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作者:花凰神也
イラスト:夜屋みるら
出版社:富士見書房 ファンタジア文庫

あらすじ

ちょっとお金にうるさいことを除けば、ごく普通の高校2年生の少年・天倉神名は、アルバイト代をもらったので足取りも軽く家路を急ぐ途中、空から落ちてきた謎の物体が頭に直撃。遠のく意識の中、少女の声を聞くが、そのまま意識を失ってしまう。翌日、遅刻寸前の登校時に、道ばたで泣いている少女と目が合うが、皆勤賞がかかっているので無視しようとする。しかし、その少女は神名を力まかせに引き留め、「天倉神名」という少年を捜している、と告げるが、神名は怪しんで「知らない」と言い放ち、少女を置いて学校へ。そして、お約束のように神名のクラスにその少女が転入して来る。ナギという名の少女は、自らを「死神」と言い、神名が「本来は昨夜に死ぬはず」だったのに死んでいないので、魂の回収、すなわち神名に死んでもらうために来た、と明かす。実は、ナギはこの任務に失敗すると上司の死天使長により「チョコレート・パフェ」に変えられてしまうので、何が何でも任務を完遂する必要があった。かくして、魂を取られてはかなわないと逃げる神名を、パフェは大好きだけど自分がパフェに変えられたくはないナギが追っかける、というドタバタ劇が始まるのであった。

登場人物

ナギ
死神。第13死天使機関に所属。「魂の輪廻」をはずれてしまった神名の魂を回収するため、人間界に派遣された。栗色のロングヘアーを、サーモンピンクの細いリボンでツインテールにしている。横の髪も長く、これは自然に垂らしている。瞳も栗色。丸顔。神名の通う学校、しかも同じクラスに転入する。さらに(魂の回収をしやすくするため)、神名のすぐ後ろの席になる。学校などでは苗字がないと困るため「風流凪」と名乗っている。チョコレート・パフェが大好物。3食がチョコパフェでも構わないほど。つい勢いで「チョコパフェになりたい」と口走ったことをイリスに知られ、任務に失敗したらチョコパフェに変えられる、という条件をつけられてしまう。料理は一応得意で、見た目もおいしそうなものを作るが、味覚がかなり異常なため、本人が美味しいという料理は、神名以外の他人にとっては気絶するほど不味い。神名以外のクラスメイト男子ほぼ全員と、サラ、沙耶架も気絶させたことがある。しかし、神名ともども「大人の味であり、祐司や沙耶架には早すぎる味」であると思い込んでいる。本人は、神名とは逆に「死ぬべきでない時に死んでしまった」人物であり、偶然にも神名の幼なじみで5年前に事故死した、千夏の魂である。神名により、魂の輪廻を逆転させられ、死天使から人間に戻されると同時に、千夏の記憶も取り戻した。高校生の少年少女が2人だけで1つ家で寝泊まりするのは不謹慎ということもあり、神名とケンカした時に泊めてもらったサラの家に、そのまま居候している。ただし、最初に泊めてもらった礼として神名に朝食を作って以来、神名の朝食と夕食、また通学時の弁当などを作っている。

ベル・フィナル
死神の鎌。ナギと契約している。ふだんは、黄色の輪がついた大きな白い卵の形をしている。ナギの意思で、形を変える。しかし、なぜかスコップやスプーンといった形ばかりで、ナギと契約してから肝心の鎌の形にしてもらえたのは、神名とともにイリスに戦いを挑んだ時と、フルールに本気で挑んだ時しかない。スコップ形になった場合「記憶を掘り起こす」、スプーン形の場合は「心をかき混ぜる」、ナイフ形の場合は「すべてを切り分ける」という力を持つ等、変化後の形状に応じた特殊能力が付与される。実は、死神の鎌としては史上最強の「ヴァールリーベ」の片割れで、「魂」を司る。魂を司るだけに言葉をしゃべることができ、その知識でナギや神名をサポートするが、あまり話を聞いてもらえないのが悩み。食事はしないが、食べている人と触れることで、味を感じることができる。神名には、川に投げ込まれたり、熱々の味噌汁(ドリアン入り)に浸されたりした。ナギには「ベルちゃん」と呼ばれている。契約主であるナギが人間に戻ってしまった後も、ナギのしもべとして仕えている。扱いが悪いナギに比べ、汚れなどを拭き取り優しく扱ってくれたサラに好意を持っている。

