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作者:川口士
イラスト:よし☆ヲ(1巻〜8巻)→片桐雛太(9巻〜)
出版社:メディアファクトリー MF文庫J

あらすじ

ブリューヌ王国とジスタート王国が両国の国境にあるディナント平原で激突したディナントの戦いは当初のブリューヌ王国の圧倒的な勝利という予想を大きく覆し、ジスタート王国にいる七戦姫の一人『銀閃の風姫(シルヴフラウ)』こと『エレオノーラ=ヴィルターリア(エレン)率いるジスタートの勝利で終戦。ブリューヌ王国の伯爵位の貴族の少年ティグルヴルムド=ヴォルン(ティグル)は、味方の逃亡を手助けする為にエレンを討ち取ろうとするものの失敗、彼女の捕虜となる。出会うはずのなかった二人の出会いがブリューヌとジスタ−トのみならず、周辺の国々を巻き込み後の世に語り継がれる程の英雄譚の始まりになるとはまだ誰も知る由もなかった。

登場人物

七戦姫
エレオノーラ=ヴィルターリア
ジスタート七戦姫の1人。ライトメリッツ公国公主。16→18歳。銀の髪と赤い瞳を持つ巨乳の美少女。愛称はエレン。操風の長剣「アリファール」を持ち『銀閃の風姫(シルヴフラウ)』『剣の舞姫(メルティス)』などの異名を持つ。自身も優れた剣術と大胆で的確な戦術指揮能力も持つ。反面、単騎で突撃する傾向も少なからず見られる。兵士の損耗等への考慮が不要である程の強大な戦闘能力を有しており、手応えのない楽な戦いではつまらないと評する。為政者としても優秀。ティグルをして「ライトメリッツと同等の統治をするなら」アルサス全土をゆずると言わしめている。赤ん坊の頃に傭兵団『白銀の疾風(シルヴヴァイン)』の団長ヴィッサリオンに戦場で拾われ、そのまま団の一員として育てられたが、そのヴィッサリオンが語っていた夢である、民が飢えることなく、それほど寒さに凍えずに、野盗にもおびえずに、人の交流が盛んで、誰もが笑顔で暮らせるような国をつくることをライトメリッツの公主になったときに、文官、武官たちに対して宣言するとともにそのような国づくりに協力してほしいと依頼し、そのように統治を進めてきた。反面、よく冗談とも本気とも付かない言動で周囲を翻弄することがある。ソフィーとサーシャに絶大な信頼を寄せ、何かあれば必ず協力を約束する一方でジスタート国王に対してはその小心ぶりを鼻で笑い、ミラと顔をあわせると必ず喧嘩に発展し、過去の確執からリーザを一方的に悪とみなすなど、人の好き嫌いが激しい。その傾向から身内や仲間に対して甘く、彼らが危機に晒されると冷静さを失う。ディナントの戦いに圧勝後、ティグルの弓術を気に入り、捕虜とする。ライトメリッツに被害がおよぶのを防ぐという口実で内乱に武力介入するが、共に過ごすうちに彼に惹かれていく。内乱終結後はティグルと共に過ごし、気が進まない王命によりティグルのアスヴァール派遣を支援するも、彼が行方不明の報を受けるとショックを隠せなかった。そのショックが癒えぬままトルバランのレグニーツァ襲撃の際には、サーシャの援軍に駆け付けるも何も出来ないまま親友サーシャを喪う。その後、王命によりイルダーとユージェンの仲裁に向かう途中でリーザと行動するティグルと再会。彼を取り戻すべくリーザに剣を向けるも、ティグル本人だと断定する確たる証拠がなかったためその場は引き下がったが、バーバ=ヤガーと戦うリーザやティグルの所へ駆けつけティグルが記憶を取り戻す瞬間に立ち会い言葉にならないほど喜びを爆発させた。新年の太陽祭に参加した後、ザクスタンによるブリューヌ侵攻を国王の口から知り、王命でティグルと共に兵を率いて再びブリューヌへ足を踏み入れる。その際、ティグルにリムの男っ気のなさを気にかけている事を明かし、嫁に貰うよう提案する。南のザクスタン軍を退けた後、メリザンド一派の叛乱に巻き込まれるもティグル達と共に鎮圧、西のザクスタン軍シュミットの騎兵部隊を退けたが、直後グレアスト率いる軍の急襲を受け、ティグルと共に行方不明となる。

