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作者:志瑞祐
イラスト:桜はんぺん→仁村有志→〆鯖コハダ
出版社:メディアファクトリー MF文庫J

剣と学院と火猫少女
ロスト・クイーン
風の誓約
精霊剣舞祭
魔王殺しの聖剣
追憶の闇精
最強の剣舞姫
決戦前夜
クロス・ファイア
魔王覚醒
精霊王暗殺
封剣解放
氷華の女王
帝都動乱
ドラクニアの竜王
魔王凱旋
魔王都市の女王
帝都奪還
聖都消滅
共鳴の聖魔剣

あらすじ

清らかなる乙女のみ許された特権「精霊契約」元素精霊界より精霊を召喚し、その力を使役する少女達、姫巫女を人々は精霊使いと呼んでいた。 男性で唯一、精霊契約の権利を有する少年カゼハヤ・カミトはとある理由で姫巫女達を育成するアレイシア精霊学院にやってくる。そこで旧知の仲で学院長であるグレイワース・シェルマイスにより学院に編入し姫巫女達とチームを組んで最強の精霊使いを決める大会〈精霊剣舞祭〉に出場するように言われる。そして カミトは、学院一の問題児クレア・ルージュ、クレアの幼馴染でライバルであるリンスレット・ローレンフロスト、学院の風紀を守る風王騎士団の団長エリス・ファーレンガルト、オルデシア帝国の王女フィアナ・レイ・オルデシア、魔王殺しの聖剣の精霊エストとチームを組む。それぞれの願いを胸に戦いに挑むカミト達、その戦いの中でカミト達は古の存在である魔王、歴史より抹消された六番目の精霊王を巡る謎と陰謀による争いに巻き込まれていく。

『学院編』(1巻〜3巻)
旅の少年のカゼハヤ・カミトは、旧知であるグレイワース・シェルマイスに呼ばれてオルデシア帝国内にあるアレイシア精霊学院に向かう途中、学院の生徒である少女クレア・ルージュの水浴びを偶然にも覗いてしまい、更に彼女が契約しようとしていた封印精霊と契約してしまう。カミトは本来は清らかな乙女しかなることが出来ないはずの、この世界ではありえない男の精霊使いだった。そして 学院に強制的に入学させられてしまったカミトはそこで起こったある事件をきっかけに、クレアをはじめとする学院の少女達や契約精霊の剣精霊・エストと共に、最強の精霊使いを決める大会〈精霊剣舞祭〉を目指すことになる。

『精霊剣舞祭編』(4巻〜11巻)
学内ランキング戦を勝ち抜き、〈精霊剣舞祭〉の出場資格を得たカミトらチーム・スカーレットのメンバーは会場に向かう途中、何者かが使役した軍用精霊に襲われてしまう。その正体は、かつて〈教導院〉でカミトとチームを組んでいた〈怪物〉ミュア・アレンスタールだった。〈精霊剣舞祭〉を戦い抜く中でチーム・スカーレットのメンバーはエストの喪失(後に戻ってきたが)やレスティアの襲撃、フィアナの拉致など数多の試練に遭遇するがこれらを乗り越え、決勝に進出する。決勝はこれまで〈精霊剣舞祭〉の舞台に選ばれたことのない場所が舞台となり、チーム・スカーレットは苦戦する。さらに聖国代表やもう一人の〈レン・アッシュベル〉がそれぞれの目的のために動き始め、もう一人の〈レン・アッシュベル〉の正体と目的が明らかになる。その正体はクレアの実姉にして〈災禍の精霊姫〉ことルビア・エルステインだった。彼女は五大精霊王を滅ぼして精霊の存在しない世界を作ろうとしていたのだ。ルビアはその目的に利用するためにクレアを拉致する。カミトはこのことを知ってクレアの救出に向かい、ルビアと死闘を繰り広げ、レスティアとエストを同時に使役して死闘を制する。敗れたルビアは自分が精霊王に反逆した理由を告白し、姿をくらます。その直後、〈精霊剣舞祭〉は閉幕し、チーム・スカーレットの優勝が判明する。カミトはレスティアから失われた記憶を見せられ、〈異界の闇〉と呼ばれる謎の存在に精霊王が蝕まれていることを知り、精霊王の解放を決意する。

『精霊戦争編』(12巻〜)
〈精霊剣舞祭〉閉幕から1週間後、優勝した〈チーム・スカーレット〉のメンバーはアレイシア精霊学院に戻ってきたが、カミトはレスティアを失い、彼女に関わる全ての記憶を失っていた。その最中、学院が所属不明の軍用精霊に襲撃される事件が発生するものの、記憶を取り戻したカミト達の活躍で退けることができた。そして、〈水の精霊王〉イセリア・シーウォードからレスティアが生きているかもしれないとの情報を聞いたカミトは、リンスレットの故郷ローレンフロスト領へ向かう。そこで再会したレスティアは一切の記憶と力を失っていた。一方、フィアナはグレイワースと共に帝都で行われた諸国会議に出席していたが、聖国の陰謀により反逆者の濡れ衣を着せられてしまう。レスティアと共に学院に戻っていたカミト達もフィアナとの共謀を疑われて投獄されるが、ルビア率いる〈煉獄の報復者〉によって脱獄させられ、フィアナの救出に向かう。そして、辛うじて彼女を救出したカミトの前に、フィアナと共に捕らえられたはずのグレイワースが立ちはだかる。しかし、カミトは諸国会議に出席していたレオノーラの助力で撤退に成功し、フィアナやクレア達と共にリンスレットがいるローレンフロスト領へと逃げ延びた。その後、カミト達はリンスレットを加えてルビア達と合流し、ルビアからドラクニアへの亡命とフィアナを女帝に頂く〈正統オルデシア〉樹立の計画を聞かされる。フィアナは正統オルデシアの女帝になることを決断し、カミトたちは聖国の毒牙からオルデシアを奪還するために動き出す。

登場人物

主要人物
チーム・スカーレット
〈精霊剣舞祭〉で優勝すべく、カミトとクレアで結成したチーム。結成から日が浅いためチームワーク等に不安が残り、癖は強いものの個々の実力は高い。結成当初は人数のせいもあり格下の相手にも敗れるほど弱小だったが、フィアナやリンスレット、エリスの加入によって大躍進を果たし、見事に学院代表の座を勝ち取った。〈精霊剣舞祭〉本戦種目〈嵐の如く乱舞(テンペスト)〉開始当初は各国から弱小チームと侮られていたが、ドラクニアの〈竜皇騎士団〉や〈煉獄の使徒〉のネペンテス・ロア、クイナ帝国の〈四神〉、魔精霊使いシェーラ・カーンとの激闘を経て大躍進を果たし、最終日に同じアレイシア精霊学院代表の〈チーム・ケルンノス〉と神聖ルギア王国の〈聖霊騎士団〉第二軍〈銀の狼(シュルタール・ヴォルフ)〉の同盟チームを打ち倒し、第4位で決勝進出を決めた。〈精霊剣舞祭〉決勝種目〈焔の乱刃(クロス・ファイア)〉では、他3チームの指揮官(ルビア、ルミナリス、レオノーラ)を1チームで倒したのに加え大半の魔石を獲得したことから、ルビアが自ら魔石をカミトに渡してリタイアした時点ではまだ〈竜皇騎士団〉が2人、〈聖霊騎士団〉が1人フィールドに残っていたが、〈精霊王〉はこれ以上の剣舞は不要と判断して、全員残っている〈チーム・スカーレット〉の優勝が確定した。
カゼハヤ・カミト
契約精霊:エスト、レスティア(11巻まで)
精霊魔装:〈魔王殺しの聖剣(デモン・スレイヤー)〉テルミヌス・エスト→〈魔王剣(デモンズ・ソード)〉テルミヌス・エスト・ツヴァイ(エスト)、真実を貫く剣(ヴォーパル・ソード)(レスティア)(11巻まで)
切れ長の瞳に鋭い雰囲気を纏う黒髪の少年。男性の身でありながら、清き乙女の特権であるはずの精霊契約を行うことができる。グレイワースを名前で呼び捨てにできる数少ない人物。長きにわたってかつての相棒レスティアを探す旅に出ていたが、アレイシア精霊学院のグレイワースからレスティアの情報を得ることと引き替えに学院に編入することになった。その正体は、かつて〈最強の剣舞姫〉と呼ばれ精霊使いの少女達を魅了したレン・アッシュベルである。3年前、女装し「レン・アッシュベル」という偽名を用いて〈精霊剣舞祭〉の頂点に立つが、自身の望んだ「決して望んではならない願い」(何を願ってしまったのかはカミト自身も覚えていなかったが、6巻でレスティアから「5人の精霊王を暗殺して欲しい」ということだったと伝えられた)によってレスティアと離ればなれになり、彼女を探すための旅を続けていた。またその時の記憶があやふやであり、思い出そうとすると激しい頭痛に襲われていたが、〈精霊剣舞祭〉終了後にレスティアが3年前に起きたことを明かしたことですべてを思い出した。
大陸の東端の島国の出身だが、幼少期に〈教導院〉の手の者にさらわれて、幼少期の大半を〈教導院〉という暗殺者の育成施設で過ごし、相手を殺すための様々な教育を施されてきた。〈教導院〉では「魔王の生まれ変わり」「奇跡の子」「約束の子供」などと呼ばれており、ミュア・アレンスタールやリリィ・フレイムと戦術チームを組んでいた。4年前、ルビアが従える〈神殺しの焔〉の襲来によって〈教導院〉が崩壊する際、炎上する建物の中から魔装具〈スライマンの指輪〉に封印されていたレスティアと共に脱出した。その後、流れ着いた町で〈骸連盟(マーダーズ)〉と接触。レスティアの封印を解く鍵である〈魔王の鍵の書(キー・オブ・スライマン)〉を報酬として〈黄昏の魔女(ダスク・ウィッチ)〉グレイワースを暗殺しようとするが返り討ちに遭い、彼女の提示したある「条件」と引き換えにレスティアの封印を解いてもらった(男の精霊使いとして騒がれるの防ぐために、当時はメイド服を着せられていた)。学院への編入当日、クレアの裸を見てしまったことや、さらには彼女を助けようとして彼女の代わりにエストと契約してしまったことがきっかけで、クレアに一方的に奴隷扱いを受けることになる。自分の奴隷精霊になるように一方的に迫ってくるクレアに対して、高位の人型精霊との契約方法「口付けによる契約」や、彼女の愛読している過激な内容のティーンズ向け恋愛小説の話題を持ち出して反応を楽しんだり、エストが恥ずかしがることを分かっていてベッドに潜り込んだ彼女の足をくすぐるなど、サディスティックな一面がある(しかし、やり過ぎて相手を泣かせてしまった時は反省もしており素直に謝る一面を持っている)。
誇り高い精霊使いには敬意を払うが、自分の仲間に対して危害を加えようとしたり、人質などの卑劣な手段を使う相手には周りがすくみ上がる程の殺意をむき出しにして戦う(〈ロスト・カテドラル〉でシェーラ・カーン(教主)と二度目の対峙した際には、特に嫌悪感を露にし、むき出しの殺意を放っていた)。実は〈精霊戦争〉において〈五大精霊王(エレメンタル・ロード)〉によって倒された〈魔王〉と呼ばれる〈闇の精霊王〉レン・アッシュドールの転生体であり、レスティアやグレイワースや紅蓮卿(ルビア)からは〈魔王の後継者〉と呼ばれている。肉体が生まれつき聖属性の魔術をはじく特性を持っているため、回復の精霊魔術も肉体を密着させないと効果がない。その反面、肉体の自然回復能力は常人よりも遥かに高く、骨折も含めて大抵の傷は短時間で治る。〈精霊剣舞祭〉決勝では自分の中に存在する〈闇の精霊王〉に精神を侵食されていき、攫われたクレアを取り戻すためにクレアの姉のルビアと戦うが、戦いの最中に〈闇の精霊王〉に精神を呑み込まれ〈魔王〉として覚醒する。しかし、クレアが〈魔王〉の魂を鎮めることができる〈闇の精霊姫〉として目覚めたため、彼女の誓願の口付けによって正気を取り戻すと同時に失われていたレスティアとの精霊契約の絆を取り戻し、本来の戦闘スタイルの双剣(グレイワースからは剣舞向きではないと言われ、矯正されていた)に戻った。〈教導院〉にいた頃は人間としての感情を持っていなかったが、それをレスティアに教えてもらったため、あらゆる面でレスティアを大切に思っている。レスティアが再封印された後は〈教導院〉の「再教育」によって感情を消されたが、心の奥底に彼女への想いだけは残っていた。ファーストキスの相手はレスティアだが、本編開始時から現在までクレア、エリス、リンスレット、エストともしている。
かつて〈教導院〉で暗殺の技術を仕込まれたこともあり、白兵戦においては相棒の〈テルミヌス・エスト〉を華麗に操り圧倒的な実力を見せつける。また、並外れた聴覚や神威の探知能力に優れており、隠密行動が得意。〈教導院〉にて読唇術も身に着けている。仲間に自分が〈教導院〉出身であることを打ち明けてからは、〈教導院〉で習得した技術も見せるようになった(ただし、ほとんどの〈教導院〉の暗殺技は、グレイワースに使用を禁じられている)。
しかし、精霊学に関する体系的な教育をほとんど受けていなかったため、精霊魔術全般が苦手で使える精霊魔術も少ない。また、昔から神威の放出にムラがあるようで、グレイワースにも指摘されている。〈精霊剣舞祭〉開始時は3年間のブランクの影響は大きく本来の実力にはほど遠かったが、数々の強敵との戦いでかつての力を取り戻しつつあり、ネペンテス・ロアを倒す際には〈烈華螺旋剣舞・十六連〉というグレイワース直伝の秘奥の絶技を披露。ルビアと戦ったときはカミト本来の戦闘スタイルである双剣(エストとレスティア)を使用し、絶剣技終ノ型〈天双絶閃衝(ラスト・ストライク・デュアル)〉で〈神殺しの焔〉を砕き撃破する。その後、ルビアから精霊王に叛逆した理由を聞いている最中に、契約の代償としてルビアの命を求める〈レーヴァティン〉を〈魔王殺しの聖剣〉でルビアとの精霊契約を断ち切って追い返し、ルビアから魔石を渡されたすぐ後に〈浮遊島〉にチームごと転移され、出迎えたレイハから〈チーム・スカーレット〉が〈精霊剣舞祭〉に優勝したことを伝えられた。その日の夜、レスティアによって夢という形で三年前の記憶を取り戻し、翌日には廃都〈メギドア〉へ再び赴き、〈封破の儀〉で〈水の精霊王〉イセリアの現し身を封印から解放した。その後、イセリアから〈精霊剣舞祭〉が開催される真の理由を聞き、イセリアから他の精霊王を解放してほしいと頼まれる。そして、優勝祝賀会を経てクレアたちの決意を聞いたカミトは、再び〈真祭殿〉で最も異界の闇に汚染されている〈火の精霊王〉ヴォルカニクスの解放を行おうとするが、溢れ出した異界の闇によって〈闇の精霊王〉の意思が再び目覚めて体が動かなくなったところを、レスティアによって救い出される。
しかし 意識を取り戻したカミトの目に映ったのは〈魔王殺しの聖剣〉に自ら貫かれたレスティアの姿であり、再び目の前でレスティアを失った(同時にカミトの左手の精霊刻印も消滅した)。その後、レスティアの高位魔術によって彼女との出会いからクレア達と〈精霊剣舞祭〉を勝ち抜き優勝するまでの全ての記憶を封印され、〈教導院〉時代の感情を失った人格に戻ってしまう。しかし、学院都市で行われた〈精霊大祭〉の最中に起こったミレニアの襲撃の混乱の中で正体を現したルーリエに追い詰められたことで、カミト自身が思い出すことを強く願ったためにレスティアのことを思い出し、同時にエストを召喚して取り戻したことで、ルーリエを撃退し四体の〈ナズ・グール〉を消滅させた。なお、記憶を失っていた間の記憶は残っている。記憶を取り戻した後、レスティアを失った失意に苛まれていたが、イセリアからの情報でレスティアらしき少女がローレンフロスト領の森に現れたことを聞き、リンスレットと共にローレンフロスト領に向かう。そして、ローレンフロスト領で〈異界の闇〉に操られたユーディアによって暴走する覇氷精霊〈ジルニトラ〉を討ち取り、ユーディアを救い出した。そして、ウィンターガルフ城でクレアとエリスに連れられたレスティアと再会する。
9巻ではルーリエから〈十二騎将〉の推薦があることが告げられた。しかし、元々地位や名誉に興味がないことと、クレア達との学院生活が気に入っているという理由で断っている(3年前にもスカウトがあったようだが、これも断っている)。過去に相棒を失った経験や、〈教導院〉出身者である過去を知ってもカミトを受け入れてくれた〈チーム・スカーレット〉のメンバーであるクレア達に対する思い入れはとても深く、「大切な人を護りたい」という気持ちが非常に強い。また、正体を知っているフィアナ以外のメンバーがレン・アッシュベルに対して強い憧れを持っていることを知っているため、彼女達の夢を壊すことや今までの関係を崩したくない理由で自分がレン・アッシュベルであったことなどの過去を隠している(13巻時点でカミトがレン・アッシュベルであることを知っているのは、グレイワース、レスティア、クレア、フィアナ、ルビア、ジオ、ヴェルサリア、レイハ、シェーラ(順不同))。〈教導院〉出身のため、一般の知識に疎いところがあり、クレア達から教わることがある。それ以前はレスティアやグレイワースから教わっていた(グレイワースの元にいた時には家事を徹底的に仕込まれており、学院のレイヴン寮でクレア、フィアナと生活している時は主に食事番を担当している)。〈教導院〉で「お前に仲間などはいない」、「信じられるのは自身の力しかない」と、長く教えられていたためか今でも無意識に一人で戦っていた感覚で動いてしまうことがある。クレアを初めチームのメンバー全員や他国の女性達から好意を向けられているが、天性の鈍感さのためその自覚は全くと言っていいほど無い(ただし、クレアに対しては精霊契約に必要な口付けを交わしたことや普段からは想像もつかない可愛らしい仕草や格好を見て、彼女を異性として意識しているところがある)。男の精霊使いとして注目を集める一方で、本人の知らぬ間に数々の「悪名」(淫王、夜の魔王など)が流れており、国内外を問わず女性達から警戒されていた(物語が進むにつれ、噂に尾びれがついて、更に悪名がつくようになっているため、最近は達観してるところがある。学院にいる時も同様の目で女生徒に見られているが、時折熱い視線を向けられたり、下駄箱に手作りのお菓子や手紙が入っていたりとしていた(ただし、カミトは嫌がらせか何かと思っている))が、〈精霊剣舞祭〉で〈最強の剣舞姫〉を破って優勝したことで学院内で密かにファンになった娘もいるらしく、カミトの療養中には〈風王騎士団〉の本部にカミト宛てに花束や手紙や手作りのお菓子が送られて来た。また、チームメイトの契約精霊(スカーレットやフェンリル)に懐かれている。

