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作者:三屋咲ゆう
イラスト:okiura・にんげん(学戦都市アスタリスク)・別冊少年マガジン(学戦都市アスタリスク外伝 クインヴェールの翼)
掲載:月刊コミックアライブ(学戦都市アスタリスク)・茜錆(学戦都市アスタリスク外伝 クインヴェールの翼)
出版社:メディアファクトリー MF文庫J(学戦都市アスタリスク・学戦都市アスタリスク外伝 クインヴェールの翼)・講談社(学戦都市アスタリスク外伝 クインヴェールの翼)

姫焔邂逅
銀綺覚醒
鳳凰乱武
追憶闘破
覇凰決戦
懐国凱戦
祭華繚乱
偶像峻烈
悠日戦啾
龍激聖覇
刃心切磋

あらすじ

学戦都市アスタリスク
20世紀に地球を襲った未曾有の大災害 落星雨(インベルティア)によって世界が激変、この大災害により世界中の多くの都市が壊滅した。しかし この隕石から発見された未知の元素である万応素(マナ)は、人間の科学技術を格段に発展させ、さらに《星脈世代(ジェネステラ)》と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出すこととなった。世界最大の総合バトルエンターテイメント《星武祭(フェスタ)》の舞台、六つの学園に囲まれた通称アスタリスクと呼ばれる水上学園都市“六花”。2星導館学園高等部へ転入してきた特待生 天霧綾斗は《華焔の魔女(グリューエンローゼ)》の名を持つ少女 ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトと出会い 共に綾斗は《星武祭(フェスタ)》と呼ばれる3つの大規模な武闘大会に挑むことになる。

学戦都市アスタリスク外伝 クインヴェールの翼
水上学園都市“六花”。通称アスタリスクでは、勝者の願いが叶えられる世界最大のバトルエンターテインメント《星武祭》が行われている。アスタリスク唯一の女子校クインヴェール女学園に通う若宮美奈兎も願いを持って闘う一人。しかし、美奈兎の戦闘技術は未熟でクインヴェール史上最大の49連敗を記録していた。そんな彼女の目の前に謎の美少女クロエが現れる。美奈兎に戦い方のアドバイスをするだけでなくクロエが提示したのは「仲間を集めなさい」致命的な弱点を持つ美奈兎に対し、5人での団体戦《獅鷲星武祭》の参加とその仲間を集めること。今、少女の夢を掴むための戦いが始まる。

