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作者:森田季節
イラスト:紅緒
出版社:SBクリエイティブ GAノベル

あらすじ

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
前世で過労死したOL 相沢梓は、メガーメガ神により不老不死の魔女アズサ・アイザワとなって異世界に転生した。平和なフラタ村近くの高原で、前世で味わえなかったスローライフを満喫しつつ、生活費稼ぎとして毎日スライムを倒して細々と生きることおよそ300年、ある日自分が「レベル99」となる最強の魔女となったことを知ってしまい、噂を聞きつけた者たちが訪れる。果てにはナンテール州最強と呼ばれるレッドドラゴンのライカからの挑戦を受け撃退するが、彼女からの申し出により弟子にすることになる。こうしてアズサの300年にわたる一人暮らしは終わりを告げた。新しくできた家族を守りながら、スローライフを満喫しようとしつつも、次々と新しい事情に巻き込まれるようになる。アズサが300年間コツコツと倒してきたスライムの魂から生まれた精霊ファルファとシャルシャを娘に、上級魔族から指名手配を受けアズサに助けを求めてきたエルフの調薬師で社長のハルカラを2番目の弟子に迎え、さらにハルカラが近くのナスクーテ町に建てた新工場に現れた幽霊のロザリーを家に迎え入れるなど、種族も年齢も様々な家族が徐々に増え、またハルカラを指名手配した魔族の農相ベルゼブブとも仲の良い友達となる。

ある日、ライカの姉 レイラの結婚式に出席したアズサは、嫌がらせで結婚式の妨害に来たフラットルテたちブルードラゴンを撃退し、レッドドラゴンとブルードラゴンの間に停戦協約を結ばせることに成功する。このことが評価され魔王プロヴァト・ペコラ・アリエースから「魔族褒章」が送られることとなり、紆余曲折の上、魔王ペコラから「お姉様」と慕われるようになる。これによりフラットルテの主人となったほか、人間の王国内だけでなく魔族の国にも時々赴くようになる。ベルゼブブの秘書官であるリヴァイアサン姉妹のファートラとヴァーニア、ファルファがスライムの姿になってしまったときに出会い、ベルゼブブの弟子となったスライムの武道家ブッスラーなど、魔族の国でも関わる人たちが増える。また、魔女として鳴かず飛ばずだったため自分の偽物を演じていた魔女エノ、引きこもりだった猫獣人のアンデッドであるポンデリや、売れない吟遊詩人だったウサギの獣人ククなど、様々な人を助けていく。そのように最強の魔女かつ立派な家長として振る舞ってきたアズサだが、ファルファとシャルシャが精霊の集会である「世界精霊会議」に招かれた際、水のしたたりの精霊でママと呼ばれる世話好きなユフフと出会い、この世界に来て初めて甘えることのできる母親のような存在ができる。また、ベルゼブブの家の庭である森で人の姿をしたマンドラゴラのサンドラを保護し、高原の家の菜園に3人目の娘のような存在として迎え入れる。これで、ライカを弟子にしてから約1年が経った頃には、高原にすむ魔女の家族は総勢8名となり、帰省先もできた。

王国各地の神殿で結婚立会人として祀られている松の精霊ミスジャンティーを助けたり、クラゲの精霊で画家のキュアリーナと出会うなど、精霊たちのと関わりも増えていき、さらに自分を不老不死にした女神メガーメガ神と再会する。そんな中、約5000年前に滅び伝説となっていた古代文明サーサ・サーサ王国の遺跡が発見され、そこで悪霊となって暮らしていたムーム・ムーム王たちとも仲良くなり、その古代魔法が魔族の国に伝わって魔族たちの魔法技術や活動範囲も広がってゆく。恩のあるメガーメガ神であるがかなり緩くいい加減な性格で、この世界に元からいた年神ニンタン神を怒らせ、両者の仲を持つ羽目になったアズサは、メガーメガ神からの祝福を受け「レベル99」から「レベル神クラス」へと限界突破し、ニンタン神を武力で退けてしまう。このことからメガーメガ神だけでなくニンタン神にも頼られるようになり、神との関わりも増えるようになる。さらに、各地で倒されたスライムの魂から新たに生まれた、ファルファ・シャルシャの妹というべき精霊シローナの存在を知ると、彼女を4人目の娘と考えて気に掛ける様になる。シローナはアズサに倒されたスライムを中心に生まれたわけではなく、冒険者として自立していたため家に来るのは断られたが、徐々に交流は増え心も開いてゆく。また精霊としてのアイデンティティーに悩んでいた月の精霊の占い師イヌニャンクと出会い、彼女を精霊の仲間に迎え入れるのを助け、祭典を開いて上げるなど、精霊との関わりもますます広がっていく。その後もドライアドの賢者へ会いに行ったり、死神と出会ったり、怪盗に狙われたり、旧神が復活したりなど様々な種族や神々との出会いも増えつつ、レベルMAXになってライカを弟子にしてから約2年の月日が経過した。

ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました
田舎の青果店出身である庶民の魔族ベルゼブブは、1000歳を越えてから農務省に入り、農業政策機構で1500年以上も出世を断り、ヒラ役人としてダラダラと安定した暮らしをしていた。しかし、新しく即位した魔王プロヴァト・ペコラ・アリエースにより、農相へ抜擢されてしまい、上級魔族となってしまう。仕方なく姿やしゃべり方を矯正し、秘書官のリヴァイアサン姉妹のファートラとヴァーニアの支援を受けながら、着々と大臣の仕事をこなしてゆく。本作では、ベルゼブブが農相になってから本編に合流するまでの約250〜300年間が描かれている。

レッドドラゴン女学院
レッドドラゴンの娘ライカは、初等学校を卒業し、6年制のお嬢様学校レッドドラゴン女学院に入学する。そこでは、実の姉レイラが学院史上最強の生徒会長として君臨しているのであった。最強の姉レイラを越え、女学院最強のレッドドラゴンとなるため、ライカは日々精進する。本作では、ライカが入学した日から3年生になった日までの20年間が描かれている。

登場人物

「高原の魔女」とその家族
王国(人間領)北部にあるナンテール州の伯爵領にある平和な田舎、フラタ村近くの高原にある家に住む、アズサとその家族たち。家事は交代制。以下、家族になった順番で記載する。
アズサ・アイザワ/相沢梓
前世で27歳にして過労死したOL。「高原の魔女」の二つ名で慕われている。見かけは17歳の少女だが、年齢は約300歳。過労死後、あの世で「来世でとことん幸せに生きられる様にどんな願いでも叶える」と言う女神 メガーメガ神に「不老不死になって高原の家でスローライフを送りたい」と願い、女神の提案で見かけ17歳の不老不死の魔女として転生する。メガーメガ神から与えられたフラタ村近くの高原の家に住み、時折村人と交流をしながら、前世で味わえなかったスローライフを満喫していたが、生活費稼ぎとして300年ひたすらスライムのみを倒して稼いだ経験値によりレベル99とカンストしてしまい、膨大な魔力を持つに至る。レベルがカンストした影響か、魔法だけでなく格闘術でも強さを発揮するようになったが、武術の心得があるわけではなく、高いステータスに物を言わせたゴリ押しに近い。ブッスラーを探すために出場した武術大会では決勝でベルゼブブを倒し優勝した。美しい部類に入るようであるが、スタイルについては多少のコンプレックスを持っている。本来の職業は薬草魔女であるにも関わらず、約250年の伝統があるフラタ村の「踊り祭り」前夜祭で村長の頼みを受けて喫茶店「魔女の家」を開いたり、前世の日本のことを思い出して「食べるスライム」(饅頭)や「葉っぱスライム」(柏餅)などを作り出しているため、世間では「お菓子作りの魔女」としても知られてしまっている。後にニンタン女神と対峙した際、メガーメガ神の祝福を受けて「レベル99」から「レベル神クラス」にレベルアップした。ヴァンゼルド城からエフォックへ「怪獣の旅」をした際に、途中の峠にいたシカやバジリスクに懐かれ、向こうから面会に来たこともある。家事は交代制と決めているが、洗濯はアズサが竜巻の魔法を使って行っている。また、食材や料理の冷凍なども魔法を駆使している。

