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【定義】

禅宗寺院に於ける七堂伽藍の一つ。寺院の台所であり、庫は物を蓄える蔵の意である。別に、香積局庫裡・庫堂・厨庫・庫下などと呼ばれる。なお、典座を始め、諸知事がここに居すべきとされる。

【内容】

道元禅師は、自らが構築した永平寺に於いて、数度にわたり庫院での心構えなどを示している。大まかに、知事については『知事清規』にて示されたが、特に典座を中心とした台所作法の指示として、その一つは寛元4年(1246)8月6日に示されたもの(『示庫院文』)であり、95巻本『正法眼蔵』では、巻の一つとして収録されている。内容は庫院の存在意義と、粥や飯を始めとする食事の意義について解説されている。
いま、遠方の深山なりとも、寺院の香積局、その礼儀、言語、したしく正伝すべきなり。

このように、どれほどに山中にある寺院でも、庫院での礼儀などを正伝すべきであるとする。
現在大宋国の諸山諸寺には、もし在家より饅頭乳餅蒸餅等きたらんは、かさねてむしまゐらせて、衆僧にたてまつる。これ、きよむるなり。いまだむさざれば、たてまつらざるなり。これ、おほかるなかに、すこしばかりなり。この大旨をえて、庫院香積、これを行ずべし。万事、非儀なることなかれ。

道元禅師は上記の内容(上記は抄録)を受けて、末尾に以下の文を付けてこの庫院の意義を明らかにしている。
右の条条は、仏祖命脈衲僧眼睛なり。外道は未だ知らず、天魔は堪えず、唯だ仏子のみ有りて、乃し能くこれを伝う。庫院の知事、明察して失すること莫れ。 〈原漢文〉

なお、これとは他に『永平寺庫院制規』という一文を宝治2年(1248)12月21日に示している。その内容は、庫院で漫然と行われていたことの幾つかを停止するものである。それは、ほとんどが庫院で保管されている米や銭の用い方であり、当時の永平寺でやや放漫経営がされていた可能性を示唆している。

それから、他にも『典座教訓』や『知事清規』を参照しなくてはならない。

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