登場人物

星導館学園
ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルト
星導館学園高等部1年生→2年生で、綾斗とは同じクラス。碧色の瞳と鮮やかな薔薇色の髪が特徴的な並外れた容姿を持つ美少女。綾斗が学園で最初に出会った人物であり、また 初めて学園内での決闘を経験した相手でもある。接近された際の牽制用に、細剣型の煌式武装(ルークス)である《アスペラ・スピーナ》を保有していた。星導館では学園序列五位であり、《冒頭の十二人(ページ・ワン)》と呼ばれる実力者。《星脈世代(ジェネステラ)》の中でもひときわ特異な存在であり、万応素とリンクし世界の法則を捻じ曲げることができる《魔女(ストレガ)》。爆発的な星辰力(プラーナ)を糧に自由自在に炎を操ることから《華焔の魔女(グリューエンローゼ)》という二つ名で呼ばれ恐れられる。正真正銘のお姫様であり、リーゼルタニアという国の第一王女である。フルネームであるユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルトの名で、ヨーロッパの王室名鑑に載っている。幼少期は度々城を抜け出すほどのお転婆で、貧民街に迷い込んだ際、襲われかけた自分を孤児院の子供たちに助けられた経緯があり、それ以来その孤児院と交友がある。しかし 祖国は統合企業財体の都合により再興された傀儡国家に過ぎず、国の様々な事柄に統合企業財体の意向が反映されている状況を快く思っていない。アスタリスクへやってきた目的は、統合企業財体の影響によって資金難に陥った孤児院を立て直すためであり、《星武祭》の制覇を狙っている。それとは別に、アルルカントの実験によって後天的に《魔女》となった事で、変わり果ててしまった孤児院時代の親友オーフェリアを止める事も目的の一つとしており、彼女をそんな風にした《大博士》、ひいてはその人物の属するアルルカントを毛嫌いしている。性格は一言で言えば素直になれない堅物な女の子であり、本人も認めるほど融通の利かない性分。毅然でプライドが高いが故か、それを人生において何の支障もないことと強がっている部分がある。有名な《冒頭の十二人(ページ・ワン)》に名を連ねる存在ながら、《鳳凰星武祭(フェニクス)》のエントリー締め切り2週間前になってもタッグパートナーが見つからなかったのもそのためである。しかし 綾斗と出会ってからは彼と親しくすることに徐々に居心地の良さを感じるようになり、些細な言葉に顔を赤く染めたり、表情を崩して驚いたりと自分でもよく解らない感情に戸惑いながらも、素直な自分を見せるようになってゆく。そして 学園祭では綾斗がシルヴィアとデートすることになった際、自分でも自覚するほどに苛立っている事に内心戸惑うなど、無自覚ながら彼に好意を抱いてるような描写もある。紗夜から綾斗に告白したことを聞いて動揺した。《鳳凰星武祭》編では綾斗とのタッグでエントリーし、苦戦を重ねながらも《鳳凰星武祭》で優勝した。優勝者への願いは、リーゼルタニアにある複数の孤児院の借金を返済するための金銭を要求し、統合企業財体が提示したとてつもない金銭を使って複数の孤児院の借金を全て返済し、更にはその権利者となって残った金銭は運用資金に充てることで今後を保証した。統合企業財体の統制下にあるリーゼルタニアそのものを変えるため、チーム・エンフィールドに加入して《獅鷲星武祭》で優勝し国王の権利を拡大することを目指す。《鳳凰星武祭》で壊れてしまった《アスペラ・スピーナ》に代わり、一本の母機と六本の端末から成る煌式遠隔誘導武装(レクトルクス)《ノヴァ・スピーナ》を使用している。これによって対近接戦闘能力が向上し、設置型能力の発動が大幅に効率化された。

レヴォルフ黒学院
オーフェリア・ランドルーフェン
十七歳。レヴォルフ黒学院の序列一位。《孤毒の魔女(エレンシュキーガル)》の二つ名を持ち、前々回と前回の《王竜星武祭》を制覇している。瘴気を自在に操り、入学から現在まで無敗。ほぼ無尽蔵の《星辰力》を誇るが、その反面能力を抑え込むことが出来す、常に周囲へ毒素をまき散らかしている。運命論者。かつてリーゼルタニアの孤児院で育ち、ユリスとは親友だった。ユリスの持つハンカチにはオーフェリアの刺繍が入っている。孤児院の借金のかたとしてフラウエンロープ系列の研究所に引き取られ、ヒルダによって人体実験の被験体とされる。その結果、後天的に《星脈世代》となり《魔女》の才能をも賦与されたものの、能力が暴走したことによって研究所は壊滅、オーフェリアも瀕死の状態だったがソルネージュの特殊部隊によって保護された。綾斗とユリスが出会う一年前に、ユリスとアスタリスクで再会。ユリスに能力を使わないように説得されるが耳を貸さず、ユリスと決闘するが圧倒的な力で勝利した。《鳳凰星武祭》が終了した一ヶ月後、リーゼルタニアの研究所跡でユリスや綾斗と遭遇。ユリスの再度の説得にも応じず、二人と交戦するが僅か数分で二人を戦闘不能にした。その直後に現れたギュスターヴ・マルローにも興味を示さず、その場を去っていった。

