魔法少女データベース。更新手伝ってくださる方、大募集中です。

作者:あわむら赤光
イラスト:refeia
出版社:ソフトバンククリエイティブ GA文庫

あらすじ

「私立亜鐘学園高校」そこは前世の記憶に目覚めた若者たち「救世主(セイヴァー)」が集う学び舎。ある者は、前世の記憶をもとに自らの身体から《通力(プラーナ)》を汲み出し武器と体術の戦技をもって敵を砕く「白鉄」となり、またある者は物理を越える異能《魔力(マーナ)》を自在に操り、この世にあらざる魔術の業で敵を滅ぼす「黒魔」となる。そんな 亜鐘学園に、一人の少年が入学した 彼の名は「灰村諸葉」。史上初めて、白鉄と黒魔の二つの前世《剣聖×禁呪保持者》の力に目覚めた彼は、それぞれの前世で永遠の絆で結ばれた最愛の少女2人と同時に再会を果たす。前世で愛を誓った姫剣士にして、実の妹の記憶を持つ少女「嵐城サツキ」と別の前世で隣に寄り添い、冥府の魔女として共に戦った少女「漆原静乃」。輪廻を越え、愛する二人と同時に再会してしまった諸葉は誰よりも特別な運命を歩み始める!!

1巻
対異端者の戦力である救世主を養成する亜鐘学園に入学した諸葉は、二つの前世で出会った二人の少女と再会する。紆余曲折あって史上初の『太古の英霊(エンシェント・ドラゴン)』であることが判明し、実戦部隊に入隊して充実した学園生活を送る。そんな日々を打ち壊すように、強力な異端者が出現する。

2巻
弩級を倒して静乃とサツキを救った諸葉は、実戦部隊の新人として活躍しながら充実した学園生活を過ごしていた。サー・エドワードが来日し、静乃の兄であり亜鐘学園の理事長は諸葉をランクSに祀り上げようと企む。そんな兄の企みを知り、静乃は苦渋の決断をする。その一方で、諸葉は校長の妹である摩耶とルームメイトになることになった。

3巻
諸葉のランクS認定を巡ってイギリスで『六頭会議』が行われる最中、諸葉は実戦部隊の合宿に参加し特訓していた。合間の息抜きに海水浴を楽しんでいると、観測史上初の要塞級が出現した。支部長はイギリスで足止めされて増援も見込めず、実戦部隊は無謀にも戦闘を開始する。

4巻
ランクSに仮認定された諸葉に、ロシアの雷帝が〈人喰い(マン・イーター)〉と呼ばれる刺客を送り込んできた。ロシアからの転校生レーシャにいきなり告白された諸葉は違和感を覚えながらも、ごく普通に接して彼女の心を融かしていく。

5巻
レーシャを非人道的に操っていた雷帝に対して、抑えきれない怒りを覚えた諸葉は一人でロシアへ戦争をしに行く。そんな彼の水先案内人に選ばれたのは、エドワードの右腕であるAJ。諸葉は最凶最悪とされるロシアの分局長を次々と倒していく。

6巻
ロシアとの戦争から帰ってきた諸葉は安息の日々を過ごしていた。文化祭の時期が差し迫り、実戦部隊は出し物「喫茶店」の準備をすることになる。しかし、フランス支部長シャルル・サン=ジェルマンの突然の来日によって安息の日々は崩されてしまう。

7巻
突如として現れた魔神級。そして、異端者を生み出す根源という冤罪を諸葉はかぶせられて『牢獄の魔女の館』に拉致幽閉されることに。しかし、これは中国支部代理長と日本支部の幹部が画策したものだった。諸葉を救出するために、サツキや静乃らが動き出す。

8巻
学園祭当日、諸葉は休憩時間を利用して摩耶と共に学園祭を周ることになった。そして、サツキや静乃らとの回想に浸る。

9巻
異端者発生地の特定に成功した白騎士機関は、日英仏の合同作戦敢行する。諸葉は救出部隊隊長に任命され、その部隊に春鹿を推薦する。しかし、春鹿は自信の無さから拒んでしまう。作戦当日までに、諸葉は中国支部長馬迭戈に稽古をつけてもらうことになる。そんな彼の姿を見た春鹿は、彼と共に稽古に参加することにした。実戦部隊の他の面々も作戦当日に向けて準備し、時はあっという間に過ぎ去って大規模作戦が開始される。

10巻
日英仏による合同作戦を終え、諸葉たちは長い安息の日々を過ごしていた。摩耶の希望で彼女の家でクリスマスパーティーを行うことになる。諸葉に築き上げてきた自尊心を打ち砕かれて引き込んでいた石動厳は、リベンジをかけて特訓してランクC程度の実力を身につけていた。しかし、田中から諸葉がランクSであることを聞かされる。裏では『背教者』たちの集団、『六翼会議』が暗躍して何かを仕掛けていた。

11巻
アメリカに魔神級が出現し、三度の戦闘経験を持つ諸葉はソフィーの依頼で彼女と共に渡米。板挟みになるソフィーやアメリカ支部長のアーリン、ランクAの救世主たちと共に魔神級を討伐するために準備を行って戦闘に臨む諸葉。

12巻
アメリカに出現した魔人級が討伐され、諸葉の帰りを待っている亜鐘学園の下に現れた『六翼会議』。実戦部隊が束になっても被害は拡大していく一方。諸葉を呼び戻すため万里の元へ現れる熾場亮。蹂躙されていく最中、現れたのは弩級を使った巨大なゴーレムだった。