リュドミラ=ルリエ
ジスタート七戦姫の1人。オルミュッツ公国公主。16→18歳。青い髪をショートヘアにしている。愛称はミラ。操氷の槍「ラヴィアス」を持ち『凍漣の雪姫(ミーチェリア)』という異名を持つ。真面目かつ聡明で誇り高い。文武両道の実力者だが、故に高慢であり劣る者を見下す傾向もある。戦上手で特に守備戦術に長けている。ルリエ家は本来世襲ではない戦姫の地位を代々受け継ぐ稀有な存在であり、彼女も相応の教育を受けて戦姫となった。そのため「ぽっと出」のエレンを「品がない」と嫌う。エレンのほうも彼女の高慢な態度を嫌っており、会えば派手にいがみ合う関係。小柄でエレンよりも胸が小さいため、そのことをエレンからは頻繁にあげつらわれている。ジャムを入れた紅茶(チャイ)が好物で、それを自分で淹れるのが趣味。ルリエ家とテナルディエ家との間には代々の親交があり、その縁からティグル討伐の支援を依頼される。しかし彼女は内心ではテナルディエを嫌っており、不満を矜持で抑え込んでいた。タトラ山で偽名を用いたティグルと遭遇した際にはそうとは知らずに彼に心を許し、その不満をぶちまけている。そのことと、敵である自分を暗殺者から守ってくれた誠実さから彼を気に入り、ブリューヌ内乱において中立を宣言。その後、ムオジネル侵攻の際『銀の流星軍』の救援に駆けつけ、黒弓の力を知ることを条件に協力関係になる。オルメア会戦を共に戦い抜いたティグルに対しはっきりと好意を抱くようになり、以後はお互い愛称で呼び合うようになる。そのまま 内乱に参戦、終戦後は彼を引き抜こうとして度々誘いをかけている。ティグル行方不明の報を聞いた際、アスヴァールでティグルが買った紅茶を持ちながらショックを隠せなかった。太陽祭でティグルに再会すると、アスヴァールでの土産の紅茶を彼から直接受け取りたかったと不満を言うが、再会できたことには喜んでいた。ザクスタン侵攻に伴いムオジネルの動きを察知したヴィクトール王の命で牽制のためにフォドニー城砦へ赴く。フォドニー城砦でクレイシュ率いるムオジネル軍と戦うが、クレイシュの策によってアニエスへの進軍を許し、直後魔物出現をラヴィアスから教えられ、単独でブリューヌに向かう。

ソフィーヤ=オベルタス
ジスタート七戦姫の1人。ポリーシャ公国公主。年齢は20歳。緑柱石色の瞳、緩やかなウェーブを描く淡い金髪の美女。長身で起伏に富んだ抜群のスタイルの持ち主でもある。愛称はソフィー。操光の錫杖「ザート」を持ち『光華の耀姫(ブレスヴェート)』の異名を持つ。いかにも深窓の姫君といった評価が合うおっとりとして穏やかな性格の持ち主だが怒ると怖い。外見からは想像し難いが、情報収集に非常に長け、戦姫の例を漏れず高い戦闘能力を持つ。竜を愛でるのが好きで、エレンの飼っているルーニエが特にお気に入り。エレンのことは公私共に大切に思っている。好奇心が強く、あらゆるものに興味を示す一面がある。とりわけ強い興味を持った対象についてはその意をはっきり口に出すという特徴があり、ティグルはその対象になっている。ブリューヌの内乱終結後はアスヴァールのエリオット王子の下に使者として赴くが、罠に嵌められるもティグルに救出され、以来感謝とも恋情とも取れる感情を抱くようになる。オルミュッツとポリーシャの間にあるルブリンという町の出身であることが明かされている。彼女の父は領主に仕える騎士で事後処理や交渉事を得意としていた。両親は父母共に忙しかったため祖父に面倒を見てもらっており、その時に文字の読み書きや棒を使っての護身術などを教えられている。

エリザヴェータ=フォミナ
ジスタート七戦姫の1人。17→19歳。ルブーシュ公国公主。金色の右目と碧色の左目を持つ『異彩虹瞳(ラズイーリス)』と呼ばれるオッドアイの少女。愛称はリーザ。操雷の鞭「ヴァリツァイフ」を持ち『雷渦の閃姫(イースグリーフ)』『鞭の舞姫(クヌートス)』の異名を持ち、上記の『異彩虹瞳』も今では彼女を指す異名である。ライトメリッツ貴族出身だが、この地域では凶兆とされる『異彩虹瞳』を理由に放逐される形で田舎の寒村で虐められながら育つ。その時、当時傭兵団の下働きだったエレンと出会っており、互いに戦姫になった際に再会したがエレンは覚えていない。戦姫に選ばれた際、『異彩虹瞳』を吉兆と崇めるルヴーシュの主になったことから自信を取り戻すが、心の底では『異彩虹瞳』へのコンプレックスが根強く残っており、度々周囲の者に「私の瞳をどう思う」という問い掛けをする。ルヴーシュへの思いは強いのだが、配下が全員先代戦姫が選抜した人材であり、事あるごとに手腕を比較され、内心で苦悩している。1年前に起きた疫病と貴族の着服問題でエレンとは確執があり、彼女からの評価は低い。また、その時にエレンに決闘を挑んでいるが、完膚無きまでに叩きのめされ敗北している。後にバーバ=ヤガーの神殿で祈りを捧げ、力が欲しいと望んだことでヤガーと契約し人間とは思えぬほどの強力を授かる。しかし、現在はその力に執着しておらず、力をヤガーに返してやりたいとさえ言っている。トルバランとの戦いで援軍として駆け付け、サーシャと共に海賊とトルバランを討伐する。終戦後に“ウルス”(記憶喪失のティグル)と出会い、自分の眼に対して忌憚のない感想を述べた“ウルス”を気に入り部下として迎える。彼と過ごすうちに偶然が重なった出会い、素性不明を理由に孤立する彼を見てかつての自分を連想する同情と親近感、初めて自分の意思で抜擢した部下という拘りなど様々な要因や感情が重なった結果、“ウルス”に対し強い執着心を持つようになる。後にエレンの言動から“ウルス”の素性を確信するが、“ウルス”とティグルは別人であると自らに言い聞かせ、新参の従者としては破格の待遇を与えるなどして必死に彼を自分の下に繋ぎ留めようとする。自身の力の悩みを絶つためにもバーバ=ヤガーを討つべきと考え、単身で対峙する。窮地に駆けつけたウルスとエレンの手助けもあり、悩みを断ち切ってついにバーバ=ヤガーを撃退、右腕の力を消し去る。同時にその代償として右腕の機能を失ってしまう。その後、「ティグル」としての記憶を取り戻したウルスの本心を察し別れを告げる。同時にティグルからは「何かあればすぐに駆けつける」と約束されてしまい、エレンと自分が争った場合に彼が仲介する意向を聞いてからは、その言葉を否定しようとしなかった。太陽祭でティグルに再会した際には彼から右腕のことを心配されたが、回復傾向にあることを告げて安心させる。また、ティグルがミラやソフィーと互いに愛称で呼んでいたことに対抗心を燃やして、彼にも互いに愛称で呼ぶようにお願いする。

