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作者:鏡貴也
イラスト:榎宮祐
掲載:月刊ドラゴンマガジン
出版社:富士見書房 富士見ファンタジア文庫

放映データ

本編
900秒の放課後
《月》が昇る昼休み
神隠しの通学路
夜逃げの生徒会室
夏休みカタストロフィ
欠席のウサギ
二学期でさよなら
魔女と花火と女学校
終末を嘆くカラス
校庭で笑う魔女
悪魔と魔女と生徒会長の恋
初夜と最後の五日間
最後の生徒会

高校編
紅月光の生徒会室

あらすじ

宮阪高校1年生、鉄大兎。自分は人生の主役で、頑張れば報われるなんて幻想は、もう信じていない。彼の毎日は、ずっと平凡に消費されると思っていた。でも彼は忘れていた。"彼女"の笑顔。交わした"約束"。血肉に溶けた"呪い"。大切な記憶は、なぜ奪われたのか?それでも失われたはずの記憶の中で、"彼女"は微笑む。「私の毒をあなたに入れる。決して離れられなくなるように」9年前、まだ幼かった大兎は、人外の少女≪最古の魔女(ヴァンパイア)≫サイトヒメアと出会い、彼女とある"約束"を交わしていた。そのために、ヒメアは78840時間という、気の遠くなるほどの長い年月、囚われの身となり続けていたのだ。大兎がヒメアの記憶を失くし、平凡に堕ちている間、ヒメアを巡るいくつもの陰謀が蠢いていた。超絶的な魔術の力と凶剣(スペルエラー)を持つ生徒会長、紅月光。キスで月光に縛られた雷の悪魔・美雷。平凡な毎日を破壊する者たちが、ヒメアを巡る環に連なり、次々と大兎の前に姿を現す。"15分に7回"。大兎がヒメアとの"約束"を思い出したその時。平凡だった彼の日常は、大きく歪み始める。死よりも重い、その"約束"を、もう二度と違えないために、大兎は想像を絶する戦いに足を踏み入れていく!

登場人物

宮坂高等学校生徒会
サイトヒメア(沙糸ヒメア)
宮阪高校1年3組所属。生徒会委員。グラデーションがかった薄桃色の長い髪を持つ絶世の美少女であるが、実際は「最古の魔術師」と呼ばれる存在。他にも「最古の魔女」という異名も持つ。永い時を生きてきており魔術に対する知識が極めて多いため、強力な魔術も簡単に使える。「幸福」の一部が分離した存在で、「最古の魔術師」としては遥と直前に分裂する前の分身体。日向に捕まり、拷問されたときに自身の魔法を全て封印し、鍵を大兎に預けた。その後は「軍」に捕まるが、魔法を持たないヒメアは「教会」に売られ、9年間幽閉されていた。大兎が自分のことを思い出したことで魔法を取り戻し教会から脱走して、現在の宮坂高校に住んでいる。大兎が死んだ時、永遠の命を捨てて生き返らせようとするほど、大兎を愛している。一方で大兎と遥の仲を知っており、自分が大兎を縛っているのでないかと一時悩んでいた。理性を取り戻した大兎から本当の気持ちを告げられて、改めて遥に会って話がしたいと思っている。大兎以外の人間に対しては心を閉ざしているものの、生徒会のメンバーは信用している。ただし、大兎と自分の時間を邪魔される場合はその限りではなく、魔術で無差別に排除しようとする(その結果大兎が彼女のブレーキ役になることが多い)。

最古の魔女(ラミエル・リリス)
幸福の魔法で世界を壊し自らも壊れて消える災厄の存在。存在を知る者全てが恐れる存在でもある。ヒメアの中に存在するらしい。月に棲む化け物が生み出した存在とされ、天魔からは「星を冒す異形の神」とされている。ヒメア自身ラミエル・リリスについては名前すら知らない。

安藤未雷
宮阪高校1年4組所属。生徒会委員。本名はアンドゥのミライ。月光と契約を交わした、大物悪魔を自称している14歳。魔界でも最強クラスの悪魔であるスクラルドの娘で、雷神(インドラ)の末裔アンドゥの血を引いている悪魔。雷を使役する悪魔達は彼女に敵わず、雷による攻撃も通じない。月光の凶剣によって力の大半を封印されており、月光からキスされた時のみ力を解放できる。ドクターペッパーが大好き。泉と並んで生徒会内きってのトラブルメーカー。本人は自覚していないが、事実上月光が彼女の保護者となっている。月光との会話をきくとマザコンだと見える。

