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作者:よしだもろへ
掲載:ヤングエース
出版社:角川書店

あらすじ

伊奈里神社の近所に住む女子中学生の伏見いなりは、怪我をして川に落ちそうになっていた神使の子狐を助ける。いなりは神社の主祭神である稲荷神うか(宇迦之御魂神)と出会い、他人の姿に変化できる神通力を授かる。うかは自身の神通力を分け与えたことで体の不調を覚えるが、いなりにはそのことを隠した。 "正一位"という最高位の女神であり、神々の中でも特別視される彼女は、心許せる友人ができたことを喜ぶ。いなりの兄 伏見燈日は霊感が強く、神の姿を見ることができた。幼い頃にうかを目撃し恐怖を味わった彼は、彼女を警戒する。しかし 次第に打ち解け、ふたりは親交を深めてゆく。いなりはクラス劇の配役を決めるくじ引きで、意中の丹波橋紅司の恋人役を引き当て舞い上がる。しかし 自分が無意識に神通力を使ってしまったことを知り、ショックを受ける。いなりの中で次第に増大する神通力が無意識に彼女の願望を叶えてしまう。他の女生徒から預かった紅司へのラブレターを突風が吹き去る。いなりはクラス劇の役を辞退し、女生徒の姿で紅司に告白して償おうとするが、そのことで周囲に新たな軋轢を生む。いなりが強大な神通力を発するにつれ、うかはひどく苦しむようになる。このままいなりが神通力を使い続けると、うかが消えてしまう。いなりは努めて神通力を使わないよう過ごすが、他の女子生徒達と喧嘩になり土砂崩れが彼女達を襲う。神々を統べる天照大御神(あまてらすおおみかみ)に選択を求められたいなりは決心し、神通力をうかへ返した。程なくして、いなりに変身能力が戻る。紅司に化けた姿で本人と鉢合わせしてしまったいなりは、彼に神通力のことを打ち明ける。いなりは以前から想いを寄せていたことを紅司に告白し、ふたりは交際を始める。うかは燈日に恋焦がれる気持ちを抑えきれなくなり、人間になりたいという感情に取り憑かれる。いなりに神通力が蘇ったのはうかの存在が人間へと近づき、いなりが代わりに神へと変化しているためだった。いなりは昏倒し、今度はいなりの体が消滅しそうになる。うかは、人間になることが自分の本当の願いではないと気付く。燈日にプロポーズされ、うかは感極まる。紅司はいなりを救うため神の国、高天原に乗り込む。紅司の亡き父にも助けられ、いなりと紅司は人間界へ帰還する。一連の出来事が解決し、いなりはうかに神通力を返した。神の掟により、人間達から神に関する記憶は失われる。天照が最後にひとつだけ願いを叶えてくれると言うのでいなりは、うかと燈日がふたり一緒に暮らせるよう燈日を神にしてあげてほしいと願った。兄 燈日の存在が消滅した世界で、いなり達は神々に見守られながら新たな日々を重ねてゆく。

登場人物

人間
伏見いなり
京都・伏見に住む女子中学生で、藤草中学校の2年生。父・母・兄との4人家族で、父の初午は少女漫画家、母の葛葉は初午のアシスタントをしている。ドジだが、頑張り屋な性格。丹波橋に一途な恋心を抱いている。神使のコンを助けたことがきっかけで、願いを叶えて貰ったものの間違いに気付き宇迦之御魂神(以降うか)の再度の計らいで神通力の一部を授かり、万人へ変化する能力を得る。ただし、いなり自身が人間であるために変化できるのは現世に実在する人間だけで、神などには変化できないと当初思われていたが、うかのお見合いを壊したいという強い思いでうかに変身したことがある。兄とは異なり霊能力の類いはまるっきり持ってない筈なのだが本来は観たり触れたり出来ない筈の神使のコンを助け上げれる等元々からの潜在能力は高かった様で、うかに神通力をすべて返したにも関わらず神通力を持ち続けており、天照大神に神としての修行に就く事を命じられている。いなりの神通力のことを知っているのは燈日と紅司のみ。