ヴァレンティナ=グリンカ=エステス
ジスタート七戦姫の1人。オステローデ公国公主。年齢は22→23歳。ジスタート王家の傍系の貴族出身で、青みがかった長い黒髪の儚い雰囲気を持った女性。大鎌「エザンディス」を持ち『虚影の幻姫(ツェルヴィーデ)』の異名を持つ。17歳で戦姫に選ばれた当時のオステローデは7つの公国中、最も弱い国だったが、力も領地もない小貴族だった彼女にとってはかけがえのないものとなり、策謀を駆使して5年間で他の公国と比べても遜色ないほどに発展させている。エザンディスは瞬間移動能力を持ち、遠くへ行くほど体力を使うとされるが詳細は不明。ソフィ−と同様、高い情報収集能力を持ち、外見からは想像もつかないほど武術に長けている。また、敏感なティグルでさえ気づかないほど完全に気配を絶つことができる。さらに、他の戦姫が知らなかった魔物の存在も早くから把握しており、ガヌロンの正体を知っている素振りを見せるなど知識面でも他とは一線を画す存在となっている。都合が良いために自身を病弱と偽っており、滅多に人前に姿を見せないためソフィーからは特に警戒されている。実際に謀略家でかつてのアスヴァール女王ゼフィーリアのような女王となるという野心を持つ。ブリューヌ内乱終結後に密かにガヌロン、グレアストを招き入れている。アスヴァール内乱終結後は、国は乱れていた方がなりあがりやすいという考えから王位継承権を持つユージェンとイルダーを潰し合わせるために謀略を練る。カザコフがエレンに討ち取られた後も、抜け目なく彼の傘下にいた貴族達を取り込み大きく勢力を拡大させる。以前からティグルに興味を持っておりアスヴァールへの密使とすることを進言した張本人で、利用できるか排除するかを見極めるため接触の機会を試みている。そして太陽祭でティグルと初対面し、ザクスタン軍のブリューヌ侵攻時において王命で参戦、敵将クリューゲルと会談して降伏勧告をしつつ、策略に嵌め月光の騎士軍勝利に貢献した。月光の騎士軍のニース帰還に伴ってレギンに謁見して今後のことを問う。彼女の軍装自体がドレスであり、薔薇の造花はこすり合わせると発火するように作られている。

オルガ=タム
ジスタート七戦姫の1人。年齢は14→15歳。ブレスト公国公主。薄紅色の髪と艶のない黒真珠のような瞳が特徴的な少女。大斧「ムマ」を持ち『羅轟の月姫(バルディッシュ)』の異名を持つ。単騎での戦いを得意としている。元々はジスタートの東部に位置するブレストの東端の草原に住む騎馬民族族長の孫娘。12歳の時にムマによって戦姫に選ばれブレストの地を統治することになったが、故郷とブレストの大きさの違いに自信を喪失する。置き手紙を残し、ムマと共に2年近く放浪の旅をしていたところを、偶然ティグルと同道することになる。ティグルと出会った当初を除いては、普段は大人の振る舞いと言葉遣いをしているが、子供扱いされると不機嫌になったり、猪突猛進な性格から独断で行動して危険な目に遭い、それをティグルに咎められると拗ねてそっぽを向くなど、年相応の子供らしい一面を持っている。アスヴァールでティグルと共に行動していくうちに、彼に惹かれるようになる。ティグルの行動を見て「王の器量を垣間見た」と言って、内乱終結後、ティグルが行方不明になった後はサーシャとの会話の中で彼の隣に立ちたいと思い、もう一度向き合うためにブレストに戻った。太陽祭でティグルに再会すると、他の戦姫やリム、ティッタの前でティグルの子供が欲しいと発言し、一同を驚かせティグルに説得されて4年待つことにした。

フィグネリア=アルシャーヴィン
ジスタート七戦姫の1人。レグニーツァ公国公主。年齢は25歳。亡くなったサーシャの後を継ぐ戦姫として操炎の双剣「バルグレン」に選ばれた。『乱刃のフィーネ』の異名を持つ半ば引退状態の傭兵で、エレンの育ての父である『白銀の疾風』団長ヴィッサリオンとは旧い知り合いでエレンとも面識がある。後に敵同士として会ったヴィッサリオンを討ち、白銀の疾風消滅のきっかけとなった。貧しい平民の生まれで食べていくために傭兵としての道を選び、誰の庇護も受けず自由に生きてきたという過去から、自分が認めていない相手に頭を下げるのが嫌いで、ヴィクトール王との謁見でも僅かに不快感を見せた。ヴィッサリオンを斬ったことについて仕方のないことだったと自分を納得させているが、彼女自身も割り切っているわけではなく、エレンに対しても後ろめたく思っている。かつて一度だけ自分が国を治めるとしたらどんな国を目指すかについて考えたことがあり、ヴィッサリオンへの手向けとなるだろうという想いも後押しして正式にレグニーツァ公国公主を継ぐことを決めた。

