雪女〜冬〜

転載:2008/03/14(金) 14:12:39 ID:AZ4KNYXE


『雪女〜冬〜』




 若が小学六年になり、正月過ぎの冬を迎える。

寒い冬。降りしきる雪の核を埃が成してると知っても、私は雪が好きだし綺麗だと思う。
積もった雪は昼間の陽光で溶け、夜の零下でアイスバーンに変わる。
冬はそれの繰り返し。
今日もそんな中の一日……だと思っていた。
「若……」
ただ違うのは、この日、この屋敷には、私と若しか居ないと言う事。
みんな揃って温泉旅行へ。
風邪気味の若と、万一の為にと私だけが残った。
他の妖怪も残ると語ったが、若に「気にしないで楽しんで来て」と言われれば断れない。
「はぁ…」
何とか私は残して貰ったけど、残って私がしている行為は最低も最低。
「はぁ……若」
例えるなら、私は蜥蜴(とかげ)の様。
壁にピッタリと身体を押し当て、目を閉じて耳を澄ます。
――やっぱり私は最低だ。
「あっ…出た。凄い、たくさん……出てる」
若のトイレ音を、馬鹿な想像をして、顔を赤らめ、目を潤わせ、隣の部屋の壁に耳を押し当てて聞いてるんだから。
「あっ」
勢い良く水が流れる響き。若のトイレが終わった証拠。
「私は……最低だ!」
壁に寄り添ったまま。ズルズルと崩れ落ちる。


――私は最低だ。トイレの音を聞いて興奮するなんて。
「んっ、はぁっ……」
私は若が好き。
どこが? と問われれば「全て」と答え、
いつから? と問われれば「一目見た時から」と答える。
だから今してる行為も、そんな感情がちょっとネジ曲がっちゃっただけ。
若が「人間の女の子の家で昼食を食べさせて貰う」なんて言うから。
私は誰も居ない屋敷で、
誰も居ない若の部屋で、
誰も居ない布団の上で、
一人で静かに恥態を曝す。
「わかぁっ……気持ちいいよぉ」
左手は着物の上から胸の先端へ。
右手は着物の中に差し入れ自分でも触らない局部へ。
「もっと、欲しい……」
『へり』の上を円を書く様に何度もなぞり、固くなった突起は中指の腹で優しく捏ねくり回す。
焦がれる人の匂いを嗅ぎながら、口から垂れるヨダレも止められずに自慰に没頭する。


「んっ、い……ッ!?」

達する瞬間、僅かに届いた焦がれの足音。
――もう少しでイケたのに。
無念さを引き擦りながらも、窓を開け、乱れた衣服を整え、乱れた布団を整える。
そして調度、
「あれ、僕の部屋に居たの雪女?」
若が自身の部屋へと帰還。
「はい、若が出掛けてるうちに換気をしておこうと思いまして」
嫌いだ。
「そう? いつもありがとね!」
平気で嘘を付く自分が大嫌いだ。
純粋な感謝の笑顔を直視出来ない。
若……私は貴方を思って股を濡らす、変態妖怪なんですよ?
「好きでやってるんですから、若は気にしないで下さい」
窓を閉め、行為の証拠が残ってないかと部屋を一瞥し、急々と主に頭を下げる。
早く自室に戻り、続きがしたいから。
こんな中途半端は嫌だ……堪えられない!
だから早く、
「待ってよ雪女!」
自室に戻りたいのに。
「な、なんですか若?」
後ろから左袖を掴まれた。
「僕さ、やっぱり熱っぽいみたいで身体が熱いんだ。だから途中で帰って来たんだし。それでね、お願いが有るんだよ」
そう言う若の表情は、悪戯心溢れてる笑顔。
――若の為、我慢……我慢。いつもの様に私も笑顔を作れ。
「はて、お願いですか?」

「雪女の身体で、僕の身体を冷やしてよ」


 空も蒼から紅にシフト時刻。
この部屋の音源は三つ。

カチカチと鳴る壁掛け時計。
スースーと吐く若の寝息。
そして、ドキドキと爆ぜる私の心臓。
壁際に寄せられた布団の上で、私は壁に背中を寄り掛からせて正座し、私の膝を枕に、右手を濡れタオル代わりに若が眠る。

「若、眠られましたか?」
呼吸部位しか動かない白雪姫に小さく声を捧げ、
「眠られて……るんですよね?」
喉仏を見て狸寝入りで無い事を確認。
私の腹部に頭を向け、無垢な寝顔で目を閉じる若。
ただの熱風邪だったらしく、熱が下がって来た今は体力回復の熟睡でしょう。

詰まりは……余程の事が無い限り、目を覚まさない!