ライカ
火竜レッドドラゴンの美少女で、アズサの弟子。スピンオフ小説『レッドドラゴン女学院』の主人公。ショートカットで、見かけは13歳ぐらいの少女だが、年齢は約300歳で転生後のアズサとほぼ同い年。一人称は「我」で、アズサのことは「アズサ様」と呼ぶ。元々はここ100年ほど、ナンテール州最強のドラゴンと呼ばれており、最強の魔女アズサの噂を聞き力比べを挑みに来たが、あっさりアズサに敗れたため弟子入りを志願。アズサの身の回りの世話をする条件で弟子としての同居を認められた。向上心が高く何事にも一所懸命だが、人前に出ることや容姿を褒められたりすることは苦手。ウェイトレス姿など、非常に制服が似合う。最近結婚した姉レイラがいる。そのためか、師匠であるアズサを姉のように慕う部分があり、アズサからも妹のように思われている。表立って出さないが意外と独占欲がある模様で、時折嫉妬心を見せることがある。レッドドラゴン女学院では学年は1年生→2年生→3年生。ヒアリスらの同級生や後輩から慕われているが、本人はそれを苦手としている。女学院では髪を伸ばすのが普通であるため、セミロングである。入学して2週間で全ての部活動を体験して「50年に1人の逸材」と呼ばれるようになり、「生徒会長の妹」とは言われなくなった。ノエナーレに出会って師事したり、生徒会書記になってからはリクキューエンのサポートなどを受けたりして仲間とともに成長し、最強の生徒会長である姉レイラを打ち負かした。

ファルファ
アズサに倒された数多のスライムの魂が生んだ双子の精霊(姉)。見かけは10歳ぐらいの少女だが、年齢は約50歳。一人称は「ファルファ」で、アズサのことは「ママ」と呼ぶ。深き森ベルグリアに生まれ、その中のアイデルという地域の小屋に住み、大スライムや孤児院の支援を受けながら悪いスライムを倒す冒険者をしつつ、シャルシャと2人で暮らしてきたが、シャルシャの魔法が完成したことからシャルシャの復讐を伝える為にアズサの元へ訪れる。騒動の後にアズサの子供(養子)となる。明るく活発な性格だが、数学や理系科目が得意で大学レベルの問題を解いてしまうほど。マースラによる見立てではレベル35ぐらい。なお、生まれた瞬間を見たものがいるわけではないため、どちらが姉でどちらが妹かは彼女たちが感覚で決めたとのこと。明るく活発なのもあえてそう振る舞っている部分もあるらしい。

シャルシャ
ファルファ同様、アズサに倒された数多のスライムの魂が生んだ双子の精霊(妹)。姉と同じく見かけは10歳ぐらいの少女だが、年齢は約50歳。一人称は「シャルシャ」で、アズサのことは「母さん」と呼ぶ。生まれた理由から、倒されたスライムの恨みを晴らすべく50年掛けて魔力を蓄え、対アズサ特化の魔法「破邪〈高原の魔女〉」を携えアズサの前に現れる。アズサの魔法をことごとく無力化し追い詰めるが、アズサ以外には無力であったためライカに一撃で倒され、気絶している間に溜めた魔力も使い切る。その後 アズサの介抱と説得によってアズサの子供(養子)となる。大人しく冷静な性格で、難しい言い回しを使う。歴史学や神学などの文系科目や幾何学が好きで、専門書をよく読んでいる。論文には「シャルシャ・アイザワ」と署名している。絵を描くのも得意。高原の家の家族の中でも一番年下であるため、妹分と言うべきサンドラが家族になったり、妹のシローナができたときは非常に喜んでいる。

ハルカラ
エルフの娘で、アズサの弟子。見かけは20歳ぐらいだが、年齢は約220〜230歳(自称17歳と2500ヶ月)で、エルフとしては年頃の女性。一人称は「わたし」で、アズサのことは「お師匠様」と呼ぶ。調薬師で自らの名前を冠した「ハルカラ製薬」の社長でもあり、「栄養酒」という名前の栄養ドリンクを製造・販売している。エルフ森林大学薬学部卒。元は人間領のフラント州にあるエルフの自治区「善い枝(よいえだ)侯国」の都市ヒガシャマンの出身で、侯国内に工場を構えていたが、ベルゼブブに追われていた際に助けを求めてアズサの家に駆け込み、仮の師弟関係だったのがそのまま正式な関係となってアズサの家に住み込んだほか「栄養酒」の工場も当時のナンテール州知事ゴルダーの嫌がらせを退け、フラタ村近隣のナスクーテ町に移転させた。後に地元の領主と和解し再建している。かなりのやらかし体質で、毒キノコを食べたり、ペコラに頭突きを喰らわして捕らえられたりしている。酒好きであるが酒に弱い。身体・戦闘能力が無い為、やらかし体質も相まってハルカラに迫る危険に対してアズサ達は面倒を見ることがある。アズサからは会社の後輩のように扱われている。同性愛者ではないが、「食われノンケ」と称し、アズサに時折言い寄ることもある。フラント州の一般的なエルフがスレンダーなのに対し、彼女は作中でも最もスタイルが抜群だといってよく、その大きい胸はアズサのコンプレックスとなっている。胸の大きさは母親の遺伝。実家には父親、母親、兄、40歳年下で美容師の妹が暮らしているが、皆ハルカラ並みかそれよりもいい加減な性格である。後に家族を自立させるため、善い枝侯国のフースミー地区に再建した新工場に家族を全員雇い入れている。初めてライカの背中に乗ったときは乗物酔いで吐いてしまったが、後に克服し、ナスクーテ町への工場への通勤や他地域への出張の送り迎えはライカとフラットルテが担当している。

ロザリー
幽霊(悪霊)の少女。15歳で死去し、死後約200年。髪型はショートボブ。かつてナスクーテ町のハルカラ製薬工場建設地に住んでいた商人の娘で、父から貴族に嫁げると言われていたが、実際はお金に困った父によって遊郭(「小説家になろう」掲載版では娼館、コミカライズ版では歓楽街)に売られることが判り、悲観して首吊り自殺。以後、地縛霊として唯一のゆかりの地である家があった土地を守る為に余所者を追い払っていた。ハルカラが幽霊騒動に困ってアズサに話し、ベルゼブブの力を借りて捕縛。一通りの話を聞いた後、成仏したくないという彼女の希望とアズサの提案により、ハルカラに憑依して高原の家へ移動、一緒に住むことになった。住んでいた土地から離れたことで、土地に縛られることなく自由に移動できるようになり、ナスクーテ町にはアズサの助力も得ながら自己紹介して馴染んだことによって幽霊騒動も収束した。一人称は「アタシ」で、アズサのことは「姐(ねえ)さん」、ライカたちのことは「姉貴」と呼ぶ。本人曰くかつては町でも評判のおしとやかな娘だったが、親に裏切られたことによって「グレた」とのことで、足を広げて座ったり、ぶっきらぼうな口調で話す。幽霊なので壁などをすり抜けられ、ポルターガイストを使い物を動かすことが出来るため、家事の交代にも入っているが、味見だけはできないため、料理の当番はしていない模様。幽霊であるためか、独特の価値観を持つ。幽霊なので着替えはできなかったが、アズサがイメージを強化する魔法を作り、特別なときには着替えられるようになった。後に正確な死亡年が分かり、サーサ・サーサ王国で盛大な二百回忌が行われた。

