【本】自滅する企業
本の概要
人間の平均寿命は延びているのに、企業の寿命は、短くなっている。エクセレント・カンパニーといわれるようなところでさえ、破たんなどがおきている。
企業は、外的要因よりも、むしろ、内的な要因によって自滅している、と。
現実否認症とテリトリー欲求症が、最も危険と筆者は警鐘を鳴らす。
企業のみならず、日本の政治、行政などにも大いに示唆に富んでいる。
すべては、リーダーシップの問題。
自滅する企業の7つの習慣病
- 現実否認症
- 発症のきっかけ
- 新しいテクノロジーの否認
- 消費者嗜好の変化の否認
- 新たなグローバル環境の否認
- 主な症状
- 「我々は違う」症候群
「我々は違う。だからそんなことが我々に起こるはずがない」 - 「自前主義」症候群
誰かほかの人がもっといい方法を思いついたと認めるのは、プライドが許さない。 - 「正当化」症候群
自分の状況を無視する、正当化する、または他人のせいにする。
- 「我々は違う」症候群
- 治療法
- 探す
他社の失敗に対する反応を分析する。
偏見、根拠のない選り好み、改革に抵抗する部署はないか、自社の製品と工程と社員をよく観察する。
管理職のいうことを注意深く聞き、正しい情報が得られるか確認する。 - 認める
現実否認の兆候を見つけたら、病気にかかっていることを認めなくてはならない。 - 評価する
どれだけ深く現実否認にはまっているか測定する。 - 変える
現実否認へのはまり方が深ければ深いほど、変革は難しい--だが不可能ではない。成功事例を参考にする。
- 探す
- 予防策
- 事業の前提や正当性を絶えず問題にする制度をつくる。
- 管理職に将来の見据え方を教える実践的リーダーシップの講座を設ける。
- 発症のきっかけ
- 傲慢症
- 発症のきっかけ
- 主な症状
- 治療法
- 予防策
- 傲慢の落とし穴を絶えず指摘してくれるプロのエグゼクティブ・コーチを持つ。
- 個人が露出する広報活動を制限する。
- 誰か一人が絶対的な権力を持つことがないように、抑制と均衡のプロセスを確実に定着させる。
- 慢心症
- 発症のきっかけ
- 主な症状
- 治療法
- 予防策
- 慢心レベルを常に定量的に判定する評価指標、できれば数値で示される評価指標を開発する。
- 人事考課制度として業績給を導入する。
- ローテーション制度を導入して、リーダーにさまざまな職務を経験させる。
- コア・コンピタンス依存症
- 発症のきっかけ
- 主な症状
- 治療法
- 予防策
- 現行技術から次世代技術へと、常に先行して移行する。
- コア技術をその他の製品や市場に広げる。
- コア・コンピタンスを別の市場や市場区分に多角化する。
- 買収と統合による成長戦略を立案する。
- 競合近視眼症
- 発症のきっかけ
- 主な症状
- 治療法
- 予防策
- 独立した調査部門をつくる。
- 代替技術や競合技術に単独で投資する。
- パラダイム転換を起こす可能性がある周辺企業やニッチ企業を、定期的に探し出して買収する。
- これkら競合企業が現れそうな新興市場に参入する。
- 拡大脅迫観念症
- 発症のきっかけ
- 主な症状
- 治療法
- 予防策
- 販売部門に、顧客別の収益性にもとづく報償制度を確立する。
- 購買を管理機能ではなく戦略機能にする。
- 多品種企業の場合、利益の高い新製品を絶えず精力的に製品ラインナップに加える。
- テリトリー欲求症
- 発症のきっかけ
- 企業の象牙の塔
- 決められた方針と手順が優先される
- 創業者の文化が、より大きな企業に組み込まれる
- 企業文化が特定の部門に支配される
- 主な症状
- 不和
一人の強力な将軍の代わりに大勢の強情な副官がいる。 - 優柔不断
意志決定が非常に困難、あるいは不可能なプロセスである。 - 混乱
各部門が、ちぐはぐな行動をとっている。 - 不快感
誰も満足していない。とくに一般社員は不幸だ。
- 不和
- 治療法
- 効果的なインターナル・マーケティングの展開
リーダーは、部門を越えた関係者全員を、同じ目的のもとに団結させなくてはならない。 - 管理職を象牙の塔から押し出す
社員にさまざまな部門や地域を経験させる。 - 恒久的な部門横断チームをつくる
あらゆる部門からの代表者を巻き込んだ恒久的な経営チームを組織する。 - 機能や地域ではなく、顧客や製品を中心に組織を再編する
損益の管理単位を変更することによって、機能や地域による縦割り組織に起こる内輪もめを鎮める。 - 自動化と統合
コンピュータ化によって、業務・組織・プロセスを統合する。
- 効果的なインターナル・マーケティングの展開
- 予防策
- わかりやすい透明な手法で後継者を育成し、管理職には、さまざまな職種を経験させる。
- 部門間に上下関係をつくらない文化を築く。
- 社外の要因に会社の焦点を置くことで、従業員を共通の目標に向けて一体化させる。
- 必然的に支配的な文化が車内にある場合、その支配的文化に染まった人間にさまざまな部門を回らせる。
- 発症のきっかけ
2009年01月17日(土) 12:00:01 Modified by okey200808