ブリューヌ王国
レグナス/レギン=エステル=ロワール=バスティアン=ド=シャルル
ファーロンのたった一人の子で、彼から溺愛され次期国王と目されていた。16歳。中性的で優しげな顔だちから、華奢な印象を与える。実は女性で、本名はレギン。ブリューヌでは女子しか産めない王妃は蔑視される風潮があり王位継承権もないに等しく、愛する妻と娘を守るためにファーロンに男として育てられた。ガヌロンからは「無能ではないが特に秀でた所もない」と評されるが、ティグルが信頼に値する人物であるか確かめるためにワザと自分の体を拭かせるなど、大胆な一面もある。ディナントの戦いで突如刺客に襲われ護衛とともに脱出するも、戦死と扱われた上に妨害にあって王都に入れず、アニエスの村に逃げ延びた。そこでムオジネルの侵攻に遭い、ムオジネル兵の乱妨取りに遭っていたところをティグルに救われる。内乱終結後は、父王ファーロンによって王女として即位。ティグルとは幼少期にヴァンセンヌの狩猟祭で一度出会っているが、その時に初めて温かい食事をした経験から彼を特別に想っており、内乱での恩でそれが恋心へと変わる。ティグルが3年間エレンの元へ行くと合意した際も不満を隠さなかった。ティグルが帰国した際は今度は自分がティグルを守るとの決意を秘めており、彼が生死不明との報を聞いた際は大きくショックを受けるも彼の生存を信じてマスハスをジスタートへ派遣した。その後、暗殺者の襲撃を受けるがオーギュスト達によって守られるものの、デュランダルを盗まれた報告を受けて偽物を2つ用意させるなど意外な頭の回転を見せる。ティグルの帰還を大いに喜んでいたが、家臣や貴族達の目や自身の立場もあり、王女として毅然とした態度で帰還したティグルを労った。その後、浴場で入浴中のティグルのもとに現れ、本心を彼に伝えた。そして、自分のことを王女ではなくレギンと呼んでほしいと懇願した。

ティッタ
ティグル付きの侍女。15→17歳。ツインテールにまとめた栗色の髪が特徴。ティグルの幼馴染であり妹のような存在。元々は巫女の娘として生まれ、彼女自身も巫女となるための修行をしていたが、領主の屋敷で働いていた伯母の所に行くことを好んだのがきっかけでティグルと親しくなる。11歳の時に侍女となる意志を母に伝え反対にあうも、ティグルの口添えにより希望を叶えた。現在、ティグルの屋敷に常に勤めている侍女は彼女のみで、彼の身辺の世話を一手に担う。ティグルに想いを寄せているが、身分の違いを意識してか侍女として尽くすに留まっているが、次々と現れる女性の前に嫉妬を隠せない。テナルディエ軍の襲来に際しても領主の館を離れようとしない芯の強さを持ち、その後にティグルが戦に身を投じていこうという状況でも、彼のそばを離れぬ決意を固め、付き従う。内乱終結後は、ティグルに同行する形でライトメリッツの公宮に勤務。ティグル行方不明の報を聞いた際はショックを受けたが、マスハス、リムと共にルヴーシュへ同行し、後に記憶を取り戻したティグルと再会して嬉しさのあまり号泣する。ティグルがライトメリッツに帰還したあとも唯一の侍女として付き従い、ザクスタン軍侵攻の時にティグルと共にブリューヌへ帰国を果たした。これまでに2度、何かに憑依されており2度目に憑依された後、直感で強い気配を感じ取れるようになる。

ジスタート王国
七戦姫公国関連
リムアリーシャ
エレンの筆頭家臣。19→20歳。長い金髪をサイドテールにまとめている長身巨乳の女性。愛称はリム。厳格かつ生真面目な性格で、人を愛称で呼ばない。その一方で、可愛い熊のぬいぐるみを集めるのが趣味。手に入れたぬいぐるみには、一つ一つ名前をつけてやるほどの溺愛ぶりを見せる。エレンとは、戦姫以前に幼少の頃からの付き合いであることが示唆されている。また、男っ気のないことを密かにエレンに気にされている。当初はエレンがティグルを捕虜としたこと自体が気に入らず、彼に厳しい目を向けていたが彼と過ごすうちに考えを改めていき、その過程で彼に惹かれていくようになる。文官としても優秀で、エレンの政務を補佐するかたわら、ティグルの教師として内政や軍略、ジスタートの歴史を教えることもある。指揮官としてもオーランジュ平原でマスハスの献策どおりにナヴァール騎士団を破って、若いのに兵の使い方が上手いと賞賛され、メルヴィルの戦いでもテナルデイエ軍の「四槍の陣」のパターンを見破り、『銀の流星軍』の勝利に貢献するなど優秀である。ティグル行方不明の報を聞いた時はエレンらの前では気丈に振舞っていたが、ユージェンの前では堪えきれず泣き出してしまった。しかしエレンからウルスという青年の調査を命じられるとマスハスとティッタと共にルヴーシュへ赴き、リーザ捜索にも協力したのちにティグルが記憶を取り戻して安堵する。