登場人物

亜鐘学園
嵐城サツキ
1年1組
ランクD→B 白鉄
前世では諸葉(フラガ)の妹であるサラシャであり、とある国のお姫様だった美少女。諸葉に再び会えることを期待して亜鐘学園に入学する。性格はお調子者で猪突猛進だが真面目で努力家、諸葉に言わせれば『馬鹿な子ほど可愛い?』。諸葉を巡って静乃とはライバル関係にあり、静乃には度々いじられている。作中『浮気』は許しても『妹』は許さないと語っている。本人は妹を強調しているが、内心は恋人同士になることを望んでいる。前世では常にフラガに置いていかれ、それを歯痒く思いながら過ごしていた。3巻にて秘められた才能にフラガが気づき、戦場に出したくない一心で置いていったことを諸葉から語られた。前世では『聖剣の巫女』という立場上鍛えることは許されず、現世において本格的に光技の才能を開花させた。全ての門を開いていないにもかかわらず、ランクBのソフィアに力負けしないことから高い潜在能力が伺える。6巻で春鹿と手合わせし、その成長ぶりを見た石動にランクBに推薦される。パワーとタフネスが優れており諸葉からは「戦車」型の白鉄と言われており、その指摘通り打たれ強く攻撃にも秀でている。ランクSのヂーシンの猛攻にも耐えきるほど優れたタフネスを持っている。また、駿河安東ほどではないが『異端者』の気配に敏感で九頭大蛇や要塞級異端者が出現する前から違和感として感じ取っている。七門全門は開いていたものの完全には開いておらず中途半端だったが12巻にて戦闘中に七門全門が完全に開いた状態となった。サラティガと同じくアーキュールに大量の通力を流し込んでレナードの攻撃を防ぐ一撃を与えた後に自己崩壊してしまうほどの通力の持ち主。レナードの猛攻に耐え、標的の一人と認識される。とてつもない凝り性で、料理は自他共に認めるプロ並の腕前。固有秘宝は<<巫剣アーキュール>>。

漆原静乃
1年1組
ランクD 黒魔
前世では諸葉(シュウ・サウラ)の右腕であり妻だった冥府の魔女(または王佐の魔女)。幼い頃は奴隷だったが、シュウ・サウラに助けられ育てられた美少女。現世では漆原という名家に生まれるが、家が繁栄する手段として道具のような扱いをうけておりそのため感情を表に出さず、学校では不真面目な生活を送っていた。徐々に前世の力を取り戻しており、『元素衆』相手に一対一で勝利できるほどのランクAでもトップクラスの力を持っているが、普段は手を抜いて隠している。諸葉もこのことは知っており、戦わなければいけない場合のみ実力をいかんなく発揮している。ルイーズからも『太陽の揺籠』より優れていると言われている。しかし、普段から昼行燈を装いすぎていたため長時間の戦闘になると体力が足りず息切れしてしまう。第六階梯闇術や広域結界闇術まで使いこなすが加減が出来ていない。六翼会議による亜鐘学園襲撃後に体力作りのためランニングを行うようになり、15巻では諸葉との個人特訓の時間中ずっと第五階梯闇術を連発し続ける事が出来るくらいに体力面の問題も解消に向かっている。また個人特訓では反魂を使用しているが、反魂の代償としてはむしろ少ない出血量で済んでおり魔力の制御が傑出していることが示されている。14巻にてランク認定試験を受ける。日本支部では諸葉しか使い手のいない氷の第六階梯『氷結地獄』を危なげなく成功させてランクAに認定される。なお、この時点での静乃の力は冥府の魔女の全盛に届いていておらず第六階梯までが限界。出会った当初に諸葉がシュウ・サウラということには気づいていたが、諸葉を家の事情に巻き込むことを恐れて諸葉に問いただされても口を閉ざしていた。また、当初から諸葉に好意を持っており、家のことで悩みつつもたびたび諸葉には肉体的スキンシップを取っている。諸葉が漆原家に乱入した後は家の悩みが解決し、前世のことは諸葉自身に思い出してほしいと思っている。前世では囚われたシュウ・サウラに食事を運ぶ奴隷の少女で、彼から文字と闇術を学んだ。後に『冥府の魔女』あるいは『王佐の魔女』と呼ばれる女傑へ成長し、彼の妻となって生涯を共にする。諸葉を巡ってはサツキとはライバル関係でよくサツキをいじっているが、まっすぐな性格は羨ましく好ましく思っている。前世でシュウ・サウラに「長い髪が似合う」と言われたため、髪の手入れは絶対に怠っていない。一本だけどうにもならないクセ毛があり、ひどくコンプレックスを抱いている。もし触れようものなら、諸葉曰く「地獄を見る」ほどに恐いらしい。実際、8巻の回想では我を忘れて尋常ではない魔力を撒き散らしていた。固有秘宝は<<竜杖ナーグラヴィッツ>>。

四門摩耶
ランク?→ランクA 黒魔
亜鐘学園でいつも万里と共にいる10歳ぐらいの少女。亜鐘学園校長である万里とは遠縁の身内。早くから<<救世主>>として覚醒しており、そのために学校に通えず、友達がいないが本人はさほど気にしていない模様。固有秘法は<<夢石の面晶体>>。この能力のためか、エドワードからは『夢現の小さな魔女』と呼ばれていた。力が覚醒した際に前世の記憶が蘇ったためか、天使のような容姿とは裏腹に耳年増で小悪魔。諸葉に女難の相があるからと諸葉に好意を持ち、恋人の座を狙っている。幼いながらも、女同士の修羅場に立つ度胸の持ち主。免許は持っていないが、車を運転することができる。また、スリルを楽しむのでスピードを出して走ることを好む。2巻で万里の策略で諸葉と同居することになったが、本人はそれを喜んでいる。10巻にて、その仲のよさは万里を唖然とさせるほど。3巻では拙いながらも第三階梯闇術を使用したことから、Bに近いランクC黒魔と考えられる。14巻で万里の固有秘法『移ろいの門』の使用に成功する。前世では使えなかった他者の固有秘法を成功させたのは史上初。また、『移ろいの門』の習得によりランクAに認定された事が15巻で明らかにされた。

百地春鹿
2年
ランクC→B 白鉄
実戦部隊正隊員。ボーイッシュで飾らない雰囲気や体つきが可愛いショートカットの女性。自分に自信が持てないため、恋愛ごとにはサツキや静乃から遅れ気味。諸葉やサツキから『モモ先輩』と呼ばれている。省略された呼び方は好きじゃないと当初は文句を言っていたが、諦めたのかいつの間にかその呼び方が定着している。6巻にてサツキと手合わせした後、石動にランクBへと推薦される。<<神足通>>の名手で学内最速を誇る。諸葉が4分身までしかできない貪狼を5分身で使用できる。また、巨門の二連を使用することもできる。12巻で破軍を完璧ではないが使えるようになった。9巻で吹っ切れ、諸葉に対しての恋愛感情を静乃に宣言した。

