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作者:逢沢大介
イラスト:東西
出版社:KADOKAWA

あらすじ

物心ついたころから陰の実力者に憧れていた少年影野ミノルは、学校では目立たないように過ごしながら、裏では実力者となるための修行を積んでいた。やがて、核で蒸発しないための未知の力を求めて過酷な修行に臨むようになるが、高校最後の夏、修行帰りに幻覚を見たことで事故に遭って死亡する。ミノルは魔力のある異世界でカゲノー男爵家の息子シドとして転生し、転生してからの10年間 シドは変わらず実力を隠しながら修行を続けていた。ある時盗賊団を討伐して得た肉塊に、魔力実験を施したことによってエルフの少女に変化し、シドは恩を返したいと言い出したエルフにアルファと名づけて自身の配下とし、「魔人ディアボロスの復活を狙うディアボロス教団を討滅する」という適当な設定を語り、それに対抗する組織としてシャドウガーデンを設立する。しかし、シドが単なる妄想で語ったはずのディアボロス教団は実際に存在していたのである。こうしてシド自身は事態を把握しないまま、ディアボロス教団との戦いに身を投じていくこととなる。

登場人物

シャドウガーデン
アルファ
七陰の第一席。実質的な統括役を務める金髪のエルフ。元々は肉塊だったがシドの魔力実験を施したことによってエルフの少女に変化し、シドにアルファと名づけられ、シャドウガーデンの最初のメンバーとなった。

ベータ
七陰の第二席。何かあるたびにシャドウの英雄譚を綴る白銀髪のエルフ。表舞台ではナツメという小説家で「シャドウ様戦記」の情報ネタを集めている。

ガンマ
七陰の第三席。卓越した頭脳を持つが、運動能力が低い。シドによる商品の知識を得て、「ミツゴシ商会」の会長を務める。運動能力は何もない所でもこけるほどのドジ。

デルタ
七陰の第四席。獣人の少女。七陰の中でも身体能力、戦闘センスは共に天才的で五感が鋭く荒々しい戦い方し、絡め手に弱い。

イプシロン
七陰の第五席。魔力制御の才能が群を抜いている子供体型のエルフ。表舞台では有名なピアニストで名前はシロン。子供体系にコンプレックスを持っていた為にスライムスーツで「盛れる」と判断し、魔力の制御を誰よりもして、発育のいいベータを観察し続け、就寝以外常にスーツを着用し続けている。

ゼータ
七陰の第六席。世界各地で諜報活動を行なっている隠密担当の獣人。

イータ
七陰の第七席。技術面で優れているがマイペースな研究担当のエルフ。

ナンバーズ
ニュー
元は貴族令嬢だが悪魔憑きの烙印によって迫害。変装と拷問が得意。

ミドガル王国
カゲノー男爵家
クレア・カゲノー
シドの二つ年上の姉。幼い頃に悪魔憑きとなっていたがシドにこっそりと治療された。何かとシドの事を何かと気にかけている。

アレクシア・ミドガル
ミドガル王国の女王。天才的な能力を持つ姉アイリスとの違いに苦しんでいた。王家の血に欲するディアボロス教団に誘拐されたがシドに助けられる。

アイリス・ミドガル
ミドガル王国の女王でアレクシアの姉。若くしてミドガル王国最強の騎士の一人、王都で頻発してる不可思議な事件に対応するため、新組織紅の騎士団を結成する。