フラットルテ
ブルードラゴンの娘。見かけは中高生ぐらいだが、年齢は400歳以上。ライカとは違って人型の時も尻尾を隠さない。ライカたちレッドドラゴンの一族とは対立関係にあり、ライカの姉の結婚式を妨害しようと襲撃をかけてきたが、たまたまライカの付き添いでその結婚式に出席していたアズサがそれを撃退し、アズサの監視のもとでライカたちと不戦条約を結ぶに至った。登場当初はアズサになかなか名前を覚えてもらえず「フラフラッテ」「フラフラタルト」「ココアラテ」だの適当な名前で呼ばれていた。後にペコラが開いた魔族褒章の授与式で、ペコラの策略でアズサに頭の角を触られたことでアズサに服従する立場となり、従者としてアズサの家の同居メンバーの一人に加わった。アズサのことを母や姉のように慕い、アズサからも妹のように扱われている。一人称は「フラットルテ」あるいは「フラットルテ様」で、アズサのことは「ご主人様」と呼ぶ。勝負事が大好きな脳筋思考の持ち主で、何かにつけてはライカと張り合おうとするが、どちらかというとライカの姉と腐れ縁で、年齢も約400歳とライカよりも年上。ゆえに高原の家の家族の中では年長者なのだが、本人にも周りにもその自覚はない。父アルメシタン、母カインレスク、叔父バルダンドをはじめ、ブルードラゴン全体も似たような脳筋性格。ただし、フラットルテ自身は勉強をしていないだけで地頭は良く、時折聡明な面も見せる。また、素の性格は清楚らしく、ストレスを発散しきってブルードラゴンとしての性分が消えると、ライカが引く程おとなしく真面目になる。吟遊詩人のファンで音楽に造詣が深く、リュートが弾け歌も上手い。素人レベルだが、技術は高原の家で修行する前のクク(スキファノイア)よりも上。そのため、音楽的にはククの師匠的存在となっている。

サンドラ
成長したマンドラゴラの少女。見かけは5〜6歳ぐらいだが、年齢は300歳以上。一人称は「私」で、アズサのことは「アズサ」と呼ぶ。名前はアズサが考えて提案した。マンドラゴラはただの植物だが、300年以上経つと人間のようにしゃべったり動き回ったりするようになるといわれており、実際に伝説の通りになった者。魔族領の戸籍にもそのような事例がない珍しいことである。人間の家の近くで言葉を学習し、服も人間の真似をして着るようになった。植物であるため、動物とは異なる価値観を持つ。人の姿をしているが、植物なので身体は根っこ、髪の毛が葉である。そのため地表を長時間歩くことはできないが、土の中に潜って進むことができる。土の中に潜ったり、土の中を移動しても服はそれほど汚れない。口から水を飲むこともできるが、身体から吸収した方が効率が良い。動物とは体内が異なっているようで、消化が難しい為食物は摂らず、光合成で栄養を得る。また、肥料で成長したこともある。ファルファ・シャルシャと異なり、体質的にお酒を飲むことはできる。植物のため草食の動物や昆虫は敵。加えてマンドラゴラなので魔女やエルフは脅威の対象である。危険を避けるため樹海化したベルゼブブ邸の庭に住んでいたが、年代物のマンドラゴラを求めていたエノとエノが集めた魔女たちに追われ、アズサに助けを求めた。アズサも騒動のきっかけを作ったこと、サンドラを人間と見なして放っておけなかったこと、そしてサンドラに助けを求められたことから、保護することを決め、サンドラは高原の家の菜園で暮らすことになった。アズサにとって年上でありつつも3人目の娘として扱っているが、ツンデレ的な気質があるため、アズサからは手のかかる子供のように扱われている。また、ファルファとシャルシャからは妹のように扱われ、文字の読み書きや計算などを教えられており、文系のシャルシャと同程度となる初歩の大学数学レベルまでは解けるようになった。ただしサンドラのほうが年上であるため、サンドラから見れば2人は子供たちという扱い。基本的には菜園の土の中で暮らしており、食事もしないため、家族の中では唯一、家事の交代には入っていないが、菜園で野菜を育てる手伝いはしている。むしろ、サンドラが来たことでおいしい野菜が育てられるようになった。ファルファ・シャルシャとフラタ村へ買い物に行くこともある。

魔族領の住人
この世界における魔族とは、知能の高いモンスターの総称。人間に角と尻尾や羽が生えたような姿の者が多いが、ミノタウロスのような半獣半人のもの、イエティ(ユル族)のようなほぼモンスターのような外見の者など様々な者がいる。獣人や、特別なスライムなどモンスターが突然変異した者、モノリスなど古代からいる者なども含まれることがある。モンスターは人間領にもいるが、魔族は基本的にナンテール州よりも北方にある魔族の国(魔族領)において、城塞都市ヴァンゼルドを中心に暮らしている。魔族はかつて人間と敵対関係にあったが、500年ほど戦闘はなく、現在は融和政策がとられており、人間の王国との直接の国交はないが、個人単位で人間と交流のある魔族もいる。また、世界中のモンスターの管理や、人間の法では守られていないアンデッドなどを探し保護する活動もしている。魔族語は書き言葉は難しく人間の言葉とは文字も異なるが、話言葉は普通に通じる。ただし魔法は人間には発音が難しい魔族語の古語を使っている。魔族領の通貨コイーヌは、人間領の通貨ゴールドとほぼ同じ価値であり、アズサの前世における日本円とほぼ同じ通貨価値であるとのこと。修学旅行にはヴァンゼルドよりも遥かに北方にある世界樹に行くことが多い。

ベルゼブブ
ハエの王と呼ばれる上級魔族の女性。スピンオフ小説『ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました』の主人公。見かけは17歳ぐらいだが、年齢は約2800〜3000歳(アズサの10倍程度)。一人称は「わらわ」で、アズサのことは「アズサ」もしくは「おぬし」と呼ぶ。外見は、角と尻尾、折りたためるハエの羽が生えているほかは人間と変わらない。ハエに変身することもできる。ただ、あくまでもハエの要素を持つ魔族であってハエとは関係がなく、また温泉好きなので意外と清潔である。魔族は寿命が長く子孫を残す必要も薄いため、生娘。「栄養酒」のヘビーユーザーで、購入のためハルカラを追いかけていたところ、上級魔族の立場で指名手配書を出したことや、過労で倒れたことが「栄養酒が魔族には毒だった」という噂となって重なったことで、「ハルカラを襲おうとしている」と勘違いされてしまう。誤解が解けたあとはアズサと友好関係を結び、時々アズサのところに遊びに来るようになる。召喚魔法も教えているが、会議中や残業中に呼び出されたり、アズサの発音がおかしくて木の枝に引っ掛けられたり冷めた風呂に落とされたりと散々な目に遭う。ファルファ、シャルシャ、サンドラを気に入り、「娘」と言ってはアズサに突っ込まれる。幼女化したアズサも守備範囲内。ベルゼブブからは当初アズサをライバル視している部分があったが、アズサからは頼れる「お姉ちゃん」扱いな部分がある。