クレア・ルージュ
契約精霊:スカーレット(オルトリンデ)
精霊魔装:炎の鞭(フレイムタン)
学院でのランクはAA。チーム・スカーレットのリーダーを務める。炎の如き紅い髪とツーテールに紅玉のような瞳が特徴的な美少女。アレイシア精霊学院に編入してきたカミトが最初に出会った人物であり、カミトに初めて会ったとき(故意にでは無いとはいえ)自分が泉で禊ぎをしているところを見られてしまったため、彼を本気で消し炭にしようとした。本名はクレア・エルステイン。かつてはオルデシア帝国の名門貴族エルステイン家の次女だったが、〈災禍の精霊姫(カラミティ・クイーン)〉と呼ばれる姉ルビア・エルステインの裏切りによって爵位と領地を剥奪。両親は名ばかりの裁判によって政治犯を収容するバルサス監獄に幽閉されてしまう。以来、リンスレットやキャロルなどの昔からの親しい人物以外からは〈災禍の精霊姫〉の妹として、蔑みと憎悪の目で見られるようになる。炎精霊スカーレットを操り戦う天才的な精霊使いであり、また戦術眼にも優れるためチームでは司令塔としての役割についている。優秀な問題児が多く集まるレイヴン教室でも特に問題児であり、〈風王騎士団(シルフィード)〉や彼女を敵視している上級生と毎日のように対立していた。反面、学院内の成績はトップクラスで言葉通りの優秀な問題児。6歳の時点で姉のルビアの教えもあったが精霊語を僅かながら読めていた(感覚で物事を掴む天才タイプで人に物事を教えるのは苦手らしく、一度教わったカミトからはさっぱり判らないと思われた)。
クレア自身も知らないことであったが、実は〈精霊姫〉の才覚においては「数百年に一度の逸材」と言われた姉のルビアを上回っており、そのためスカーレットも契約相手にルビアよりもクレアを選んだ。エルスティン家の炎である〈炎を燃やす焔〉を〈精霊剣舞祭〉においても無意識ではあるが繰り出していたが、〈闇の精霊姫〉となったことでその才能を覚醒させ、炎の鞭(フレイム・タン)に〈炎を燃やす焔〉を上乗せして神殺しの焔〈レーヴァティン〉を切り裂くなどの成果を発揮した(後にその才覚に眼をつけていたルビアによって、〈闇の精霊姫〉に選ばれる要因にもなった)。一見我が儘で気性が荒く傍若無人な態度が目立つが、それは姉の裏切りにあって以来天涯孤独の身として生きてきた彼女の辛い過去から来るものであり、根は優しく、繊細で傷つきやすい純粋な心の持ち主である。性格もアレイシア精霊学院入学当初は現在とは違い、上級生からいじめられても言い返せないほど大人しいものだった。出会ったばかりの頃はカミトを奴隷扱いしていたが(内心ではカミトに奴隷扱いされることを望んでいる所があり、スカーレットと共有している夢の中ではカミトに口にするのも恥ずかしい格好をさせられていたり、鞭で打たれるといったSMプレイもされていた)、自分の契約精霊になると誓ってくれた彼に対して心を開き、次第に恋愛感情を抱くようになった。〈精霊剣舞祭〉優勝の恩赦によって釈放された両親との会話の中で、カミトへの好意を自覚するようになった。〈精霊剣舞祭〉の決勝戦において、負傷した状態で遭遇したレスティアが〈真実を貫く剣〉に姿を変え、ルミナリスが〈真実を貫く剣〉をレン・アッシュベルの精霊魔装だと告げたことで、カミトがレン・アッシュベルであることに気づいた。その後、レスティアの助けを借りてスカーレットの真名解放を果たして窮地を切り抜けるが、フィアナと合流した直後に遭遇した〈煉獄の使徒〉の紅蓮卿の正体が姉のルビアだったことを知り、精神的に動揺した所をルビアによって囚われの身となり、彼女の儀式により記憶を消され一時は〈魔王〉に仕えるだけの傀儡のような存在になってしまったが、フィアナやスカーレットの決死の尽力もあり、ルビアの闇の呪縛を断ち切った上で〈魔王(=カミト)〉に仕える〈闇の精霊姫〉としての資格を得るという荒業をやってのけた。そして 姉のルビアにより〈魔王〉として覚醒したカミトに誓願の口づけを捧げ、彼の魂を鎮めることに成功する。
料理の腕に関してはカミトが編入して来るまでは缶詰だけで生活しており、調理すると黒焦げの炭にするなど皆無に等しい(だが料理の才能が全くないわけではなく、〈ヴァレンティア聖祭〉では努力の末にその欠点を克服し、カミトにチョコレートを作っている。また〈精霊剣舞祭〉終了後に記憶喪失になったカミトにリンスレットから教わったボルシチを作っており、多少の塩加減の違いはあるものの美味いといわれるなど上達はしている)。胸が小さいことを極端に気にしており、スタイル抜群のリンスレットやエリスに対して劣等感を抱いているが、彼女自身は同性の目から見ても魅力的な妖精のような可憐な容姿を持っており、エルスティン家の令嬢として培ってきた気品や風格も兼ね備えていることから、〈精霊剣舞祭〉の本戦前に開かれた舞踏会では髪の色と同じ紅いドレスを着て会場入りした際に、一瞬で周囲の注目を集めていた。〈精霊剣舞祭〉へ出場する目的は、優勝した際の〈願い〉で姉に会って4年前の真実を聞くことであった。しかし、〈精霊剣舞祭〉決勝でその願いは叶ってしまい、優勝後にフェンリルを奪われて気落ちするリンスレットのために、自身の〈願い〉を使ってフェンリルを取り戻そうかとリンスレットに語っていた。

フィアナ・レイ・オルデシア
契約精霊:ゲオルギウス
精霊魔装:無窮なる女王の城(セイヴ・ザ・クィーン)(7巻〜)
カミトの正体を知っている数少ない人物。黒のロングヘアに紫の瞳が印象的な美少女。学院のランクはD(ただし、不正入学した時の成績であるため、本来のランクは不明)。オルデシア帝国の第二王女であり、かつては帝国の〈神儀院〉の第二位の姫巫女として、ルビア・エルステインに代わる〈火の精霊姫〉の後継者と言われたほどのエリートだったが、〈災厄の精霊姫(カラミティ・クイーン)〉の裏切りによる事件の際にルビアを止めようとしたことで彼女の怒りを買い、心に深い傷を負わされ精霊契約の力を失ってしまった。その事件を境に彼女を祭り上げていた周囲の人間は一瞬にして手のひらを返し、無価値な〈喪失の精霊姫(ロスト・クイーン)〉の烙印を押されていた。かつて「レン・アッシュベル」として〈精霊剣舞祭〉に出場していたカミトと会ったことがある。その時に女装を解いていた彼に命を助けられ、「〈精霊剣舞祭〉が終わったらまた会おう」という約束を交わしており、その出来事以来彼のことを想い続けていたが、カミトの身に起こった惨劇によりその約束が果たされることは無かった。しかし、「アレイシア精霊学院に編入した精霊使いの少年」の噂を聞きつけ、学院に入学してカミトと再会を果たした。初めはカミトをレン・アッシュベルであるという真実を材料にして脅して〈精霊剣舞祭〉に出場し優勝することで優勝者に与えられる〈願い〉によって契約精霊の力を取り戻すという目的で彼に近づいたが、ガド鉱山での任務遂行中に自分のことを仲間として受け入れてくれたカミト達に心を開き、さらにジオとの死闘を演じる中でカミトが窮地に陥ったことをきっかけに精霊契約の力を取り戻し、〈神儀院〉に戻るという選択肢を放棄して〈チーム・スカーレット〉の三人目のメンバーとして正式に加入する(精霊契約の力が戻った後は両親であるオルデシア皇帝夫妻や、周囲の貴族達からは表面上は暖かく迎えられているが、内心では未だに冷遇されている)。実戦経験が皆無に等しいため白兵戦に関しては素人(〈精霊剣舞祭〉中にゲオルギウスから護身用の剣技を習っている)だが、元々がエリートの姫巫女だったこともあり儀式神楽や魔術に関する知識が非常に豊富であり、特に治癒の魔術に関しては専門の姫巫女にも引けを取らないほどの腕を持っている。オルデシア王家に代々伝わる聖属性の騎士精霊〈ゲオルギウス〉の使い手であり、チームではその鉄壁の防御力を活かした守備と儀式演舞によるサポートを担当している。当初はチーム内での自らの力不足を感じており、ゲオルギウスを精霊魔装に展開しようとするものうまくいかず落胆していたが、〈精霊剣舞祭〉本戦でシェーラ・カーンに攫われた際に紅蓮卿と対峙し、彼女の放った火炎球によってフラッシュバックした過去のトラウマを完全に払拭することで、精霊魔装〈無窮なる女王の城(セイヴ・ザ・クィーン)〉を展開することができた。〈精霊剣舞祭〉の最中に実力を示したことでエルスティン公爵夫妻の釈放に対して発言権を強めるなど、王女としての立場を強めていくが、長兄アルネウスの評判の悪さから帝国議会からは王位継承者の一人として担ぎ出されるなど、権力争いに巻き込まれ始めている。料理の腕に関しては見た目だけなら何ら問題はなさそうだが、本来味覚を持ち得ないはずの精霊の舌を破壊するほどの凶悪な料理(学院に入学当初にクレアとの料理対決で、本人曰くホワイトシチューという名の刺激臭の強い真っ赤な激辛シチューを作っており、エストからも戦慄されていた。学院では調理の補習を受けているものの記憶を無くしていたカミトからは「人智を超えた不味さ」、十二騎将のヴィレイからは毒と判別されるなど、全く進歩していない)を作るため、ある意味クレア以上に問題がある。オルデシア王家の正統な血統ではあるが、決してとっつきにくい性格というわけではなく、寛大で話しやすい好人物である。また戸惑うカミトに「はしたないお姫様は嫌い?」と言ってわざと胸を押し付けたり、クレアに年頃の少女とは思えない大胆な発言をして、からかったりすることが原因で、クレアには「エロ王女」と呼ばれている。しかし本当はカミトに自分が買った下着を見られただけで真っ赤になって恥じらうなど、クレア並に初心な少女である(当初 カミトに対して色仕掛けを仕掛けていた時は、カミト曰く行動がワザとらしかったらしく当人はかなり恥ずかしかった模様)。

エリス・ファーレンガルト
契約精霊:シムルグ
精霊魔装:風翼の槍(レイ・ホーク)
オルデシア帝国において武芸の名門として誉れ高いファーレンガルト公爵家の次女。鳶色の瞳に青髪のポニーテールが映える美少女。風精霊シムルグの使い手であり、高位の精霊使いであると同時に槍術の達人でもある。学院のランクはAA。アレイシア精霊学院では最優のヴィーゼル教室に所属する優等生で、同時に学院の風紀を守る騎士団〈風王騎士団(シルフィード)〉の団長を務める。生真面目で融通の利かないところがあるが、自分の非を素直に受け入れることができる真っ直ぐな心を持っている。また、生涯添い遂げる殿方のために料理の腕を磨くなど一途な少女である(しかし、怒ると剣を抜き、切っ先を人に向けたり振り回す悪癖があり、カミトからは「料理以前にこれじゃ嫁の貰い手がないだろう」と言われたことがある)。努力家だがどこか要領の悪いところがあり、教科書を丸暗記しようとしてカミトにそれを指摘されている。人の話を真に受けやすい一面があり作中では様々なトラブルの原因にもなっている(鉱山都市ガドでカミトに助けてもらったお礼を考えていた時にラッカとレイシアに「カミトはメイド服などの格好に興奮するマニア」という嘘を信じて、メイド服を着た。また、〈精霊剣舞祭〉終了後にまたもラッカとレイシアの二人に騙されて、下着同然の衣服を身に纏ったこともあった)。性格の堅さとは裏腹に可愛いものが好きで寮の自室にはぬいぐるみなどがあり、精霊であるスカーレットやフェンリルにも同様の感情を抱いている(スカーレットからはかなり嫌がれているがあまり気にしていない。だが、自分の契約精霊のシムルグに対しては逆に「顔が少し怖い」、「可愛くない」など、契約精霊に聞かれたらグレそうなことを述べていた)。最初は男性の身でありながら学院に編入してきたカミトを風紀を乱す敵と決めつけ何かと目の敵にしていたが、彼と関わるうちに好意を抱くようになり、〈チーム・スカーレット〉の〈精霊剣舞祭〉出場が決定したその日に、告白の想いを込めてカミトにチョコレートを渡した。カミトがレン・アッシュベル本人だとは20巻で本人から教えられるまでチームで唯一全く気付いていなかった。精霊使いになったのは、幼少時に厳格ながらも公明正大な人物であった姉のヴェルサリアに憧れ、騎士としての道を志すようになったことがきっかけである。しかし、学園に入学した時にはヴェルサリアは力を求めることに取り付かれており、ヴェルサリアが〈風王騎士団〉を追放された後に騎士団長に任命されたが、理想と現実のギャップに悩むことになる。〈ヴァレンティア聖祭〉で呪装刻印で暴走した精霊によってカミトが重症を負い、ヴェルサリアに「貴様に騎士の資格はない」と言われ自信を喪失しかけたが、部屋に現れたクレアの挑発とラッカとレイシアの願いを受けて自信を取り戻し、〈チーム・スカーレット〉の5人目のメンバーとして加入する。幼少の頃から正統な騎士の剣を学んでおり、本人の性格の部分もあって得意な型としている。その反面、〈教導院〉出身者など(カミト、ジオ、リリィ)の変則的な動きには対応できないことも多く、風もまだうまく扱えておらず、エリス本人も〈精霊剣舞祭〉が始まってからはそれを痛感しているが、〈精霊剣舞祭〉決勝でのリリィ・フレイムとの戦いではティターニアの麻痺毒で痺れて動けないのを逆手に取り、風の魔術で飛翔し攻撃するという奇策をとる。スタイル抜群で、特に胸は同性からの羨望の眼差しを受け、グレイワースやカミトに「わがままボディ」と言われるほど大きいが、本人は剣を振るう邪魔になるだけだと思っている。 幼い頃から騎士として勇ましく育てられたためか、クレア達と比べて女性として自分にどこか自信のないところがあり、そのためカミトに「可愛い」「綺麗だ」などと言われるたびに赤面して慌てふためいている。