聖ガラードワース学園
ノエル・エスメル
聖ガラードワース学園序列七位。二つ名は《聖茨の魔女(ペルセフォーレ)》。チーム・トリスタンのメンバー。茨の触手を広範囲に展開する能力を持つ。俗に領域型と呼ばれる稀少な能力で、展開までに時間はかかるものの、その効果範囲をほぼ完全に支配下に置くことが可能。

クインヴェール女学園
シルヴィア・リューネハイム
クインヴェール女学園生徒会長。序列一位。二つ名は《戦律の魔女(シグルドリーヴァ)》。前《王竜星武祭》準優勝者。歌唱によってあらゆる事象をコントロールすることができる、治癒能力を除いて万能の《魔女》。世界最高の歌姫と目されている。《鳳凰星武祭》編では、決勝戦前夜に変装して歓楽街をうろついていたところにフローラを探している綾斗と出会い、《魔女》としての能力を使ってフローラの監禁場所をある程度まで絞り込んだ。綾斗のことは以前から何となく興味を持っており、出会ったことでその興味は強くなったようで、綾斗の求めに応じて連絡先を教えている。《鳳凰星武祭》が終了した後の十月に、綾斗に連絡して学園祭でのデートを申し込んだ。《蝕武祭(エクリプス)》に出場した歌と格闘技の先生であるウルスラ・スヴェントを探していたが、学園祭の三日目に別人のようになった彼女と再会、何が起こったのか突き止めることを決意する。また、綾斗に対して好意を抱いたような発言もしている。

ニーナ・アッヘンヴァル
外伝『クインヴェールの翼』の登場人物である女生徒。序列四十七位。二つ名は《戦札の魔女(ベルム・アルカナ)》。トランプの4つのスートを模しており、スペードが近距離攻撃、ハートは遠距離攻撃、ダイヤが防御、クラブを補助として発動し、数字で威力が変化する。オールマイティーだが極めて癖が強い能力である。また、一度使用したスートと数字の組み合わせは約24時間再使用することができない。アスタリスクには、両親の為にお金を目的としてやって来た。サンドラに認められたがっており、サンドラのチームに勝つことを条件に美奈兎のチームに加わることを承諾する。サンドラとのタッグで《鳳凰星武祭》に出場したが、敗退した。チーム・メルヴェイユとの試合では、サンドラの心無い言葉に心が揺れて挫けそうになるが、美奈兎の言葉で勇気づけられ、クロエの助言もあってサンドラの校章を破壊して勝利した。

その他
天霧遥
綾斗の姉。幼くして母親を亡くした綾斗にとっては、母親代わりであった。非凡な才能を持ち、天霧辰明流道場を継ぐことがほぼ確定していたが、五年前に失踪。万物を戒める禁獄の力を持つ《魔女》。綾斗の前から失踪した後、詳細は不明だが星導館から学籍を入手したが学校には通わず、《黒炉の魔剣》を用いて《蝕武祭》に参加した。その後、行方不明となっていたが、アスタリスクの治療院にて自らの能力によって仮死状態に近い状態で発見された。

ペトラ・キヴィレフト
クインヴェール女学園理事長。クインヴェールOG。かつて 星武祭で活躍した《魔女》であり、W&Wの幹部。シルヴィアやルサールカのプロデューサーでもある。クロエの上役。冷酷で計算高い人間だが、同時に学園の生徒たちを愛しており、その乖離を他者を一切信頼しないことにより埋め合わせている。

用語

水上学園都市「六花」
星導館学園
綾斗達が所属する学園でもある。生徒会長を務めるのはクローディア・エンフィールド。選出方法は選挙。運営母体は「銀河」。保有する諜報工作機関は、夜吹英士郎が所属している「影星」。校章は不撓の象徴たる赤い蓮の花「赤蓮」。生徒の自主性を重んじる校風で、校則も緩やか。伝統的に《魔女》や《魔術師》の学生が多い。校舎は近代的で開放的な高層建築であり、大学部、高等部、中等部校舎の三棟が広大な中庭を囲むように立っている。《鳳凰星武祭》を得意としている。前シーズンの成績は総合五位。六位のクインヴェールは戦略上総合順位を度外視しているので、実質的に最下位である。