シェリー・バーネット
ミドガル魔剣士学園に在籍している女子。ルスラン・バーネット副学園の養女で学園一の秀才。

オリアナ王国
ローズ・オリアナ
オリアナ王国からの留学生でオカアナ王の娘。細剣使いで綺麗な剣筋、芸術方面の感性に優れる。

魔女
アウロア
古代の戦士を召喚して戦う式典「女神の試練」によって呼び出された最区の魔女。かつて彼女はこの世界の破壊と混乱を招いていた。

無法都市
『妖狐』ユキメ
無法都市「白の塔」に君臨する妖狐で色町をしている切れ者。鉄扇を武器に舞うように戦う。

用語

陰の実力者
実/シドがなりたかったもの。一般的な陰の実力者の定義はあいまいで「見た目は地味だけれど強大な力を持つ」という条件を満たせば、該当者はいくらでもいるのだが、シドの定義としては「物語の主人公(異世界にシドが想定するような主人公役は存在しないため、各エピソードでシドは主人公として物語を解決している。ヒロインはいるがヒョロなりジャガなりを主人公役の傀儡にして事件を解決させるということはしていない)でもラスボスでもなく、陰ながら事件に介入し圧倒的な実力を見せつけていく存在」つまり、例を挙げるならタキシード仮面やシュバルツ・ブルーダー、あるいはバットマンのようなダークヒーローに憧れているものと思われる。シドが人助けをするのも良識があるからではなく、「それが陰の実力者という存在」という美意識を持っているからである。シドの喜劇的なところは前世において行き詰った時、陰で巨大組織を作る、あるいは組織の陰の首領になるといった具合に目標を現実的な方向へ摺り寄せるのではなく、核に勝てることに執着して荒唐無稽な方向に走ってしまったことである。「最強」を目指すのであれば核を乗り越えようとあがく気持ちも理解できるが、目的が「陰の実力者」である以上は核をも超える力を手にいれるというのは方法の一つでしかなく、手段と目的が混合してしまっている。

シャドウガーデン
シャドウがディアボロス教団に対抗するという名目で立ち上げた地下組織。構成員は600人を超えており、加入のきっかけとなる悪魔憑きの特性故に、エルフが大多数を占める。リーダーはシャドウであるものの、全てをアルファに丸投げしているのでアルファが実質的なリーダーとなっており、シャドウ本人は組織の全容を把握していない。それどころか、シャドウは七陰全員がディアボロス教団など現実には存在しないのに気づき、シャドウガーデンがごっこ遊びだと悟ったためにオルバ討伐後に自分の元を離れるも、体を治してくれたお礼も兼ねて七陰とミツゴシ商会の従業員の一部がシャドウガーデンごっこに付き合ってくれていると思っているので、本当にシャドウガーデンが存在しているとも思っていない。メンバーのほぼ全員が元々膨大な魔力の暴走が原因である悪魔憑きだったため、個人差はあるがそれぞれ強力な魔力を持ちシャドウ由来の戦闘術習得により一人一人の戦闘能力が高い上、ガンマが経営するミツゴシ商会が急成長して既存の財閥と抗争できるまでに発達しているので、表と裏双方の社会においても強大な規模を持つ。「一見すると何処にでもいるような学生だが、実は強大な組織のボス」ということであればシドも「陰の実力者」なのだが、その一方で「実は傀儡で真のボス(実質的なリーダーであるアルファ)が別にいる」という構図にもなっている。ほぼ全員が女性にしか発現しない悪魔憑きの経験者という背景から、シャドウガーデンのメンバーはシャドウを除いて悪魔憑きを発症した女性ばかりな“女の園”となっている。シャドウガーデンの目的はディアボロス教団の壊滅だが、シド個人の目的は陰の実力者ごっこをしたいだけ、と一致していない。メンバーは悪魔憑きとなった事で一族や仲間から捨てられたり排斥され帰る場所を失った為、現在の環境に満足し元々の身分などには執着していない者が殆どである。拠点は発足当初はアルファを見つけた廃村の中にシャドウが建てた木製の小屋だったが七陰が入居した際に「陰の叡智」によるツーバイフォー建築で増築しており、現在はアルファが住んでいる。規模が巨大化してからは七陰とナンバーズの上位メンバーは王都にあるミツゴシ商会の屋上に建てられた邸宅を拠点とし、一部下位メンバーはアレクサンドリアに集まっている。シャドウ=シドであることを知る者は七陰やミドガル王都のミツゴシスタッフ、ウィクトーリアである。シャドウに対する忠誠心は絶対的であるが、ディアボロス教団の壊滅を目標とするアルファ達の派閥とは別に、シャドウに永遠の命を与え世界を管理する神に仕立て上げることを目標とするゼータの派閥があり独自に行動している。

七陰
シャドウガーデンの中でも別格の実力を持つ七人の幹部。シャドウ自らが悪魔憑きの治療を行い、数年間シャドウと共に過ごし、シャドウの武術・魔力指導を全員受けているのでシャドウの幼馴染兼弟子ともいえる存在。席次は加入順で順番にギリシア文字一文字の名前を与えられており、統括役であるアルファ以外基本的に上下関係は存在しない模様。また、シャドウが転生前の聞きかじった知識やピアノ等の技能も教えており、一部はそれらを活用して表舞台で成功し地位を得ている。シドの元から一旦離れて組織の構築・発展のため世界に散った後も、七人の内一人は持ち回りの当番制でシドのサポートとして側に控えていた。組織が巨大化してからはシドのサポートはニューに一任されている。