ルーニエ
エレンが飼っている幼竜。ソフィーヤのお気に入りだが、本人はソフィーヤが来ると一目散に逃げ出すなど苦手。主人であるエレンを除いてはティッタに懐いている。ティグルには特に懐いているわけではないが彼が狩りに行く際には何時の間にかついていっており狩りの際の獲物のお零れに預かるなどちゃっかりしている。

アスヴァール王国
ゼフィーリア故人。アスヴァール女王。かつて国家存亡の危機にあったアスヴァールを救い、アルトリウスの悲願であった大陸の領土化を叶えた人物。大陸初の女王でもあった。武勇に優れ生涯独身を貫いたとされている。

ギネヴィア=コルチカム=オフィーリア=ベディヴィア=アスヴァール
アスヴァール王国第一王女。20歳。ザカリアス王の死後、同じくジャーメインに謀殺されそうになるがその手を逃れ隠れるように生きていたが、タラード達の助けも会って内乱後アスヴァール女王として即位し、ブリューヌ、ジスタートと友好を結ぶ。

レグニーツァ公国
アレクサンドラ=アルシャーヴィン
元ジスタート七戦姫の1人。レグニーツァ公国前公主。エレンが戦姫に選ばれた際に必要なことを教えてくれた人物。愛称はサーシャ。「バルグレン」の前の持ち主で、『煌炎の朧姫(ファルプラム)』『刃の舞姫(コルティーサ) 』の異名を持つ。遺伝性の血液の病気に冒されているが、それでもエレンが剣の勝負で勝てたのは一度だけで、病に冒される以前は三人の戦姫を相手に勝利するなど戦姫の中でも異例の強さを持っていた。病が重症化してからは竜具を振るうこともままならなくなり、寝たきりの生活が続いていた。アズヴァールへ向かう途中のティグルと屋敷で出会い、互いに気に入り再会を約束した。トルバランの来襲を受けて隣国のリーザに援軍を要請した後、決死の覚悟で出陣、紙一重の差で勝利する。しかし その戦いで死力を尽くしたため、数日後にエレンに看取られながら息を引き取った。22歳没。

その他
神々の王ペルクナス
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱にしてその筆頭神。太陽と光の神とも称されている。

戦神トリグラフ
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱。傭兵や軍人に信仰される。

家畜の神ヴォーロス
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱。熊はヴォーロスの化身とされている。

大地母神モーシア
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱。4柱いる女神の1柱でありその像は自身は花で飾っている。犬が眷属とされる。

風と嵐の女神エリス
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱。4柱いる女神の1柱であり角笛が持ち物とされる。ティグルがよく祈りを捧げている神でもある。

豊穣と愛欲の女神ヤリーロ
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱。4柱いる女神の1柱でありその像は薄布を纏っている。

夜と闇と死の女神ティル=ナ=ファ
ブリューヌとジスタートで信仰される十神の1柱。4柱いる女神の1柱でありがたられることは非常に少ない。ペルクナスの妻であり姉であり妹であり永遠の宿敵とされている。ティグルは黒弓を通して聞こえる声は彼女のものだと推測している。

用語

ブリューヌ王国
本作の主な舞台。大陸のほぼ中央に位置し東はヴォージュ山脈を隔ててジスタート、西はザクスタンとアスヴァール、南東にムオジネルと隣接しているため温暖で肥沃な土地を狙われ、歴史的これらの国々と多くの紛争を経験している。王都はニース。国旗は紅馬旗(バヤール)。建国王シャルルが聖窟宮(サングロエル)で王となるための啓示を受け、リュベロン山で神々の遣わした精霊に出会い、なにものをも切り裂く宝剣デュランダルと、黒いたてがみと赤い肌を持つ魔法の馬バヤールを授けられ、その二つを以て数多の戦場を駆け巡り、勝利を重ねた末にブリューヌ王国を建国したとされる。当代の国王ファーロンの下、善政が敷かれているが一方で王家の姻族に当たるテナルディエ、ガヌロンという2大公爵家が権勢をほしいままにしている。ジスタートの小競り合いから発展した「ディナントの戦い」にてレグナス王子が戦死すると失意のファーロン王は政務放棄状態に陥り、テナルディエ派とガヌロン派による内乱の機運が高まりつつある。ムオジネルとのオルメア会戦後、新たにティグル率いる銀の流星軍が台頭し、最終的にはガヌロンの逃亡、テナルディエの戦死により内乱は終結。さらに戦死したと思われたレグナス王子ことレギンが王女に即位する。

ジスタート王国
ブリューヌと並ぶ本作の主な舞台。ブリューヌとヴォージュ山脈を隔てた隣国。王都はシレジア。国旗は黒竜旗(ジルニトラ)。かつての伝承から、国王の下に7人の戦姫を置き、戦姫それぞれが公国として自身の領地を治めるという国家体制を持ち、公国は戦姫不在でも政治が回るよう官僚制を敷いている。