もう、止められなかった。

妖怪が躍動する闇より黒い髪も、
冬の雪より白い肌も、
全身を流れる血より赤い唇も、
「わか、わかがイケナイんですよ。そんなに若が……」
その全てが愛おしくて。
「私を誘惑するから」

そうだ。私は今まで若の為に尽くして来た。だからこのくらいの『役得』は当たり前なんだ。
額に乗せていた右手をプックリとした唇の上に移し、左から右に三度も滑らせる。
そのまま顔を近付け、
「わか……」
ゆっくりと、
「好き」
唇を重ねた。
「んふっ…」
私の拡大するココロの音で、若が起きません様に。
この幸せをもう少しだけ。

「っはぁ」
名残惜しく唇を離す。
必然的に顔を上げる。
すると偶然に見えた。
若の、
大きくなった、
「おちん、ちん……」

あはは、私、もう駄目だ。
止まり掛けていた感情が再動する。
「欲しい…」
お腹の奥がキュンと響く。
「欲しい…」
膝を抜き、そっと若の頭をマクラの上に落とす。
「若の赤ちゃん欲しいです。私のお腹をおっきくして下さい」


 部屋に流れるのは、ジュルジュルと啜る唾液音。
「わかぁ、好き…でひゅ。だいしゅき」
ズボンと下着を一緒に剥ぎ取り、脚を軽く開かせて間に自身の身体を置き、目の前で膨らんでるモノを口の中でねぶり上げる。
――変態、変態。変態妖怪! トイレの音を盗み聞いて、布団の上で自慰をまでして、最後には寝込みまで襲っちゃってる。痴女と変わらないじゃない!
でも、
「わはひも、気持ち……いいれふ」
気持ちいい。
口で若のモノをしゃぶりながら、左手は自分の秘部を慰める。
「んはっ。若も気持ち良くなって下さいまし」
右手の人差し指と中指で付け根を優しく引っ張り押さえ、
「私が、大人にして上げますから……」
グチュグチュと口の中に唾液を目一杯溜めて、舌を『皮とカリの間』に差し込んだ。
「んむっ。はぁ…わひゃひが大人の、おひんひんに……うんっ。ひて上げましゅから」
唾液を垂らしながら痴垢を舐め、右手で少しずつ皮を向いて行く。
痛みで若が起きない様に気を使いながら、時計の短針よりも鈍速に。

「ふふっ……ご立派。私、知ってるんですよ? 若は精通まだ何ですよね? だから、初めては私の口に出して下さい」
剥け切った精器の裏筋を舌を伸ばして下から上に一舐めし、唇をすぼめて再度くわえ込む。


若を起こさない様に冷気の発散を押さえてるから、私の体温は上昇一方。まともな思考回路はとっくに壊れた。

「ちゅぶ……んっ、はむっ」
カリを引っ掛ける様にグラインドさせながら、顔を激しく上下させる。
先端から根元まで、唇を、舌を、喉(のど)を使って男精器を扱く。
「んむっ……んっ!」
口の中は尿道から溢れ始めた初汁と唾液でドロドロ。
私のアソコも中指第二関節まで埋まる程グチュグチュ。
それでも『セツナイ』と指をどんどん飲み込もうとする。
――もしかして、もう一本入るかも。
ピストンの勢いを止めず、中指を引き、人差し指を添えて再挿入。
「んっ、はいっ……た」


「これで、わはのおひんひんでも……だいりょうぶれふ」
既に二本分の太さでも快感しかやって来ない。
――こんな姿を見られたら終わりなのに……心のどこかでは、若に見て欲しいと思ってる。
「ふぅっ、じゅ……んむっ」
この良さを若にも伝えて上げたくて、噎(む)せ反りそうな程に深く、早く、一生懸命に奉仕した。
私の下腹部は、ふとももから流れ落ちる愛液で布団を汚れ濡らし、若のもピクピクと震えて今にも爆発しそう。
「きもひ……んっ、いいれす若ぁ」
指を脳内で若のオチンチンに変換して、
「だめぇ、先にイッひゃいましゅぅ!!」
自分も頂点に昇り詰める。
「っんんんんんんんんんんっっ!!!」

そして重なる様に、
「ん、んあぁぁっ!?」
口の中へ初精液が流れ込み、若の悲鳴にも似た声が部屋中に鳴り渡った。


――ヤッター! 若の精通GETだぜ☆

「ぐじゅ……んはぁ、こんなに、お出しになって……くちゅ、そんなに私の……んっ、お腹をおっきくしたいんですかぁ?」
舌で口中の精液を集め転がし、唾液とブレンドして音を立てながら幸せな余韻に浸る。
しかし長くは続かない。
「あっ、れ……雪女?」
うっすらと若の目が開く。
「……っんぐ! ゲホッ!! どうしたんですか若?」
慌てて嚥下。急いで唾液塗れの口元を袖で拭い、
若の視線が下方に向かない様に覆い被さる。
「んーっ? 何かねー、変な感じがしたんだー」
まだ寝ぼけてる……の?
「良い夢でも御覧になったのでしょう? 今から夕飯の支度をしますから、もう一眠りなさってて下さいまし」
優しく諭す様に囁き、右手を瞼の上へ。
「うん、お休み……な、さい」
すると秒も刻まずに、再び眠息を奏で始めた。
「ふぅぅぅっ……」
私も安堵の溜め息を吐いた。


―――――――。


若の寝顔で私の気持ちも鎮まる。
私が居るからと安心して寝てくれる若を、裏切る様な行為はもう止めよう。
それに、ここには私が悪戯した形跡が残りまくっている。
若が起きた時に不信感を募らない為に、先ずはコレ等を片付けてから夕飯を作ろう。

――そうだ。こんなにコソコソする必要は無い。次は合意の上で。

「あっ、雪女! 僕ハンバーグが食べた……何してるの?」
新しい下着を穿かせてる時に、若は突然目を覚ましてガバッと上半身を起こす。
「…………」
「……雪、女?」
あー! もー!!
「まだ起きちゃダメですぅぅぅっ!!」


――次は合意の上で。次は、若から誘って下さいね。



2011年08月26日(金) 02:59:15 Modified by ID:YQO7mb6raw




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