エレーナ・アルシャヴィナ
喰い(マンイーター)と呼ばれる救世主暗殺に長けた少女。愛称で「レーシャ」とも呼ばれている。表向きはロシア支部からの留学ということになっているが諸葉を暗殺するために来日する。通力はランクC並みしかないが固有秘宝<<魔剣レプラザン>>を使用することでランクAの実力を持つ静乃を圧倒する実力の持ち主。諸葉の優しさに触れ、暗殺することに疑問を持つが弟のためにと思い諸葉と戦うが敗れる。実際はコンドラートの能力で弟がいると思い込まされていることが判明する。その事実にショックを受けるも、諸葉から「家族になってやる」という言葉を受けて、それ以降諸葉の家族と自称する。第8巻の学園祭では、友人に恵まれて楽しい学園生活を送っていることがわかる。また、静乃やサツキとも友情を築きながら諸葉を巡るライバルとなっている。

実戦部隊
神崎斎子
3年
ランクB 黒魔
(エロ)鬼と畏れられる実戦部隊副長。軍人めいた高圧的な口調と怜悧な美貌の持ち主。特技はパワハラとセクハラで諸葉(とその尻)を執拗に狙うが、度が過ぎると迅にお仕置き(アイアンクロー)されることが多い。統率力は副長に選ばれるだけあって、本人の気質も影響していることもあり、要塞級を前にして怯える隊員たちをまとめるほど高い。12巻では第四階梯まで使いこなすまでに至った。

宗谷麻奈子
3年
ランクB 白鉄
地味な眼鏡を掛けた無口な先輩。目立つことを嫌うため、初介と付き合っていることを隠している。<<天眼通>>の達人。

教師
四門万里
ランクA
亜鐘学園の校長。学園の第1期生で初代実戦部隊隊長 金髪碧眼の美女 20歳。生徒を大事にしており、2巻で亜鐘学園理事長による諸葉に対する謀略阻止と、摩耶に友達が出来ればと諸葉との同居を画策する。初代実戦部隊の隊長で、その頃は自身曰く「高慢ちき」で周りと馴染めていなかったらしい。不断の努力によって前校長を追い出し、自身が校長となって人道的な救世主の育成環境を整えた。固有秘法<<移ろいの門>>を使える。

白騎士機関(オーダー)
異端者と戦うために救世主が集う機関。イギリスに本部を構え、日本、ロシア、フランス、中国、アメリカに支部がある。本部と各支部にランクSかそれ以上に相当する『六頭領』と呼ばれる者が本部長および支部長の座に就いており、白騎士機関は彼等を長として運営されている。
日本支部
高梨恭子
白鉄 ランクA
安東の第一秘書官兼ボディーガードの女性。日本支部本局に所属し、安東に心酔している。そのためか、彼の地位を揺るがす相手を潰すことに躊躇いがない。大規模作戦で群体要塞級に幽閉された救世主らの安否は気にしておらず、見下しており死んでしまっても構わないと思っている。諸葉が最も古き英雄だと聞いた時は、新たな安東の手駒として喜んでいた。しかし、彼が活躍して亜鐘学園に大きな影響を与えていることを知ると、7巻にてヂーシンと結託して諸葉を拉致幽閉した。独断での行動だったので諸葉が解放された後に首が皮一枚で繋がるほど追い込まれる。独断行動で危ない立場でいることを自覚しながらも亜鐘学園に居る諸葉派閥を警戒して反発するもシャルルらに封殺される。日英仏の大規模作戦にて諸葉を嵌めようとするも、それを察知した初介にて阻まれた。

イギリス本部
エドワードのカリスマ性によって統制されている。黒魔が圧倒的に不足している。
アンジェラ・ジョンソン
ランクA 白鉄
ランパードの右腕で、双頭剣の使い手である女性。通称は『AJ』。エドワードに好意を持っている。そのことで静乃に相談したためにその弱みで静乃にはこき使われている。当初は諸葉に返り討ちにされたことを恨んで彼にきつく当たっていたが、5巻にて彼の水先案内人になって行動を共にしたことで態度を軟化させた。諸葉曰く「面倒見のいいお姉さん」。熒惑は〈鋭い刃〉。諸葉の切断とは異なり、通力を手に纏って使用する。

フランス支部
『太陽の揺籠』と呼ばれる魔術結社を前身とし、白騎士機関の中では長い歴史を持つ支部。救世主は固体・液体・気体・力体・霊体によるゴーレム練成の秘儀に通じる『元素衆(レ・エレマン)』と呼ばれ、『=1(ル・ブルミエ)』は『=2』以下を従える幹部がいる。前身が魔術結社であるため、貴重な黒魔のランクAが多い。9巻の大規模作戦には46人が参加しており、そのすべてが黒魔。

フラヴィ・サコー
『?』黒魔
フランス支部副支部長にしてシャルルの婚約者。黒人の女性。不可視に誘拐された後、魂を魔人級を作ることに使用された。解放後、馬迭戈によって要塞級から開放された。本人の実力を示す明確な描写はないが、大規模作戦で『元素衆』の指揮を取っていたことから知ることができる。

クロエ・ジャレ
『霊体=3(ラーム・トロワ)』黒魔
『牢獄の魔女』と呼ばれる結界闇術のエキスパート。亜麻色の巻き髪を持つ美女。強行手段に移ろうとするシャルルを止め、自ら交渉役として諸葉と接触した。日本支部の要請により、7巻で諸葉が幽閉された館の形をした結界のゴーレムを作製した人物でもある。

エミリエンヌ・カバーニ
『液体=1(ル・リキユイデ)』黒魔
なぜかずぶ濡れの女性。「ごめんなさい」が口癖。カロンと共に襲撃する命令だったが、それを自らの提案で一人で初介たちを襲撃した。自らが操る水のゴーレムによって初介一人まで追い込むが、「自分は救世主になれない」と吹っ切れた彼の熒惑によって戦闘不能にされた。