聖ガラードワース
学園生徒会長を務めるのはアーネスト・フェアクロフ。運営母体は「EP(エリオット=パウンド)」。保有する諜報工作機関は、情報審問官(インキュジター)と呼ばれる工作員で構成される「至聖公会議(シノドミアス)」。校章は秩序の象徴たる太陽の輪「光輪」。規律と忠誠を絶対とした厳格な校風で、決闘についても原則的には禁じている。そのためレヴォルフとは折り合いが悪い。《獅鷲星武祭》を得意としている。

界龍(ジェロン)第七学院
生徒会長を務めるのは范星露。選出方法はトーナメント。運営母体は「界龍」。保有する諜報工作機関は、過激さで知られる「龍生九子」。校章は帝王の象徴たる四神の長「黄龍」。学内には初代《万有天羅》によって築かれた「黄辰殿」と呼ばれる建物が存在し、その扉を開くことが出来た人物が《万有天羅》の称号を継承できる。この称号は界龍では特別な意味を持っており、たとえ統合企業財体といえども、この称号を冠する生徒の自由を妨げる事は出来ない。一例として、諜報工作機関の龍生九子は初代《万有天羅》が自らのために一から作り上げた組織であるため、他学園と異なり生徒会直属で統合企業財体との関係が極めて薄い。六学園中最大の規模を誇り、唯一の初等部がある。官僚主義と放任主義が絡み合う混沌とした校風で、あらゆる面でオリエンタルな雰囲気が濃い。校名や生徒からも、中国人系の人物が多い。学生の多くが鍛錬を目的とし、星武祭への出場も優勝は二の次である為、統合企業財体も具体的な報酬で釣りにくいという一面を持つ。学内では様々な武術の流派が乱立している。生徒間は主に、道士主体の「水派」と拳士主体の「木派」に分かれており、水派の生徒は木派を軽視する傾向がある。

アルルカント・アカデミー
生徒会長を務めるのは佐近州馬。運営母体は「フラウエンロープ」。校章は叡智の象徴たるミネルバの使い「昏梟」。創立当初はクイーンヴェールに並ぶ弱小校だったが、学生の研究が成果を上げてくるに伴い、強豪校へとのし上がった。落星工学の技術においては他の学園の追随を許さない。徹底した成果主義を奉じる校風で、学生は研究クラスと実践クラスの二つに大別される。他学園以上に内部の勢力争いが激しく、研究クラスでは複数の派閥が生じている。《獅子派(フェロヴィアス)》、《彫刻派(ピグマリオン)》、《黒夫人派(ソネット)》、《思想派(メトセラ)》、《超人派(テノーリオ)》の五つが確認されており、それぞれ得意分野が異なる。研究に関してはかなり行動の自由を許されているようだが、学院の研究費は統合企業財体が捻出している為、界龍と比べれば自由度は異なる。

レヴォルフ黒学院
生徒会長を務めるのはディルク・エーベルヴァイン。選出方法は序列一位の指名。運営母体は「ソルネージュ」。保有する諜報工作機関は、秘匿性が最も高く《猫》と呼ばれる工作員で構成される「黒猫機関(グルマルキン)」。校章は覇道の象徴たる二本の剣「双剣」。非常に好戦的な校風で、積極的に生徒の決闘を推奨している。そのためガラードワースとは折り合いが悪い。基本的に素行不良な生徒が多く、アスタリスクの再開発エリアを根城にしているものも少なくない。プリシラやころなのようなまともな生徒もいるが、比較的まれである。《王竜星武祭》を得意としている。