リンスレット・ローレンフロスト
契約精霊:フェンリル
精霊魔装:魔氷の矢弾(フリージング・アロー)
オルデシア帝国の名門貴族ローレンフロスト伯爵家の三姉妹の長女。プラチナブロンドの髪にエメラルドの様な瞳を持つ美少女。学院のランクはA。クレアとはライバルであり、常日頃から「残念胸」「泥棒犬」と暴言を飛ばしあうなど喧嘩が絶えないが、同時に幼馴染で親友(幼少時と学院に入学当初はクレアからは「リンスレットちゃん」と呼ばれていた)でもあるため、決して仲が悪いわけではない。6歳の時に父親のローレンフロスト伯爵に連れられてエルスティン公爵家を訪れた時、クレアを最初見た時は「容姿が飛び抜けて可愛い以外はパッとしない子」と評価を下していた。また、現在とは正反対の本来の性格でもあった彼女に対して好意的ではなかったが、エルスティン家の封印書庫にクレアと共に無断で立ち入った際、封印精霊のアイスサラマンダーに襲われ危機に陥った時にクレアの才能の一端を見ることになり、同時にライバル兼親友として認めるようになる。高位の氷精霊フェンリルを使役しており、学院では〈氷魔のリンスレット〉と呼ばれるなど、精霊使いとしての実力はクレアにも引けを取らないほど高い。クレアへの対抗心か、入学してきたカミトを自分の下僕にしようとしていたが、いつの間にか彼を下僕にするどころかカミトに対して好意を抱くようになってしまった。プライドが高すぎる性格が祟って自爆してしまうことも多いが、学院に来たばかりのカミトにスープを差し入れたり、学院の入学時から上級生から非難を浴びているクレアを通りがかった振りをして助けるなど、非常に面倒見がよく気配り上手な姉御肌の一面を持っている。また、幼少時から年の離れた二人の妹の面倒を見ていたため、廃都〈メギドア〉の地下通路で出会ったイセリアとも仲良くなっていた。メイドのキャロルがするはずの仕事を全て自分で完璧にこなしており、料理の腕は高級レストランのシェフ並み、菓子作りの技術は一流のパティシエと同じレベル、さらにマッサージの腕はプロ級だが(キャロルから「下々の世話をするのは高貴なるものの勤め」と半ば騙されて身についたらしい)、浅い場所でも溺れる程のカナヅチが悩みである。〈水の精霊王〉への儀式に失敗した妹のユーディアを氷漬けにされるという悲しい過去を持っており、優勝した際の〈精霊王〉への〈願い〉で氷に閉じ込められた妹を解き放つことを目的に〈精霊剣舞祭〉に出場するが、〈願い〉の正体を知ったためにそれは叶わなかった。上記の通り精霊使いとしての実力は非常に高いものの、プライドが高いこととメンバーに求める能力が高すぎたためにチームの結成と解散を繰り返し、〈チーム・スカーレット〉に加入する頃には誰からも誘われなくなっていた。呪装刻印で暴走した精霊によってカミトが重症を負って一時参加できない状態になった際、カミトが〈チーム・スカーレット〉への加入を頼んだため、4人目のメンバーとして加わった。レスティアを探すためにカミトに同行した際に、キリア山脈の〈霜巨人(フロスト・ジャイアント)〉の氷窟の中で負傷したカミトを治療するためにカミトとキスした後、エリスと同じく体内に未知の神威が宿っている。精霊魔装〈魔氷の矢弾(フリージング・アロー)〉の使い手であり、特に精霊魔装の展開速度にかけては他の追随を許さないほどのスピードを誇る。チームではその技能を活かして後方からの攻撃を担当している。

主要契約精霊
エスト
カミトの相棒である〈魔王殺しの聖剣(デモン・スレイヤー)〉と呼ばれる剣精霊の少女。普段の姿は銀髪の少女だが、精霊魔装〈テルミヌス・エスト〉の姿は長大な剣。対呪性能や凄まじい魔力を秘めており、10分の1しか発揮できない現在でも並の精霊とは比べものにならないほどで、最強クラスのレスティアと同等の力を誇る。だが唯一の弱点はあまりに強力すぎるため神威の消費が激しいことで、カミトは数分しか精霊魔装として展開出来ない(そのせいで契約したばかりの頃はカミトは気絶していた)。かつては学院の近くの洞窟に封印されており、後述の理由のために今まで多くの精霊使いを袖にしてきたが、本人曰く「カミトに自分と似たものを感じた」らしく彼と契約を交わした。普段は無表情で滅多に感情を表に出さないが、自分が好意を抱いているカミトに対してだけは甘えることが多く、何故かよく全裸ニーソや裸ブラウスの姿で彼に添い寝している。基本的に羞恥心という感情を持っていないが、素足を見せることだけは極端に恥ずかしがる。基本的にカミトには絶対の忠誠心を持っているが、天然で多くの女性の心を射止める彼に対して「カミトは本当に節操が無い御主人様です・・・」と言うなど、カミトの天然女たらしな一面には呆れ果てているようである。その正体は古代の大戦の時代(〈精霊戦争〉のことを示しており、廃都〈メギドア〉に大量にいる廃精霊からは追いかけられていた)に作られた精霊兵器であり、かつて魔王スライマンと戦い、世界を救った〈救世の聖女(セイクリッド・クイーン)〉アレイシア・イドリースの相棒だった。しかし、自身が強大な解呪の力と引き替えに契約者の命を削る魔剣であることが判明し、アレイシアはその呪いで命を落としてしまった。〈精霊剣舞祭〉の前夜祭、レン・アッシュベル(ルビア)にかけられた呪いによって苦しむカミトを救うべく、自らを犠牲にして彼を救う。その呪いに縛られる中で自身の本体である本物の〈テルミヌス・エスト〉と再会し、自分と一つになることを迫られるがカミトとの契約を理由にこれを拒否。だが、そのことがきっかけで自分の魔剣としての記憶を取り戻し、カミトの命を奪ってしまうことを恐れて彼の手を拒んでしまう。その後、〈元素精霊界〉の中で悲しみに暮れながら無為の時を過ごすが、カミトの「お前の全てを受け入れる」という言葉と精霊契約の口付けで説得され、完全復活を果たした。カミトの契約精霊に戻った後は、彼と共に戦い頂点を目指すことを改めて誓った。自分と同じ最高位の精霊でカミトのもう一人の相棒でもあるレスティアには嫉妬も含んだ対抗心(7巻で復活したレスティアがカミトにキスをして立ち去った時には、カミトをマスターと他人行儀な呼び方をして怒っていた)を抱いており、彼女からの挑発に対して度々応酬をしていた。精霊王暗殺計画後、〈神儀院〉の祭殿に戻ったのと同時に、学院敷地内のかつてエストが封印されていた祠の地下に出現した〈玄室〉に転移し封印されていたが、カミトが記憶を取り戻したことで封印が解かれカミトの元に戻った。消滅する前のレスティアによって力の一部を継承され、正当な魔王の佩刀〈魔王剣(デモンズ・ソード)〉テルミヌス・エスト・ツヴァイとなり、闇属性の技も使えるようになった。最終決戦後もカミトの傍に留まって、アレイシア精霊学院に戻って行われた祝宴の翌朝に、カミトに恥ずかしながらも素足を見せた。なお、最終決戦時には既に本体の〈テルミヌス・エスト〉とは乖離した別の存在になっていた為、本体の〈テルミヌス・エスト〉が消滅した後も存在を維持している。

テルミヌス・エスト
カミトとの契約の影響で分裂したエストの本体。〈魔王殺しの聖剣〉と呼ばれている存在。分離したエストに過去の記憶を与えていた張本人で、本来はカミトとも契約をするつもりはなかったが、カミトが契約をしようとしたためにエストと分裂してしまった。5巻でカミトとの〈門〉が閉じた時に、分離したエストにカミトとの契約を破棄するように命令した。〈精霊戦争〉の際はどちらの側にも付かず、どちらの勢力にも恐れられており、最高位の闇精霊であるレスティアをして喧嘩をしたくないと言うほどである。〈元素精霊界〉での最終決戦で、〈聖女〉アレイシアの肉体を得た〈聖王〉アレクサンドロスに契約を復活させられて召喚され、エストのことを既に自身から乖離した別の存在だとアレクサンドロスに告げた。そして、カミトの双剣をも圧倒するが、カミトが魔装融合で顕現させた〈魔王の聖魔剣〉の攻撃で亀裂が生じて、カミトの〈烈華螺旋剣舞・無限解放〉でアレクサンドロスと共に粉々に砕け散って、アレイシアの意識の欠片と共に消滅した。

レスティア・アッシュドール
カミトの契約精霊で、かつて魔王が使役したとされる最高位の闇精霊。普段の姿は艶やかな黒髪に黄昏色の瞳をして黒い翼を持つ闇色のドレスを着た少女。精霊魔装の姿は闇の魔剣〈真実を貫く剣(ヴォーパル・ソード)〉。その正体は〈闇の精霊王〉レン・アッシュド−ルの分身のような存在であり、〈闇の精霊王〉の力を受け継ぐ〈魔王〉を覚醒に導く導き手として数千年間の長きに渡り生きてきた。〈暗黒の炎(イビルフレイム)〉や〈闇魔閃雷(ヘルブラスト)〉といった高位の闇属性の精霊魔術を使用していた(攻撃する際、躊躇しないためカミトからは「(相変わらず)容赦がないな」と言われている)。〈教導院〉ではカミトの教育係だったが、カミトにヒトの心を教えてしまったため再び封印された。その後、崩壊する〈教導院〉からカミトと共に脱出し、グレイワースに封印を解いてもらい、レン・アッシュベルと名乗ったカミトと共に〈精霊剣舞祭〉の頂点に登り詰める。カミトに精霊王の暗殺という願いを頼み〈異界の闇〉に汚染された精霊王の狂った人格のみを滅ぼそうとしていたが、精霊王に取り付いている〈異界の闇〉によって捕らえられ、カミトを転移魔術で安全な場所に飛ばした後、長らく行方が知れなかった。その〈異界の闇〉によって「汚染」された〈闇の精霊王〉によって内側から侵食されつつあり、自分でいられる時間が残り短くなっていた。作中における数々の事件で暗躍しており、〈精霊剣舞祭〉本戦ではカミトを〈魔王〉として覚醒させる仕上げとしてネペンテス・ロアをぶつけ、自身も精霊魔装になりカミトや〈チーム・スカーレット〉の面々と交戦する。しかし ミラ・バセットの介入などにより敗北し、一時的に実体化できない程に弱っていたが7巻で再び復活した。神聖ルギア王国、および〈聖霊騎士団〉から「世界の敵」として狙われている。彼女が変わってしまったのは、上述の〈異界の闇〉によって汚染された〈闇の精霊王〉が彼女自身に潜ませた〈魔王〉の意思であることが発覚。さらにカミトが〈魔王〉として覚醒したことで精霊契約の絆も消えかかってしまうが、クレアが〈魔王〉の魂を鎮めることの出来る〈闇の精霊姫〉として目覚めたことにより〈魔王〉の意思が封印され、カミトとの3年前の絆を完全に取り戻し、再び彼の契約精霊として戦うことになった。その後、イセリアの頼みによって再び〈真宰殿〉で精霊王の狂った人格のみを滅ぼし精霊王を解放しようとしたカミトが再び、〈闇の精霊王〉の意思によって〈魔王〉として覚醒しようとしていたため、それを阻止するために自身の中に存在する〈闇の精霊王〉の意思ごと自身を滅ぼすために、自ら〈魔王殺しの聖剣〉に貫かれて消滅した(消滅する前にカミトに高位魔術をかけて自分に関する記憶を封印し、エストに力の一部を継承させていた)。12巻終盤でオルデシア帝国辺境のローレンフロスト領の森をさまよう彼女らしき少女が登場しているが、名前以外の記憶を喪失していた。13巻では〈氷華の森〉に住むエルフィム種族の村にさらわれて、覇氷精霊〈ジルニトラ〉の復活に立ち会うが、〈ジルニトラ〉の暴走とルミナリスたちの襲撃の混乱の最中に森へ逃走し、たどり着いたキリア山脈の麓の小さな村で氷竜に抑えつけられていたところをクレアとエリスに助けられた。そして、二人に同行してウィンターガルフ城でカミトと再会する。また、ルミナリスの精霊魔装〈ミュルグレス〉の魔装展開の余波を浴びても何の影響もなかったことから、闇精霊ではない模様。自分と同じく最高位の精霊であり、カミトのもう一人の相棒であるエストには対抗心(作中では何度かカミトにエストとの契約を解除するように言っているが、その都度に拒否されていることも原因)を持っているような節があり、エストとは度々挑発の応酬をしていた。〈精霊戦争〉時は〈闇の精霊王〉の軍勢を率いる立場におり、オルトリンデとはその時に何度か刃を交えた間柄であった。

スカーレット/オルトリンデ
クレアが使役する炎精霊。火猫の姿をしており、〈灼銀の戦姫(スカーレット・ヴァルキリー)〉と呼ばれ、竜種ですら倒すこともできる強力な精霊だが、クレアからの扱いは猫そのもの。精霊魔装の姿は〈炎の鞭(フレイムタン)〉。真名は遥か昔に失われていたが、〈精霊戦争〉の仇敵でもあるレスティアによって9巻で判明し、人型(人型になっても猫の面影が残っている)高位精霊のオルトリンデとして覚醒する。真名開放後は一国のエース級精霊使いを単独で撃破するほどの力を発揮する(ただし、現在はクレアがオルテリンデを使いこなせていないため、任意で人型にすることはできない)。覚醒した後も火猫の姿にもなることも可能になっているが、その時は獣並の知性になっており、また記憶は人型とは別になっている(ただしエリスに無理矢理抱きしめられていた時の苦手意識や、カミトにおいしいごはんをもらったこと、頭を撫でてもらった記憶は残っている)。真名開放後は火猫の姿であるにもかかわらず、カミトに嫉妬するような描写がある。15巻で、〈竜の峰〉のヴリトラが封印された〈祭殿〉で、ルビアの幻影に惑わされるクレアに自分の心に素直になるように諭し、カミトを好きだと告白したクレアの求めに応じて、オルトリンデとして再び顕現した。以降はクレアの意思で自在に顕現できるようになったが、その分クレアの〈神威〉を多く消費している。〈元素精霊界〉での最終決戦で、クレアがカミトとの〈闇神楽〉の儀式を行った後は、真名解放せずともスカーレットの意思で顕現できるようになった。オルトリンデとしての本質はエストと同じ〈精霊兵器〉であり、エストとの情報共有によって〈天使〉に対抗する事が可能となる。

フェンリル
リンスレットが使役する魔氷精霊。狼の姿をしており、胃の中が亜空間となっており荷物を飲み込んで運ぶことができる。精霊魔装の姿は〈魔氷の弓(フリージング・アロー)〉。〈精霊剣舞祭〉決勝にて、バンダースナッチに食べられて吸収されたが、その後、〈精霊剣舞祭〉終了後にイセリアを狙うシェーラ・カーン(教主)と共に漆黒の体毛と紅い目という本来とは程遠い禍々しい姿で現れ、カミト達に牙をむくが、カミトとエストによって解放され、リンスレットの元に戻った。イセリアがリンスレットたちと会話するときにはフェンリルを介している。