アメリカ支部
他の支部のような大きな本部や分局は存在しないが、アーリンの合理的思考からスカイプによる会議を行っている。また、一軒家が本部や分局であるため、共に暮らしているからか救世主同士の絆は強い。アーリンが後方支援として強力なため、人材の流出が止まらないことが問題となっている。救世主たちは認識票は使用せず、アーリンの作製した魔法道具を使用して戦闘する。
アーリン・ハイバリー
支部長 ランクS
六頭領の一人。スカイプで六頭会議に出席する。フランス系アメリカ人。武器防具道具を作り出す《源祖の業》を持ち、妖精力(レプラカーナ)と呼ばれる力で特殊な粘土から認識票や戦闘服を作った人物。駿河安東と同じく、<<白鉄>>でも<<黒魔>>でもない稀有な<<救世主>>。合理的をモットーとしているが、本人は発明道楽に関しては無駄に金銭と時間をかける。そのため、アメリカ支部の財政は火の車。また、新しい物好きなため、何度も作っている物を作る時はかなり面倒くさがり、その工程を見た物はショックを受ける。極度の人見知りで、イギリスにて行われた『六頭会議(シックス・ヘッド)』では本人は現れず、恐竜のコンピューターアバターを使用して参加していた。『工廠(アーセナル)』、『たった一人の歩兵旅団』や『巨人殺し(ジャイアントキラー)』等の異名を持つ。

メレイン・フラミニ
ランクA 白鉄
ソフィーと同じく上背で、引き締まった筋肉質の女性。愛称はレイ。『狼娘』の異名を持つ救世主。不可視に誘拐されて要塞級の中に幽閉されていた。意識不明であったが11巻で魔人級として登場。その後見事に回復した。ソフィーの白鉄としての師匠であり、彼女からはアメリカ支部最強と言われている。天眼通の名手であり、希な熒惑〈薬〉を使う。諸葉の例えによると、「頼りになる親戚のお姉さん」。

ミロスラヴァ・ロジッキー
ランクA 白鉄
アメリカ副支部長。愛称はミラ。人見知りのアーリンに代わって、救世主たちとやりとりを行っている。熒惑は〈吹雪〉。アーリンの作製した高周波を放つ鞭を使用し、戦闘および指揮を行っている。

ノーマ・ウィルシャー
ランクA 白鉄
口調がぶっきらぼうだが、気の良い女性。熒惑である〈炎〉を拳に纏わせて殴り付ける戦闘する。自身を傷つけてしまうため、アーリンの作製した手甲を使用している。諸葉の例えによると、「跳ねっ返りで、家でもちょっと浮いている次女」。

チキータ・カルゾーラ
ランクA 白鉄
愛嬌たっぷりの容姿に、キャンディーボイスの声の持ち主。小顔で上半身が小さく小柄に見える女性。愛称はチキ。熒惑は〈暴風〉。双剣とアーリンの作製した金冠により作り出された二つの刃を使用する。諸葉を籠落しようとデートするが、逆に諸葉の人柄に惹かれてしまう。諸葉の例えによると、「甘え上手な三女」。

ロシア支部
部下を信用せず本局を置かないため、直臣と共に分局を転々としている。支部長ヴァシリーサによる恐怖政治によって統制している。救世主を養成する学校が存在せず、ほとんどが孤児であるため犠牲にされていた。諸葉が乗り込んできたことにより、実質的に穏健派が指揮を取ることになった。アメリカ支部との内部抗争を恐れ、認識票なしでも既存の武器で戦えるよう養成している。特異な固有秘宝を所持している場合は認識票が特別に支給される。
ヴァシリーサ・ユーリエヴナ・モストヴァヤ
支部長 ランクS 黒魔
六頭領の一人。絢爛たる美貌に相応しい傲然とした物言いをする妖艶な二十後半の女性。裏切り者や敗北者には容赦なく粛清し、その恐怖によって救世主たちを統制している。基本的に誰も信用せず、暗殺や反逆を恐れて直臣のみを連れてロシアの分局を転々としている。諸葉が戦争をしに来た時はエカリテンブルクに逗留していた。自身の禁呪を諸葉の禁呪で破られ、秘蔵のゴーレムさえも破壊され、最後には王のあり方まで語られて心を折られた。『雷帝』の異名を持つ禁呪保持者。固有秘法は<<天界十字軍(クリューエルクルセイダー)>>。

ベレズツカヤ姉妹
ランクA 白鉄
双子の救世主で、二分身の貪狼を交互に使用する戦法を得意とする。キルサンらと共に交戦。ベルナルトに対して恋愛感情を抱いており、ヴァシリーサに諸葉が拷問の末に嬲り殺しにしたと聞かされて憎悪。諸葉の熟練の域に達した剣術の前に敗北。

六翼会議(シックス・ウィング)
エドワードによって「白騎士機関にまつろわぬ救世主は救世主ではない」ということから、背教者(デーモン)と命名された救世主によって構成される反白騎士機関の集団。異端者を作り出していた集団と合併したと考えられている。
白井宇佐子
ランク?白鉄
惚けた表情の女性。万里にとんがり帽子をプレゼントした人物。牢獄の魔女の館に亮と共に幽閉されていた。誰かの世話を焼くことが好きで、その甲斐甲斐しさは諸葉曰く「男をダメにする」ほど。また素なのかふざけているのか、痴女と思わせる言動を取ることが多い。諸葉に「はいもろ」、万里に「まりしてん」といったニックネームをつけて呼んでいる。「あざとくない可愛さが絶妙」らしいが、摩耶に対しては「まーや」と意外とごく普通。熒惑は亮の熒惑を強化する〈ガソリン〉の役割を果たす。