碧水泉
不良を自称しており、授業をさぼったり、校内でもたばこを吸ったりする。優秀な頭脳を持ち、日常に感じた齟齬をたどって、生徒会にまでたどり着いた。そして月光とテストの点数で勝負し、僅差での戦いとなったが家庭科で圧倒的な勝利を収め、はれて生徒会委員となった。その優秀な頭脳を生かし、書記を務めている。低いレベルの魔術を扱える。

宮坂高校の生徒
時雨遥
宮阪高校1年3組所属。大兎の家のお隣さんであり、大兎とは小学6年生の頃から付き合いのある幼馴染。その仲は両方の親が将来の結婚を認めるほど。平凡な大兎のそばでいつもニコニコしていて、笑顔の絶えない無邪気な少女。家事全般が得意。学校では女子テニス部に所属している。しかし実は大兎を監視する為に「月の外側の神」に造られた存在で、普段はその記憶が封じられている。彼を好きになってしまったため、封・解呪師のエントリオ兄弟に「監視者としての記憶を封じて欲しい」と依頼した。その正体はヒメアと同じ「最古の魔術師」の分身体で、ヒメアとは直前の分身体。理由は不明だが(本人もその情報にアクセスできないとのこと)、大兎にサイトヒメアのことを好きになるよう仕向けた。しかしその一方で彼女自身も大兎のことが好きであったため、その罪悪感から逃れるために「月の使者」という別人格を作り、彼にサイトヒメアのことが好きになる魔法をかけ続けてきた(彼女の別人格である「幸福」の言うところによると、この行動は大兎を守るためであり、同時にこの「預言」を覆すキーワードである模様)。記憶を取り戻した大兎と向き合い、話をしていく中で彼を信じ、助けを求めようと「預言」に関する重要事項である「過去を見る」ことを大兎に告げたところで、「預言」の防壁により消されることになる。その際大兎に、ヒメアが大兎にかけたのと同じ「その人が自分のことを覚えていることで復活できる『毒(まじゅつ)』」を入れ、「大好き。何億年も前からずっと好きだった」と告白し、「預言」とこの世界のこと、そして、自身の分身体であるヒメアのことを彼に託し、消滅する。だが本人いわく「大兎が覚えてさえいれば、復活できる」らしい。なお、預言によって遥の家や家族もなかったものとされ、生徒会メンバー以外の人間からは彼女の存在を認識することができない。

テンペロン・クローリー
璃依音・アルトマン(リーネ・アルトマン)
テンペロン・クローリーに所属するドイツ人の一級C魔女。見た目15,6歳くらいで、銀色のツインテールにした髪に碧眼という外見の美少女。武器は日本刀と炎系の魔法。詳細は不明だが月光とは顔見知りで、襲撃の際、彼を殺したくないという理由から降服を呼び掛けた。優等生ではあるが結構調子に乗りやすく、それが原因でたびたび窮地に陥ることがある。またハッタリにも弱く、月光や泉に騙されている。しかし 戦闘力は確かで、使いこなせていなかったとはいえ「黒兎の力」を手にしていた大兎を圧倒している。赤ん坊のころに親に捨てられたと言う過去を持ち、置手紙の「この子を強い魔女にして下さい」から、自分が強くなれば両親に会えるのかなと思い、一級魔女を目指す。メイフのペルティリーネの契約悪魔で、冥族の悪魔。黒髪、白い肌、深紅の瞳をした外見で、封印を解くと髪が角のように立つ。「死訃気」というあらゆるものに「死」をもたらす魔法を使う(ただし成功率が悪く、20%の確率でしか成功しない)。まだ幼い悪魔のようで、契約に関しては父親から聞いたことをそのまま伝えているだけである。しかし契約者である璃依音のことは大切に思っている(本人いわく契約者は家族のようなものだから)。また、その言動から推察するにファザコンと思われる。