ベルゼブブという名前は昔いた高貴な魔族にあやかって付けられたという。平凡な庶民の出で、実家は地方の青果店。1000歳を超えてから魔族の国の農務省へ就職し、1500年以上農業政策機構でヒラ役人を勤め、気楽な生活をする為に昇進の話も全て断っていたが、ペコラが魔王に就任した際に優秀な勤務態度を見抜かれ突然農相に抜擢されてしまった。その際に部下に舐められないように無理やり口調を貴族っぽいものに矯正したため、「わらわ」や「おぬし」、「〜なのじゃ」など若干喋り方が古臭い。戦闘力も農相就任後に鍛え、数年で魔族でもトップレベルとなった。農相就任に際して貴族となったためペコラから3階建ての貴族屋敷も与えられたが、庶民出身で独身、ヒラ時代はアパート住まいだったベルゼブブは使用人も雇わず持て余してしまい、2階3階を始めとする日常生活に不必要な部屋は百年単位で放置して大量の埃と蜘蛛の巣で真っ白だった。広大な庭は本来はテラスがあったというが、ベルゼブブに与えられる前から放置されていたらしく、本編時点で500年以上手が入っておらずもはや樹海で、手入れが困難な状態。本編の時点で農相になってからは約250〜300年ほど経っている。温泉好きは農相になって100年を越えてから、農務省の研修でロッコー火山の温泉に行ったことがきっかけで、そこで幼少期のライカに出会い手合わせをしている。農相になってから200年を越えた40数年前にはペコラと共にアイデルやフラタ村に行き、ファルファ・シャルシャやアズサとも出会っている。

ケントーミ
ベルゼブブの母親。ベルゼブブの角は母親譲り。夫以上に訛りが強く、地元民以外には何を言っているか解らない。アズサは当然ながら全く理解できなかった。ベルゼブブからは「おっかあ」と呼ばれている。上述の通り、ベルゼブブの両親は地方で青果店を営んでいるが、地方にありがちな専業店不足から羊や馬車まで売るようになり、豊富な品揃えによって人気が上昇。業績拡大し、今や5店舗構えるほどのやり手になっている。

ファートラ
ベルゼブブの秘書官で超大型魔族リヴァイアサンの女性。スピンオフによれば、ベルゼブブが大臣になったときからの部下。一人称は「私」で、ベルゼブブのことは「ベルゼブブ様」と呼ぶ。人間態はベルゼブブやアズサと身の丈が変わらないが、変身すると「船」と形容されるほどの空を飛ぶ巨大なクジラの様な姿になり、背中には複数の建物が建っている。冷静かつ真面目な性格でそつなく職務をこなす。アズサの知る人物の中では最も真面目な性格といえる。妹のことはいつも気に掛けている。苔が好きで、湿気で執務室にカビが生えるほど飾ったことがある。苔に全身を沈める苔浴をすることも。

ヴァーニア
ベルゼブブの秘書官補佐のリヴァイアサンで、ファートラの妹。姉と同じくベルゼブブが大臣になったときからの部下。一人称は「わたし」で、ベルゼブブのことは主に「上司」と呼ぶが、名前を覚えていないわけではない。姉とは飛行と整備を交代で行い、飛行しない方が乗組員として接客を行う。姉とは反対にノリが軽いお調子者のポンコツ秘書で、仕事をサボって風呂に入ったり、飛行中に思い出し笑いをして大きく揺れてしまったり、大事な書類を廃棄と勘違いして暖炉にくべてしまったりする。一方、官僚になる前に調理師免許を取得しているほど、食が絡むと非常に熱心になり、賓客をもてなし、言われてから急遽作れるほど調理の腕も確かであるが、性格故に独立して料理店を始めるようなことは姉に止められている。

ペコラ/プロヴァト・ペコラ・アリエース
見た目は中学生ぐらいの少女であるが、城塞都市ヴァンゼルドの中心にある魔族の王城であるヴァンゼルド城を治める魔王。ベルゼブブよりは年下。前魔王の娘で、魔王になった際にベルゼブブを大臣に抜擢しているため、本編の時点で魔王になってからは約250〜300年ほど経っている。一人称は「わたくし」。アズサのことが大好きで「お姉様」と呼んで慕う。小説を読むのが好きで、姉妹物に憧れがあるほか、特に旅行ものを好む傾向がある。気に入った小説の内容をあの手この手で再現しようしたり、狐獣人化するキノコをアズサに食べさせたりするなど、確信犯的にアズサや部下(ベルゼブブ)を振り回す。魔王に就任した際にベルゼブブをヒラ役人から大臣に抜擢したのは、業績だけではなく姉役にできるのではという考えもあったが、ベルゼブブの遠慮もあって残念ながらそこまでの関係にはならなかった。胸はイラストだと大きく見えるが、実際にはそうではなく見た目の年齢通りである。武力は魔王らしく魔族トップレベルでベルゼブブより強い。

ポンデリ
猫の獣人の女性のアンデッド。死後約40年。一人称は「ボク」。かなりものぐさな性格で、働くことが嫌で家に引きこもり、さらに食事も面倒臭がった結果餓死。そこに様々な偶然が重なってアンデッドとなった。その後、墓場警備員(いわゆる墓守)と称して、人間領のとある墓地の小屋に住み込んでいた(ただし、嵐で墓石が倒れたりしてもほったらかし)。ベルゼブブ達魔族によるアンデッドの保護活動に巻き込まれたアズサが、エノが起こした偽者騒動の際に聞いた話を思い出し、ポンデリへの差し入れ(腐りかけのリンゴ)を持った人と出会って付いてきた為に遭遇。就労を拒絶する彼女に対し、アズサは彼女の趣味であるゲームを基に「ゲームをしてあげる屋」を提案。提案を受け入れてヴァンゼルド城下街に引っ越し「カードゲームショップ デッド・オア・アンデッド」の店主となる。後にカードゲーム「ケット・ケットー」を開発、同ゲームのデザイナーとしても活躍している。またサーサ・サーサ王国の古代魔法を使った「ゲームセンター ポン☆デリ」の店長も兼務し、おもちゃの鑑定で「鑑定騎士団」に参加することもあるなど、引きこもり時代が嘘のように働くようになったが、本人にとっては引きこもり時代と同様に好きなことをしているだけで、働いているという自覚は無い模様。

クク/スキファノイア
ウサギの獣人、アルミラージの女性。吟遊詩人(現実世界で言うなればミュージシャン)。年齢は約80歳。一人称は基本的に「私」で、スキファノイア時は「吾輩」。63年前にアルミラージの村を出て、「スキファノイア」名義で主に人間領の王都で活動していたが、あるとき路上ライブをするためにフラタ村を訪れていたところをアズサ達と出会う。フラットルテ曰く、スキファノイアは遍歴型吟遊詩人のエモーショナル系のクライム系のデス系の孤独系寄りの巻き込み系(要するにデスメタル)であるとのことだが、実力的には中の下で、不人気のジャンルであることから売れていない。フラタ村来訪時も資金難で食費を削っており、無理が祟ってライブ中に空腹で倒れてしまったところをアズサ達に保護され、一時的に高原の家で暮らすことになる。高原の家に来た直後は引退することも考えていたが、アズサの説得で続けることを決めた。一方、デス系への拘りがあったが、フラットルテに諭されて拘りを捨てることも決める。スキファノイヤの作風から脱却するために、アズサが家族による作詞コンペを企画。ファルファ・シャルシャとロザリーの作詞に感化され、本名で活動することを決め、新たな曲作りを始め、フォークソング系の作風となった。フラットルテとはある意味師弟的な関係となっている。その後 高原の家に遊びに来たベルゼブブに作った曲を披露、評価を得て魔族の音楽祭に招待され、成功を収める。以降は主に魔族領で活動し、吟遊詩人の収入で生活できるようになった。大会のテーマソングをまかされることも多いらしいが、暗い作風である上に、駅伝大会で補欠やドーピングを題材にするなど場違いな曲を歌うため(ドーピングが題材の曲は歌う前に主催者に阻止された)、そちらはあまり上手くいっていない模様。