クインヴェール女学園
生徒会長を務めるのはシルヴィア・リューネハイム。運営母体は「W&W(ウォーレン・アンド・ウォーレン)」。保有する諜報工作機関は、情報操作のエキスパートが揃う「ベネトナーシュ」。校章は冀望の象徴たる名もなき女神「偶像」。六学園中唯一の女学園にして、最小の学園。明るくきらびやかな校風で、入学条件に戦闘能力や学力にプラスして「容姿」を要求している。クインヴェールは《星武祭》の総合成績を考慮せず、《星武祭》を純粋に学生の魅力を引き出すためのステージとしてしか見なしていない。生徒会長シルヴィアやガールズロックバンド『ルサールカ』の四人など、アイドル的な一面が多く、メディアへの露出も比較的高い。

その他
落星雨(インベルティア)
作中、20世紀に地球を襲った未曾有の大災害のこと。世界中に隕石が降り注ぎ、多くの都市が壊滅状態に。この結果、既存国家の力は著しく低下し、統合企業財体と呼ばれる新たな経済主体が取って代わることとなる。観測機関などに予兆を捕らえることができなかったため、ただの隕石ではないという見方が主流である。また、この隕石群からは未知の元素である万応素が検出され、科学技術の発展を促すと共に《星脈世代》と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出した。星露はこの落星雨は自然災害ではなく、何者かが意図をもって引き越したものであると言っており、実際、綾斗とシルヴィアに見せた落星雨を再現したホログラムでは、「隕石が突然出現したように見えた」事、「地表激突時、それが魔法陣のような形を成していた」こと、「その内側がごっそり削られていたように消えていた」事等、明らかに自然災害で起こる偶然とは思えない事象が引き起こされていた。また、星露はこの落星雨以前にも同様のことが起こっていたとも解釈しており、万応素もマナダイトも《星脈世代》も、今よりはるかに少ないが存在していたことも話している。

統合企業財体(Integrated Enterprise Foundation)
《落星雨》後、混乱の極みにあった世界経済を乗り越え支えるために無数の企業が融合して誕生した、新たな経済主体。疲弊した国家を遥かに凌ぐ権力を有する。かつては8つ、現在では「銀河」「EP(エリオット=バウンド)」「界龍」「ソルネージュ」「フラウエンロープ」「W&W(ウォーレン・アンド・ウォーレン)」という6つの統合企業財体が存在し、互いにしのぎ合いながら実質的に世界を裏から操っている。アスタリスクにおいては各学園の運営母体でもある。しかし 企業であるが故に、利益にならない事業などを世論を少しずつ変える事で廃止に追い込むなど、非人間的な一面も多く、かなりの経済格差を生み出す要因ともなっている。その最たる例がユリスの故郷、リーゼルタニアの内部事情である。統合企業財体の幹部は人間的な要因に起因する失敗を防止し、より的確で公正な判断を徹底させ、そして なによりも幹部全員に統合企業財体の理念を共通構築するために精神調整プログラムを受けることが必須となっている。その為我欲の強い人物は幹部になるのは難しいと言われいるが、このプログラムは部署や立場によって調整レベルが異なる。何年かに一度開かれる大会談(コンコルディア)と呼ばれる首脳会議に各統合企業財体の代表者数名が出席し、長期の利害調整を行うことになっている。

翡翠の黄昏(ひすいのたそがれ)
アスタリスク史上最大の人質テロ事件。ラディスラフは犯行グループの思想的指導者と目されている。犯行グループは学生のシンパを含んだ七十七人で、約四分の一は金銭目的で犯行に加担した。ヘルガが単独で解決し、首謀者及び主要メンバーはほぼ全員逮捕されたが、七人程逃げおおせている。実際は、《ヴァルダ=ヴァオス》によって星脈世代優生思想を植えつけられた学生たちが引き起こした事件である。