高天原
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
伊奈里神社の主神で、穀物神の女神。位は稲荷神の最高位、正一位稲荷神。通称は「うか(様)」。人間からは「お稲荷さん」と呼ばれている。御使いのコンを助けてもらった礼に、いなりの最初の願いを救済する措置として彼女へ自身の神通力の一部を授けた。最高位の神でありながら乙女ゲームが好きなオタクという一面を持つが、これはかつて自分の位目当てで寄ってくる男神に嫌気が差していた頃にミヤが薦めた乙女ゲームに影響されたことによる。自分を溺愛する兄の大年神のことを避けており、神社には彼を除ける結界が張ってある。以前から人間に興味を抱いており、自己判断でいなりに神通力の一部を与えたことからも自らの消失に繋がりかねないほど神族としてのバランスが危うい状態にあるため、いなりが神通力を使えば使うほど消耗してしまう。しかし、いなりに気を遣ってその事実は伝えていなかった。天照大神の判断で一旦天の大岩戸に封印されてしまうが事情を知ったいなりに神通力を全て帰して貰っている。最新刊では燈日への恋心から人間になりたいと思うようになり無意識であるがいなりに神通力を渡しつつありいなりが神性を持つようになった。

コン
宇迦之御魂神の御使い(神使)の子狐。油揚げが好物。川へ落ちかけて溺れかけていた所をいなりに助けられ、彼女が変身能力を得るきっかけを作る。いなりが変身能力を得てからは手のひらサイズの御使いとなり、彼女をサポートしているが一番に思っているのはうか。人間にも変化できるが、未熟ゆえに耳と尻尾は隠せない。

天照大御神(あまてらすおおみかみ)
太陽神の女神。全ての神の頂点に立つ存在で、彼女の命令にはどの神でも逆らうことができない。が、見た目はメガネをかけた小太りのおばちゃんである。新神いじめを趣味としているが殆ど暇つぶしの感が強い。

大宮能売神(おおみやのめのかみ)
稲荷大神五柱の一神である女神で、通称「ミヤちゃん」。お嬢様言葉で話す。宇迦之御魂神が高天原にいた頃、人間界のお土産として乙女ゲームを渡し、宇迦之御魂神を二次元コンプレックスに目覚めさせた。

神大市比売(かむおおいちひめ)
宇迦之御魂神と大年神の母。怒ると怖い。櫛名田比売とはライバル関係にあるらしい。

用語解説

変化(へんげ)
いなりが授かった神通力。両手で印を組み(手で作った狐を向かい合わせてハート型にしたような形)「いなり、こんこん、○○になーれ!」と唱えることで、思い浮かべた人間へ変化する。対象は名前や細部を知らずとも、ぼんやりとしたイメージだけで変化できる。当然ながら変化中も当人は別に存在しているため、鉢合わせたり変化が原因で軋轢が生まれることもある。うかの御使いやトシも同じ力を持つ。御使いの狐達は一度見た物(漫画雑誌やゲーム機などの無機物も含む)へ自由に変化できる。

伊奈里神社(いなりじんじゃ)
伏見家の近所にある神社。主神は宇迦之御魂神で、御神体としてキツネが祀られている。モデルは伏見稲荷大社と推測される。

藤草中学校(ふじのくさちゅうがっこう)
いなりたちが通っている中学校。伊奈里神社の近所に存在する。校舎や体育館などの建築物は京都市立藤森中学校がモデルとなっている。

高天原(タカマガハラ)
神の国。天照大御神をはじめ多数の神が住んでおり、様々な掟が定められている。神々が住んでいることや独特の掟が存在することを除けば古風な街並みは現世と大差無く、そこのテレビドラマなども観られる模様。

雑記



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