花開院義兄妹〜ちょっとビッチなゆらさんで総受け〜3

410 :花開院家義兄妹【花開院魔魅流】 :sage :2012/01/20(金) 18:25:36.39 ID:uPw8FPj9

【第三夜・花開院魔魅流】


「――ゆら…」
「魔魅流くん」

枕儀の儀式の日は念入りに入浴させられ、くしけずられる。
ゆらはその日、三人目の夫候補の魔魅流が寝所にいる事を予感していた。
ゆらにとって魔魅流は幼い頃、一緒に遊んでくれた年上の幼馴染だ。
竜二を真似てか、黒尽くしの和服姿だった。
しかし、その長身と明るい橙色の髪が、竜二とは違う異彩を放っている。
寝間着姿のゆらは、なるべく内心の動揺を隠して魔魅流の側に寄った。

「今夜は、魔魅流くんとするんやな…」
「……ゆらは、なぜこんな儀式を受けたの…?」

無表情の中にも、魔魅流の声には非難の色があった。

「…みんなのため…や……」

それは家族愛という感情が一番近い。
それを取り払ってしまえば、ただの哀れみが残るのかも知れなかったが。
花開院の分家に過ぎない魔魅流もまた、大妖怪・羽衣狐の呪いにより三人の実の兄弟を失っている。
本家に生まれたゆら自身もまた、竜二の上の長兄と、ゆらの下に生まれた二人を亡くしていた。

「……性悪狐の呪いに、負けへんため…や…!!」

無意識のうちに、両拳をかたく握りしめていた。
それは半ば、自分自身に言い聞かせていたのかも知れない。

「秋房義兄ちゃんも雅次義兄ちゃんも、魔魅流くんも…できるなら死んでほしないッ!…でも…でも、万一…」
――亡くなってしまうなら、せめて。
その先は悲しみに息が詰まって、言えなかった。
頭の上に大きな手が置かれる。

「……そう。強いんだね。ゆらは」

その声から非難めいた色は消えた。
大きな手はゆらの頭を撫でて、ゆらの体を子供のように抱き寄せた。
大人が小さな子供にするように、ゆらは胡座をかいた魔魅流の膝の上に乗せられる。
小さな子供にとって抵抗ないその体勢も、思春期の男女にとっては近すぎる位置だ。
回した腕には柔らかく膨れた乳房が触れ、尻には布地越しに男のモノが触れる
――異性として強く意識する。。
手が重ねられ、魔魅流の吐息が、ゆらの耳朶に触れる。

「――ボクはゆらが、好きだった。ずっと前から…」

小さく、しかしそれは明瞭に聞き取れた。
それは、ゆらが生まれて初めてて聞いた異性からの告白の言葉だった。
驚きとともに、ゆらは魔魅流の顔を見た。
その顔に、愛しげに頬を寄せる。ゆらの背をゆっくり撫でながら、ぽつぽつと魔魅流は話し始める。
魔魅流は幼い時から、ゆらに惹かれていた言う。

411 :花開院家義兄妹【花開院魔魅流】 :sage :2012/01/20(金) 18:26:16.04 ID:uPw8FPj9
だからずっと、【破軍】とゆらを守る力が欲しかった、と。
禁呪により雷獣を体内に封じ同化させ、感情が希薄になった魔魅流からの――告白。
魔魅流が、ゆらの体をギュッときつく抱きしめる。
息が苦しくなる。

「…ゴメン、ゆら。でも、もう――待たない…」

壊れ物に触れるように魔魅流は、ゆらのうなじにキスを落とした。
そのままゆらの着衣を緩めて脱がせ、背中にキスを落としてゆく。
さらに寝間着の着物を剥かれて、ゆらは上半身が裸となる。
魔魅流の左手は、ゆらの乳房に伸び、下半身の着衣に魔魅流の右手が伸びた――。


「ンンッ…!」

首筋と乳首と両足の付け根を一度に責められる。

「――ゆら…ゆら…」

熱に浮かされたように、長身の魔魅流が、ゆらの小さな体にのしかかり、行為に及んでゆく。
ゆらも抵抗はしない。才ある男の種を受け入れ、子を宿す。それがゆらの役割だから――。