アルサス
ブリューヌの北東にあるヴォルン家が代々治める領地で中心都市はセレスタ。王都ニースから遠く離れており主要な街道は1本も通っていない田舎町だが、険しいヴォージュ山脈を挟んでジスタート王国と隣接している。領土は小さく、森や山といった自然ばかりで主な産業もないため税収は少ない。ブリューヌ内乱時にテナルディエ公爵の軍勢に襲撃を受けるもティグルの意向を受けたライトメリッツ軍により撃退され、内乱鎮圧後はブリューヌ王国とライトメリッツ公国の共同管理地となっている。

ネメタクム
テナルディエ家が治める領地で中心都市はランス。ブリューヌ南部の要衝ランスを中心に広大な領土を持っており、その規模は国内ではガヌロン家と双璧を成している。また領内には交易の中心である主要な港町を多数抱えており、テナルディエ家に莫大な利益をもたらしている。

ルテティア
ガヌロン家が代々治める領地で中心都市はアルテシウム。ブリューヌ北部の要衝アルテシウムを中心に広大な領土を持っており、その規模は国内ではテナルディエ家と双璧を成している。特産品は林檎酒。アルテシウムの地下には「聖窟宮」というブリューヌの聖地があるが、内乱時にマクシミリアン=ベンヌッサ=ガヌロンがアルテシウムの街に火を放ち甚大な被害を出した。

ライトメリッツ公国
ブリューヌと並ぶ本作の主な舞台。北は万年雪のある高山、西はヴォージュ山脈を隔ててブリューヌと、南はムオジネルと国境を接している。王都はシレジア。国旗は黒竜旗(ジルニトラ)。ジスタートの建国伝説によると、かつて30ほどの小部族がこの地の覇権を競う中、「黒竜の化身」を称する男が突如として現れ、我を王として従えば勝利を約束するとした彼に七つの部族が従った。彼は服従の証として各部族から捧げられた女性に竜具を与えて七戦姫とし、宣言通りに周辺部族を平定しただけでなく、周辺諸国をも滅ぼしてジスタート王国を建国し、その初代国王となった。かつての伝承から、国王の下に7人の戦姫を置き、それぞれが公国として自身の領地を治めるという国家体制を持ち、各公国は戦姫不在の場合でも政治が回るよう官僚制を敷いている。戦姫の戦闘力は圧倒的で他を寄せ付けない。王国にとって有益であるとの判断に基づけば公国同士の争いも許される国柄で、そのせいか戦姫同士で戦争を行うことも少なくない。

ライトメリッツ公国
アリファールの所有者が治める公国。ジスタート王国の南西に位置し、ヴォージュ山脈を隔ててティグルが治めるアルサスと隣接している。公国旗は黒の銀剣旗。歴史的に隣国のオルミュッツ公国とは仲が悪く、対立している。

オルミュッツ公国
ラヴィアスの所有者が治める公国。ジスタート王国の南に位置し、ライトメリッツの南に隣接するとともに、ムオジネル王国ならびにブリューヌ王国と隣接している。公国旗は白の蒼槍旗。歴史的に隣国のライトメリッツ公国とは仲が悪く、対立している。

ポリーシャ公国
ザートの所有者が治める公国。ジスタート王国の南東に位置し、ムオジネル王国と隣接している。

レグニーツァ公国
バルグレンの所有者が治める公国。ジスタート王国の西に位置し、ライトメリッツの北に隣接している。公国旗は黄の交差した朱刃と金刃旗。海に面しているため度々、海賊による被害が起こっており海軍を保有している。

ルヴーシュ公国
ヴァリツァイフの所有者が治める公国。ジスタート王国の北西に位置し、レグニーツァの北に隣接している。『異彩虹瞳』を吉兆と崇めている。公国旗は紫の金鞭旗。

オステローデ公国
エザンディスの所有者が治める公国。ジスタート王国の北東に位置している。歴史的に七公国中、最弱と言われてきたが当代のヴァレンティナ=グリンカ=エステスが治めるようになってからは他の公国と遜色がないほどの繁栄を見せている。

ブレスト公国
ムマの所有者が治める公国。ジスタート王国の東に位置している。

アスヴァール王国
大陸と大陸から離れたアスヴァール島を領土に持つ国。王都はコルチェスター。国旗は赤竜旗。かつてアスヴァール島で5つの部族が覇を競っていた最中、アルトリウスという一人の平凡な戦士が赤い竜に変わる夢を見た。これを5部族を統一する王になる啓示と判断した彼は、後に円卓の騎士と呼ばれる12人の仲間とともに数多の戦場を駆け巡り、ついには統一を成し遂げ初代の王となったという建国伝説を持つ。ブリューヌやジスタートと異なり、十神ではなく初代王と円卓の騎士が信仰の対象になっている。その後平和な時期を経て、大陸側からカディス王国の侵略を受け、王国がほぼ半壊するまでに追いやられた中で立ち上がったのが、後に覇王(ブレトワルダ)と呼ばれるゼフィーリア王女である。混乱の中で彼女は剣を取り、始祖もかくやと思わせるほどの活躍を見せ、カディス王国を島から叩き出したばかりか逆に侵攻するまでに到り、アルトリウスもなし得なかった偉業として大陸に領土まで得た。隣国のブリューヌの内乱中に先代の王が崩御し、第一王子と第二王子による王位争いが起きている。