シムルグ
エリスが使役する魔風精霊。巨大な鳥の姿をしており偵察を得意としている。精霊魔装の姿は〈風翼の槍(レイ・ホーク)〉。エリスからは顔が怖い、あんまり可愛くないと言われている。〈精霊大祭〉で子供にせがまれたエリスが召喚した際は、その子供に泣かれてしまった。風精霊の特徴として、契約者であるエリスと離れて行動することができる。

ゲオルギウス
フィアナが使役するオルデシア王家に代々仕える聖属性の騎士精霊。精霊魔装の姿は〈無窮なる女王の城(セイブ・ザ・クイーン)〉。第二展開時は<栄光の騎士剣(クリムゾン・グローリー)>フィアナが〈喪失の精霊姫〉となってからは長らく呼び出されていなかったが、ジオ・インザーギとの戦いでフィアナが精霊契約の力を取り戻したことで、再び彼女の契約精霊として召喚されるようになる。高い防御力を誇り、聖属性の高位精霊のため闇属性への抵抗防御力も高く、チームでは防御の要になっている。〈元素精霊界〉での最終決戦では、〈風の精霊王〉ベルファール・シルフィードの化身との戦いでフィアナの危機に反応して、自身の意思で精霊形態に戻った際に初めてフィアナに語りかけて、帝国古流剣技でベルファールの化身を迎撃した。

オルデシア帝国
オルデシア王家
リネア
オルデシア帝国第一王女で、フィアナの姉。かつてのフィアナと同じく、〈神儀院〉に入っている。

アレイシア精霊学院
教師
グレイワース・シェルマイス
契約精霊:魔精霊〈ヴォイド〉(8巻まで)
精霊魔装:ストーム・ブリンガー(8巻まで)
アッシュブロンドの髪と妖艶な風貌が特徴的な美女で、アレイシア精霊学院の学院長。3年前、カミトを〈精霊剣舞祭〉に送り出し、その後、彼の契約精霊のレスティアの情報と引き換えに学院に入学させた張本人。本編の24年前に開催された〈精霊剣舞祭〉では当時15歳で優勝しており、その時の願いで仮初めの不死の肉体を得ているが(ある周期で肉体が15歳の時に戻ることが可能になっている)、精霊使いとしての本来の能力はとうに失われていた。学院の生徒を始めとする精霊使いの少女達からは「大陸最強の精霊使い」と尊敬されている。ただし、カミトからは今までの仕打ちから、ただのドSな婆さんという認識を持たれており、敬語は使わず、「グレイワースの婆さん」、「婆さん」、「グレイワース」と呼ばれている(他に、「魔女」や「あんた」と呼ばれているが、本人は、「なぜ、こんなにもひねくれてしまったのか」、「昔はもっと可愛かった」と皮肉るだけで、気にしておらず、話し方を咎めたりもしていない。しかし、12巻で記憶喪失状態のカミトに「綺麗だ」と言われた時は、珍しく動揺していた)。経緯は不明だが以前に心臓に呪装刻印を移植されており、上記の願いによってなんとかもっていた。ランバール戦争ではオルデシア帝国の〈十二騎将(ナンバーズ)〉の一位(〈十二騎将〉になったのは16歳の頃)として活躍し、敵・味方ともに〈黄昏の魔女(ダスク・ウィッチ)〉の異名で恐れられていた。それとともに国内外に多数の「敵」(当時、〈災禍の精霊姫〉事件の責任としてクレアが契約精霊(スカーレット)を奪われるのを阻止しているのも含めて、宮中ではいい印象は持たれていない。また、オルデシア軍に対してもなんらかの弱みを握っており(カミトには「そんなことをしているからあんたはしょっちゅう命を狙われるんだ」とつっこまれていた)、イセリアを狙おうとしているシェーラ・カーン(教主)を追いかけようとするカミト達に、軍が所有する最新型の戦闘艇を短時間で用意していた)を抱えており、カミトがレスティアの封印を解いてもらうためにグレイワースの下にいた時には毎日のように暗殺者に襲われていた。カミトが扱う絶剣技の本来の使い手で、当時カミトにそれらの技を叩き込んでいた(カミト曰く、理不尽なしごき)。〈精霊剣舞祭〉本戦では、決勝前に教え子達の活躍を見守るという名目で〈浮遊島〉を訪れており、カミトにある理由で教えていなかった絶剣技の究極奥義の終ノ型〈天絶閃衝(ラスト・ストライク)〉を教え、その直後に神威を使い果たし倒れた。命は助かったものの、心臓の呪装刻印の副作用で体内の神威の経路がズタズタになり、精霊使いとしては二度と活動できなくなった。かつて、ランバール戦争に参加していた時に自分を慕う大勢の姫巫女が死ぬのを目にしており、戦争や紛争を憎んでいるため、上述の件の後にカミトに対して「レン・アッシュベル(ルビア)を止めろ」と強く進言している。最終決戦では本来の年齢の姿に戻っている。最終決戦後、アレイシア精霊学院に留まって、レオノーラの素質を気に入って、二番目の弟子にして〈絶剣技〉を教えている。

フレイヤ・グランドル
契約精霊:影精霊〈影の隷属者(シャドウ・サーヴァント)〉
精霊魔装:不明
アレイシア精霊学院レイヴン教室担当の教師で、グレイワースの信頼する数少ない人物。優秀な問題児の多く集まるレイヴン教室を担当しており、生徒からは厳しいことで恐れられているが、当初はカミトと二人だけで〈精霊剣舞祭〉を戦い抜こうと考えていたクレアに対して、チェスに例えてチーム戦の重要さを説いたりするなど、厳しいながらも生徒思いの一面もある。影精霊使いであるためにグレイワースからは度々軍への密偵に使われており、よく愚痴をこぼしている。14巻で、皇帝暗殺未遂事件の余波で軍の施設に投獄されたカミトたちを脱獄させる手引きを行い、その際に元〈暗部〉の特務騎士であったことが判明した。

風王騎士団(シルフィード)
ラッカ
契約精霊:地精霊〈カブラカン〉
精霊魔装:破岩の鎚(ロック・ブレイカー)
短髪のボーイッシュな少女。ラッカの精霊魔装〈破岩の鎚〉は柄の長い大鎚。風王騎士団の一員で、同じ騎士団のエリスやレイシアとチームを組んでいた。2巻での鉱山都市ガドにおける任務中に、レイシアと共に重傷を負う。3巻では〈精霊剣舞祭〉までに完治するのは無理だと判断し、レイシアと共にチームの解消をエリスに申し出て、願いをエリスに託した。〈精霊剣舞祭〉が閉幕しエリスたちが学院に帰還した頃にはレイシアと共に回復しており、任務に復帰していた。13巻では、〈カブラカン〉を使って学院都市の復興を手伝っている。エリスたちが学院都市を追われた後もレイシアたちと共に抵抗活動を続けて、学院都市で反乱が起こるとエリスたちと再会し、ヴェルサリアたちと共に大量に出現する魔精霊から学院都市を守った。〈元素精霊界〉での最終決戦では、学院都市の復興に駆り出されていたが、レイハからの呼びかけでカミトたちの現状を聞いて、レイシアや他の学院生たちと共に〈精霊王〉を鎮める祈祷を捧げた。

レイシア
契約精霊:オアンネス
精霊魔装:名称不明の氷の剣
髪を三つ編みにしたおとなしめの少女。風王騎士団の一員で、同じ騎士団のエリスやラッカとチームを組んでいた。2巻での鉱山都市ガドにおける任務中に、ラッカと共に重傷を負う。3巻では〈精霊剣舞祭〉までに完治するのは無理だと判断し、ラッカと共にチームの解消をエリスに申し出て、願いをエリスに託した。〈精霊剣舞祭〉が閉幕しエリスたちが学院に帰還した頃にはラッカと共に回復しており、任務に復帰していた。エリスたちが学院都市を追われた後もラッカたちと共に抵抗活動を続けて、学院都市で反乱が起こるとエリスたちと再会し、ヴェルサリアたちと共に大量に出現する魔精霊から学院都市を守った。

生徒
ホリン・シャレイリア
契約精霊:獣群精霊〈ケルンノス〉
グリズリー教室の生徒で、プラチナブロンドの髪が特徴の樫の賢者(ドルイド)の少女。クレアからは「お子様」、カミトからは「野生少女」と呼ばれている。彼女が契約している精霊を召喚するには大規模な儀式が必要で、使役する際には祭殿を用意している。2巻で、カミトとクレアのランキング戦の相手として登場。2人の相手を仲間に任せ、自分は儀式演舞で自身の契約精霊を召喚する作戦で勝利する。その後も勝ち進んでいたようで、ランキングを2位で通過し、〈チーム・ケルンノス〉として〈精霊剣舞祭〉に出場した。カミトに対しては、他の少女たちと違い普通に接している。〈精霊舞踏祭〉では、精霊の森の中のテントに住んでいることが判明。〈精霊舞踏祭〉にも、チーム・ケルンノスを率いて参加している。

エルサ
契約精霊:金剛精霊〈アダマンティン〉
学院の上級生で、紫色の長髪が特徴の少女。元〈風王騎士団(シルフィード)〉の団員だったが、騎士団の権威を振りかざし、立場の弱い学院生を執拗にいたぶる等の素行の悪さが目立ったため、エリスが騎士団長になった際に騎士団を追放されていた。1巻終盤から登場。学院都市の〈軍用精霊〉の契約式典でディナーレと共にクレアを一方的に攻撃するが、クレアの〈ゲシュペンスト〉で狂乱したスカーレットに金剛精霊を倒されてしまった。3巻では、〈チーム・アクアンズ〉に所属しており、ランキング戦でクレアと戦うが、金剛精霊〈アダマンティン〉を〈炎の鞭〉で切り裂かれ敗北した。その後、クレアを奇襲しようとしたところに現れたヴィヴィアン・メローサから自らの意思で呪装刻印を移植し、精霊を暴走させてしまった。その後、彼女はディナーレと共に森で発見され、呪装刻印を移植した罪で帝都へ連行された。

ディナーレ
契約精霊:魔鏡精霊〈リフレクタ〉
学院の上級生で、薄緑色の短髪が特徴の少女。元〈風王騎士団〉の団員だったが、騎士団の権威を振りかざし、立場の弱い学院生を執拗にいたぶる等の素行の悪さが目立ったため、エリスが騎士団長になった際に騎士団を追放されていた。1巻終盤から登場。学院都市の〈軍用精霊〉の契約式典でエルサと共にクレアを一方的に攻撃するが、クレアの〈ゲシュペンスト〉で狂乱したスカーレットに魔鏡精霊を倒されてしまった。3巻では、〈チーム・アクアンズ〉に所属しており、ランキング戦でヴィッテと共にカミトと戦う。ヴィッテの音の刃を魔境精霊で増幅して反射するコンビネーションでカミトに攻撃するが、ヴィッテを倒されてしまい逃走しようとするも、カミトに〈テルミヌス・エスト〉で魔鏡精霊ごと貫かれ、敗北した。その後、クレアを奇襲しようとしたところに現れたヴィヴィアン・メローサから自らの意思で呪装刻印を移植し、魔鏡精霊を暴走させてしまった。その後、彼女はエルサと共に森で発見され、呪装刻印を移植した罪で帝都へ連行された

ファーレンガルト家
ヴェルサリア・イーヴァ・ファーレンガルト
契約精霊:城塞精霊〈ドレット・ノート〉
精霊魔装:静寂の要塞(サイレント・フォートレス)
オルデシア帝国の名門貴族ファーレンガルト家の長女。エリスの姉で槍術の師匠でもある。星の輝きを集めて製錬したような美しいブロンドの髪とアイスブルーの瞳が特徴的な少女。ファーレンガルト姓を名乗っているが、元はランバール戦争で没落した下級貴族の娘で、精霊使いとしての類まれなる才能を見込まれファーレンガルト家の養子になった。そのためエリスとは直接の血の繋がりがない義理の姉妹。封印精霊の城砦精霊〈ドレッド・ノート〉を使役し、精霊魔装と同じ〈静寂の要塞(サイレント・フォートレス)〉の異名を持ち、クレアですら恐れるほどの実力者で「アレイシア精霊学院最強の精霊使い」と呼ばれている。3年前の〈精霊剣舞祭〉に出場しており優勝候補の一角とされていたが、当時は無名のレン・アッシュベル(カミト)と戦い一瞬で敗北。それ以来、レン・アッシュベル(カミト)への雪辱を誓うと同時に力への渇望に取り付かれていった。〈風王騎士団〉の騎士団長を務めていたが、上述の一件の後に学院内で苛烈な処罰などを繰り返していたことが原因で反発を招き、騎士団長を解任された。経緯は不明だがその後、〈骸連盟〉のヴィヴィアン・メローサによって心臓に呪装刻印を移植された。〈風王騎士団〉でエリスに不満を持っていた騎士団員を強引に引き抜き、学院のチーム対抗戦に参加。単独でエリスを加えた〈チーム・スカーレット〉に戦いを挑み序盤は圧倒していたが、クレアの炎魔術とリンスレットの氷魔術の温度差攻撃で〈静寂の要塞〉の装甲を脆くされ、エリスの〈風翼の槍〉で貫かれたことで敗北。その直後に心臓の呪装刻印が暴走し異形の姿となる。怪我を押して出てきたカミトの〈魔王殺しの聖剣〉で胸を貫かれた時に呪装刻印は破壊され。また、呪装刻印はなくなったが、神威の代謝をつかさどる経路はズタズタに破壊されてしまった。その後は呪装刻印を移植した罪で、帝都へと移送された。その時にエリスに謝罪し、リボンを渡した。最終決戦後、レオノーラと馬が合ったようで、レオノーラの影響を受けて下着をはかなくなったことで、エリスの頭を悩ませている。

ローレンフロスト家
ユーディア・ローレンフロスト
ローレンフロスト伯爵家三姉妹の次女。姉妹の中でも特に能力に秀でており神儀院の姫巫女にも推薦されるほどだったが、4年前に〈水の精霊王〉に奉納する儀式に失敗して精霊王の怒りを買い、永遠に解けない呪氷に閉じ込められてしまい、以来ローレンフロストの城で以前と変わらぬ姿で眠り続けていた。実は儀式の際に人間界へも手を伸ばそうとしていた〈異界の闇〉に蝕まれており、闇の本体を人間界に召喚するのを防ぐためにイセリアによって呪氷に閉じ込められていた。カミトたちが精霊王の〈真祭殿〉で〈火の精霊王〉を解放する際に〈異界の闇〉が活性化したことで、同時にユーディアの中の〈異界の闇〉も活性化し呪氷を内側から打ち砕き、〈氷華の女王〉としてエルフィム種族と接触し、彼らを洗脳して〈ジルニトラ〉を召喚した後に融合して周囲を破壊し始めたが、カミトとリンスレットとルミナリスによって〈ジルニトラ〉と引き剥がされ、昏睡状態でウィンターガルフ城のリンスレットの私室に運び込まれた。間もなく目を覚ますが失明しており、カミトに〈異界の闇〉に取り込まれた時に闇の中を蠢いていた天使たちの一体が自分に憑依したと語った。その後、体力は徐々に回復しているが視力は回復しておらず、移動には車椅子を使用している。〈元素精霊界〉での最終決戦では、ウィンターガルフ城の城主代行としてミレーユやミラと共にレイハからの呼びかけを聞き、〈精霊王〉を鎮める祈祷を行った。最終決戦後、ユーディアに氷の呪いをかけた〈水の精霊王〉の本体が異界への〈門〉にされて消滅したことで視力が急速に快復しつつあるようで、視力が完全に快復したらアレイシア精霊学院に通うことになる模様。