それは当たり前の恋人のような優しい抱擁だった。
あたり前の恋人のような優しいキスだった。
あたり前の恋人のような優しい愛撫だった。
普通の恋人のような魔魅流との、たどたどしくも初々しいセックス。
だが既に、竜二の言言。秋房の憑鬼根。
雅次の時結界に翻弄されたゆらにとって
それは――あまりにも空虚過ぎた。
機械じみた愛の言葉も、慣れない優しいキスも、拙い愛撫も、
それに満たされないでいる自分に、ゆらは気づいてしまった。
――心、此処に在らず。
そんなゆらに気づいて、魔魅流は腰の動きを止めた。

「ゆら? 気持ち良く…ない…?」
「……ううん。なんでもない。ゴメン、魔魅流くん…」

体が、あたり前の恋人のような優しい行為を物足りなく感じている。
なんだか悪くて。気まずくて、ゆらは魔魅流から顔を背けてしまった。

「ゆらは……ボクが嫌い?」
「そんなこと…あらへん…けど…」

その返事は、あまりに弱々しく頼りなさ過ぎた。
幼い頃から想い続けた少女と口づけを交わし、一つになっているというのに
今、ゆらの心は魔魅流の腕の中にはなかった。

「――ゆら」

このままでは少女は――他の男を夫に選び、その妻となる。
そう思うと、機械にも似た表情に、ふつふつと怒りに似た感情が湧き上がってくる。

412 :花開院義兄妹【花開院魔魅流】 :sage :2012/01/20(金) 18:31:07.93 ID:uPw8FPj9
「……ゆるさない」

魔魅流の雰囲気が一変する。

「…え? 魔魅流くん…?」
「…ゆらは、ボクのもの。ゆらはボクのもの。
ゆらは――ゆらは――ボクだけのもの…!!!」

空虚だった。――魔魅流が、自身にも禁じていた『雷』を放つまでは。

魔魅流が片手をあげ、その手に雷を纏わせた。それをゆらの胸に押し当てる。

「なッ――!?」

人間が感じる痛みも快楽も、微弱な電気信号で伝えられる。
雷を使うという事は、そんな刺激をも与えられるという事だ。
気が狂いかねない痛みも、快楽も。同じように与える事ができる。

――魔魅流の姿に雷獣の姿がダブり、雷が迸る。

「――かはッ!?」

ただし、――その正確な“強さ”を知っていれば、だ。
過度な電流にゆらの体内――その子宮口――に、竜二が避妊用に放っておいた言言が雷に焼け、消滅した。

「……ゴメン、ゆら。ちょっと手間取った…」

何度目かの微調節の後、魔魅流は表情のない口元を歪め笑みの形を作った。

「あッ……ヒィ…ッ! ンンッ、くッ。…ああッ…!? ああッ…! あああ――ッ!!」

その時にはゆらは既に、性感帯という性感帯を電流で刺激され、狂いそうな快感に翻弄されていた。

「あ゛、あ゛、ああああああああッ!!!!!! いや…魔魅流くんッ
…これ、あかんッ…魔魅流くんッ!! ンはァ…ッ!!」

寝具の上、全裸のゆらが自分の体を抑えこむように抱えながらも
――腰を浮かせ、突き出し、無意識に振りながら――悶え、震えていた。
苦しげに眉根を寄せ、目の端に涙の珠を浮かべ、物欲しげに舌を突き出して。
下半身はナニカを求めるようにヒクヒクと涎を垂らして――。

「アアッ!――アアァ…!イクイク…また、イクぅ……ッ!!」
「…ゴメン、ゆら…。こんなに悦んでくれるなら、もっと早くに、学んでおけばよかった…」

全身を襲う快感に涙を零し、汗の珠を浮かせ勃起したゆらの乳首に唇を寄せて、
舌先から微弱な雷を流すと、少女の体は、またしても快感に跳ね上がる。
そのまま魔魅流もまた残った着物を脱ぎ捨てて、愛しい少女の体に自分の体を重ねた。