星武祭(フェスタ)
統合企業財体が主催し、アスタリスクで行われている力を持つ学生同士の大規模な武闘大会。3年を一区切りとし、初年の夏に行われるタッグ戦は《鳳凰星武祭(フェニクス)》、2年目の秋に行われるチーム戦は《獅鷲星武祭(グリプス)》、3年目の冬に行われる個人戦は《王竜星武祭(リンドブルス)》と呼ばれる。定められたルールは、校章の破壊によって勝敗を決する。エンターテイメントであるため、明らかな残虐行為や殺傷を目的とした攻撃は処罰の対象となる、など。注目度が非常に高く、世界中にライブ放送され、世界最大の興行規模を誇る。統合企業財体の元では経済的な成功・発展が最重要視されているため、《星武祭》は常に多数派の消費者が望む方向へ運用されてきた。参加者が学生限定に定められていることや、見栄えの良い少年少女がアスタリスクに多く在籍するのも消費者への需要があるため。また、アスタリスクの各学園の校風が極端に個性を持っている理由も演出によるものである。

星武憲章(ステラ・カルタ)アスタリスクの全ての学生に適用される厳格なルール。違反したものには退学を含めた厳しい処分が待っている。
・アスタリスクにおける学生同士の闘争は、互いの校章を破壊することを目的とする場合のみこれを許可する。
・アスタリスクにおける学生が《星武祭》へ参加できる期間は、13歳から22歳までの10年間とする。
・アスタリスクにおける学生が《星武祭》へ参加できる回数は、3回を上限とする。

蝕武祭(エクリプス)
非合法・ルール無用の武闘大会。ギブアップは不可能で、試合の決着はどちらかが意識を失うか、もしくは命を失うかによって決まる。捜査を担当したヘルガ等星猟警備隊によって潰された。主催者はダニロと目されていた。開催場所は、アスタリスクにおける最下層であるバラストエリアの底、つまり水中。

万応素(マナ)
《落星雨》によって地球にもたらされた未知の元素を指す。現在では世界中に拡散し、どこにでも存在する。特定の条件を満たした生物の意志に反応し、周囲の元素とリンクしあらゆる事象・物質へと変化する。

星脈世代(ジェネステラ)
万応素の影響を受けて誕生した新人類。綾斗やユリスもこれに含まれる。今までの常識を覆す卓越した身体能力と、星辰力と呼ばれるオーラを身に有している。中でも生身で万応素とリンクできる異能者は、女性ならば《魔女(ストレガ)》、男性ならば《魔術師(ダンテ)》と呼ばれている。一般社会においては異端な存在でもあり、社会からの潜在的な差別意識を感じアスタリスクへとやって来る学生も少なくはない。その差別意識は《星武祭》への批判が一挙集中しないことの理由の一つでもある。

星辰力(プラーナ)
前項、星脈世代が持つ特殊なオーラ。《魔女(ストレガ)》や《魔術師(ダンテ)》はこれを糧に能力を使用する。身に秘めた全てを使い果たすと意識が消失するが基本的には時間と共に回復する。星辰力のコントロールは《星脈世代》の基本技術であり、星辰力を利用し攻撃力や防御力を増加させることも可能。特に防御面においてはその効果が顕著である。強力な武器を使った戦闘が日常となっているアスタリスクの学生達が、命にかかわる致命的な怪我を負うことが少ない理由はここにある。

星仙術
界龍第七学園が開発し発達させた万応素のコントロール技術のこと。星仙術を扱う能力者は道士と呼ばれる。《魔女》や《魔術師》の能力は個人の才能に依拠するが、星仙術はそれを技術としてある程度まで汎用化させることが目的。ただし 根本的に《魔女》や《魔術師》の才能がないものには習得することが出来ない。端的に言えば星仙術は万応素の反応を体系的に分類し、系統的な技術として習得できるようにしたもの。《魔女》や《魔術師》は通常一つの能力に特化するが、道士は鍛錬によって広く複数の能力を使いこなすことが出来る。

落星工学
万応素や《落星雨》で落ちてきた隕石に関する学問を示す。万応素の働きについてはまだまだ未知の部分が多いものの、隕石に多く含まれていたレアメタルを利用したマナダイトの研究は進んでおり、広く実用化されている。