天木虚穂
ランク? ?
『巫女』と呼ばれる少女。柏葉源一の報告によると、源租の業によって異端者を生み出しているらしい。六翼を構成する一翼。

ルイーズ・サン=ジェルマン
ランク? 黒魔
『人形』の異名を持つ全てが白い少女。ピアノ奏者として、とてつもない技巧の持ち主。唯一人間嫌いの亮の興味を引いた諸葉に対し、激しい憎悪を燃やしている。六翼を構成する一翼。シャルルと同じ姓を持っているが、関係性は10巻時点で不明。12巻にて先々代PSGであることが判明。実力はランクDの黒魔にさえ負けてしまうほど。かなり不器用でまともにスペリングすら出来ず第一階梯闇術でさえもたもたとしかスペリングできず、急ごうとすれば必ず失敗する。ゴーレムに関しては右に出る者はおらず、魔力なら雷帝にも負けていない。7体同時使役しても余裕を見せるほど。『太陽の揺籠』では初代PSGの再来と呼ばれるほどの奇才。ゴーレムの研究のためなら部下を部下とも思っておらず、周りを顧みなかったため先代の第十代ギィに討たれたとされていた。しかしそれは組織に億劫さを感じて抜け出そうと画策していたこともあり、討たれたと見せかけ姿を眩ましていた。六年前から出現し始めた異端者に目をつけ、新たなゴーレムの素材として見出した。地球上にある物からならゴーレムを作り出すことのできる自分にとって最高の素材だと喚起する。透明のゴーレムを3体使役していたが、14刊にて元素衆の集中放火により破壊された。
固有秘法は<<この世ならざる音楽室>>。

用語

源祖の業(アンセスタルアーツ)
救世主達が使う能力の総称分類として光技と闇術に分かれる。通常は光技か闇術のどちらかしか使えない。前世の記憶を思い出すだけでなく、修練を重ねることで使えるようになる。サツキのように前世では鍛えておらず、現世で初めて才能を開花させるのは希。両者を掛け合わせた太極が存在するが、現時点で使えるのは諸葉と、終焉剣を用いるレナードのみ。

光技(こうぎ)
身体能力を上げる技の総称。両手、両足、眼、丹田、心臓にある七つの門を開き、通力(プラーナ)を汲みだして使う。七つ全て自在に開いて基礎ができたと評価される。光技の使用者を<<白鉄>>(しろがね)と呼ぶ。諸葉曰く、通力の強さと性質は根っこの部分で精神状態が密接に関係しているとしているが、白騎士機関ではそれは俗説で実際は関係ないと評価している。

金剛通(こんごうつう)
光技の基礎技の一つ。通力で体を硬化させることにより防御力が上がる。

耐魔通(たいまつう)
金剛通の応用技。魔力攻撃、呪力攻撃に対して行う防御方法。ただし完全に防ぎきるわけではない。2巻で諸葉が亀吉の闇術を完全に防いでいたことから、魔力や呪力を圧倒的に上回っていれば傷一つつかないことがわかる。

金烏(きんう)
金剛通の上級技。通力を体の一点に集中して極限の防御力を得る。あまりに難しく使いこなす者はほとんどいないが、エドワードは自在に使える。

玉兎(ぎょくと)
金烏と対になる技。時間を凝縮することにより一瞬の刹那の間だけ無敵になる。あまりに難しく使いこなす者はほとんどいないが、エドワードは自在に使える。諸葉は前世現世を通して使うことができるが危なくて使う気が起きない技。

名称不明1
体の広い範囲に通力を集中して高い防御力を得る。金剛通と金烏の中間くらいに当たる応用技でそう難しくなく、一般に普及している技なので実戦部隊の予備隊員にでも使える。

名称不明2
諸葉が編みだした応用技。金剛通と玉兎の中間くらいに当たる技で、無敵化とはならないものの十秒ほどは高い防御力を得ることができる。しかし、防御に集中している間は体が硬すぎて身動きが取れなくなる欠点がある。工夫なしには使えないが、サツキやソフィアのようなパワーとタフネスに勝り回避能力に難のある戦車タイプの白鉄には有効であると考え、二人に教えている。

剛力通(ごうりきつう)
光技の基礎技の一つ。手や足に通力をまとうことで通常では考えられない膂力を得る。

崩拳(ほうけん)
剛力通と金剛通の併せ技。強度を高めた拳を叩きつけるため、剛力通とは比にならない威力を秘めている。

天眼通(てんげんつう)
両目に通力をまとうことで視力と動体視力を上げる。天耳通(てんにつう)聴覚を強化する。

内活通(ないかつつう)
肉体の治癒力を高める。

神速通(じんそくつう)
光技の基礎技の一つ。両足に通力をまとうことで通常では考えられない速力や跳躍力を得る。

貪狼(どんろう)
七つある<<神足通>>の派生技の一つで、北斗の第一星の名を冠する奥義。全力全速の爆発的なスピードが必要。瞬間的に分身したかと見紛うほどの速度で多方向から撃つ連続攻撃法。二人で交互に使用することで隙となる緩の部分をなくし、相手を圧倒して追い詰めることができる。巨門より難しいとされるが、学生のうちに身につけたのは諸葉と春鹿だけ。

巨門(こもん)
七つある<<神足通>>の派生技の一つで、北斗の第二星の名を冠する奥義。緩急をつけることで残像を生み出す歩法。

禄存(ろくぞん)
七つある<<神足通>>の派生技の一つで、北斗の第三星の名を冠する奥義。唯一、10巻時点で作中に出ていない。

文曲(もんぎょく)
七つある<<神足通>>の派生技の一つで、北斗の第四星の名を冠する歩法。水の上を駆け、壁や天井を走ることができる。しかし、トップスピードは激減する。

廉貞(れんてい)
七つある<<神足通>>の派生技の一つで、北斗の第五星の名を冠する歩法。音と気配を完璧に絶つ歩法。

武曲(ぶきょく)
七つある<<神足通>>の派生技の一つで、北斗の第六星の名を冠する歩法。<<剛力通>>によるパワーで強引に加速する直進歩法。途中で止まることや横に移動することが困難になる。

破軍(はぐん)
七つある<<神足通>>の最上級派生技で、北斗の第七星の名を冠する縮地の歩法。他の派生技すべてを同時に行うことにより、瞬間移動をしたかのような速さで動くことができる。避けられた場合、大きく体勢を崩して隙ができるので諸葉は好まない。