ナンバーズ
七陰の次にできたメンバー。クレア誘拐事件後にシドがミドガル魔剣士学院に入学するまでの空白の2年で七陰が600人近く集めた。七陰に実力を認められている上位メンバーは同じくギリシア文字の名前を与えられている。それ以外の下位メンバーは名前を名乗る事は許されておらず番号で区別されており、ローズで666番目。上位メンバーは七陰直属の部下としての役割を持つ。大半が表向きはミツゴシ商会のスタッフとして働いている。

ミツゴシ商会
シャドウガーデンのフロント企業。カモフラージュの役割も果たしている。創業者にして現会長はガンマ。七陰がシドの元を離れて各地に散った後に、かつてシドから影の叡智として聞いた知識を使い、それまで異世界に存在しなかったチョコレートやコーヒーをはじめとする様々な商品を開発・販売して巨万の富を得、その資産を元にミツゴシ商会を立ち上げた。その後も国内外の一等地に支店を設ける事により高級感を与えると同時に、低価格で一般人にも提供できるようチェーン店も展開する他、専業農家などとの契約による良質な素材の確保や僻地にも配達するサービスなど、それまで異世界に無い流通革命を起こし、起業して数年で世界有数の大商会になった。他にもかつてシドが話してくれた銀行と信用創造を元に「ミツゴシ銀行」も設立し、それまで硬貨しかなかった異世界にはじめて「紙幣」を発行し、貨幣価値にも革命を起こす事になる。様々な革命を起こすことで巨万の富を得ているが、その一方で元々存在している商会のシェアを奪ったことで対立関係を築いてしまっている。スタッフ全員がシャドウガーデンのメンバーの女性であり、シャドウに対して絶対の忠誠を誓っている。各店舗の屋上にはシャドウガーデンの作戦室として邸宅を設けており、シャドウ(シド)のための玉座を設けている他、活動資金として10億ゼニーを常備している。

まぐろなるど
世界各地でチェーン展開しているバーガーショップで、ミツゴシ商会と同様こちらもシャドウガーデンのフロント企業。ミツゴシ商会がルーナ商会だった頃に活動資金を得るべく露天商店として展開していた際に、なかなか業績が伸びないと悩んでいたガンマに対してゼータが息抜きにと海に誘い、その際にマグロのフライ(異世界におけるマグロは漁獲量が多いため食用魚としては庶民でも手軽に食べられる存在であり、タイの方が高級魚として重宝される)に、「陰の叡智」を元に作ったタルタルソースをかけたサンドイッチを食べてヒントを得、のちに商品改良したマグロバーガーが大ヒットして、やがてチェーン展開をして巨万の富を得た。現在もミツゴシ商会と切り離した形で展開しており、ガンマ個人としては、牛肉を使ったバーガーを最終目標としている(異世界では牛肉は高級食材として扱われ、畜産技術も未熟なため、未だに安定供給できていない模様)。ミツゴシ商会と大商会連合の抗争の際はミツゴシ商会とは分野が違うためか、巻き込まれたような様子は無い。マクドナルドがモデル。

アレクサンドリア
一般では「幻の都」と称されている都で、シャドウガーデンの本拠地。聖地リンドブルム東部の深霧に覆われた樹海「深淵の森」の中に位置する。1000年前に小王国が存在したが、契約していた王族の腐敗統治を見兼ねた古龍「霧龍」に滅ぼされて霧龍の棲家になった。シャドウガーデン結成時は廃村をアジトにしていたが、構成員が100人を越えた事で「隠れ家」として機能し辛くなった所でゼータがアレクサンドリアを発見。そしてアルファから相談されたシドが霧龍と闘い勝利し、シドを気に入った霧龍と契約してシャドウガーデンの本拠地になったが、当のシドは途中で帰宅し、その後報告に来たガンマも転んで音を立てたことでクレアにバレかけて報告を中断したため、この時点ではアレクサンドリアのことを一切把握していない。ただしその後ラムダと戦い気絶した666番を運ぶニューに対してシャドウが声をかけており、何らかの形でアレクサンドリアの事を知った模様。霧龍の吐く猛毒の霧による結界が施されており、正しい道を進まないと猛毒で死に至る。内部の都はまさに理想郷そのものであり、訓練所や研究・開発室など様々な部署がある他、小王国時代から栽培されていた、異世界で唯一のカカオやコーヒーノキの広大な農園も残っており、ガンマは念願のチョコレートが作れると歓喜し、以後は構成員が農園を管理してカカオマスを精製し、結果としてミツゴシ商会は異世界で唯一チョコレートを独占販売できる商会になった。のちにシドが「陰の叡智」で語っていたコーヒーも再現する事に成功した。