ノーソニア
羽や触覚が出ていて、どう見ても何かしらの魔族であるが、人間だと言い張るツインテールの女性。ある日 高原の家に「旅をしていて道に迷ったので宿を貸してほしい」と訪ねてくる。しかし、7泊8日泊めてほしい、(フラタ村の宿に泊まることを勧めると)溺れるからフラタ村に行きたくない、水たまりに溺れる、文筆業という割には大荷物、サプライズが台無しになるから部屋を覗かないでほしい、高原の家の面々の身体を測る、部屋から轟音が出るなど不自然な言動をする。その正体は、子供の頃は青虫の姿で、そのまま人間サイズ(以上)に成長、さなぎを経て蝶のような翼の生えた人間の姿になる魔族、クロウラー。約230年前の幼少期、両親の巡礼の旅に同行してフラタ村に立ち寄った際、両親が買い物に行っている間に水たまりに落ちて溺れていたところをアズサに助けられた。約50年前に成人し、「ノーソニア商会」という服飾関係の個人事務所を建て、修行の成果で立派な服を作れるようになったため、恩返しで服飾類を作りに来た。ただし、アズサからは助けた当時は小さな青虫にしか見えていなかったため覚えられていなかった。

ソーリャ
下半身が蛇である魔族、ナーガ の女性。ヴァンゼルド城下町で骨董商を営んでいる。魔王直属の鑑定員「鑑定騎士団」の正規メンバー。「〜(な)のですよ」が口癖。アズサがニンタン女神からお礼に貰ったニンタン大聖堂の奉納品を鑑定して文化財保護をお願いし、ハルカラによりナスクーテ町郊外に「ハルカラ製薬博物館」が建てられた。

精霊
様々なところから自然に生まれる霊的存在。日本の八百万の神の如くジャンルわけが細かい。数十年に一度、精霊の親睦会である「世界精霊会議」を開いている。瞬間移動ができたり、人から姿から見えなかったりする事ができる者もあり、存在を信じない人もいる。ミスジャンティーのように、人間の信仰対象として複数の神殿に祀られている、立ち位置的には神に近い者もいる。作中に登場していないが、頻繁に話題に上る精霊として、風の精霊と波の精霊がいる。また、「世界精霊会議」では滝の精霊のフォラーン、火山灰の精霊のジャスヴァ、積乱雲の精霊のミサミなどに出会っている。
ユフフ
したたりの精霊。したたりは水の滴りの意で、水系統の精霊である。一人称は「私」もしくは「ママ」。ハルカラを越える爆乳。ブーガビー村の近くにある滝の付近に住む。精霊の親睦会である「世界精霊会議」の事務担当を引き受け、新たに生まれる精霊を探すなどの世話好きな性格から「(ユフフ)ママ」と呼ばれている。風の精霊がもたらしたスライムの精霊(ファルファ・シャルシャ)の噂を聞き、世界精霊会議の招待状を出したことで、ファルファ・シャルシャと保護者として同伴したアズサに出会った。この世界では自然に生まれてくる精霊と同様に親がいないにもかかわらず、多数の家族を抱えたアズサのことを気に掛け、母親代わりとなった。そのためアズサからはママと慕われ、田舎の実家に帰省するかのように関わっている。また、サンドラからもママと慕われている。したたりの精霊であるため、彼女に長く抱きついていると服が濡れてしまう。

ミスジャンティー
松の精霊。漁村であるタジン村近くにあるミスジャンティー神殿の総本社に住む女性。結婚立会人の精霊として約500年前の全盛期には人間領の全国に神殿が建てられ結婚式であがめられていたが、約70年前にタジン村が新しく造られた街道から外れたことで参拝客が激減し、全国での信仰もすっかり衰えてしまった。神官たちを食べさせていくために姉妹愛を誓う儀式などなりふり構わないプランを提案しているが、ブッスラー程がめつくはない。基本的には姿を見せないようにしているため、人間には認識されない。松を操ることができる。語尾が「〜っス」等となる軽い口調で、神官にもそれは認識されている。後に喫茶店「魔女の家」を引き継いだ「松の精霊の家」をフラタ村とナスクーテ町の中間に開いている。

キュアリーナ
水系統の精霊であるクラゲの精霊。年齢は約60000〜70000歳。放浪の画家として生活している女性で、作風はかなり陰鬱。地元はノーフサンナー州ソコナム港から船で7時間のフォルナ島。口癖は「クラゲゲゲ」。クラゲとテレパシーはできるが、クラゲは何も考えていないことから何もできず、クラゲを操れるわけではないため、アズサから海のクラゲをどかすように頼まれたときは、肩たたき3分で波の精霊に依頼した。精霊の中でも高年齢のため、クラゲについて何かをするのは諦めている模様。クラゲを光らせる魔法を使うことはできる。

シローナ
各地で倒されたスライムの魂から新たに生まれたスライムの精霊で、初登場時の年齢は約0〜1歳。ファルファとシャルシャの妹となるが、見かけはアズサとさほど変わらないくらい。また、アズサに倒された分は数少ない事から、アズサのことは義理の母親扱い。一人称は「ワタシ」。貴族でも何でもないが、貴族風に行動し、「アイデル辺境伯シローナ」を自称している。マースラより魔法を習って、『この冒険者がすごい!』新人部門一位になるほど冒険者として活躍している。それによりファルファとシャルシャが暮らしていた家をほぼ宮殿に変えてしまった。大スライムを訪ねたアズサがシローナの誕生を聞き、家を訪ねたことで出会う。白い物を非常に好み、髪は銀髪(「小説家になろう」掲載版では黒髪)だが服は白。白い吹雪を出す魔法を使い、ホワイト・タイガーの激情の純白(当初は「シロ」という名前だった)や白熊のシロクマ大公などを飼っている。アズサは4人目の娘として扱っているが、上述のとおり生まれた経緯からアズサには素っ気ない態度を取り常に「義理のお母様」と呼ぶ。一方、ファルファとシャルシャのことは「お姉様方」と呼び慕っている。

イヌニャンク
月の精霊。占い師をして各地を放浪していた。名前は自分で総画数から判断し名付けた。見かけは大人の女性だが、年齢は約60〜100歳。生まれてから自分が「月の精霊」であること以外何なのか分からず、アズサたちに出会うまでは他の精霊とも会ったことがなかった。職業としては占い師を見つけ、技術を磨いてそこそこ成功している。アズサと出会って精霊と知り合い、それからはミスジャンティーに頼まれ、ミスジャンティー神殿の総本社の前で「月の導き」という占いの店を開いている。