ミレーユ・ローレンフロスト
契約精霊:雪イタチ(15巻から)
ローレンフロスト伯爵家三姉妹の三女。天真爛漫かつおませな性格で、よく姉のリンスレットをからかって楽しんでいるが、彼女のことを敬愛し慕っている。カミトのことはリンスレットの将来の夫、自分の将来の義兄と思っており「お兄様」と呼んでいる。また、氷属性の精霊魔術も使える。14巻では、ラナたち〈森の民〉に〈氷華の森〉の復興を約束し、〈森の民〉と和解した。その返礼として、〈森の民〉は祀っていた精霊の一柱〈雪イタチ〉をミレーユに贈り、15巻で精霊契約を行い精霊使いとなった。そして、カミトたちに同行するリンスレットに代わって城代を務める事になった。そして、フィアナたちによる帝都奪還戦に〈白狼騎士団〉と共にローレンフロストの旗手として従軍し、帝都奪還後にリンスレットやカミトたちと再会する。〈元素精霊界〉での最終決戦では、ウィンターガルフ城でユーディアやミラと共にレイハからの呼びかけを聞き、〈精霊王〉を鎮める祈祷を行った。最終決戦後、来年にはミラと共にアレイシア精霊学院の登竜門であるエルオール初等学院に入学する模様。

キャロル・ナスターシャ
リンスレットに仕えるローレンフロスト家のメイド。メイドではあるが炊事、洗濯、掃除などといった家事全般が全く出来ず、更に主人であるリンスレットに朝は起こしてもらっているなど、カミトいわく駄目っ娘メイド。上記の通り家事などは全くできないが、ローレンフロスト家のメイドの採用基準が「可愛いこと」であることと、リンスレット自身が彼女を気にいっているために全く問題ない模様。リンスレットたちが学院都市を追われた後も学院都市に残り、学生寮が帝国騎士団に接収される前にクレアたちの私物を持ち出していた。そして、学院生たちの抵抗運動に協力していたが、学院奪還戦の最中にリンスレットたちと再会した。そして、帝都奪還後に帝都へ向かおうとするリンスレットに頼まれて、学院生や精霊たちの為の炊き出しを任された。〈元素精霊界〉での最終決戦では、精霊使いではないためにレイハからの呼びかけが聞こえず、ミラから事情を聞いて〈チーム・スカーレット〉の旗を取り出して、〈精霊王〉を鎮める祈祷を行うミラたちを応援した。

ナタリア
契約精霊:名称不明の小型の狼
精霊魔装:名称不明の槍
ローレンフロスト家のメイド長で、〈白狼騎士団(ヴォルフ・リッター)〉の騎士団長でもある精霊騎士。13巻では、ウィンターガルフ城に到着したカミトとリンスレットを歓待し、翌日にはウィンターガルフ城を襲撃してきた無数の氷竜を〈白狼騎士団〉を率いて迎え撃った。

十二騎将
ルーリエ・リザルディア
契約精霊:聖精霊、魔精霊〈モーンブレイド〉
首の後ろでくくった黒髪と、眼鏡の奥に光る理知的な紺碧の瞳が特徴の美女。〈十二騎将〉の第八位で〈奇跡〉のルーリエと呼ばれており、治癒の術式を専門とする、最高位の〈治癒師(ヒーラー)〉。9巻では〈神儀院〉からの連絡で、絶剣技の継承で倒れたグレイワースの治療にあたった。実は、神聖ルギア王国の政治組織〈聖法機関(デ・ゼッサント)〉の主と呼ばれる者の配下であり、ミレニアと共に〈魔王殺しの聖剣〉の奪取を命じられていた二重契約者(ダブル・コンダクター)。その正体は、15年前の〈精霊剣舞祭〉の優勝者ユグドレア・セイント・アソリーテス。かつて辺境の村に生まれたユグドレアには、生まれつき〈癒し〉の才能があり、多くの負傷者を救った。しかしある時、ランバール戦争によってユグドレアの救済行為は更なる死を生むだけの行為だと気付いてしまい、世界の憎しみを消す為に〈精霊剣舞祭〉に出場し優勝した。しかし、〈精霊王〉の〈奇跡〉の力をもってしてもその願いは叶わず、失意に沈んだユグドレアに〈聖王〉アレクサンドロスが語りかけ、ユグドレアの手によって〈聖王〉は玉座から解放された模様。その後、自らの望む世界を実現する為に〈聖王〉に従うことになり、自身の能力で顔を変えて「ルーリエ・リザルディア」という偽名でオルデシア帝国に潜入していた。そして、17巻でヴォルカニクスの力で〈アルカザルド〉と〈ピラミッド〉の結界を焼却させると、ミレニアと共に〈ピラミッド〉に侵入し、〈天魔の大伽藍〉でカミトと交戦する。しかし、カミトの〈絶剣技〉虚ノ型〈破魂絶壊〉によって〈神威〉の循環を司る肉体の経路を斬り裂かれ、二度と精霊使いとしての能力を使うことが出来なくなった。そして、カミトに〈聖国〉に与する理由を語った後、隠し持っていた〈精霊王の血〉による〈霊爆〉を決行し、死亡した。

ヴィレイ・ブランフォード
ボーイッシュに切られた短い黒髪と刃のような光を放つ薄紫の瞳が特徴の少女。〈十二騎将〉の第九位でオルデシア帝国の諜報機関〈暗部〉に所属する特務騎士。火錬粉(パイロマター)と神威を反応させることで精霊鉱石を高速で射出させる拳銃を使う〈魔装騎士(アーティフィサー)〉。12巻でルーリエと共にアレイシア精霊学院を訪れて、カミトの腕を試そうと戦いを挑むなど、カミトに対して厳しい態度を見せる。

デュネイ・ランバート
〈十二騎将〉の第四位で大地の精霊と契約している精霊騎士。性格は実直であるが厳格であり、フィアナは苦手としている。

レシュキル・ハーシュキルト
契約精霊:重力精霊〈テュポーン〉〈十二騎将〉の第三位で、〈重力の女王(グラヴィティ・マスター)〉の異名をとる精霊騎士。皇帝暗殺未遂事件では、デュネイと共に〈冥府の伯爵〉の影を退け、フィアナを捕えた。実はルーリエの手駒の一人であり、聖国に内通している。〈冥府の伯爵〉の影を捕えて〈精霊王の血〉に封じたのも彼女で、フィアナが〈隔離世の宮〉から脱獄した後、フィアナを追い詰めて殺そうとしたが、駆け付けたカミトによって倒された。その後、ミレニアに役立たずと断じられ〈異界の闇〉を注ぎ込まれて狂乱しフィアナを追撃するが、重力精霊を制御できなくなって動かなくなった。

アラキール
契約精霊:鍛造精霊〈ウルカヌス〉
精霊魔装:名称不明の籠手
〈十二騎将〉の一人。階位は不明。実直な性格の精霊騎士だが融通が利かず、フィアナからは「脳筋の石頭」と評されている。カミトたちがドラクニア竜公国に亡命しようと軍用艇〈レヴァナント〉で国境付近に接近した際、〈空戦騎士団〉を率いて迎撃し乗り込んできたカミトと交戦し、カミトの説得にも耳を貸さなかったが二刀流から両手剣に形態変化した〈魔王殺しの聖剣〉に籠手を砕かれ、首筋に剣を突きつけられて敗北した。

アレンドラ・イーヴァ・アーバイン
契約精霊:虚無精霊
精霊魔装:〈虚無の剣(ネザー・ヴォイド)〉
〈十二騎将〉の第七位。アーバイン公爵家の血を引いており、〈アレイシア精霊学院〉を首席で卒業している。アレイシア・ポート(学院都市)の駐屯部隊の司令官を務めており、ミレニアを疎ましく思っている。

アルファス教国
シェーラ・カーン
契約精霊:魔精霊〈嘲笑う混沌(バルダンデルス)〉
精霊魔装:混沌の仮面(プロテウス・マスクス)
〈煉獄の使徒〉の副将であり、アルファス教国の第一王女。猛毒の花を想起させる妖艶な美貌に踊り子のような扇情的な衣装を纏う少女。〈煉獄の使徒〉の一員ではあるが、教国からは紅蓮卿達の監視役として送り込まれており互いに信用していない。性格は残忍かつサディスティックであり、通常は〈精霊剣舞祭〉では攻撃は精神ダメージに変換されるのをわざと肉体への直接的ダメージに変えて相手の悲鳴を聞いたり、苦痛に歪む表情を見て楽しんでいる。魔精霊使いであり、魔王が使役したとされる魔精霊〈嘲笑う混沌(バルダンデルス)〉を使役する。〈バルダンデルス〉の精霊魔装〈混沌の仮面(プロテウス・マスクス)〉の模範能力で〈精霊剣舞祭〉本戦での〈チーム・スカーレット〉との戦いではレン・アッシュベル(3年前のカミト)の動きを完全にトレースし、クレア達を全滅寸前まで追い込む。しかしフィアナが覚醒させた精霊魔装〈セイヴ・ザ・クィーン〉の前にその力を完全に無効化され、クレア達に劣化コピーであったため攻撃を見切られてしまい、さらにクレア達を痛めつけたことでカミトの逆鱗に触れてしまい、状況を打破しようと〈烈華螺旋剣舞・四連〉を放つものの、逆に「本物」であるカミトから〈烈華螺旋剣舞・十五連〉を返され、怒りの制裁を受け敗北した。カミト達に敗れた後は姿を隠していて、紅蓮卿やカミト達〈チーム・スカーレット〉へ復讐する機会を窺っていたが、教国の魔王教団の最高指導者の〈教主〉に用済みと判断され、〈精霊剣舞祭〉決勝前に肉体を教主に奪われてしまった。その後、モルデスを陥落させる為に不完全な状態で起動した〈リヴァイアサン〉を制御する為に、〈リヴァイアサン〉の心臓に肉体を埋め込んだことで〈神威〉を吸い尽くされ、肉体に憑依していた教主にも用済みだと判断され、骨と皮だけの状態になって死亡した。

サラディア・カーン
契約精霊:魔精霊〈シェヘラザード〉
精霊魔装:〈千億の夜と百億の昼(アルフ・ライラ・ワ・ライラ)〉
アルファス教国の第二王女にして、シェーラ・カーンの双子の妹。教主の親衛軍を束ねる将軍でもある。サラディアの精霊魔装〈千億の夜と百億の昼〉は魔導書で、無数の精霊を召喚する。

骸連盟
ヴィヴィアン・メローサ
長い翡翠色の髪が特徴のエルフィム種族の女性。学院都市のレストランでウェイトレスをしているが、その正体は呪装刻印を専門に扱う〈骸連盟〉の商人兼研究員。かつては帝都のアカデミーで教鞭をとっていた呪装刻印研究の第一人者だったが、ランバール戦争後、呪装刻印の研究が禁止されたことでアカデミーを追放され、その後はあらゆる組織を転々としながら研究を続けていた。彼女の台詞から〈教導院〉の研究者だったことがうかがえるが、詳細は不明。また、かつてグレイワースに教えを受けていたことがある模様。エリスの義姉のヴェルサリアに呪装刻印を移植した張本人でもあり、ヴァレンティア聖祭に乗じて学院に侵入しクレアを敵視していた金剛精霊使い、魔鏡精霊使いの上級生にも移植を行っている。チーム・スカーレットと〈静寂の要塞〉チームとの試合をデータ収集のために観戦していたが、グレイワースに学院生に呪装刻印を移植していたことを突き止められ、粛清された。バルサス監獄を脱獄した後、〈煉獄の報復者(リーグ・オブ・インフェルノ)〉の一員に加わり、ヴェルサリアの使用する〈精霊機甲〉の改造とヴェルサリアの治療兼メンテナンスを行っている。そして、17巻では〈赤死の砂漠〉へ向かうカミトたちの為に、〈骸同盟〉とのコネで〈砂航船〉を入手した上で、改装して提供した。

神聖ルギア王国
聖霊騎士団
ルミナリス・セイント・レイシェード
契約精霊:不明
精霊魔装:殲魔の聖剣(ミュルグレス)
神聖ルギア王国の代表チームの〈聖霊騎士団〉第一軍〈鋼の獅子(シュルタール・レーヴェ)〉のリーダーで、〈聖霊騎士団〉全般の騎士団長を務める。〈聖騎士〉の称号を冠する蒼玉の瞳と黄金色の髪が特徴的な少女。3年前の〈精霊剣舞祭〉にも出場しており、当時レン・アッシュベルを名乗っていたカミトが闇属性の魔剣(レスティア)を持っていたため、聖属性の精霊で苦戦させていたが力及ばず敗退している。そのため、今回の大会では雪辱を誓っていた。祖国に忠誠を誓い与えられる命令や使命には疑問を抱かず動いており、カミトからは「エリスと同じ騎士だが、危険な程に迷いのない澄んだ眼をしている」と評されている。

エイラ・シダール
契約精霊:軍団精霊〈シェイドウルフ〉
精霊魔装:不明
〈聖霊騎士団〉の特務兵で、影精霊の眷属である軍団精霊〈シェイドウルフ〉を使役する。〈精霊剣舞祭〉決勝で、一対一でクレアに敗れるものの、封絶結界に捕らえることで足止めに成功する。その際にクレアによって魔石を奪われていたようで、リタイヤしていた。13巻では、アルダと共にレスティアの捕縛任務のためにルミナリスに同行した。

アルダ・リード
契約精霊:不明
精霊魔装:〈破砕の曙光(モーニング・スター)〉
〈聖霊騎士団〉副団長で〈鋼の獅子(シュルタール・レーヴェ)〉に所属しており、ルミナリスの右腕を称する。ルミナリス同様に任務を遂行することに迷いを感じず、〈精霊剣舞祭〉決勝では精霊魔装〈破砕の曙光(モーニング・スター)〉を使用し、戦闘ではカミトではなくフィアナを狙い精霊魔装を物質収斂して肉体にダメージを与えるなどの手を使いカミトを追い詰めるも、〈魔王〉として覚醒しかけたカミトの圧倒的な力の前に戦意を喪失し、魔石を奪われリタイアした。13巻では、エイダと共にレスティアの捕縛任務のためにルミナリスに同行した。

ランサ・カイロッド
契約精霊:不明
精霊魔装:名称不明の弓〈聖霊騎士団〉
〈鋼の獅子(シュルタール・レーヴェ)〉の弓使い。〈精霊剣舞祭〉決勝では狙撃を担当していたが、最終的にオルトリンデの反撃を受けた。その後、スカーレット(オルトリンデ)によって魔石を奪われていたようで、リタイヤしていた(クレアはこのことを〈精霊剣舞祭〉閉幕まで知らなかった)。

〈聖法機関(デ・ゼッサント)〉
ミレニア・サンクトゥス
神聖ルギア王国の枢機卿。外見は12、3歳の可憐な容姿の少女で通常は左目に眼帯をつけているが、左目に〈異界の闇〉を宿しており、眼帯を外すと視界に収めたもの全てを〈異界の闇〉で狂乱させることができる。シェーラ(教主)がクーデターを起こす数か月前に外交特使としてアルファス教国に派遣された。教国内部の魔王教団に接触を図り、魔王教団に自身を通じて神聖ルギア王国より資金提供を受けさせた。〈聖法機関〉のグランドマスターの指示を受けて行動しており、〈精霊剣舞祭〉閉幕後にシェーラ(教主)が起こしたクーデターに協力する。〈聖霊騎士団〉の直属の上官でもある。17巻で〈聖霊騎士団〉を率いてルーリエたちと合流し、運んできた〈火の精霊王〉ヴォルカニクスの現身に〈アルカザルド〉次元結界と〈ピラミッド〉の壁面を溶解させ、ルーリエと共に〈ピラミッド〉へ侵入する。そして、〈天魔の大伽藍〉でルーリエとカミトが対峙した際、白銀の聖光を放つ両刃の剣の精霊魔装に姿を変えてルーリエに助力する。その正体は、聖剣〈テルミヌス・エスト〉の欠片より生み出された〈天使〉と精霊の融合体であり、時空に遍在する四体全てが同一の存在である。一体は〈竜王〉バハムートに滅ぼされ、一体は学院奪還戦で〈力の天使〉を召喚する〈門〉となり、一体は〈元素精霊界〉での最終決戦で〈星の天使〉を召喚する〈門〉となり、最後の一体はルビアの必死の呼びかけで暴走した焔剣〈ラグナレク〉の炎に焼き尽くされた。