百夜千夜
テンペロン・クローリーに所属する、一級C魔女。見た目14、5歳くらいの日本人。少し癖のついた黒髪に黒目という外見で、頭に日本式のお札を張っている。マイペースかつ天然な性格で、いつも笑っている。そのため基本的には契約悪魔のノギが代わりに取り仕切っている模様。指揮棒のような武器を媒体に魔法を使用できる。テンペロン・クローリーの「軍」襲撃の時は、ノギと共にハスガに襲撃をかけた。幼いころからその強力な潜在能力により、人の心を読むことができた。だがそのために周りからは「バケモノ」扱いされ、やさしい言葉をかけてくれる親に甘えようにもその本心がわかってしまうため、ずっと孤独な幼少期を過ごしてきた。彼女が魔女になった理由は、自身の力を制御し、人の心を読む力を封じるためである。また彼女がいつも笑っているのは、本心を読んだことによる動揺が表情に表れるを防ぐためであり、ノギやリーネ、クララへ過剰なスキンシップをしてくるのも幼少期の孤独感からである。彼女の契約の代償は「‘人の心を読む力’を永久に封じることができなくなる」と言うもの。そのため、契約することは自身の願いが永久に叶わないことを意味するが、「ノギが代わりにずっと側へいてくれることになるのならそれでいい。」ということから契約を結ぶ。

ノギ・フリーダ
千夜の契約悪魔。見た目10歳くらいで、真っ赤な髪と瞳にメガネをかけた外見。何族かは不明だが、炎系の魔法を操る悪魔である。契約主である千夜とは対照的にしっかり者で、基本的には千夜に代わり取り仕切っている(だが、本人は千夜に行動してもらいたいらしく、「指揮権をとられて喜ばない!」と怒っている)。その様子は、ハスガ曰く「月光と美雷の逆パターン」とのこと。結構お人好しな性格で、契約の時に代償の内容について説明しており、その際千夜の過去と願いを知っているため、契約したときに「お前はバケモノなんかじゃない。」「私の前では遠慮するな。」と声をかけている。千夜にとっては心から理解し合える友達(というよりも保護者)となっている。

クララ・シュヴァーロフ
テンペロン・クローリーに所属する、ロシア人の一級C魔女。リーネ・千夜とは同期で同じ特別クラスに所属。少々気弱だが心優しい性格の持ち主である。テンペロン・クローリーの「軍」襲撃では、契約悪魔のユキと共にセルジュに襲撃をかけた。その後、セルジュとメル友になった模様。代々一級魔女を輩出してきたシュヴァーロフ家の長女で、幼いころから一級魔女になるよう厳しい訓練をさせられてきた。本人は心優しい性格の為本当は魔女になりたくなかったが、自分が拒否した場合、妹のアリサが代わりに過酷な道を進むことになるため、妹を守るために一級魔女になる道を選ぶ。彼女が契約の時に差し出した代償は「最愛の妹アリサとの時間」。アリサを失うまではいかずに済んだが、生涯アリサと会うことはかなわない運命となる。ただし、このことはユキが事前に伝えており、彼女もそれを受け入れたうえで契約を結んだ。ちなみにメンバーの中では教官も含めて一番の巨乳。そのため他二人からは恨めしい目で見られ、教官からは「今後その巨乳を自慢したら殺す。」と言われてしまっている。

ユキ
クララと契約する、氷雪系の魔法を使う悪魔。とても小柄で、語尾に「〜なの」をつけたしゃべり方をする。非常に心優しくお人好しな性格で、クララと契約する際、彼女の差し出す契約代償を事前に伝え、契約した時も泣きながら大切なものを奪ってしまったことを謝っている。

ギゼラ・エディンガー
テンペロン・クローリーに所属する一級A魔女で、璃依音・千夜・クララの指導教官。メガネをかけたいかにも教官といった外見である。フリーダムかつ言いたいことをズケズケと言うが、指導者としてはとても優秀である。また教え子の3人を大切に思っており、契約に向かう璃依音たちに「まちがっても死ぬな」と伝えたり、テンペロン・クローリーリーダーの「エキドナの娘」が璃依音達の最初の昇格試験を「最古の魔術師」殺しに決定したときは強く反対している。一級魔女なので悪魔とは契約しているが、本人が強いのでめったに呼ばれない様子。契約悪魔もそのことで寂しがっている。

魔界(マクアエ)
スクラルド
インドラの末裔である魔界の悪魔で、美雷の母親。稲妻のように宙空をまう髪に金色の瞳をもち、マントのような形状の稲妻をまとっている。魔界でも最強クラスの悪魔で、実際人間から魔界の王とみられている悪魔であるサタンを殺している。日向により見せられた「天魔の夢」に従い、美雷を月光のもとへ送り出す。その後、予言では黒兎と化した大兎に殺されるはずであったが、月光たちの介入等により、その運命を逃れる。その後、美雷に自分を殺させて力を受け継がせようとしている。

