黒田坊×淡島?

294-295(その他の短編参照)の続きで黒田坊×淡島 
本編ではさっそくリクオたちに合流していますが
ここではまず近くまで来ていた黒田坊だけと会ったという設定で
ノリはやや軽め


325 :名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 17:27:31 ID:uMcreWKK
 
 *
 

「―――女と思えば鬼神、男と思えば天女……」
歌うように淡島が言う。
「俺の親は天女と鬼神だからな。俺の憑は……両刀なのさ」
その言葉が終るや否や、空間にひびが入った。
霧が晴れるかのように現実の世界が目に飛びこんでくる。
「大丈夫か淡島!!」
淡島の予想した通りそこには黒田坊がいた。
彼のずいぶんと焦った様子に、当り前だろうが、と淡島は鼻で笑う。
「そうか……ってなんだその破廉恥な格好はーー!!!」
かろうじて帯は留まっているものの、あの毛倡妓とも張り合えるのではと思わせるほどふくよかな胸や
美しく曲線美を描きながらも締まっている形良い脚が惜しげもなく晒されている。
衣服もただ肌蹴られたのではなく、ひどく破かれているというのが余計に扇情的だった。
「っ好きでこんな格好してるわけじゃねぇよ!!どっかの百足野郎の所為だっての!
 京に来て早々あんな変態に出くわすなんて誰が思うか!」
喚く淡島に、薄々気づいてはいたものの、彼女がどういう目にあったのかを悟ってしまい
黒田坊は気まずそうに目を逸らす。
「あー、その、つまり……」
「うっせえ大したことじゃねぇから黙ってろ。 てめぇもいい年して胸の一つや二つでいちいち騒ぐんじゃねえよ。
 ちゃっちゃと晒だけ締めちまうからちょいと手ぇ貸してくれ」
「はぁぁぁ!!?」
「騒ぐなっつってんだろうが何過剰反応してんだ。つかてめぇ今何考えたんだこのエロ田坊!!」
「……黒田坊だと言っている。わかった」
そこまで言われてしまえば黒田坊としても断ることはできない。
第一、淡島は今でこそ女の形(なり)をしているものの主体は男だといっていたではないか。
なれば彼女にして彼の言うとおりいちいち意識する必要もないだろう。むしろしてなるものか。
などと必死で考えている黒田坊をよそに淡島は解かれてしまった晒を巻きつけ始める。
「そこ、押さえといてくれ」
「……あぁ」
しかし淡島に言われて彼女の背に触れたとたん、無意識のうちだろうがぴくりとその身体が震えた。
「っ……」
「あー……ごほん。ところで淡島、お前……」
「んだよ」
「その、だな」
「あー!男ならはっきり言えこのエロ!!」
「嫌なところで省略するな!せめて田坊をつけろ!!
 ―――お前。そのように女の匂いを纏わせたまま皆と合流する気か」
「はぁ!?」
今度は淡島の方が黒田坊の台詞に口を開ける番だった。



326 :名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 17:28:40 ID:uMcreWKK

「馬鹿にしてんのかてめぇ!」
「馬鹿にするとかしないとかいう問題ではない。自覚がないのかお前は……」
黒田坊がため息をつくとさすがに淡島もばつが悪そうに小さくけっと呟いた。
嫌でも呼び起された快楽と何よりそれによる疼きが完全に収まるほどにはまだ時間が足りなかった。
「……だとしてもてめぇに指図される覚えはねぇよ」
「いやリクオ様の側近として言わせてもらう。そのまま戻られては困る」
「なんで!?」
「―――リクオ様の教育に悪い」
さも当然、とばかりに言い張る黒田坊に淡島は違う意味で腰が砕けそうになる。
「普段の色気もかけらもないお前が若に胸を押し当てたりなんだりという逆セクハラを仕掛けようと、
 それくらいで揺らぐような方ではないのでな(毛倡妓で慣れてるから)、今更咎めたてはせんが。
 今のお前は駄目だ。そんな破廉恥な姿をお見せして若が変な性癖に目覚めでもしたらどうしてくれる」
「ちょっ……おまっ……!!だから過保護だっつってんだよっ。馬鹿だろ!お前馬鹿だろ!!」
「何とでも言え。というか私は若が生まれたばかりの頃よりお仕えしているのだ!
 その大事な若を最近知り合われたばかりのお前に汚されてたまるかっ。
 第一若が幾つだと思っているのだ。まだ齢十五にも満たないのだぞ!十五!!」
「汚されてって……つーか若っ。リクオわっか!!むしろガキだろ!
 そりゃ昼間の姿はガキだと思ったけど十五にもなってないのかよ!!嘘だろ!?」
「こんなことで嘘を言って何になる……」
と、ふいに黒田坊が淡島の肩を押した。
漫才のようなやりとりにすっかり気を取られていた淡島はろくに抵抗することもできず鳥居に押つけられる。
「なっ……!」
「みろ。このような状態で戻るつもりか」
黒田坊が間髪いれず脚の間に手を入れる。
「あっ……ちょ、馬鹿!」
そのまま性器の溝を撫で上げた。
明らかに濡れた、ぬるりとした感触が双方に伝わる。
「ひぅ……っ!」
そこに滞留する快感に淡島の膝が崩れる。
脚の間に入れられた黒田坊の手が彼女の身体を支えた。
「ぁっ、あ!さ、触んなぁあ……!!」
淡島は腰を鳥居に縫いとめられたまま、上半身を折ってその感覚に耐える。
結果的に彼女に寄りかかられた形となった黒田坊が冷たい口調で言う。
「その扇情的な格好だけならまだしも、こうも乱れた気配を漂わせたままでいるなど
 襲ってくれと言わんばかりではないか」
「あっ、この……盛ったなら、素直に言え、よぉ……!人の所為にすんじゃねぇ!!」
「その方が気が楽ならそう解釈しておけ」
「くっそ、そうでないとでも言いたげな言い方しやがって!てめえが勝手に盛ったんだろうが。
 ふざけんな、なんで俺がてめえの処理に付き合わなきゃなんねえんだよ」
「―――お前が奴を倒すのに使ったその武器。それは拙僧のものだな?」
「貸し一つってか……んだよ俺の方が損じゃねぇか。ちっ……わかった付き合ってやらぁ」