魔人ディアボロス
約1000年前に突如出現し、世界を破壊しようと各地を蹂躙した異形の巨人。圧倒的な破壊力と再生能力を持ち、おびただしい数の血が流れたが、オリヴィエ、フレイヤ、リリの『3英雄』の手によって討伐された。その後はディアボロスの細胞に眠る力を独占しようとするディアボロス教団による情報操作により隠蔽され、現在は御伽噺として認知されている。その正体はアウロラのことであるが、アウロラとは別に魔物としてのディアボロスも存在している。

悪魔憑き
ある日突然、女性の身体が腐りだして死ぬ奇病。発現した患者は例外無く体が崩れて醜い肉塊に成り果て、家族から嫌われ捨てられる。教会が浄化と称して有料で引き取り、実際は後述のように人体実験などを行い始末している。このため、悪魔憑きの患者を教会に運びこむのが商売として成り立っている。 その原因は体内に大量に蓄積された魔力が暴走したもの。従ってこれらの患者は強大な力を秘めている可能性があり、教団も「適合者」と呼んで確保につとめている。七陰以下のシャドウガーデンのメンバー達の大半が罹患した経験があり、その境遇から救ってくれたことが組織への忠誠の源泉となっている。世間では男性となっている魔人ディアボロスを討伐したエルフ・獣人・人間の各種族における女英雄3人の血をひく女性に引き継がれた強大すぎる魔力が制御を離れ暴走した状態であり、世代交代によって英雄世代から離れ血が薄まっていく程発現率は下がっていく。エルフ>獣人>人間の順で寿命が短いため、世代交代を多く行った人間は悪魔憑きの発現率は低く、逆に世代交代の回数が少ないエルフは発現率が高い。その正体は、過去にディアボロス教団の実験によってディアボロス細胞を埋め込まれた人物が、細胞に適応できずに拒絶反応を起こし、細胞が暴走した物。ディアボロス細胞は魔力によって制御されるため、本人が十分な魔力制御能力を有する、もしくは他人が外部から制御を行うことで細胞に適応し、体が崩れることは無くなる。女英雄3人にも同様に埋め込まれ、彼女たちが子孫を産んだ際にディアボロス細胞が受け継がれた結果、ディアボロス細胞を持つ人物が拡散し世界中で悪魔憑きの現象がみられるようになった。ディアボロス教団は実験の存在を隠すため、忌避するべき「病気」として扱い、教会で処分することで真実の露見を防いでいる。世代交代で発現率が減少していくのも、ディアボロス細胞の量が減っていくからである。長らく治療法は存在しなかったが、シドのアルファを使った魔力実験によって元の姿に戻る治療法が確立。その後はシャドウガーデンによって発現者に使用され、治療と共にメンバーを増やすことに活用されている。

ディアボロス教団
約1000年前、世界を壊そうとした魔人ディアボロスの復活と、そのディアボロスの力の私物化を目的とするカルト教団。表舞台には出ず権力層にも深く根を張っている邪教徒達というのは、シドがアルファをごっこ遊びに付き合わせるためのでっち上げの嘘だったのだが、嘘の話そのままに実在していた。しかし、シドはそんな組織は存在していないと思いこんでいるというのも、シャドウと相対する敵が自身の所属を略称である教団としか呼称しないのも原因と思われる。 部下の戦闘力をドーピングで底上げすることや誘拐・洗脳による尖兵の生産を常套手段としている。「ナイト・オブ・ラウンズ」と呼ばれる最高戦力でもある12人の騎士達によって指揮され、協力者を除くと構成員はなぜか男しか登場していない。元々はディアボロスを討伐するために各地の孤児を集めて実験する機関であり、唯一悪魔憑き化しない少女・オリヴィエを発見してからは彼女を英雄と祭り上げ、結果としてディアボロスの討伐を果たす。しかしリンドブルムに封印した魔人ディアボロスの左腕を調査・研究する内にディアボロスの細胞内に不老不死の可能性を見出し、やがて「ディアボロスの雫」を開発してからは不老不死をはじめとする禁忌を渇望・信奉する集団へと堕落した。教団内部ではナイト・オブ・ラウンズの地位を求めて派閥争いが起こっており、一枚岩とは言い難い。