魔法のじゅもん

サイトヒメア 制止(アルト) (相手を拘束し、効果時間中相手の動きを止める術式である)

用語

天魔
全貌を見ることはおろか、姿すらも想像がつかないような謎に満ちた化け物。旧世界の支配者だったらしく、本人たち曰く「おまえたち(人類)が生きていられるのは我々のおかげ」とのこと。紅兄弟を「鴉」と呼んでおり、日向を「右首」、月光を「左首」としている。最古の魔女を忌み嫌っており、月光にヒメアの中に潜むとされる最古の魔女を協力して封じるように取り引きさせた。

神種
普通の者では手に負えないどころか、その名を呼ぶことすらできないような類の化物。天魔の改造体を移植され暴走した際の大兎の力は、神種の中の上位にあたる。

最古の魔術師(ヴァンパイア)
一番古い時代から最も深い場所にいた存在。もともとは一匹だけ存在していたが、その孤独感から人格が分裂して、いくつかの個体になった。そのため、名前が付いていても同じ個体の別人格であるという場合も多い(正確にいえば、最古の魔術師の個体名は、その人格名である)。物語開始時まではヒメア、遥以外にも個体として3人いたらしいが、全員日向に殺された。


禁忌などは気にもかけず、異世界から魔術や悪魔などを集め、支配しようとしていた巨大な組織。その力は神種と呼ばれる存在さえも使役できるほどにまで大きくなっていた。その組織名とは裏腹に、「預言」に対抗するための呪文の名でもある。一度は、世界の破滅を本来の6年後にまで引き延ばすことに成功したが、天魔の因子を埋め込み改造を施され、暴走した大兎によって、その6年の引き延ばしは無効化、組織も壊滅状態に陥る。

宮坂高等学校
「軍」が管理する、異常な力を持つ子供を集めて作られた学校。なのだが生徒会委員と一部教員、遥以外は普通の人間の様子。全員が全員異常な子供というわけではないと思われる。生徒会は聖地を管理する組織でもあり、強い権限を持つ。

教会
異世界の物を管理しようとしている組織。ヴァチカンを本拠地としている。サイトヒメアや東のエラを幽閉していた。

魔女たちの園(テンペロン・クローリー)
「軍」、「教会」とならぶ、強大な魔術組織。ドイツを本拠地としている。魔界の悪魔と契約した人間の魔女たちからなる組織で、構成員は全員白と赤を基調としたブレザーとチェックのスカートの制服を着ている。基本魔女とその契約悪魔のペアで行動している。7巻で、「軍」が崩壊したという噂を聞き(月光がわざと流した)、襲撃をかける。

エルフ
異世界に住む、非常に好戦的な種族。頭部に2本の白い角を持ち、精霊の力を操る。強力な力を持っているが、その力に慢心し、現在では人間に庇護を求めるほどにまで落ちぶれている。現在は人間と停戦協定が結ばれているが、過去に攻め込まれて大惨事になったことがある。

凶剣(スペル・エラー)
2000年以上の昔から教会に伝わる、すべての魔の力を封印し、祓う力を持つ刺突剣のような武器。現在は月光が使用する。剣を突き刺し、呪いをかけて口づけする事で相手の力を封印することができる。また対象の命などを消去することもできる。

聖地
異世界へつながる道をつなぐ事ができる、特殊な場所。

宮坂高校生徒会の聖地
「軍」が管理している特殊な聖地。精霊・リィルが宿っている。18歳以下の子供しか契約できず、契約の際には8リットルの血を捧げる。また、契約者以外が道を開こうとするとその人物を殺そうとする。これにはサイトヒメアでさえも対処しきれなかった。

預言
この物語のキーワード。普通の者には見えないが、空間をびっしりと埋めており、先に起こることが記されている魔術。無数の階層(スクデュル)に分かれており、深い階層に行くほどより細かい未来を知ることができる。この預言を変えることは不可能とされており、実際「軍」や「天魔」ですらも変えることができなかった。天魔達は、この預言の奥深くを既に見ており、「軍」もある程度の段階まで見られる技術を開発している。暴走後の大兎もわずかではあるが、大兎自身で預言を見ることができている。「軍」は呪文を使い、この預言に記されていた世界の破滅の期限を延ばそうと一度干渉したが、大兎の暴走により元の世界の破滅の期限に戻った。しかし、預言にはこのことすら記されていた。また天魔も「鴉の魔術」を用いて壊そうとしていたが、それも預言に組み込まれていた。

雑記



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