エカルラート
死神の鎌。ある夜、天空から落下して神名の頭に激突した。その後、神名と契約している。「ヴァールリーベ」の片割れで、「器」を司る。そのため、ベルとは違い言葉をしゃべることはない(意思があるかどうかすら不明)。ふだんは、黒い大きな卵の形。不思議な力を秘めているようで、植木鉢に置いておくと、植えられている植物の成長を著しく促進する効果がある。このため、神名はふだんサボテンの植木鉢に半分埋めた状態で置いている(ただ、片割れのベルにとって、これは屈辱的なことらしい)。なお、神名は「漬物石」としての用途も考えていたようだが、見かけよりもかなり軽いので、重しとしては使えないらしい。神名の意思により、形を変える。たいていはフォークの形で「空間に突き刺さる」ことで敵の動きを封じる効果がある。他に、耳かきの形で「あらゆる汚れを取り除く」、スポイトの形で「死ぬ運命を吸い取る」という特殊効果を持つ。本来の鎌の形に変化したのは、神名がナギとともにイリスに戦いを挑んだ時と、フルールに本気で挑んだ時だけ。名前が長いので、神名などには「エカル」と略して呼ばれている。

イリス
死天使長。第13死天使機関の長であり、すべての死神の頂点に位置する。ナギの直属上司でもある。ブロンドのショートボブ。ただし、左右の耳の横だけは、胸につくほど長く伸ばしている。瞳は青。端正な顔立ちの美人である。一般の死神が白系の服であるのに対し、死天使長を示す黒系の服をまとう。極めて優秀で、死神として多数のソウル・イレギュラーを捕獲、若くして死天使長にまで上り詰めた。任務に失敗した部下には容赦ない上、思考も極めて個性的。ナギには、当初から「任務に失敗したらチョコレート・パフェに変える」と宣言している。またフルールに対しては「ゴキブリに変える」と言い、実際に変えてしまった。ナギや神名に「任務」と称して仕事をさせ、その結果は自分の功績として報告する等、なかなか困った性格をしている。これらの、理不尽な行動や発言が多いため、部下たちには陰で「鬼」と呼ばれている。節分の夜に天倉家に出現した時は、いきなり神名に「鬼は外」として豆を投げつけられたほど。愛用の鎌は「ブルーモール」。蒼く輝く2枚の刃を持つ、美しい鎌である。極めて強力なものだが、本気を出した神名とナギにより真の姿となったヴァールリーベにより破壊された。なお、その後に修理され、元に戻っている。コーヒー、特にイルガチェフが好み。天倉家の戸棚に、わざわざ自前の豆を置いていて、神名に淹れさせる。

フルール
もと天使にして死神、かつての死天使長「ディス」であった(と自称する)魂。ただし、それを裏づける事実はない。約1年前に死神となったが、直後の任務に失敗。イリスにより、ゴキブリの姿に変えられた。任務失敗の原因は、激愛している九官鳥が誤ってゴキブリを食べて死にそうになり、その看病をしていて任務をすっかり忘れていたため。九官鳥は元気になったが、その九官鳥にイリスの悪口を教えていたことがバレてしまい、本人は「希望は九官鳥」と言ったものの、当然ながらゴキブリに変えられることになった。ゴキブリの姿にされた後、愛する九官鳥に近づいたところ、くちばしでつつかれそうになったので、泣く泣く別れることになり、イリスへの恨みがさらに増大した。封印されているヴァールリーベを移送することを聞きつけ、移送任務の命令書を本来の担当者ではなく新米死神のナギに届くよう細工した上、移送中のナギを襲い、封印を解いた。ディスの魂かどうかは不明ながらも、かなり強力なはずのヴァールリーベの封印を軽々と解いてしまうほどの力は持っている。ヴァールリーベがナギと神名と契約したのは想定外で、奪い取るべくナギと神名をしつこくつけ狙う。ヴァールリーベ紛失の原因をつくった張本人であることをイリスに知られ、ゴキブリからノミへと姿を変えられた上、間髪を入れずに大量の殺虫剤を浴び、次の輪廻に進んだ(死んだ)はずだったが、とっさに地中に逃れて殺虫剤を避け、生き延びていた。ゴキブリの頃もノミになった後も、異常に動きがすばやい。また、火を操る能力に長けている。イリスが鎌を誤って落とした件や、ナギ作の味噌汁を飲んだサラの失神の原因といった濡れ衣を着せられている。

ライル
傭兵。ガリムの相棒で、深瀬家には恩義があり、外国にいても沙耶架に呼ばれるとすぐ駆けつける。左目に眼帯をしている。右目の視線は、異様なほど鋭い。沙耶架の護衛のためとはいえ、学校のドアを多数壊してしまった。少々口が軽いところがあり、しばしば沙耶架に注意される。第2巻のエピローグで、沙耶架の要望に従い警備員として日本に残る。数回戦った神名のことは高く評価していて、警備員としていっしょに働かないかと誘った(ただし「銃の扱いを教えれば、すぐに前線へ送り込める」といった不穏な発言もしていた模様)。