ディアボロス・チルドレン
孤児や貧しい平民の子の中から魔力適正のあるものを誘拐し、薬物投与や洗脳教育、訓練を受けさせてディアボロス教団の尖兵として作り変えられた存在。通常の騎士を遥かに上回る戦闘力を持つ。1stから3rdまでのランクが存在し、番号が小さいランクほど優秀となる。3rdは出来損ないとされ、強い洗脳によって精神が崩壊し、まともに会話もできない状態となっている。ちなみに、シャドウガーデンのメンバーには元ディアボロス・チルドレンの経歴を持つ者も存在している。

ディアボロスの雫
ネルソンがディアボロスの斬り落とされた左腕を研究し、開発した薬。血の様に赤いことから「ディアボロスの雫」と名付けられた。服用すると莫大な力と不老の肉体を得るが、1年に1度定期的に服用しなければ効力を失うことと、1年に12滴しか生産できないという2つの欠点が存在する。ナイト・オブ・ラウンズが12人なのはディアボロスの雫の生産量の限界が関係している。後に聖域が破壊されディアボロスの左腕が解放されたことで生産量が落ちており、派閥争いの激化を招いている。開発途中に強い副作用を持つ未完成品も大量に製造されている。こちらはナイト・オブ・ラウンズではない教団員が一時的な強化として使用しており、作中ではオルバ、ゼノン、月丹が服用している。媒体によって見た目が異なり、書籍では液体、コミカライズ版では錠剤、テレビアニメ版では液体を固めた状態の丸い物体として描かれている。

リンドブルム
英雄オリヴィエが魔人ディアボロスの左腕を切り落し封印したとされている場所。聖教では聖地とされているが、ディアボロス戦争の際、大勢の魔剣士たちが倒れされて、その記憶と残存魔力が滞留しているので実際は墓場のようなものである。
年に一回、女神の試練という戦闘のイベントがある。闘士の実力が一定以上の場合に、それに見合った戦士の霊が現れ、その戦士の霊と戦うというもの。その実態は、約1000年前のディアボロス戦争時に悪魔憑きや封印されたディアボロスの左腕を研究する施設であり、残存魔力の滞留している土地を利用して、封印という形で隠蔽していた。特定の人間にしか使用できない聖剣やその剣でしか切れない鎖などの仕掛けがあったがオリヴィエの子孫(アルファ)なら解除できるように施されている。ネルソンとオリヴィエの複製との戦闘中に「めんどくさい」という理由でシャドウがアイ・アム・オールレンジアトミックを使用し、ネルソン達共々跡形も無く吹き飛ばされ、その結果封印されていたディアボロスの左腕は解放された。

魔剣士
シドたちの世界には魔力という概念はあるが火や水を放つなどの魔法という概念はなく、魔力は作中ではもっぱら身体や武器の強化に用いられるエネルギーとして使うことが一般的であり、治癒も存在はするが難しい。魔力の有無は才能で決まるが魔力持ちは珍しくはなく、努力次第で魔力を伸ばすこともできる。魔力がある相手に魔力無しで戦うのは差が歴然としており自殺行為といってもいい(シャドウは例外的に武術の練度差や肉体改造のおかげで魔力無しでも大抵の相手は打倒できる)。このため、いくつかの流派はあるが魔力での力押しでまず勝ててしまうので、前世において様々な武術を習得したシドからすれば、純粋な戦闘技術は精錬されていないとのこと。魔力は自分の体から離れると途端に制御が効かずに霧散するといった性質があるため、魔力の斬撃を飛ばすといった使用法は膨大な魔力と常識外ともいえる程の魔力制御能力を必要とする。