マナダイト
万応素が結晶化した特殊な鉱石。一定の負荷を与えることにより特定の元素パターンを記憶・固定化する性質を持つ。元来地球上には存在しないはずのものであり《落星雨》によって落ちてきた隕石から採掘されている。煌式武装の起動体として使用されるほか、落星工学によって生み出された様々な製品に幅広く用いられている。

ウルム=マナダイト
極めて純度の高いマナダイトの総称。無論、通常のマナダイトに比べ希少であり、これをコアに据えた煌式武装は純星煌式武装と呼ばれる。色や形は様々で、同じものは2つとない。意思を持つとされる。

煌式武装(ルークス)
マナダイトを核に造り上げた武具の総称。特性を持つマナダイトに元素パターンを記憶させることにより、発動体からその素体を具現化することができる。周囲の万応素を集約することにより光状の刃や弾丸など、様々なも物体を生成する。動力自体も万応素から抽出している。

純星煌式武装(オーガルクス)
ウルム=マナダイトをコアに利用した武器の総称。強力・特殊な能力を秘めているものが多いが、その反面様々な「代償」を必要とする。さらに武器自体に意思のようなものが宿っており、使い手との相性によっては触れることさえままならない。アスタリスクにおいては、相性は適合率として測定される。その多くは総合企業財体が有しており、各学園へ管理を委任、適合率の高い学生に貸し出す形でアスタリスクへと提供されている。

流星闘技(メテオアーツ)
煌式武装の威力を一時的に増大させる、いわゆる必殺技。使用者の星辰力を大量に消費する。星辰力を使って一時的に煌式武装をオーバーロードさせる行為であり、その現象は正式には過励万応現象と呼ばれる。煌式武装の調整と、使用者がその扱いに熟練していることが必須のため、一朝一夕で使えるものではない。

黒炉の魔剣(セル=べレスタ)
星導館学園が管理しており、後に綾斗に貸与されることとなる純星煌式武装の1つ。外形は鮮やかな赤色のコアに名前に反した透き通るような純白の刀身、片刃のようで巨大な光りの剣といった印象を持たせる。かつて 綾斗の姉が使っていたらしき武装であり、「触れなば溶け、刺せば大地は坩堝と化さん」と恐れられた強力な純星煌式武装。また、貸与履歴が改ざんされている。比較的古い純星煌式武装でありながら、手懐け使いこなせた学生は今までに数人数える程しかおらず、気難しい(持ち手を選ぶ)ことで知られる。学園序列九位の実力者であるレスターでさえも半分にも満たない適合率しか弾き出せなかった。綾斗は当初“得体の知れない化け物と眼を合わせてしまった”かのような戦慄を覚えながらも、なんとか従えることができた。肉が焼けながらも柄を手放さなかったその時の適合率は97パーセントにも及ぶ。剣術に優れた綾斗の手により、耐熱処理を施された人形を歯牙にも掛けない剣戟を生み出す。その切り口は刃物で切ったというより高熱で焼き切られたように赤熱する。解放状態の下では、新雪のように真っ白な刀身に黒い文様が巻きつくように周囲に浮かび上がる。その禍々しい様は、炎の使い手であるユリスに、地獄の蓋から漏れ出す黒い炎を彷彿させた。

在名祭祀書(ネームド・カルツ)
アスタリスクの各学園の序列制度を元に、それぞれの学園が有する実力者を明確にするためのランキングリストを指す。枠は全部で七十二名。

冒頭の十二人(ページ・ワン)
『在名祭祀書』のリストの1枚目に名前が連ねられている上位12名のことを示す。この12人はいずれも手練であり、決闘の際にはブックメーカーが開いたり、報道系クラブに真っ先にライブ実況されるなど学園内でも注目度が非常に高い存在である。また、有力生徒のデータ収集として監視されたり、隙あらば蹴落そうと狙っている生徒も少なくない。なお、聖ガラードワース学園の《冒頭の十二人》は通称「銀翼騎士団(ライフローデス)」と呼ばれており、それ以下の序列者はその候補生と目されている。

雑記



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