この世界は多神教で、長命の種族も多く、信仰対象の精霊もいることから、神と呼ばれる対象も曖昧であるが、神学では多くの人から神と認識される存在が神であるとされている。あるとき、西部地方の守護神から北部地方の守護神へ当てた言葉が神殿に現れるという(電子メールの誤送信のような)奇跡が起こり、その内容から古来の伝統神の権威が失墜し、流行神が増えるようになった。魔族は基本的に人間の神話にも登場する魔王の祖先のみを神として信仰しているため、他の神についてはあまり興味を示さない。基本的には目に見えないところにいるが、メガーメガ神のように人前に姿を現して各地を廻る遊行神もいる。メガーメガ神によれば、神には複数の階級があり、天界にいて複数の世界を統括する神と、下界で活動する神がいるとのこと。この世界には月の神などもいるが、別の天体は別世界という扱いであり、能力的に天体を越えることはできず、月に行くことはできない。王国西部のティッテリア州では、300日間走り続けたクリゴ神、カニの姿のドーラク神、フグの姿のテッチーリ神などが祭られている。
メガーメガ神
前世で過労死したアズサを不老不死の魔女にして高原の家近くに転生させた女神。この世界では流行神かつ遊行神。一人称は「わたし」。元はアズサの前世の世界を含む複数の世界を統括する神であった。下界の人とふれあうため天界から降りてきたといっているが、実際は女性ばかりひいきにすることを性別の平等に反すると問題視されて左遷され、アズサが転生した世界に下ろされた。左遷後は「徳スタンプカード」を配り、細かい善行を薦める活動をしている。神そして流行りのメガーメガ神の話をシャルシャとしていたアズサがハルカラから州都ヴィタメイでトークショーが行われることを聞き、会場に訪れたことで再会する。この世界に存在する神と比べて高位の存在であるため能力はあり、武力もこの世界の武神に匹敵するが、かなりいい加減で緩い性格。メガーメガという名は本名ではなく、女神をもじったもの。徳スタンプカードの配布を巡ってニンタン神とトラブルになる。その際同伴で来ていて庇ってくれたアズサに「ゴールド徳スタンプカード」を進呈したが、このカードは特別なもので、レベル99でカンストしていたアズサのステータスを限界突破させレベル神クラスに引き上げてしまった。アズサにしか通じない、アズサの前世の日本の言葉を使うことも多い。ニンタン神とは、騒動後も箱の翁で一緒に遊ぶなど、行動を共にしていることが多い。ニンタン神を弄ってはよくカエルにされているが、カエルの姿も気に入っているらしい。

ニンタン神
この世界の創世の神の一人で、人間に古くから祀られている女神。一人称は「朕」。アズサには「ニンタン」と呼ばせている。耳はエルフよりも尖っている。年の管理をする神で、そのため人間領では「ニンタン女神」として祀られ、数多くの神殿がある。王都近郊の街ニンタニアがその中心地。1000年以上前にニンタン大聖堂が造られた。伝統を重んじる保守的な性格で、不敬な相手をカエルに変えてしまうという気難しい性格で知られる。一方、ぼっち気質のオストアンデやカーフェンを気に掛けているなど、面倒見は悪くない模様。御機嫌取りに来たメガーメガ神を圧倒するが、一つの世界の神でしかないため、メガーメガ神よりは下位の存在であり、武力では負けそうになる。隙を見てメガーメガ神をカエルに変えるが、祝福を受けレベル神クラスにレベルアップしたアズサには敵わなかった。以降はアズサを対等の相手と扱っており、頼ることも多い。

オストアンデ
死神。外見はサンドラと同じぐらいの幼女だが、大量の髪の毛に覆われており、普段はその中に身を隠している。髪の毛は触手のように使うこともできる。一人称は「小生」。基本的に神の寄り合いにも集まらず一人で暮らしており、ニンタンからは案じられて時々様子を見に来られていた。約500年前から小説を書くことを趣味としており、新人賞に送り続けているものの酷評されている。仕事は基本的に部下の中堅死神から来た決裁書に判を押すだけで、長らく現場には出ていないため、書く小説も引退した社員の書く自伝のようになってしまっている。メガーメガ神曰く、転生先なども死神が決めるため、この世界は他の一般的な世界よりも死神の権限が強いとのこと。後に、サーサ・サーサ王国に作られたねこ喫茶の常連となっている。

デキ/デキアリトスデ
旧神。アズサには英語混じりに訛った話し方で聞こえる。一人称は「ワターシ」。賢スラとミユが古代粘土板を解析したことにより、魔族が生まれるよりもずっと前に、魔族領にある夢魔の町、地底都市ヨーストスの地下に封印されていたことがわかったが、ヨーストスの拡張によりそれが解かれてしまった。実際にはニンタンと同じくこの世界の創世の神で、あまりにも絵心がなく不安な造形しかしないため、他の神と別れて地下に封印され、地上の生物にはとても直視できないクリーチャーを生成して生活していた。あらゆる姿に変わることができるが、自分で考えた複雑なものは酷い有様で、地上の生物の姿はスライムぐらいしかコピーできなかった。後にコンテストで描かれた女神の絵を元に安定した姿になった。

カーフェン
運命の神。一人称は「僕」。「運命の神」らしさにこだわる女神で、キャラ作りが激しいことから、あまり友達がおらず、ニンタンからは案じられている。

サーサ・サーサ王国
人間領南部に存在する西ノストムリア山脈のふもとにある樹海の中で、約5000年前に栄えていた、人間の世界でも最古級の古代文明。古代エジプトに似ており、ピラミッドに似た王墓がある。謎の文明として伝承されてきた。実際には古代の疫病で滅んだ後、皆が悪霊として楽しく暮らしてきたため、一般人が近寄らないように努めていたが、キュアリーナが描いた絵をきっかけにアズサ達に発見された。アズサの感覚では前世日本の関西に文化が似ており、内陸地だが海岸よりタコを輸入して作られる、『紅き魔の宝珠』というたこ焼きにそっくりな名物料理があった。『黒緑色をした死の泥炭地』(お好み焼き)は、聖マドクワの伝承とともに北部ナンテール州の町ウィドンに伝えられ、「トラの祭り」で振る舞われている。
ムー/ムーム・ムーム
サーサ・サーサ王国第五十七代国王。古代エジプト風の少女の幽霊(悪霊)で、国王なので特別に身体は残っており、魔法で動かしているため、どちらかというとアンデッドに近い。15歳で死亡し、死後約5000年。一人称は「うち」。アズサには魔法による翻訳で関西弁に似て聞こえるコミュニケーション用の言語、神聖王国語で話す。ほとんど関西人気質。上流階級の者は満足して死んだため、神聖王国語を話す人間で悪霊になったのは自分だけであり、標準王国語を話す人間とはノリが合わず、3000年ほどで飽きて引きこもっていた。引きこもり中、王墓内に古代魔法を使い、2000年掛けてダンジョンのプログラムを作っていたが、完成しないうちにアズサたちに攻略されてしまった。ロザリーと友達になって立ち直り、高原の家へ遊びに来るようにもなった。2000年引きこもっていたため運動不足であり、自力では一歩動くことすら大変である。そのため魔法で身体を浮かせている。魔族の国と契約してお互いの魔法技術を交換し、技術の発展にも寄与している。

ナーナ・ナーナ
サーサ・サーサ王国の王墓周辺にいる数千人の悪霊を束ねるメイド長兼大臣の幽霊。古代エジプト風の外見だが、露出の多いコスプレ風のメイド服を着ている女性。ムーのことは「陛下」と呼ぶが、あまり敬っていない。死後約5000年。メイドとしてはかなり有能だが、かなりの毒舌家で、辛辣な突っ込みをすることも多い。魔法技術交換により、魔族の魔法を応用した古代魔法で強引に地縛を解いて行動出来るようになった。

ダン・ダン
サーサ・サーサ王国の魔法技術者で特A級魔法の技術責任者である悪霊。彼を含む魔法技術者はみな毛を剃った男性で、つるつるピカピカ。

レイラ
ライカの姉。フラットルテとは古くからの腐れ縁でケンカ友達。年齢は約380歳。本編では80年間の放浪の上、久しぶりにロッコー火山へ帰ってきた際、幼なじみと再会して意気投合し、結婚を決めた。スピンオフ『レッドドラゴン女学院』にも登場。学年は5年生→6年生→卒業。生徒会長→引退。家では登校直前までパジャマでいるなどだらしないが、女学院ではしっかりとしており、「女学院最強の生徒会長」として、非常に慕われている。30年ほど放浪した後に女学院へ入学。入学早々に多数の上級生から挑まれ、撃退して多数のバッジを奪取。「影の生徒会長」と呼ばれるようになって、実際に1年生のうちに生徒会長選挙で当選し、6年生まで生徒会長を務めた。そのため「500年に1人の逸材」と呼ばれていた。入学当初の別名は「破壊王」だったが、次第に「最強」と変わり、いつしか「会長」とのみ呼ばれるようになった。6年生になって生徒会長をセイディーに譲った後、ライカと決着を付ける。卒業後、ライカが3年生として新入生を迎える3日前に放浪の旅に出た。本編では子供の頃からライカの方が運動ができて、ケンカでもライカの方が強かったというが、スピンオフではライカと本格的なケンカはしたことがないといい、女学院内ではレイラより強い女子生徒はいなかった。