五星
技辰星(しんせい)
通力を武器に通わせて自在に操る。

太白(たいはく)
武器に通力を流し込むことで破壊力が増し、相手の体内に毒のような効果をもたらす。

螢惑(けいこく)
通力を己の根源たる象へと近付け、変化させる。この光技だけは、魂の質に左右されるため誰もが使えるわけではない。基本的に長時間使い続けることはできない(熾場が例外的に長時間使用できる)。

鎮星(ちんせい)
肉体を傷つけず精神のみを攻撃し意識を刈り取る。

太歳(たいさい)
通力をためて放出し暴風を起こす。

闇術(あんじゅつ)
魔力(マーナ)を使うことで自然界のエネルギーを吸い込み、己の望むエネルギーに変換する技術。闇術の使用者を<<黒魔>>(くろま)と呼ぶ。使用には、通常、宙に文字を書くこと(スペリング)と詠唱が必要。詠唱なしでも発動できるが、その際は威力が弱くなる。詠唱する際は「綴る」と言わなければならない。また、詠唱とスペリングの際に強くイメージすればするほど威力が増す。スペリングの行数によって第n階梯と分類する。行数が増えると成功難易度と威力が格段に増加する。通常の闇術は第九階梯まで。その先は第十三階梯の禁呪(使用する際に代償を伴うもの)となる。

1 火炎(フレアー)
2 猛火(ブレイズ)
3 火葬(インシネレート)
4 炎の大嵐(ブレイズストーム)
5 黒縄地獄(ブラックゲヘナ)
6 紅蓮地獄(ブライトレッドフレイム)


1 氷の吐息(ホワイトブレス)
3 凍てつく影(フリージングシェイド)
4 凄まじき吹雪(ドレッドフルブリザード)
5 吹雪の死霊(ブリザードスペクター)
6 氷結地獄(ブライトホワイトフロスト)


1.水流破(ハイドロブラスト)


1 稲妻(ライトニング)
3 狂乱する球雷(ブリッツボール)
8 稲妻の螺旋(サンダーストームヘリックス)
9 稲妻の魔竜(サンダーボルトドラゴン)


1.引き裂く突風(フラクタリング・ガスト)
2 吠えたける強風(ブリーズメイス)

閃光(フラッシュ)
一瞬だけ強い光を放つ。

精神の剣(マインドソーズ)
精神力を斬る力に変化して放つ闇術。

精神の槍(サイキックスピアー)
精神力を貫く力に変化して放つ闇術。

束縛(バインド)
鎖を作り相手を束縛する。

万の眠り(ギガドラウズ)
死んだような深い眠りに落ちる第三階梯闇術。

護法印(ウォード)
闇術の防御技、使いやすいが防御力は高くない。

青の護法印(ブルーウォード)
四方を囲む青い障壁を作り出す。

上天の障壁(エーテル・バリア)
闇術の強力な防御技。

傷跡の治療(ヒーリング・スカーズ)
素肌の上に直接魔法文字を綴り該当箇所を治癒する。対象は安静にしていなければならず治癒にも時間がかかる。

羽毫の体現(デクリーズウエイト)
自身の体重を限りなくゼロにすることができる。

幻影の像(ファンタズマル・イメージ)
自身の分身を作る闇術。

遥か見(ファーシーク)
天眼通と同じ効果を得る闇術。

抑制の場(サプレッションフィールド)
結界系の闇術で、魂の無い存在を弱体化させる。白鉄に例えるとランクCとDの中間くらいまで弱体化させる大魔法。しかし使用者は発動中、身じろぎも出来ず他の闇術も使用することは出来ない欠点がある。

月銀の槍(ムーンライトジャベリン)
月光のような輝きを放つ槍を展開させ、相手に向けて飛ばす。

ゴーレム
黒魔が認識票によって顕現させる前世で作り出した使い魔。闇術を行使する際のサポートを行う。フランス支部では現代の材料で作製する技術が存在する。

反魂(はんごん)
詠唱はそのままだがスペリングが右から左ではなく、左から右へ鏡文字を綴ることで本来あるべき性質を反転させる法。威力は甚大だが人為的に暴走させた魔力の一部が逆流し使い手を傷付ける。

禁呪
通常の闇術とは比べ物にならないほどの威力を持つ最高位の闇術。第十三階梯まで綴りスペリングする必要はあるが、威力は折紙付きで使用すればその土地の地形を変えてしまうほど。そのため使用には政府の許可が必要となる。5巻にて諸葉がヴァシリーサの禁呪を破るために禁呪をぶつけた際にエカリテンブルクが内海に変わってしまいロシア政府も頭を抱えてしまうほど。個人にしか使えないため固有秘法となっており、使える者は禁呪保持者(グリモアホルダー)と呼ばれる。

太極(インヤン)
光技と闇術を併用する諸葉独自の術理。魔力が通力を喰らって高まり、それに反発して通力が高まることで際限なく威力が上昇する。一撃で弩級の異端者を倒す威力を誇る。11巻で六翼会議のレナード・ヴァン=パーシーが、アーリンの手によって作成された魔法道具によって使用している。

天をも焦がす降魔の黒剣(くりから)
光技の太白に、炎の第五階梯闇術〈黒縄地獄〉の掛け合わせた技。一撃で川の水を蒸発させてしまう熱量を有する。仏教における不動明王の持つ剣倶利伽羅が名前の由来と思われる。

万象噛み潰す九頭の皓剣(ハイドラ)
闇術羽毫の体現によって重力を軽減した上で、光技貪狼を9分身で使用。一撃の威力が軽くなってしまうが、森羅万象すらも切断する螢惑を使用することで解決した。九つの斬撃によって、相手をバラバラに切り裂く。ギリシャ神話の九つの首を持つ大蛇ハイドラ(ヒュドラ)が名前の由来と思われる。