「……ゆら、挿入れてあげる…。足、開いて――?」
「ヒィ…ンンッ…!」

指先に軽い雷を纏わせ、弱点のクリストスを刺激すれば、ゆらは瞬く間に快感に屈伏した。


413 :花開院義兄妹【花開院魔魅流】 :sage :2012/01/20(金) 18:32:57.70 ID:uPw8FPj9
足を開かせ、愛しい少女の秘所に自身を挿入し、粘膜を擦りあわせる喜びと興奮に、体がうち震える。
愛しい少女の形と粘膜の感触と痴態を、思うがまま堪能する。そして、そのまま、ゆらのナカに射精した――。

「――あ…。でてるぅ…魔魅流くんの熱いの……、いっぱい…うちのナカにでてるぅ…ッ」

濡れて別の生き物のように魔魅流を搾り、蠢くゆらの膣内に、
自らの精液を残らず注ぎこむ陶酔感に浸りながら、魔魅流はゆらの耳元で囁いた。

「……ゆら。狂って…? ボクの事しか考えられないくらい――狂って…?」

肌が触れた場所からも雷を流しこみ――感度を上げる。

「あぁ――ッ!? いやや、もう壊れるッ…壊れるッ――魔魅流くんッ…魔魅流くんッ…!!」

魔魅流の背中に爪をたてる。
その痛みすら感じないように魔魅流は、泣き叫ぶゆらの顔を見ていた。

「ああああ!!ああああああ゛あ゛――ッ!!!」

全身の性感帯をバイブで刺激されるような快感の波に襲われ続け、
ゆらはたまらず、絶頂とともに失禁した。

「……ゆら、お漏らし。赤ちゃんみたい…」

絶頂に脱力するゆらに、優しく魔魅流は口づけをする。
小水に濡れた下半身に躊躇いもなく片手を伸ばして、
愛液ごとクチャクチャと手と指で、ゆらの濡れた秘肉をこねくり回す。

「…ゆらのなら…少しも、きたないと思わない…」

その手についた色々なモノが混じった体液を、愛しげに舐めとってすら、見せる。

「――愛してる、ゆら…」

淡々と抑揚のない口調で魔魅流は告げる。

「――愛してる」

しかし睫毛を伏せたその表情には、ゆらへの想いが殺しきれずに滲んでいた。

ゆらを想い。
自ら心を壊す程の純粋さ、激しさ、一途さと
まるで精密な機械のような繊細さを秘めた幼馴染の青年。
それが花開院魔魅流だった。


414 :花開院義兄妹【花開院魔魅流】 :sage :2012/01/20(金) 18:33:42.84 ID:uPw8FPj9
朝方、寝床の中で魔魅流の腕に抱きしめられたままのゆらが訊ねた。

「――魔魅流くんは…うちのどこが…好きなん…?」
「ゆらは――かわいい…」
「………それだけ?」
「――うん。かわいい」
「…………」

(…褒められてるのに、なんか複雑な心境やなァ…)

照れくさく、嬉しい気持ちもあるのに、なぜ反対に悲しくなってしまう。
それがどんな感情なのかゆらには、まだ理解できなかった。

「あ――まだ、あった…」
「……なに?」
「…ゆらは、エロかわいい…」
「……………」




魔魅流と床を共にして、しばらく後。ゆらに妊娠の兆しが見られた。

「…ゆらが、ボクの子を孕んだ?」

それはまだ可能性の域を出ない。父親候補は、魔魅流の他にも二人存在するはずだ。
それでも、ゆらの決意を聞いている魔魅流には、それが喜ばしい知らせに代わりはなかった。
淡々とした――表情のない顔で、魔魅流が告げる。

「嬉しいよ…ゆら…」

肩に魔魅流の手が添えられる。長身の魔魅流の体に、ゆらは強く抱きしめられた。
表情に強い感情は見られない。
それでも微かに魔魅流の睫毛が喜びに震えている気がした。

「それがボクの子じゃないとしても、ボクはゆらの子を愛せる…」

愛など知らない機械のような声音で、魔魅流はそう呟いた――。



《続》
2012年03月26日(月) 20:53:26 Modified by ID:P3EJOw3Z0Q




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