ドラクニア竜公国
竜皇騎士団
レオノーラ・ランカスター
契約精霊:魔竜精霊〈ニーズヘッグ〉
精霊魔装:竜殺しの聖剣(ドラゴン・スレイヤー)
〈竜公女〉の異名を取る、軍事大国として名高いドラクニア竜公国代表のエース。サーコートとベレー帽が特徴的でエリスにも負けないスタイルの美少女。魔竜精霊〈ニーズヘッグ〉を使役する凄腕の精霊使いであり、ドラクニアの竜皇騎士団の団長を務めている。海外にまで広がっているカミトの「女性を片っ端から弄んでは捨てる女の敵」という悪名(ほぼ濡れ衣である)を聞きつけ、自分のチームに手は出させまいと、彼の下半身を物理的な意味で狙っている危険な少女。しかし、根はカミトに胸を触られただけで気絶してしまうなど、クレア達以上にウブな性格である。目が悪く、本を読むときにはメガネを掛けており、剣舞を奉納する際は精霊魔術で視力を強化している。また、竜に仕える姫巫女の習慣として、精霊との感応力を高めるために普段から下着を着けてない。また〈竜の血(ドラゴン・ブラッド)〉と呼ばれる特異な能力の持ち主であり、この血が目覚めると瞳が紅く変色し、魔力や身体能力が爆発的に上昇する。また、性格も変貌しカミトに対してハニートラップを仕掛けるなどしていた。しかし、自発的な能力ではなく暴走状態に近い危険な能力であるため、周囲の人間を見境なく薙ぎ倒してしまう危険がある。〈精霊剣舞祭〉の前夜に紅蓮卿に勝負を挑むが、圧倒的な力の前に敗北し、彼女の手で竜の血を暴走させられてしまい、〈精霊剣舞祭〉本戦でカミトと戦うことになる。暴走状態の圧倒的な力でカミトをあと一歩のところまで追いつめるが、エストとの契約を取り戻した彼に敗北する。その後に決勝進出を決めるが、前述のカミトと剣舞を舞った日から彼のことを考えるたびに感情の乱れを感じており、その正体を確かめるためにデートに誘う。カミトと過ごす内に彼に対する胸の高鳴りを自覚し、「互いに最高の剣舞を舞おう」と約束した。竜国に亡命してきたカミトたちの案内役として現れて、カミトたちが竜王に謁見した後にカミトを竜都〈グラン・ドラクニア〉の案内に誘った。そして、竜都の案内の終盤で最高級の〈竜籠(ゴンドラ)〉をレンタルし、その中でカミトを押し倒して子種を貰おうとするなど、自身のカミトへの感情が恋愛感情であることに気付かない鈍感さを見せた。最終決戦後、アレイシア精霊学院へ帰還したカミトたちの祝宴に参加。ドラクニアとアレイシア精霊学院の交流活動の為にアレイシア精霊学院に滞在し、剣舞の指導教官をしながらグレイワースの二番目の弟子となって〈絶剣技〉を教わっている。

レグリス・ローア
契約精霊:暴竜精霊〈タイラント・レックス〉
精霊魔装:不明
竜皇騎士団の少女。〈精霊剣舞祭〉決勝でカミトと戦うが、〈魔王〉の半覚醒状態のカミトに暴竜精霊を一撃で倒されてしまい戦意喪失。その後、〈聖霊騎士団〉のアルダと共に魔石を奪われてリタイアした。ユーリと同様にカミトを噂どおりの人物と思っているため、「レオノーラ様を誑かした男」と敵視している。

ロッソベル公国
破烈の師団
ミラ・バセット
契約精霊:騎士精霊〈聖王の師団(クルセイダーズ)〉(6巻終盤まで)
神聖ルギア王国内の急進派が独立した新興国であるロッソベル公国代表〈破烈の師団〉の師団長で、ウェーブのかかったダークブラウンの髪に紺碧の右眼と琥珀色の左眼のオッドアイを持つ無表情な美少女で、今大会最年少の13歳。左眼が生まれつき強力な精霊が封じ込められている〈封魔眼〉で、幼い頃にその力を恐れた両親にロッソベル公国の騎士団に売られた過去を持つ。騎士団では封魔眼に宿っている戦術級の軍用精霊〈聖王の師団(クルセイダーズ)〉を制御するために、怒り、悲しみ、喜びといった感情を奪われ[注 57]、〈精霊剣舞祭〉で優勝するための「道具」として扱われていた。契約精霊が特殊なタイプのためカミト達のように頻繁には出せないが、レスティアとの戦闘時は結界を切り裂いて脱出したり、カミトと共に聖霊騎士団に襲撃された時は精霊魔術で作った剣で応戦するなど、個人の戦闘力は相応に高い。〈精霊剣舞祭〉本戦では、同盟を結んだカミトを含むチーム・スカーレットの面々と過ごす内に失ったと思っていた暖かい感情を感じ、襲来してきたレスティア、ネペンテス・ロアと戦うカミト達を助けるために〈封魔眼〉が二度と使い物にならなくなるのも覚悟の上で〈聖王の師団〉を解放し、〈封魔眼〉に宿っていた〈聖王の師団〉を失ったため、カミト達に〈精霊剣舞祭〉で勝ち残ってほしいとの願いを託し、リタイアした。〈チーム・スカーレット〉が決勝進出を決めた日に、カミト達の前に再び現れた。祖国に対する裏切りに等しい行為を行ったミラの身柄を狙うであろうロッソベル公国の手からミラを守るためにリンスレットの推薦で、リンスレットの妹のミレーユ・ローレンフロスト付きのローレンフロスト家のメイドとなったことが明かされた。その後はメイド長のナタリアのような立派なメイドになることとミレーユを立派な貴族にすることを目標としている[注 58]。カミトに対して恋のような感情を抱き始めている[注 59]。〈元素精霊界〉での最終決戦では、ウィンターガルフ城でミレーユやユーディアと共にレイハからの呼びかけを聞き、ミレーユたちと〈精霊王〉を鎮める祈祷を行った。最終決戦後、来年にはミレーユ付きのメイドとしてエルオール初等学院に入学する模様。

クイナ帝国
四神(スーシン)
リンファ・シン・クイナ
契約精霊:神獣精霊〈麒麟〉
精霊魔装:神仙羽衣(セラフィム・フェザー)
東方の大国のクイナ帝国の第三皇女で、神獣精霊〈麒麟〉を使役して〈四神〉のリーダーを務める少女。また、かつては〈神儀院〉で修行しており、後の〈火の精霊姫〉となったレイハとは友人であり、〈水の精霊姫〉の候補にもなったが、第一皇女にその座を譲っている。王族らしい尊大な態度の持ち主だが、〈四神〉の他のメンバーに相談もなくチーム・スカーレットに決闘状を出したり、シェーラ・カーンによって〈四神〉が壊滅状態にされた中で勝算もなく〈煉獄の使徒〉に戦いを挑もうと考えていたりするなど、やや間抜けでワンマンな性格。 クイナ帝国内にまで流れているカミトの「悪名(殆どがデマだが一部は事実もある)」を信じきっており、カミトを「淫獣王」などと呼んで嫌い、更に初対面の際に年齢よりも幼い外見のせいで子供扱いされたことで怒り、以来カミトに対して会うたびに突っかかる態度を取っている。フィアナと同じく儀式演舞を得意とするサポートタイプで、戦闘時には麒麟の精霊魔装〈神仙羽衣(セラフィム・フェザー)〉を使いメンバーの強化や相手の儀式神楽の上書きなどを行っている。また、儀式魔術としては最高位の念視を習得しており、シェーラ・カーンの居場所を特定するのに一役買っている。

シャオ・フー
契約精霊:神獣精霊〈白虎〉
精霊魔装:神虎牙(シン・フーガ)
〈四神〉の一人で神獣精霊〈白虎〉を使役し〈白虎のシャオ〉の二つ名を持つ四神のエースと目される少女。カミトのことはリンファ同様に世間に伝わる噂と同様の男と思っていたが、上述の戦闘の中でカミトが世間の噂に伝わるような悪逆な人物でないことを直感で感じ取っており、シェーラ・カーンによって〈四神〉が壊滅状態にされた中でカミトから提案された、チーム・スカーレットとの同盟にも心良く賛同し、それに対し渋るリンファの説得も行なった。〈チーム・スカーレット〉が〈精霊剣舞祭〉に優勝した後の優勝祝賀会で、淑女らしからぬ態度をしたことをカミトに窘められた時には顔を赤らめていた。〈元素精霊界〉での最終決戦では、レイハからの呼びかけを聞いてリンファたちと共に〈精霊王〉を鎮める祈祷を行ったが、その前に〈精霊王〉と喧嘩してみたいと発言して、ラオたちに呆れられていた。

ラオ・リン
契約精霊:神獣精霊〈青竜〉
精霊魔装:青竜刀
〈四神〉の一人で神獣精霊〈青龍〉を使役し、〈青竜のラオ〉の二つ名を持つ少女。皇女であるリンファには忠誠を誓っているが、事前の連絡も無しに〈チーム・スカーレット〉に決闘状を出したことを知ったときには思わず噛み付いてしまうなど、彼女の行き当たりばったりかつ考え無しの行動には苦労させられている。〈精霊剣舞祭〉本戦では他のメンバーと共にチーム・スカーレットを追い詰めていくが、覚醒したカミトの絶剣技・三ノ型〈影月円舞〉でリオンと共に精霊魔装を砕かれ敗走。その後、リオンに変身していたシェーラ・カーンの召喚した魔精霊の大群からリンファとシャオを逃がすために自ら捨石となって、魔石を奪われリタイアした。

ハクア
契約精霊:神獣精霊〈玄武〉
精霊魔装:名称不明の盾
〈四神〉の一人で神獣精霊〈玄武〉を使役し、〈玄武のハクア〉の二つ名を持つ少女。あまり物事を深く考えない性格か、チーム・スカーレットとの戦闘に対しては「ラオがそう言うならいい」と答えていた。〈精霊剣舞祭〉本戦では、シャオと同じく暗殺拳と玄武の精霊魔装を使いチーム・スカーレットを追い詰めていくが、覚醒したカミトの絶剣技・六ノ型〈砕破の牙〉で精霊魔装を砕かれて気絶。その後はシェーラ・カーンの召喚した魔精霊の大群にラオと共に呑み込まれ、魔石を奪われリタイアした。

リオン・シャルマ
契約精霊:神獣精霊〈朱雀〉
精霊魔装:名称不明の棍
〈四神〉の一人で神獣精霊〈朱雀〉を使役し、〈朱雀のリオン〉の二つ名を持つ少女。〈精霊剣舞祭〉本戦では煉獄の使徒の偵察を行っていたが、シェーラ・カーンの構築した結界に引っかかってしまい、魔石を奪われリタイアした。更に自身の影をシェーラに奪われ変身されてしまい、〈四神〉壊滅の一因を作ってしまった。

煉獄の使徒
紅蓮卿(カーディナル)
契約精霊:レーヴァティン(11巻冒頭まで)
精霊魔:装神殺しの焔(レーヴァティン)(11巻冒頭まで)
アルファス教国代表〈煉獄の使徒(チーム・インフェルノ)〉の総帥で、素顔を仮面で隠し闇色の髪[注 60]と紅の瞳を持ちレン・アッシュベルを自称していた人物。その正体は、オルデシア帝国の名門貴族エルステイン公爵家の長女でクレアの実姉であるルビア・エルステイン。〈火の精霊王〉に仕える〈火の精霊姫〉を代々輩出してきたエルステイン家の例に漏れず優秀な姫巫女であり、9歳で大掛かりな土地の儀式を一人で任せられており、周囲からは「数百年に一度の逸材」と呼ばれていた。その反面体は弱く、大掛かりな儀式を行なってから三日間は寝込むことも度々あり、クレアによく看病されていた。15歳で〈火の精霊姫〉を勤め上げ、妹のクレアや後輩のフィアナを初めとする精霊使いの少女達の憧れであったが、4年前のある日に〈火の精霊王〉から「エルスティンの真なる焔」すなわち、妹のクレアの命を要求されたことで密かに抱いていた精霊王に対する不信感を爆発させ、精霊王が存在する〈真祭殿〉の玉座の間に忍び込み、そこで精霊王の禁断の秘密を見たことで精霊王への叛逆を決意し、最強の炎精霊〈神殺しの焔(レーヴァティン)〉を強奪し、阻止しようとしたフィアナに後に彼女が〈喪失の精霊姫〉と呼ばれる切っ掛けを与え、生家のエルスティン領を含むオルデシア帝国全土が怒り狂った〈火の精霊王〉によって焼き尽くされた後に、姿を消していた。なお、ルビアの右手にはいまだに〈火の精霊王〉の精霊刻印が刻まれており、何度焼いても復元すると14巻でカミトたちに語っており、レイハに〈火の精霊王〉の精霊刻印が受け継がれた後も自身に刻まれているのは、〈異界の闇〉が〈五大精霊王〉に蝕まれていることによるイレギュラーだと思われる。
ルビアの裏切りに激怒した〈火の精霊王〉によって帝国全土で炎の精霊以外では1年もの間火が熾せなくなったことで、人々からは恐怖と憎悪の念を込められ〈災禍の精霊姫(カラミティ・クィーン)〉と呼ばれるようになった。叛逆事件後、ドラクニアの〈竜の峰〉のヴリトラが封印された〈祭殿〉で数カ月間修行した後に、アルフォス教国に流れ着き 「魔王(カミト)の力で〈五大精霊王〉を抹殺し、精霊の存在しない世界を再構築する」という目的のためにカミトを〈魔王の後継者〉と呼び、その覚醒のために呪装刻印を植えつけたり、覚醒した〈魔王〉の制御を司る〈闇の精霊姫〉として自身以上の才覚を秘めている妹のクレアを狙っていた。その後の混乱を圧倒的な軍事力で収めるためにミュアやリリィなどの〈教導院〉の遺児を集め、レスティアに命じ軍用精霊を集めさせていたが、支援者であり敵対者でもある教国の魔王教団の指導者である教主からは「何も知らない哀れなお姫様」と嘲笑われており、かき集めた戦力も魔王教団に奪われた。白兵戦においてはフィアナ同様に素人であったにも関わらず剣技でもカミトと互角以上に張り合えていたのは、彼女が〈五大精霊王〉が〈闇の精霊王〉の覚醒と復活を阻止するための対抗存在(アンチ・ユニット)として生み出された〈聖女〉であり、また、規格外の精霊である〈レーヴァティン〉との契約を維持するために全身には無数の呪装刻印を施していた。14巻では、チーム名を〈煉獄の報復者(リーグ・オブ・インフェルノ)〉へと改名している。最終決戦後は、〈教導院〉の遺児たちを故郷に戻した後、〈精霊剣舞祭〉時と同じ仮面を付け〈レン・アッシュベル〉を名乗ってアレイシア精霊学院の教師になった。また、カミトがチーム・スカーレットの中の誰を選ぶのかを気にしており、特に妹を応援するかのように振舞いながらルビア本人もカミトに好意を持っているような素振りを見せている。

ミュア・アレンスタール
契約精霊:無し
カミトを「兄様」と呼び慕っている少女。年頃はミレーユと同じ位である。〈教導院〉第二位の軍用精霊使いで、〈怪物(モンストル)〉と呼ばれていた。帝国辺境の寒村の出身で、精霊使いの才能があったため4歳の時に村の守護精霊と契約を結ぶことになったが、精霊の力を限界まで絞り尽くし狂わせる〈愚者の万力(ジェスターズ・バイス)〉の力を持っていたために精霊が暴走、村を壊滅状態にしてしまう。その後は村を追われ放浪していたところを〈教導院〉に攫われ、暗殺者として育て上げられた。〈教導院〉では、カミトやリリィとチームを組み、大量破壊工作を得意としていた。また、カミトとは相性が悪く、〈教導院〉にいた頃は一度も勝てなかった模様。4年前に〈教導院〉を襲撃した〈神殺しの焔〉と戦い敗北。その後、〈教導院〉から逃げ出し、流れ着いた街で〈骸連盟(マーダーズ)〉と接触し職業暗殺者となる。その2年後に〈骸連盟〉のネットワークを使い接触してきたリリィ・フレイムによって紅蓮卿(ルビア)に引き合わされ、〈煉獄の使徒〉の一員として〈精霊剣舞祭〉に出場する。最終決戦後、アレイシア精霊学院に生徒として編入する。〈精霊剣舞祭〉決勝戦前に「三匹の猫剣士」を見に行くなど、子供らしい一面もある。