ガリム
傭兵。ライルの相棒で、深瀬家には恩義があり、外国にいても沙耶架に呼ばれるとすぐ駆けつける。顔は四角く、頬に大きな傷跡がある。しかし、忠実そうな風貌。泣く女の子には弱い。空腹な上にチョコパフェのおあずけ状態で泣きじゃくるナギに根負けした上、買い物につきあって服まで買い与えてしまうほど。第2巻のエピローグで、ライルともども沙耶架の要望に従い警備員として日本に残る。

設定など

魂の輪廻
作品世界では、死んだ生物の魂は次の生命として生きることになっている。これを「魂の輪廻」と呼んでいる。すべての生物は、死ぬタイミングと、死に方が定められている。このタイミングより前に死んだり、死なずに生き延びたり、また定められた形とは違う死に方で死んだ場合は「ソウル・イレギュラー」という存在になり、魂の輪廻から外れてしまう。ソウル・イレギュラーは早急に是正されねばならない状況であり、特に死なずに生き延びている場合は、死神が派遣されて魂の回収が行われる。通常は時間の流れと同じく、方向が決まっているものだが、エカルラートをドリルとして使用することにより、逆に進めることができる。

ソウル・イレギュラー
「死ぬべきなのに死んでいない人間」や「死ぬべきではないのに死んでしまった人の魂」といった、「魂の輪廻」から外れた状態の存在。前者は神名が該当し、後者は輪廻を逆転させられる前のナギが該当していた。死すべき人間については、魂の管理局のリストに登録される。本来あるべき魂の輪廻に戻すため、死すべき人間に対しては死神が派遣され、魂を回収することになっている。また、死ぬべきではなかった人の魂は、天使として次の輪廻までの時間を過ごす。死ぬべき人間の魂は、死神の鎌で回収される必要がある。それ以外の死因で死んでしまった場合、魂の輪廻に戻ることができない。また、その場合は派遣された死神は任務失敗となり、罰を受けることになる。死神の鎌による魂の回収は、対象となる生物体が鎌と直接触れることで行われる(肉体部分が直接触れる必要があり、服ごしなどではダメ)。従って、魂の回収を拒んで死神と対決する場合、鎌(に相当するもの)には決して直接触れてはならない。死神の鎌により回収された魂は、ただちに次の輪廻に送られる。たとえば、まだ生きるべき期間が残っている天使(死神)の場合でも、他のより強い死神の鎌により魂を回収された場合は、残り期間を待つことなく次の輪廻に送られる。

天使
本来生きるべき期間を残して死んでしまった人間の、次の輪廻まで生きるべきであった残り期間を過ごすための形態。白い翼(出し入れ自由)を持ち、空を飛ぶことができる。また、服装も自由自在。翼は、寝違えることがあるらしい。通常、人間だった頃の記憶はほとんど失っている。また、姿も人間だった頃とはまったく違うものになっている。地上(人間界)への干渉は禁止されている。ただし、死神は唯一の例外。このため、死神として働きたがる天使が多く、実際に死神になるのは困難である。死神には、生きている人間に正体を知られる等の不都合があった場合に備え、人間の記憶を消す能力が与えられる。

魂の管理局
ソウル・イレギュラー、特に「死ぬべきなのに死んでいない人間」のリストを管理している。朝9時から夕方5時までが“営業時間”であり、死神の活動もこの時間帯に限られている。ただし、年に1日だけ「強制残業の日」があり、滞りがちの仕事を一気に片付けることになっているが、対象はヒラだけで、係長以上は午後から休みとなっている(上司にとってはストレス解消の日)。

ヴァールリーベ
史上最強の「死神の鎌」。史上最強の死天使長・ディスが愛用した鎌であった。使用者の力に合わせ、鎌自体の力も強大。1つで2つ、2つで1つという不思議な鎌で、魂を司る「ベル・フィナル」と、器を司る「エカルラート」の2つから成っている。あまりにも強力であるため、約千年前にディスが次の輪廻に進んだ後は厳重に封印されていたが、ディスの生まれ変わりと自称するフルールにより封印が解かれ、その際にベルに触れてしまったナギと、エカルと激突した神名がそれぞれ持ち主となっている。神名とナギが手をつないで念じることで、本来の姿と能力を示すことができる。

雑記



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