327 :名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 17:32:32 ID:uMcreWKK

 *

人目の付かなさそうな場所に移動する。
「やるならちゃっちゃとやっちまえ……」
乱暴に座り込む淡島に一つ息をついて、黒田坊はその身体に覆いかぶさる。
「っ……っておい!?何してっ……ぅあ!」
「この方がお前も楽だろう」
黒田坊が脚の間に顔を埋(うず)めていた。温かく柔らかいその感触に淡島が悶える。
さんざん嬲られて、嫌でも快感を引き出されたあの時から密かに疼きを訴えていた身体が
貪欲にその快楽を貪ろうとする。
「っあ!!あ、……くぅっ!……いい、そんなのしなくていいから!!」
「遠慮するな」
「遠慮とかじゃねぇこのエロ……ひっ!」
勃ち上がっていたその突起を口に含まれ、台詞が強制的に中断された。
唇で軽く挟まれながら舌先でつつかれて淡島はがくがくと身体を震わせる。
声をなんとか抑えようと、衣服の一部を口元に引き寄せ噛みしめる。
「ふぅぅ!!ん!んぅっ……!」
「…………」
女扱いされることを厭う淡島だからこそ、女らしく高い声で喘ぐのを嫌がって
そのようなことをしたのだろう。そうわかっているはずなのに妙に女らしく感じられて黒田坊は内心戸惑う。
それを振り払うために一層責める手に集中した。指を何本も入れ、いっそ乱暴に掻き回す。
「……あ!く、うっ……!!!」




黒田坊が顔を上げると、はぁはぁと、息遣いがその場に響くほどに淡島が荒々しく息をした。
しかしそれも束の間。一度息を止め、腹にためるとゆっくりと細くそれを吐き出す。
そうして次の瞬間には息を整えてみせる。なるほど優れた強さを自負するだけはあると感心する。
「ったく。余計なことしやがって。やるならさっさと済ませろっつっただろうが」
「もう終わったろう」
淡島のじとりとした視線から逃れるように黒田坊は立ち上がった。
は?と淡島の間の抜けた声が響く。
「終わりってどういうことだよ。まだ何にもしてねーじゃねぇか!」
「一度達して、ずいぶん落ち着いたように見えるが。まだ足りんか」
「そうじゃねぇ!!てめぇのことを言ってんだよ俺は!」
「私?初めから言っているだろう。私は別にお前に劣情を催したわけではない。
 あくまでめちゃめちゃに抱いてくれと言わんばかりに女の気を漂わせたままで
 リクオ様の元に戻られたら困るからと、ただそれだけのことだ。さぁ、さっさと行くぞ」
そのまま足早に離れようとする黒田坊を、文字通り目にも止まらぬ速さで淡島が捕えた。
押し倒し、黒田坊の太股の上に腰かける。
体重はさほど重くないはずなのに、何故かその身体を押しのけることができずに混乱する。
「な、な……」
「さてこのエロ坊主。だーれが、ちっとも、盛ってないって?」
嗜虐的な笑みを浮かべながら淡島が黒田坊のそれをぐりぐりと手で刺激する。
情けない喘ぎ声が、今度は黒田坊からあがった。
「ちょっ。待て、落ち着け淡島っ!」
「落ち着いてるぜぇ?誰かさんのおかげでな。その証拠に、てめぇ俺から逃げらんねぇだろ?」
「な!なんだどういうっ……!!」
「まぁ、簡単に説明してやるとだな。今の俺は完璧な『女』だからな」
「訳がわからん!!」
「既にてめえは、俺の女に飲まれちまってるんだよ。―――諦めてせいぜい俺の下でヨガってろ」
「ちょ、まっ…………ってアーッ!!!」

黒田坊の悲鳴が、高く長く、その場に響き渡っていた。


328 :名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 17:33:36 ID:uMcreWKK
 
 *

「黒田坊、淡島。おめーらどこいってたんだよ?」
「連れションか?」
「……ま、そんなもんだ。なぁ?」
ずいぶんとすっきりとした表情で答える淡島とは対照的に
その脇にいる黒田坊は、精も根も使い果たしたというような今にも死にそうな顔で立っていた。

 *

以上です
2011年05月25日(水) 00:26:07 Modified by ID:99JzfgdaZg




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