日天呑み降す常夜の白剣(エクシュキシュ)
光技の太白に氷の第六階梯〈氷結地獄〉を掛け合わせた技。亮と宇佐子の螢惑<<赤鬼>>に対抗して使用し、引き分けても余波で雪を降らせた。11巻にて直撃でなくとも、広範囲に広がる通力を伴った冷気によってダメージを与えることが判明。サハ神話の炎の海を越えた先にある氷の丘に棲む大蛇エクシュキシュが名前の由来と思われる。

鳴神まつろわす霹靂の蒼剣(ナム・ドウルツク)
光技の太白に雷の第八階梯〈稲妻の螺旋〉を掛け合わせた技。百雷が束ねられ、天をも穿つ刀身となった神威の剣。

固有秘宝/固有秘法(ジ・オリジン)
その者にしか使えない唯一無二の武具や闇術の総称。
聖剣サラティガ
使用者:灰村諸葉
諸葉が前世で使用していた武器。コンドラートが操るレーシャを救うために、大量の通力を流し込んで無理やり顕現させた際は一撃を与えた後に自己崩壊してしまった。聖剣の巫女であるサツキの通力に常に流されていたIDタグを使うことで、自己崩壊することなく使用を続けることができる。通力を神通力(アルスマグナ)に昇華させる能力を持ち、魔剣レプラザンが力を喰らいきれず崩壊させるほどの力がある。諸葉のように絶大な通力量を持っていなければ、神通力に昇華することができないため、他の白鉄が使うとあまり意味を為さない。

巫剣アーキュール(かんなぎのつるぎアーキュール)
使用者:嵐城サツキ
サラティガと同じく王家に伝わる宝刀。サツキの有り余る通力に耐えることができる。原作1巻から登場していたが、7巻にて名称が判明。

魔剣レプラザン
使用者:レーシャ
周囲にある通力と魔力を喰らい無効化する効果がある。使用者の意思で能力のオンオフを切り替えることができる。能力がオンになっている間は周りの通力、魔力を無差別に食らうため本人も通力を使うことができない。オフの状態では刃に触れているもの、切ったものの通力、魔力を食らう。喰らいきれない量の通力、魔力は無効化できない。

竜杖ナーグラヴィッツ
使用者:漆原静乃
静乃が前世で使用していた杖で、氷と冷気でできた竜の形をしたゴーレムに変化する。静乃が反応できないような高速の攻撃でも自動的に防ぐ。

銀嶺アーガステン
使用者:エドワード・ランパード
白銀の甲冑。『天をも焦がす降魔の黒剣』で攻撃し続けてもヒビを入れることしかできないほどの圧倒的な防御力を誇る。

移ろいの門(イレイティックポータル)
使用者:四門万里
数百キロ離れた場所に多数の人間を瞬時に転移させることができるが、色々と制約がある(一日に一回しか使用できない。繋ぐ場所をはっきりと思い浮かべなければならない等)。

夢石の面晶体(ドリームストーンハイドレン)
使用者:四門摩耶
現実世界の位相をずらすことで別の空間を作る結界闇術。この結界の中で壊れた物はしばらくすれば、負傷した人は結界の外へ出れば元通りになる。ただし結界の範囲を広くした場合は生物は元通りにならない。結界を作成するには時間がかかる。多少の攻撃で壊れたりはしないが、諸葉のエクシュキシュと熾場の赤鬼のぶつかり合いで崩壊した。

摩訶鉢特摩地獄(コキュートス)
使用者:灰村諸葉
広範囲に渡り極寒地獄を作り出す禁呪。諸葉が使用した時は摩耶の結界の範囲を超えて作用したため、夏にもかかわらず街に雪を降らせてしまった。あまりにも強力で結界がなければ永久凍土と化してしまうほど。使用には日本支部の許可が必要になった。シュウ・サウラの時も使用したことがある。こちらは結界もなく使用したため辺り一面が永久凍土と化し、未来永劫雪に閉ざされた状態となっている。氷の禁呪。

世界喰らいの蛇(ウロボロス)
使用者:灰村諸葉
すべてを飲み込む魔海を作り出す禁呪。使用すると一つの大きな内海を作り出してしまう。諸葉が合図することで動き出すため、何もしない時は静かな内海となる。ヴァシリーサの禁呪でさえ飲み込むこと凶悪。水の禁呪。

天界十字軍(セレスティアルクルセイダー)
使用者:ヴァシリーサ・ユーリエヴナ・モストヴァヤ
数え切れないほどの雷獣と雷の巨人一体を召喚する禁呪。空を暗雲で覆い尽くし、そこから雷獣や雷の巨人を召還する。広大な土地を一つ代償として使用される。雷の禁呪。

鳳扇ツァザルエー
使用者:ヴァシリーサ・ユーリエヴナ・モストヴァヤ
前世で三つの邑を滅ぼした魔鳥の魂を使って作製したゴーレム。炎を纏って神足通と同等のスピードで飛ぶ。

一千六十三フィートの高座(オーヴァロード オーヴァウォッチ)
使用者:シャルル・サン=ジェルマン
空を縦横無尽に飛行することができる闇術。羽毫の体現(デクリーズウエイト)や神足通(じんそくつう)でさえ不可能な高度を飛行するため、救世主同士での戦闘では一方的な攻勢になる。

この世ならざる音楽室(ティル・ナ・ローグ)
使用者:ルイーズ・サン=ジェルマン
どこか閑散とした境界を思わせる空間にピアノが置かれた空間。次元のずれた場所に存在しピアノを演奏中は別の空間へと繋げることができる。

その他
救世主(セイヴァー)
前世で英雄だった者が時間や場所を超え転生した人間を指す。主に<<白鉄>>と<<黒魔>>の二種類に大別され、それ以外の<<救世主>>は世界でも希少である。日本では中学3年生に目的非公開のテストを受けさせられる。これにて前世の能力を使うことができると判明した者は、『異端者』と戦う戦士候補として亜鐘学園にスカウトされる。この際、救世主と判明した者にはリスクとリターンが詳細に説明され、亜鐘学園への進学を決めると両親には素晴らしい進学校と説明が行く。摩耶のように早くから救世主に目覚めてしまうこともある。