ミドガル王国
シドが転生した異世界の王国。中世的な階級社会であり、文明レベルは馬車などの家畜に頼った移動手段が普及している程度。

ミドガル魔剣士学園
シドやアレクシア達が通う学園。魔力を持つ貴族の子弟は15歳になれば魔剣士学園に入学する義務があり、それに基づいてシドも進学した。家の身分や実力によって格差があり、身分の高い者や実力があるものは学校から近いところに住むことができる。書籍版5巻において、ディアボロスの右腕が封印されていることが判明した。

オリアナ王国
「芸術の国」と称される王国。ミドガル王国とは同盟を結んでいる。絵画・小説・音楽などの芸術関連が盛んで、観光地として人気がある。剣術は野蛮とされており、個人の力量はともかく軍隊などの明確な兵力は有しておらず、有事の際は同盟国であるミドガル王国の兵に守ってもらう。オリアナ王国が「芸術の国」となったのは、黒キ薔薇の騒動でディアボロス教団に弱みを握られて抵抗する戦力を奪われ、ディアボロス教団に娯楽を提供する存在として作り替えられたからであり、国家そのものがディアボロス教団の傀儡となっている。剣術が野蛮という思想も、反抗するための戦力を作らせないためにディアボロス教団が植え付けたものである。

吸血鬼
エリザベートを始祖とする異世界で太古の昔より存在する魔族。かつては人間を食糧(血液)として食らい続ける事で不老不死を得て栄華を極めていたが、陽の光に弱く、心臓を破壊されると灰になるという弱点が露呈してからは人間達に狩られて衰退していった。血液の摂取を断つと高い身体能力を失うことと引き換えに陽の光を克服できる事から、一時はエリザベートの指導の下で共存の道を選んだが、クリムゾンの謀略で暴走したエリザベートにより3つの都市が壊滅し共存は頓挫。その後クリムゾンによってエリザベートは二度目の暴走を起こすが、シャドウのアイ・アム・リカバリーアトミックによって正気に戻り、残った吸血鬼達と共に新天地を求めて旅立った。

赤き月
1000年に一度、天体的に月が最も星に近付く時に魔力も活性化し、また太陽からの光の影響で月が赤く見える。クリムゾンはこの時を利用して1000年前にエリザベートを暴走させ、現在も赤き月が訪れるのを利用してエリザベートを復活させようとした。

魔界
シドたちが住む世界の外に存在する世界。無数に存在する世界の全ては星系や銀河のようにある一点を中心に周回しており、シドたちが住む世界もその一つである。氷の世界、毒の世界、魔物が住む世界などがあり、シドたちが住む世界以外の世界を総称して魔界と呼ぶ。それぞれの世界は周回する速度が異なるため時折世界同士が衝突することがあり、それによって互いの世界に影響を及ぼすことがある。シドたちが住む世界に魔物や魔力が存在するのも、一千万年前に魔界の一つと衝突したことで、魔界から魔物や魔力が流れ込んだためであり、逆に魔界にシドたちが住む世界の人が流れて行ってしまうことで神隠しの概念が生まれた。シドの前世である実の世界も例外ではなく、魔界との衝突によって魔物と魔力が流れ込み、魔物の侵攻による日本崩壊や日本に住むアカネ達が魔力を得る原因となった。

黒キ薔薇
十万のベガルタ兵の侵攻によって一時滅亡の危機にあったオリアナ王国が使用し、ベガルタ兵を一夜で全滅させた、という伝説の存在。その正体は魔界とシドたちが住む世界を繋ぐゲート。十万のベガルタ兵が全滅したのは、黒キ薔薇を通って魔界から魔物が流れ込みベガルタ兵を襲ったからである。ただし黒キ薔薇や魔物の制御はオリアナ王国にも出来ず、オリアナ王国も襲われてしまったが、ディアボロス教団がゲートを閉じることで騒動は終結、しかし ディアボロス教団に弱みを握られる結果となった。ゲートがどの魔界とつながるかはディアボロス教団にも完全には制御できず、モードレットが使用した際は第四魔界と繋がってラグナロクを呼び寄せ、その後はシャドウとベータが飛び込んだ際は、シャドウの前世である実の世界と繋がった。

雑記



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