その他
ナタリー
フラタ村ギルドの新人女性職員。アズサがレベルMAXになっていることに気付くきっかけを作った。胸の大きさには自信がある。転生直後のアズサが会った職員の名前もナタリーだったが、不老不死ではなく普通の人間であり、関係は無い模様。アズサはレベル99になったことについて口止めしたが、たまたまいた冒険者のエルンストに聞かれていたため、広まってしまった。小さい村のギルドにいるため出会いがなく、結婚相手について気を揉んでいる。

大スライム
善のスライムが身を守るために集まり、統合思念体となった巨大なスライム。どちらかというと精霊に近い存在で、女性の分身を作って意思疎通することができる。一人称は「わたくし」。ファルファとシャルシャ、シローナの生まれた毒ガスの出る深き森ベルグリアに住む。スライムを通じて世界中を見ており、人を公平に採点できると言われているが、コミカライズ版では気に障ることがあると0点になる。

マースラ/魔法使いスライム
知能を持って生まれたスライムの一人。マースラはアズサが名付けた呼び名。見かけは15歳ぐらいのブロンドの少女だが、年齢は約300歳。ブッスラーと異なり、150年ほど前から魔法で人型に変身しており、訓練によって会話と歩行ができる。トムリアナ州で最も高いモダディアナ山に隠れて住んでいる。スライムになってしまったファルファの治し方について、ブッスラーを尋ねるように勧めた。後にシローナへスライム独特の魔法を教えた。「鑑定騎士団」でマジックアイテムの鑑定をすることもある。

エノ
魔女。不老不死の身であるが、魔女になってから150年程度鳴かず飛ばずであり、「ちやほやされたい」という動機で「高原の魔女」を騙って活動していたところ、自身の偽者の出現を聞きつけたアズサに見つかった。無名だったのは、魔女のイメージにこだわって人が来ないような洞窟に籠もり、営業活動もせず、加えてあがり症だった事が原因。事情を聞いたアズサが拠点の洞窟を訪問。マンドラゴラから作った錠剤「マンドラゴラ錠」に目をつけ市場に出店することを勧められる。これが爆発的ヒットを生み、後に魔族領の世界樹頂上にある伝説的に有名な薬局にも置かれる程となる。また、この一件で「洞窟の魔女」の二つ名が付き、性格も大きく変わった。アズサを「先輩」と慕うが、ハルカラとは商売敵であるため、仲が悪い。無名時代は魔女業界との関わりもなかったが、後に多数の魔女と交流を持つようになっている。ちなみに、マンドラゴラ錠は疲労回復や整腸作用等の他に、毒キノコ「ノームニナルダケ」による幼児化も治してしまう程の優れ物。

イムレミコ
マーフォークの女性で、幽霊船「天国旅行号」(旧称:第七スペクター号)の船長を長年勤める。初登場時の年齢は423歳。
魔族領に海はないため、人間領の王国の免許を持ち、スケルトンの船員を引き連れて、長年航海している。天国旅行号は元はカニ漁用のガレー船で、船内の氾濫で沈没し、船員がスケルトンとなって幽霊船になったのをイムレミコが購入した。
かなりののんびり屋で、せわしない地上よりも船の時間が自分に一番合っているという。

ミユ/ミユミユクッゾコ
ドライアドのギャル。「世界三大会うのが難しい賢者」の一人。一人称は「ぁたし」「ミユ」あるいは「クッゾコ」。普段は周りのギャル的なドライアドと共に、哲学を修めている。約10年前に賢スラへ当てたボトルメールを海へ流し、来るのを待っていた。

キャンヘイン
ダークエルフの怪盗で、「怪盗キャンヘイン」と名乗る女性。「ハルカラ製薬博物館」に展示されていた「マコシア負けず嫌い侯の盾」を盗むために予告状を出してきた。実は、マコシア負けず嫌い侯の息子のトイアバル強情侯の子孫であり、マコシア負けず嫌い侯のものを一族の恥として集めてきた。先祖と同じく負けず嫌いな性格で、怪盗とはとても思えない力業の努力で盗もうとした。王都の第八区花崗岩ガーゴイル通りと鷹匠通りの角にある四階建て集合住宅の二階の部屋に住む。

用語

王国/人間領
アズサたちの住む国。1つの大陸の中で人間領(王国)と魔族領(魔族の国)に別れていて、人間領は魔族領より南方にあるが、国土の領域が完全に把握されているわけではないため、明確な国境があるわけではない(一応、魔族は万里の長城の拡大版のような建物で国を囲っているが、人間の活動範囲はそこまで達していない。サーサ・サーサ王国も名目上は人間領の森の中にあるが、支配は及んでいない。ドラゴンなども人間に支配されているわけではない)。1つの王国によって管理されている模様で、その中に複数の州があり、州の中にドラゴンの集落やエルフの自治区などの領主が支配する国や地域も含まれる。人間だけでなく、前述するドラゴンやエルフ、獣人やノームなど複数の種族が住んでいるが、魔法や霊魂の研究は魔族よりも遅れており、アンデッドなどは種族として認識できていない。冒険者用のギルド制度はある程度古くからある。当初は民間人用の公的な郵便制度はなく、旅人による連携で送られていたが、魔族領では一般的なワイヴァーン通販など業者向けの配送も広まりつつある。また、特に都心部では乗合馬車がかなり発達しているが、州を越えると免許が面倒であるため、州境で業者が違い、連絡がないことが多い。ふるさと納税に似た「カントリー納税」がある。単位も州ごとに微妙に異なるが、魔族領も含めて概ね1ギルロ=1キロメートルである。

ナンテール州
アズサたちの住む高原の家がある人間領(王国)北部の州。王国から派遣された州知事によって治められており、州裁判所などもある。主な舞台として、州都ヴィタメイ、高原の家のふもとにあるフラタ村、ハルカラの工場があるナスクーテ町、レッドドラゴンの住むロッコー火山などがある。フラタ村にはレストラン『冴えた鷲』(さえたわし)があり、アズサたちも時々通っている。

踊り祭り
広場や高原等で自由に踊るというフラタ村の伝統的な祭り。約250年前から始まり、アズサよりは歴史が浅い。元は収穫を大地の神にお供えして祈願するという趣旨であったようだが、意識している者はほとんどいない。他方では慰霊を目的とした民俗行事という側面も含まれており、ロザリーが成仏しかけた。近年、高原の家の出店や魔族の参加によって大規模になってきている。

喫茶『魔女の家』
踊り祭り前日祭限定の高原の家メンバーによる喫茶店。ナタリーから出店の誘いを受けたことがきっかけ。ライカを筆頭に大好評を博す。フラタ村村民からの希望もあって翌年も開催するが、初年度にベルゼブブが助っ人に入ったことをきっかけにペコラ達魔族が加わり、口コミも広がっていて、踊り祭り本祭に対してかなり大規模になってしまった。肥大化した「喫茶『魔女の家』」の今後の在り方について考え、通年営業も頭をよぎるが、経営すればスローライフからかけ離れることになる為悩んでいたところ、松を通じて聞いていたミスジャンティーが経営に名乗りを上げ、味を引き継いだ「喫茶『松の精霊の家』」がフラタ村とナスクーテ町の中間に開店することになる。しかし、客は高原の家の面々が目的であり、ナタリー達ギルドが後援を申し出たこともあって、結局3年目も開催することになった。