ザクスタン王国
ブリューヌ王国の西にあり、アスヴァール王国とも隣接している国家。国旗は白鷲旗。ブリューヌとは度々小競り合いを起こしているが、ロラン率いるナヴァール騎士団に阻まれている。領土には平原が少なく、近隣諸国からは「山と森の国」と呼ばれることも。その地勢から各地の連絡性が悪く、かつては無数の小国家が林立していた。それらを一つ一つ飲み込む形で成立したのがザクスタン王国である。しかし 成立してから250年以上経った今でも、土豪と呼ばれる地方諸侯たちは、かつての小国家の末裔を自負し、独立の気風が高く、中央への忠誠心は低めである。ザクスタン出身の傭兵は戦上手で知られる。また国家的に弩や投石機などの作成に優れるとされる。

ムオジネル王国
ブリューヌとジスタートの南にある王国。国旗は緋の角突き黄金兜と金剣旗。これは戦神ワルフラーンの象徴とされる。奴隷制を唯一持つ国で国民は褐色肌が特徴。戦争で身代金が払えない捕虜はここに売り飛ばされる。ムオジネル産の紙や絨毯は上質とされ、紅茶などの珍しい特産品が多い。当代の王は積極的に領土を拡げるという野心を抱いており、温暖で肥沃なブリューヌを虎視眈々と狙っている。

戦姫(ヴァナディース、せんき)
ジスタート王国独特の制度。竜具に選ばれた7人の女性が、国王に次ぐ地位として国を治める一方で、いざ戦いとなれば竜具を振るい敵と戦う。竜具を振るう戦姫の戦闘力は作中で圧倒的なものであり、竜も一撃で倒せる。ジスタートの建国伝説によると、300年ほど前にこの地で闘争に明け暮れていた30ほどの部族の前に、『黒竜の化身』を自称するものが現れ、自分を王として従うならば勝たせてやると宣言し、その言葉を信じた七部族が従った。七部族は忠誠の証として武勇に優れた七人の美姫を妻として捧げ、彼は七人に竜具を与え、お前たちは今から『戦姫』だと告げた。これが七戦姫の始まりだとされる。戦姫はそれぞれ治めるべき公国を持ち、自治や徴税などの特権を持つ。戦姫の上に立つものはジスタート国王ただ一人である。戦姫は竜具が選ぶ。身分は問われず貴族からも平民からも選ばれる。ルリエ家のように「先祖代々戦姫」というのは稀有な例。過去、七戦姫全員から忠誠を得たのは原初の『黒竜の化身』しかおらず、ヴィクトールによれば歴代の王でも幾人もの戦姫と親しくしていたのは僅か数人のみであったらしい。

竜具(ヴィラルト)
戦姫が振るう武具。全部で7種類存在し、それぞれ特殊な力を有する。また、その力を最大限に発揮する『竜技(ヴェーダ)』は、一撃で竜を倒すことも可能。次代の戦姫を自ら選ぶなど、独自の意思を持つ。また、例外的に携行したままでの王との謁見が許される。すべての竜具は、たとえ手元になくても、所有者が呼べば空間を超えて手元に現れる特性を持つ。戦姫が戦姫たり得ないと竜具が判断したときに手元から失われ,次世代に引き継がれる。ただしその判断は不明瞭な点がかなり多く、病魔に冒され指揮を執るのもままならないほど衰弱したものや、治めるべき国を離れて放浪しているもの、果ては自身の野望のために国を割るよう暗躍している戦姫ですら竜具が手元に残っていたりする。

「銀閃」アリファール
『降魔の斬輝』という異名を持つ長剣。風を操る能力を持つ。エレンの元では、周囲の風を圧縮して暴風の刃を作り出し、刀身を振り下ろすと同時に射出する竜技、『大気ごと薙ぎ払え(レイ・アドモス)』、空中で姿勢を整えて縦横無尽に空を舞う、あるいは単純に移動速度を上げる『風影(ヴェルニー)』などの技を使用。この他にも、自身が跨がる馬を数メートル持ち上げて移動させる、自軍に向けて放たれた矢を散らす度の風を起こす、周囲への音をかき消すなど、風に関する数々の能力を持つ。

「凍漣」ラヴィアス
『破邪の尖角』という異名を持つ槍。氷を操る能力を持ち、柄の長さを自在に変化できる。ミラの元では、一瞬で氷を作りだし、無数の槍状にして敵を貫く竜技、『空さえ穿ち凍てつかせよ(シエロ・ザム・カファ)』、穂先で突いた水を瞬時に凍らせる『静かなる世界よ(アーイズビルク)』などの技を使用。また、使用者および周囲への冷気を遮断するような能力があることをうかがわせる描写もあり、実際ミラは雪深い山中でも軽装で行動している。

「光華」ザート
『退魔の祓甲』という異名を持つ錫杖。光を操る能力を持つ。ソフィーの元では、目の前に円状の光の膜を作り出し、攻撃を遮断する『我が前に集え煌めく波濤よ(ファルヴァルナ)』、光の粒を自身に纏わせ、粒子が弾け飛んだ後は姿を消している『我が前に集え眩い粒砂よ(ミラーシェム)』、光の粒を生み出し操る『我が先を疾走よ輝く飛沫よ(ムーティラスフ)』などの技を使用。竜具中、唯一刃を持たないが、破壊力はそう劣るものではなく、当たれば骨が砕けるとはエレンの弁。