亜鐘学園
日本の救世主の育成機関。ロシア以外にも存在する。目的非公開のテストで救世主と判明した者を育成する機関。通常教育の他に座学と実習を行う。特に公用語である英語に重きを置いており、卒業後は大学へ進学することも出来る。実習では白鉄と黒魔に分かれて行われる。全寮制(個室で生活に必要なものは全て揃っておりシャワー、トイレも完備)で授業料免除となっている。通常の部活も存在するがランクC以上で構成された実戦部隊がある。

白騎士機関(オーダー)
異端者と戦うために救世主が集う機関。本部はイギリスにあり、日本やロシア、アメリカ、中国、フランスに支部がある。前世の記憶があるため『若いから見識がない』という常識は当てはまらず、若くして幹部になる者も多い。世界支配に乗り出そうとする過激派もいる。

ランク
救世主は、対異端者における戦力を基準として、下からD・C・B・A・S・SSとランク分けされている。Aは各支部で10人ほど。Sは機関全体で7人。SSは日本支部長と中国支部長の2人。ランク付けは異端者に対する戦力であるため、救世主の強さ=ランクとはならない。ちなみに亜鐘学園へ入学するとランクD。卒業試験に合格し、白騎士機関に入るための資格を得た者をランクCと定められているが既にそれ以上の実力があると認められた場合は学生であってもランクC以上に認定される。

認識票(IDタグ)
学生証の役割を果たし、アメリカ支部長によって作成されて支給される。アーリンしか作成できないためかなりボっており、その収入がアメリカ支部の資金源なっている。お得意先はシャルル率いるフランス支部。通力あるいは魔力を流すことで、前世で自分が使っていた武器やゴーレムを顕現させることができる道具。壊した場合は始末書を書かされ、小言も言われる貴重な物。アーリンの指示で壊れた認識表は回収されアーリンの保管庫に全て保管されており、お気に入りは諸葉とエドワードが戦った時に壊れた物。

戦闘服(せんとうふく)
白鉄であれば通力で、黒魔であれば魔力で強化するアメリカ支部長の作製した魔法道具の一つ。諸葉は前者を使用していたが、11巻にてアーリンが作製した専用の物を使用するようになる。

実戦部隊(ストライカーズ)
亜鐘学園の学生で構成される異端者と戦う部隊。正規隊員は14人。ランクC以上の力があると判断されれば正隊員として、ランクCに近い実力であれば予備隊員として認められる。名目上は奨学金だが、毎月大卒初任給を遥かに超える給料が支払われる。当代の《実戦部隊》は黄金世代と呼ばれ、学生でありながら日本支部屈指の戦績を誇る。黄金世代と呼ばれているほとんどはランクB。11巻にて三年生の卒業により、戦力弱体化が懸念されている。

白鉄(しろがね)
光技を使う<<救世主>>の日本での呼び方。ライトセイヴァー。

通力(プラーナ)
光技を使用する時に使う力。体内にある七つの門を開き、そこから汲み取った力。

神通力(アルスマグナ)
聖剣サラティガによって通力を濾過し、より純粋にした力。

黒魔(くろま)
闇術を使う<<救世主>>の日本での呼び方。ダークセイヴァー。

魔力(マーナ)
闇術を使用する時に使う力。世界に溢れている力を奪って変換した力。

妖精力(レプラカーナ)
アメリカ支部長が、魔法道具(アーティファクト)を作る際に使用する力。また、戦闘時には自身の魔法道具にこめて使用している。

異端者(メタフィジカル)
どこからともなく現れる人間世界に害をなす異形異端の生物。頭の数が多いほど強い多頭種。尋常ではない生命力を持つ海魔種。光技が効き辛い邪霊種。《子》(バグ)と呼ばれる生物兵器を搭載する巨蟲種など、色々な種類が存在する模様。ランクSなしに倒せない弩級(ドレッドノート)や要塞級(フォートレス)も存在し、その上に存在する魔神級(アークフィンド)はランクSですら苦戦させられる。大きさに比例して強いとされていたが、魔神級は人間とほぼ変わらない。正体は不可視によって誘拐され、源祖の業によって変化させられた人間の魂。要塞級までは人間の魂によって作られるが、魔神級は救世主の魂を使って作られる。魔神級の自己回復力は「妄執」の強さに直結するらしい。

弩級(ドレッドノート)
大きさが10メートル前後の異端者。Sランクなしには倒せないほど強い異端者であり、要塞級(フォートレス)が出現するまでは最強の異端者であった。

要塞級(フォートレス) 実戦部隊の合宿時に初めて確認された異端者。大きいもので300メートル、小さいものでも30メートルとそれまでし出現していたものとは段違いの巨体を誇る。さら巨蟲種と多頭種とのハイブリッドや蛇霊種のバグを生み出すものなどこれまでに無い特徴を持つものも存在している。攻撃力および攻撃範囲が広いため、通常の異端者のように数を揃えての攻撃は無効化されている。 群体要塞級(ストロングホールド)要塞級が複数体集まっている特殊な要塞級。中心となる要塞級を護るように複数の要塞級が存在し、その内一体を倒しても中心となる要塞級や他の要塞級から呪力が倒された要塞級に送られ即座に復活する。これが本来の要塞級の在り方ではないかとエドワードは推察している。

魔神級(アークフィンド)
救世主の魂を使って作られた異端者。大きさや全体的な造形は人間と変わらないが、他の異端者と同じくその姿は醜悪である。火力、機動性が今までの異端者とは段違いに高く、高い自己回復力を持っている上、特殊能力を持っている個体も存在する。しかも使用された魂の願望を歪めた形で喋る(正確にはテレパシーで伝える)ので、使用された魂の関係者に心理的な圧力がかかってしまうこともある。機動性がこれまでの異端者より遥かに優れているため、これまでの対異端者戦術が無効されている。使用されている魂の強さに強さが左右されるため、弱い個体と強力な個体の差が激しい。また、回復能力は魂の「妄執」の強さに左右されるため、回復力が高くても弱い個体も存在する。

呪力(サターナ)
異端者の力の根源。

雑記



情報更新者

どなたでも更新可。情報の追加・補足歓迎します。
画面上の編集ボタンをクリックすれば編集できます。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます