作者が自身の著作物を売り渡すと、著作者人格権も同時に売買されたものとみなされ自由に著作物を改変できた。

�∨楹陛�な始まり
グーテンベルクによる印刷術の確立（15世紀）　⇒　書籍の大量の頒布が可能になり多額の金銭的価値を生み出すようになる　⇒　法律の要請＝特権認可状の発布

16世紀　　ヴェネツィアなど出版の盛んな地域で出版権が認められるようになる
1662年　　出版許可法（イギリス）−最初の出版権を定めた法
1709年　　アン女王法（イギリス）−著作者（著作物ではなく）の権利を明確に定めた
＝著作権の有効期間を設定
著作権の対象としては書籍がその中心であった。

著作者人格権＝著作者がその著作物に対して有する人格的利益の保護を目的とする権利の総称。ベルヌ条約6条の2第1項によれば、著作物が売買され、その財産権としての著作権（狭義の著作権）が他者に移転された後も著作者が保有する権利とされており、一身専属性を有する。
著作財産権＝著作物から発生する金銭的な価値を保護する権利の総称。複製権や貸与権からなる。

２　文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約（1886年）
−初の国際的な著作権に関する法

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各国における著作権法の不備＝著作物の侵害（特にフランス）
Ex.ルソー『新エロイーズ』の海賊版問題
　⇒1830年代以降、多数の二国間条約が締結
��特徴
  • 内国民待遇
条約加盟国は、他の加盟国の著作物に自国の著作物と同等以上の権利保護を与える。ただし、著作権の保護期間についてはこの限りではない。
  • 無方式主義
著作権は創作時に発生するものとして、登録、著作権表示などの特定の方式を必要としない。
  • 著作者人格権の保護
著作権が著作者から他者に移転された後も、人格的権利として著作者が保有する著作者人格権を保護する。
  • 保護国法の原則
著作権保護の範囲は条約で最低限度を決め、それ以上は保護を与える国の法令によって決まる。
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  • 著作権保護に関して一定の方式（著作物の登録など）必要な国の存在
⇒　ベルヌ条約に加盟せず（特にアメリカ、1989年に加盟）
  • 保護の基準の厳格さ＝途上国の除外
  • 編曲（arrangement）の除外＝作曲などが対象
  • 原作と翻訳の保護の差別化（フランスの不満）


参考文献
　宮澤溥明『著作権の誕生』（太田出版）
　園田暁子『1830年代から1960年代にかけての国際著作権法整備の過程における著作権保護に関する国際的合意の形成とその変遷』
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2007年10月28日(日) 20:52:48 Modified by ahori1985




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