「煌炎」バルグレン
『討鬼の双刃』という異名を持つ双剣。炎を操る能力を持つ。サーシャの元では、面前で交差させた双剣を振り抜き、彼我の間に何本もの火柱を上げる『突火槍列(プラムオーク)』、熱を指向的に操り使用者の姿を朧気にする『陽炎(オルトレスク)』、黄金と紅蓮の炎を作りだし、斬りつけた相手が滅びるまで燃やし尽くす『双焔旋(フランロート)』などの技を使用。

「雷渦」ヴァリツァイフ
『砕禍の閃霆』という異名を持つ鞭。雷撃を操る能力を持ち、雷光となって長鞭や打撃武器の形態に変化できる。リーザの元では、鞭を柄の先から九本に分かち、雷気を纏わせて叩き付ける竜技『天地撃ち崩す灼砕の爪(グロン・ラズルガ)』、鞭先に雷気を纏わせ、離れた敵を叩くと同時に凄まじい閃光で視力を奪う『闇夜斬り払う刹那の牙(ノーテ・ルビード)』などの技を使用。このほか、微弱な無数の雷撃を空中に飛ばし、敵の位置を感知するような能力もある。通常は4メートルほどある黒い鞭であるが、『鋼鞭(クスタル)』と呼ばれる棒状の武器や、『雷刃(メルニテ)』と呼ばれる無数の鋭い突起を持った片刃剣へと形態を変えることが出来る。

「虚影」エザンディス
『封妖の裂空』という異名を持つ大鎌。空間に干渉する能力を持つ。ヴァレンティナの元では、波紋が広がるように周囲の空間を歪め瞬間移動する『虚空回廊(ヴォルドール)』、鎌の軌道に沿って黒い霧を発生させ攻撃を受け止める『黒霞(ティンカー)』などの技を使用。

「羅轟」ムマ
『崩呪の弦武』という異名を持つ戦斧。ラヴィアスと同じく柄の長さを変化させたり、刃の大きさや形状を変えることができる。オルガの元では、刃を上下に伸ばし、鋸状の刃を付加する『牙崩の壱(アジンクリーク)』、斧を巨大化させ、対象に叩き付けて粉砕する『角貫の弐(ドゥヴァローク)』などの技を使用。

単位
チェート
作中で使用されるセンチメートルの単位。

アルシン
作中で使用されるメートルの単位。

ベルスタ
作中で使用されるキロメートルの単位。

銀の流星軍(シルヴミーティオ)
ブリューヌ内乱時におけるティグルたちが率いるブリューヌとジスタートの混成軍の名称。総大将はティグル(テナルディエ軍との決戦時はレギン)で命名者はエレン。ブリューヌ内乱鎮圧と共に解散した。

月光の騎士軍(リューンルーメン)
ザクスタン軍侵攻に際してティグルたちが率いるブリューヌとジスタートの混成軍の名称。ブリューヌとジスタート双方に人脈を持つティグルが引き続き総大将を務め、命名者はティッタ。名前の由来は、ティグルの称号「月光の騎士」から。なお、「月光の騎士」の称号はティグル以前に授かった人物は一人のみで非常にマイナーなものであるが、その人物が後に王の座に就いた逸話がある。

ヴォルン家の黒弓(仮称)
ヴォルン家の家宝として伝わってきた宝弓。材質不明。竜具の力を矢に上乗せして放つことが出来、通常は傷付けることも不可能とされる竜を一撃で倒すほど。時折弓を通して何者かの声が聞こえることがある。竜具とは性質が全く異なるらしい。その気になれば町を一瞬で消せる。伝承よりも遙かに古い話に『魔弾の王』と呼ばれた人物の話があるが、その人物が使っていたものと同一かどうかは不明。ちなみに、タイトルの「魔弾」とはこの弓から放たれる矢のこと。

宝剣デュランダル
『不敗の剣』とも呼ばれるブリューヌの宝剣。材質不明。竜技すら打ち破る力を発揮する。ロランが降伏の際にティグルに預け、彼の死により内乱終結後に王家へ返却。


大陸に存在している大型生物。普段は森や山奥に奥深く生息しているため人が目にすることはほとんどなく、その為伝説上の生物を信じる人間も少なくない。様々な色や種類の竜が存在しており、ジスタート王国では黒竜と幼竜への危害を加えることを禁じている。身体は非常に頑丈で通常兵器では傷つけることは不可能。最大で150チェート(15メートル)まで成長する。

地竜(スロー)
鰐のように四足で移動する竜種。

空竜(ヴィーフル)
竜種の中でも翼が発達し自由に飛行出来る。人を乗せて飛行可能。

火竜(ブラーニ)
竜種の中で唯一炎を吹く竜種。灰や炭、鉱物を常食している。

双頭竜(ガラ・ドヴア)
竜種の中で奇形種とされ最大の大きさを誇る。最大の特徴はそれぞれ独立した双頭で片方が死んでも活動可能。竜種の中でも一際獰猛で同族すら餌にする。ジスタートでは凶兆を運ぶとして忌み嫌われている。

海竜(バダヴア)
竜種の中で唯一海で生息している。蛇のような身体が特徴。

魔物
人ならざる異形の者たち。常人を遥かに超える身体能力や超常的な能力などを有している。作中で登場する魔物達はスラブ神話に出てくる精霊の名前を名乗っている。戦姫とは敵対関係にあり、戦姫が誕生した当時から現在に至るまで何らかの因縁があることが示唆されている。また、ヴォルン家の黒弓の正体を知っているようで、その使い手を戦姫以上に貴重な存在として特別視している。

雑記



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