魔女
その魔力や知識により薬品を作ることを生業としている人間。動物性の材料を使う者もいるが、アズサは薬草など植物性の材料しか使わない。ある程度のレベルで不老不死のステータスを得ることも多い。

モンスター
倒すと経験値が得られ、魔法石に変化する生物。モンスターと類似する野生動物もいるが、そちらは魔法石にならず、肉として残る。

スライム
どこにでもいる雑魚モンスター。倒すと経験値2と200ゴールドに換金できる魔法石1個が得られる。アズサは1日平均25匹倒していた。ファルファとシャルシャ曰く、善と悪の2種類があってナンテール州の悪のスライムは色が薄い。また、突かれると一撃で倒される穴があるとのこと。基本的に知能が無く、分裂して数を増やすが、まれに賢いスライム(賢スラ)や魔法使いスライム(マースラ)等知能を持った個体が生まれる。

ドラゴン
『スライム倒して300年〜』の世界のドラゴンは人の姿をとることができる。人間や魔族と同様に文化的な生活をしており、ブルードラゴンを除けば金銀財宝を集める習性がある。マナが多いため人の姿に変身することが出来るが、角は残る。体格は男性の方が上。人の姿では空を飛べないが、人間大以下の小さい姿のドラゴンに変身して空を飛ぶこともできる。ただし、人を乗せて飛ぶときの大きい姿のままではアズサの前世で言う滑走路のような広場でないと離着陸できない。森ドラゴンを除けば肉食を好む。食事の1ドラゴン前は人間の20人前に相当し、人の姿ならばもっと少なくて済むため節約できるが、高原の家のドラゴン二人は人間態でも大食いである。大型のドラゴンの場合、倒した際の獲得経験値は2500。下記以外にブラックドラゴン、サンドラゴンなどもいる。
レッドドラゴン
ナンテール州のロッコー火山を中心に生息し、火を吐くことができる。ロッコー火山の人口は250体程度。観光地(温泉街)もあり、一部人間との交流もある。真面目で堅苦しい種族ともいわれ、お嬢様学校である「レッドドラゴン女学院」もある。原作では当初、学校にはドラゴンの姿で通い、大学から人間として学校に行くとされ、普段はドラゴンの姿で生活する者が多いとされていたが、スピンオフ以降は普段から人間の姿で暮らしているものが多く、学校にも人間の姿で制服を着て通っているとされる。女学院はロッコー火山六合目の窪地にある。6学年あり1学年は10年なので、60年間通うことになる。校訓は「挑戦・勝利・成長」。校内での勝負(決闘)は認められているが、ドラゴン形態となることや火を吐くことは禁止され、ギブアップか気絶するまでの無制限一本勝負が基本である。下級生か同級生が敗れた場合には、その相手の妹分になるという不文律がある。下級生が勝った場合は、上級生のバッジを奪取する。部活動は必須ではない。自主性が高く、遠足の企画も生徒会が決める。生徒会長の権限が強く、生徒会内のポストや人数も自由に決められている。

ブルードラゴン
冷気を吐くことができる。ハイント州にある住処は寒冷地で年中雪が積もり、宿も店も無い田舎然としている。また、効率を考えて普段から人型で生活しているため、集落の見た目も人間のものに近い。ただし、定職には就いておらず、狩りや出稼ぎで生活をしている。人間の姿でもレッドドラゴンとは異なり尻尾が残る。ブルードラゴンには角を触れられたら触れた者に服従するという掟があるが、かつて人間(竜騎士)に仕えていた時代の名残であるらしい。その単純な性格のため一般人には騙されてきた歴史がある。脳筋思考で荒っぽくトラブルメーカーになるためか、博物館や美術館、武術大会には出入り禁止になっていることが多い。

パールドラゴン
さほど大型ではないが、爪が鋭く山を削り取ることができる。その名の通り人の姿では宝石などの装飾を好み、豪華絢爛な屋敷に住んでいる。

森ドラゴン
菜食主義で、森を守るために人の姿で暮らしている。木の枝を折るだけでも刑務所に入れられるほどで、木を切らないため洞窟に住んでいる。

ワイヴァーン
ドラゴンの一種で小型の種族であり、魔族領だけでなく人間領でも手紙や荷物、人を運ぶ仕事をしていることが多い。どちらかといえば乗り物扱い。

リヴァイアサン
クジラのような姿をした超大型魔族。本来の姿では基本的に空中で活動し、海の中で活動することも目撃されることがあるだけで海のモンスターではない。身体の上に船室を持つ戦艦かつ豪華客船のように扱われているが、人の姿になると普通の魔族である。あまりの巨躯であるため、魔族領内には専用の発着場(通称:空港)もある。ドラゴンの一種とされることもある。その立場ゆえ、魔族の国ではかなり名門の上級魔族である。

エルフ
人間領や世界樹などに住む長寿の種族。森(といってもハルカラの出身地であるヒガシャマンはかなりの都会だが)に住み基本的には菜食で、耳が尖っている。基本的にエルフの社会はアズサの前世における現代日本に似ている部分があり、「エルヴィン」ほぼ醤油、「ビランワ」は油揚げによく似ている。ダークエルフという種族もいる。妖精(フェアリー)は近縁種だが、体躯が小さいため生活範囲が狭く、人間が一般的に見かけることはない。

ドライアド
空からは行けず、港町ヒラリナーから船で2日進み、特殊な潮流を抜けないとたどり着けない、「世界三大行くのが難しい島」の1つである「近づけず島」に住んでいる、草木の精霊に近い種族。基本的に樹木とコードで繋がってマナを供給されているが、一時的に接続を外してコードレスで行動することもできる。また、サツマイモのような芋を携帯し、芋からコードを延ばして接続することによって、モバイルバッテリーの要領でマナの補給ができる。到達困難で周囲と隔絶されたような島であるためか、ベルゼブブ達魔族にもその生態は認識されていなかった。ギャルのような人が多いが、ミユの影響でみな賢者のようになっている。

ユル族/イエティ
ドラゴン態のライカの上で居眠りをして転げ落ちたアズサが、行き着いた南方の島で出会った謎の部族。ゆるキャラみたいな姿から、アズサはユル族と呼ぶことにした。「なー」と発するばかりで言葉は通じなかったが、アズサを手厚くもてなし、アズサは行動からユル族が何を言っているか推測した。アズサに召喚されたベルゼブブによって判明した正体は、南国の無人島「サンシュ島」に住み着いていたイエティ。元々は魔族領の寒冷地に住んでいるが、故に南国での暮らしに憧れる者も多く、3年前からサンシュ島に移住して「南の島の部族ごっこ」をしていた。「なー」という言語は、部族っぽさを出すために「なー」以外喋ることを禁止していただけであり、本来はベルゼブブ達と同様に魔族語を話す。部族ごっこの傍ら、南の島の生態調査も行っており、調査結果をアズサに提供した。

幽霊
死後、何らかの未練があり霊体のみがこの世に残った者。何も残す物事がなければ転生してしまうため、幽霊はすべからず悪霊である。サーサ・サーサ王国の者たちは古代魔法で残ったらしい。人間などの知的生命体だけでなく動物の霊もいる。死霊や怨霊などと呼ばれる者もいるが、特に違いはない模様。

アンデッド
死後、死体が魔法や月光など何らかの方法で動けるようになった者。魔族というには微妙だが、人間の法では管理されていないため魔族の保護対象となっている。身体が腐っている者は少なく、ゾンビは差別用語にあたる。

雑記



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