リリィ・フレイム
契約精霊:魔樹精霊〈ティターニア〉
精霊魔装:不明
〈教導院〉の第七位で「蠱毒」のリリィと呼ばれるエルフィム種族の少女。諜報専門の精霊使いで、数百種類の毒を精製できる魔樹精霊〈ティターニア〉と契約している。〈教導院〉では、カミト、ミュアとチームを組んでいてその時は口数が少なかったらしい。〈教導院〉崩壊後は、紅蓮卿の命令で、〈骸連盟〉のネットワークを使いミュアなどの〈教導院〉の遺児を集めている。レスティアやミュアが勝手に動いているのを歯痒く思っているが、彼女達との実力差は冷静に理解しているため何もできない。カミトに対しても、その実力差は満身創痍でも勝てないと理解している。紅蓮卿の目的や仮面の下にある素顔は全く知らないが〈教導院〉崩壊の際に手を差し伸べられ、命を助けられたことで彼女に心酔している。最終決戦後、〈教導院〉の遺児たちを故郷に返すルビアの手助けを行い、身元が分からずに帝都オストダキアの施設に預けられている遺児たちの故郷を全力で調べている模様。

神儀院
レイハ・アルミナス
ルビア・エルステインの叛逆事件の後に、〈火の精霊姫〉に選出された姫巫女。フィアナには〈神儀院〉の姫巫女時代の後輩として可愛がられたようで、フィアナをとても慕っている。最終決戦ではカミトたちが〈精霊王〉に苦戦しているのを感知して、ニアたち三人の〈精霊姫〉に力を合わせて大陸中の姫巫女たちに声を届けて、〈精霊王〉を鎮める祈祷を行うように語り掛けた。

その他の人物
アレイシア・イドリース
本編の千年前に〈魔王〉スライマンを打ち倒した〈救世の聖女(セイクリッド・クイーン)〉と呼ばれる精霊使いで、エストの前の契約者。実はアレイシアが〈五大精霊王〉に絶大な力を分け与えられた際に、〈聖女〉の器が壊れない為に〈聖王〉アレクサンドロスが存在の一部である魂をアレイシアの中に埋め込んでいた。魔王スライマンを倒したすぐ後に、〈テルミヌス・エスト〉の呪いにより全身が精霊鉱石と化して死亡したと思われていた。しかし、一度は砕け散ったアレイシアの肉体は、この世で最も純度の高い〈精霊鉱石〉となって再び集まって、〈聖女〉の魂を閉じ込めたまま巨大な〈精霊鉱石〉のクリスタルとなったことで、アレイシアは巨大な〈精霊鉱石〉のクリスタルに封印されたまま眠っているにすぎない状態となり、生存していることが判明する。本来ならばアレイシアの肉体に埋め込まれた〈聖王〉の魂は、役目を終えると〈聖王〉の本体の下へ帰るはずだったが、〈聖女〉アレイシアの肉体が巨大な〈精霊鉱石〉のクリスタルに封じられたことで〈聖王〉の魂も封じられたままになり、そのことを知った精霊イリスとサフィアーンによって千年間〈魔王の墳墓〉に封印されていた。しかし、〈魔王の墳墓〉に侵入したルーリエが〈霊爆〉を決行したことで〈魔王の墳墓〉は崩壊し巨大な〈精霊鉱石〉のクリスタルも砕け散ったことで、〈聖女〉アレイシア・イドリースは千年ぶりに復活した。以降の詳細はアレクサンドロスを参照。その後、〈元素精霊界〉での最終決戦でカミトの〈烈華螺旋剣舞・無限解放〉によって〈聖王〉アレクサンドロスごと肉体が粉々に砕け散って、肉体に閉じ込められていたアレイシアの意識の欠片がカミトに世界を救ってくれたことに感謝し、聖剣〈テルミヌス・エスト〉の本体と共に消滅した。

ラナ
オルデシア帝国ローレンフロスト領の森である〈氷華の森〉に住む、〈森の民〉と呼ばれるエルフィム種族の姫巫女。数十年前に人間たちの始めた戦争にエルフィム種族の大人たちを駆り出されたことで、集落のリーダー的役割を担当している。前述の件で、人間に対して憎しみを持っている。13巻で、〈氷華の女王〉と呼ぶユーディアの命令で人間の村にいたレスティアを保護し、守護精霊であるジルニトラの復活を切望していた。しかし実際は、ユーディアを操る〈異界の闇〉によってラナを含む〈森の民〉が精神支配を受けており、復活したジルニトラが暴走したことで集落が壊滅し、倒れてたところにカミトが現れて、意識が朦朧としながらもレスティアが森に逃げ込んだらしいことを伝えた。なお、ジルニトラが倒された後、集落を失ったエルフィム種族たちはウィンターガルフ城に収容された。その後、〈氷華の森〉がジルニトラに破壊され集落を失ったことに絶望するが、ミレーユが〈氷華の森〉の復興を約束すると、仲間たちの同意を得てローレンフロスト家と和解した。

精霊王
イセリア・シーウォード
〈精霊剣舞祭〉決勝の舞台である廃都〈メギドア〉の地下通路でリンスレットが出会った、レスティアやエストと同じ高位精霊の少女。正体は〈水の精霊王〉イセリア・シーウォード本来の人格を持つ写し身で、本来の力はほとんど持っていないが、11巻で〈封破の儀〉によって解放され記憶を取り戻した時点でも、一瞬でクレアとエリスの神威を回復させるほどの力がある。3年前にカミトによって〈この世ならざるもの〉から解放された後から、対象を限定して封印する固有結界によって廃都〈メドギア〉の地下通路に閉じ込められており、記憶を失った状態で過ごしていた。ただし、地下通路の壁に刻まれている歴史を暇つぶしに読んでいたため、知識は豊富。記憶と本来の力を失ってはいたが、自身の名である〈水の精霊王〉の真名〈イセリア・シーウォード〉の名前を覚えていたため、自分の宝物として大事にしている。カミトのことを〈魔王の後継者〉と呼んでいる。

レン・アッシュドール
歴史から存在を抹消された〈闇の精霊王〉。外見は、玻璃細工のように華奢な手足に童女のように小柄な体格をした、レスティアと同じく美しい夜色の髪に金色の瞳に漆黒の翼の生えた少女。かつて他の五柱の〈精霊王〉と共に〈根源〉への〈門〉を開き、真なる〈闇〉の元素(後に〈異界の闇〉と呼ばれることになる)を盗み出して自身の力としたが、それ故に最初に狂乱し始めた。それが原因で勃発した数千年前の〈精霊戦争〉で、〈五大精霊王〉に戦いを挑むが敗れ、死の間際に最後の理性で狂乱した自身を解放させる為に、自身の力を人間の男性に転生させる魔術を使用した。転生体のことを〈魔王〉と呼び、カミトが該当する。〈元素精霊界〉での最終決戦で、カミトが〈星の天使〉によって具現化された〈魔王〉スライマンに重傷を負わされると、遂にカミトの魂を支配し、精神世界でカミトと対面する。しかし、実はカミトと対面したのはレン・アッシュドールの化身である最後の意志の残滓であり、〈異界の闇〉に関する一連の過去の真実を伝えた後、〈異界の闇〉に侵蝕され狂乱した〈闇の精霊王〉の本体を解放して〈闇の精霊王〉の力と意志を継承してほしいとカミトとレスティアに頼み込む。そして、クレアの助けで狂乱した〈闇の精霊王〉を滅ぼしたカミトに〈闇の精霊王〉の力と意志を、レスティアに〈闇の精霊王〉の知識を受け継がせることに成功し、カミトの〈神威〉の一部となった。そして、宿敵アレクサンドロスが滅びるのを見届ける為に最後の力でカミトの〈神威〉に縋り付いていたが、カミトが〈聖王〉アレクサンドロスに追い詰められたことで、エストとレスティアの魔装融合をカミトたちに提案し、〈精霊王〉の秘奥である魔装融合の業をカミトとレスティアとエストに伝授すると、力を使い果たして消滅した。

国・土地

オルデシア帝国
クレア、リンスレット達の故郷で、〈学院編〉のメインの舞台となるアレイシア精霊学院がある国。大国であり、雪国であるローレンフロスト領、グレイワースの邸宅等があり、カミトが身を置いていた〈教導院〉やクレアの故郷のエルステイン領も存在していた。〈精霊剣舞祭〉の常連国で、今大会でも3枠を得ている。

アレイシア精霊学院
帝国各地から集めた姫巫女達を一人前の精霊使いに訓練する養成校。現在はグレイワースが学院長を務めている。〈精霊の森〉に囲まれており、いたるところに姫巫女のための禊の場があり、エストが封印されていた祠もある。全寮制で、学生レストラン(スープ一杯で庶民の賃金一日分になるため、カミトやクレアは利用していない)やパンが食べ放題のカフェテリアもあり、外には学院都市もある。単位制であり、必要取得条件を満たしていれば、好きな講義を選択できる。入学してすぐにローレンフロストの雪山合宿があるらしい(エリス曰く、「あれは地獄だった」)。〈精霊剣舞祭〉終了後、エストが封印されていた祠の地下に「玄室」が顕現した。

〈教導院〉
カミト、ミュア、リリィ、ジオが幼少時に身を置いていた暗殺者養成機関。元々はオルデシア帝国の一部の貴族達が敵対者への暗殺者を育て上げるために設立したが、次第に組織の背後にいたアルファス教国の〈魔王教団派〉に実権が移り、「魔王信仰」の場になった。グレイワースはカミトを〈教導院〉に連れ去ったのは〈魔王教団派〉ではないかと推測している。過酷な訓練や呪装刻印などの人体実験をしており、カミトやリリィからは本当の地獄と言われている(戦闘技能訓練や絶食の訓練などが行われており、任務では数日間睡眠をとらない時もあり、食事の時でも毒を警戒するのが当然だった模様)・(〈教導院〉で亡くなった子供は資格なき者と呼ばれ、壊れた道具のように無残にうち棄てられていた)。4年前、それらの悪事が露見した直後にルビア・エルステインと〈神殺しの焔〉によって滅ぼされた。その後、帝国騎士団により14人の遺児が保護され、そのうち5人が騎士団の特殊部隊に編入され、残りの9人は呪装刻印の影響で亡くなったらしいが、ミュアやリリィなどの〈数字持ち〉などの行方不明の遺児もいる。遺児のうち何人かがルビアの配下となっていたが 〈精霊剣舞祭〉と前後してミュアやリリィ以外の遺児が教主の配下となってしまった。

鉱山都市〈ガド〉
かつては大量の精霊鉱石を産出した〈ガド鉱山〉を保有する都市であったが、第二次ランバール戦争の際に精霊鉱石を掘り尽くし、鉱山が廃鉱になりゴーストタウンとなっている。人は住んでいないが、たちの悪い低位精霊がおり、地下には旧オルデシア騎士団が封印した戦略級軍用精霊〈ヨルムンガント〉が眠っている。

オストダギア
オルデシア帝国の首都で通称〈帝都〉と呼ばれている。千年前の魔王戦争の際、聖女アレイシア率いる軍が拠点としていた街で、魔王戦争終結後、オルデシア帝国の軍事的中心地として栄え、次第に政治の中枢を担い始めるようになった。北側にはバルサス監獄が建っている。

バルサス監獄
帝都の北側にある要塞監獄。敷地の中には精霊魔術を封じる結界が幾重にも張られており、檻にも精霊魔術による強化を施してある。この監獄に収容される囚人は、国内の身分の高い貴族、そして帝国法を犯した精霊使いである。

ドラクニア竜公国
レオノーラの故郷で、オルデシア帝国の西側に位置する軍事国家。魔獣の最高位である竜族を崇拝している。レオノーラ曰く、諜報能力は大陸随一らしい。クイナ帝国シャオたちの故郷で、大陸の東方に位置する大国。オルデシア帝国とは言語や文化、精霊の関わり方も大きく異なるといわれている。歴史は、オルデシア帝国よりも古く、〈精霊剣舞祭〉の優勝実績も多い。神聖ルギア王国ルミナリスの故郷である大国。〈精霊剣舞祭〉でもオルデシア帝国と同じ3枠を保有している。中枢には政治組織〈聖法機関(デ・ゼッサント)〉が存在し、女王の背後で王国の政治を司っている模様。〈精霊剣舞祭〉終了後もレスティアを捜索したり、〈魔王殺しの聖剣〉を奪取しようとする等、不審な行動がみられる。ロッソベル公国とは犬猿の仲。

ロッソベル公国
神聖ルギア王国内の急進派が独立して起こした新興の小国。そのため、国家としての歴史は浅い。ルギア王国とは犬猿の仲。

アルファス教国
東西をオルデシア帝国とドラクニア竜公国に挟まれた小国。主な産出資源は、鉱山で発掘される精霊鉱石だが、古代遺跡に残る魔装具(アーティファクト)の発掘と売買で莫大な富を得ている。過去のランバール戦争では一国だけ中立を保ち、各国の軍用精霊の供給で莫大な利益を上げたといわれている。また、闇の商人の組織〈骸連盟(マーダーズ)〉の本拠地があるとも言われており、さらに魔王信仰の発祥地(教国の首都は魔王スライマンの生誕の地)であり各国から非難の目で見られている。

バルスタン王国
大陸有数の大国の一つで、最新鋭の飛行艇であるベルファール級飛行艇の〈精霊機関〉や拳銃を製造していることから、精霊工学に優れた国だと思われる。13巻では、オルデシア帝国帝都〈オストダキア〉で開催される〈諸国会議〉に外交団を派遣している。

カミトの故郷
東方圏のクイナよりも東にある名もない島国で、カミト曰く、「生まれたのはさらに辺境の島に住む少数民族の村」(カミトはそう聞いているらしいが正確なことは不明)。カミトはそこで過ごした記憶が一切なく、12巻現在でもわかっていない。しかし、カミトが3年前に着た衣装が、カミトの故郷の衣装に似ているらしい。特産品は豆腐や醤油(ソイ)がある。

技・精霊魔術

精霊魔術
火属性灼熱の劫火球(ファイアーボール)クレアの得意とする火属性の中級精霊魔術。火属性の攻撃魔術としては最も基本的でそのため、使い手の力量によって威力が分かれる(クレアが6歳の時に初めて使用した際はアイスサラマンダーを貪り食うような魔術となっており、当時から身に秘めた才能を現していた)。

炎王の息吹(ヘルブレイズ)
クレアが使える最強の攻撃魔術。紅蓮の炎を相手にぶつけ、相手に大ダメージを与える。

血の恋歌(ブラッティ・ロスト)
手のひらに触れた物質を振動させ、超高熱状態にする。技の特性上、対象に直接触れなくてはならないため実戦では扱い辛い技。断罪の浄火〈火の精霊王〉と契約しているレイハが使える精霊魔術。あらゆる呪いを灰にすることができる。

焔獄の縛鎖(フレイム・チェイン)
クレアが炎の鞭(フレイムタン)で放つ技。炎の鞭で相手を拘束する。

焔獄の猟犬(ヘルハウンド)
魔術の焔で作り出した猟犬の姿をした疑似生命体を召喚する魔術。

魔炎障壁(フレイム・ウォール)
炎の壁で身を守る防御魔術。

爆閃雷(フレア・バースト)
無数の熱光球を生み出す魔術。威力はほとんど無いものの、激しい光や音で相手をひるませることができる。

火竜の咆哮(フレイムハウル)
巨大な竜の姿を模した炎をぶつける魔術。自動追尾型の魔術で、対象をどこまででも追いかける。

鳳凰の血(エターナル・ブラッド)
火属性に唯一存在する治癒魔術。最高位の姫巫女のみに唱えることを許されている。聖属性とは異なり、疑似的な治癒魔法である。

氷属性魔氷の矢弾(フリージング・アロー)
リンスレットの得意技。〈魔氷の弓〉から無数の氷の矢弾を放つ技。リンスレットはこの技をよく使用している。魔術特性の<絶対零度(アイス・ナイン)>により、凍らせることができる。

砕氷の華(アイス・ブレイク)
魔氷の矢弾から派生する技で、砕け散った氷塊で相手を串刺しにする。

絶対氷壁(アイスウォール)
氷の壁を作り、身を守る防御魔術だが、カミトの逃げ道を塞ぐためにも使用されたことがある。

絶氷牢獄(フロスト・プリズン)
〈魔氷の弓〉から巨大な七色に光る氷の矢弾を放ち、広範囲を凍らせる技。

憤怒の氷槌(アイシクル・ハンマー)
〈魔氷の弓〉から巨大な螺旋状の氷柱を放ち攻撃する。

氷牙の息吹(ブレス・オブ・アイス)
魔氷の矢弾の広範囲バージョン。広範囲の相手を氷漬けにする。

氷結の閃光(レイ・オブ・フロスト)
氷属性の基本的な魔術。対象となった物質を凍らせる。

魔氷の樹海(アイス・フォレスト)
地面から樹氷の蔦を伸ばして氷漬けにし、相手をまとめて無力化させる高位の精霊魔術。

魔氷の雷雨(フリージング・レイン)
〈魔氷の弓〉から5本の矢を同時にを放ち空中分解させ、無数の刃にし、相手にダメージを与える技。

氷破の槌(フロスト・フォール)
魔氷の矢弾から派生する技。氷の矢弾を軸に大気中の冷気を凝固させ、巨大な氷塊を作り、相手に落とす技。

氷華乱舞(ダイヤモンドダスト)
強烈な吹雪を生み出し、相手を氷漬けにする技。風属性凶ツ風無数の風の刃を生み出す、エリスがよく使用する技。

風絶障壁(ウィンドウォール)
風の障壁で身を守る防御系の魔術。

風王爆閃陣(ウィンド・ボムス)
爆風で相手を吹き飛ばす技。地面に打ち込むことで目晦ましにも使える。

飛翔(フライ)
対象に風の加護を与え、加速などを可能にする支援型の精霊魔術。自身にも有効。

天翔る翼(シルフィード・フェザー)
対象を風で押し上げ、高い跳躍を可能にする支援型の精霊魔術。王牙咆哮シャオの精霊魔装〈神虎牙〉で放たれる技。風の衝撃波で相手を攻撃するほか、地面に打つことで目晦ましにも使える。

風神の靴(エア・ウィング)
風を纏い、高速飛翔を可能にする魔術。

地属性試練の剣山(ジャッジメント・ソード)
地面から無数の石柱を生み出して攻撃する。

地衝雷(アース・ブラスト)
地面から大量の土砂や石の弾丸を放つ。攻撃力はあまり無く、目晦ましに用いられる。

聖属性聖楯(シールド)
光の盾で相手の攻撃を防ぐ防御魔術。治癒対象の傷などを癒す回復魔術。カミトには効き辛く、手をかざすだけの魔術では弾かれてしまう。

裁きの閃光(ホーリー・レイ)
純白の閃光で攻撃する技。

妖精光(フェアリー・フレア)
無数の光球を打ち出す技。

闇属性死を呼ぶ雷閃(ヴォーパル・ブラスト)
カミトがレン・アッシュベル時代に使用した技。〈真実を貫く剣(ヴォーパル・ソード)〉で放たれる魔剣技で、無数の黒い雷撃で攻撃する。純粋な剣技ではなく、魔剣を媒介した精霊魔術の一種。無詠唱だが発動にわずかなタイムラグがある。3年前の〈精霊剣舞祭〉にて数多の精霊使いに恐れられた技であり、レン・アッシュベルの代名詞となっている。12巻で〈テルミヌス・エスト〉でも使用できるようになった。

闇魔閃雷(ヘルブラスト)
闇属性最強クラスの精霊魔術。漆黒の雷球を打ち出す。その威力は、生身の人間はおろか、中級クラスの精霊ですら触れただけで一瞬で消滅してしまうほどである。

魔雷の剣嵐(アーク・ブラスト)
天から降り注ぐ、無数の稲妻で攻撃する。広範囲に有効。

闇魔千刃(ブレイド・ストーム)
レスティアの技で、翼を無数の刃に変えて相手を切りつける技。竜属性抗魔の竜鱗この魔術の発動中は、五大属性の精霊魔術の抵抗力が増す。防護不可視の障壁を張り、防御する魔術。一点に絞り込むことで、強度を極限まで上げることができる。

その他属性の精霊魔術
清浄なる水よ(クリエイト・ウォーター)水属性。
手をかざし、清らかな水を生み出す魔術。

武器複製(ウェポン・ワークス)
鋼属性。カミトが使用できる数少ない精霊魔術の一つ。自身の神威を練って鋼の短剣を作る。ただし、カミトが精霊魔術全般を苦手としているためか剣の耐久力はかなり低い。

瞬影(シェイド・リープ)
影属性。最近距離の影から影への転移する魔術。クレア曰く、かなり癖のある扱いづらい魔術。束縛属性不明。対象の動きを封じる魔術。

消滅
属性不明。黒い球体を生み出し、触れたものを消し去る魔術。刃の形にすることもできる。

眠りの雲(スリーピング・クラウド)
属性不明。紫色の靄を生み出し、対象を眠らせる魔術。

絶剣技
カミト、グレイワースが使用する剣技。いくつかの型があり、現在ではレン・アッシュベル(カミト)の剣技として知られているが、元々はグレイワースの剣技である。強力だが肉体にかかる負担も大きく、現在のカミトも満足に使いこなせていない。カミトはグレイワースから伝授されたが、その修行内容はかなり理不尽だったらしく、その時のことはあまり思い出したくない模様。8巻終盤で精霊使いの力を失ったグレイワースは使用できなくなった。
初(はつ)ノ型
部位破壊剣技。実際はただの突き技だが、極めれば別次元の技になる。カミトが初めて受けた絶剣技であり、3年前の〈精霊剣舞祭〉でヴェルサリア・イーヴァを倒した技でもある。

三ノ型〈影月円舞〉
片足を軸にして旋風のような回転切りを放つ対集団戦用の広域殲滅剣技。〈嵐の如き乱舞(テンペスト)〉では〈四神(スーシン)〉のラオとリオンの精霊魔装を破壊し、シェーラ・カーンが召喚した大量の魔精霊相手に使用された。

四ノ型〈焔切り〉
斬撃の旋風に炎を巻き込み吸収し、精霊魔装に炎属性を付与する対炎属性の特殊剣技。クレアやルビアの使用する「エルステインの焔」には通用しなかった。

六ノ型
〈砕破の牙〉刃を通じて衝撃を貫通させる邪剣に属する武器破壊剣技。〈嵐の如き乱舞(テンペスト)〉では、〈四神〉のハクアの精霊魔装を破壊した。

破ノ型
〈烈華螺旋剣舞〉対精霊用の破壊剣技。○○連と連撃で繰り出されている。現在の最高は36連(二刀の場合。一刀の時は21連)。本来は二刀流の技だが、カミトは一刀で使用する。グレイワースに「森にキノコ狩りに行く」とだまされて連れて行かれ、魔神級精霊と戦った時に会得したらしい(カミト曰く「会得していなければ死んでいた」とのこと)。絶剣技の中でも肉体にかかる負担が多大で、カミトも連続で出すのは2回ぐらいが限度である。この剣技でネペンテス・ロア、シェーラ・カーン、ヴァララカール、レーヴァティンを倒した。12巻では、闇属性の雷撃とともに放つ〈烈華螺旋剣舞・十八連・雷火〉を使用した。

終(つい)ノ型
〈天絶閃衝(ラスト・ストライク)〉絶剣技の最後の奥義で対精霊使い用の剣技。相手の攻撃を防御しつつ儀式神楽によって神威に干渉、吸収しカウンターとして相手に叩き込む技。未熟なものが使えば使い手の肉体を破壊してしまうらしい。精霊剣舞祭決勝戦前にグレイワースからカミトに伝授された。10巻で、カミトはレオノーラとの戦いで始めて使用し、ルビアとの戦いでは〈魔王殺しの聖剣(デモン・スレイヤー)〉と〈真実を貫く剣(ヴォーパル・ソード)〉を使用した〈天双絶閃衝(ラスト・ストライク・デュアル)〉を使用し、ルビアの〈神殺しの焔〉を粉砕した。

〈教導院〉の暗殺技
高次立体移動
壁や天井などを利用して立体的な移動をする歩法。〈教導院〉で真っ先に教えられる技でジオやリリィも使用している。カミトの高次立体移動は他のと比べ、桁違いのスピードを持っているため〈影縫い〉の固有名を与えられている。

水蓮(すいれん)
〈教導院〉で習得した高次立体移動を応用した水中歩法。見切れないほど早いわけではないが、動きは、水に浮かぶ水蓮のようにとらえどころがない。〈水霊祭〉で使用された。

水遁(すいとん)
〈水蓮〉の変化系歩法。自身の意識と肉体を水と同調させることで気配を完全に遮断することができる。〈水霊祭〉で使用された。

迅雷(じんらい)
〈教導院〉の戦技。脚の筋肉を一瞬で爆縮させ飛ぶことで神速の動きが可能となる。土蜘蛛(つちぐも)〈教導院〉の特殊戦闘歩法。足裏に神威を纏わせ、体を吸着し、狭い足場などを渡るときに使用する技。カミトが〈魔王〉の半覚醒状態で使用したときは、乱舞する鎖の上を歩く神業を披露した。

双剣技〈大蛇(オロチ)〉
カミトが使用した〈教導院〉の暗殺技で、双剣による無数の斬撃を放つ。グレイワースに使用を禁じられていた。〈絶死の陣〉〈教導院〉の集団戦技。教主の配下となった遺児たちが使用した。非精霊使いの暗殺技能者が強力な精霊騎士を倒すために開発された技。

〈壊衝破〉
拳に神威を纏わせ、物体越しに衝撃を放つ暗殺技。神威を同時に相手に流し込むため、受けた相手は神威酔いを起こす。

〈蛇蝎(だかつ)〉
カミトが使用した暗殺技、地面すれすれまで身を沈めて相手の足元に攻撃する。

〈飛蛇(ひじゃ)〉
暗殺技の一つ、地面に突き立てた刃を一気に跳ね上げて神速の斬撃を放つ。カミトは〈蛇蝎〉からのコンビネーションで使用した。〈閃牙(せんが)〉暗殺技の一つ、自分の剣を、相手の剣の刃の上を滑らせるカウンターのような技。

その他の技
剣殺し(ソード・ブレイク)
剣を持たない騎士の剣技。グレイワースに教えられた邪道の技。相手が呼気を放つ刹那の空隙に踏み込み、手首に腕をからめる。相手が引けばそのまま懐に入り、力で押して来れば致命的な隙を作ることができる。カミト曰く、「いざという時の隠し技だった」模様。氷風乱舞(アイス・ストーム)エリスとリンスレットの精霊魔装によるコンビネーション魔技。風属性と氷属性の相互干渉を利用し、氷風の竜巻を起こす。

〈凍える焔華(フロスト・ブレイズ)〉
ルビアが使用するエルステインの炎。色は蒼。世界の法則から逸脱した焔で、別名〈炎を凍らせる焔〉。凍らせるのは炎だけではなく、炎にふれた物も凍らせられる。正確には精霊魔術ではないため、契約精霊がいなくても使用できる。

〈終焉の真紅(エンド・オブ・ヴァーミリオン)〉
クレアが使用するエルステインの炎。色は紅。〈火の精霊王〉からはエルステインの真なる焔と呼ばれている。世界の条理法則から外れた異端の焔で、別名〈炎を燃やす焔〉。正確には精霊魔術ではないため、契約精霊がいなくても使用できる。

用語

精霊
この世界とは別の世界〈元素精霊界〉(アストラル・ゼロ)に存在する生物。召喚される形態は大きく分けて、質量がなく不定形の神威の塊としてあらわれる原形態と、精霊の存在の一部をそのまま喚び出す純化形態がある。精霊使い様々な属性の精霊と契約を結び、その力を自在に使用する姫巫女。

神威(カムイ)
精霊との契約や、その力を使う時に消費するエネルギー。神威を消費するとお腹が空きやすくなる(そのため、精霊使いはスレンダーな体型の者が多く、作中ではカミト達もかなりの量の食事を採っている)。

契約式(サモナル)
精霊と契約を交わす時や力を使う時に発する精霊語。精霊魔術精霊使いが使用できる力の一つ。精霊語の呪文を唱えて発動させる。呪文が長いほど威力は大きくなるが、中には呪文が必要ない(無詠唱)の精霊魔術もある。原則、光を生み出すなどの基本的な物を除き、契約している精霊と同じ系統の物しか扱えない。精霊魔術は、体系的な精霊学の教育を受けていないとほとんど使用できず、基本的な威力は契約している精霊と、自身の神威の量に比例して大きくなる。

精霊魔装(エレメンタルヴァッフェ)
純化形態の中でも、より高度に最適化された形態。〈元素精霊界〉では肉体を傷つけずに精神にダメージを与えるが、物質収斂(マテリアライズ)することで肉体を傷つけたり、精神へのダメージへと変換される肉体へのダメージを純粋な痛覚へ変更するように設定することも可能。 魔装展開精霊魔装(エレメンタルヴァッフェ)の真名解放で、使役する精霊のタイプによるが、普段リミッターがかかっている契約精霊の力を一気に解放できる。しかし、精霊を一時的な暴走状態に置くので大きな危険が伴う。

精霊剣舞祭(ブレイドダンス)
数百年前に創設された、最強の精霊使いを決める大会。優勝者は精霊王に願いを叶えてもらえることができる。開催時期や試合形式などは精霊王の気まぐれで決まる。15年前は無制限戦闘(バトルロワイヤル)方式、3年前は個人戦の勝ち抜き方式だった。その実態は〈精霊王〉が異界の闇による自らの狂乱を抑えるために作られたシステムであるが、限界に近づいている。精霊鉱石精霊や精霊の力の一部を封じることができる特別な石。封じる精霊によって使用方法が変わり、目晦まし等戦闘に使用したり、火の代わりや光源等日常生活に使用したりできる。他にも記憶を封じたり、水を綺麗にする等も可能。精霊鉱石から解放された精霊や精霊の力の一部は、すぐに〈元素精霊界〉へ帰還するため二度と使役できない。また〈精霊王の血(ブラッド・ストーン)〉や〈封魔眼〉等、特別な精霊鉱石もある。

精霊王の血(ブラッド・ストーン)
精霊鉱石の一種で、〈元素精霊界〉の〈聖域〉で採掘される特別な精霊鉱石。高位精霊の力の一部を封じることができる。正真正銘、国宝級の秘宝でお金や権力で買えるものではない。フィアナやジオが所持していた(フィアナは王家の秘宝館から勝手に持ってきた模様)。〈紅蓮卿〉によるネペンテス・ロアの反魂の儀式にも使われた。

〈封魔眼〉
きわめて希少な精霊鉱石の一種。精霊使いの家系の子供がごくまれに持って生まれてくる特殊な目のことで、〈封魔眼〉の中には強大な精霊が封印されていることが多い。その持ち主は大抵の場合は危険視されて迫害されるか、権力者によって兵器として利用されることが多い。一般にはそれほど知られていない。ミラは左眼に所持していた。ちなみにカミトは〈教導院〉に同じ眼を持つ少女がいた(その少女は命を落としている)ため、〈封魔眼〉の存在を知っていた。

愚者の万力(ジェスターズ・バイス)
ミュアが生まれつき備え持った異能の力。精霊の力を限界まで絞りつくし、触れた精霊は狂乱、暴走し消滅してしまう。ミュアは呪装刻印によってこの力を制御しているが、長くは使用できない。

玄室
魔王の武具と72の精霊を封印した特異空間。魔王以外には開くことができないが、魔王が命の危険に晒されるなどすると反応して開く伝説の宝物庫。現在の所有者はカミトであり、精霊王暗殺計画後にアレイシア精霊学院の地下に出現し、本来魔王が使役した精霊でないエストが収められた。

雑記



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